有価証券報告書における環境会計情報の開示について : 財務諸表調査を中心に
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(2) 42@ (@42@). 横浜経営研究. 第23 巻. 第 1 号 (2002). (CICA) が,環境コストの定義づけや環境コス. 書などに関連した 環境会計情報の 調査はみられ ない.そこで本稿は,「財務報告書における 環 境会計」の取り 組みの一環として ,環境会計情 報開示の現状を 把握するために ,有価証券報告 書の貸借対照表,損益計算書およびそれらの 注. トの 資産化ないし. 記で 環境会計情報がどのように 開示されている. 普及しているのに 対して,「財務報告書におけ る環境会計」への 取り組みの現状はどうなって いるのであ ろうか. この分野の先駆的な 取り組 みとして, 1993 年にカナダ勅許会計士協会. 資本化のアプローチ 等,財務 会計における 環境会計に関する 報告書を公表し ている ". また,アメリ ヵ では土壌汚染に 関連 したスーパーファンド 法を遵守するための 環境. 負債に関心がもたれ ", 財務会計基準審議会. (FASB), 財務会計基準審議会・ 緊急問題専門 委員会 (EITF), 証券取引委員会 (SEC) およ びアメリカ公認会計士協会 (AlCPA) 等の会. のかを調査し ,今後の環境会計の課題を検討す. ることを目的としている. 本稿では, まず,東京・ 大阪・名古屋証券取 別 所第 1 部上場企業 1,498社の平成 12 年版有価証 券報告書総覧の 財務諸表等で ,. どのような環境. 会計情報が開示されているかについて 調査し,. られている ". また,後述するように , アメリ. そして, 2001 年 9 月に実施した 環境会計に関す るアンケート 調査の結果をふまえ「財務報告書 における環境会計」に 関する現状を 考察する.. カ企業では環境負債に 関する開示は 年々増加し. さらに, アメリ. ている.. み状況を概観し 日本の「財務報告書における 環境会計」における 今後の検討課題を 考察し, 環境会計発展の 方向性について 検討する.. 計基準等が環境会計のガイドラインとして 用 い. 日本においては ,環境問題に関連した会計的 なルール等がみられない. また, 「財務報告書 における環境会計」に 関連した現状調査も ,. 日. 本企業の営業報告書における 環境情報の開示に 関する調査があ るが ", 貸借対照表や 損益計算. ヵ. における環境会計への 取り組. 2. 有価証券報告書調査 2.1 調査方法. 名古屋証券取引所第 1 部 上場企業 1,498 社の平成 12 年版有価証券報告書総覧で , 平成 11年度決算の有価証券報告書を 対象に,損 益計算書,貸借対照表および注記の各項目にお いて,環境会計情報が開示されているか 否かを 調査し環境会計情報に 関連していると 思われ る 項目および環境問題に 関連しているかどうか 不明の項目を 抜き出した. ここで,本調査の 対 象となる環境会計情報とは ,企業の事業活動で 環境負荷の発生の 防止,抑制,除去および 被害 の回復等に関連する 財務情報および 定性情報と する.そして,環境問題に関連しているかどう か不明の項目については ,当該企業の経理担当 者に電話をかけ ,その項目について 質問し確 認をとった.表1 は調査対象企業の 業種別分類 東京・大阪・. 5 ) Canadian Ins 血 ute 0fChartered Accountants. En Ⅰ,ironm e 沖 a/ Cosrs ㎝ d Uab 伍 fieぷ A cco ㎝ げ ng a 丘 d Fin 卯 cia/ Reporr/ng fssues, 1993. (平松一 夫・谷口智香 訳 「環境会計一環境コストと 環境負 債 一 」東京経済情報出版, 1995 年 ). 6 ) 米国では, 1980 年に包括的環境対処・ 補 Ⅳ e EI ㎡ ronmental 償 ・責任法 (the Comprehens Response, Compensation and Ⅱ abiⅡ ty Act), 通 称 スーパー ファンド法が 制定され, ]986 年にス一 パーファンド 修正・ 再 許可法 (Superfund A m endm ents and Reauthorization A ct, 通称 SAR 曲が制定され 今日に及んでいる. (環境監査 1992 研究会編『環境監査入門」日本経済新聞社,. 年, 49-50 頁.) 7 ) Sarah D . Stanw ick. "U nderstanding SO P96,1: R eporting En ㎡ ronm ental Cleanup Ⅱ abilities" , Jour コ目 of Corpo 田 re A (.coun 打 ng ぁ Hnance, g (1) , Autumn l997. pp.57-72. ; 河野正 男 「生態会計論コ 森山書店, 1998 年, 308-309頁.. 8) 監査法人ト一マツ 編 「営業報告書における 環境情報の開示. ( 別冊商事法務. 究会, 1995 年 4 月を参照のこと.. 170 Ⅱ商事法務研. を 示している.. 調査対象項目は ,基本的に環境問題に 関連し ている項目かどうかであ るが,貸借対照表にお.
(3) 有価証券報告書における 表1. 環境会計情報の 開示について. 東京・大阪・ 名古屋証券取引所第 種. 業. No. (@43@)@43. (小川哲彦 ). 1 部 上場企業の業種別分類 (平成 12 年 3 月末 ) 単位 : 社. 企業数. N0. 種. 業. 企業数. l. 水産. 8. 15. 電気製品目. 146. ワ 4. 鉱業. 61. 建設. 16 17. 輸送用機器. 3. 7@ 122. 精密機器. 24 2. 4. 食料品. 68. 18. その他製造. 49. コ 5. 繊維. 46. 19. 商業. 200. 6. パルプ, 紙. 17@. 20. 金融,保険. 158. 化学工業. 77. 石油・石炭製品. 8. 21. 不動産. 21. 7@. 22. 陸運. 57. 137. Ⅰ. 9. ゴム製品. 13@. 23. Ⅰ. 毎. l"D. 10. ガラス・土石製品. 30. 24. 倉庫. 11. 11. 鉄鋼. 39. ワ. 2D 5. 通信. 11. 12. 非鉄金属. 24. 26. 電気・ガス. 14. 13. 金属製品. 33. % つ7. サービス. 74. ノへ @三 トト. ..498. 106. 機械 表2. 業種別環境会計情報開示仝. 三軍. 業数 単位 : 社. 種 水産. 0@. No 15. 業. l. 電気製品. 0. 2. 鉱業. 16 17. 0. 建設. 2 0@. 輸送用機器. 3. 精密機器. 2. 丑. 食料品. 6. 18. その他製造. 0. コ 「. 繊維. 0. 19. 商業. l. 6. パルプ, 紙. 1. 20. 金融・保険. 0. 化学工業. 4. 21. 不動産. 0. 石油・石炭製品. 0. 22. 陸運. 0. 9. ゴム製品. 0. 23. 毎ョ軍. 0. 10. ガラス・土石製品. 2. 24. 倉庫. 0. 11. 鉄鋼. 0@. 25. 通信. 0. 12. 非鉄金属. 4@. 26. 電気・ガス. 9. 13. 金属製品. 2@. 27. サービス. 0. 14. 機械. 0. ・. No. Ⅱ. 8. 業. 企業数. 種. Ⅰ. ム 口 l寸 ,. 企業数. 33.
(4) 44@ (@44@). 横浜経営研究 表3. 財務諸,@. 有価証券報告書における. 環境会計情報一覧. 開示項目. 開示箇所. 表名. @. 第 1 号 (2002). 第 23 巻. 売上原価控除項目. l製品・商品スクラップ. 売却収入. 建築資材売却益 営業覚川 x 益. ・. ヰ士口貝 工. 益. 電気事業営業費用. その他の営業覚収益 スクラップ売却収入 廃材売却収入 廃棄物処理費 廃鉱費用引当金繰入額. 計算 重日. 廃棄物処理料. 営業覚費用. ",. 係争関係費 公害費用賦課金. 特別損失. 訴訟関連 費 ま果ヰ境. 積立金取崩 益. 整備費. 社会貢献積立金取崩 益 貸出容器保証金. 流動負債. 容器保証金. 容器預り金 貸 イ. 廃鉱費用引当金. "t 日. 対 万. 固定負債. 金属鉱業等鉱害防止引当金. 日 口. 使用済核燃料再処理引当金. 一表. 偶発債務 その他剰余金. 7. 目口言. 己. : じん丹市 評言公. 再生資源利用促進準備金 社会貢献積立金. @王 1 「廃棄物処理費」は ,電力会社9 社全ての「電気事業営業費用」の「汽力発電 費 」,「原子力発 電費 」,および「 内燃 力発電 費 」に含まれていた.これは ,電気事業営業費用明細衰で「汽力発電 費 」. 「原子力発電. 費 」,および「 内燃力 発電 費 」の内訳として「廃棄物処理費」が 開示されていた.. いて,有形固定資産に「土地」,「山林」,「植林 立木」等の口 然 資産に関する 項目が開示されて いる. これらは,現行の 企業会計制度内でも 開 示が定められており ,環境問題を考慮していな. くても「土地」,「山林」,「植林立木」等の. 自然. 資産に関する 項目は開示されていることから. ,. 本調査では調査の 対象外とした. 2.2. 調査結果. まず,表2 を見ていただきた い .. るが,環境会計情報と 認識できる項目で 開示し ていた企業は , 1,498社中 33 社であ った.「環境 報告 吉 における環境会計」の 現状と比較してみ ると,環境会計情報を 開示している 企業数は, 非常に少ない 結果となった. さらに,表3 は,環境会計情報開示企業33 社 が損益計算書,貸借対照表およびそれらの 注記 で開示していた 環境会計情報の 具体的な開示項 目を示した表であ る.. これは,業. 種別の環境会計情報開示企業数を 示した表であ. まず,損益計算書において 経済効果を示す 項 目であ るが,売上原価控除項目では「製品・ 商.
(5) 有価証券報告書における 品ロスクラップ 売却収入」. ( 開示企業数. 環境会計情報の 開示について : U社. り. ,. (小川哲. 劇. (@45@)@45. そして,官業外 費用においては ,「廃鉱費用. 営業覚収益では「建築資材売却益」 ( 開示企業 数 : 1 社 ), 「スクラップ 売却収入」 ( 開示企業 数 : 1 社Ⅰ,「廃材売主刑 x 人 ( 開示企業数 : 1 社 ). 理科」. および「その 他の営業覚収益」. 示企業数 : 1 社 ) が環境会計情報として 開示さ. 」. ( 開示企業数 : 1. 引当金繰入額口. ( 開示企業数. : 1 社Ⅰ,「廃棄物処. ( 開示企業数 : 1 社 ), 「係争関係費」. (開. 示企業数 : 1 社 ) および「公害費用賦課金」. (開. 社 ), そして当期末処分利益計算では「社会貢. れていた.貸借対照表の 固定負債でも「廃鉱費. 献積立金取崩 益. 用引当金」と 開示されているが , 「廃鉱費用引. 」. ( 開示企業数 : 2 社 ). がそれぞ. れ開示されていた.「その 他の営業覚収益」に ついては,注記で「42 百万円 中 , 2 百万円が ス. クラップ売却益」と 記載されていたので 環境会 計情報とした. また,貸借対照表のその 他剰余. 当金繰入額」の「廃鉱」が 環境保全活動に 値す るか否かは議論の 余地があ る場合も考えられる が ,本調査では環境保全活動とみなした. また, 「係争関係費」については 環境会計情報であ. る. 金にも「社会貢献積立金」と 開示されているが ,. かどうか不明であ ったので当該企業に 電話で確. 「社会貢献積立金取崩 益 」の「社会貢献」につ. 認をとった ". 担当者からは ,環境関連のコス. いては,環境会計情報であ るかどうか不明であ っ たので当該企業 2 社に電話で確認をとった。 , .. トは含まれているが ,詳細は非公夫との 回答が 得られた.「社会貢献」の 場合と同様に ,具体. 1 社の担当者からは. 的な金額は不明であ るが環境関連のコストが 含. 興の 4 つ活動に分類しているが ,①環境保全に. まれていることから ,「係争関係費」を 環境会 計情報とみなした. 次に損益計算書における 特別損失に関する 項. ,「社会貢献」を①環境保全, ②青少年育成,③文化スポーツおよび④科学振 関する社会貢献にかかった 金額は具体的に 出し ていないとの 回答が得られた. も 61 社の担当 者からは,支援金という 形で一部環境活動が 含. 目は , 「訴訟関連 貿 「環境整備費」. ( 開示企業数. 」. ( 開示企業数. : 1社 ) と. : 1 社 ) が環境会計. まれているが ,具体的な金額は不明であ るとの. 情報として開示されていた. 「訴訟関連 費 」に. 回答が得られた. これらの「社会貢献」活動の 具体的な金額は 不明であ るが,環境保全活動に 対して支出していることから「社会貢献積立金 取崩 益 」ないし「社会貢献積立金」を 環境会計 情報とみなした. 次に損益計算 苦 における費用に 関する項目で. ついては,注記で「じん肺 罹患非提訴者解決 金 と 記載されていたので 環境会計情報とした. ま. あ るが,電力会社9 社全ての「電気事業営業費. 用」の「汽力発電 費 」,「原子力発電 費 」および 内燃力 発電 費 」に「廃棄物処理費」が 含まれ. 」. た, 「環境整備費」は ,注記で「クロム鉱. さ. い. 埋立地における 鉱 さいおよび汚染土壌の ,恒久的. 無害化処理工事等に 要した費用」と 記載されて おり, これは土壌汚染の 浄化費用であ るので 環 境 会計情報とした. 一方,貸借対照表における 流動負債に関する. 「. 項目は,「貸出容器保証金」. L 「@. ていた. これは,電気事業営業費用明細衰で. 「容器保証金」. : 2 社 ) および「容. 「汽力発電 費 」, 「原子力発電 費 」および「 内燃 力 発電 費 」の内訳として「廃棄物処理費」が 開 示されていた. さらに,電気宇業 営業費用明細. 器預り金」. 表の 「原子力発電 費 」には「使用済核燃料再処. り金であ るとの回答が 得られたⅢ.. ( 開示企業数. : 1 社 ) が環境会計情報. として開示されていた. これらの項目について ,. 電話で問い合わせをしたところ ,全てビン の預. 理費」も含まれていた.. 固定負債に関する 項目では,「廃鉱費用 別 当 了 L l迅. の. 種 業. 業. 企 た. て. し 上. 右@. 十舌口. 係費フ・ た. で て あ ﹁係業 争 関. ︶ 工. @. Ⅰ. 川学. 9 ) 「社会貢献」を 計上していた 企業 2 社の業種 は,精密機器と 化学工業であ った.. ( 開示企業数. 示企業数 : 2 社Ⅰ,.
(6) 46@ (@46@). 金. 」. 横浜経営研究. ( 開示企業数Ⅱ. 引当金」. 社 ), 「金属鉱業等鉱害防止. ( 開示企業数. 燃料再処理引当金」. 第23 巻. : 4 社Ⅰおよび「使用済核. ( 開示企業数. : 9 社 ) が環境. 第 1 号 (2002). 損益計算書およびそれらの 注記を対象に 環境会 計情報の開示状況を 調査したが,大持調査は ,. 有価証券報告書全般における 環境情報の開示状. 会計情報として 開示されていた.前述した 26. 況を調査対象としている.. に「廃鉱」については 環境保全活動とするか 議 論の余地があ るのと同様に「金属鉱業等鉱害防 止引当金」の「鉱害防止」も 環境保全活動に 該. を企業における 営業活動に関する 情報のうち,. 当するか否かは 議論の余地があ るが,本調査で. は,「鉱害防止」についても 環境保全活動とみ なし環境会計情報とした. そして,貸借対照表での 偶発債務に関する 環 境会計情報の 開示については ,. じん肺訴訟に 関. する注記が 1 社あ ったのみであ る.. 最後にその他剰余金であ るが,「再生資源利 用促進準備金」 ( 開示企業数 : R 社,および「社 会貢献積立金 -l ( 開示企業数 : 1 社,が環境会計. また, 「環境情報」. 地球環境問題と 結びっきが深 い 情報としており. ",. きらかに地球環境問題とかかわりなく 使 用されたと考えられる 場合を除き,「環境」と いう用語を含む 記述,あるいは環境問題と 関係 のあ る記述については 収集の対象としている ", よって,本調査結果と 比較する場合,大持調査 の方が調査対象の 範囲が広く捉えられており 比 校 するには困難を 伴っているが ,環境会計情報 に限定して調査結果の 比較を試みる.表4 は, 大持の調査結果であ る 1995 (平成 力 年度有価 あ. 証券報告書における 環境情報一覧を 示している.. が,結果として有価証券報告書で 環境会計情報. 大持 は ,環境情報の定義を演 緯 的に考察し ", 環境情報を「第一に ,企業外部における ,空間 的および時間目りな 広がりを持つ 環境問題を対象. を開示している 企業数は非常に 少なかった.. としており,第二に ,開示上の記述において. 情報として開示されていた. 以上,有価証券報告菩の 調査結束をみてきた こ. うした結果を 踏まえ,次節では, 1996 年に久 持. 一. が 有価証券報告書について 同様の調査を 行って. 文節以上の長さを 有しているもの」と 定義して いる ". 表 4 の中で「 八 」が付記されている 情. いるので ", その調査と本調査との 比較を行う.. 報は , この定義に従うと 環境情報の範時には 入. 2.3 過去の調査との 比較 大持の調査は , 1996 (平成 8) 年 11 月末日現 在 ,東京証券取引所第1 部上場企業 1,286社を対 象に, 1995 (平成 力 年度決算の有価証券報告 菩 における環境情報の 開示状況を調査している ". 本調査は,有価証券報告書における 貸借対照表,. 11 ビン はデポジット 制をとっており ,製品を 販売する際にビン 代を含んだ金額で 販売し ビン Ⅰ. 代は流動負債の 預り金に計上される. ビンが回収 されると, ビン代を現金で 支払うとともに 預り金 が消える仕組みであ る. 12) 大持英司「有価証券報告善における 環境情 報開示について」 西 経論集 ( 早稲田大学 ), 74 号, 1998 年, 121-136頁. ; 「環境情報の 概念規定に関 する一考察」 西 経論集 (早稲田大学 ), 76 号, 1999 年, 47-56 頁. 13) 大持英司,双掲稿 , 1998 年, 122 頁. らない情報であ り,「? 」が付記されている 情 報は,環境情報に含められるかどうか 判別する ことはできない 情報であ り,何も付記されてい な い 情報は,環境情報とすることが 可能な情報 であ る 榊. 八時調査と本調査を 比較するためには ,表 4 14 Ⅰ大持英司。 前掲 稿 , 1998 年, 1 わ頁 . 15) 八時英司,双掲 稿 , 1998 年, 125 頁. 16) 久持 英司,双掲稿 , 1999 年, 50-51 頁. 17) 九拝英司,双掲稿 , 1999 年, 51 頁. 18) 八時英司,双掲稿 , 1999 年, 53 頁. (八時 は , 1998 年論文の段階では 環境情報を「地球環境と 結 びつきの深. い. 情報」 という広範な 定義でとらえ ,. その結果が表 4 に示されている.そして , 1999 年に. より精敏化された 環境情報の定義づけを 行い, 1998 年の段階で環境情報と 認識した情報が 環境情 報として該当しないと 考えられる情報が「 八 」,環 境情報として 不明な情報が「 ? 」と大持自身が 付 記している. ).
(7) 有価証券報告書における 表4. 東証 第 部 上場企業の 1995. 財務情報事前環境コスト. 事後環境コスト. 「. 環境会計,情報の開示について (平成 7). (小川哲彦 ). 年度有価証券報告書における. (@47@)@47. 環境情報一覧. 廃棄物処理費 坑廃水基金拠出金 環境対策費 環境管理費 公害防止設備の 減価償却 費 廃棄物処理費用 ム 中古品の価額 公害に伴う賠償金 環境汚染除去および 環境汚染に伴 う 賠償金 八十. %. ぉ. き費. ム撤去解体費. ム作業屑の価額 環境負債. ム 除去 費 環境汚染事故を 起こした際に 生- じる損失の担保. 環境問題に備えた 保証債務 公害防止 債 による借入金 金属鉱業等鉱害防止引当金. 廃棄物処理引当金 再生資源利用促進準備金 ム じん肺訴訟和解金等の未払金 環境資産. 排水処理装置設備工事費 廃棄物焼却装置の 価額 ガラスひん協会‥ J サイクリング 推進連合会費 ム 山林・植林・ 緑化施設の価額. 記述情報環境方針に関する情報環境保全に配慮した経営活動の 実施等に関する 環境方針の説明 行動指針に関す 内部留保を省エネルギー 製品・低 公害製品・環境整備および 環境規制への 対応に投入するとの 旨の説明 ・. る@報. 環境保護の観点からエネルギー 効率利用を促進する 旨の説明 環境保全や鉱害防止について 投資を行うという 旨の説明. 設備投資計画において 地球環境との 調和を考慮する 旨の説明 ? 環境負荷を減少させる 製品やサービスの 製造販売事業等に 関する説明.たとえば ,環境関連事業・ 廃棄物 処理業・中古品販売・ 植物園経営・ 造園業・造林業・ 花き製造等に 関する説明や 図表.過去の 環境関連事業 に関する記述. ム会社目的における 営業目的の名称の 表示 環境管理システム ,環境管理システムの整備に関する 説明 ならびに環境規制公害 防ヰ -に関する法律の 適用を受けている 旨の説明. 等の周辺事業に 関環境問題への 市場の関心が 高い旨の説明 する情報 環境保全問題等の 社会的規制が 経営上,の圧迫要因や 課題となっているとの 旨の説明 排気ガスおよびフロンガス 規制等と商品需要との 関係に関する 説明 ム環境保全部門や 環境関連事業部門等の 名称表示. 営業活動以覚に. グルーブ企業の 環境保護関連財団に 利益の一部を 充当した旨の 説明. おける環境保護. 環境保全工事の 設計施工に関する 技術濤人の説明. 活動の現状に 関 環境保護活動に 参加している 旨の説明 する情報 環境問題について 市民講座を開催した 旨の説明 環境保護のために 廃棄物削減およびリサイクルを 実施している 旨の説明 製品が省エネルギー 賞を受賞した 旨の説明. 設備が鉱害防止関係設備や 公害防止関連設備であ る旨の説明. 環境汚染の現状 に関する情報. 設備新設の目的が 公害防止・環境規制対応・ 環境整備・排ガス 対策・騒音対策であ る旨の説明 ? 過去の環境保護活動に 関する記述 ム環境負荷を減少させる 設備名の表示 環境汚染および 公害除去に関する 説明 環境汚染および 公害に伴 う 賠償金に関する 説明 大気汚染物質排出差止訴訟に 関する説明 八従業員によるじん 肺訴訟が審議中であ る旨の説明. ム じん肺訴訟の和解に関する 説明. その他の情報. 八借入金の使途が 鉱害防止・賠償金・ 坑廃水処理資金であ るという表示 環境問題対策のために 研究開発費の 会計処理を変更した 旨の説明 地球環境保護等に 資する研究開発に 取り細む旨の 説明 環境保全活動への 支援や寄付を 行った旨の説明 環境保護に関する 社員教育を行った 旨の説明 公害防止設備が 租税特別措置法の 適用を受けている 旨の説明 : 環境負荷を減少させる 製品等の研究開発活動に 関する説明 ム環境関連事業部門における 会計処理万法に 関する説明. (出典 : 久博英司「環境情報の. 概念規定に関する 一考察」西経論集. (早稲田大学. ), 76 号, 1999 年, 52-53頁Ⅰ.
(8) 48@ (@48@). 横浜経営研究. 第23 巻. 中の「財務情報」を 対象として比較することが 可能であ る. まず,大持調査では ,本調査にお. 第 1 号 (2002). における環境会計情報の 開示項目は, この 5 年 間で特に進展がみられない. 「環境報告書にお ける環境会計」はここ 数年における 進展がみら. ける収益に関する 項目が取り上げられていない ことがわかる.例えば ,本調査の「スクラップ. れているのに 対し,「財務報告 害 における環境. 売却収入」や「廃材売却収入」等は 確実な根拠. 会計」の進展がみられないのはなぜなのであ. に 基づく経済効果を 表している項目であ ること. うか . この現状を理解するために ,アンケート. から, これらは環境情報および 環境会計情報と. 調査の結果を 次節で検討する. ろ. して認識することが 可能であ ろう. この認識の. 計情報として 認識した「製品・ 商品スクラップ 売却収入」,「作業屑 売却益」,「建築資材売却益」, 「スクラップ 売却収入」そして「廃材売却収入」 のうち「作業 屑 売却益」を計上していた 企業以 外は, 1995 H 平成 7) 年度の損益計算書にもそ れぞれの項目が 計上されており ,環境省のガイ ドラインが公表される 以前から開示されていた. 2.4 環境会計に関するアンケート 調査 河野正男研究室では 2001 年 9 月 6 日から 10 月 5 日にかけて企業を 対象に,環境会計に関するア ンケート調査 (以下, アンケート調査と 略称す る ) を実施した.アンケート 調査の対象とした 企業は,先述した環境報告書の 2001 年 調査で環 境 報告書の送付依頼をした 193社のうち, 2001 年 9 月 6 日までに回収した 環境報告書作成企業 これらの 148 158 社中 148 社であ る,0,.そして, 社へ環境会計に 関するアンケート 調査票を送付 し 95 社 ( 回収率 : 64.2%) のアンケート 調査 票を回収した. このアンケート 調査の質問事項. のであ る.本調査は,環境省のガイドラインに. は , ①環境省の環境会計ガイドライン ,②外ぎほ. したがって調査しているので ,経済効果に関す. 環境会計および③内部環境会計の. る項目も調査対象としており , 久持 調査の時点 では環境省のガイドラインが 公表されていない. 質問グループを 設け, それぞれのグループに 関. 差は,環境省から『環境会計ガイドライン 1999 年』および『環境会計ガイドライン 2000 年」が 公表される以前に 久持の調査が 行われたことが 考えられる. そこで,大持調査の㎎95 (平成 7) 年度の損益計算書を 調査した.本調査で環境会. ことから経済効果に 関する項目は 調査対象とな っていないと 推測される.. 一方,費用の項目については ,本調査と久持 調査を比較しても 特段の差が見られない. 「廃 棄物処理費」 ", 「公害関連 費 」および「訴訟 関連 費 等 ,ほぼ同様の結果であ る. また,負 債の項目については ,本調査ではリサイクルの 視点から流動負債に 計上されている「貸出容器 保証金」を環境会計情報と 認識した.それ以外 」. 3 つぼ関して. して質問を作成した. 本稿では,このアンケート 調査のうち,②外 部環境会計の 質問の中で,表5 に示した財務諸 表における環境会計情報の 開示に関する 質問の 調査結果について 取り上げる. まず,質問1 の環境会計情報を 財務諸表で開 示しているかどうかの 質問に対する 回答は, 95 社中 94 社 (98.9%) が②の環境会計情報を 財務 諸表で開示していないと 回答した.環境会計情. の 「金属鉱業等鉱害防止引当金」や「再生資源. 利用促進準備金」等,大持調査とほぼ 同様の結 果 となった.. このように比較してみると ,有価証券報告書 19) 大持調査の「廃棄物処理費」は ,本調査で は「電気事業営業費用」に 該当する. 20) アンケート調査の 対象企業とした ¥W8 社は , 2001 年調査結果であ る環境会計情報掲載企業 147 社 よりも多くなっている. これは, 2001 年 9 月 6 日の 段階で,環境報告書中に「環境会計」という 項目 を 掲載しておらず ,財務情報のみ, 例えば,環境. 保護団体への 寄付 額 のみの掲載になっている 企業 も 調査対象企業としたためであ り,財務情報のみ の 掲載企業は 148 社中 8 社であ った.
(9) 有価証券報告書における 表5. している. ②. していない. 質問 2. 質問. 3.. (小川 @哲彦 ). (@49@)@49. 財務諸表における 環境会計情報の 開示についての 質問事項. 質問 1. 貴社は環境会計情報を. ①. 環境会計情報の 開示について. 財務諸表で開示していますか. 1 で①と答えた 企業を対象に 質問します.財務諸表では 具体的にどのような 項目で開示していますか (記述回答Ⅰ 1 で②と答えた 企業を対象に. 質問します.環境会計情報を 財務諸表で公表しない. 理由をお答えください. (記述回答 ). 表6 No. 財務諸表で環境会計情報を 理. ・. 開示していない 理由 企業数. 由. 害Ⅰ. 合. 1. 環境会計が確立されていないから. 33. 40.2%. 2. 企業内部で環境会計を. l ロワ. 14.6%. 3. 財務会計とは 異質のものであ るから. 77. 8.5%. 4. 法的,社会的に 要求されていないから. 4. 4.9%. 5. 環境報告書で 開示しているから. 4. 4.9%. 6. 財務諸表と作成時期が 異なるから. 4. 4.9%. 7. 必要性を感じていないから. 3. 3.79も. 8. 財務上の重要性および 金額において 特に大きいものがないから. l. 1.2%. 9. その他. 14. 17.1%. 821. 100.0%. 構築中であ るから. ム. 一ー十一一口. 報を財務諸表で 開示していると 回答した 1 社 (1.1%) は,質問 2 で決算短信の 添付資料,事 業報告書およびアニュアル・レポートで 開示し ているとの回答が 得られた.. 財務諸表で環境会計情報を 開示していないと 回答した 94 社の中には,第2 節で紹介した 有価 証券報告書の 調査で環境会計情報を 開示してい 2 節の調査で るとした企業もあ る.つまり,第 は有価証券報告書上で 環境会計情報が 開示され ていると判断したが ,アンケート 調査の担当者 は環境会計情報と 意識して開示していない 場合 もあ るのであ る.. それでは,なぜ有価証券報告書で 環境会計,情. 財務諸表で環境会計情報を 開示していない 理 由で最も多い 回答であ ったのが「環境会計が 確 立されていないから」 (40.2%) であ った.. こ. れには「環境会計は ,発展途上にあるから」, 「環境会計情報は ,財務諸表との関連性が不十 公 であ るから」,「環境会計における 環境コスト. や効果などの 定義が不明確であ るから」,「環境 会計は,財務諸表で公表するレベルに 達してい ないから」および「環境会計情報は ,財務会計 情報ほど客観性がないから」等の 回答が含まれ ていた. これらの回答には ,環境会計目的の相 違が反映されているが ,環境会計は発展途上に. 94 社中 82 社 (87.2%) の回答があ った.それら. ることから,客観性のあ る環境会計情報とし て財務諸表では 開示できないといえる.言い 換 えれば,環境会計が確立されれば ,財務諸表で も外部の利害関係者への 環境会計情報の 開示が. の回答を集計したものが 表 6 であ る.. 促進されると 考えられよ. 報を開示していないのであ ろうか.その理由を 尋ねたものが 質問 3 であ る. この質問に対し ,. あ. う. .今日,多くの 企業.
(10) 50@ (@50@). 横浜経営研究. 第23 巻. 第 1 号 (2002). が 自主的に環境会計に 取り組み, さまざまな事 計 情報の開示は 法的に要求されていないが ,環 例が出来上がってきていることから ,今後,環 境会計情報と 解釈できる情報で 開示されていた 境会計の確立に 向けたさらなる 動きが加速され のであ る. さらに, 「財務会計とは 異質のもの ると思われる.. であ. また,「企業内部で環境会計を構築中であ る から」Ⅰ 4.6%) には,「(社内で ) 厳格な実態 把握にいたっていないから」,「社内の見解が統 d されていないから」,「経理ルートでの 管理・. いるから」. 集計をしていないから」および「環境会計の 活. 動を始めたばかりであ るから」等の 回答が含ま れている. こうしたことから ,企業は環境会計 に取り組み始めたばかりであ り,企業内部での 環境会計の構築を 模索している 最中であ ること がわかる・環境会計は ,現在,主として ,外部 報告のために 展開されている 傾向があ る.確固 たる環境会計の 確立のためには ,経営意思決定 に貢献する企業内部の 環境会計,つまり 内部環. 境会計が確立されねばならない.覚部の 利害関 係者へ報告するためには. ,. 当然のことながら ,. (8.5%), 「環境報告書で 開示して (4.9%) そして「必要性を 感じてい (3.7%) に示されているように ,財. るから」. ないから」. 務会計情報と 環境会計情報の 開示目的は異なっ ており,環境報告書で開示しているので 財務諸 表で開示する 必要はないと 考えている企業もあ る. .第2 節の有価証券報告書の 調査結果に示さ. れた環境会計情報の 開示企業数が 少なく,過去 の調査と比較しても 進展がみられない 理由がこ こにあ ると考えられる. そして,先述した,第2 節の調査では 有価証 券 報告書上で環境合引『情報が 開示されていると 判断したが, アンケート調査の 担当者は環境全. 開示していない 場合もあ るこ とについてであ るが, これは,「財務上の重要 性および金額において 特に大きいものがないか き寸情報と意識して. (1.2% Ⅰに示されている.つまり ,一般目. 企業内部で環境会計が 確立されて い なければ不. ら」. 可能であ る.経営者の意思決定に役立つ 環境会 計情報を提供するための 内部環境会計の 確立が あ ってこそであ る. また,「財務諸表と作成時 期が異なるから」 (4.9%) に示されている 26 に ,財務諸表で環境会計情報を 開示するために は,財務諸表作成時期にあ れせて環境会計情報 も集計される 必要があ る.そのためには ,企業 内で情報収集のためのシステムを 構築する必要. 的の財務諸表に 適用される重要性の 原則の結果 利害関係者の 判断に重要な 影響を与えると 考え られない会計情報は ,財務諸表上で明確な表示 を行う必要はないことを 示しており,この重要 性の原則を適用し 財務諸表で環境会計情報を 開示しなかった 企業もあ ると考えられる. 以上, 日本の企業が 財務諸表で環境会計情報. があ るのであ ろう.今後,内部環境会計の 確立. を. に向けた研究も 期待されるところであ る. 「環境報告書における 環境会計」が 進展する. 査の結果を検討してきた.財務諸表で 環境会計. であ る.財務諸表における 表示上の重要性とは ,. 開示していない 理由について , アンケート調. 情報を開示していない 一つの理由として , アン. 一方,「財務報告書における 環境会計」の 進展 がみられないのはなぜであ ろうか. この最大の 原因として,「法的,社会的に 要求されていな いから」 (4.9%) という回答が 示しているよう に,後者の環境会計は 企業会計制度の 枠内で法 的に要求されていないことが 考えられる.第2. ケート調査の 回答にも「法的,社会的に 要求さ れていないから」とあ るように, 日本では, 企 業 会計制度において 環境問題に関連した 会計的. 節の有価証券報告書調査では 環境会計情報と 認. ているアメリ. 敵 したが,企業側では 環境会計情報と 意識して. 開示していない 企業もあ った.つまり ,環境会. ルール等が設定されていないことがあ げられる.. そこで, 次 章では,環境法規制が厳しいことか ら,環境問題に 関連した会計基準等が 設定され ヵ. の現状について 検討する..
(11) 有価証券報告書における. 環境会計,情報の開示について. (小川哲彦 ). (51 ) 5. Ⅰ. は 管理者, (3)有害物質の発生者および④有害物. 3 . アメリカの現状. 質を廃棄場へ 運んだ輸送者の 4 者であ ", 有 害物質を直接廃棄,処理した 者だけでなくその り. アメリカでは , 1970 年に「大気浄化法. (the. ひ ean Ⅲ r Acts) 」, 1972 年に「水質汚濁防止法. (the Oean Water Act) 」, 1976 年に「資源保護 回復 法 (the Resource. ConserVatlon and RecoVerY Act) 」カミ帝 定 され,そして1980 年 @ 「包括的環境対処・ 補償・責任法 (the. 後のサイト㈹ 所有者や運搬業者も 含んで い る・ スーパーファンド 法では,加害者の過失の有. 特に土壌汚染への 対応に影響を 与えた・ アメリカでは 30.000以上が汚染サイトとして. 無を問わず責任を 追及する厳格責任 (Strict L iab ilit 目 , 複数の潜在的責任当事者 (PotentialResponsible Parties) を一体として 賠償責任者にする 連帯責任 (Jointand Several Ⅱ abilityⅠおよび現在のサイトの 所有者のみな らず,過去の 所有者や管理者にまでも 責任が遡 って追及される 遡及責任 (Retroact 山 e Liability) が追求可能であ る ". よって,現在, 土地を所有していないからといって 土地を浄. 認識されており ",. する責任がないわけではなく ,. こ. Ⅱ. omp. Ⅰ. ehenslVe. C0mpensatlon 一. EnVlronmental. and Llablllty Ac. Response, 七. )」. (通称,. ス. パーファンド 洪) が 制定された. このスーパ. ーファンド法が 企業の環境問題への 関心を高め ,. ヨーロッパ諸国のデンマー. ィじ. また,購入した. 110.000サイト, イギリスでは 75.000から 100.000サイトが汚染サイトとして 認識されて. 土地が汚染していた 場合でも浄化責任が 生ずる. いる " . また, 日本では,汚染の 可能性のあ る. スーパーファンド 法による浄化費用は 数億円 から数十億円になる ". 莫大な浄化費用を 支払. ク では. サイトは 400 . 000 を超え,そのうち浄化が必要 なサイトは 30 , 000 弱から 70 , 000 サイトという 調 査結果があ る " . スー・ @ パ ー一. ファンド法は ,環境保護庁 (the. Envifonmental Pr0tection Agency : EPA) に 環境へ排出された 有害物質を除去する 権 限を与 えており, EPA は全国浄化優先順位表 (the NationalPriorities Ⅱ st:NPL) に汚染サイトを 登録し , 「スーパーファンド」という. 基金を用. いて汚染された 土壌を浄化し ,汚染サイトの浄 化 費用を有害物質の 処理に関与した 全ての責任 当事者に負担させるのであ る,。 ,.. のであ る.. わなければならないことから ,アメリカの企業 はスーパーファンド 汝等を遵守することに 伴う. 環境負債に高い 関心をもち,財務会計基準審議 会 (FASB Ⅰ,財務会計基準審議会・ 緊急問題 専門委員会 (EITF), 証券取引委員会 (SEC) およびアメリカ 公認会計」: 協会 (AICPA) 等 の会計基準等が 環境会計のガイドラインとして 用いられているのであ る. これらの会計基準等は , 主として,環境コス. トの 資産化ないし 費用化の問題や 環境負債の処 理の問題などが 課題となっている.. 責任当事者は , ①現在のサイトの 所有者また. 環境コストの 資産化ないし 費用化の問題では ,. は管理者,②有害物質の 処分当時の所有者また. まず環境コストを 明らかにしなければならない.. ent,. 例えば CICA は環境コストを 次のように定義し ている.環境コストは ,環境対策コストと 環境. 23) 竹ケ原 啓介「わが 国 環境修復産業の 現状と. 損失からなっており ,環境対策コストは「環境 汚染の防止,削減もしくは 浄化,または再生 可. 2l) John Colller, T 万 e Corporate En ㎡ronm Prentice Hall, 1995, p.28. 22) John Colller,Ibid p.45. ‥. 課題 一 地下環境修復に 係る技術と市場 一 」調査,. 日本投資政策銀行, N 0.3, 1999 年 ¥0 月, 54-55 頁・ にの調査結果に 示された汚染サイト 数は , サイト の 規模が違 う ので単純には 比較できない・ ) 24) John Colller.Ibfd p.27-28. ‥. 25) John COllier, Ibid p.28. ‥. 26) 環境監査研究会編『環境監査入門 清新聞社, 1992 年, 53-54 頁. コ ) 環境監査研究会編,前掲 書 , 62 頁.. コ. 日本経.
(12) 52@ (@52@). 横浜経営研究. 第 23 巻. 能 資源もしくは 再生不能資源の 保護のために ,. 事業体によってまたは 事業体のためにその 他の 者によってとられる 措置に関わるコスト」であ り,環境損失は「環境に 関連して.見返れ) や 便 益なくして事業体に 発生するコスト」であ る 盤 .. 特定の環境コストを 資産として計上 : するか否か ほついては判断基準が 必要であ る.その判断基 準として, CICA は環境コストの 資本化につい て二つのアプローチを 示している ".. (1) 将来便益の増加アプローチ Future-BeneⅢ sAppr0ach). (Increased-. 固定資産に関連する 新たなコストが 資本化さ れる場合は,かかる 資産による将来の 期待 経 済 的便益の増加を 伴わなければならない. (2) 将来便益の追加コストアプローチ (Add ⅢonalCost-oヰ Fu(ure-Bene6tSApproach) 固定資産に関連する 新たなコストは ,それが 資産からの将来の 期待経済的便益の 追加的 コ. ストであ ると考えられる 場合に資本化される.. (1) のアプローチはコストが 便益を増加さ せる場合に資本化されるものであ り, (2) の ア プローチは将来の 期待経済的便益が 必ずしも増. 加する必要はなく ,資産の追加的コストであ る 場合に資本化されるものであ る.例えば,特定 の工場に法律などの 要請で廃水処理などの 末端 処理設備を設置したとする. (1) のアプローチ では経済的便益が 増加すると考えられないので 費用となり, (2) のアプローチでは 経済的便益 は増加しないが ,法律などの要請で設置せざる. を得ないことから 追加的コストであ るので資産 となる.. 28@ Canadian Ins 田 ute 0fChartered 亡. これはスーパーファンド 法の適用の問題に 絡ん で議論される.. 環境負債の処理にかかわる 指針としては FASB の財務会計基準 書 第 5 号 (SFAS5) 「偶発 事象の会計」や 財務会計基準審議会解説者第 14 号 (FINl4) 「損失金額についての 合理的な見 積り」等の会計基準が 適用される. SFAS5 に ょ れば,負債の発生する可能性が 高く,損失の 金額が合理的に 見積もり可能ならば 負債として 計上される. SFAS5 は負債性引当金にかかわ る基準であ り, これを土壌汚染等に 適用するの であ る. また, FIN14 は SFAS5 の解釈指針であ り,特定の金額を 見積もることができない 場合 でも,最低見積り 金額を公表すべきであ るとし ている,。 ).土地に関連した浄化費用に高い 関心. が寄せられ,負債性引当金や 偶発債務等が 頻繁 に引用されているのであ る. それ以外に EITF89-13 「アスベスト 除去コストの 会計」, EITFg0-8 「環境汚染処理コストの 資本化」,そ して ElTFg3% 「環境負債の 会計」等が指針と して定められている. それでは,アメリカにおける 環境負債はどれ ほど開示されているのであ ろうか.表7 は ,. ア. メリカ企業の 財務諸表における ,脚注での環境 負債関連項目の 開示状況を示している. 表 7 は, 1985 年 6 月末から 1995 年 6 月末までの 財務諸表において ,. AICPA. (American. Acc0unting of Certified Public Accountants) の NAARS (Nati0nal Accounting Automated Research System) データベースで「環境負債」 を検索項目として 検索し,開示状況をまとめた 表であ る. これをみると , 1985 年 6 月末の時点 では,検索企業4,218 社のうち「環境負債」を 開示している 企業はなかった. 1990 年 6 月末の 時点では, 4,152社中 20 社 (0.48%) が「環境負 債」を脚注で 開示してお @), そして 1995 年 6 月 0 9. 年, 8 9 g lⅠ. 社 世 新. 幸| 三口 ム百. 環境. ほ克. 彦. 國 吾. )) 日. 4 9. ・. 次に環境負債の 処理に関する 問題であ るが,. ㏄ 参プ. Acc0untantS, en[a/ Cosrs and L 劫 biJ7fies:A ccou 何百 血 9 and n 田 ncia7 Repor inど fssues, 1993. p,V. (平松 一夫・谷口智香 訳 「環境会計一環境コストと 環境 負債 刊 , 1995 年, 7 頁 ). 2g) CICA. Tb ㎡- pp28-40 (平松一夫・谷口智香 訳 ,前掲書 , 5676 頁 ).. E 丘 、 ィ ronm. 第 1 号 (2002).
(13) 有価証券報告書における 表7. AlCPANAARS 開示状況. 環境会計情報の 開示についてⅡ 、 Ⅱ @ 劇. データベースを 用いた脚注での 環境負債に関連した 項目の (environmental@iab Ⅲ y) ). (検索項目「環境負債. 総財務諸表数. 財務諸表年月. 」. 環境負債関連項目開示企業数. 1984 年 7 月 - 1985 年 6 月 4.218 198.M年 7 月 - 1986 年 6 月 4,220 1986 年 7 月 - 1987 年 6 月 4.201 1987 年 7 月 - 1988 年 6 月 4.201 1988 年 7 月 - 1989 年 6 月 4.200 1989 年 7 月 - 1990 年 6 月 4.152 1990 年 7 月 - 1991 年 6 月 4,143 4.098 1 ]991 年 7 月一 l㏄ W 年 6 月 4.221 1992 年 7 月 - 1993 年 6 月 1993 年 7 月 - 1994 年 6 月 3,800 1994 年 7 月 - 1995 年 6 月 950 (HijSi :@Sarah@D. StanWck , "Understandi g@SoP96-1:@Reporti g@En Ⅴ ronment@@ Corpo 俺 te AccolJn ㎞ g あ Ffn 皿 ce.g (1@ ,Autumn l997.p.58.) ・. 表8. アメリカ仝業の 財務諸表脚注における. イ目キ. 0 1. I. ワる. 0 . 02. 0.05 0.17 0.31. 2 77. 13 20 26. 0 48 ・. 0 63 ・. 1.34 1.80 4.37 10.53 , Journ@@ of. 76 166. 100. ( ) 0.00. I. Ceanup@LaUlities". 回答企業数. 645 社に対する割合. (%). . 特記事項. 特記事項 一般的問題. 事項なし ト般的 環境開示 2. 問題の性質. 23 29 116. ). 施設・埋立地の 浄化. 4 4. 18. 92 22. 大気汚染 有害物質の漏出 その他. 14. 16. 3 l 2. 88. 14. 3 2. 0 0 6. 4. 3. 問題の原因 スーパーファンド 法による債務. 地下貯水槽からの 流出 アスベスト汚染. その他 4. 改善 費 一定の金額の 開示. 39 24 13 60. 一定の範囲の 金額の開示. 測定不能 5. 害Ⅰ. 環境,情報の 開示 (1991 年 ). 開示内容 1. (@53@)@53. 法的訴訟の有無 有 皿. 廿 Ⅱ. 2 9. 63. 10. つ. 7. l. 同 白い. 43. 7j り. 低い. 77. l. l. 0. 13. ワ. 6. 負債の可能,性 なし 7. 利益への影響. 有一金額の開示 有一金額 無 開示 皿 8, 企業への影響 重大な影響があ る 重大な影響はな い 影響に関する 注記はな い. (出典 :Kreuze,Jerry. p.39). 。 ef 丘り, qⅤ hat Companies ,Are Repordng. ,"ル上日り. 召. 2. 8. l. 16. 2. 10 127 31 gemenf-Accoun. @ワ. 20 コ 「 打月. 9. (Ⅰ㌦ んA. ノ. , July l996.
(14) 54 ( 54 ). 第23 巻. 横浜経営研究. 末 では 950 社中 100 社 (10.53%) が開示してい る. 1995 年 6 月末の検索企業数は ,前年までと 比べて少ないが ,「環境負債」を脚注で開示し ている割合で 考えると 10% を超えていることか. 第 1 号 (2002). とになり,企業経営に 与える影響は 非常に大き いことから,環境負債に 非常に高い関心がもた れている・. 環境負債は,その認識,測定に関する問題が. ら, アメリカでは 今後も財務諸表における 環境. 重要であ る. 第. 会計情報,特に環境負債に関連した 事項の開示 が展開されていくことが 推測される.. FASB の SFAS5 やその解釈指針であ る FTNl4 は, 偶発事象一般に 関する指針で 環境負債に特化し. また,表8 はスーパーファンド 法に関連して ,. アメリカの企業の 財務諸表脚注でどのような. 内. 容 が開示されているかを 示した表であ る. 表 7 では「環境負債」に 限定した項目であ っ たが,表8 は財務諸表の 脚注でど ク ) ような環境. 情報が開示されているかを 示している. これを みると,「2. 問題の性質」における「施設・ 埋 立地の浄化」,「 3. 問題の原因」における「ス """/ " 一 ファンド法による 債務」および「地下財 Ⅱ. 水槽からの流出」等は 土壌汚染に関連した 開示 であ り,土壌汚染への 関心の高さが 表れている. また,「5. 法的訴訟の有無」,「6. 負債の可能 性 」,「7. 利益への影響」および「 8. 企業への 影響」等は,土壌汚染等の 環境問題が企業経営 に大きく影響を 与えることから ,環境情報を財 務諸表で開示していると 考えられる. アメリ. ヵ. のスーパーファンド 法 等の厳しい環境法規制は ,. 企業に環境問題への 対応を求め,それに応じた 会計処理を財務諸表で 開示するというところに まで影響を与えているのであ る. 4 . おわりに. 本稿では, 日本の有価証券報告書における 環 境会計情報の 開示状況について 調査を行った. その結果, 日本の財務諸表での 環境会計情報の 開示はあ まり進展していないことが 判明した. 日本における 環境会計は「環境報告 吉 における 環境会計」が 先行しており ,「財務報告書にお ける環境会計」は 今後の課題となっているのが 現状であ ろう. また, アメリ ヵ では,スーパーファンド 法と いう 厳しい環境法規制があ り,企業が土壌汚染. を引き起こすと ,莫大な浄化費用を 負担するこ. 3. 章で取り上げたよ. う. に. たものではないが ,関心の高い 土地浄化等にか. かわる現在および 将来の支出であ る環境負債に 適用されており ,財務諸表への計上に関する 判 断基準として 用いられている. また,環境負債 の計上時期については 次のような議論もされて いる.すなわち,環境負債は,浄化すべき環境 汚染が発見された 時点で浄化に 要するコストを 認識・計上するべきであ るが,実際には,浄化 調査を実施しないと 浄化コストの 見積りが困難 な場合も少なくないため ,浄化調査の実施中も しくは完了時点で 認識・計上する 場合もあ る ". 日本ではこのような 議論がみられず ,アメリカ では環境負債の 議論が進んでいるのは ,スーパ 一 ファンド法の 存在が非常に 大きいと考えられ る. ・. 先述したように ,. 日本の土壌汚染サイトに 関. する調査で, 汚染の可能性のあ るサイトは 400,000 を超え,そのうち浄化が必要なサイト は 30.000弱から 70.000サイトという 調査結果か ら, 日本でも土壌汚染の 浄化費用を考慮した 会 計的な措置を 取らざるをえない 必要性に迫られ る 可能性があ る.つまり,今後の 財務会計の展 開として,財務諸表で環境会計情報を 開示する という情報要求が 出てくることも 予想される. 土壌汚染の浄化に 関連した法規制が 立法化され ると ", 企業経営に多大な 影響を与えることか ら ,こうしたことに対処できるように 取り組ま なければならないのであ る.. また,環境会計情報には ,環境負債ばかりで はなく,環境コストや 経済効果などもあ る. 特 に 環境コストはさまざまなコストに 埋もれてい 31) 園部克彦,前掲書 , 91-92 頁.
(15) 有価証券報告書における. 環境会計情報の 開示について. (小川 @ 老 ). ( コ""。 ) り""D. ることから,環境コストをどのように 認識し,. は 51.2% の企業が環境会計情報を 環境報告書に. 測定するのかが 重要であ る.環境会計情報とし. 掲載しており , 2001 年調査では 80.3% が環境会. て,環境コストの認識・測定も 今後の重要な 課. 計情報を掲載していたことから ,環境報告書で 環境会計情報を 開示する企業は ,今後も増加し ていくことが 推測される.それではなぜ,環境 報 古書で環境会計情報を 開示する企業が 増加し, 財務報告書での 環境会計情報の 開示が進展しな. 題であ り,環境負債と同様に環境コストの 認 識・測定の発展が 期待される. 企業は,事業活動で 環境負荷の発生の 防止, 抑制,除去および被害の回復等の 環境保全活動 に取り組み,その活動の結果を 環境報告書で 開 示している.環境報告書には 環境負荷物質に 関. いのであ ろうか.. 財務報告書において 環境会計情報を 開示しな. 連 した物量情報や ,支出した環境コストや 投資. い 理由は,企業会計制度において「法的,社会. 額,効果等の 環境会計情報が 掲載されている ,. 年の傾向からして ,今後も環境報告書を 作成す る企業は増加するものと 考えられる.. 自りに要求されていない」ことがあ げられるが, しかし,財務報告書と 環境報告書における 情報 利用者を考えると ,前者は株主・ 投資家・債権 者等であ り,後者はそれら 以外にも行政・ 消費 者 ・地域住民・ 従業員・その 他等の多様な 情報 利用者が想定される.こうしたことから ,環境 報告書で開示されている 環境コストや 経済効果 等の環境会計情報は ,財務会計で開示されてい る情報とは異質のものであ ると考えている 企業 もあ る.情報利用者の意思決定に役立つ 会計情 報の有用性の 観点からすると ,財務会計と 環境. そして,先述した環境報告書の 2000 年調査で. 会計の目的が 異なっているのであ る.財務会計. こうした環境報告書に 関する 1998 年度の調査 で ", 環境報告書等を 作成し,公表している企 業数は,東京・ 大阪・名古屋第 1 部および第 2 部 上場企業 2,398 社のうち 116 社が環境報告書等で 環境関連情報を 開示している.そして 2000 年度 の 調査では, 4, ,東京・大阪・ 名古屋第 1 部 おょ び第 2 部上場企業 2,556 社のうち 274 社が環境報 告書等で環境関連情報を 開示している. ここ数. 32) 日本では, 2002 年 2 月 15 日に「土壌汚染対策 法案」が閣議決定され , 第 154 回通常国会に 提出さ れる. この法案は, 土壌汚染の状況の 把握に関す る措置およびその 汚染による人の 健康被害の防止 に関する措置を 定めること等により ,土壌汚染対 策の実施を図り , 国民の健康を 保護することを 目 的としている. そして,都道府県知事が土地の土 壌汚染により 人の健康被害が 生ずるおそれがあ る と認めたときは , 当該土地の所有者等に 対し,汚 染除去等の措置を 構ずることを 命ずることができ. 土地の所有者等が 汚染の除去等の 措置を講じたと きは,汚染原因者に対し これに要した 費用を請 求 することができる. 33) 地球・人間環境フォーラム 「平成 10 年度. 環境にやさしい 企業行動に関するアンケート 調査 報告書』 1999 年 3 月, 42 頁. 3 む地球・人間環境フォーラム「平成 12 年度 環境にやさしい 企業行動に関するアンケート 調査 報告書」 2001 年 7 月, 61 頁 . (本稿は,横浜国立大学経営学会「 合崎 研究助成金 プロジェクト」の 研究成果であ る. 記して感謝申 し上げる.). は企業の経営成績および 財政状態を明らかにす る役割があ り,環境会計は 事業活動で環境負荷 の 発生の防止,抑制,除去および 被害の回復等 の環境保全活動を 行った結果を 金額情報ならび にそれに付随した 物量情報で明らかにする 役割 があ る.財務報告書では ,財務会計情報利用者 の 目的に適った 環境会計情報が 開示されなけれ. ばならない・それは ,例えば,先に 取り上げた 土壌汚染サイトの 浄化や汚染の 予防措置という 将来発生する 可能性のあ るリスクに関連した 環 境負債の情報や 環境保全活動に 取り組んだ結果 を 示す環境コストやその 経済効果等,財務会計 情報利用者の 意思決定に役立つ 情報であ る.そ のためには,財務会計と 環境会計がリンクする とともに,環境会計情報の 財務会計基準が 設定 されなければならないであ ろう. ( おがわ. てつひこ. 横浜国立大学大学院. 国際社会科学研究科博士課程後期. コ.
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図
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