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調理冷凍食品の日本農林規格に係る規格調査結果

独立行政法人 農林水産消費安全技術センター 1 品質の現況 (1)製品の流通実態 調理冷凍食品とは、農林畜水産物を調理し凍結したもので、簡便な調理をし、又は しないで食用に供されるものをいう。 その種類は、フライ類(コロッケ、魚フライ等)、米飯類(ピラフ、チャーハン 等)、めん類(うどん、パスタ等)、その他(ぎょうざ、ハンバーグ、パン等)と多岐 にわたる。全てがJAS規格の対象ではなく、パンやシチューなどは規格の範囲外で ある。 電子レンジの普及により、電子レンジで温めることで食用に供することができるも のが増加したが、近年は主に弁当用に解凍するだけで食べられる自然解凍品が増えて いる。 (2)JAS規格の基準 JAS規格で定められている主な品質項目は、表1のとおり。 表1 品質項目及びその設定理由 品 質 項 目 設 定 理 由 衣の率 魚フライ、コロッケ等について、一定の品質を担保するため上 限を規定。 品温 冷凍の状態を規定しており、-18℃としている。 皮の率 しゅうまい、ぎょうざ、春巻について、一定の品質を担保する ため上限を規定。 具の配合割合 米飯類のうち、チャーハン、ピラフに限り、一定以上の具が含 まれるよう規定。 水分 めん類について固有のコシ及びめん質を担保するため規定。 この他に、食肉中の植物性たん白の割合(しゅうまい等)、原材料中のつなぎの割合 (ハンバーグステーキ等)等がある。 (3)品質の実態 生産数量の上位を占めるコロッケは、じゃがいもを原料とする一般的なものから、 【資料7】

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かぼちゃやさつまいもなどその他の野菜を使用したもの、ホワイトソースを使用した ものなど多くの種類がある。 調理、加工、凍結技術の向上により、油っぽくないコロッケ、べたつかないチャー ハン、コシのあるうどんなどが製造されるようになった。また、高度な衛生管理によ り、家庭で調理を要しない自然解凍品も製造されるようになった。 JAS格付品が存在しないため、それ以外のもの(以下「非JAS品」という。) について、調理冷凍食品のJAS規格で規定している項目について調査を行ったとこ ろ、衣の率は魚フライ9件、えびフライ11件、いかフライ3件、かきフライ4件、 コロッケ11件、皮の率はしゅうまい1件、ぎょうざ1件及び具の配合割合は米飯類 6件がJAS規格の基準を満たしていなかった。【別添1】 2 生産の現況 (1)生産の状況 ① 生産方法 一般的な製造方法は以下のとおり。 (ぎょうざ) 原料→選別→下処理→成型→蒸煮→冷凍→包装→検査→製品 (冷凍フライ類) 材料混合→成形→衣づけ→揚げ→冷凍→包装→検査→製品 ② 生産数量 平成23年の国内生産数量は約120万トンであり、5年前と比較すると約7% 減少しているが、この3年間では約3%増加している。輸入数量も同様の傾向であ る。また、製造事業者数は減少が続いており、工場出荷額はこの3年間はほぼ横ば いである。 平成20年の冷凍食品の販売額に占めるシェアは上位3社((株)ニチレイ、 (株)加ト吉(現、テーブルマーク(株))、味の素冷凍食品(株))で約40%を 占める(日刊経済通信社調べ)。 表2 生産数量及び製造事業者数の推移(平成19年~平成23年) 19年 20年 21年 22年 23年 製造事業者数 613 596 533 488 463 国内生産数量 1,300,511 1,230,475 1,172,605 1,181,332 1,211,066 (トン) 工 場 出 荷 額 5,433 5,408 5,200 5,118 5,286 (億円) 輸入数量 319,796 232,224 201,826 227,618 246,330 (トン)

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特記事項 ・製造事業者数は、前処理のみで調理を行っていない事業者 を含む ・国内生産数量、工場出荷額は調理食品のもの ・輸入数量は、社団法人日本冷凍食品協会会員が対象 社団法人日本冷凍食品協会調べ(暦年集計) (2)格付の状況 平成21年度以降、格付実績はない。また、認定製造業者は、平成21年度に1者 が認定されているが、現在は廃止し、0である(表3)。 表3 格付状況の推移(平成19年度~平成23年度)

19年度(A) 20年度(B) 21年度(C) 22年度(D) 23年度(E) 増減(E)-(A)

認 定 製 造 0(3) 0(2) 1 1 0 0 業者数 格付数量 150 139 0 0 0 -150 (トン) 特記事項 ・平成19年度及び20年度の格付数量は、JAS法改正前の認定製造業 者による経過期間中の格付数量。 認定製造業者数、格付数量:農林水産省(消費安全局表示・規格課)調べ (3)規格の利用状況 現在、製造業者が認定されていないことから、JAS規格による格付は行われてい ない。また、製造基準等には、(社)日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度が利用さ れており、JAS規格が活用されている実態は確認されていない。【別添2】 3 取引の現況 冷凍食品全体の国内生産数量の約40%が一般市販用、約60%が業務用である(社 団法人日本冷凍食品協会調べ)。いずれも卸業者を通じて販売されるものと相対取引の ものがある。取引において、流通業者等からJAS格付品の納品を求められることはな い。 4 使用又は消費の現況 (1)使用又は消費の状況 家庭用は食事や弁当などに広く利用されている。業務用は、レストラン、惣菜店、 学校給食などにおいて利用されている。 (2)規格の利用状況 一部の学校給食では、JAS格付品又は(社)日本冷凍食品協会の規格適合品が納

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入条件となっているが、現在は(社)日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度のマーク が付された製品が納入されている実態にある。 5 将来の見通し 調理冷凍食品の生産数量及び工場出荷額は、平成20年の冷凍食品に係る事件により 減少していたが、この3年間はほぼ横ばい状態となっている。ピーク時に比べると低い ことから、今後は横ばいもしくは増加するものと見込まれる。認定製造業者数と格付数 量は現在皆無であり、新たな製造業者が認定される見込みもないことから、今後もJA S格付はないものと見込まれる。 6 国際的な規格の動向 コーデックス規格として「パン粉もしくは衣をつけて急速冷凍したフィッシュスティ ック、フィッシュポーション、もしくはフィッシュフィレ(CODEX STAN166-1989)」 及び「急速冷凍したフレンチフライドポテト(CODEX STAN114-1981)」がある。 7 その他 冷凍食品の業界団体として社団法人日本冷凍食品協会(正会員108社)、冷凍めん の業界団体として一般社団法人日本冷凍めん協会(会員146社)がある。

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【別添1】

品質実態調査の結果

1 調査期間 平成22年5月6日~10月25日 2 調査内容 調理冷凍食品のJAS規格に規定されている品質項目等を調査した。調理冷凍食品の 格付実績はないため、JASマークの付されていない製品(以下「非JAS品」という。) を調査対象とした。 3 調査件数 調理冷凍食品 非JAS品 冷凍魚フライ 24 冷凍えびフライ 23 冷凍いかフライ 20 冷凍かきフライ 20 冷凍コロッケ 20 冷凍カツレツ 20 冷凍しゅうまい、冷凍ぎょうざ、冷凍春巻 20 冷凍米飯類 20 冷凍めん類 20 計 187

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2 -4 調査結果 4-1 衣の率 衣の率(%) 件数 平均 最大 最小 規格値 冷凍魚フ 食用油脂で揚げたもの以外 非JAS品 20 48.2 66.1 48.2 50%以下 ライ 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 4 44.0 45.9 42.7 60%以下 冷凍えびフ 食用油 えびの重量が6g 非JAS品 18 52.6 68.2 37.8 50%以下 ライ 脂で揚 超 げたも えびの重量が6g 非JAS品 1 65.8 - - 60%以下 の以外 以下 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 4 58.2 64.7 52.6 65%以下 冷凍いかフ 食用油脂で揚げたもの以外 非JAS品 19 44.2 59.1 11.7 55%以下 ライ 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 1 59.7 - - 60%以下 冷凍かきフ 食用油脂で揚げたもの以外 非JAS品 20 47.9 63.9 36.8 50%以下 ライ 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 0 - - - 60%以下 冷凍コロッ 食用油脂で揚げたもの以外 非JAS品 13 34.4 42.2 20.6 30%以下 ケ 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 7 37.1 41.2 27.7 40%以下 冷凍カツレ 食用油脂で揚げたもの以外 非JAS品 11 40.8 49.9 16.6 55%以下 ツ 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 9 40.5 58.2 15.3 65%以下 4-2 皮の率 皮の率(%) 件数 平均 最大 最小 規格値 冷凍しゅうまい 非JAS品 7 21.1 36.3 13.0 25%以下 冷凍ぎょうざ 非JAS品 6 42.4 46.9 33.8 45%以下 冷凍春巻 食用油脂で揚げたもの以外 非JAS品 3 46.2 47.9 43.0 50%以下 食用油脂で揚げたもの 非JAS品 4 53.3 57.8 48.6 60%以下 4-3 具の配合割合 具の配合割合(%) 件数 平均 最大 最小 規格値 冷凍米飯類 非JAS品 20 12.2 23.7 4.3 10%以上

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4-4 水分

水分(%) 件数 平均 最大 最小 規格値

冷凍めん類 非JAS品 20 65.5 69.5 59.4 54%以上

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1 -【別添2】

利用実態調査の結果

第1 アンケートによる調査 1 調査期間 平成22年9月21日~10月12日 2 調査内容 消費者団体、流通業者、実需者及び製造業者に対し、当該JAS規格に関する意見 をアンケート形式で聴取した。 3 調査件数 調査先 調査数 回答数 回答率(%) 消費者団体 1,049 426 41 流通業者 562 105 19 実需者 871 178 21 製造業者 701 260 37 *消費者団体の内訳 消費者庁消費者の窓のホームページの名簿より *流通業者の内訳 日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会、日本チェ ーンストア協会の会員 *実需者の内訳 社団法人日本フードサービス協会、社団法人日本給食サービス協会、社団法人日本惣 菜協会の会員 *製造業者の内訳 調理冷凍食品製造業者、冷凍めん製造業者 4 調査結果 4-1 調理冷凍食品の生産状況(製造業者に製造している調理冷凍食品の種類につい て聴取)

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製造実態がある JAS格付がある 冷凍魚フライ 36 0 冷凍えびフライ 19 0 冷凍いかフライ 21 0 冷凍かきフライ 11 0 冷凍コロッケ 33 0 冷凍カツレツ 24 0 冷凍しゅうまい 22 0 冷凍ぎょうざ 21 0 冷凍春巻 16 0 冷凍ハンバーグステーキ 35 0 冷凍ミートボール 35 0 冷凍フィッシュミール 15 0 冷凍米飯類 19 0 冷凍めん類 47 0 計 354 0 4-2 調理冷凍食品のJAS規格の必要性及びその理由 回答のあった消費者団体の98%、流通業者及び実需者の約80%、製造業者の約 50%がJAS規格は必要であるとの意向であった。 (選択回答) 必要である 不要である 必要の割合 消費者団体 392 8 98.0% 流通業者 82 19 81.2% 実需者 137 33 80.6% 製造業者 113 114 49.8% (1)調理冷凍食品のJAS規格を必要とする主な意見 安心・安全・信頼のため 選択の目安となるため 品質の保持のため 規格基準として必要なため (2)調理冷凍食品のJAS規格を不要とする主な意見 JAS規格以外の基準があるため 選択に利用しないため 商品が多様化しているため

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3 -4-3 調理冷凍食品のJAS規格の改正の要望 衣の率を少なくする(消費者) 現状に合わせた規格への変更、簡素化など(流通業者) 衣の率、皮の率の測定方法を見直すべき(製造業者) めんの水分値、フライ類の衣の率は必要ない(製造業者) 商品の多様化に対応した規格とすべき(製造業者) 第2 聞取り(ヒアリング)による調査 1 調査期間 平成22年8月26日~平成24年4月24日 2 調査対象及び内容 製造業者(3社)、業界団体(2団体)に対し、現行規格に対する要望等について 聞取り(ヒアリング)による調査を行った。 3 調査結果 (1)調理冷凍食品の日本農林規格の改正要望について 改正要望は特になかった。また、①現在では顧客からのJASマークの要望はな く、冷凍食品の認定制度のマークにより対応していること、②JAS規格の品質の 基準である衣の率や皮の率について、必ずしも規格を満たすものが消費者に好まれ るものではなくなっていること、③JAS規格に沿うものを製造するとおそらく最 も平均的な製品となり、商品の多様化に伴いニーズに合っていないなどといった意 見があった。 (2)調理冷凍食品の日本農林規格の今後の格付の見通しについて 取引においてJAS格付品及びJAS規格の内容の要望はないこと及び製造基準 としてもJAS規格が利用されている状況ではないことから、今後も同様の状況が 続くと考える。また、社団法人日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度等JAS規格 以外の基準がある現状から、製造業者が認定を取得する可能性は低いと考える。

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