• 検索結果がありません。

第 章調 査 b. 減衰定数 c. 動的ポアソン比 d. 動的せん断強さ (4) 地盤の動力学的性質の調査適用する耐震計算法によっては 地盤の動力学的な性質を調査する必要がある そのような場合には 以下の調査を行う a. 弾性波速度 ( 弾性波 ( 縦波 ) 速度 VP せん断弾性波( 横波 ) 速

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "第 章調 査 b. 減衰定数 c. 動的ポアソン比 d. 動的せん断強さ (4) 地盤の動力学的性質の調査適用する耐震計算法によっては 地盤の動力学的な性質を調査する必要がある そのような場合には 以下の調査を行う a. 弾性波速度 ( 弾性波 ( 縦波 ) 速度 VP せん断弾性波( 横波 ) 速"

Copied!
55
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

58

第3章 調 査

3.1 調査項目

土地改良施設の耐震設計に当たっては、施設の重要度に応じて、建設地点の地盤に関する 調査計画を立て、以下の調査を行うものとする。 (1) 既存の資料による調査 (2) 一般的な土質調査 (3) 土の動的物性の調査 (4) 地盤の動力学的性質の調査 [解 説] (1) 既存の資料による調査 最初に、既存の資料を用いて、施設の建設地点の地盤における土質の概略の状態を把握する。 既存の資料として、以下のものが挙げられる。 a.地形図 b.地質図 c.地盤図 d.土質柱状図 e.活断層に関する調査 施設によっては、上記の資料による調査だけを基にして建設が可能な場合もある。これらの調 査が予備調査となる場合には、現地における踏査を基に計画を立て、以下に示す調査を行う。 (2) 一般的な土質調査 一般的な土質調査の項目は以下に示すとおりであり、建設計画、施設の耐震性能の検討にお いて、必要と考えられる項目について調査を行う。 a.土質分類と層序 b.層厚 c.地下水位 d.N 値 e.各層のせん断強さ(粘着力 C、内部摩擦角φ) f.各層の変形係数(弾性係数 E、せん断弾性係数 G) g.各層の密度 (3) 土の動的物性の調査 従来の土質調査における地盤の力学的性質は、N 値、粘着力 C、内部摩擦角φ等に代表さ れるように静的挙動に対するものである。しかし、地震時においては、土質定数に及ぼすひず み速度効果や、ひずみ依存性の影響が問題になる場合がある。そのような検討が必要な場合に は、以下に示す土質定数を求める。 a.動的変形係数

(2)

59

b.減衰定数 c.動的ポアソン比 d.動的せん断強さ (4) 地盤の動力学的性質の調査 適用する耐震計算法によっては、地盤の動力学的な性質を調査する必要がある。そのような 場合には、以下の調査を行う。 a.弾性波速度(弾性波(縦波)速度 VP、せん断弾性波(横波)速度 VS) b.地盤の卓越周期他 (5) 地震や地盤のデータベース等の活用 最近では、過去の地震、強震記録、表層地質等のデータベース化が進められ、容易にそれら のデータを入手できる環境の整備が進められていることから、それらの情報を活用し、合理的 かつ効率的な耐震設計に役立てることが望ましい。 [参 考] 良好でない地盤の施設への影響 ここでいう土質調査とは、地形、地質、地盤及び土質に関する調査を総称したものである。 良好な地盤、すなわち堅硬で一様な地盤では一般に震害が少ないため、土地改良施設はそのよ うな地盤に建設することが必要である。しかし、土地改良施設の機能上の制限から、多くの施 設は、軟弱な地盤、あるいは力学的性質に一様性のない地盤での建設を余儀なくされている。 (1) 良好でない地盤 地盤の状態は、地形、層序、層厚、各層の強さ、地下水位等の要因によって定まり、良好でな い地盤としては、以下のようなものが列挙される。 a.地すべり、山崩れ、山腹崩壊の生じやすい地盤 b.山稜の法先、法肩その他地形の急激に変化する場所 c.斜面 d.土層の変化界、すなわち力学的性質の異なる土層の境界部分 e.軟弱地盤 f.埋立地 g.地震時に液状化及び側方流動の可能性がある地盤 (2) 施設への影響 a.山稜の法先、土層の変化界、軟弱地盤、埋立地等は地震時において変形が大きくなったり、 不同沈下を生じるなど、施設に好ましくない影響を与える。また、斜面には斜面崩壊が生 じる可能性が高い。 b.砂質地盤に液状化現象が生じると、地盤の支持力は著しく低下して、重い構造物は沈下し、 軽い構造物は浮上したりする。さらに、液状化した地盤が水平方向に数 m のオーダーで移 動する現象、いわゆる側方流動現象が生じると埋設管路には大きなひずみが生じ、構造物 の基礎には流動外力が作用することになる。 地盤の悪い場所での土地改良施設の建設は避けることが最良である。しかし、多くの施設は 不良地盤における建設を余儀なくされているのが実状である。そのために地盤条件に合わせた

(3)

60

構造形式、基礎工が必要になり、また、耐震設計法も施設の構造形式だけでなく、地盤条件に も左右されてくるので、場合によっては地盤改良の必要性も生じる。そのためには、土質調査 を行って建設地点の地盤の状態を正しく把握することが必要となる。 ここでは、基礎的な土質調査から、適用する耐震設計法によっては必要と思われる調査まで を示したが、個々の施設の耐震性を検討するに当たって、全ての調査を必ずしも必要とするも のではない。 引用・参考文献 ⅰ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(2009)

3.

2 土質調査

土質調査の方法は、以下の各項によるものとする。 (1)日本工業規格(JIS)及び地盤工学会基準(JGS)に定められている各種の調査及び室内 試験は、その規格及び基準により行わなければならない。 (2) 動的土質定数及び地盤の動力学的性質の試験は直接行うことが望ましいが、他の調査 結果をもとに間接的に求めてもよい。 [解 説] (1) 日本工業規格(JIS)及び地盤工学会基準(JGS)に定められている各種の調査及び室内試験 a.JIS に定められている耐震設計に関連する調査試験方法

(a) 土質試験のための土の試料調製方法(JIS A1201) (b) 土粒子の密度試験方法(JIS A 1202)

(c) 土の含水比試験方法(JIS A 1203) (d) 土の粒度試験方法(JIS A 1204)

(e) 土の液性限界・塑性限界試験方法(JIS A1205) (f) 突固めによる土の締固め試験方法(JIS A 1210) (g) CBR 試験方法(JIS A 1211) (h) 砂置換法による土の密度試験方法(JIS A 1214) (i) 道路の平板載荷試験方法(JIS A 1215) (j) 土の一軸圧縮試験方法(JIS A 1216) (k) 土の一定ひずみ速度載荷による圧密試験方法(JIS A 1217) (l) 土の透水試験方法(JIS A 1218) (m) 土の標準貫入試験方法(JIS A 1219) (n) オランダ式二重管コーン貫入試験方法(JIS A 1220) (o) スウェーデン式サウンディング試験方法(JIS A 1221) b.JGS に定められている耐震設計に関連する調査試験方法 (a) 地盤材料の工学的分類方法(JGS 0051) (b) 固定ピストン式シンウォールサンプラーによる乱さない試料採取法(JGS 1221) (c) 杭の押込み試験方法(JGS 1811) (d) 土の繰返し非排水三軸試験方法(JGS 0541)

(4)

61

(2) 動的土質定数及び地盤の動力学的性質の測定 各種の調査試験方法及び関連する地盤、土質の諸定数を、表-3.3.1 に示す。 また、土質定数の測定が間接的に行われる場合の諸量の換算式を示す。 表-3.3.1 各種の調査試験方法及び関連する地盤、土質の諸定数 試験により求まる定数あるいは 結果の運用項目 位置 試験 密 度 変 形 係 数 弾性波 速 度 ポアソン 比 減 衰 定 数 せん断 強 さ K 値 地盤係数 地 質 構 造 流動化 の検討 地表 での 調査 載 荷 試 験 □ ○ 各 種 探 査 弾 性 波 探 査 □ ○ □ 音 波 探 査 ○ 電 気 探 査 ○ ボーリング孔を用い る 調査 サウンディ ング 標 準 貫 入 試 験 □ □ □ □ □ □ □ 各 種 検 層 速 度 検 層 □ ○*1 P S 検 層 □ ○ □ □ 反 射 検 層 □ □ 電 気 検 層 □ 密 度 検 層 ○ □ 載 荷 試 験 ボ ー リ ン グ 孔 内 載 荷 試 験 □ ○ サ ン プルを用い る 室内試験 静 的 試 験 一 軸 圧 縮 試 験 ○ □ □ ○ 三 軸 圧 縮 試 験 ○ □ □ ○ 直 接 せ ん 断 試 験 ○ 動 的 試 験 動 的 三 軸 圧 縮 試 験 ○ □ □ □ ○ ○ 動的単純せん断試験 ○*2 共 振 法 試 験 □ ○ □ ○ 振 動 試 験 □ □ □ □ ○ 記号 ○ 試験の結果、ほぼ直接的に求まるか、検討に直接的に利用されるもの。 □ 試験の結果、間接的に求まるか、検討に間接的に利用されるもの。 *1 縦波速度のみが求まる。 *2 せん断弾性係数のみが求まる。 a.VP、VS、ν、E、G の諸量の弾性論に基づいた関係

2 2

2

2

2

1

P S P S

V

V

V

V

/

/

··· (3.3.1)

G

E

 1

2

··· (3.3.2) 2 S t

V

g

G

··· (3.3.3) ここに、VP :弾性波(縦波)速度(m/s) VS :せん断弾性波(横波)速度(m/s) ν :ポアソン比 E :弾性係数(N/m2){×10-6N/mm2}

(5)

62

G :せん断弾性係数(N/m){×10 N/mm} g :重力加速度(m/s2) γt :土の単位体積重量(kN/m3) 図-3.3.1 砂質土の N 値と内部摩擦角φの関係 b.N 値より VSを推定する式 b S

aN

V

··· (3.3.4) ここに、a、b :係数 推定式を、「4.2.2 地盤種別」式(4.2.2)、式(4.2.3)及び表-4.2.4 に示す。 c.砂質土の内部摩擦角と N 値との関係 砂質土の内部摩擦角の推定方法は原則として、せん断試験(三軸圧縮試験又は直接せん断試 験)により求めるが、せん断試験の結果のバラツキが大きく、また、砂質土において乱さない資 料の採取が困難で、三軸圧縮試験と直接せん断試験で 5~10°の違いが生じた例もある。そこで 一般には、粘着力 c=0 と仮定して、N 値により砂質土の内部摩擦角を推定する方法がとられて い る 。 砂 質 土 に お け る 土 の 内 部 摩 擦 角 を 推 定 す る 方 法 と し て 、Dunham、 Terzaghi-peck、 Meyerhof、大崎、道路橋示方書の方法等がある。 図-3.3.1 に、砂質土の N 値と内部摩擦角φの関係を示すが、水路構造物では大崎の方法(式 (3.3.5))が、橋台や橋脚では「道路橋示方書」の方法(式(3.3.6))がとられる場合が多い。 大崎の方法

20N

15

45

··· (3.3.5) 道路橋示方書の方法

15N

15

45

··· (3.3.6) ここに、φ :砂の内部摩擦角(°) N :砂の N 値、ただし、N>5 引用・参考文献 ⅰ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(1997) ⅱ)農林水産省農村振興局:土地改良事業計画設計基準・設計「水路I」(2001)

(6)

63

第4章

耐震設計における

設計条件

4.1 設計条件の設定

構造物の耐震性能の照査は、地震動の作用を適切に考慮した耐震設計法によるものとする。考 慮する荷重は、計算法に応じて適切に設定する。 [解 説] 耐震性能の照査は、各施設の設計基準や設計指針の内容に準拠し、地震動の作用を適切に考慮 した耐震計算法により行う。耐震設計法は、「第 5 章 耐震設計手法」に示す。 考慮する荷重の表現形式は、慣性力が支配的となる地上構造物に適用する震度法や、地盤挙動 に支配される地中構造物に適用する応答変位法などの計算法により異なり、次に示す規定に基づ いて適切に設定するものとする。 4.1.1 設計条件として設定する事項 耐震設計の設計条件として、以下の事項を考慮し、適切な設計を行うものとする。 (1) 一般条件 a.構造形式 b.基礎形式 c.計画高 d.内水位 e.地下水位 等 (2) 土質条件(単位体積重量、内部摩擦角、粘着力等) (3) 使用材料(コンクリート、鉄筋など) (4) 常時荷重 (5) 地震時荷重 [解 説] (1)から(4)までの条件は、常時考慮すべき事項であり、各施設の設計基準や設計指針に基づいて 設定する。なお、既設構造物の耐震診断においては、実運用水位を考慮することにより合理的な耐 震性能の照査が可能になる場合や、部材の劣化を適切に評価する必要がある場合などがあり、新規 構造物の耐震設計とは異なる配慮が必要である。これらについては、「第 7 章 耐震診断」を参照 されたい。 (5)の地震時荷重としては、地上構造物に作用する慣性力や地中構造物(暗渠(ボックスカル バート)等)に作用する地盤の応答変位から受ける換算荷重等を考慮する。 後述の「4.3 荷重」、「5.3 震度法」、「5.4 地震時保有水平耐力法」及び「5.5 応答変 位法」の各項に詳細事項を記述した。また、液状化が懸念される地盤において考慮する荷重や土 質条件については、「第 6 章 液状化の検討」に記述した。 地震時荷重の設定においては、「4.2 耐震設計に用いる諸係数及び設定事項」に定める事 項を設定する必要がある。

(7)

64

4.2 耐震設計

に用いる諸係数及び設定事項

耐震設計に用いる諸係数及び設定事項は、以下のとおりである。 (1) 地域別補正係数 (2) 地盤種別 (3) 固有周期 (4) 耐震設計上の地盤面 [解 説] 耐震設計に用いる諸係数及び設定事項については、地震動レベル、構造物の種類、地形、地質 等を考慮し、適切に定める必要がある。 4.2.1 地域別補正係数 耐震設計に用いる地域別補正係数Czは、図-4.2.1 の地域区分に従い、表-4.2.1 の値を用 いる。 表-4.2.1 地域別補正係数Cz 地域区分 地域別補正係数Cz A 1.0 B 0.85 C 0.7 [解 説] 地域別補正係数 Czは、震度法、地震時保有水平耐力法及び応答変位法の地震力の算定に用い る設計水平震度を計算するためのものである(「5.2 設計水平震度」参照)。 Czは、図-4.2.1、表-4.2.2 の地域区分で分けられている地域に対して表-4.2.1の値を用いる。 ただし、対象構造物が地域区分の境界線上にある場合は、係数の大きい方を用いる。 図-4.2.1 地域別補正係数の地域区分

(8)

65

表-4.2.2 地域区分 (2002年 11 月現在) 地域 区分 対象地域 A 北海道のうち釧路市、帯広市、根室市、沙流郡、新冠郡、静内郡、三石郡、浦河郡、様似郡、幌泉郡、河東郡、上 川郡(十勝支庁)、河西郡、広尾郡、中川郡(十勝支庁)、足寄郡、十勝郡、釧路郡、厚岸郡、川上郡、阿寒郡、白 糠郡、野付郡、標津郡、目梨郡 青森県のうち三沢市、十和田市、八戸市、上北郡、三戸郡 岩手県、宮城県 福島県のうち福島市、二本松市、相馬市、原町市、いわき市、伊達郡、相馬郡、安達郡、田村郡、双葉郡、石川郡、 東白川郡 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県、山梨県 富山県のうち富山市、高岡市、氷見市、小矢部市、砺波市、新湊市、中新川郡、上新川郡、射水郡、婦負郡、東礪 波郡、西礪波郡 石川県のうち金沢市、小松市、七尾市、羽咋市、松任市、加賀市、鹿島郡、羽咋郡、河北郡、能美郡、石川郡、江 沼郡 静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県 鳥取県のうち鳥取市、岩美郡、八頭郡、気高郡 徳島県のうち徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、板野郡、阿波郡、麻植郡、名東郡、名西郡、那賀郡、勝浦郡、 海部郡 香川県のうち大川郡、木田郡 鹿児島県のうち名瀬市、大島郡 B 北海道のうち札幌市、函館市、小樽市、室蘭市、北見市、夕張市、岩見沢市、網走市、苫小牧市、美唄市、芦別市、 江別市、赤平市、三笠市、千歳市、滝川市、砂川市、歌志内市、深川市、富良野市、登別市、恵庭市、伊達市、札 幌郡、石狩郡、厚田郡、浜益郡、松前郡、上磯郡、亀田郡、茅部郡、山越郡、檜山郡、爾志郡、久遠郡、奥尻郡、 瀬棚郡、島牧郡、寿都郡、磯谷郡、虻田郡、岩内郡、古宇郡、積丹郡、古平郡、余市郡、空知郡、夕張郡、樺戸郡、 雨竜郡、上川郡(上川支庁)のうち東神楽町、上川町、東川町及び美瑛町、勇払郡、網走郡、斜里郡、常呂郡、有 珠郡、白老郡 青森県のうち青森市、弘前市、黒石市、五所川原市、むつ市、東津軽郡,西津軽郡、中津軽郡、南津軽郡、北津軽 郡、下北郡 秋田県、山形県 福島県のうち会津若松市、郡山市、白河市、須賀川市、喜多方市、岩瀬郡、南会津郡、北会津郡、耶麻郡、河沼郡、 大沼郡、西白河郡 新潟県 富山県のうち魚津市、滑川市、黒部市、下新川郡 石川県のうち輪島市、珠洲市、鳳至郡、珠洲郡 鳥取県のうち米子市、倉吉市、境港市、東伯郡、西伯郡、日野郡 島根県、岡山県、広島県 徳島県のうち美馬郡、三好郡 香川県のうち高松市、丸亀市、坂出市、善通寺市、観音寺市、小豆郡、香川郡、綾歌郡、仲多度郡、三豊郡 愛媛県、高知県 熊本県のうち熊本市、菊池市、人吉市、阿蘇郡、菊池郡、上益城郡、下益城郡、八代郡、球磨郡 大分県のうち大分市、別府市、臼杵市、津久見市、佐伯市、竹田市、日田郡、玖珠郡、大分郡、直入郡、大野郡、 南海部郡、北海部郡 宮崎県 C 北海道のうち旭川市、留萌市、稚内市、紋別市、士別市、名寄市、上川郡(上川支庁)のうち鷹栖町、当麻町、比 布町、愛別町、和寒町、剣淵町、朝日町、風連町及び下川町、中川郡(上川支庁)、増毛郡、留萌郡、苫前郡、天塩 郡、宗谷郡、枝幸郡、礼文郡、利尻郡、紋別郡 山口県、福岡県、佐賀県、長崎県 熊本県のうち八代市、荒尾市、水俣市、玉名市、本渡市、山鹿市、牛深市、宇土市、宇土郡、玉名郡、鹿本郡、葦 北郡、天草郡 大分県のうち中津市、日田市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、東国東郡、西国東郡、速見郡、下毛郡、宇佐郡 鹿児島県(名瀬市及び大島郡を除く) 沖縄県 引用・参考文献 ⅰ)日本道路協会:道路橋示方書・同解説 V.耐震設計編(2002)

(9)

66

4.2.2 地盤種別 耐震設計上の地盤種別は、原則として次式で算出される地盤の特性値 TGをもとに、表 -4.2.3 により区分するものとする。    n 1 i si i G V H T 4 ··· (4.2.1) ここに、TG :地盤の特性値(s) Hii 番目の地層の厚さ(m) Vsi :i 番目の地層の平均せん断弾性波速度(m/s) i :当該地盤が地表面から基盤面まで n 層に区分されるときの、 地表面から i 番目の地層の番号。基盤面とは、粘性土層の場 合は N 値が 25 以 上、砂 質 土 層の 場 合は N 値 が 50 以 上 の 地 層 の 上 面 、若 しくは平均せん断弾性波速度 Vsi=300m/s 程度以上 の地層の上面をいう。 ただし、実測値がない場合は(1)、(2)に示す式により求めてもよ い。 表-4.2.3 耐震設計上の地盤種別 地盤種別 地盤の特性値TG(s) I種 TG<0.2 Ⅱ種 0.2≦TG<0.6 Ⅲ種 0.6≦TG (1) 地上構造物の場合(橋梁、頭首工、擁壁、開水路、ファームポンド(PC、RC)、ポンプ 場(吸込水槽、吐出し水槽)、(杭基礎) 粘性土層の場合Vsi=100Ni1/3 (1≦Ni≦25) ··· (4.2.2) 砂質土層の場合Vsi= 80Ni1/3 (1≦Ni≦50) ··· (4.2.3) ここに、Ni:標準貫入試験によるi 番目の地層の平均 N 値 (2) 地中構造物の場合(パイプライン、暗渠(ボックスカルバート)、ポンプ場(吸込水槽)) ただし、地表面が基盤面と一致する場合はI種地盤とする。 表-4.2.4 表層地盤のせん断弾性波速度Vsi(せん断ひずみとの関係) 堆積時代別土質 Vsi(m/s) せん断ひずみのレベル 10-3 10 -4 10-6 洪積層 粘性土 129N 0.183 156N0.183 172N0.183 砂質土 123N 0.125 200N0.125 205N0.125 沖積層 粘性土 122N 0.0777 142N0.0777 143N0.0777 砂質土 61.8N0.211 90N0.211 103N0.211 *1 砂、粘土の組成分の百分率により区分した。表層地盤ではせん断ひずみ が 10-3レベルの値を用い、基盤においては 10-6レベルの値を用いる。 *2 ポンプ場(吸込水槽)は、応答変位法による場合、本表を用いる。

(10)

67

[解 説] 地盤種別は、震度法、地震時保有水平耐力法及び応答変位法の地震力の算定に用いる設計水平 震度を計算するためのものである。 ポンプ場(吸込水槽)においては、震度法では以下に示す(1)地上構造物の場合、応答変位法で は(2)地中構造物の場合を適用する。 (1) 地上構造物の場合(橋梁、頭首工、擁壁、開水路、ファームポンド(PC、RC)、ポンプ 場(吸込水槽)、杭基礎) 概略の目安は、表-4.2.5 となる。 表-4.2.5 地盤種別の概略の目安 I種 良好な洪積地盤及び岩盤 Ⅱ種 I、Ⅲ種地盤に属さない洪積、沖積地盤 Ⅲ種 沖積地盤のうち軟弱地盤 地盤種別は、式(4.2.1)から求まる地盤の特性値 TGを基に、表-4.2.3 により区別することを 原則とした。なお、TGは元来微小ひずみ振幅領域における表層地盤の固有周期であるが、ここ では地盤の特性値と称する。Vsiは弾性波探査やPS 検層によって測定するのが望ましいが、実 測値がない場合は、式(4.2.2)及び式(4.2.3)によってN 値から推定してもよい。 式(4.2.2)は粘性土層についてN 値 1~25 の範囲で、式(4.2.3)は砂質土層について N 値 1~50 の範囲で、実験値から導いた推定式である。なお、N 値が 0 の場合は Vsi=50m/s としてよい。 堤体や盛土等、地表面が平坦でなく、図-4.2.2(a)に示すように、堤体内にフーチングを設ける 場合には、下部構造の振動が堤体の振動に影響されるので、堤体の天端を地表面と見なし地盤の 特性値を求めるものとする。図-4.2.2(b)に示すように、フーチングを堤体下の地盤内に設ける場 合には周辺の平均的な地表を地表面と見なして地盤の特性値を求める。 (a) 堤体内にフーチングを設ける場合 (b) 堤体下の地盤内にフーチングを設ける場合 図-4.2.2 堤体や盛土における地表面の取り方 数多くの地盤を対象とした計算結果によれば、地盤の特性値TGと沖積層厚HA及び洪積層厚 HDには相関があり、図-4.2.3 により近似的に地盤種別を区分できる。したがって、相当深く標 準貫入試験を行っても基盤面が現れない場合など、地盤の特性値TGを式(4.2.2)及び式(4.2.3) で求め難い場合には、図-4.2.3 により地盤種別分類を行ってもよい。

(11)

68

図-4.2.3 沖積層厚HAと洪積層厚HDによる地盤種別 (2) 地中構造物の場合(パイプライン、暗渠(ボックスカルバート)、ポンプ場(吸込水槽)) 表-4.2.4 は、砂、粘土の組成分の百分率により区分した。また、表層地盤ではせん断ひずみ に 10-3レベルの値を用い、基盤においては 10-6レベルの値を用いる。 表層地盤の特性値TGを、表-4.2.4 によりVsiを算定し、次式により求める。    n 1 i si i G V H T 4 ··· (4.2.4) ここに、Hi :第i 層厚(m) Vsi :第 i 層厚の平均せん断弾性波速度(m/s) (3) 基盤面は、粘性土層の場合はN 値が 25 以 上、砂 質 土 層 の 場合 は N 値が 50 以 上 の 地 層 の 上 面 、若 し くは平均せん断弾性波速度 Vsi=300m/s 程度以上の地層の上面とする(工学的基 盤面)。 (4) 表層地盤の特性値TGの算定例を以下に示す。 表-4.2.6 せん断弾性波速度の算定例 層 層厚 Hi(m) 土質 平均N 値 算定式 速度(Vsi) Hi/Vsi 表層 第 1 層 25.0 T S 2 61.8N 0.211 71.5 0.3497 第 2 層 5.0 T N 5 122.0N0.0777 138.3 0.0362 計(HS) 30.0 0.3859 基盤 K S 50 205N0.125 334.3 土質分類…S:砂質土 N:粘性土 T:沖積層 K:洪積層 ∴TG=4×0.386=1.54 表-4.2.3 より、0.6≦TGであるため、Ⅲ種地盤となる。 引用・参考文献 ⅰ)日本道路協会:道路橋示方書・同解説 V.耐震設計編(2002) ⅱ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(1997 年版)(1997) START 2HA+HD≦10(m) HA:沖積層厚(m) HD:洪積層厚(m) HA≧25(m) I種地盤 Ⅱ種地盤 Ⅲ種地盤 YES YES NO NO

(12)

69

4.2.3 固有周期 (1) 固有周期 a.固有周期の算出に当たっては、構造部材に生じる変形の大きさに見合った剛性を用いる とともに、原則として基礎地盤の変形の影響を考慮するものとする。 b.耐震設計上の地盤面より下方の構造部分には、慣性力、地震時土圧及び地震時動水圧を 作用させなくてもよい。 (2) 算定方法 a.設計振動単位が、1 基の下部構造とそれが支持している上部構造部分からなる場合

T

2.01

··· (4.2.5) ここに、 T :設計振動単位の固有周期(s) δ :耐震設計上の地盤面より上にある下部構造の重量の 80%と、それ が支持している上部構造部分の全重量に相当する力を慣性力の作 用方向に作用させた場合の上部構造の慣性力の作用位置における 変位(m) b.設計振動単位が、複数の下部構造とそれが支持している上部構造部分からなる場合

T

2.01

··· (4.2.6)

   

   

ds

s

u

s

w

ds

s

u

s

w

2

··· (4.2.7) ここに、 T :設計振動単位の固有周期(s) w(s) :上部構造及び下部構造の位置 s における重量(kN/m) u(s) :上部構造及び耐震設計上の地盤面より上の下部構造の重量に相当 する水平力を慣性力の作用方向に作用させた場合にその方向に生 じる位置s における変位(m) は設計振動単位全体に関する積分を示す。なお、図-4.2.19 に示すように離散型の骨組 構造にモデル化する場合には、式(4.2.7)のδ は式(4.2.40)によって求めてもよい。 c.PC タンクの固有周期算定 PC タンクの固有周期は、式(4.2.8)、式(4.2.9)により求める。                2 2 2 2 2 1 12 3 2γ ・ = H a gE ' a H T c π ··· (4.2.8) ここに、 T2 :PC タンク満水時の固有周期(s) H2 :PC タンクの全水深(m) EC :コンクリートのヤング係数(kN/m2) g :重力加速度(9.8m/s2)

(13)

70

2 2

3

3

2

γ

γ

γ

H

a

H

a

t

w c





tanh

a

'

··· (4.2.9) ここに、 γw :水の単位体積重量(9.8kN/m3) γc :コンクリートの単位体積重量(kN/m3) a :PCタンクの内半径(m) t :PCタンクの壁厚(m) [解 説] (1) 固有周期算定方法の適用 ある構造物が自由に揺れるとき、その物理的性質、形状から定まる固有の周期を固有周期とい い、固有振動数の逆数で表される。地震に対して構造物を安全に設計するためには、地盤・構造 物が持つ固有周期を考えて設計することが重要であり、固有周期と地盤種別により設計水平震度 の標準値を算出する。 構造物の種類、地震力算定法、地震動レベルに応じた固有周期算定方法の適用を表-4.2.7 に 示す。ファームポンド(PC)の地震荷重は地震時動水圧のみを考慮することから、固有周期 は満水時のみとする。 表-4.2.7 構造物の種類、地震力算定法、地震動レベルに応じた固有周期算定方法 固有周期算定方法 構造物の種類 地震力算定方法 地震動 レベル δ 2.01 = T 農道橋、水路橋、水管橋、頭首工、 杭基礎(設計振動単位が、1 基の下 部構造とそれが支持している上部構 造からなる場合) 震度法 (固有周期を考慮する) レベル 1 農道橋、水路橋、水管橋、頭首工、 杭基礎(設計振動単位が、1 基の下 部構造とそれが支持している上部構 造からなる場合) 地震時保有水平耐力法 レベル 2 δ 2.01 = T 、           ds s u s w ds s u s w 2 = δ

            i W u u W i i i 2 i i δ 農道橋、水路橋、水管橋、頭首工、 杭基礎(設計振動単位が、複数の下 部構造とそれが支持している上部構 造からなる場合) 震度法 (固有周期を考慮する) レベル 1 農道橋、水路橋、水管橋、頭首工、 杭基礎(設計振動単位が、複数の下 部構造とそれが支持している上部構 造からなる場合) 地震時保有水平耐力法 レベル 2                2 2 2 2 2 1 12 3 2 ・ = H a c gE ' a H T π γ ファームポンド(PC) 震度法 (固有周期を考慮する) レベル 1 ファームポンド(PC) 震度法 (固有周期と構造物特性係数を 考慮する) レベル 2 *ファームポンド(RC)は、地盤種別にかかわらず Khc20を 0.7 とすることから、実際に固有周期は算出しない。

(14)

71

(2) 固有周期 a.固有周期の特性 物が揺れる状態を描くと、図-4.2.4 のようになる。縦軸は揺れる量、すなわち振幅で最初の位 置を原点(0)に、(+)から(-)、(-)から(+)(右から左あるいは上から下)へと繰り返される。 横軸を時間にとると、揺れは 0 から(+)、そして 0 に戻り(-)となり、また 0 に戻る。この間の 時間を周期という。このような揺れ方を繰り返しながら、あるときは大きく、そしてあるときは 小さく、時間とともに構造物固有の揺れ方(振動数・周期)をして、次第に収まり元の位置に戻 る。 図-4.2.4 振動図 構造物は大きさ・高さ・硬さにより当然揺れ方は異なり、その物理的性質、形状から定まる固 有の振動特性を持っている。振動特性には、固有振動数と固有振動モードがあり、固有振動数と は、構造物を自由に揺らせた時に最も揺れやすい振動数(Hz)であり、そのときの振動形状を、 固有振動モードという。また、固有振動数の逆数が固有周期(s)であり、固有周期が短い構造 物ほど速く揺れ、固有周期が長い構造物ほどゆっくりと揺れる。 b.T=2.01  の根拠 構造物の固有周期は、構造物の種類、剛性、重量分布、基礎の条件等で複雑に変化し、また、 振動次数によっても変化する。しかし、一般に構造物の振動においては地震時にある振動次数(通 常最低次数)の振動が卓越して現れ、それに対する固有周期は、図-4.2.5 のような、1 自由度の 力学系を仮定して算出することが近似的に可能である。この場合の固有周期T は、式(4.2.10) により求める。

gk

W

T

2

··· (4.2.10) ここに、 T :固有周期(s) W :振動する物体の重量(kN) k :バネ係数(kN/m) g :重力加速度(9.8m/s2) この力字素において、構造物の変位と固有周期の関係が以下のように表される。

(15)

72

図-4.2.5 1自由度の力学系 上部構造重量による鉛直変位δは、式(4.2.11)で与えられる。 k W =  ··· (4.2.11) これを式(4.2.10)に代入すれば、鉛直方向の振動に対して、式(4.2.12)が得られる。 22.01 g T ··· (4.2.12) c.固有周期と設計水平震度 (a) 橋軸方向 (b) 橋軸直角方向 図-4.2.6 設計振動単位 橋梁の固有周期T は、上部構造の慣性力作用位置における変位 δ より求める。 橋梁構造における固有周期の計算は、揺れる部分が 1 基の下部構造とそれが支えている上部構 造からなる場合(図-4.2.6)には、式(4.2.5)により計算できる。 この場合の変位量は、基礎構造物の水平変位・回転角による変位、下部構造躯体の曲げ変形・ 回転変形を全て合わせた値である(図-4.2.7参照)。

(16)

73

図-4.2.7 固有周期の計算に用いる変位 固有周期が決まると、図-4.2.8~図-4.2.10から設計水平震度の標準値が定められる。固有周 期が 1sec を超えると設計水平震動の標準値は減少するため、これらを乗じて求められる設計水 平震度は、結果として小さな値となる。 図-4.2.9 地震時保有水平耐力法に用い るレベル 2 地震動タイプIの 設計水平震度の標準値Khc0 図-4.2.8 震度法(固有周期を考慮する)に用いる レベル 1 地震動の設計水平震度の標準値Kh0

(17)

74

図-4.2.10 地震時保有水平耐力法に用いるレベル 2 地震動(タイプⅡ)の設計水平震度の標準値Khc0 すなわち、構造物の特性を考慮して変形を大きくし固有周期を伸ばすと、作用力を減じること が可能となり高層ビルのように免震構造とすることができるが、変形に対する構造上の配慮は不 可欠となる。 また、図-4.2.8、4.2.9と傾向が逆転しているのは、実測記録に基づいているためである。 d.慣性力 (a) 設計振動単位 慣性力は、設計振動単位ごとに、固有周期に応じて算出する。 橋の振動特性は部材の剛性及び高さ、基礎地盤の特性、上部構造の特性等によって変化するた め、橋を地震時に同一の振動をするとみなし得る設計振動単位に分割して、それぞれの設計振動 単位ごとに慣性力を算出するものとした。 設計振動単位は、慣性力の作用方向、橋の形式、支承の固定条件、橋脚間の固有周期特性等に 応じて、原則として表-4.2.8 に示すように定める。表-4.2.8 において、橋脚間の固有周期特性 が橋脚ごとに大きく異ならないとは、仮に橋を 1 基の橋脚とそれが支持している上部構造部分に 分割して、それぞれを一つの設計振動単位とみなして求めた固有周期の最大値と最小値の比が 1.5 未満であることをいう。 (b) 慣性力の作用方向 慣性力としては、直交する水平 2 方向の作用力を考慮するものとし、一般に橋軸方向及び橋軸 直角方向に別々に作用させるものとしてよい。ただし、下部構造の設計における土圧の水平成分 の作用方向が橋軸方向と異なる場合には、慣性力の作用方向は、土圧の水平成分の作用方向及び それに直角となる方向とする。 (c) 支承部の慣性力 支承部の設計においては、上記(b)に規定する水平 2 方向の慣性力とともに、鉛直方向の慣性 力も考慮する。 (d) 慣性力の作用位置 上部構造の慣性力の作用位置は、その重心位置とする。ただし、直橋の場合には、橋軸方向に 作用させる慣性力については、上部構造の慣性力の作用位置は支承の底面としてよい。

(18)

75

表-4.2.8 設計振動単位 橋の形式 橋軸方向 橋軸直角方向 設計振動単位 連続桁橋 橋軸方向 の 支 承 条 件 地震時水 平力分 散構 造の 場合 橋軸直角方向に固定条件の場合に は、以下に示す橋脚間の固有周期 特性に応じて設計振動単位を定め る 耐震設計上複数の 下部構造とそれが 支持している上部 構造部分からなる とみなす場合 多点固定の場合 橋脚 間の 固有 周期特性 大き く異 な る 一点固定の場合 大き く異 ならない 耐震設計上 1 基の 下部構造とそれが 支持している上部 構造部分からなる とみなす場合 アーチ橋 ラーメン橋 その他 耐震設計上複数の 下部構造とそれが 支持している上部 構造部分からなる とみなす場合 単純桁橋 橋軸方向 の 支 障条件 地震時水 平力分 散構 造の 場合 (橋軸直角方向に固定条件の場合には、以下による) 固有 ・可 動条 件 を有す る 場合 耐震設計上 1 基の 下部構造とそれが 支持している上部 構造部分からなる とみなす場合

(19)

76

(3) 固有周期の算定方法 設計振動単位が、単数の場合と複数の場合において、固有周期をそれぞれ以下のとおり算定す るものとする。各ケースにおける一般的な固有周期の計算フローを、図-4.2.11、図-4.2.12 に 示す。 図-4.2.11 設計振動単位が単数の場合の固有周期の計算フロー 基 礎 形 式 基礎の水平変位及び回転角 直接基礎 杭基礎 ………式(4.2.13)参照 δP:下部構造躯体の曲げ変形(m) h :下部構造躯体下端から上部構造の慣性力の作用位置までの高さ(m) EI h W . EI h WU P P P 8 8 0 3 3 3    下部工躯体の曲げ変形 基礎 のば ね定 数の算 出 基礎の抵抗を表すばね定数の算出(表-4.2.10 参照) 杭頭剛結の杭の軸直角方向ばね定数は下表による。 杭頭剛結合 杭頭ヒンジ結合 h≠0 h=0 h≠0 h=0 K1 1  2 12 3 3   h EI   4EI3 1  05 3 3 3 . h EI    2EI3 K2、K3 2 1  K 2EI2 0 0 K4  2 h 1 5 . 0 h 1 h 1 EI 4 3 3      β β β β EI 2 0 0 K1、K2、K3、K4:杭頭剛結の場合の杭の直角方向ばね定数 (kN/m、kN/rad、k・m/m、k・m/rad) 地盤反力係数、ばね定数の算出 …………式(4.2.20)参照 …………式(4.2.24)参照 …………式(4.2.26)参照 …………式(4.2.25)参照 ………式(4.2.27)参照 ………式(4.2.28)参照 kV :底面の鉛直方向地盤ばね定数 kSB :底面の水平方向せん断ばね定数 4 3 0 03 / V V V . B k k         V SB k k  D V . E k 3 0 1 0 D H E . k 3 0 1 0  DD D G E  12  2 DS t D gV G  基礎の抵抗を表すばね定数 AsskSBAB AsrArs=0 ………式(4.2.19) ArrkVIB AB:底面の面積(m2) 基礎の抵抗を表すばね定数 ……式(4.2.33)参照 n:杭の本数           n i i VP rr rs sr ss y K nK A nK nK A A nK A 1 2 4 3 2 1 耐震設計上の地盤面における水平力とモーメントの算出 ………式(4.2.18)参照 WU :対象とする下部構造躯体が支持する上部構造部分の重量(kN) h0 :耐震設計上の地盤面から上部構造の慣性力の作用位置までの高さ(m) WP :下部構造躯体の柱部の重量(kN) hP :下部構造躯体の柱部の高さ(m) WF :下部構造躯体のフーチング又はケーソンの重量(kN) hF :下部構造躯体のフーチング又はケーソンの高さ(m)   2 8 0 2 8 0 8 0 0 0 0 F F F P P U F P U h W . h h W . h W M W W . W H             基礎の水平変位と回転角の算出 ………式(4.2.17)参照 δ0 :基礎の水平変位(m) θ0 :基礎の回転角(rad) rs sr rr ss ss rs rs sr rr ss sr rr A A A A A M A H A A A A A M A H        0 0 0 0 0 0   固有周期の算出 ………式(4.2.5)参照 δ=δP+δ0+θ0h0 ………式(4.2.16)参照  01 2. T=

(20)

77

基礎のばね定数の算出 (図-4.2.11参照) 橋梁を骨組化する。 上部構造及び下部構造の剛性と重量を算出し、橋をモデル化する。 1.部材の剛性を算出する。 2.橋台のモデル化に際しては、橋台背面の重量、変形等の影響は無視する。 3.基礎の変形は、基礎の抵抗を表すばねによって考慮する。 4.上部構造を表すはりの位置は、上部構造の重心とする。 5.固有周期の算定においては可動支承の摩擦の影響を無視してよい。ただし、斜橋、曲線橋等で慣性力の 作用方向と可動支承の可動方向が一致しない場合には、可動方向に直角方向の分力も生じるため、支承 の可動方向を正しくモデル化しなければならない。 6.上部構造の相対変位に対する拘束条件は、表-4.2.11 による。ここで、固定支承の鉛直軸周りの拘束条件 は支承の構造を考えると固定であると考えられるが、計算の簡便さを考慮して一般には自由としてよい。 7.ゴム支承等の剛性を利用して慣性力の分散を図る場合には、その剛性をばねとしてモデル化してよい。ただ し、固定部材によって水平変位を拘束する固定型ゴム支承又はすべり機構を有する可動型ゴム支承(すべ りゴム支承)を用いる場合には、原則として固有周期及び慣性力の算出に際してゴム支承の剛性を考慮せず、 一般の支承と同じ扱いをする。 離散型骨組構造モデルの有限要素法による変位の解析 w(s) :上部構造及び下部構造の位置 s における重量(kN/m) u(s) :上部構造及び耐震設計上の地盤面より上の下部構造の重量に相当する水平力を慣性力の作用方 向に作用させた場合にその方向に生じる位置 s における変位(m) F :上部構造及び耐震設計上の地盤面より上の下部構造の重量に相当する水平力を慣性力の作用方 向に作用させた場合にその方向に生じる断面力(kN 若しくは kN・m) 変位量の算出

i i i i i i u W u W 2  ………式(4.2.39)参照 固有周期の算出  2.01  T ………式(4.2.6)参照 図-4.2.12 設計振動単位が複数の場合の固有周期の計算フロー

(21)

78

a.部材の剛性 固有周期の算定に当たっては、構造部材に生じる変形の大きさに見合った剛性を用いるととも に、原則として基礎地盤の変形の影響を基礎に対する地盤ばねにより考慮しなければならない。 ここで、構造部材に生じる変形の大きさに見合った剛性を用いることとしたのは、構造部材に よっては、その変形によって剛性が大きく変形するものがあるためである。一般的には以下のよ うに取り扱ってよい。 (a) 橋脚の剛性 橋脚の剛性は、震度法による耐震計算では橋脚の断面を有効とみなして算出される剛性を、地 震時保有水平耐力法による耐震計算では橋脚の降伏剛性を用いる。ここで、降伏剛性は、橋脚の 曲げ変形による降伏時の割線剛性 Kyをいい、橋脚の降伏耐力 Pyと降伏変位 δyの比(Ky=Py/δy) により求める。 (b) 上部構造及び基礎の剛性 上部構造及び基礎の剛性は、震度法による耐震計算及び地震時保有水平耐力法による耐震計算 ともに、全断面有効とみなして算出してよい。これは、一般にはこうした部材には主たる塑性ヒ ンジが生じないこと、また、固有周期を長く見積もることにより地震力を過小評価することを避 けるためである。同じ主旨で、固有周期を算出する際の地盤反力係数については、震度法による 耐震計算、地震時保有水平耐力法による耐震計算ともに、式(4.2.25)、式(4.2.26)によるもの とする。 軟岩、硬岩に直接基礎が設置されている場合には、一般に固有周期の算定には基礎地盤の変形 の影響はほとんどないため、これを無視してよい。 (c) 支承の剛性 地震時水平力分散構造に用いる積層ゴム支承のように、変形によって剛性がほとんど変わらな い支承では、その剛性を用いる。免震支承のように等価剛性が変形によって変化する支承では、 「道路橋示方書 V耐震設計編」9.3.3 に規定する、有効設計変位に相当する等価剛性を用いる ものとする。 b.下部構造躯体の曲げ変形 下部構造躯体が等断面の場合には、曲げ変形δPは式(4.2.13)により算出してよい。 なお、式(4.2.13)~式(4.2.15)は設計振動単位が単数の場合に用いる。

EI

h

W

EI

h

W

U P P P

8

0.8

3

3 3

··· (4.2.13) ここに、 WU :対象とする下部構造躯体が支持する上部構造部分の重量(kN) WP :下部構造躯体の重量(kN) EI :下部構造躯体の曲げ剛性(kN・m2) h :下部構造躯体下端から上部構造の慣性力の作用位置までの高さ(m) hP :下部構造躯体の高さ(m) なお、下部構造躯体が変断面又はラーメン形式の場合には、その構造形式に応じて変位を求め るものとする。ただし、このような場合には、下部構造躯体の曲げ変形 δP として、上部構造部 分の重量と下部構造躯体の重量を用いて、式(4.2.14)により算出してもよい。

(22)

79

EI

Wh

P

3

3

··· (4.2.14) ここに、 W :下部構造体の曲げ変形 δP を算出するための等価重量(kN)で、式 (4.2.15)により求める。 W=WU+0.3WP ··· (4.2.15) c.基礎の水平変位及び回転角 (a) 設計振動単位が単数の場合 設計振動単位が 1 基の下部構造とそれが支持している上部構造部分からなる場合には、1 自由 度系の振動理論を用いて、式(4.2.5)により固有周期を求めるものとした(図-4.2.11 参照)。こ こで、当該下部構造が支持している上部構造部分とは、表-4.2.8 に示す点線で囲まれた一体の 構造系のうちの上部構造部分とする。 式(4.2.5)のδは、式(4.2.16)により算出することができる。 δ=δPδ0θ0h0 ··· (4.2.16) ここに、 δP :下部構造躯体の曲げ変形(m) δ0 :基礎の水平変位(m) θ0 :基礎の回転角(rad) h0 :耐震設計上の地盤面から上部構造の慣性力の作用位置までの高さ (m) 図-4.2.13 固有周期算定モデル 基礎の水平変位δ0と回転角θ0は、式(4.2.17)で算出してよい(図-4.2.14参照)。 rs sr rr ss ss rs rs sr rr ss sr rr

A

A

A

A

A

M

A

H

A

A

A

A

A

M

A

H

0 0 0 0 0 0

··· (4.2.17) ここに、 H0 :耐震設計上の地盤面における水平力(kN) M0 :耐震設計上の地盤面におけるモーメント(kN・m)

(23)

80

AssAsrArsArr:基礎の抵抗を表すばね定数(kN/m、kN/rad、kN・m/m、kN・m/rad) で、基礎形式が直接基礎では底版下面の地盤のばね定数を示し、杭 基礎の場合では杭群全体の動的な地盤の動的なばね定数を示す。 また、ここに示されている基礎のばね定数、As sAsrArsAr rは 、以下のように説明される。 As s :底版が回転しないようにして、底版を軸直角方向に単位量だけ変位させるとき の底版に作用させる軸直角方向力(kN/m) As r :底版が移動しないようにして、底版を単位量だけ回転させるときの底版に作用 させる軸直角方向力(kN/rad) Ar s :底版が回転しないようにして、底版を軸直角方向に単位量だけ変位させるとき の曲げモーメント(kN・m/m) Ar r :底版が移動しないようにして、底版を単位量だけ回転させるときの底版に作用 させる曲げモーメント(kN・m/rad) ここで、杭基礎の場合は底版を杭頭部と読み替える。 図-4.2.14 耐震設計上の地盤面における荷重と変位 下部構造が等断面の場合には、H0M0は式(4.2.18)で与えられる。

2

0.8

2

0.8

0.8

F F F P P U F P U

h

W

h

h

W

h

W

M

W

W

W

H

0 0 0 ··· (4.2.18) ここに、 WU :対象とする下部構造躯体が支持する上部構造部分の重量(kN) WP :下部構造躯体の柱部の重量(kN) WF :耐震設計上の地盤面より上にあるフーチング又はケーソンの重量 (kN) h0 :耐震設計上の地盤面から上部構造の慣性力の作用位置までの高さ (m) hP :下部構造躯体の柱部の高さ(m) hF :耐震設計上の地盤面より上にあるフーチング又はケーソンの高さ (m)

(24)

81

直接基礎及び杭配置が対象で鉛直杭のみの杭基礎においては、それぞれ、式(4.2.19)及び式 (4.2.33)により、基礎の抵抗を表すばね定数を簡便に算出することができる。 ア.直接基礎 AsskSBAB AsrArs=0 ··· (4.2.19) ArrkVIB ここに、 kSB :底面の水平方向せん断地盤ばね定数(kN/m3) kV :底面の鉛直方向地盤ばね定数(kN/m3) AB :底面の面積(m2) IB :底面の断面二次モーメント(m4) 固有周期を算出する際は、地震時に地盤に生じる変形に相当する地盤の剛性から地盤反力 係数を求めるため、地盤反力係数は式(4.2.25)及び式(4.2.26)により求めるものとする。 3/4 0.3         V V V B k k 0 ··· (4.2.20) 3/4 0.3         H H H B k k 0 ··· (4.2.21)

B

V

A

V ··· (4.2.22)

B

H

A

H ··· (4.2.23)

k

SB

k

V ··· (4.2.24) kH ED 0.3 1  0 ··· (4.2.25) kV ED 0.3 1  0 ··· (4.2.26) ED 2

1νD

GD ··· (4.2.27) D t

V

DS2

g

G

··· (4.2.28) ここに、 kV :鉛直方向地盤ばね定数(kN/m3) kH :水平方向地盤ばね定数(kN/m3) kV0 :鉛直方向地盤反力係数(kN/m3) kH0 :水平方向地盤反力係数(kN/m3) BV :基礎の換算載荷幅(m)(表-4.2.9 参照、BHBvと読み替える。) BH :荷重方向に直交する基礎の換算載荷幅(m)(表-4.2.9 参照) AV :鉛直方向の載荷面積(m2) AH :荷重作用方向に直交する基礎の載荷面積(m2)

(25)

82

kSB :水平方向せん断地盤ばね定数(kN/m ) ED :地盤の動的変形係数(kN/m2) νD :地盤の動的ボアソン比 GD :地盤の動的せん断変形係数(kN/m2) γt :土(地盤の)の単位体積重量(kN/m3) g :重力加速度(9.8m/s2) VDS :地盤のせん断弾性波速度(m/s) λ :鉛直方向地盤ばね定数に対する水平方向せん断地盤ばね定数の比 で、λ=1/3~1/4 とする。 表-4.2.9 基礎の換算載荷幅BH(m) 基 礎 形 式 BH(m) 備 考 直 接 基 礎 AH ケ ー ソ ン 基 礎 B ≦e

BeLe

杭 基 礎 D / 鋼 管 矢 板 基 礎 D/

BeLe

≦  常時、暴風時及びレベル 1 地震時

e e

e B L B ≦ レベル 2 地震時 地中連続壁基礎 B ≦e

BeLe

地盤ばね定数の算出に用いるi 番目のせん断弾性波速度 VDSiは、建設地点で実測されたせん断 弾性波速度VSiがある場合には、式(4.2.29)及び式(4.2.30)によって算出する。 VDSicVVSi ··· (4.2.29) ··· (4.2.30) ここに、 VDSi :基礎の抵抗を表すばね定数の算出に用いるi 番目の地層の平均せ ん断弾性波速度(m/s) VSi i 番目の地層の平均せん断弾性波速度(m/s) cV :地盤ひずみの大きさに基づく補正係数 建設地点で実測されたせん断弾性波速度VSiがない場合には、式(4.2.31)により推定する。 ··· (4.2.31) ここに、 Ni :標準貫入試験によるi 番目の地層の平均 N 値 地盤の動的ポアソン比は、一般の沖積及び洪積地盤では、地下水位以浅では 0.45、地下水位 以深では 0.5 とし、軟岩では 0.4、硬岩では 0.3 としてよい。 また、固有周期の算出に際しては、「7.2 水平地盤における液状化判定」に規定するように耐 震設計上ごく軟弱な粘性土層又は橋に影響を与える液状化が生じると判定された土層がある場合

    s m 300 ≧ 0.8 s m 300 < 0.8 / V / V c si si V 粘性土層の場合Vsi=100

N

i1 /3 (1≦Ni≦25) 砂質土層の場合Vsi= 80

N

i1/3 (1≦Ni≦50)

(26)

83

には、土質定数の低減を見込まないものとする。 イ.杭配置が対称で鉛直杭のみの杭基礎 (ア) 地盤のばね定数算出に用いる一般式 As sAs rAr sAr rは 、 基 礎 の 抵 抗 を 表 す 地 盤 の ば ね 定 数 (kN/m、 kN/rad、 kN・ m/m、kN・m/rad)で、基礎天端に単位水平力と単位モーメントをそれぞれ別々に作用さ せたときの水平変位と回転角から、式(4.2.32)により算出する。



H M M H H rr H M M H H rs H M M H M sr H M M H M ss

A

A

A

A

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

··· (4.2.32) ここに、

0H

0H :基礎天端に単位水平力を与えたときに基礎天端に生じる水平 変位と回転角(m/kN、rad/kN)

0M

0M :基礎天端に単位モーメントを与えたときに基礎天端に生じる 水平変位と回転角(m/kN・m、rad/kN・m) δ0Hθ0Hδ0Mθ0M の算出においては、基礎の種別に応じて、「道路橋示方書 Ⅳ下部構造 編」の解説に示す、地盤抵抗特性を考慮した解析モデルを用いればよい。ただし、地盤反 力係数の基準値は、式(4.2.25)及び式(4.2.26)によるものとする。 (イ) 地盤のばね定数算出に実際に用いる式 ··· (4.2.33) L E A a K P P VP ··· (4.2.34) ここに、 n :杭の総本数(本) yi :i 番目の杭の杭頭の座標(m) K1K2、K3、K4:表-4.2.10 に示す杭頭剛結合の場合の杭の軸直角方向ば ね定数(kN/m、kN/rad、kN・m/m、kN・m/rad) KVP :杭の軸方向ばね定数(kN/m) AP :杭の純断面積(m2) EP :杭のヤング係数(kN/m2) L :杭長(m) a :下式により算定する。D は杭径。 打込み杭(打撃工法) a=0.014(L/D)+0.72

n 1 i i VP rr rs sr ss

y

K

nK

A

nK

nK

A

A

nK

A

2 4 3 2 1

(27)

84

打込み杭(バイブロハンマ工法) a=0.017(L/D)-0.014 場所打ち杭 a=0.031(L/D)-0.15 中掘り杭 a=0.010(L/D)+0.36 プレポーリング杭 a=0.013(L/D)+0.53 鋼管ソイルセメント杭 a=0.040(L/D)+0.15 杭の軸直角方向ばね定数(杭の根入れ深さが十分に長い場合(βLe≧3))は、表-4.2.10 によ り求めることができる。 表-4.2.10 杭の軸直角方向ばね定数 杭頭剛結合 杭頭ヒンジ結合 h≠0 h=0 h≠0 h=0 K1 2 12 3 3   h EI   1 3 4EI 0.5 1 3 3 3   h EI   2EI3 K2K3 K12 2 2EI 0 0 K4 1 2 0.5 1 1 4 3 3      h h h EI     2EI 0 0 ここに、 β :杭の特性値 4 4EI D kH  β (m-1) ··· (4.2.35) λ : β 1  h (m) ··· (4.2.36) kh :水平方向地盤ばね定数(kN/m3) D :杭径(m) EI :杭の曲げ剛性(kN・m2) 杭基礎設計便覧等を参照すること。 鋼管ソイルセメント杭の曲げ剛性は、ソイルセメントの一軸圧縮強 度が1N/mm2程度の場合には、その寄与度がわずかなため、鋼管 のみの曲げ剛性としてよい。 h :設計上の地盤面から上の杭の杭軸方向の長さ(m) また、ここに示されている 1 本の杭の動的な杭頭ばね定数K1~K4は、以下のように説明さ れる。 K1 :杭頭部が回転しないようにして、杭頭部を杭軸直角方向に単位量だけ変位させ るときの杭頭部に作用させる杭軸直角方向力(kN/m) K2 :杭頭部が移動しないようにして、杭頭部を単位量だけ回転させるときの杭頭部 に作用させる杭軸直角方向力(kN/rad) K3 :杭頭部が回転しないようにして、杭頭部を杭軸直角方向に単位量だけ変位させ るときの曲げモーメント(kN・m/m) K4 :杭頭部が移動しないようにして、杭頭部を単位量だけ回転させるときの杭頭部 に作用させる曲げモーメント(kN・m/rad) この概念図を、図-4.2.15に示す。

(28)

85

図-4.2.15 杭軸直角方向のばね定数の概念図 (ウ) 杭の特性値β の算定 杭の水平方向地盤反力係数kHを算出するためには杭の特性値β の算出が必要である。した が っ て 、kH及 び β を 定 め る た めに は 、 最 初に 適 切に kHを 仮 定 し 、 式 (4.2.21)並 び に 式 (4.2.35)を 満 足 さ せ る よ う に 繰 り 返 し 計 算 を 要 す る 。 一般には、このようにして kHを定めるが、式(4.2.21)、式(4.2.25)、式(4.2.35)及び表 -4.2.9 にある杭基礎の場合の換算載荷幅の式を展開すると、杭の換算載荷幅BHは以下のよ うに整理することもできる。 29 12 29 4 1.1615 D E EI B D H        ··· (4.2.37) β D BH  を、式(4.2.37)に代入すると、β は下式のように表される。 29 5 29 8 ・ 0.74124 β D E EI D         ··· (4.2.38) 地震時保有水平耐力法に用いる固有周期を算出する際には、橋脚の降伏剛性を用いて式 (4.2.13)により δPを用いる必要があり、橋脚の降伏変位 δyδPとみなしてはならない。こ れは、式(4.2.13)があくまでも耐震設計上の地盤面より上にある下部構造の重量の 80%とそ れが支持している上部構造の全重量に相当する力を作用させた場合の上部構造の慣性力の作 用位置における変位 δ を基に、固有周期を算出するようになっているためである。同様に、 式(4.2.17)によりδ0θ0を求める際には、上記の慣性力が作用する時に生じるH0M0を用いな ければならない。 (b) 設計振動単位が複数の場合

(29)

86

設計振動単位が複数の下部構造とそれが支持している上部構造部分からなる場合には、式 (4.2.6)により固有周期を算出するものとした。式(4.2.7)によりδ を求めるに際して、具体的 には以下の手順による。 ① 部材の剛性を算出する。 ② 橋台のモデル化に際しては、橋台背面土の質量、変形等の影響を無視してよい。 ③ 基礎地盤の変形の影響は、基礎の地盤ばねによって考慮する。 ④ 上部構造を表すはりの位置は、図-4.2.16 及び図-4.2.17 に示す上部構造の重心位置とす る。 ⑤ 固有周期の算定に関しては可動支承の摩擦の影響を無視してよい。ただし、斜橋、曲線 橋等で慣性力の作用方向と可動支承の可動方向が一致しない場合には、可動方向に直角方 向の分力も生じるため、支承の可動方向を正しくモデル化しなければならない。 ⑥ 上下部構造間の相対変位に対する拘束条件は、一般には、支承形式に応じて表-4.2.11 による。ここで、固定支承の鉛直軸回りの拘束条件は支承の構造を考えると固定であると 考えられるが、計算の簡便さを考慮して一般には自由としてよい。 ⑦ ゴム支承等の剛性を利用して慣性力の分散を図る場合には、その剛性をばねとしてモデ ル化してよい。ただし、固定部材によって水平変位を拘束する固定型ゴム支承又はすべり 機構を有する可動型ゴム支承(すべりゴム支承)を用いる場合には、原則として固有周期 及び慣性力の算出に際してはゴム支承の剛性を考慮せず、一般の支承と同じ扱いとする。 表-4.2.11 支承部のモデル化の例(上下部構造間の相対変位の拘束) 支承条件 橋軸方向 橋軸直角 方向 鉛直方向 橋軸回り 橋軸直角 回り 鉛直軸 回り 固定支承 拘束 拘束 拘束 拘束 自由 自由 可動支承 自由 拘束 拘束 拘束 自由 自由 ゴム支承 ばね*1 ばね*1 拘束*2 拘束*2 自由*2 自由*2 免震支承 ばね*1 ばね*1 拘束*2 拘束*2 自由*2 自由*2 *1 橋軸方向及び橋軸直角方向の両方向にゴム支承あるいは免震支承で指示される場合につい て示した。 *2 厳密にはばね支持となるが、解析結果への影響は一般に小さいため、このようにしてよい ものとした。 *3 変位制限構造等により支承の移動を拘束する場合には、その条件をモデル化に考慮する。 図-4.2.16 上部構造における慣性力の作用位置

(30)

87

図-4.2.17 下部構造の耐震設計における上部構造の慣性力の作用位置 前記①~⑦で求めたモデルに上部構造及び耐震設計上の地盤面から上の下部構造の重量に相 当する力を慣性力の作用方向に静的に作用させ、その方向から生じる変位をm 単位で求める。 なお、図-4.2.18 に示すように、離散型の骨組構造にモデル化する場合には、式(4.2.7)の δ は式(4.2.39)によって求めてもよい。

   i i i i i i u W u W 2 δ ··· (4.2.39) ここに、 Wi :上部構造及び下部構造の節点i の重量(kN) ui :上部構造及び耐震設計上の地盤面より上の下部構造の重量に相当す る力を慣性力の作用方向に作用させた場合にその方向に生じる節点 i における変位(m) なお、Σ は設計振動単位全体に関する和を示す。 また、別途固有値解析を行って固有周期を求める場合には、これを式(4.2.5又は式(4.2.6)の T としてよい。

参照

関連したドキュメント

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

耐震性及び津波対策 作業性を確保するうえで必要な耐震機能を有するとともに,津波の遡上高さを

ここで, C ijkl は弾性定数テンソルと呼ばれるものであり,以下の対称性を持つ.... (20)

手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本

活断層の評価 中越沖地震の 知見の反映 地質調査.

②障害児の障害の程度に応じて厚生労働大臣が定める区分 における区分1以上に該当するお子さんで、『行動援護調 査項目』 資料4)

あり、各産地ごとの比重、屈折率等の物理的性質をは じめ、色々の特徴を調査して、それにあてはまらない ものを、Chatham

告—欧米豪の法制度と対比においてー』 , 知的財産の適切な保護に関する調査研究 ,2008,II-1 頁による。.. え ,