小学生の理科 学 習にお ける話 し合い活動に関する分 析
A
皿AnalyBiS
of
the
D 沁c囎 8ion
in
I
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合 千 尋* 西 川 純* *
KAWAI
, ChihiroNlSH
】KAWA
,Jun
上越 教 育大学大 学院*
上 越 教育大 学* *
jQetu
University
ofEducation
【要
kS
] 小学 生の理科 学 習にお け る 話 し合い活動の実 態 を、
実 際に授 業 場面 に 入 り調査を行っ た。 その 結 果、
「理科の得 意な 子」一
「理 科の 苦手な子j
などの関 係でお互 い の経験をやり と りするとい っ た 話 し合 い活 動 に おい て最も重要 な機能 が 果 た されて いない などの問 題点 が 明 ら か に なっ た。
こ うし た問題を改 善 する方略を探るた め、
話 し合い活 動 を活性化 させ るよ うに指導計 画 を した 実験群と従来 型の話 し合い 活 動 を 行 う対 照群との授 業を行い、
会 話分析 及 び 認 知 面 と情緒面の 変容を比較 分析 し た。
その結果、
話し合い 活 動 を活 性化させ るコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン能力 が学 習者の認 知 面 や情 緒面 に良い影 響を 与 え ることが 明 ら か になっ た。
ま た、
先の問 題を改善 す る ための有 効 なコ ミュ ニ ケー
ショ ンスキル が抽出 された。 【キー
ワー
円1
小学 生j
f
理科 授 業」「会 話 分 析亅
「話 し合い 話 動」 1 は じ め に
最 近の理 科 教 育 に おい て
、
い わ ゆ る構 成主義に 基づい た学習指 導 や 袿 会構 成主義に基づい た学習 指 導 とい う もの が 取 り 上げ られ、
その有 効性 が 検 討さ れてい る。
構 成 主 義 に おい て は 理科 教 育で は 、Osbone
,White
らに代 表 さ れ る 学 習者の認識 研 究や そ れに 基づいた授 業構 成の研究 が 盛 んに行 わ れてい る。
人 間の認 識 は 外の 世 界に存 在 する客 観 的 実在を単 にあ りの ま ま受動 的 に 受 け 取 るこ との よっ て成立 す るの で はなく、
人閤 側の理論が そ れ を 可 能 に し てい る と考える。 概 念 につ い ての 意味づけ、
見 方 t ) は 決 して唯一一
っ で は ない (Dulfy
&Jonassen,
1992
)。
こ うした立場から、
学 習者が事 象に対して既に 持っ てい る考え を明らかに し、
そ れ を も と にした 授 業 構 成 を考え る わ けである。
一
方、
社 会 構 成 主 義は、
知 識の 生成を一
人一一
人 の 心の 中の出来 事とし て考 え ない、
知 識 は多数の 心の 弁 証 法 的 相互作 用 を 通 し て作 り上 げ られる も の で あり、
一
入の心の 中でそ れ はできない もの で 2 ) ある ((”toodrnen, 1986
)。 こ う した立場 か ら、
学 習 活 動を学 習 者と学 習 者の コ ミュ ニ ケー
シ ョン を 通 し たダイナ ミックな相互作用 と して と ら えて い る。
理 科 教育に おい て両者は相反するもの では な く、
む し ろ搆 成 主 義 が 発 展 したかた ちで社会 構成主義 に基づ いた学 習 指 導が 叫 ば れてい る。
つ ま り、
理 科 学 習に お け る 学 習者が事 象に対する圏 有な 素朴 概 念に関する問題が 指 嫡 さ れ、
(そ れ は従 来の よ うな 外 か らの 教え 込 みで は容 易に変容 さ れ ない こ とが 明らか に され た。) その 問 題を ふ まえて学 習 者の 考え をもとにした 授 業 構成が叫 ばれ、
さ らに 学 習者 が よ り主体 的に 自 らの知識を構 成してい く ため に学習 者 間の 相 互 作 用がクn一
ズア ップ され、
社会構成主義に基づく学 習 指 導が 盛 ん に研 究 され るよ う に なっ てき たの である。
2 問 題の所在さて
、
こ のよ うに 理 科学習 に おいて学 習 者の相 互作 用一
コ ミュ ニ ケー
シ ョン が 重 要観さ れ、
「学 びの 共 同 体」 と か 「学びの コ ミュ ニ テ ィ 」 な ど と い う言葉が盛ん にいわ れ るようになって きた。
し か し、
そ うし た相互作用に関す る 研 究 は 従 来の ような研 究手 法
一
実 験 室 場 面 に お け る調 査 やア ンケー
ト調 査 だ け で は 十分に問題を 明 らかにし、
改善 を 図るとい うこ と はで きない。
つ まり、
相 互 作 用 を 研 究 す るた め に は、
一
般に 歌 況 的 認 知 論1
と一
13
呼 ば れ る 考 え方に基づい た 研究がな され る必要が ある
。
状況的 認 知 論の立 場から 検 討 す る た め に は 実 験 室 場 面 か ら教 室や 授 業へ と 研究の フ ィー
ル ド さ) を 移 し てい くことが重 要である。
(稲垣, 山 口, 1997 )こ うした考えから最 近
、
「授業の エ ス ノグラフ ィー
」とい っ た 手 法 に よ る研究が 少 しずつ 行われ る よ うになっ て きた。 エ ス ノグラフ ィー
と は、
民 族 学であ る。
民 族 学 は、
未 開 部 族 な どが持つ 文 化 を社 会現象とし て 可能 な限り組 織 的 かつ 網 羅 的に 記述す る学問で ある。
何 を どの ように記述するか(
) は研究 者の視 点 と枠 組みに よ る。
(平 山, 199
7)こ の 方 法 を援用 して研究者が実 際の授 業 場面 に 入 り込みその鋭 敏な感 覚に よ り対象となる相互 作 用 などを継 続 的に観 察し、
分析を 行 うの であ る。
た だ、
その 手 法の性 椿上研 究 現 場の 多大 なる協力 が な け れ ばでき ないた め、
あ ま り多くの研究はな され てい ない。
ま た
、
先の 手 法による研 究におい て も、
教 師と 学 習者にお けるコ ミュ ニ ケー
ショ ン、
学 習 者 間 に お け るコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン とい っ た、
い わ喰る教 室レベ ル での 研 究 は 行 わ れるよ うになっ て きたが、
もっ とミ クロ なレベルす なわ ち一
人一
人の 学 習 者 間 及 び 小 グルー
プ内の コ ミュ ニ ケー
ショ ン 研 究は ほ と ん ど行 わ れてい ない。
教室レベ ル で の学 習者 間の に関 す るコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン研 究は、
多 くの 場 合 話し合い活 動に関 す るもの であ る。
そこでは、
学 習者がお互い の経 験 や 考え をやりとり し、
そ うした話し合い 活 動 を 通 じて学習者の概 念が構 成 され る様が描か れ てい る。
よっ て、
よ り 良い 話 し合い 活 動 が 学習者の 概 念 構 成に重要であることが指 摘されてい る。 し か し、
本 当に多くの 学習者は実際の 授 業場面 でより良い話し合い活 動一
お 互い の経 験 や 考 え を や り と りす る一
を 行っ てい るの で あ ろ うか ?教室 レ ベ ル で はな く、
もっ とミ クロ レ ベ ル に おい て そ れ が 行 わ れてい な け れば、
一
人一
人が概 念を 構成 し てい るとはい え ない のでは ない か。
また、
そ う し た話し合い 活動に悶 題点はない のだ ろ うか?筆 者 は、
小 学 校 現 場 に お け る 十数 年の 経験か らいっ て多 くの問題が あ る よ うに 感 じてい る。
つ ま り、
理科 学 習に おい て話し合い活 動を代 表とするコ ミ ュ ニ ケー
シ ョン が 重 要であ るこ とは わ かっ た。
だ が、
それ を実 際の授 業 場面で導入する際にどんな こ とが 問題に な るのか ま た そ れ を 改 善 す る に は ど うすればよいの か といっ たこと が 山積みに残っ て い るの である。3
研究の 目的 1) 調 査 1 小学生の理 科 学習に お け る 話 し合い 活 動 に 関 す る実態とその 問題 点 を明らか にする。 2 ) 調査 n 実験 授 業を 行い、
明 ら か に なっ た 問 題 点 を 改 善 す る た めの方 略 を 探 る。
4 研究の方 法1
)調査 1 新潟 県新 潟市の 公立小学 校6
年 生4 ク ラス を 対 象 と した。
調 査 時 期 は 1997 年9
月か ら11
月に か け て実 施 さ れ た。 単元名 f電 流のは た ら き」 「もの の燃え方」 「人 と他の 動物の つ く り と は た ら き」の 授 業 場 面 に 入 り、
VTR1 台 (授 業全体を 記 録)テー
プレコー
ダー
3 台 (学習者間の 話 し合い活 動 を 記 録 )に よっ て記 録した。
学 習 者 間の 話 し 合い 活 動は、
「理 科の 学力上位 者」 「理科の学力 中位者亅「理科の学 力下位者」 (教 研式 学 力テ ス ト に よ る)の3
者 間9
通りの関係の発 話 分 析 を 行っ た。
2
)調査ll
新潟 県新 潟 市の公立 小学校6
年生4
ク ラス を対 象 と したe 調 査 時 期 は 1998 年 1月から2月に か け て実 施された。
単元名 「水 溶 液の性質」 の 実 験 授 業 を 行っ た。
実 験 授 業は、
学 習 者 間の コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン活 動 が盛ん に行わ れ ると考え た 「ジ グソー
法 的 な」学習 指導を 取 り入 れ た 実 験 群 2 ク ラス と 従 来 通 りの話し 合い活 動を 行う対 照群2
ク ラス を筆者 自 ら授 業 を 行 い、
そ れ をVTR1 台 (授業 全体を 記録 )テー
プ レ コー
ダー3
台 (学 習者間の 話 し合い 活 動 を 記 録 ) に14
よっ て記 録し、 発 話 分析を行っ た。
ジグソ
ー
法とは、
Arvnson
,S
童e5,Stephan
,
&Snapp
(1975
)に よっ て 開 発され た学習方 式で あ る。
これ は 異 人 種間に よる脇飼学 習の難 点を克服 する た め に考えられ た もの で、
小 グルー
プ か ら一
人 ずつ 集ま り、
新 た な る 小 グルー
プ をつ く り、
ある課 題を学 習 する。
そ して おのおの が ま た も との グルー
プ に 戻 り、
お 互い の 情報 を 交 換 し合い な が ら学 習 す る学 習 形 態であ る。
この 学 習形態に よ り、
情報 交 換 の 必然性 が 発 生 す る た め、
学習者 間のコ ミュ ニ ケー
シ ョンはK
性化さ れるもの と考え られる。
そこ で、
そ うした状況で行わ れ る学習者間の コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン を記録し分 析 する ことで、
理科 学 習におけ る話 し合い 活動に有 劫なコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン ス キル の 袖 出 を 行 う。 ま た、
両群の 認知面 及 び情意 面 に お け る 授 業 前 か ら授 業後 にか けての 変 容 を下記の ような 調 査用繧を 使い 明 ら か に した。 認 知 面の調 査 問 題 問 題1
次の水溶液 を知っ て い ま すか ? 知っ てい る 水 溶 液 (聞い たこ とがある)に は ○、
知 ら ない もの (聞い たこ と がない ) にはx をつ げて くだ さい。
また、
どんな もの がと けてい る か、
わか れ ば 書い てく だ さい。 (正答飼 } 問 題2
6
8 G
〔
}
ア、
イ、
ウ、
エ は、
食 塩 水、
炭 酸水、
石灰 水、
塩 酸 の どれ かです。 どんな 方 法で調べれ ばい い ですか ?知っ て い る方 法 をでき る だ け 書い て くだ さい。 ま た、
その方 法で気をっ け るこ と を書い てく だ さい。
水 溶 液の名 前O
か × どんな ものが と け てい るか ?麩 鑠
’
設 問 (○} 設問 (食塩 )錨 鰥
設 問 (○) 設 問 (二酸 化 炭 素 ) サ勹
」喝
》
郵、
石 灰水 設 問 (○ 〉 設問 (石灰)雄
設問 (○) 設 悶 (塩化水 素 )汞讖花
ナ ト リ ウム の水 鹹 設 悶 (○) 設 問 (水 酸 化 ナ ト リ ウ ム ) 調べ る方法 気 をつ ける こと 設 問 {息 を吹き 込 む ) 設 問 (吸い 込 ま ない ように) 設 問 (臭い をか ぐ) 設 問 値 接か がない) 設 問 (石 灰 石 を 入 れ る) 設 問 (試験 官の ガ ラス に沿 うよ うに そっ と入 れる) 設問1
承 を蒸 発 させ る) 設閙 (ゆっ く り と蒸 発させ る) 設 問 (リ トマ ス 紙を使 う〕 設問 (ソ トマ ス 紙 を 直 接さ わ ら ない) 情意 面の 調 査 こ のア ン ケー
トは テス トで はあ りませ ん。
思っ た 通 り気 軽に答えて く だ さい。
☆一
番 近い 気 持 ちに ○ をつ け て く だ さい。
r
水 溶液の性 質」 の学習では、1
;自分の意見がよ く言 え た と思 う。 2 :水 溶 液の性質が よ くわか っ た と思う。
3
:理科の時 闘が楽し か っ た と 思 う。
そ う思 う 少しそ う思 う ど ち ら で も ない あ ま り思わない 思わない これ を、
「そ う思うj
「少 しそ う思 うi
を ま と めて 『思 う』と し、f
ど ち らでも ない } 「あ ま り思わな い」 「思 わ ない 」を ま とめ て 『思わない」と して処 理する。
15 一
4 結 果と考 察 1) 調査
1
プロ トコ ル とその分析例 単 元 名 「もの の 燃え方」 T :「ビン の中の火 が 消えた 後、
空 気の量はどの よ うになっ て い る のだ ろ うか? 」ゆ
o
中
でる
ラ
K
繕
や
す
学 習 者の 考え 空 気の 量 が 少 な く なっ てい る。
空 気の 量 は変わらない。
L 一
学 力上位 中一
学力中位 下一
学 力 下位A
( 上)− B
( 中) えてい る が、
A はすでに知 識 とし て酸 素が燃 焼に よ っ て 二酸 化 炭 素に変わる こと を 知っ てい る よ うで あ る。 その ためと にかく その 知識のみで押し切ろうと して い る。
一
方B
は 燃 焼 に よっ て 酸素が な く な るの だ か ら一
と考えてい るの で その 部 分説明 がないA
の 説 得がわか らない。 さ らにA は 細 かい説 明 な しに 呼 吸の 例 な ど を持ち 出 し、
圧倒 的 な知識に よっ てB
を 沈 黙させた。1
A は 知 識 として 多くの もの を持っ てい てい わゆ る わ かっ てい るつ も り に なっ てい る。
それゆ えにB
の 疑 問 に答え るの も面倒になり、
「これ が 正解な ん だ」とい っ た口調で 自分の 考え を押しきろ うと し て い る。
理科の 正答は教 科 書や 教 師の頭の中 に あ る と い う教 室 文 化 を背 景 に自信を持っ て、B
の 意見を 退 ける。
Bは 自 分 なり に、
燃 焼によっ て酸素が な く な っ た ん だか ら とい う前の実 験か ら推 論し て考え を 出 し て い る。 こち らの方 が む し ろ 科 学 的 とい え る。
A
( 上 〉−
B ( 下) A :空気が・・
おまえ の ど うい う意 味。
B
:空 気 が あると そ れが燃え る じ ゃ ん。
そ し て燃 え て消 える じゃん 火 に よっ て…
A
:使 わ れ てっ て ことか。 ろうそくで酸 素 が二酸 化 炭 素にだん だ ん変わ る じ ゃ ん。
B 二つ かっ て消えるん だ か ら少 ない。
A :少 な く なっ てい るん だっ た ら…
燃 えるじゃ ん。
ど うい っ た らい い ん だ…
お れの やつ は空 気って 二酸化炭 素に変わるん だ か ら。B
:な ん だ 空 気 が二 酸 化炭 素に な る? A :だ か ら前 実 験 したろ。
B
:な んで 二酸化炭 素になる ? A :だから お れ た ちが空 気 吸 うじ ゃ ん。
出 すの が二酸化炭 素
。
ろうそくの使っ た もの を二酸 化炭素 にす る。
B :わ か る…
〔こ の あ と B に インタビュー
した ところ→
「ほ んと にわかっ た? 」 B : 「う うん・・
わからない。
」 分 析B
は酸 素が燃 焼によっ て使 わ れて少 な く な る と考 A :お ま えは使わ れ たか ら な く なる。
お れ は二 酸 化 炭 素 に な る。
B
:ふたの 中に はい っ てい るん だか ら使 わ れてへ る。
A :そこまで同 じ。
で、
使わ れてな く なっ た らお か しい。 だか ら二 酸 化 炭 素のな る。
B : じ や、
い い や。
分 析 A は 知 識 として燃焼に よっ て酸 素 が二酸 化 炭 素に なる こと を 知っ てい るcB は 燃 焼 によっ て酸 素が使 わ れてその 分ふ た に よっ て閉じられてい るビ ン の中 の 空 気 は減っ てい る と考えて い る。
しか し、
A
の 「使 われてな くなっ た らお か しい i な ど とい うなんの根 拠の ない 説 明で 自分の意 見を引っ 込めて い る。
お そ ら くB はA (学 力上位 )がい うの だ か ら間違 いない だ ろう、
自分の 考 え よ り も (自 分 は 学 力 下 位 だ か ら)正 しい の だ ろうと考えて自分の 考 え を 引っ 込 めて し まっ たの であ ろ う。
A はやは り、
もはやわ かっ てい るつ もり で 「酸 素が燃 焼によっ て二酸 化 炭 素に なる 」一
これが 正 しい か ら 「使わ れ てへ るなん16 一
てお か しい」 と結論 を 根 拠に してお か しな 説 明 を し て いる
。
(A一
中 B一
中 C一
下 〉 A :ふた をあけ る。
B
:アル コー
ル を 入 れる。
C ;ま わ りに ろ う を塗る、
意 味ね一
か。
A
二ふ た を開 けるがい いと思 う人、
(A
,B
,C
手 を 挙げる。
)アル コー
ル、
ろ う・・。
A
:ふ た を あ け る に 決 定。
分 析 三人でそ れぞれ 自分の考えを 出し てそれを根 拠 も 問 わ ず に多数 決 とい う方 法でま と めて し まっ た。 根 拠 やその方 法の妥 当 性 を 考 えてい ない わ けで はない (選 ばれ た方 法は1
番適 当だ と考 えられ る か ら)が、
そ れ を話 し合い の上で出 さ ない で暗 黙の うち に了解 し てい るようでもある。
2) 調査 H 抽出され たコ ミュ ニ ケー
シ ョン ス キ ル の例 質閼をする、
用意し ておく (自分は何 を 知り たい のか。
) 実 験 計 画揚面 (わか らない水 溶 液を どうやっ て 調べ る か)A
「…
アル コー
ル ラ ンプで蒸発 させ る じ ゃ ん。
結 畠 が何か 調べ る。
」B
「えっ、
結 晶が何かっ て調べ るっ てど うい うこ と?j
Ar
図 鑑で 」B
「図鑑? 」A
「そ う、
だっ て理 科の時間だ け じゃ な くっ て、
本 とか使っ て調べ る。
あと顕 微 鏡とか。
1
相手 の考 え を 例 えてい う (そ れ はつ ま り、… ・
とい うこ と?) デー
タの分 析 場面 (リ トマ ス紙の 変 化につ い て) こ こで示 した例の よ うに 小学 生の理科 学 習に お け る話し合い 活 動に関 して 次の問 題点が明 らか になっ た。 学力の あ る者がその 知 識 量 に よっ て自 らの 経 験 や 考 え を 出 して謡 し合 お う と する他の者を受け 入 れ ない 事 倒が見 ら れ るc (理科の 正答は教 科書 や 教 師の 頭の 中に あ る とい う教 室文 化があ る ) 結 論だけに意識が集 中し て、 その根拠 (自 らの 知 識の 出 所である経験 )が閙題と さ れて おらず、
そ のや り と りが 行 わ れてい ない 事 例 が 多 く観 察 さ れ た。 話 し合い活動で よ り普遍性の ある考え を追 求しよ う とす るので は な く、
単 に 結論を 早 く ま と め よ う とする傾向 が見ら れ た.
話 し合い活 動 に 必 要 なコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン ス キル とい っ た もの が身に付い ていない た め、
話し合い 話 動に参加 す らで き ない者 も観 察 さ れ た。
A 「あのね、
食塩 水は に じんだ だけ・
…
] B 「に じ ん だっ て ことは 変 わ ら ない っ て ことだ ね。亅 相 手の考えの 根 拠 を 聞 く (どうし て そ う考える の ?) 仮説設 定 場面 (塩 酸 と 水 酸 化 ナ ト リ ウム溶 液 を ま ぜ る とアル ミニ ウム はもっ とよく と ける ようになるか ?) A 「よく と け る と思 うよ。」 B 「その わ け は?j
A
「だっ て、
強い 液と強い 液を合わせればもっ と 強 い 液 になるで しょ。
だ か ら もっ とよ く と け る よ。亅 認 知面の調 査の 結果、
実 験 群に おい て有意に 正答が 多か った設 問 設 閣 * * 設 問 * * 設問 * 設 問 * * 設 問 * * 設 問 * 設 問 * * 設 問 * * 設 問 * * 設問 * * {カイ2 乗検定の結果、
5%水準で有 意* 1efe水 準で有意* *)一
17
一
情 緒 面で は