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( 出所 ) 中国自動車工業協会公表資料等より作成現在 中国で販売されている電気自動車のほとんどは民族系メーカーによる国産車である 15 年に販売された電気自動車のうち 約 6 割が乗用車で 約 4 割弱がバスであった 乗用車の中で 整備重量が1,kg 以下の小型車が9 割近くを占めた 14 年 8

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IEEJ 2017年1月掲載 禁無断転載 EDMCエネルギートレンド トピック

中国における電気自動車によるCO

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排出削減に関する一考察

計量分析ユニット 呂 正 2015年、中国における電気自動車の販売台数は24万台を超え、前年の約5倍に増加し、米国を抜 いて世界1位となった。中国における電気自動車の急拡大の背景には、電気自動車購入への補助金 と税金の減額、北京、上海などの大都市のナンバープレート規制で電気自動車が除外対象になっ ていることが大きい。電気自動車の普及を推進する中国政府の狙いは、自動車産業の振興、車の 排気ガスによる大気汚染の緩和などであると言われ、また、石油の輸入依存度が6割を超える中国 にとって、石油の節減はエネルギー安全保障にも貢献する。 一方、電源構成における石炭の割合が高い中国において、電気自動車の普及によるCO2削減効果 を疑問視する声も多い。ここでは、中国の電気自動車の導入の状況を概観し、弊所が2016年10月 に発表した「アジア/世界エネルギーアウトルック2016」をベースに、今後の中国の電源構成に関 する見通しを踏まえて、中国において電気自動車の導入がCO2排出削減につながるかどうかを検討 する。  中国における電気自動車の展開 ここ数年、中国の電気自動車年間販売台数は急増し、2011年の約0.8万台から2015年には24.75 万台に達し、年平均増加率は150%を超えた。その生産と販売は2016年に入っても拡大しつづけ、1 月~11月累計販売台数はすでに30万台を超え、前年同期より8割近く増加した。中国政府の計画で は、2020年に電気自動車を中心とする新エネ自動車1の生産・販売台数を年200万台以上、累計500 万台にする目標が打ち出されている。 図 1 中国における電気自動車を中心する新エネ自動車の普及状況 小型乗用車 52% 普通乗用車 7% バス 36% その他 5% 電気自動車の内訳(2015年) 0.56 1.14 1.46 4.50 24.75 0.82 1.28 1.76 7.48 33.11 0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 2011 2012 2013 2014 2015 販売量(万台) その他新エネ車 電気自動車 注:1)その他新エネ車は2011年はハイブリッド車とプラグインハイブリッド車、2012年以降はプラグインハ イブリッド車のみ。 2)小型乗用車は車体整備重量が1000kg以下の車を指す。 1 中国では、現在、新エネ自動車は電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV) を指す。

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2 (出所)中国自動車工業協会公表資料等より作成 現在、中国で販売されている電気自動車のほとんどは民族系メーカーによる国産車である。2015 年に販売された電気自動車のうち、約6割が乗用車で、約4割弱がバスであった。乗用車の中で、 整備重量が1,000kg以下の小型車が9割近くを占めた。 2014年8月から2016年11月まで、中国政府は、車両購置税の免除対象となる新エネ自動車のリス トを計9回公表してきた。その第1回(2014年8月公表)、第5回(2015年9月公表)、第9回(2016年 11月公表)に掲載されている電気自動車(乗用車)のエネルギー効率をプロットしてみると、回 ごとにエネルギー効率が向上していることが読み取れる(図2)。車載電池系統の重量エネルギー 密度も徐々に上がっているが、中国政府の計画では、同数値を2020年までに200Wh/㎏2以上に向上 させることを目指しており、その目標の達成にはさらなる大幅の改善が必要である。そして、販 売量上位の電気自動車の最高速度は80㎞/h台にとどまる車種が多く、性能向上の余地もまだ大き い。 図 2 中国の電気自動車(乗用車)のエネルギー効率と電池性能 第1回: y = 6E-05x + 0.0938 第5回: y = 7E-05x + 0.0788 第9回: y = 8E-05x + 0.0487 0.000 0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 車体整備重量(kg) 第1回リスト掲載車 第5回リスト掲載車 第9回リスト掲載車 エネルギー効率(kWh/km) 近似線 0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 10 20 30 40 50 60 70 電池容量(kWh) 第1回リスト掲載車 第5回リスト掲載車 第9回リスト掲載車 重量エネルギー密度(Wh/kg) a)エネルギー効率 b)電池系統の重量エネルギー密度 (出所)中国政府工業情報化部「車両購置税免除新エネルギー自動車車種目録」より作成 中国政府は自動車の燃費3基準の強化を推進している。2020年の目標基準(企業平均燃費)では 現行基準よりさらに3割前後の改善が求められる。電力を発熱量ベースでガソリンへ単純に換算す ると、市販されている電気自動車の燃費はガソリン車の1/4~1/3と低く、ガソリン車の燃費改善 の余地が限られる中、電気自動車の増加を通じて、企業平均燃費を低く抑えることが重要な手段 となる。 2 中国政府国務院が2012年に発表した「省エネと新エネ自動車産業発展規劃(2012-2020年)」では、車載電池系統 の重量エネルギー密度の目標を2020年に200Wh/㎏としている。一方、中国政府工業情報化部などの委託で、中国 自動車工程学会が専門家を集めて作成し、2016年10月に発表した「省エネと新エネ自動車技術ロードマップ」で は、同目標は2020年に260Wh/㎏、2030年に350Wh/㎏となっている。 3 100kmあたりのエネルギー消費量。

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3 図 3 中国における乗用車の燃費と電気自動車のガソリン換算燃費 プリウス(中国現地生産 2014年モデル) 電気自動車2020年目標 電気自動車2030年目標 0 2 4 6 8 10 12 14 500 1000 1500 2000 2500 3000 燃費(L/100km) 車体整備重量(kg) 現行基準 2015年販売台数上位車種(ガソリン車) 2020年目標基準 電気自動車現状 注:1)現行基準(2016年1月より実施)はAT車、2015年販売台数上位車種は2015年の年間販売台数が30万台を超 えた上位5車種、2020年目標基準は3列以下の車、電気自動車現状は中国政府工業情報化部「車両購置税免 除新エネルギー自動車車種目録(第9回)」(2016年11月公表)に掲載されている車。電気自動車の目標燃 費(車体整備重量1,200kg)は中国自動車工程学会「省エネと新エネ自動車技術ロードマップ」による。 2)電気からガソリンへの換算において、ガソリンの低位発熱量を7,452kcal/Lとしている。 (出所)中国政府工業情報化部の公表資料等により作成  中国の電源構成とその見通し 一方、電気自動車とガソリン車のCO2排出原単位を比較する場合、発電段階でのCO2排出量の多寡、 すなわち、電力のCO2排出係数がその結果を大きく左右する。ここではまず、中国の電力のCO2排出 係数を検討してみる。 IEA統計によると、2014年の中国の発電量は5,666TWhであった。そのうち、石炭火力による発電 量が4,115TWhで、全体の73%を占めた。そして、天然ガス火力、石油火力の発電量はそれぞれ115TWh、 10TWhで、化石燃料発電の合計シェアが75%に達した。発電に投入された石炭、天然ガス、石油は それぞれ石油換算925百万トン(Mtoe)、21Mtoe、2.3Mtoeであった。これらの燃料の消費によるCO2 排出量は約37.2億トンであった4。その結果、2014年中国の電力のCO 2排出係数は発電端ベースで 656gCO2/kWhである。さらに、発電所内での消費、送配電ロスを考慮すると、最終消費ベースでの CO2排出係数は788gCO2/kWhとなる。 中国では非化石エネルギー発電の導入拡大が続いており、第13次五カ年計画(2016-2020年)で は、原子力、水力、風力、太陽光の発電設備容量を2020年にそれぞれ58GW、340GW、210GW、110GW に増大させる目標が掲げられている。弊所が2016年10月に発表した「アジア/世界エネルギーアウ トルック2016」によれば、現在までのエネルギー・環境政策等を背景に、過去の趨勢が継続する レファレンスケースでは、中国の電源構成における石炭火力発電のシェアは2020年に64%、2040 年には57%に低下する。天然ガス火力発電は増加するが、化石燃料発電の合計シェアは2020年に 4 CO

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4 69%、2040年に66%に縮小する。発電効率の向上、送配電ロスの減少などもあって、電力のCO2排 出係数は最終消費ベースで2020年に691gCO2/kWhに低下し、2014年より12%減少する。2040年には、 さらに601gCO2/kWhに低下し、2014年より24%減少する。 そして、強力なエネルギー・環境政策が打ち出され、非化石発電が一層拡大する技術進展ケー スでは、化石燃料発電のシェアは2020年に64%、2040年に51%に縮小し、最終消費ベースでの電 力のCO2排出係数はそれぞれ648gCO2/kWh(2014年比18%減)、461gCO2/kWh(同42%減)に減少する。

図 4 中国の電源別発電量 441 1,060 4,115 4,301 3,895 5,147 4,054 5,739 4,016 115 287 274 589 505 840 658 133 400 400 660 880 920 1,361 1,051 1,341 1,426 1,405 1,521 1,460 1,607 243 372 478 645 907 1,052 1,485 621 1,356 5,666 6,710 6,481 8,455 7,876 10,021 9,136 78% 73% 64% 60% 61% 51% 57% 44% 2% 4% 4% 7% 6% 8% 7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 120% 140% 160% 180% 200% 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 1990 2000 2014 レ フ ァ レ ン ス 技術進展 レ フ ァ レ ン ス 技術進展 レ フ ァ レ ン ス 技術進展 2020 2030 2040 TWh 新エネ等 水力 原子力 天然ガス 石油 石炭 ←実績 予測→ (出所)日本エネルギー経済研究所「アジア/世界エネルギーアウトルック2016」より作成 図 5 中国の電力のCO2排出係数 788 691 649 601 648 549 461 656 515 399 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1990 2000 2010 2014 2020 2030 2040 gCO2/kWh 最終消費ベース レファレンス 最終消費ベース 技術進展 発電端ベース レファレンス 発電端ベース 技術進展 ←実績 予測→ (出所)日本エネルギー経済研究所「アジア/世界エネルギーアウトルック2016」より作成

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5  中国における電気自動車のCO2排出原単位

以上の最終消費ベースでの電力CO2排出係数を利用して、図3で示した燃費の数値をもとに、中

国の電気自動車のCO2排出原単位を算出した結果は図6のとおりである。電力のCO2排出係数が2014 年水準(788gCO2/kWh)の場合、電気自動車の現状車種のCO2排出原単位は76~253gCO2/kmで、現状

のガソリン乗用車より小さい車種が多い。しかし、2020年の目標基準を上回るものも少なくなく、 ハイブリッド車より大きい。 一方、レファレンスケース程度の電力のCO2排出係数の低下(691gCO2/kWh、2014年比12%減)が 実現すれば、電気自動車はエネルギー効率が現状と同等でも、CO2排出原単位は12%小さい67~ 223gCO2/kmとなり、2020年目標基準を下回る車種が多い。ただし、この場合でもハイブリッド車 とほぼ同レベルである。

電力のCO2排出係数が技術進展ケース水準(2020年648gCO2/kWh、2030年549gCO2/kWh)に低下し、

かつ電気自動車のエネルギー効率がロードマップどおりに向上する場合、電気自動車(車体整備重 量1,200kg)のCO2排出原単位は2020年に78gCO2/kmに、2030年に53gCO2/kmに低下し、2020年目標基 準のガソリン車の半分以下となる。 図 6 中国における電気自動車のCO2排出原単位 0 50 100 150 200 250 300 350 400 500 1000 1500 2000 2500 3000 現行基準 2015年販売台数上位車種(ガソリン車) 2020年目標基準 電気自動車(現状燃費、電力CO2排出係数788gCO2/kWh) 電気自動車(現状燃費、電力CO2排出係数691gCO2/kWh) gCO2/km 車体整備重量(kg) 電気自動車2020年(目標燃費、電力CO2排出係数691gCO2/kWh) プリウス(中国現地生産2014年モデル) 注:現行基準、2015年販売台数上位車種、2020年目標基準、プリウスは図3の燃費をベースに、ガソリンのCO2排出 係数2.4kg/Lで算出。電気自動車は図3の燃費をベースに、図5の最終消費ベースでの電力CO2排出係数で算出。 (出所)日本エネルギー経済研究所「アジア/世界エネルギーアウトルック2016」、中国政府工業情報化部の公表 資料等より作成  まとめ 2014年中国の発電構成における石炭火力のシェアが7割以上もあり、最終消費ベースでの電力の CO2排出係数は788gCO2/kWhと高い。CO2排出削減の観点から、現状では、電気自動車はガソリン車 に対する優位性が小さく、むしろハイブリッド車よりCO2排出原単位が大きい。ただし、今後中国 では電源の低炭素化が大きく進展すると見込まれており、さらに、電気自動車の効率向上が着実 に実現すれば、電気自動車の普及によるCO2排出削減が大いに期待できる。

図 4  中国の電源別発電量  441 1,060 4,115 4,301 3,895 5,147 4,054 5,739 4,0161152872745895058406581334004006608809201,3611,0511,3411,4261,4051,5211,4601,6072433724786459071,0521,4856211,3565,6666,7106,4818,4557,87610,0219,13678%73%64%60%61%51%57%44%2%4%4%7%6%8%7% 0%

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