MRI検査
(造影剤について)
MRI用造影剤
CTや各種造影検査の造影剤は、
造影剤自
体がX線を吸収する
事で画像上に白く写っ
てくる。
MRI用造影剤は、造影剤によりT
1値やT
2値
を変化させる。つまり、造影剤が直接白
く写るのみではなく造影剤により
T
1値やT
2値が変化させられた箇所の信号強度が変
化
する。
種類
T1短縮物質 ・細胞外液性造影剤 ・消化管用造影剤(クエン酸鉄アンモニウム) ・肝特異性造影剤(ガドキセト酸ナトリウム) T2短縮物質 ・消化管用造影剤(塩化マンガン四水和物) ・肝特異性造影剤(超常磁性酸化鉄コロイド) *どの造影剤でもT1値、T2値共に短縮する。 どちらの作用が大きいかでT1短縮物質として使用されるの か、T2短縮物質として使用されるのかが決まってくる。造影効果
T
1短縮物質
A) T1強調画像を撮像するとT1値が短縮され た箇所が白く写る。 B) T2強調画像を撮像するとT2値が短縮され た箇所が黒く写る。T
2短縮物質
A) T1強調画像を撮像するとT1値が短縮され た箇所が白く写る。 B) T2強調画像を撮像するとT2値が短縮され た箇所が黒く写る。MRI造影剤の分類
標的組織 磁気特性 化学特性 造影剤 適応 備考 細胞外液性 (Gd系) 常磁性 イオン性 Gd-DTPA(線状型) 全身 商)マグネビスト Gd-DOTA(環状型) 商)マグネスコープ 非イオン性 Gd-HP-DO3A(環状型) 商)プロハンス Gd-BT-DO3A(環状型) 商)ガドビスト Gd-DTPA-BMA(線状型) 商)オムニスキャン 消化管 常磁性 イオン性ferric ammonium citrate
(クエン酸鉄アンモニウム) 消化管内 商)フェリセルツ MnCl2 (塩化マンガン四水和物) 商)ボースデル 肝特異性 超常磁性 酸化鉄粒子 ferumoxides(販売中止) 肝腫瘍 商)フェリデックス Ferucarbotran(SPIO) 商)リゾビスト 常磁性 イオン性 Gd-EOB-DTPA(線状型) (ガドキセト酸ナトリウム) 商)EOB・プリモビスト
細胞外液性造影剤(ガドリニウム系)
*静注後、血管内と細胞外液に分布する ので細胞外液性造影剤と呼ばれる。 動脈 静脈 肘静脈 右心房 右心室 肺 左心房 左心室 静注造影機序
造影剤周辺の水プロトンの緩和を促進すること によって信号強度に変化を与える。 T1値、T2値の両方の緩和時間を短縮するが、主に T1短縮物質として使用され、T1強調画像を一般的 に撮影する。 ≪投与方法≫ 静脈内注射(静注) ≪投与量≫ 0.2ml/kg(成人)脳腫瘍(悪性星細胞腫)
T1WI(横断像) 造影T1WI(横断像)
腎腫瘍(腎細胞癌)
T1WI(冠状断)
造影T1WI(20秒後)
Gd濃度と信号強度
造影剤濃度が低濃度では高信号に、高濃度では T2効果が現れ低信号になる。
副作用と排泄機序(Gd系)
《副作用》 *頻度 1.40%(総症例9,949例中,139例) 1.浸透圧 投与量が10~20ml程度(0.2ml/kg)と少ない ため、浸透圧による副作用は問題とならない。 2.アナフィラキシー 頻度は不明だが認められる事がある。 (気管支喘息の患者は禁忌) 《排泄機序》 *尿中排泄 (径腎排泄を断たれると、一部が径肝的に排泄される。)腎性全身性線維症
(NSF:nephrogenic systemic fibrosis)
・NSFは1997年に初めて報告された原因不明の全身性皮膚疾患 で、2006年にはガドリニウム(Gd)造影剤投与との関連性が指 摘され注意喚起がなされた。 発症:Gd造影剤投与後、数日から数カ月後、時に数年後 症状:皮膚の腫脹・紅斑が現れ、やがて硬化に至る。 ※ 発症する患者は腎不全患者で、発売当初は腎毒性がほと んどなく、腎不全患者にも比較的安全に使用可能とされてい た ガ ド リ ニ ウ ム (Gd) 造 影 剤 で あ っ た が 、 検 査 前 の 腎 機 能 チェックや投与量の厳守が重要であることが再認識された。
ガドリニウムの脳への沈着について
(小脳歯状核に沈着:P164)
【経緯】 • 2014:Gd造影剤が脳に沈着することが論文で発表 • 2017:厚生労働省が注意喚起 【内容】 • Gd造影剤が脳に沈着することと、Gd造影剤には線状型と環 状型が存在するが、脳への沈着は線状型より環状型の方が 少ないことが発表された。 【対応】 • Gd造影剤を用いた検査の必要性を慎重に判断すること。 • 環状型を第一選択とし、線状型は環状型の使用が適切でな い場合に投与すること。 【備考】 • 脳への沈着による副作用の報告はなされていない。環状型
線状型
消化管用造影剤
種類 ① クエン酸鉄アンモニウム ② 塩化マンガン四水和物 ≪投与方法≫ 経口投与(①、②とも) ≪投与量≫ ① 600mgを300mlの水と混合 (必要に応じて1200mgまで増量。) ② 250ml(1袋) (塩化マンガン四水和物36mg(マンガンとして10mg)を含む)クエン酸鉄アンモニウム
≪特徴≫ 陽性造影剤として用いられる。 経口投与により消化管腔内をT
1強調画像
で高 信号に描出する。 ↓ 主に消化管と周囲臓器との識別に用いられる。 *高濃度に調製し陰性の造影効果を期待して 用いられる場合もある。(MRCP)塩化マンガン四水和物
≪特徴≫ 陰性造影剤として用いられる。 T2短縮効果が強くT2強調画像を撮像すると消化 管が陰性に描出される。 ↓ 主にMRCP(ヘビーT2強調画像)における消化管陰 性造影剤として用いられる。 *MRCP画像の画質向上に利用される。塩化マンガン四水和物の効果
未使用
使用
肝特異性造影剤
(SPIO:超常磁性酸化鉄コロイド製剤) (網内系、細網内皮系造影剤) ≪特徴≫ ① 主に肝臓のクッパー細胞に貪食される。 ② T2*短縮効果が強く、T2強調画像で信号強度を 低下させる陰性造影剤である。 ≪投与方法≫ 静脈内注射(静注) ≪投与量≫ 0.016ml/kg(成人)造影機序
1. 肝臓のT1値、T2値の両方の緩和時間が短縮する。 2. SPIOはT2*短縮効果が極端に強いため、T2・ T2*強 調画像を撮像すると、クッパー細胞に取り込ま れたSPIOにより正常肝の信号強度が低下する。 3. 腫瘍にはクッパー細胞がないため信号強度に変 化がなく、正常部と比較して高信号に見える。肝腫瘍(肝細胞癌)
1. SPIOにより正常肝の信号は低下している。 2. 腫瘍の信号強度は不変。
腫瘍が陽性描出される。