眼 科 領 域 に お け るr食 中 毒 型 ブ ドー球 菌 』の 分 布 に つ い て
平 田 一 士 聾吉
原
め
ぐ
み鼎
第 一 章緒
論
細 菌 性 食 中 毒 の起 囚 菌 に ゼ, ブF一 球 山, Ilノ、 w 困,サ ル モ ネ ラ菌(腸 炎 菌,豚 コ レ ラ菌,鼠 チ フ スi"=i, 鶏 チ フス顧,雛 白 痢 歯, S・narashino, Salmonella brQUja-T,)及 び そ の 他 の ク くのSalmonella菌 や い わ ゆ るParacoli菌,病 原 性 大 陽 菌,更 に はHalo-bacter 等 力"ある。 就 中 病 原 性 ブ ドー球 菌1よ,食 中_tzti3一及 び 一 般 化 膿 性 疾 患 の 起 囚 菌 と して,臨 床 的 に も重 要 な もの で あ る、 殊 に 最 近V,病 院 そ の他 医療 横 関 で は 薬 剤 多 垂 耐 性 ブ ド ー球 菌 が 濃 厚 に分 布 し,こ れ を 病 院 ブ ドー球 菌 、」玉と称 し,強 毒 性 が 認 め られ て い る。 従 つ て 病 ・医 院 由 来 の 食 中 毒 型(病 原 性)ブ ドー球 菌 の 食品 汚 染 も決 し て輕 視 出 来 な い 状 態 に あ る。 こ の ブ ドー球 菌 性 食 中毒 は 古 くか ら,か な り多 くの 発 生 が あ る もの と考 え られ てい るが 症状 が 比 較 的 軽 く,多 くは 一 過 性 で 予 後 良 好 な た め,従 来 医 療 を 受 け る事 が 少 く,数 字 の 上 で は 表 わ れ 難 い 場 合 もあ る。 が しか し今 口で は 食 中 砿 の 被害 対 象 が 生 活 集 団 で あ る勧 合 の 多 い 事,及 び 組 菌 性 食 中 毎 の 中 で もブ ドー 球 菌 性 食中,」」発性 頻 度 が 比 帳 的 高 く,軽 視 出 未ぬ 失 情 に あ る。 例 えば,阪 口玄 二 氏 の報 告 に よれ ば,最 近 の 米 田 で は,細 菌 性 食 中 毒 発生 件 数 の約75%は,ブ ドー球 頁 に 原 因 す る とい い,又 我 国 に 於 け る昭 和31年 度 の 細 忌}{性 食 中 毒 発 生 件 数 の 約24%が ブ ドー球菌 に 原 囚 す る とい つ て い る様 に,本 邦 に 於 い てJ,ブ ドー球 画 性 食中 毎 け,食 品 衛 生 上 重 視 され て い る問 題 の 一・つ とな つ て い る の で あ る。 然 る に一 方 此 の ブ ドー球 菌 は,最 も 自然 界 分 布 性 に富 むiii種で,吾 人 の 生 活 塊境 に於 い て 至 る 所 に 倹 出証 明 され て い る。 と くに 病 原 性 の強 い 菌 株r strai11)で さえ も,人 の 皮 膚 や 鼻腔, r'11i!庭川 く1喉な ど に 約5∼10∼20%札 度 の 割 合 で 証 明 され る とい わ れ て い る 。 殊 に化 膿 巣 を持 つ た 人 等 が[目接 食 品 を 取 扱 う人 や 料 理 人 或Vi:,そ の 他 炊ji一作.1ミ負 等で あ れ ば,当 飲 食 田 が ブ ドー球 画(化 謄 球 繭)に よつ て 墨然 汚 染 され る 桟 会 の あ る こ とが 考 え られ る、,そ こで 今 日,我 田 で は 食 品 収扱 ∼1に対 して 月,食 品衛 生 法 施 行 規 則(昭 和32 年7)JIJ'生r冷 第3外 ナ)の 食 品 取 扱1.fiの項 に 「伝 染 病 の疾 病 又 は,身 体 の如 何 な る部 分 に も化 膿 の傷,腫 瘍 の あ る も の は,汚 染 防 止 の 措 置 が 取 られ て い る以 外 の ∫、品 の取 扱 に 祝 」lllしては な らな い こ と」 と 明記 され て い るが,一 般 にそ の 対象 とな る疾 患 名 と し ては,蓄 膿 症,咽 頭 炎,耳 炎9反 肩 の 瘍,廊 等 が 挙 げ られ て い る。 然 る に 眼科 領 域 の 化1山ノ{疾患 に対 して は,食 品 衛 生 学 的 に未 だ 全 然 注 意 が 払 わ れ て い な い様 に思 うので こ の事 か ら 私共 ば,限 健 常 者 を 対 象 に,眼 疾 急 者 の結 膜 及 び,そ の 化 膿 巣 か らの 病 原 性 ブ ドー球 菌 検 出 実 験 を行 い 以 つ て 食 品 衛 生 学 的 考 察 を 試 み た の で,薙 に報 告 す る。 第 二 章 ブ ドー 球 菌 に 起 因 す る と 認 め ら れ て い る 眼 疾 患 に つ い て の 概 述 眼 疾 患 も数 多 くの種 類 が あ りrそ の 原 囚 も また 様 々 で あ る。 しか して,そ の 多 くは,ブ ド ー球 菌 や そ の 他 の 組 菌類 及 び ヴ ィ ール ス 類 等 に 起 囚す る。 細 菌 感 染 は 主 と し て,眼 表 面 部 分 を侵 襲 す る事 が 多 く,又 ブ ドー 球iも 同 様 で あ る。 即 ち,眼 瞼,結 膜,角 膜,涙 嚢, テ ノ ン氏 嚢 等 に 感 染 病 巣 を 作 る。 これ 等 の 部 位 で,ブ ドー球1-i性 と称 され る限 疾 患 を 列 挙 す る と お お よ そ次 の 如 くで あ る。 即 ち, 1, 2. 3. 4. 」, 6. 7, カ タル性結膜炎 麦粒 腫 眼瞼膿瘍 角肱膿瘍 涙 嚢 炎 全 眼球炎 テ ノン氏嚢 炎 等 で あ るが そ れ 等各 敷 患 に つ い て 簡 単 に細 菌 二訥 杓に述 べ る と, 1.カ タル 性 結 膜 炎 iC本 学 教 授,医1享 響 昭 和35年 度 奉 ≧z}'../生一 一18一 本 疾 患 は 結 膜 に細 菌が 感 染 侵 襲 して 起 した カ タル 性 炎 症 であ る。 眼 疾 患 中最 も一 般 的 な 疾 患 で 多 くみ られ る もの で あ る。 原 囚 は非 常 に多 く細 菌 性 の も の で も必 ず 分 泌 物 か ら本 病 原 菌 を 証 明 し得 る とは 限 ら な い。 起 囚 苗 と して は,淋 菌,モ ラ ツ クス,ア クセ ン フ エ ル ド双 杵 菌,肺 炎 双球 菌,コ ツ ホ,ウ イ ー クス 画,ブ ド ー球k一が挙 げ られて い る。 昨年秋 の1-.i本臨 床 眼 科 学 会 総 会で,天 日一 光 氏 は,急 性 結 膜 炎 の 細 菌 学`1勺研 究 と 題 して 報 告 し,氏 に よ る と肺 炎 双 球 菌 が 起 炎 菌 の 主 役 を な し て お り,即 ち23。75%で,こ れ に 比 べ る と,ブ ドー球 菌 に起ffす る づトは 少 く,僅 か に2.5°oに 過 ぎな か つ た と述 べ て い る。 2.麦 粒 腫 これ は マ イ ボ ー ム氏 腺 に ブ ドー球 菌 等 の 化 膿 菌が 感 染 す る事 に よつ て生 じた 化 膿 性 炎 症 で,一 般 に 「め ば ち こ,め い ば 」 と呼 ば れ て お り,一 般 的 な疾 患 と して 多 く見 られ る もの で あ る。 これ に は 外 麦 粒 腫 と,内 麦 粒 腫 の 二 種 が あ るが,い ず れ も主 と して,ブ ドー球 菌 が 起 囚 菌 で,特 に 外 麦 粒 腫 は,単 に黄 色 ブ菌 が 主 な 起 炎 菌 で あ る と さ れ て い る。 3.限 瞼 膿 瘍 本 疾 患 は 麦 粒 腫 の 大 型 と見 て よ く,従 つ て 起 因 菌 も 同様 ブ ドー球 菌 で あ る と され てい る。 4.角 膜 膿 瘍 本 疾 患 は 角 膜 の 上JX欠 損 部 に主 と して 化 膿 菌 の 感 染 を 受 け,化 膿 性 炎 症 を 生 じ,膿 瘍 を形 成 す る も ので あ る。 而 し起 因 菌 は 極 め て 多 く,肺 炎 双 球 菌,連 鎖 球 菌,ブ ドー球 菌,大 腸 菌 が 最 も多 く,そ の 他,イ ン フ ル エ ン ザ菌,チ フス菌,ペ ス ト菌,枯 草 菌,緑 膿 菌, 醸 母 菌,嫌 気 性 細 菌,テ タ ヌ ス菌,コ ツ ホ,ウ イ ー ク ス 国,結 核 菌 等 々検 出 され て い る と い う。 5.涙 嚢 炎 本 疾 患 は,重 症 トラ コ ー マ等 に 併 発す る事 が 多 く, 最 近 は 重 症 トラ コ ー マが 少 な い事 な どか ら本 症 も割 合 に 少 な い疾 患 で あ る。 起 囚 菌 は連 鎖 球 菌,ブ ドー球 菌, 肺 炎 菌 が 多 くi稀 にv?:糸状 菌 等 も見 られ る。 6.全 眼 球 炎 本 叛 患 は 角 膜 膿 蕩 が 悪 化 して,遂 に 眼 内 に穿 孔 し広 汎 囲 に 亘 つ て急 性 化 膿 性 炎 症 を 起 した もの で あ る。 起 囚 菌は 角 膜 膿 瘍 と同 様 で 肺 炎 双 球 菌,連 鎖 球 菌,ブ ド ー球 菌,大 腸 菌等が見 られ てい る。 7. テ ノ ン氏 嚢 炎 テ ノ ン 氏 嚢 に於 け る細 葭文ufi=is-kによ る漿 液 性 炎 症 で あ つ て,化 膿 性 炎 症 は 極 め て 稀 に 起 す 事 が あ る,,以 上 か ら,ブ ドー 球 菌 が 主 な る起 囚 菌 で あ る限 疾 息 に は 食 物 学 会 誌 ・第10号 麦 粒 腫 及 び 眼 瞼 膿 瘍,角 膜 膿 瘍 が 挙 げ られ る。 これ 等 は 重 篤 な 疾 患 で は な い が,常 に 多 く見 られ る疾 患 で あ る事 と,そ の起 因 菌 が 病 原 性 ブ ドー球 菌 で あ り,一 方 こ の 病 原 性 ブ ドー球 菌 が 叉,食 中 毒 型 ブ ドー球 菌 で あ る と認 め られ る今 日,諸 眼 疾 患 者 は,当 然 食 品衛 生 上 の 対 象 とな る こ と も考 慮 され ね ば な らな い 。 即 ち,一 ・般 食 品 業 者 や,大 衆 食 堂,学 校,工 場 等 の iru 従ll=員等 に も,当 然 感 染 の 機 会 もあ ろ うし,公 衆 衛 生 上 決 して,う とん じ られ て は な ら な い 問 題 で あ る,,が しか し,従 来 そ の 様 な 観 点 に 立 脚 して 考 究 され た 業 績 が な い 様 に思 うの で,私 共 は 今 回 特 にFed[味を 以 つ て 本 問 題 を 研 究 の課 題 と した 訳 で あ る。
第三章
健 常 者,眼 疾 患 者 の 結 膜 及 び そ の 化 膿 巣 か ら の 病 原 性 ブ ドー 球 菌 の 検 出 実 験 第一 節 実験 の対 象 私 共 は 本 実 験 の 対 象 と し て,見 か け 上 の い わ ゆ る眼 の 健 常 者46名 を 対 象 と し,一 方 眼 疾 患 者 に あ つ て は, 私共 が 対 象 と した 医 院 で,前 章 に挙 げ た 疾 患 中 の 最 も 多 く来 院 す る患 者 は,カ タ ル 性 結 膜 炎 患 者 で あ り,こ の 内 で も,急 性 結 膜 炎 患 者 が 大 部 分 を 占 め,次 い で 麦 粒 腫 患 者 で,涙 嚢 炎 患 者 は 少 な く,且 つ 抗 生 物 質 の 使 用 に よ り,Metylenblauの 単 染 色 で,病 原 性 細 菌 類 の 認 め られ な い 事 が 多 い 事,又,眼 瞼 膿 瘍,角 膜 膿 瘍, 全 眼 球 炎,テ ノ ン氏 嚢 炎 患 者 は 年 に1,2例 に 過 ぎ な い等 の 事 か ら,私 共 は 当 来 院 患 者 数 の 多 い 急 性 結 膜 炎 患 者34名 及 び,麦 粒 腫 患 者22名 の 計56名 の 初 診 者 を 対 象 と した 。 第 二 節 実 験 の方 法 健 常 者 及 び 急 性 結 胆!炎,麦 粒 腫 患 者 の 眼 瞼 を 烹 気 滅 菌 脱 脂 綿 の 少 量 を 以 つ て,了 寧 に ふ き と り,滅 菌 訊 験 管 に 入 れ,速 は 実 験 室 へi持 ち 帰 り 限 脂 の 附 着 せ る綿 の 部 分 をStaphy1㏄ ㏄cus No.110 plateに 塗 布 し,型 の 如 く37。Cに48時 間 培 嚢 し,ブ ド ー 球 菌 の 発 育 を 待 ち, 主 と し てStaphylococcus aureusに こつ い て 病 原 性 即 ち,食 中 毒 型 ブ ド ー 球 菌 のColonyの 検 索 に 努 め,以 つ て 同 検 出 率 を 求 め た 。 病 原 性(食 中 毒 型)ブ ド ー 球 菌 の 検 出 法 と し て は,か つ て 既 に(1959年 以 来)平FL( 等 が 決 め 手 と し て 提 唱 し て い る,し か も 今 口 臨 床 細 菌 学 界 に 於 い て も そ の 様 に 認 め ら れ て い る そ の 特 殊 性 状 で あ る Coagulase分 泌 性 の 能 否 に 関 す る 試 験 を 重 要 目 標 に お き,そ の 他 Hemotoxin 分 泌 性 試 験 Telluriteglycine media plateに お け る 発 育 状 態0)観 察 試 験,即 ちColonyの 黒 変 試 験 等 を 試 み たQ昭 和36年7月(1961) 第1表 健 常 者 よ り の 病 原 性 ブ 菌 検 出 試 験 一19一 健 常 者No. (分 離 繭No.) No.1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1ユ 12 ユ3 14 15 16 17 1$ ユ9 2a 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 3$ 39 40 41 42 43 44 45 46 Calory 色 別
S?ochemical characteristic cf isolated strain
';Halophiiic
S. M. Noll。(栄 研)(COagulase testHuman plasm)1。,t離 舗 。。d)}T搬e呈 繍e Atユ. Al. Au. Au. Al. Au. Al. Au. Al. Au. Al. Al. Al. Al. Al. Al. AI. Al. Al. Al. A1. Al. Al. Al. Al. Al. Al. AI. A1. A1. Al. AI. Al. Al. Al. Al. Al. Al. AI. Al. Al. Al. Al. Al. Al. Al. Al. 111. Al. Al. Al. i t L
[
‡
{
=
十 一{一 .十 十 十 十 十 十 一{一 一十一 十 十 一{一一 一1-十 十 一ト ー{一 一1-十 十 十 一{一 一十一 十 十 一i-十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 一f- -F-十1
十 十 i 一ト コ +i +
+
十 一i一 十 十 十一20
(註)表 中.
食 物 学 会 誌 ・第10号 Au.=Staphlccoccus au.reusの 発 育 の 略,
Au. Al.==Staphlococc{1s aureusとStayhylococcus albusの 混 合 発tの 意 味. AL二Staphylococcus alblls発 育 の 略.
尚 回 本 実 験 で はAu, strain及 びAl.straぬ のCDaglllase Positiveの み に つ い て 追 求 を 実 施 し た 。1¥1..、下 総 敏 之 。 〔又No.1. Strain(Au⇒ はColollyが 時 間 を 経 て 赤 味 を 帯 び た も の で あ つ た こ と を11{:き添 え て お く,こ の 様 なcolonyは 他 の 場 合 に も 時 々 認 め ら れ た 〕 第 飛表 急 性 結 膜 炎 患 者 よ り の 病 原 性 ブ 菌 検 出 試 験 患 者No. (分 離 菌No.) lo o.1 2 3 4 J 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1i 18 19 20 21 22 23 24 25 GC 27 28 29 30 31 32 33 34
i
Cololly 色 別 Au. X11. Al. Al. Al. Al. Al. Al. Al. Al. !i1. Al, Al. Al. Al, Au.!!1. mil. 111. Al. Al. 11.1. Al. X11. Au. Al. Al. Al. Au.. A1. --1. A1. Al. Al. Al. mil. mi l. Ai.[ Bi・ch・mi・a1・haract・ ・i・ti・・f i・・1・t・d・t・ain
!舗齋1磁粛漏 離 綿 蠕)「
薫瀟 認蕊葡 「『
藩 率囎 ざ
1 + 1 _ i
l
+
1
-1 +-1
+
-1
+
1
-f- 1 十 喝 十 一一一宰1二
+ 1
‡1‡
+
[
+
-1--f-ll
↓
{
=
1
十 十 一一F 十 十 十 十 十 十 十 十 一ト ー}一一 十 十 _ [ + 幽 1・
+
!
+
+ +・
_
[
+
脚
+
1
†
1
11
- 十 一 十=
i
‡
-1- i -i一工
宰
十 十■
l
l
‡
!
‡
1
1
十 一4-十 一f-十 十 十 十 十 十 十第 皿表 ・麦粒 腫 患 者 よ り の 病 原 性 ブ 菌 検 出 試 験 患 者No. (分 離 菌No.) No.1. 2 3 4 5 6 7 S 9 10 11 12 13 14 1J 16 17 18 19 2U 21 22 Colony 色 別
Biochemical characteristic of isolated strain
Au. Au. Au.AL(赤) Au. Au. Au. Au. Clt. Au. Au. A1. Clt. Al. Au. Al. Au. Al. Au. Au. Au. Au. Au. Al. Ai. 一百 aloplI而r_ 「 、S. M.No. UO(栄 研) 十 十 i 十 十 1 i 十 l
I
I+ i
ii+
!
i
+ l i 十 1+ i
l + 1 ミ+ 1
+
1
+ [+
「
十 i 十 十 で δ互i弼涜Se te§t'Hem・!商 「 「 一廊 陥 而f癒 齋 一『 iσlunan plasm) 1test(Human blcad).[ f 十 ; 十 i i I
+
!
+
i 一{一 十 一f- -F-十 十 一1-一 十 十 十 一{一一 十 一F-一# 十 一1一1
[
rnediaα 亟 身の 十 一f一 一f-十 十 十 一f-十 十 十 (註) Au.‐Staphylococcus A1.=Staphylococcus cit.=Staphylococcus au「eUS 1撚}
尚 培 地 は,Staphylococcus media No.110(栄 研) 血 液 寒 天 平 板 培 地(.血 液 に 人 血 を 使 用),`T'elluritegl-ycine media(極 東)及 び 自 製 の ブ イ ヨ ン 培 地 と し, Coagulase test用 の 血 漿 ば 生 理 食塩 水 で2倍 に 稀 釈 を意 味 す る。 した 人 血 漿 を 使 用 した 。 第 三 節 実 験 成 績 前 範 の方 法 を 以 つ て実 施 し た 実 験 成 績 を 表 示 す れ ば 前 記 の 如 くで あ る。 第N表 病原性 ブ菌検 出率 対 象 別 検 体 件 数 健 康 者 急性結膜 炎患者 麦粒腫患者 46件 34〃 22 Caaes 3件 8件 (内6件 は繊 維 素) 10ii Percent. 6.5°o /23.5°0 45.5°o 第1∼ 第 珊表 の 実 験 成 績 を 更 に 総'括 し た も の が,第 W表 で あ る 。 即 ち 健 常 名・に 於 い て は,46件 中Staphy-20.:000US aureusで 病 原 性 を 有 す る も の と 看微 さ れ る Coagulase陽 性 菌 は3件(6.5%)で あ つ た 。 健 常 者 の 眼 瞼 に Staphylococcusが 存 在 す る か 否 か は,い さ さ か 疑 問 を 持 つ て い た が, 当 全 検 体 の 眼 瞼 か ら Staphy1㏄ ㏄cus albus(即 ちStaphy1㏄ ㏄cus epid-rmidis)が ユ00°oに 検 出 さ れ た 事 は 興 味 深 い 事 で あ
る 。
一22-一
StaPhylococcus aureusけ2件 で あ つ た がCoagulase
陽 性 のAlbusが6件 あ り合 言}8件 の 病 原 性 と認 む べ き もの を 検 出 した。 即 ち合 計 す る と8件 で 急 性 結 膜 炎 患 者 か ら23.5%に 病 原 性(食 中 毒 型)ブ ドー一球 菌 を 検 出 した事 にな る。 し か しこ の 事 実 は ブ ドー球 菌 自体 が 比 較 的 自然 分 布 性 に 富 む 種 類 で あ るの で,同 症 状 の 眼 疾 患 著 と難 も該 菌 の 検 出率 が 常 に 前 葦ミに 固 定 す る もの とけ 考 え られ な い。 む しろ 多 少 の 数 字 の 異 同が 当 然 で あ ろ う。 尚 この ヨ、:は多 くの 眼 疾 患 者 の 場 合 に も 当 然 当 嵌 ま る問 題 で あ ろ うこ とを 特 に 附 言 し て お く。 又
Coagulase positive strain は そ の殆 ん ど 総 てが
Staph、 aureusで あ るが, Staphylococcus Colo血y
の 色調 で 白 は 黄 よ りの 変 異 色 調 で あ る こ との 認 め られ る今 日9 r1色 ブ ドー球菌 に Coagulase positive strain が,た また ま認 め られ た とて あ え て 不 思 議 の な い と こ ろで あ ろ う。 更 に 麦 粒 腫 患 者 病 巣 か らは,22件 中Staphylococcus aureusでCoagulase陽 性 の い わ ゆ る病 原 性(食 中 毒 型)株10件(45.5°n)が 認 め られ た 。 以 上 を 綜 括 す る と, ① 食 中 毒 型(即 ち,病 原 性)ブ ドー球 菌 の 最 も高 い検 出 率 を顕 した の は 麦 粒 腫 病 巣 で あ つ た が,こ の事 実 は 病 種 上 当 然 の結 果 と思 惟 され る。 次 い で 急 性 結 膜
炎 患 者 の 病 巣 か らのCoagulase positive strainの
検 出 率 が(23.5%)で あ つ た が 本 症 も また 既 知 起 因 論
か ら按 じ,病 原 性(即 ち, 食 中毒 型)ブ ドー球 菌 即
ち,Coagulase positive strainが 多株 検 出 され る事
につ い て も また 決 し て不 思 議 で は あ る まい 。
② 私 等 は 今 回 の急 性 結 膜 炎 初 診 来 院 患 老 か ら我 々
の 方 法 で 蒐 集 し得 た試 料 を 以 つ てS.M. No.110
plate cultureで 一一般 に ブ ドー球薗 のColony数(勿
論 他 菌 不 発 育)が 健 常 老 等 に 比 して も非 常 に 少 な かつ た 事 を 認 め た 。 これ は 恐 ら くは,市 販 点 眼 薬 を 患 者 が 購 入 し,外 来 受 診 前 に 既 に 点薬 使 用 して い た 為 と考 え る こ と も妥 当 と思 惟 され る。 従つ て,本 来 は 急 性 結 膜 炎 患 者 か らは,病 原 性(食 中 毒 型)プ ドー球 菌 が 前 記 23.5%を 遙 か に 上 廻 つ て 検 出 さ れ るで あ ろ う事 は 予 想 に難 くな い の で あ る。 この こ とは 又 他 の 化 膿 性 眼 疾 の 場 合 で も謂 え る こ とで あ ろ う。 尚私 共 は 眼 の 見 か け 上 のい わ ゆ る健 常 者46件 につ い て菌 検 索 を 試 み て,3件 (6,5°o)にCoagulase陽 性 ブ ド ー球菌 を 認 め た こ とは 前 述 の如 くで あ るが,こ の3名 は 調 査 の 結 果 麦 粒 腫 を 患 つ て 治 療 を うけ た 後 の 人 で あ つ た 事 が 判 明 した が,こ の よ うに麦 粒 腫 快 復 後 と1も 相 当期 間,尚 病 原 性 ブ ド ー球菌 が 残 留 す る 場 合 も認 め られ る事 を 述 べ て 食 物 学 会 誌 ・第10号 お く 。 ⑧ 又,私 等 の 分 離 し たCoagulase陽 性,即 ち, 病 原 性 ブ ド ー 球 菌 (食 中 毒 型 ブ ド ・一球 菌) 21件 の 内 Staphyl㏄ ㏄cus aureus 14件 でStaphylococcus alhusが6件, Staphylccoccus citreus 1件 カミ認 め ら れ た 。 こ の こ と は 前 に も述 べ た よ うに ブ ド ー 球 菌 の Colonyの 色 調 変 異 の 的 移 行 は 今 日 分 の 類 学 上 で は 認 め ら れ て い る こ と と て 不 思 議 と せ ざ る と こ ろ で あ ろ う 。
第四章
検出せ るブ ドー球菌の薬剤感
受性試験
私 等 は 念 の 為 に 一 般 に 眼 科 領 域 に 流 行 して い る病 原 性 ブ ドー球 菌 (Coagulase陽 性)の 各 種 薬 剤 感 受 性 (他 而 薬 剤 耐 性)の 趨 勢 を 把 握 す る こ と,い わ ゆ る 病 院 ブ ドー一球 菌Hospital-staphylococcusの 自然 界 に 於 け る浸 淫 状 況 の 一 端 を も探 知 す る 目的 に て,本 章 の 実 験 を 企 図 した の で あ る。 第 一節 実験 の方法 検 出 し た ブ ド ー 球 菌 の 内,病 原 性 の も の12件 に つ い て 栄 研 デ ィ ス ク を 用 い て 型 の 如 く薬 剤 に 対 す る 感 受 性 試 験 を 試 み た 。 尚,使 用 抗 生 物 質 は,次 の6種 類 で, 3段 階 濃 度 の も の を 使 用 し た 。 即 ち, 1, Penicillin (0.5オ 2. Oオ 10オ) 2.Erythromycin(0.5mcg 2. Omcg 10mcg) 3,G-hydrostreptomycin(2mcg IOmcg 50mcL) 4.Chloramphenicol(5mcg 10mcg 30mcg) 5.Tetracyclin(5mcg 10mcg 30mcg) 6,Sulfisoxazol(50mcg 150mcg 300mcg) 等 で あ る 。 本 試 験 に 使 用 した 培 地 は,特 に 人 血 液 平 板 培 地 と し た 。 第 二節 実験 成績 感 受 性 テ ス トを 前 記 の12件(菌 株)に つ い て実 施 し た 結 果 を 表 に 示 す と,第V表 の如 くで あ る。第V表 感 受 性 テ ス ト(病 原 性 ブ ドー球 菌12株) \\ 楽 剤 橦別1
供
試
融 鰍,
Na.1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Penicillin lagμ }-1 Erythro- G-hydros-mycin j treptmycin ・・μ1盤g 一 ト ー+島躍 。gI孟gl盈g留。g
卜1「 !冊 隔1 一}+ li柵i-,
1-1
-i 十 一f-十 一f一 一 「 _._ 措 一f一 柵 一1-十 冊
+i+
十 十 一f-十 十 十 一 一1-十 十 柵 一f一 柵 一f一 柵 t十十 十甘 冊 柵 惜 一1一 十 十 一ト 十 十 一f-十 一1一i+
F 十 一f一 惜 一1-十卜 一F一 Ch loram-phenicol 5 mcg 10130 mc劉 .mcg Tetracy-clin 十 一!一 十 十 一f-十 十 十 十 十 一{一一 一1一 J TTiCg 一f-十 十 .十 一1- -f--f一冊 レ
粧 十を 十 一1-十 一十 一}一 一1一 1030 mcg%mcg 十 十 一F一 柑 紺 柵 一f一 刊 一 一1一 Sulfiso-xazol 50 mob 1501300 mcg .mcg 一{一一 惜 十 冊 一f一(註)諜 鍬1翻
霊 一;難
耀 溜 墨:}を
鮒 る
・
更 に 第V表 か ら供 試 病 原 性 ブ ド ー球菌 に 対 す る薬 剤 効 果 を 順 位 表 と し て示 す と第M表 の 如 くに な る。 第VI表 病 原 性 ブ ドー球 菌 に対 す る 薬 剤 効 果 表 薬 剤 名penicillin
lpオ
Erythromycin 10mcg
G-hydrostreptomycin
5Qmcg
Chloramphenicol 30mg
Tetracyclin, 30mcg
Sulfisoxazol 300mcg
著 効 例 3例 10〃 a% 6〃 3〃 ユ〃 有 効 例 0例 2% 5% 6ク 3% 0〃 や や有 効例 4例 o% 4ii o% 2〃 2〃 無 効 例 5例 o% 3ク o% 4ク 9% 供 試薬剤の 効 果 序 列 5例 1% 4ii 2% 3% 6% 第田表 供試 各薬 剤 に対す る耐 ・感性総 括表 表 耐 感 性 種 別 四 剤 耐 性 三 剤 耐 性 二 剤 耐 性 一・ 斉ll 而ナ ・卜生 全 感 五 剤 感 性 四 剤 感 性 三 剤 感 性 二 剤 感 性 薬 斉lj 種 r弓1」 Pe. SM. TC. Su. Pe. TC. SLT. SM. Su. Su.Pe. EM. SM. CM. TC. Su. Pe. EM. SM=CM=TC. Pe. EM. CM. TC. EM. SM. CM. F,M. CM. 数 株 一菌 6Strain 2 〃 2 2 2 3 1 〃 2 〃 4 本 実 験 を 総 括 す る と, ① 私 共 の 供 試 病 原 性 ブ ド ー球 菌 の 薬 剤 感 受 性 は, Erythromycin・Chloramphenico1に 対 し て 最 も 鋭 敏 度 が 高 く,次 い でTetracyclin, G-hydrostreptomy一
cin. Penicillinの 効 果 順 位 と な り, Sulfisoxazolに 対 し て は,殆 ん ど 感 受 性 の な い 事 と示 し た 。
② 今 回 私 共 が 眼 科 病 巣 よ り分 離 し たCoagulase Positive strain の 供 試 薬 剤 に 対 す る 感 受 性 は,
一24一
Erythromycin, Chloramphe葺icoL Tetracyclinの 順 に み ら れ るn又 反 面 こ れ 等 分 離 菌 中 に は,四 剤,三 剤9二 剤,単 一 耐 性 の 菌 株 も 第Vll表 の 如 く見 ら れ た 。 こ の 様 に 病 院 ブ ド ・一球 繭(Ilospital-staphyloc㏄cus) と 同 様 に 酒 散 さ れ る 多 重 耐 性 の 病 原 性 の ブ ドー 球 菌 即 ち,弧 力 な 食 中 毒 型 ブ ド ー 球 菌 が 眼 科 領 域 に お い て も 一 般 外 来 患 者 間 に 相 当 数 に 確 認 さ れ るl llを探 知 し た 。 第 五 章 綜 括 並 び に 考 按 ブ ド ー 球 菌 が 食 中 毒 の 分 野 に 登 場 す る様 に な つ た の iI.:.,周知 の 如 く1914年 のFarberの 報 告 が 最 初 で あ る。 そ の 後1930年,シ カ ゴ 大 学 の ダ ッ ク等 は ブ ド ー 球 菌 に よ る 食 中 毒 を 初 め て 実 験 的 に 証 明 し た 。 我 国 に 於 い てy'"¥既に1933年 小 島 三 郎 博 士 等 の ブ ド ー 球 菌 性 食 中 毒 の 原 囚 物 質 で あ るEnterotoxin に つ い て の 研 究 業 績 が あ る。 又 一 方 こ の 病 原 性 ブ ド ー 球 菌 の 検 出 方 法 に つ い て は 多 く の 先 賢 に 依 り 研 究 が な さ れ て い る。 即 ち ①Staphylococcus media No.110に 於 け る発 育(好 塩 性 発 育)②Hernotoxin陽 性 ③Telluriteglycine mediaに 於 け る 湿 性 の 黒 色 発 育,④Coagulase分 泌 性 ⑤Mannitol分 解 性 ⑥Leueolysin分 泌 性 な どが そ の 特 性 で あ る 。 こ れ 等 の 検 出 方 法 の 中 で もCoagulase testが 病 原 性 を 有 す る 事 を 判 定 す る 上 に 最 良 の 方 法 で あ ろ う と さ れ つ つ あ る 折 か ら,昨 年(1959年)平 田 教 授 指 導 の も と に 喜 多 氏 は 病 原 性(即 ち,食 中 毒 型) ブ ド ー 球 菌 の 確 認 性 を 臨 床 に 裏 付 さ れ た ブ ド ー 球 菌 を 基 準 に お い て 研 究 し た 結 果Coagu:ase testが ブ ド ー 球 菌 の 病 原 性 確 認 の た め の 適 確 な 方 法 で あ る事 を 実 証 し て こ れ を 公 示 し て い る 。 そ こ で 私 共 は 今 回 も こ の 叙 上 の 事 実 に 基 き,眼 科 領 域 に 於 け る 病 原 性(食 中 毒 型)プ ド ー 球 菌 の 検 出 に 当 つ て は 特 にCoagulase testを 重 視 し,こ れ を 主 試 験 と し て 且 つ,そ の 他1-iemolysis test,及 びTelluriteglycinc mediaに 於 け る 発 育 状 態 の 観 察 等 を も 併 行 し て 実 施 し た 。 尚 又 分 離 ブ ド ー 球 菌 の 好 塩 性 に つ い て ぱ,検 体 よ りの 目的 菌 の 分 離 に 用 い た 培 地 がNr, CI 7.5%含 有 のS・M・No・110 plateで あ つ た の で 更 め て 検 討 の 要 な く分 離 ブ ド ー 球 菌 は11alopbilicで あ る 訳 で あ る 。 ブ ドー 球 菌 が 惹 起 す る 眼 科 的 疾 患 に つ い て は,第 二 章 に 述 べ た 如 く① カ タ ル 性 結 膜 炎,② 麦 粒 腫,③ 限 瞼 膿 瘍,④ 角 膜 膿 瘍,⑤ 涙 嚢 炎,⑥ 全 限 求 炎,⑦ テ ノ ン 氏 嚢 炎 等 で あ る。 こ れ 等 の 中,前 三 者(1∼3)は ブ ド ー 球 菌 に 起 囚 す る 発 生 率 が 高 い が,④ の 角 膜 膿 瘍 以 下 は ブ ド ー 球 菌 に 起 囚 す る こ と 少 く.む し ろ ブ ド ー 球 菌 以 外 の 緑 膿 菌,肺 炎 双 求 菌,連 鎖 球 繭 等 に 起 囚 す る事 が 多 い と さ れ る 。 又,現 今 の 眼 疾 患 中,最 も罹 患 率 の 食 物 学 会 誌 ・第10号 高 い の は トラ コ ー ・マ,又 び 急 性 炉 胞 性 結 膜 炎 で あ るが 一 般 に 多 く見 られ る眼 疾 患 は,カ タ ル性 結膜 炎,及 び 麦 粒 腫 で あ る。 こ の カ タ ル 性 結 膜 炎,及 び 麦 粒 腫 は 初 期 に於 い て,自 覚 的 症 状 も少 い 事 か ら往 々に して放 貿 せ られ,限 科 外 来 に訪 れ る時 は 既 に 眼 脂,充 血 が 強 く 又 麦 粒 腫 で は,眼 瞼 腫 脹,眼 痛 及 び 膿 排 出 等 の 所 見 を 竪 し て い る事 が 多 い よ うで あ る。 今 回 の 私 共 の 病 原i生ブ ド ー球 菌 即 ち,食 中 毒 型 ブ ド ー球 菌 検 出 成 績 は 麦 粒 腫,患者 に於 い て最 も多 く,検 査 件 数 の 約45.5°oに 確 認 した が,従 つ て こ の 麦 粒 腫 患 者 が 食 晶 や 食 器 具 を取 り扱 う事,及 び 炊 事 作 業 等 に 従 事 す る事 は 食 品 衛 生 上 危 険 な 事 は い う迄 もな い 。 一 方 カ タル 性 結 膜 炎 患 老 に 於 け る病 原 性(食 中毒 型) ブ ドー球 菌 検 出 率 も また 相 当 に高 く,検 体34件 中8件 (23.5%)に 食 中 毒 型 ブ ドー球 菌 を確 認 した 。 従 つ て 本 限 疾 者 も亦 麦 粒 腫 患 者 の 場 合 と同様 に 食 品 衛 生 上 重 要 な 対 象 とな る可 きを 強 調 す る もの で あ る。 尚 麦 粒 腫, 急 性 結 膜 炎 患 者 か ら叙 上 の 如 く相 当 高 率 に病 原 性 ブ ド ー球 菌 即 ち 食 中 毒 型 ブ ドー球 菌 の 検 出 さ れ る こ とは 当 諸 疾 患 の 起 囚 論 か ら按 じ,当 然 で あ り,む しろ 未 だ 本 検 出率b..Y.少い力 で あ ろ うと思 うが,こ れ は来 院 迄 に 既 に 種 々の 市 販 の 原 因 療 法 剤 を 以 つ て 自宅 治 療 を 行 つ た 後,通 院 を 始 め た 者が 多 く感 じ られ た が,そ れ は 例 え ば,S. M. No.110 plateに 発 育 す る ブ ド ー球 菌 の な か つ た 例 の あつ た 事 実 か らみ て も当 然 推 定 出 来 るの で あ る。 そ の 様 な 理 由 に よつ て,病 原 性 ブ ド ー球 菌(食 中 毒型 ブ ドー球 菌)の 検 出率 が 検 査 件 数 の 約50°o未 満 に 止 まつ た の で は な かつ た か と思 惟 す る こ とは 妥 当 か と考 え る。 一 方 健 常 者 で あ つ て も また 病 原 性 ブ ド ー球 菌(食 中 毒 型 ブ ドー球 菌)を46件 の 検 体 中 に3件(6.5 %)に 証 明 し得 た が,此 の3件 に つ い て詳 し くそ の 眼 既 往 歴 を 問 診 せ る とこ ろ,そ の3件 共 しば しば 麦 粒 腫 の 既 往 歴 が あつ た 事 を確 知 した 。 以 上 の事 か ら麦 粒 腫 患 者,及 び 急 性 結 膜 炎患 者,眼 瞼 膿 瘍 患 者 は 可 及 的 早 期 に 眼 科 医 の加 療 を受 け,細 菌 学 的 に も完 全 に 治 療 す る迄 は 食 品 の取 り扱 い や 炊 事 作 業 従 事 ぱ,食 品衛 生 上 厳 に 停 止 す べ き こ とを 強 調 した い 。 第 六 章 結 論 私 共 は ・ 健 常 藩 結 膜,及 び 麦 粒 腫 患 老,急 性 カ タ ル 性 結 膜 炎 患 者 病 巣 を 滅 薗 脱 脂 綿 に て 拭 い,そ れ を Staphylococcus media No.110 plate(栄 研)に 塗 布 培 養 し,目 的 の 食 中 毒 型(病 原 性)ブ ド ー 球 菌 の 検 出 実 験 を 行 い,又 病 原 性 ブ ド ー 球 菌 の 検 出 法 に は 特 に Coagulase分 泌 性 試 験 を 主 軸 と し ,そ の 他Hemotoxi11 分 泌 性 試 験Teiluriteglycine mediaに 於 け る 発 育 状
況 観 察 弐 験 も併 せ て 行 つ た 。 次 に 検 出 せ る 病 原 性 (Coagu互ase positive)ブ ド ー球Illl(即 ち 食 中 毒2量11ブド
ー球 菌)に 対 し て,い わ ゆ る 病 院 ブ ド ー一球 菌Hospita1-stapbylococcusと 称 さ れ る,い わ ゆ る 多 剤 耐 性 の も の か ど う か を も 知 ら ん と欲 し,栄 研 デ ィ ス ク を 試 川 し て,そ の 実 験 を 実 施 し た 。 し か し て そ の 供 試 薬 剤 は, Penicillin, Erythromycin, G-hydrostreptomycin, Chloramphenicol, Tetracycline Sulfisoxazo1.の
6薬 剤 で あ つ た 。 尚 私 共 は 本 実 験 に よつ て 多 剤 耐 性 の い わ ゆ る 病 売 ブ ド ー 球41と 思 惟 さ る 類 の も の が 病 院 よ り離 散 し,ど の 程 度 に 自 然 界 に 分 布 す る も の か の 推 測 を も 兼 ね て 行 わ ん と した も の で あ る 。 叙 上 の 主 旨 に 基 い て 行 つ た 今 回 の 我 々 の 実 験 結 果 を 総 括 し列 記 し て 見 る と, ① 麦 粒 腫 患 者 か ら は,22例 中,10例(X5.5°o) に, 急 性 カ タ ル 性 結 勝 炎,患者 か ら をま34例 中, 8例 (23.5,0)に,Coagulase positiveの 病 原 性(食 中 毒 型)ブ ド ー球 菌 をS.M. No.110 Plate(好 塩 性 培 地)に よつ て 分 離 確 認 し た 。 尚 此 の 事 実 は 数 字 的 に は 決 し て 少 い と は 思 わ な い が,し か し 実 際 に は 麦 粒 腫 患 者 か ら は100%oに,又 急 性 カ タ ル 性 結 膜=炎患 者 か ら 疑) 本 眼 疾 の 一 般 起 因 論 か ら 見 て,も つ と も つ と 多 い 病 原 性 ブ ド ー 球 菌 の 検 出 率 を 示 す の で け な い か と 思 惟 さ れ る も,今 回 の 私 共 の 検 体 採 取 の 初 診 時 に は,既 に 市 販 抗 生 剤 眼 薬 治 療 を 家 庭 で 幾 回 か 行 つ た 後 の L:rが本 文 に 述 べ た 如 く窺 わ れ る の で,叙 上 の よ うな 少 い 口射 薗, 即 ちCoaglllase positive strainの 検 出 率 に 止 ま つ た の で は な い か と 想 定 さ れ る の で あ る 。 例 え ば 私 共 は, 今 回 始 め て 経 験 し た の で あ る が,吾 人 の 眼 内 糊 莫 に は 健 常 者 で も一 般 ブ ド ー 球 菌 が 先 づ 例 外 な く 充 満 す る の で あ る に も拘 わ ら ず 叙 上 採 取 検 体 に 殆 ん ど全 くブ ド ー 球 菌 の 発 見 を 見 な い 例,又 は 非 常 に 僅 少 例 が し ば し ば 認 め ら れ た か ら で あ る 。 ② 尚 我t.」,fi,本 実 験 に 於 い て 採 取 し た 食 中 毒 型 即 ち,病 原 性 ブ ド ー 球 菌 に つ い て 薬 剤 感 受 性 テ ス トを 栄 研 デ ィ ス ク に よ つ て 実 施 し た 結 果,④Erythromycln が 最 も 感 、こ性 度 が 高 く,次 い で ⑭Chloramphenicol ◎Tetracyciin(∋G-hydrastreptamycin㊨Penic-iilin U S ulfisoxazolのll頂 で あ り,㊥,㊦ 剤 に 対 し て は 殆 ん ど感 受 性 が 認 め ら れ な か つ た も の 換 言 す る と ct,㊦ 剤 に 対 し て 殆 ん ど完 全 耐 性 を 示 し たStrain或 は 説 剤 耐 性,四 剤 耐 性 株 が 確 認 さ れ た 事 は 本 文 第 四YF ' 磨 、罪 表 に 窺 う如 く で あ る 。 そ し て こ の 様 に し て 見 て 来 る と,眼 利 領 域 を 通 し て も,い わ ゆ る 病 院 ブ ド ー 球 菌 Hospital-staphylococcusの 自然 界 流 出 分 布 が よ く 認 め られ る。 この 様 な病 原 性 ブ ドー球菌 が 食 中 毒 型 ブ ド ー一球 菌 で あ るJllは,度 々述 べ た 如 くで あ るが,従 つ て 此 の 様 な 強 力 な 病 原 性 ブ ドー球 困 即 ち,食 中 毒 型 ブ ド ー球 菌 が …・般ii然 界 に 広 く,且 つ 次 第 に濃 厚 に分 布 す る こ とは,食 品 衛 生 上 か ら も,極 め て 重 大 問 題 だ と い わ れ ね ば な ら な い。 ③ rx上 を 以 つ て 按 ず るに,麦 粒 腫 患 岩,急 性 カ タ ル性 結 膜 炎患 者は,飲 食 品 一 般 の取 扱 い や 炊 事 作 業 に は 断 じて 従 事 す べ き で な く,従 つ て 此 の 事 は 衛 生 行 政 上 に も梨 止 事 項 と して 明 記 さ るべ き だ と思 惟 し,且 つ 又 我 々は 此 の こ と を藪 に 強 調 し で 即 らな い も の で あ る。 又,健 康 眼 で あ つ て も,麦 粒 腫 に罹 患 し易 き 者, 或 は 本 症 に 度 々罹 患 し て い る者 に は,充 分 に 注 意 し, 食 品 衛 生 法 に 墓 く飲 食_Y4}_{:1の刀並 の 健 康til V断 に も,必 ず 限 内 ブ ドー球 菌 の 検 討 に も留 意 す べ き で あ る准 を 拝 び 強 調 し且 つ そ の こ との 芙 行 さ る可 きを 切里 して,木 稿 を 終 え ん と欲 す る。 (ユ961年3月 脱 稿 ・於 京 都 女 子 大 学 衛 生 研 究 室)
参 考 文 献
1. 竹 内.;近i仕 細 菌 学 及 免 疫 学 後 編 2. Anderson&Si:one;jour. of Hyg.53.38i, 1955年3. Armijo et al;Amer. of pub. Health.47. 1093.1957年 4. J. 6. 7. 辺 野 喜,善 芥¥.;細 菌 性 食 中 毒 辺 野 喜 ほ か;公 衆 衛 生,23.403.ユ959年 Dolman;jour. of Infect. Dis.55.172.ユ934年 Dolman&ti'Vilvon;Canad, jour. of pub. Health.31.68.1940年
S.Dolman&Wilson;jour. of Immunol.35. 13.1938年
9. Delman;Canad. jour. of pub. Health.34. 97.and 205.1943年
10. Dolman;Caned. jour. of pub. Health.35. 337. 1944壬F
U. Dolmap;東 京 伝 研 講 演 録,1957年 12.Fein;jour. of pub. Healh.40.1372.1950年 13, Fisk;jour. of Infect. Dis.71,153. and
161. 19421r
14. Fisk&Mordrin;Amer. jour. of Flyg.40 . 232.1944年 15. 16. 17. 1S. 福 見;臨 床 病 理,特 集2号,ユ66.1955年 藤 原,杉 山.;綜 合 医 学,11.152.1954年 藤 原,杉 山.;日 本 細 歯 学 雑 誌,10.189.1955年 藤 原,岩 田.;ri本 綱 菌 学 雑 誌,11.315.1956年
一26-一 一
19. 小 島,八 田.;食 物 中 毒
20.小 竹.;衛 生 検 査,4.105.1955年
21. Singer&Hoban;jour. of Bacteri.41.74. 1941年
22. Smith. et al Brit. jour. Exp. patho.23. 57.ユ947年
23. Sugiyama cez Dack;jour. of Infect. Dis. 96.280.1955年
24. Surgalla et a1;jGur. of Infect. Dis.89. ユ80.ユ951年
25. Surgalla et al;jour. of Immunol.69.357. 1952年
26. Surgalla ct al;jour, of Immunol.92.398. 1954年 27.鈴 木.;Mcdem Med.3.(6).1.1957年 28.北 村.;日 本 公 衆 衛 生i雑 誌,第7巻 第2号, 1960年 29. 日 本 公 衆 衛 生 学 会 第16回 総 会 抄 録 集,同 会 誌 第 7巻 第9号,1960年 食 物 学 会 誌 ・第10号 30.土 屋 俊.;日 本 医 事 新 報,No.1913.1960年 31.豊 田.;日 本 医 事 新 報,No.1960年 32. 太 田.;日 本 医 事 新 報,No.1853.1959年 33. 斉 藤.;日 本 医 事 新 報,No.ユ837.1959年 34.小 酒 井.;ロ 本 医 事 新 報,No.1823.1959年 35.桑 原.;日 本 医 事 新 報,No.1895.1960年 36.食 品 衛 生 研 究,通 巻,116号, (特 殊 技 術 講 習 特 集 号)1960年 37. 食 品 衛 生 研 究,通 巻,120号 (全 国 食 品 衛 生 監 視 員 協 議 …会 特 集 号)1961年 38.最 新 医 学 第15巻 第6号,補 冊 (臨 時 増 刊 号) 1960年 39. 日 本 医 事 新 報,No.1921.(感 染 の 展 望,臨 床 細 菌 学 の 展 望 40. 高 津.;日 本 医 事 新 報,No.1865.1960年 41. 牛 場.;日 本 医 事 新 報,No.1863.196Q年 42. 平 田,重 田,喜 多,田 中,河 合.;京 都 女 子 大 学 食 物 学 会 誌,第9号1961年2月