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スーパーメジャー: 「スケール」から「クオリティ」へ

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Academic year: 2021

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原油市場の現状と今後の展望

2018年11月22日

石油天然ガス推進本部

野神 隆之

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原油価格の種類

• 長期契約価格:継続供給(通常年間)、但しスポット価格

に連動する例多

Arab Light(サウジアラビア)、Kuwait(クウェート)、Iran Heavy(イラン)...

• スポット価格、先物価格:随時(単発)契約(「原油価格」

として報道されるのはこちら)

WTI(West Texas Intermediate、米国)、Brent(英国)...

※OPECバスケット価格:15種の原油価格の平均

Saharan Blend (アルジェリア)、 Iran Heavy (イラン)、 Basra Light (イラク)、 Kuwait (クウェート)、 Es Sider (リビア)、 Bonny Light (ナイジェリア)、 Qatar

Marine (カタール)、 Arab Light (サウジアラビア)、 Murban (UAE)、Merey (ベネ

ズエラ)、Girrasol(アンゴラ)、Oriente(エクアドル)、Rabi Light(ガボン)、Zafiro

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BP Statistical Review of World Energy 2018 © BP p.l.c. 2018

Crude oil prices 1861-2017

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原油価格の変動要因

• 需給状況(以下のものを含む)

① 石油開発・生産コスト

② 需要及び供給見通し(←経済、株価、OPEC産

油国の動き等)

③ 政情不安(→中東情勢悪化に伴う供給途絶懸

念)

• 米ドル為替レート(インフレ懸念等)

• 投機資金の動き(ヘッジファンド、年金資金等の

金融筋)

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石油開発・生産コスト

出所:IEA ※50ドル台半ばで相当規模の開発・生産が可能との見方も

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原油価格(2003~18年)

原油市場の流れ ① 2003~2013年:中国経済発展と石油需要の増加期待、非OPEC産油国石油供給伸 び悩み(及びOPEC産油国市場支配力拡大)観測+政情不安(イラン、ナイジェリア 等) ② 2013年~:非OPEC産油国石油供給増加(及びOPEC産油国市場支配力抑制)

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世界石油需要伸び率(1987~2017年)

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米国原油生産量の推移(1985~2018年)

※ 月間値では2017年11月の原油生産量は日量1,010万バレル、 1970年11月の原油生産量(同 1,004万バレル=これまでの史上最高)を超過し史上最高水準、2018年8月は日量1,135万バレ ル(週間値では2018年11月2日の週に日量1,159万バレル)。

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OPEC産油国原油生産(2012~18年)

2012年1月より日量3,000万バレルの原油生産上限を設定した(インドネシア、 ガボン、赤道ギニア、コンゴ除く12ヶ国)。しかし、米国のシェールオイルに対抗 すべく、サウジアラビアを始め増産体制へ。2015年12月には上限を撤廃。2017 年1月より減産体制へ

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複雑な中東情勢

※トルコはイスラム教スンニ(スンナ)派ながらイランとも関係を保持 出所:JOGMEC石油・天然ガスレビュー2017年9月「新たな体制づくりの陣痛か?-アラブとペルシャの現在を読み 解く-」(濱田秀明)に加筆 ホルムズ海峡: 日量1,850万バレル(世 界石油需要の約20%) の石油が通過 サウジアラビア油田地帯 <主な動き> ① サウジとイランの対立( +米国の対イラン制裁 等) ② イエメン内戦(サウジと イランの代理戦争?): イエメン反体制派から サウジへミサイル発射 ③ サウジ国内問題?

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米ドル為替レート(対ユーロ)

(2014~18年)

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1. 原油価格:上昇傾向-2018年10月3日には米国の代表的原油指標WTI で1バレル当たり76.41ドルと約4年ぶりの高水準に到達 2. 原油価格押し上げの主な要因:世界石油需給引き締まり傾向もしくは懸 念 ① 2017年8月下旬に米国メキシコ湾にハリケーン「ハービー (Harvey)」が来襲、湾岸地域の製油所が被害+秋場の製油所メン テナンスシーズン突入→石油製品供給低下継続 ② 冬場の気温低下(一部地域は厳冬)と暖房用石油需要の増加→軽 油需給引き締まり ③ OPEC産油国減産遵守高水準(頑張るサウジアラビア、ロシア他+ 生産維持に苦慮するベネズエラ) ④ 2018年5月8日:米国トランプ大統領のイラン核合意離脱と対イラン 制裁再発動(イラン産原油輸入削減要求)発表(6月26日:全量禁 輸要求) ⑤ イラン産原油輸出の相当程度の低下(2018年8月~)

2017年10月~2018年10月(初頭)の石油市場

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OECD諸国石油在庫の推移(2016~18年)

① 2016年11~12月:OPEC及び一部非OPEC産油国による減産決定(OPEC日量116万バ レル+非OPEC産油国同56万バレル)、2017年1月より実施 ② サウジアラビア等減産強化、加えてベネズエラが大幅減産(国内経済混乱による) により、OPEC産油国等の減産遵守率良好(2018年5月遵守率:147%)→石油需給引 き締まり

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OPEC総会及び、OPEC及び一部非OPEC閣僚級

会合(決定事項)

1. 2018年6月22日OPEC総会開催:2018年7月1日より2018年末にか

け、現状152%とされるOPEC産油国減産遵守率を100%に引き下

げるべく努力することで合意

2. 2018年6月23日OPEC及び一部非OPEC産油国による閣僚級会合

開催:2018年7月1日より年末にかけ、現状147%とされるOPEC及

び非OPEC産油国減産遵守率を100%とするべく自主的に努力して

いくことで合意

3. 次回OPEC総会(通常総会)を2018年12月3日に、OPEC及び一部

非OPEC産油国による閣僚級会合を翌12月4日に、それぞれオー

ストリアのウィーンで開催する予定(※現時点ではOPEC総会を12

月6日、OPEC及び一部非OPEC産油国閣僚級会合を12月7日に開

催予定)。

4. OPEC総会でコンゴ(2018年5月現在原油生産量日量33万バレル)

がOPECに加盟することを承認(即時発効)

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米国ガソリン小売価格と原油価格

(2018年2~11月)

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1. 原油価格:下落傾向-2018年11月13日にはWTIで1バレル当たり

55.69ドルに

2. 原油価格下落の主な要因:

① 米国株式相場下落及び米ドル上昇(米国利上げ観測+米国・

中国貿易戦争+欧州経済減速懸念)による、石油需要の伸

びの鈍化観測及び金融商品としての原油への投資の魅力低

② イラン原油輸入を部分的に認めつつ制裁免除(中、印、日、

韓、台、伊、トルコ、ギリシャ)を行ったことによる、石油需給緩

和感の醸成

③ 非OPEC産油国(特に米国)石油供給の上方修正

④ OPEC産油国の減産方針に対する米国トランプ大統領の反対

の意思表明

2018年10月(初頭)~11月の石油市場

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2018~19年石油市場見通し

1. 対イラン制裁に伴う原油輸出の事実上の一部容認:石油需給の緩和要 因に→原油相場に下方圧力 2. 但し、OPEC産油国の生産調整により、原油価格の下落傾向が継続する 可能性は低い 3. また、イラン制裁免除は最長180日間の期限付き:次回期限(2019年5月4 日)間近の時点での米国トランプ政権のイラン制裁に関する発言・行動及 び米国シェールオイル生産状況(在来型(生産開始まで数年間)と違い生 産開始まで6ヶ月程度)、OPEC産油国等原油生産量及び生産方針等で 原油相場が上昇する場面も 4. しかしながら、トランプ政権も原油相場の高騰は望まないことから、原油 価格上昇局面ではOPEC産油国に事実上の増産を要請する展開も 5. 結果として、原油相場は一定の範囲内に収まる可能性(高すぎず、低す ぎず...) 6. その他の原油価格変動要因:米国株式相場・米ドル為替レート(米国・中 国貿易戦争、欧州経済、FRB金融政策)、ベネズエラ及びリビアの原油生 産状況等

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世界石油需給シナリオ(2019年)

(2018年11月現在)

※OPEC産油国の大半は2018年10月の原油生産水準を維持するものと仮定 ( 単位: 日量百万バレル) 2 0 1 8 1 Q1 9 2 Q1 9 3 Q1 9 4 Q1 9 2 0 1 9 総需要① 99.19 99.16 100.33 101.36 101.39 100.57 非OPEC生産 60.33 61.41 62.06 62.72 62.87 62.27 OPEC原油生産 32.29 32.05 31.98 31.91 31.84 31.94 OPEC NGL生産 6.96 7.02 7.02 7.02 7.02 7.02 総供給② 99.58 100.48 101.06 101.64 101.72 101.23 在庫変動その他( ②- ①) 0 .3 9 1 .3 2 0 .7 3 0 .2 8 0 .3 4 0 .6 6 出所: IEAデータをもとに作成

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中期非OPEC産油国石油供給シナリオ

※ 米国低1:米国シェール資源制約大、米国低2:低原油価格、米国中:中庸、 米国高1:米国シェール資源制約小、米国高2:高原油価格

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中期OPEC産油国余剰生産能力

※ 米国低1:米国シェール資源制約大、米国低2:低原油価格、米国中:中庸、 米国高1:米国シェール資源制約小、米国高2:高原油価格

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石油市場の長期的見通しに関する基本的考え方

1. 石油需要はアジア非OECD諸国を中心として、主に貨物輸送、

航空、及び石油化学部門で発展、但し伸びの中心は中国か

らインドに移行、また、燃費効率改善等により伸びは鈍化す

る方向性

2. EVの需要:2040年に3億台程度の乗用車がEVに(※諸説あ

り)、日量330万バレル程度の石油需要を置換、石油需要へ

の影響限定的(※但し技術進歩は時として急加速することに

より需要に影響が発生することもありうる旨注意)、

3. 資源は開発が容易(低コスト)な場所から困難(高コスト)な場

所へと移行、コスト上昇に従って価格が上昇する可能性、そ

れを技術革新でいかに抑制するかが課題

4. OPEC産油国のシェア上昇で原油価格は上昇する可能性も

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26

世界石油需要展望(日量百万バレル)

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非OPEC産油国石油供給展望

(日量百万バレル)

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(29)

OPEC産油国石油供給展望

(日量百万バレル)

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30 出所:IEA/WEO2018

参照

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