【論 文】
UDC :624
.
042.
7 二550,
34.
09日 本 建 築 学 会 構 造 系論 文 報告 築 第432号
・
1992年2月Journal of Struct
.
Censtr.
Engng.
A凵、
No.
亀32,
Feb.
,
1992高
次
モ
ー
ドと
回
転
軌 跡
を
考
慮
し た
レ ー
リ
ー
波
分
散 曲
線
の
逆
解
析
INVERSION
OF
RAYLEIGH
WAVE
DISPERSION
CURVE
IN
CONSIDERATION
OF
HIG
且ER
MODES
AND
PARTICLE
ORBITS
時
松
孝
次
*, 田
村 修 次
* *
飾
嬉
TOKIMA
7TSU
andShuji
TAMURA
Theoretioal
formulas
are presentedfor
determining
dispersion
curves and palticle orbits of mul−
tiple
.
rnode Rayleigh waves which a【e generatedfrom
a point source acting on the ground surface,
・
Field
observation ofRayleigh
waves suggests 止e effectiveness of the proposedformulas
.
An
in.
verse process is then
−
presented in which bothdispersion
data
and particle orbits are usedfor
de.
termin{ng shear wave ve }ocity structure
.
It
is
indicated
that theinversion
process which mini.
mizes
data
misfit ofboth
dispersion
data
and particle orbits can enhance the re且iability of the com−
puted soil structure
.
Kegwortts
:inverse analysis,
geoPhysical emPloration,
highe
厂 mode,
Particle
orbit,
Rayleigh
zvawe,
shear wave 逆解 析,
物理探査,
高次モー
ド,
粒子 軌 跡,
レー
リー
波,
せ ん断 波1.
はじめ に 地 盤特性を 把握す る た めに,
様々な原 位置調 査 法 が あ る が,
事前 調 査,
施工 管 理,
広域に おける個 別 住 宅やラ イフラインの震 害予測を 目的と して, さ らに簡 便かつ 迅 速な調査手法の開 発 が望 まれ る。
レー
リー
波の分 散 性 を 利 用 し た 物 理 探査 法は,
地 表面か らボー
リング孔 な しに 表層 地 盤構造 を推定で きる可能性を持っ て お り1)−
3] , 上 記の目的に適し ている と考え ら れ る。
レー
リー
波 探 査によっ て 地 盤のS
波 速 度 構 造を得るた めに は, まずレー
リー
波 分 散 曲 線を計 測し, 次に そ の逆 解 析 を行う必 要がある。
計 測され た レー
リー
波に は基 本 モー
ドと高 次モー
ドが混 在し て い るが,
従 来の手 法で は,
求め ら れ た波が 基本モー
ドで あ る と 考 え て,
逆 解 析 を 行っ て い る場 合が多い2 )。 し か し,
表層S
波速 度 構 造を 決 定す る た めに必 要な周 波 数 帯 域で は,
高 次モー
ドの レー
リー
波 が卓 越す る 可能 性が高いため,
その影 響を考 慮し な け.
れば信頼 性のあ る結果 を得ることが難しい。
さ らに
,
逆 解 析で はtt
解の唯一
性が問 題になる。 これ は 分散 曲 線が 同 じであっ て も,
異 なる地 盤 構 造が存 在す ること に一
因 があ る。 しか し,そ の よ う な場合でも, レー
リー
波の 粒子回転 軌 跡に差 異が認め られ る。
す なわ ち,
波の通過 す る 地 盤 上の 1点の粒 子軌 跡は波の進 行 方 向に 平 行な垂直面内で楕円 と な る が, その形 状は地 盤 構 造の 影 響 を受 けて,
縦 長 また は横 長に,
回 転 方 向 も蒔
計 回り ま た は反 時計回り に変 化す る。 そこ で,
分 散 曲 線と回転 軌 跡に対 し,
同 時に逆解 析を行え ば,
求め ら れ る 地 盤 構 造の信 頼 性 を 向 上する こ と が可能で あ ると考え ら れ る。
本 報 告で は,
任 意の 1点 を発 振 源 とす る レー
リー
波に っ い て,
その高 次モー
ドの影 響 を考慮 し た 分散曲線お よ び 回転 軌 跡の算 定 法を示 し, 測 定され た 分散 曲線お よ び 回転 軌 跡と比 較し,
その妥当 性 を検 討す る。
さ ら に,
こ の 結果に基づい て,
高次モー
ドの影 響 を考 慮し,
測定分 散 曲 線と回転 軌 跡に対し て同時に逆 解 析を行い, 地 盤のS
波 速 度 構 造 を 同 定する手 法 を提 案する。
2.
定 常起 振法 に お け るモー
ド重 ね合わ せ の 概念 レー
リー
波を用い た 物 理探査 が可 能な 理由は,
その特 微の一
つ であ る 分散 性 (水 平な多層 構 造 内 を伝 播す る時,
波 長によっ て位 相 速 度が変わ る性 質 )に起因 す る。
この 分散 性を抽出す る方 法に は, 定 常 起 振 源n濁 や ランダム 振 源2な ど,
明 確な1点か ら発する波 を観 測す る方 法と,
微 動41“
’
6)の よ うにその発振源 が 必ずし も 明確で ない もの を観測す る方法が あ る。
前者は表層地 盤構造の探fiH
−
a) に,
後者は 深い 地 盤構造の探 査4)−
6J に用い られ た例が多 い。
以 下では,
表 層 探査に適 し た 定 常 起 振 源 を用い る 方 法につ い て考察す る。
串 東 京工業 大 学 工学 部 建 築 学 科 助 教 授・
工 博 * * 東 京工業 大学 大学 院生Assoc
.
Pro【.
,
DepL of Architect賦re and Buildl皿g Englneering,
Facd.
ty of Engineering,
TokyQ rns巨亡ute of Technology,
Dr、
Eng.
Graduate Student
,
Tokyo 艮nstitute o「Tec卜nologyVめrationExciteF
Seismometor
後 者の立場を とっ て,
議 論を進め ることにする。一
一一
図一
1 定常起 振法の概略 定常起振法は,
図一1
に示 す よ うに,
地 表 面に置い た 起振機で周波数 /の正弦 波鉛直振動を起こ し,
レー
リー
波の卓 越し た振 動を地 盤に発生さ せ る。 こ の 波の鉛 直振 動の伝播を, 起 振機よ り 距ee
D
,,
D,だけ離れ た 2点で 検 出し,
位相 差を求め,
位 相速度 c を得る。
位 相 速 度 が求ま れば,
次式よ り対応す る波長 λが決まる。
C= 丿『λ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
9−
(1) 通 常の方 法で は, 上 記の操 作を 異 な る 周波 数に対して繰 返 すことにより,
分 散 曲線 (位 相 速 度 と波 長の 関 係 〉 を 得て い る。 ところ が実 際に は,
同じ周 波 数で異 なる位 相 速 度 と波 長を持つ 複数モー
ドの レー
リー
波が発 生す る た め,
伝 播 す る波は位相 速 度の異な る正弦波を重ね合わ せ た もの と な る (図一
2a )。 重ね合わせた波の見か けの位 相 速 度は 各モー
ドの卓 越 度 合い に依存す る。 この波を任意の2
点 で観 測す ると,
粒 子 運 動の時 刻歴が,
い ずれ も正 弦 波に 見え る (図一
2b )た め, 2 点間の波の位 相差が確定し,
見か けの位相速度が求め ら れ る。 以 上の考 察よ り,
図一
1に示す計測方法で求められた 分散曲線に対し て,
モー
ドの重な り を無 視して逆 解 析 を 行えぱ, 結果の信頼性が低 下 する可 能 性が示 され た。 し た がっ て,
モー
ドの混在す るレー
リー
波を計 測する場 合 に は, モー
ドが区別で き る よ う な計測 を行う か, モー
ド が 重な る影 響 を考 慮し た解析が必要と な る。
本論文で は,
3.
モー
ド重ね合わ せ を考慮し た分 散 曲 線・
軌 跡 定 常 起 振 法は起 振 源が明確で あ る た め,
起振機で発 生 し た波の粒 子 運 動 と見か けの位相 速 度 を理論よ り計算す る こ とがで き る。
図一
3に示す よ うに, 地 盤 をN
層よ り な る水 平 多層 構 造 (第N層は半 無 限 弾 性 体 ) と仮 定し, 中心軸の地 盤表面に周 波 数f
の鉛 直 力L
が作 用 する軸 対 称 問題 を考え る。
各 層の層 厚
H ,
密 度 ρ,
P 波 速 度 Vp,
S 波 速 度Vs
が 既 知であれば, レー
リー
波各モー
ド (添 字 」はモー
ド の 次 数)の位 相 速度 c丿,
波長 λノ,
波の 進 行 方 向に平 行 な面内の粒子速度の水 平 鉛 直 振 幅 比 [砺 /勿。]Jをハ スケ ル の理論7) よ り得ること がで き る。 こ の [砺 /勿。]丿 は正 ま た は負の虚数であ る た め,
鉛直振 動と水 平 振 動の位 相 差が90
°
ま た は一90°
となり,
軌 跡は楕 円で,
そ・
の長 軸 お よ び短 軸が 鉛直軸ま た は水 平 軸に一
致 する。
さ らに,
ハー
クライ ダー
の 論 文s, の (103)式よ り, 起 振 距 離 r に お け るレー
リー
波j
次モー
ドの鉛 直 変 位 w 。および水 平 変 位 q。が 次式で表さ れ る。 Wo(ノ 「k,,
r)=−
i(L/2)ARiH8 ,(h
丿r)・
・
・
・
・
…
(2) qo(f
:k
,,
r)=
・− i
(L/2)[甜 /吻o〕∫AR丿HP (k.
Jr )…
t−・
・
・
・
・
…
一一t・
・
…
tt・
・
9・
・
一
・
・
…
(3
) こ こ で,L
は起振機の鉛直 力,
H『,
Htm は第2種Hank・
el 関 数, ん∫は 」次モー
ドの ミディアム レ スポン ス, 島 はゴ 次モー
ドの波数,
[鰐 /砺l
」はj
次モー
ドの水 平 鉛 直振幅比 (実数 }で,i
[Utfu
。L
;
[騙 /勿。]丿で ある。
なお, Wo とq
。 は複 素 数であ る。 起 振 距 離 r に おい て,
M 次モー
ドまで重ね合わ せ た 波の鉛直変位肱 お よび水 平 変 位Qm
は,
(2),
(3) 式 で表され る各モー
ドの変 位を そ れ ぞ れ加え合わ せ る こと に よ り,
次 式で与え ら れ る。
Point S {a}o
mode1 model\
翳
2
stance 丁lme
Vbt’
tica
!Poht
Source
「r1
2
3
→ {b
)\
贓 oged 伽 図一
2 (a)起振源よ り伝 播する モー
ドの重なっ たレー
リー
波: 〔b)1点で観 測さ れ る モー
ドの重なっ た レー
リー
波の時 刻歴 n・
1n
図一
3 地 盤モデル一
98
一
肱(/:r)
=
Σ二Wo(f
h
‘,
r)・
・
t=
1・
・
rr…
一・
(4
)Qm
(∫r]; Σ】q 。(∫
k
‘,
f)・
…・
・
………
(51 ‘iL
通常ω。,
q。の振 幅は,
比較的 低 次モー
ドで大 きく,
高 次に な る ほど小さ く な る。
そ の た め,
以 後の解 析で は最 大 振 幅の 1/20
程 度の振 幅を持つ モー
ドまでを 考 慮 して い る。 こ の結果,
実 際の (4 ),
(5) 式の M は地 盤 条 件に よっ て3〜7
程 度と な る。 起 振 距 離D ,
,D ,
の 2点間 を伝 わる波の鉛直 成 分の み か けの 位 相差 φ。 は,
2点の 波形の クロ ス ス ペ ク トルGn
(f
)の位 相 角91ζし て,
次式で定義で き る。 φv;−
tan−
1(
Imag
(Gn(ノ))/Real
(Gi2
(/))……
(6)こ こ に,
G
,、(/)=
W 嶺(f
:DI)Wm(∫:P
,〉で, *は共役 複 素 数 を表 す。 したがっ て,
モー
ド重ね合わ せを考 慮し た 鉛 直 成分に対す る み か けの位 相 速 度 Cm は次式で与 え ら れる。
c毋=
、−
D
,〕・
2πf
/φv・
…・
………・
・
’
…
《7
} 同様に,
水 平 成 分に対する位 相 速 度も求ま る。
また起 振 距 離 r に お け る粒子 回転軌 跡upva
は, 次 式で与え ら れる。
σPl
〃=
Q
旧
(/:7)/lVm(/:7)7『
………・
(8
) こ こ に, 各モー
ドの [a
。/勿。]J は先に述べ た と お り虚数 で あるが,
モー
ド重ね合わせ を 行っ た後のUPW
は複 素数とな る。
し たがっ て,
鉛 直振 動と水 平 振 動の位 相差 が 必 ず し も90
°
ま た は一90°
と な らな い。 こ の た め,
軌 跡 の長 軸お よ び短軸が鉛直軸ま た は水 平 軸と一・
致せず 傾 斜す る 場合が あ る。
こ の 粒子 回転 軌跡 が.
波の進 行 方 向 に向か っ て, 時 計回 りの回転 (順 回転)であ れ ば 正,
反 時計 回り回転 (逆 回転 )であれば負と し, そ の水平 鉛 直 振 幅 比 をこ の符 号 をつ けて次 式で表す。
u/w= sign [
Im
・g(G 。
、(f
))]iQ
。
〔ノ:r)1
/1
Wm
(/:の1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
(9
) こ こに,Gwe=W
叡∫:r)Qm
(f
:’
r)で あ る。 上 記の算 定を 異 な る 周 波 数にわ たっ て行え ば,
対 応す る 分散 曲線, 回転 軌 跡を得るこ と がで き る。 ま た,
上記 理 論は ユ点に作 用す る正 弦 波 鉛 直振 源に対して導い たも の である が,
ラ ンダム な鉛 直 振 源 を用い る場合で も,
波 をフー
リエ 変 換し て各 周 波 数につ い て考え れば, 成 立す る。 な お,
実際の地盤は微小 振 幅 領 域において も, 何ら かの材料減衰を有す る と考え ら れるが,
本 論 文で は そ の 影 響は考 慮してい ない。4.
モー
ド重 ね 合わ せ の妥当性 提 案手法の妥 当性を検 討す る た め,
表一
1に示 すモ デ ル地 盤に対し て,高次モー
ドを考 慮して分 散 曲 線 を 求め,
図一
4に示す。 図一
4a は表層 が堅く,
その下に軟ら か い層がある場 合 (表一
la),
図一
4b は中間に軟ら かい (a > 表一
1 モ デル地 盤 Layer No τ hlckneSSω Densi切 (t!m3) P・
ve Veloci畑 (叮!s) S・
甘ave サebcity ω s) 11,
1.
7300.
】30,
24,
1.
81000.
80.
38.
1,
8 】400.
140.
4 1.
81400.
300,
(b) Layer 闢0Thick 冂ess (のOeηsity P
−
Uave VelociLy (tノ匝3) (mXs) S一
贓veVelociLソ (匝〆s) 】 2
.
1.
7’
300,
80.
24.
1.
8 1000,
150.
34.
1.
81400.
1120.
45,
1.
81400.
20D.
5 1.
81400.
300,
Phase Velocity{mls ) 0 100 200 300 400 0 10 20ハ
⊆)
‘一
〇 匚 O 」 Φ 〉 堊 》 30 40 00 10 Phase Velocity(mts ) 100 200 300 400ε
量
、。菫
30 40 図
一
4 モー
ド重ね合わ せ よ り求め た高 次モー
ドが卓 越す る 分散 曲 線D
一
層 が ある場 合 (表
一
1b)の例で あ る。 モ デ ル地 盤の よ うに堅い層の下に軟らかい層が存 在す る場 合, 高 次モー
ドが卓 越する ため,
波 長が短く な るほど位相速度が大き く なるとい う逆 分 散の傾 向が 認 め ら れ ているZ〕。
提 案 手 法によれば,
そ の分散傾向を良く表現す ること が可能で ある。
なお, 図一
4に は7次の モー
ドまで示し た が,
図一
4a では 6次モー
ドまで,
図一
4b で は4
次モー
ドま で を考 慮すれ ば十 分で あっ た。
次に,
提 案 する回 転 軌 跡の 妥 当 性を検討す る た め, 新 潟 市 上所 小 学 校グ ラン ドに おい て現場実験 を行っ た。
図一
5に調 査 地 点に お け るボー
リング,PS
検 層,
地 表 面 弾 性 波 探査 よ り求め た地 盤 構 造を示す。
起 振機 (起 振 力250kgf
) を地 表に置き,
その放 射 線 上の数 点にそれぞれ水 平お よび鉛 直 地 震 計 (速 度 計で固 有周期 1秒)を配置し, 起 振 機を鉛 直方向に正 弦 振 動 さ せ て, 各 点の粒 子 回 転 軌 跡 を観 測し た。 各 観 測 波 形は増 幅し,100−
1 OOOHz
でAD
変 換 (12ビッ ト)し て,
ラッ プ トップコ ンピュー
タ に取 込ん だ。 図一6
に起 振 距 離2〜
16m に おける周 波 数35Hz−
6.
5
Hz
の測 定 軌 跡,
基 本モー
ドの み の理 論 軌 跡および 4 次 のモー
ドまで重ね合わ せ た理 論 軌 跡を比 較し て示す。 各 起 振周波 数に対す る測 定 回 転 軌 跡は,
鉛 直水 平 動の 観測 デー
タをフー
リエ 変 換し,
対 応す る成 分を抽 出し て描い た。
な お,
水 平 動と鉛 直動の コヒー
レン ス は 1に近い こ とを確 認 し てい る。 図一
6 中の各回転 軌 跡は,
そ れ ぞ れ の水 平動 と鉛 直 動の う ち絶 対 振 幅の大き い方で正 規 化し てい る。
ま た記 号“
R”
は回転の 向きが逆 回 転である こ と を示して い る。
測 定 軌 跡 (図一
6a)は,
起 振 距 離2〜
4 m を除けば,
9Hz 前 後で回 転 方 向が逆 回転か ら順 回転へ 変化し て い る。
ま た, 各 周 波 数とも, 楕 円 軌 跡の ふ く ら み と傾 斜が 距離に よ り変化 してい る。 さ らに こ の傾 向は,10Hz
以 上の短 周 期 領域で顕著で ある。
一
方,
基本モー
ドの み に よる理 論 軌 跡 (図一
6b)は,
0 50 1
(
E
)
£ α Φ O 1520
SPTSh8arWave VelocitySoil ProfileN
−
Value(m !s) 0 500 60
一
’
”
RneSand 図
一
5 上 所 小 学校の地 盤 柱状図 とS波 速 度 構 造一
100
一
Distance
from Exciter (a}あ O 匚 O コ け
」
」 2m 4M 6m em IOm 12m i4m 16m ・馳φ
奄垂唱十
申寮金
・馳θ
〈
琺毋
{
艮
く
翁毎
く
昧琺
敝{
a
Φ
7a
癒母
く
飫θ
1
毋
伽岳十十垂
{
銑金畿
一
旺
1・貶十モ
十
「
』
譱差そ
一
法
・vaチ モ
十
十
チ
十十十
8・・「
監
」
し
十金
十び乎
一
ダ
・Hz十十
舎
e
〈
Doee
・・臣十十Φ
一
(
朕》
〈
囲
〉
〈
》
臨笹
0
笹
彈
母
魚
撫
器
鰤釜
缶
$
陥 .奄
金
毎
伽金
$
$
a
$
a
一
金
丑
十
丑
母
金
奇
十
十
十
モ
十
十
モ
十
十
十
十
十
悲
十
十
モ
丑
十
丑
融馳
撒 ・・
垂笹丑
G
班金
G
金
…fe
θ
eG
{
研
一
〇
:G
−
G
DiStanCe看rOm ExCiter (C〕
齣
奄
庵
侮
毎
垂
十
畢
ρ
θ
謙
繍
Φ
e
奄
壬
乎
忸
爭
跏亀
伽a
垂
窃
毎
壬
+
爭
岳
¢
叢
…韓
欝
欝
灘
纐舞
灘
#
軸
撚
灘
胱
憲
嚇
囲
すべ て の周 波 数お よ び起 振距離で逆回転と なっ ており
,
実 測 値との対 応が悪い。 ま た楕 円 軌 跡のふ く ら み と傾 斜 の距離による変化は少ない。 これに対し,
重ね合わ せ を 考 慮 し た 理論 軌跡 (図一6c
)は,
回 転の方向も 楕 円 軌 跡の ふ く ら み と傾斜も,
測定 値と 比較的良い対応を示し てい る。
な お,
起 振 距 離2− 4m
の周波 数ユOHz
以 下で は,
コ ヒー
レ ン ス がほぼ 1である にも かか わ らず,
実 測 値と の対 応が悪い。 こ れ は, 測 定 波長に対 し て起 振 距 離が近 す ぎ る た め,
(2},
(3 )式では考 慮でき ない実 体 波の l 影響 が無 視でき な く な る た め と 思 われ る10 )。
以上の よ うに, モー
ド重ね合わ せ による分散性お よ び 回転軌跡は,
実際の測 定 値や傾 向と良く対 応して お り,
表層構造 を推 定する た めに必 要 な 周 波 数 領 域 にお ける レー
リー
波が,
複 数の モー
ドよ り成ること を あ る程 度 説 明している。
5.
モー
ド重ね合 わせ と軌 跡の振 幅 比 を考 慮し た逆 解析 逆 解 析におい て,
得 られ た解の 唯一
性は常に問 題 とな る。
分 散 曲 線に対し て の み逆解 析を行 う既往の方 法111で は一
般に解をユ ニー
クに 得るこ とは難 しい。
時松,
桑 山31 は分散曲線の 逆解析よ り求め た 地 盤構造の理論 回 転 軌 跡 を実 測値と比較す ることに よ り,
解の信頼性を向上さ せ る 方 法 を 提 案 して い る。
しか し,
この方 法では 回転 軌 跡 の適 合の程度を主観 的に判断す るこ とに な る。 そこ で,
こ の よう な評価をより客 観的に行うため,
分 散曲線と粒 子 回転軌 跡の振 幅比’
に対して同 時に逆 解 析を行っ て,
S 波 構 造を決 定 する手 法を以 下に提 案 する。 こ の際,
前 述 の (7 ),
(91 式 を用い れ ば高 次モー
ドの影 響を適切に 考 慮す ること がで き る。
な お,
こ こで提 案する逆解 析 手 法は参考文 献11
)を参照 し,
そ れ を改 良発 展さ せ たも の であ る。
レー
リー
波の 水 平 鉛 直 振 幅 比 U/W は一
〇〇か ら・ 。 ま で変 化す る た め,一
。・ や。。に近い値があっ た場 合, 観 測 値 と理 論 値の誤 差 を極 小にする逆 解 析で の最 適 化が困 難と な る。 さ ら に,
U/W が 0は粒 子 軌 跡が純 粋な上下 運 動,
1は円運 動,
6。 は純 粋な水 平 運 動に対 応する か ら ,U
/W をその ま ま最 適 化の指 標とする と,
水 平 運 動が卓 越 し た場 合,
誤 差を過 大 評 価する ことに な る。
そ こ で, 振 幅 比U
/w を 表一
2に従っ て対 数 変 換し た値uw
を 最 適 化の対 象 とする。
この ことは,
回 転 軌 跡の順 回転と 逆 回 転 をUW
の正 負に,
水 平 鉛 直 振 幅比をO−
2までの 絶 対 値に置き換える こと を意 味して い る。 以 上の変 換に より,
UW が 0は 上下 運 動,
1は円 運 動,
2は水 平 運 動 表一
2 対 数変換し た回転軌跡の水平鉛直振幅比 に対 応す る た め, 上下 動の卓越 し た運 動 と 水平 動の卓越 し た運 動の振 幅 比の誤 差を同 等に評 価す ること が可 能と なる。
求め る 地 盤は図一
3同 様,
水平N
層 構 造 より成 る も のとする。 各 層の密 度 ρとP
波 速 度Vp
の変化が分散 曲 線に与え る影 響は,
層 厚H
お よびS
波 速度V
。に比べ て は るかに小さい た め,
層 厚,S
波 速 度の みを変 数と し,
密 度,P
波速度はS
波 速度に対 応して仮 定する。
変数を』
ま と め て a,
その総 数 を ノ(=
2N−
1)とす る。
ま た,
周 波 数ft
に対 し,
測定 位 相 速 度C 。
i と対 数 変 換 し た測 定 軌 跡の振幅比UW
。tが1
組 与え られ る と する。 対 応す る 各周 波 数に対し てモー
ド重ね合わ せ 理論よ り求め た 理論 位 相 速 度を C‘,
対 数変換 し た 理 論 軌 跡の振 幅 比 をU
既 とし,
最 適 化の条件を次式で与える。
tS
= Σ](Ce
厂C
‘) 2 十βΣ】(UWei−
UW ,) 2=
min i=
1 tEl…tt…・
…・
・
・
・
・
・
………・
…・
一
(10) こ こ に,
βは残 差 平 方 和5
を 評 価 する た めの重みであ る。P
を ∂Ct/∂a」 と ∂ σ畷/∂aj を要 素と する 21行J
列の行 列,
D をJ
個の変 数補 正 量 を要 素と す るベ ク トル
,
C を 21個のCei− C
,とUWei−
UWi
を要 素と す るベ ク トル と すると
,
次式が成 立す る。
、
P
「1UPD
==PTWC
…・
…・
……・
・
…・
………・
(11) こ こ に W は21 行21 列の重み行 列で あ る。
(11
)式を 解い て D を求める。
次に一
方 向探索を行い,
最適 係 数 μ を 決 定する。
A をJ
個の変数 αを要素と す るベ ク ト ル とす ると,
補 正 さ れた新 しい地 盤 構 造は次式 で表せ る3 )。
A
=
A十 μ1)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
9…
9・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
《12) 以 上の操 作を繰り返し行い
,
残 差平方和 を極小と す る変 数の組を,
求めるべ き 地盤 構 造と す る。
6.
測定分 散 曲線に対 する逆 解 析 新 潟 市 鏡 淵 小 学 校お よ び東工大グラ ン ドで,
定常起振 法による レー
リー
波 探 査を行っ た。 起振機お よび測 定 装 置は4章で述べ たもの と同様であ る。 起 振 機と鉛直水 平 地 震 計 を 図一
1の よ うに配 置し た。 現在の ところ, 起 振 源か ら どの程 度 離れた距 離か ら (2 ),
(3 )式 が成 立す る かについ て明 確な判 断 基 準は な いが,
筆 者らの既往の 研 究10〕 に し たがっ て,
起 振 機か らDI とD
,の中心 まで の 距離を測 定 波 長の 1/4以 上と し た。
これに応 じて,
D
、,D
, を 波 長10m 以 下の波に対 して 〔2m,
3m ), そ れ以 上の波 長に対して (10皿,
ユ4m )に設定 し た。
こ の 間,
D,と D,の 中点の位置が変ら ない よ うに,
起 振 機 と地 震計を移 動 し た。
起振周 波 数は, 〔2m ,3m )の設 定に対し 十 数Hz
か ら100Hz,
(ユOm,
14m }の設 定に 対して数Hz
か ら十 数Hz
程 度で あっ た。
な お,
D
、,
D2
2点の測 定 波の コ ヒー
レ ン ス は1に近い値で あっ た。
一
一
0 5 0 1
(
ε = 五 Φ O 15 20 図一
7 地 盤柱 状図 お よ びダウンホー
ル法によ り求めら れ た S波 速 度 構 造と提 案 手 法による結 果の比 較;鏡 淵 小 学 校 グラ ンド 0ゴ
SPTSh wa 鳴 》dodt
Soil ProfileN
・
Value{m /s) 0500 60 F畝eSa 冂d
〒
\ ThsM酣 翻 x
ド
釧
:
NN.
”
夏
4翼
.
S即 dyS 乱 Fine Sand響
,
…
瀛
,H。植 CoarsoS :MB電剛.
.
LMedh
川 旨 Sar剛 ミ3
F頃eSand33
; 1o 5 0 1(
ε 二 豈8
15 20 図一
8 地 盤 柱 状 図および ダ ウン ホー
ル法により求めら れたS波 速 度 構造 と 提案 手法に よ る結 果の比較 :東工 大 グ ラン ドSPTShoar
W V9 tySoll ProflleN
−
Value 〔m’510500 600
‘
ノ
F
〆
r
: 彡!
ノ・
彡’
Loam ’■ D トめ協〆
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FtngSand 1
■
o編 G 旧vd■
ロ
ー
11
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「 τhs Me鱈即d1 馳」ds量or旧 :■
■
図一
7,8
に測定地 点の地 盤 柱 状 図と ダ ウンホー
ル法に よ り求め たS
波 速 度 構 造 を示 す。 ま た,
測 定さ れ た分 散 曲 線 と 回 転 軌 跡の振 幅 比を図一
9,
10に丸 印で示す。
測 定値に対 して, 提 案 手 法に よる逆 解 析を行っ て地盤構 造 を求め た。
こ の際,
地 盤の初 期 構 造モ デル を複数, 任意 に与え て逆 解 析 を 行い,
(10 >式で定 義さ典
る残 差平方 和を最も小さ く する よ うな地盤 構 造を求め る 解 と し た。
な お,
βは位 相速 度 c をメー
トル単 位で表し た時,1G3
と し た。
逆解析の 最適 化によっ て, 図一
9, 10の実 線の よ うに,
理論分散 曲線と 回転 軌 跡の振 幅 比が測 定 値と ほ ぼ一
致し て い る。
分散 曲線に加えt 軌 跡の振幅比 が実 測 値と適 合 し て い る ことで,
分 散 曲線のみ を考 慮し た従 来の方 法に 比べ,
解の信 頼 性が 高 め ら れ た と考え られ る。 さらに,
高 次モー
ドを考慮し た本 手 法は,
基 本モー
ドだ けで は評 価で き ない図一
9に見 られ る逆 分 散の傾 向も 良 くシ ミュ レー
ト し ている。
逆 解 析で得られ たS
波 速 度 構 造 とPS
検 層 結果 を図一
一 102一
00 10 20ε
葛
⊆ O 」 O 》睾
30 40 Phase Velocity{mts ) u/w R lOO 200 300 400 10 1 0,
1 1 10 o 曾。
o 図一9
測 定 お よび 理 論の分 散 曲 線 と軌 跡 振 幅比 :鏡 淵小学 校Phase Velocity〔mls ) ulw R O IOO 200 300 400 500 60010 1 0
.
1 1 10 0 10 20 30{
ε £2
ヨ 〉睾
40 50 図一
10 測 定お よび理論の分 散 曲 線と軌 跡 振 幅 比 ;東工大グラ ン ド 7,8
に比 較す る。
両 者は,
東工大グ ラン ドの深度7〜
13 m において や や対 応が悪い が,
全 般 的に深 度 15〜
20m まで よく一
致 して いる。 ま たS
波 速 度が変 化す る境 界 面 の深 度 も地 盤 構 成およ びダウン ホー
ル法の結 果と よく対 応して いる。 これ は,
逆 解析におい て,
層 厚を変 数とし て い る た め,S
波 速 度が変化す る深 度を解 析 的に検出した結 果で ある
。PS
検 層 自 体の誤 差 を 考 慮 すると,PS
検層 と同 等のS
波 速 度 構 造が最 大 測 定 波 長の 1/3−
1/2 の深度ま で求め られてい ると思わ れ る。
な お,
以 上の結 果は,
地 盤が水 平 成 層 構 造で,
計 測結 果に対す る実 体 波の影 響が ない と仮 定して導 びか れてい る が,
実 際に は,
この よ う な仮 定が満足 さ れ ない場合も あ る と思わ れ る。
し た がっ て,
図一9
にみ ら れ る逆 分散 の 傾向 を 含 め,
測定され た 分散 曲線 が仮 定し た 理 論 ど お り地盤 構 造を反 映し てい る かどう か実 証す る た め に は,
さ らに実 測資料の蓄 積が必 要である。
7.
結 論 弾 性 波 動 論に基づい て,
地 表 面の任 意の 1点に加わる 鉛 直 振 動を発 振 源と す る レー
リー
波に対 し,
そ の高 次 モー
ドを考 慮し て,
鉛 直 成 分お よ び水 平 成 分の分 散 曲線 と回転 軌 跡を算 定す る方法 を導き,
その有 効 性を,
実 測 し た分散曲線,
回転 軌跡と比較して示し た。 こ の結果に 基づい て, 実 測 され た分 散 曲線に対 して,
高 次モー
ドと 回転 軌 跡 を考 慮 した逆 解 析を行っ て地 盤 構 造を決 定 する 手 法 を提 案し た。
こ の手 法に よ り,
得ら れ た解の信 頼 性 を 高め ることがで きる もの と考えられる。 今 後,
さ らに 原 位 置 比 較 試 験の蓄 積を図る と ともに,
地 盤の材 料 減 衰 の影 響など を考 慮し て,
提 案 手法に よる地 盤構 造 推 定の 精 度 向 上につ い て検 討して い く予 定で あ る。 謝 辞本研 究は
,
文部 省 科 学 研 究 費の補 助 を受けく 行っ た。
ま た東 京工業大 学理学 部 応用物理 学科齋藤正徳教授お よ び同大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 社 会 開 発 工 学 専 攻 翠 川三郎 助 教 授に は,
貴 重な ご意 見 を賜っ た。
記して謝 意 を表す。
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