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幼児の社会的引っ込み思案行動及び気質と父親の養育スタイルに関する研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. 幼児の社会的引っ込み思案行動及び気質と父親の養育スタイルに関する 研究. Author(s). 戸田, 須恵子. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 49(2): 23-35. Issue Date. 1999-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/156. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (教育科学編) 第49巻 第2号. 平 成11年 2 月. 2 49 ion)VOI ion (日d ty of Educat Journal of Hokkaido Uni ucat versi - ‐ ,No.. February,1999. 幼児の社会的引っ込み思案行動及 び気質と父親の養育スタイルに関する研究. 戸. 田 須恵子. 北海道教育大学釧路校教育心理学研究室. イ ン トロ ダク シ ョ ン. 攻撃的行動と親の養育態度に関する研究はこれまで多くの研究者によって研究され, 攻撃的行動は仲間関 i 係 か らの拒 否 ある い は学校 や 社 会 へ の不 適応 と 関係 がある こ と を明 らか に してきた (Asher & Co e . ,1990). 最近になって仲間からの拒否は, 攻撃的行動を示す子 どもだけでなく, 社会的引っ 込み思案の子どもも仲間 から拒否されていることが明らかになり, 攻撃行動と同様, 社会的引っ 込み思案が注目されてき て い る. (Harrist,Zaia,Bates, Dodge,&. Pett i l t son,Jin, 0l sen,Nel son, Wu,Robinson, , 1997;Hart ,Yang, Ne. & Porter, 1998) ‐ Asendorph は, 社 会 的引 っ 込み思 案 の子 ども が仲 間か ら 拒 否 さ れ る 過 程 を 次 の よ う に 説 明 している. 社 会 的引 っ 込 み思 案 の子 ども は通 常仲 間 と のイ ンタ ー ラク シ ョ ンが少 な い ため社 会 的ス キ ル. が十分発達しておらず, その結果仲間との関係がスムーズに運 ばず仲 間は次第に一緒に遊ぶ事を避けるよう 90) になる (19 ‐ 社会的引っ 込み思案が攻撃行動と同様, 学校や社会への適応に関して危険性を持っ ている と 考 え ら れて いる こ と に対 し, Younger & Dan i l e s (1992) は, す べ ての引 っ 込み思 案 の 子 ども が 社 会 的. 不適応を起こしたり, 仲間から拒否されるのではなく, 仲間から拒否されその結果, 仲間から孤立してしま う子どもが将来的には要注意を要する子 どもであって, 一人遊びを好む傾向を持つ子どもは対人関係の問題 を持つことはなく, すべてを引っ 込み思案の子どもとして分類することには問題があると論じている‐ 従来 の研 究 か ら一 般 に, 社 会 的引 っ 込 み思 案 は2つ のタイ プ に 区別 さ れ て い た が, 後 にCoplan, Rubi n, Fox , Ca‐ lkins, & St t(1994) がさ ら にもう 一 つ のタイ プを 付 け加 え た. 3 つ の タ イ プと は, 受 動 的 孤 立 ewar (Sol i tary Pass i i i i tary Ac t t - ve) ve) cence ) , 積 極 的孤 立 (Sol , 控え め な 孤立 (Re. である‐ 受動的孤立 行動は, おもちゃ を使用して遊び, 仲間と遊ぶより一人で静かに物を探索して遊ぶことを好む行動と定義さ れ, 非社交的行動とも言われている. 積極的孤立行動は, おもちゃ は使用しないで感覚運動的な遊びを好み, どちらかというと発達的には未熟な段階の行動を示すと考えられている. さらに, このタイ プには, 仲間か らの拒否のため孤立している子どもも含まれる. 控えめな孤立行動は, 仲間の遊びには加わらないで仲間の. 周 り をぶ らぶ ら してい る 行動 と定 義さ れる. (Coplan e 1994) t al ‐ ‐ . こ の仲 間の 遊 びに参 加 で き な い 控 え め ,. な孤立行動は仲間への接近-回避の葛藤状態にあるためにこのような行動をとっ ていると考えている研究者 も いる (Asendorph, 1991)‐ Asendorph は見知らぬ仲 間との遊びに参加するまでのこの葛藤状態の解決. 方法によって子 どもの行動特徴が異なるのだと考えている. ある子どもは仲間の遊びに参加するだろうし, ある子どもは参加をあきらめて一人静かにおもちゃで遊ぶかもしれない. 彼はこの葛藤状態が極端に長く続 lnh i b i i l く子どもを抑制された子ども ( d) と呼び, この抑制された子 ども達は その葛藤状態を克服 t ed Ch するために仲間が遊んでいる周りで平行的遊 びをするのだと説明している. しかし, 彼女の4歳児, 6歳児, 8歳児の行動観察による縦断的研究結果では, 非常に抑制された子どもは年齢が上がるに従って受動的孤立 23.

(3) . 戸. 田 須恵子. 行動に移行する率が高い事, 又抑制傾向を持っ た子どもと非社交的な子どもとの差異は年齢とともに区別が つ か なく なる 事, 引 っ 込み 思案 行動 に は性差 が見 ら れない こ とを 報 告 している. Coplan ら (1994) は 控 え. めな孤立行動は不安と関係があり, このような子どもは母親から恥ずかしがり屋と見られていること, 受動 的及び積極的孤立行動を示す子どもには不安は見られない事を報告している. このような結果は, 社会的引っ 込み思案という特質は情緒的側面や不安といった特質とも関係があるように思われる. 又, 社会的引っ 込み 思案の子どもの性格特徴に恥ずかしさも含まれているが, この恥ずかしがり屋という性格特徴は文化によっ て異 なる よう である. Chen 99 1 5) n , Rubi , & Li の研究では ( , 西洋文化においては恥ずか しさは比較的. 否定的要素が強いが中国や日本においては, 幼児期の恥ずかしさはむしろ好意的な性格特徴として捉えられ ており, 小学低学年で好意的に見られていた恥ずかしさも高学年になると否定的に考える傾向があり, 仲間 からの拒否につながることを明らかにしている. このように社会的引っ 込み思案は個人差や文化差が見られ, 90) は年齢的に変化するのは7歳と思春期前ま 年齢とともに変化していることがわかる. Asendorph( 19 での 間 に変 わる こ と を示 唆 して いる. 気 質 は生ま れつ き 持 っ て いる 性格 的特徴 と して 考 え られている(Buss & P1 omi n , 1984). 彼 ら は 気 質 を iona l i i 工mpul i i iabi l i i ty)の 理論的には情緒性 (Emot ty), 衝 動 性 ( ty) t ty) s v v , 活動 性 (Ac , 社 会 性 (Soc 4 つ を提 案 して いる. 一 般 に気 質 に関 する 研 究 と して はThomas rch (1968) の ニ ュ ー ヨ ー , Chess , & Bi. ク縦断的研究が知られているが, 乳児期の気質の測定では Carry の開発した気質に関する質問紙が使用さ れている‐ しかし, 親の評価によるため, 観察による結果との関連性が薄いことからその信頼性は議論の的 にさ れる こ と が多 い. Rowe & P1omi omin らの気 質項 目と ニ ュ ー ヨーク 縦 断 的 研 n (1977) はBuss & P1. 究との関連性を見たところ, 因子間の一致が見られたのは社会性だけであった‐ 他の関連した因子は相互に 名前が違っていた‐ このような結果は, 気質に関しては因子から明確に区別することが困難である こ とを示. 唆 し て い る.. Rubin LeMare & , ,. 990) は, 社会的引っ 込み思案行動が仲間から拒否されるよう Lo l l i s(1. になるまでの過程として気質を原点とする2つの道すじを仮定している‐ 一つは, 乳児期における気むずか しさが育児困難をもたらしそれが母親の養育行動に影響を及ぼし, 親は子どもの気むずかしさをコントロー ルする為に権威主義的養育態度で接し, 母親のそのような行動は子どもに不安定, かつ敵対的意識を生じさ せ, 幼児期には敵対的, 攻撃的行動パターンを示し, 子どもは仲間から孤立していくというものである. 第 2の道すじは, 社会的刺激や新奇さの覚醒の闇値が低い乳児の場合で, このような乳児に対して母親は子ど もに敵意, 感受性のなさ, 愛情欠如, 応答のなさ, 無視といった態度を示す‐ こういった親の態度は不安定 なアタッチメントを形成し, やがて親は子どもに放任あるいは許容的な態度を示すようになる. 初期のネガ ティ ブな感情は仲間との関係において引っ 込み思案の度合いを過大にさせる‐ 素因的な抑制と不安定感を伴 う引っ 込み思案は仲間からの拒否要因となるという道すじである. しかし, 乳児期に持っ ていた生物学的要 素の強い気質は親子関係や乳児を取り巻く環境によって一部変わっていくものもある (Kagan ) . ,1997 父親研究は母親研究より少ないものの, Lamb( 97 6 1 ) の研究以来子どもに与える影響要因として父親の 重要性が注目されてきた (Har 197 9) 993 tup ;牧野, . 最近日本でも父親研究が注目されてきている (柏木,1 , 996) 中野, 柏木,1 . しかし, 多くの日本における研究は実際の接触時間や育児時間に関するものが多く(加 藤, 中野, 土谷, 小野寺, 数井,1 996) , 子どもの社会的行動との関連性を見た研究は日本ではあまり見あた らない. 我々は父親の養育スタイルと攻撃的行動との関係を以前の紀要で報告した (1998) ‐ 結果は父親の 体罰的行動と幼児, 特に男児の幼稚園での暴力・破壊的行動と正の相関が認められたことを報告した. これ らの事から, 父親の養育スタイルは攻撃行動と同様, 社会的引っ 込み思案とも関係があるのか, 又, その関 係には性差が見られるのか検討する事が必要と思われる. 本研究の目的は幼児の社会的行動のうち, 引っ 込み思案行動に焦点を当て, 1) 先行研究で明らかにされ 24.

(4) . 幼児の社会的引っ 込み思案行動及び気質と父親の養育スタイルに関する研究. た 3つ のタイ プが日本 の デー タ でも 因子 分析 によ っ て抽 出さ れる の か, 2) 社 会 的引 っ 込 み 思 案 行 動 と 父 親. から見た幼児の気質及 び父親の養育スタイルとの関連性を見る ことによっ て父子関係を明らかにする. 又, 先行研究から, 社会的引っ 込み思案行動には性差は見られないことが予測される‐ 方. 法. 0幼稚園に通っている4歳以上の子どもを持つ両親に研究への参加を求め, 承諾した親にアンケ ー 被験者:1 トを配布した. 186人の父親から協力 を得た. 母親と父親からアンケートは得られたが, 本研究では父親 3名) 3名, 女児10 と子 どもとの関係に焦点を当て父親のみのデータを分析する (男児8 . 幼児の年齢は平均 23年) 3 2年 (範囲9‐ 2歳) 5 81ヶ月) 9 63 8ヶ月 (範囲3 ‐ ‐ ‐ , 教育年数は平均1 ‐ , 父親の平均年齢は36歳 (範囲26 であ っ た‐. 手続き:質問紙は幼稚園を通じて直接, または子どもから両親へ手渡された. 最初母親へのアンケートを2 回に渡っ て配布した. 母親のアンケートが終わっ た後で父親用アンケートを配布し2週間後に回収した. 又, 先生に各幼児の社会的行動に関して評価してもらった. 今回の分析に使用したデータは, 父親の養育 スタイル, 父親から見た子 どもの気質, 先生の評価による幼児の社会的引っ 込み思案についての行動評価 である. を i 質 問紙 : 親 の養 育ス タイ ル に 関 して は, Baumr nd (1966 ,1971) が開 発 した 質問紙 使用 した‐ 又 気 質 に 関 し て はBuss &. 1984) らの質問紙を使用している. 父親用は親の養育スタイルに関する質問 P1 omi n(. 紙と子 どもの気質に関する質問紙の2種類で, 先生用は幼児の社会的行動に関する質問紙である. 4項目からなっており, 評定は3段階評定 1) 社会的行動に関するアンケート一引っ 込み思案に関しては4 にな っ て いる (0 - 全く 見 ら れない, 1 - 時々 見 ら れる, 2 -よく 見 ら れる) ‐. 2) 子どもの気質に関するアンケート一52項目からなり4段階評定で回答するようになっ ている (1-全 く 当 て はま らな い, 2 - ほと ん ど当 て はま らな い, 3 - 少 し当て はまる, 4 - か なり当てはまる, 5ー 非常 に当 て はまる) . 3) 父 親 の養 育ス タイ ル に関 する ア ンケ ー ト一62項 目か らなり, 5段 階評 定 で 回答 す る よ う に な っ て い る (1- 全く そう でな い, 2 - たま にそう である, 3 - 半 分く らい そう であ る, 4 - し ば し ばそう である, 5 - いつ も そう であ る) .. これらの質問紙は英語版であるため日本語に翻訳して使用した‐ 翻訳された日本語の質問紙は専門の翻 訳家 に よ っ て バ ッ ク トラ ンス レー シ ョ ンがなさ れて いる.. 結. 果. 因子分析による因子の抽出 子どもの社会的引っ 込み思案行動に関する44項目は因子分析 (バリマックス回転主成分分析) によって5 因子を抽出した (非社交的, 仲間の周辺を紡錘, 拒否的引っ 込み思案, 恥ずかしさ/不安, 感情的/未熟- 9%であった. 第1因子は11項目から成り, 一人で 各因子の項目に関しては資料1を参照の事) . 寄与率は5 遊ぶ事を好む行動, 仲間と離れて一 人で遊ぶといっ た項目で構成されているので”非社交的” と名づ けた 2項目から成り, 仲間の周辺をぶらぶらしていて仲間と関係を持たないといっ 9 2) (A1 pha=‐ ‐ 第2因子は1 た項目で構成されているので”仲間の周辺を紡錘“ と名付 け た (A1pha=89)‐ 第3 因子 は9 項 目 か ら 成 り, 仲間から好まれない, 拒否され孤立している項目で構成されているので”拒否的引っ 込み思案” と名付けた 25.

(5) . 戸. 田 須恵子. (A1 ) pha=86 . 第4因子は8項目から成り, 恥ずかしがり屋, おとなしい, 仲間と一緒 にいることが不安で あるといっ た項目から構成されているので”恥ずかしさ/不安“ と名付けた (A1 4) pha=8 . 第5因子は4 ” 項目から成り, す ぐ感情を顔 に出すといっ た項目から構成されてい るので 感情的/未熟“ と名付けた. (A1pha=63). Tabl e動こは各因子別に得点が示してある. 各因子得点は因子の中に含まれる 項目の合計得 点として計算されている. 各因子得点を見ると非社交的得点が最も高く 拒否的引っ 込み思案の得点が最も , 低い‐ この得点の低さは仲間から拒否されるが故に引っ 込み思案になる子どもはあまりいないと言える し ‐ かし, 中には非社交的得点として1 9点 (最高22点まで) の幼児もいる. 社会的引っ 込み思案に関しで性差が 見られるか分散 分析によっ て見たところ, 第5因子 ”感情的/未熟“ に有意差 が見 られた[F(118 , 4)= 5 8 0 05 ] 95点, 女児1 46点) p<‐ . ‐ 得点を見ると女児の方が高く (男児. , . , 女児の方が何か につけてす ぐ感情 を顔に出すという結果である‐ 子 ども の気 質に関す る. Tab l el ‐ 社 会 的引 っ 込み思 案 行動 の 因子 別 得 点. 52項 目 は 因子 分析 (バリ 因. マックス回転主成分分析) によ っ て6 因子抽 出 した (Tab l 5 e2) . 寄 与 率 は48 . % であ っ た. 第1 因子 は 13項 目 か ら成 り, 否 定 的. 第 1 因子 第2 因子 第3 因子 第4 因子 第5 因子. 子. 項. 目. 得 点(SD). 非社 交 的 仲 間の周 辺 を紡 偉 拒 否 的引 っ 込み思 案 恥 ずか しさ /不 安 感情 的/ 未熟. 最高得点. 2 05 (3 45) . . 1 6 3 ( 2 93) . . 4 7 (1 92) . . 1 87(2 54) . . 1 2 3 ( 1 44) . ‐. 19 00 ‐ 19 0 .0 15 00 ‐ 00 15 ‐ 7 00 .. 感情を表す項目から構成 されているので”感情的/うつ的” と名付 けた. 第2因子は11項目から成り 集中力のない 落ち着きのな , , い と い っ た項 目 から構 成さ れて いる の で “衝 動 的/ 落ち着 き がな い“ と名付けた 第3因子は1 0項目からな . り, 活動的な遊びを好むといっ た項目から構成されているので”活動的/エネルギッシュ” と名付けた 第 . 4因子は7項目から成り, す ぐ友達ができないあるいは恥ずかしがり屋といった項目から構成されているの で”恥ずかしがり屋/非社交的“ と名付けた. 第5因子は社交的行動項目から構成されているので”社交的 /自立的” と名 付けた. 第6因子は未熟な行動 項目で構成されている ので ”未熟“ と 名 付 け た Table2 .. の各因子得点を見るとどの得点もだいたい平均的な値を示している (最高5点) 最も得点が高かっ たのは . 社交的/自立的因子で3 2点である. 多くの父親が我が子は社交的で自立的と認めていることが明らかであ 7 . る‐ 又, 気質に関して性差が見られるのか分散分析を行ったところ 第2因子 (衝動的/落ち着きがない) , に有意差が認められ [F ( 1 1 7 7 ) 5 2 = 5 < 0 5 男児 3 点 0 5 女児 2 8 p ., ., ‐ , , ‐6点] , 第3因子 (活動的/エネルギッ シュ) にも有意差が認められた [F(1 17 6) =5 31 05 24点, 女児3 05点] p<‐ . . , ‐ , ,男児3 . 第6因子 (未熟) は 傾向性が見られた [F(1 17 9) =6 8 3 1 0 74点, 女児2 5 0点] . , . . ,p<‐ . これらの結果は, 男児は女児と比 ,男児3 較して活動的でエネルギッシュであり, 落ち着きのない子で未熟な子と父親から見られていることを示 して い る‐. 先回の研究報告では父親の養育スタ. Tab l e2 . 父親から見た子どもの気質の因子別得点. イ ル項 目を 因子 分析 によ っ て6 因子抽 出た が, こ の プロ ジ ェ ク ト研 究 で使用 して いる 養 育ス タイ ルの 質問紙 はBau i mr ndが 開 発 し た も の で あ る (1966 ,. 197 1 ) . 従って外国の結果と比較す る には従来から議論されている 3 タイ プ (権威的, 権威主義的, 許容的養育ス 26. 因. 子. 項. 目. 第1 因子 第2 因子 第3 因子. 感 情 的/う つ 的 衝 動 的/ 落ち 着 き がない 活動 的/ エネ ル ギ ッ シ ュ. 第4因子. 恥ずかしがり屋/非社交的. 第5 因子. 社交的/自立的. 第6 因子. 未熟. 得 点(SD) 2 76 ( . 2 95 ( . 3 13 ( .. 53) ‐ 55) . 57) .. 2 9( . 7 68) . 3‐72 ( .47). 2 59 ( . 51) ..

(6) . 幼児の社会的引っ込み思案行動及び気質と父親の養育スタイ ルに関する研究. タイル) と幼児の社会的行動との関係 を見ることが必要であると思い, 本研. 3 Tab l e ‐ 父親の養育態度の因子別得点 因. 究 で は, 父 親の 養 育ス タイ ルに 関する 62項 目 は 因子 分析 (バ リ マ ッ ク ス 回転 主成 分 分析) によ っ て最 初 3 因子 (権 威 的, 権威 主義 的, 及 び許 容 的養 育ス タイ ル) を抽 出 した. こ れら の各 因子 をバリ マ ッ クス 回転 主成 分 分析 を実 行 し下 位 因子 を抽 出 した. 第1 因子 の権 威 的養育ス タイ ル項 目か ら は5 因子 抽 出 した. 第1 下 位 因子 は, 14項 目か ら な り, 親 の 温 かさ や子 ども と 良い 関係 が見 ら れる 項 目か ら構 成 さ れている の で “温 かさ / 関 わり“ と 名 付 け た. 第 2 下 位 因子 は, 6項 目か ら成 り, しつ け方法 が説 明 的要 素 を 含 ん でいる の で. 第1 因子 第1 因子 第2 因子 第3 因子. 第4 因子 第5 因子 第2 因子. 子. 項. 目. 権威 的 温かさ / 関 わり 説 明 的/ 誘導 的 調和 的. 自信 指示 的 権威主義的. 得 点(SD) 3 34 ( ‐ 3 62 ( . 2 85 ( .. 53) . 69) . 76) .. 3‐ 59 ( .68). 2 60 ( ‐ 4 16 ( ‐ 89 ( 1 .. 62) ‐ 5 ‐0) 48) .. 第1 因子. 体罰. 21 ( ‐71) 2.. 第2 因子 第3 因子. 敵対 的言葉 理 由なき罰. 1 91 ( . 59) . 1 6 1 ( 58) . .. 第4因子. 無視. 第3 因子 第1 因子 第2 因子. 許容 的 服従 非一貫 性. 1 58) .46 ( .. 2 43 ( ‐ 03 ( 2 ‐ 2 00 ( .. 41) . 73) . 79) .. 第3因子. 親優先. 2‐06 ( .70). 第4 因子 第5 因子. ア ン ビバ レン ト 親和 的. 1 86 ( . 3 00 ( .. 71) . 64) .. ”説明的/誘導的” と名付けた 第3 ‐ 下位因子は4項目から成り, 子 どもと良いつき合いといった項目で構成されているので”調和的” と名付 け た. 第4下位因子は6項目から成り, 親としての自信のある養育的姿勢が見られる項目から構成されている ので ”自信“ と名付けた. 第5下位因子は3項目から成り, 子どもへの指示的行動項目から構成されている ので”指示的” となづけた. 第2因子の権威主義的養育スタイル項目からは4因子抽出した‐ 第1下位因子 は6項目から成り, しつけ方略と して体罰を用いるといった項目から構成されているので”体罰” と名付け た‐ 第2下位因子は4項目から成り, 体罰よりもネガティ ブなことばを使用したしつけ方略的項目から構成 されているので”敵対的言葉“ と名付 けた. 第3下位因子は4項目からなり, 説明しないで親の気分で罰す る と い っ た項 目か ら構 成 さ れている の で ”理 由の ない罰” と名 付 けた‐ 第4下 位 因子 は2 項 目 か らなり, 子 ども の 間違 っ た行 動 を無視 す る とい っ た項 目が含ま れている の で ”無 視“ と名付 けた. 第3因子の許容的養. 育スタイル項目からは5因子を抽出した. 第1下位因子は4項目から成り, 子どもの言いなりになるという 要素が含まれているので”服従“ と名付けた. 第2下位因子は3項目から成り, しつけ方が一貫していない 項目から構成されているので”非一貫性“ と名付 けた. 第3下位因子は2項目からなり, 親優先的態度の見 ら れる 項 目 が含ま れて いる の で ”親優 先“ と 名 付 けた. 第 4下 位 因子 は2 項 目か ら成り, 親の ア ン ビバ レ ン トな気 持ち の項 目 が含ま れて いる の で ”ア ン ビバ レン ト” と名 付 けた. 第 5下 位 因子 は2 項 目 か らなり, 子. どもとの親和的関係の見られる項目から構成されているので”親和的“ と名付 けた (Tab l e 3) ‐ 各因子得 点を見ると, 権威的因子及びその下位因子が比較的得点が高く, 最も高いのは下位因子の ”指 示 的“ が4‐16 点で, 父親は子 どもに対して指示的な態度を示すことが多いことが理解できる. 最も低い得点は, 権威主義 61点)‐ こ れ ら 的養 育ス タイ ルの 下位 因子 ”無 視“ (1 46点) で, 次 に低 い の は “理 由 の な い 罰“ で あ る (1 . ‐. の得点結果から, 父親は自分の養育態度は比較的肯定的につけていることが示唆される.. 27.

(7) . 戸. 田 須恵子. 社会的引っ込み思案と気質との関係について Tab l 4は社会的引っ 込み思案と気質との相関が示してある. 殆どの因子間に相関が認められていない. e 有意な相関が認められているのは, 社会的引っ 込み思案の因子”恥ずかしさ” と気質因子の”衝動的/落ち 着 かな い“, “活動 的/ エネ ル ギ ッ シ ュ“ 及び”社交的/自立的“ とは負 の相関が認められ “恥ずかしが , り屋” とは正の相関が認められた. 特に恥ずかしくて引っ込み思案になる子どもは気質的に父親からも恥ず かしがり屋と見られており, 一致している点は興味深い. 又, 社会的引っ 込み思案の因子”仲間の周辺を紡 律” と気質の因子”社交的/自立的” とも負 の相関が認められた. 先生から仲間の周辺をうろうろしている と見られている子 どもは, 父親からは社交的ではなく自立していない子どもと見られているようである. そ の他の因子には有意な相関は認められなかった. Tab l e4 . 社会的引っ 込み思案と気質との相関 気. 社会的引っ 込み思案. 質. 因子項目. ヰホ 胎 . 感情的/うつ的 衝動的/落ち着きかない 活動的/エネルギッシ 恥ずかしがり屋. 06 . -. 08 -.12. 社交的/自立的 未熟. 05 . - -.12 ‐07. 仲 間 の. ‐04 - -‐02 -‐14 .07 -.16* .04. 否 定 的引 っ 込み思 案 - ‐0.4 06 ‐ .02 - -‐ 13 - -.01 .11. 恥 ず か しさ /不 安. 感情 的 / 未熟. -‐01 -‐ 20** -.17* 30*** . -.16* -.10. .001 -. 08 - -. 14. * <05 ** <01 *** <00 p ‐ p . p ‐ I. 01 - -‐ - -‐004 -‐ 09. N =186. 父親の養育スタイルと子どもの社会的引っ込み思案との関係について l 5は父親の養育スタイルと社会的引っ 込み思案との間の相関を示した. 表でわかるように殆 どの因 Tab e 子間で相関が認められない. 相関が認められたのは引っ 込み思案の因子”感情的“ と権威的因子の下位因子 ”説明的/誘導的” との間に正の相関が認められている 又 引っ 込み思案の因子 ”拒否的引 っ 込み思案” ‐ , と父親の許容的因子の下位因子”親優先“ 及 び”親和的” との間に正の相関が認められている だ けである. しかし, 性別によって相関を見たところ, 男児に対しては, 父親の権威的因子の下位因子”調和的“ と ”拒 ” “ 24 05) 否的引っ 込み思案” と負の相関が認められ (r= - ‐ , 父 親の 許容 的 因子 の下 位 因子 親優 先 と , P<‐ ”非社交的“ 因子との間に正の相関が認められた ( 2 3 05) r= ‐ . 女児に対して は, 父親の権威主義的 ,p<‐ 23 p< 05) 因子の下位因子”無視” と”非社交的“ と の 間の正 の相 関 が認 め ら れた (r= . ,. 28. .. ‐.

(8) . 幼児の社会的引っ 込み思案行動及び気質と父親の養育スタイルに関する研究. との相 関 l Tab e5 . 社 会 的引 っ 込み思 案 と 父親 の養 育ス タイ ル 気. 社会 的引っ 込み思案. 質. 因子項目. 権威的 温かさ/関わり. 説明的/誘導的 調和的 自信 指示的 権威主義的 体罰 敵対的言葉 理由のない罰 無視. 許容的 服従 非一貫性 親優先. 非社交的. 仲 間 の. 否定的引っ. 周辺紡径. 込み思案. 07 . 04 .. -‐ 07 - -‐ 08. ‐09 ‐08. 08 . 08 -. .09. 01 ‐ - -. 14. ‐12 06 -. .04. - -.10 07 - -.. ‐05 ‐11. 09 . .03. ‐04 ‐13 ‐11 10 . .03. .11 09 ‐ 06 ‐ .01. 07 . ‐13. -‐ 05 09 ‐. -‐02. 04 .. ア ン ビバ レン ト. 親和的. .07 .04 -.01 10 ‐. 恥ずかしさ /不 安 002 ー. -‐01 09 . -‐02 -‐11 - -.07 -‐03 -‐04. 感情的 /未熟 08 ‐ 06 . 17* . - -.05 ー -‐ 002 03 ‐ 03 ‐ ー ‐.004. 002 一‐. ‐03 -‐05. 09 ‐ 04 ‐. 09 ‐ 10 ‐. -‐01 -‐06. 004 ‐ 06 ‐. 01 . -‐ 06 * 1 .6 -‐ 05 * ‐16. --04 - -‐07. 02 -‐ 07 ‐. ‐03 . 07 ‐ 07 - -‐. ‐02. 06 ‐. * 〈05 ** <01 p , p ,. 緑* <00 p , I. N ニー86. 父親の養育スタイルと子 どもの気質との関係について l Tab e6に父親の養育スタイルと子どもの気質との関係が示してある‐ 表を見ると, 権威的因子及 びすべ ての下位因子 (温かさ, 説明的, 調和的, 自信, 指示的) と社交的/自立的因子と正の相関が認められてい る. さらに, 権威的因子と4つの下位因子 (温かさ, 説明的, 調和的, 自信) は活動的/エネルギッシュ因 子とも正の相関が認められた. 権威主義的因子と4つの下位因子 (体罰, 敵対的言葉, 理由のない罰) と気 質因子”感情的/うつ的“ 及 び”衝動的/落ち着きがない” と正の相関が認められた‐ 権威主義的因子の下 位因子”無視“ は”社交的/自立的” 因と負の相関が認められ, “未熟” とは正の相関が認められた. 父親 の許容的因子及 び下位因子”服従” は”感情的/うつ的“ 及 び”衝動的/落ち着きがない” と正 の相関が認 められ, 許容的因子は”未熟” とも正の相関が認められた. 許容的因子の下位因子”親優先” は”衝動的/ 落ち着きがない” と正の相関が認められ, 下位因子”親和的” は”社交的/自立的” とも正の相 関が認めら れた. このよう に父親の養育スタイルの肯定的あるいは否定的養育スタイルと気質の肯定的特質との明瞭な 関係が見られるのは興味深い‐ 性差に関して, 全体として相関が認められているが男女どちらか一方で相関 が認められていない因子を見たところ, 男児に関しては, 権威的因子の第2下位因子 (説明的/誘導的) と 気質の”社交的/自立的“ と は相 関 が見 ら れず 女児 の み に相 関 が認 め ら れ て い る (p<‐01)‐ さ ら に 権 ,. ,. 威主義的因子と気質因子”衝動的/落ち着きがない” とは全体では相関が認められているが, 性差別に見る と, 相関が見られるのは女児のみで男児では有意な相関は認められていない. さらに, 女児に関しては, 権 威主義的因子, その第2下位因子 (敵対的言葉) , 第3下位因子 (理由のない罰)と気質の第4因子 (恥ずか 05) しがり屋/非社交的) との間に負の相関が認められた (いずれもp<. . 又男児も権威 主義的 因子の第4 05) 下位因子 (無視) とこの第4因子 (恥ずかしがり屋/非社交的) と正の相関が認められた (p<‐ ‐ さら に男児には相関が認められず女児のみに相関が認められるのは, 権威主義的因子, その下位因子(敵対的言 29.

(9) . 戸. 田 須恵子. Tab l e6 . 子 ども の気 質と 父親 の養 育ス タイ ルと の相 関 気. 質. 因子項目. 権威的 温かさ/関わり 説明的/誘導的. 調和的 自信. 指示的 権威主義的 体罰 敵対的言葉 理由のない罰. 無視 許容的. 服従 非一貫性 親優先 ア ン ビノぐレ ン ト. 親和的. 社 会 的引 っ 込み思 案. 感情的/ うつ的 03 - -‐. 衝動的/. -.10 -‐12. -‐ 13 .01. - -.09. -.01 ‐06. 03 . - --08. .13 25*** . 21** ‐ * .17 26*** . ‐10 * .19 21** ‐. .03 28*** . *** 2 ‐8 21** . * ‐15 ‐11 22**. . 20** .. 05 . .14. 04 ‐ * .17 09 .. 08 . -‐ 08. 活動的/. 恥ずかしがり. 落ち着きがない エネルギッシュ 屋 /非 社 交 的. -‐01. 23** . * ‐16 * .18 * .16 29*** . 09 ‐. - -.0‐ 8 ー.05 - -‐04 ‐04 - -.16* - -. 08. .01 03 ‐. -‐11 -.12. --002 - -.02. -.11 -‐ 05. -‐04 -‐01. .03 - -. 04. - 03. 05 . - -.11. ‐04 - -‐09 -.07 .11. -. 05 ‐05 -‐04. * <05 ** <01 *** <00I p ‐ p ‐ p ‐. 社交的/ 自立 的 41*** ‐ 34*** ・ 29*** ‐ 28*** . 36*** . * ‐16 - -.02 ‐03 - -.05. 未 熟 -‐12 - -.12 - -.03 - -.09 - -. 05 - -‐13 * ‐18 13 .. ‐08 .08. 12 ‐ 16* ‐ 22** . * ‐19 .13. 02 ‐ 003 .. “07 ‐12. -‐ 15 ** 2 .0. .12 .06. .02 * ‐15. N =186. 葉, 理由のない罰, 無視) と気質の第6因子 (未熟) と正の相関が認められている (いずれも p< 05) 父 ‐ ‐. 親の許容的因子と気質の第1因子 (感情的/うつ的)及び第6因子 (未熟) との相関は男児のみに認められ (p<. 01とp<‐ 05 ) , 許容因子の第1下位因子 (服従) と気質の第1因子 (感情的/うつ的) との相関は女児 のみに認められている (p<. 05) . このように性差によっ て親の養育スタイルと気 質との違いがあり, それ は又, 父親が男児と女児によって接し方が違うことを示していると言える ‐ 考. 察. 本研究では幼児の社会的引っ 込み思案と父親の養育スタイルとの関係 あるいは父親から見た幼児の気質 , との関係を見た. まず社会的引っ込み思案が先行研究と同じ因子を抽出しているか見たところ5因子を抽出 した. 第1 因子 の ”非社 会 的“ は 先 行研 究の 受動 的 孤立 (Sol i i rary pass ve) と一 致するよう である. 又, , 先行研究では積極的孤立 (So l i i tary Act ve) は, 本研 究の 第3 因子 ”拒 否 的 引 っ 込 み 思 案“ と 一 致 す る‐. しかし, 先行研究では遊びが未熟な行動も含まれているが本研究では感情的側面も含めて独立して第5因子 と して抽出している. 感情的/未熟因子の内容を見ると他の仲間とは関わりなくふり遊びや演技を一人でやっ て いる よ う であ る. Rubi n (1982) の研 究で はこ のよう な 子 ども の行動 は社 会 的コ ン ピテ ンス と負 の相 関 を. 示しており, 未熟であることと一致 していると言えよう. 控えめな孤立 (Re i ) に相当する因子は, t cence ” ” 本研究では 仲間の周辺を紡偉 である. この因子に含まれる恥ずかしさは 本研究では独立した因子とし , て抽 出さ れている. この こ と は, 引 っ 込み思 案 と して仲 間 か ら拒否 さ れて いる が故に ある い は一 人遊 びが , 好き だか らとい っ た理 由 で孤 立 してい ない という こ と で はな い か と 推測 さ れる Chenら (1995) が 言 っ て ‐. いるように, 日本では幼児期においては恥ずかしさは比較的肯定的に見られているのかもしれない 文化的 . 30.

(10) . 幼児の社会的引っ 込み思案行動及 び気質と父親の養育スタイルに関する研究. 側面からの課題として検討していく必要があろう‐ 又, 本来, 社会的引っ 込み思案はクラスの中での適応と が i いう 面 でr skがあ る と 考 え ら れて いる. 本研 究 で はソシオメ トリ ー を実 施 して い ない の で わ か らない , 第. 3因子の仲間から拒否されるが故に孤立している子 どもは, 将来いじめとも関係してくる可能性 が考えられ るので教師が注意して関わっ ていく必要があろう‐ 全体として社会的引っ 込み思案と父親の養育スタイル, あるいは気質とはそれほ ど多くの関連性は見られ なかったが, 父親の養育スタイルと気質との関係で, 権威的な父親は比較的子どもを肯定的に見ており, 権 威主義的な父親は子 どもを衝動的で落ち着のない子どもと見ている傾向が見られた. この関係を考えてみる と, 父親が体罰や敵意のある言葉でもってしつける時, 子どもは恐ろしさで落ち着かない状態になり, 父親 はそのよう な子 ども にい らい らを感 じ, 体罰 な どで子 ども を コ ントロ ールするといっ た 悪循環が生じるといっ た解釈も可能である‐ 又興味深い結果は, 社会的引っ 込み思案の恥ずかしさと気質の恥ずかしさとが正の相 関が認められ, 子どもの恥ずかしさ行動は父親と先生の評価が一致していると言える. 社会的引っ 込み思案 それ自身は性差は認められなかったが, 父親の養育スタイルと気質との関係では興味深い結果が見られた. 社会的引っ 込み思案行動は先生から見て男女差が見られなかっ たが, 父親の養育スタイルと気質との間にい くつかの因子間で性差が見られる‐ 即ち父親が子どもの気質を男児と女児で異なった見方をしており, それ によっ てしつけ方略が異なる事が推測される. このような男女差のあるしつけ方略によっ てその後幼児がど のように発達 していくのか縦断的研究によっ て明らかにしていく必要 があろう.. 引用文献 ion in ch i ldhood S & Co ject i Asher e ‐ 山崎晃 ・ 中津潤 監 訳, 子 ども の と仲 間の . Peer re ‐D.(1990) ,J , .R‐. 心理学. 北大 路書房. l i ty, and peer avoidance nsocaibi Asendorph,J‐B‐( 1990) ‐ ‐ . Beyond social withdrawal: Shyness, u 3, 250-259‐ 3 Human Development , 1d l iar i ty.Chi ldren’s coping wi th unfami ted chi AsendorphJB(1991) Development of inhibi. ,. ‐. ‐. lopment Deve ‐ 62, 1460‐1474‐ ld ld behavior i i fects of author tat Baumrind,D‐(1966). Bf ve parental control on chi ‐ Chi 7 888‐907. Development ,3 , I Psychology Baumrind.D. ( 1 971 ) ‐ Current patterns of parental authority‐ Developmenta 4,1‐103‐ N[onograph, Hi l l P 1omin,R‐ ( Buss A H sdale, & 4) 198 ‐ Temperament: Early Developing Personality Traits. ,.‐ lbaum New Jersey: Er icat ions inical appl Carry (1972) C1 ,琢ZB. 81(4) iatr i Ped ‐828 cs . , ,823 ,1872. of infant. temerament. measurements.Journal. of. ldren: A ioning and adjustment in Chinese chi bi K H , & LiZ lfunct ia Chen,×‐ . Soc , Ru n, ‐ ‐ ,.(1995) 1ongi tudinal study. Deve lopmentaI Psychology, 31, 531‐539‐ l i 994). Being alone C lki S D , & Stewart R bi K H , Fox,N‐A‐ Coplan,R‐J. , p ay ng ,S‐L. (1 , a ns, . ‐ , u n, ‐ . l i de in i d i t i d t l D i i i h i l t d i t v e s o u tng a one: s ngu s ng among re cence an passve an ac a one, an ac 5 129‐137 ld Deve lopment ldren. Chi young chi ‐ ,6, il i GS f thdrawalin i J E D i A F B t Z A 駅 t Harri st , & Pett , ‐ . Subtypes o soc a w , odge ,K.A. , a a, - , a es, ‐ - ,. ‐. i 1d fferences across four years. Ch ia1 t 1dhood:Soc iometric status and soc 1y chi -cognI Ive di ear 68 278‐294. Development , , Robinson C. & Wru,P‐ l 0lsen, J.A‐ Ne Jin,S‐ Nel C H Yang,C‐ Hart son, D.A‐ son, L‐J‐ , , , , , , , , ,‐ . f i l l thdrawn be‐ ldhood and subtypes o soc a y wi ly chi tance i P 1 9 9 8 ) C ( Por a c c e n e a r ter r e e p ‐ ,. ings of ted States. Presented at the XVthe BienniaI N1eet ior in China, Russia, and the Uni hav 31.

(11) . 戸. 田 須恵子. ionaI Society for the S the 工nternat tudy of BehavioraI Development ‐ Hartup W.W‐( Th i l l d f h i l h ) d d A 1 9 7 9 i P e s o c a r wo s r o c o o me c n s c a y hologist ‐ . , , 34,944‐950‐ Kagan J T ( 1 9 9 7 ) d h i l iar ld Development 68 i ty‐ Chi . emperament an t e reactons to the unfami , . , ,. 139‐ 143 ‐. 柏木(19 93) ‐父親の発達心理学:父性の現在とその周辺. 川島書店 加藤・中野・土谷・小野寺・数井( 1996 ) .父親の養育行動の柔軟性.硬さと育児参加.牧野.中野・柏木(編) , 子どもの発達と父親の役割(pp 1 3 ミ 5 1 4 6 ) ルヴ 書房 ネ ‐ ァ ‐ ‐ Lamb,M‐(1976) f infantinteract ion. Develop‐ t ec s of stress and cohort on mother and father‐ .Ef mentaI Psychology, 12, 435‐443.. 牧野・中野.柏木(1 996) . 子どもの発達と父親の役割. ミネルヴァ書房 Rowe D.C. R(9 ly chi ldhood‐ Journal of Personal i ty , , & P1omin, . 1 77). Temperament in ear Assessment 41 150‐156. , , Rubin K‐H.( 198 2) ? Ch 53 6 l ld Development i , ‐ Nonsocial play in preschoolers: Necessarily evi , , 51‐. 657 ‐. Lo l l S 990) i s .(1 . 第8章一児童期の社会的引っ 込み思案 :仲間による拒否 , への発 達的道すじ.山崎晃・中津潤監訳, 子どものと仲間の心理学‐ 北大路書房 1 998) 戸田( . 父親の養育スタイルと子どもの攻撃的行動に関する研究‐ 北海道教育大学紀要49 . , 63一77 Thomas A. Chess S. & Birch H G ( T d b h i ldren. 968) e av or di sorders in chi , , , , ,.‐ 1 . emperament an Rubin K.H‐ LeMare L.J. & , , , ,. New York: New York Uni ty Press‐ versi ’ Younger A‐J‐ & Daniels T.M‐ ( 1 99 2) , , , . Children s reasons for nominating their peers as with‐ drawn: Pass ive wi ive isolat thdrawal versus act ion. DevelopmentaI Psycho l 960 ogy,28 ‐ ‐ ,955. 付記:本研究は平成8~9年度科学研究非補助金 (基盤研究C, 課題番号08 6101 0 027 17 15 ) , 研究者番号7 の補助によって行われた. この研究に参加してく ださったご両親と幼稚園の諸先生に心より感謝します.. (本学教授 釧路校). 32.

(12) . 幼児の社会的引っ 込み思案行動及び気質と父親の養育スタイルに関する研究. 資 料1. 第1因子 (11項目). 社 会 的引 っ 込 み思 案 の 因子別 項 目. 59 寄与率 .. 92 A1 pha=‐. 非社交的. 11 ‐ どち ら かという と一 人 で遊 んでいる ほう である 13 . 他 の 子 ども 達 か ら離 れて, 一 人で何 か作 っ たり, お 絵 かき な どをや っ ている 33 . 一 人で遊 ぶ の が好き である 20 . 仲 間 か ら離 れて, 一 人 で ブラ ンコ で遊 んで いる. 06 . どちらかというと, 自分ひとりで物事をする傾向がある 26 . 他の子 ども達から離れて一人で本を読んでいる 36 . 他 の 子 ども 達 と一 緒 にやる より, 一 人で積 み 木 な どを組 み立 て て いる. 15 ‐ 建設的な遊び (積み木やレゴで何かをつくる) やパズルを他の友達から離れて一人でやっている 24 . 仲間から離れて, 一人, おもちゃで (例えば, 人形や棒を生きた人物に見立て, 相手にして遊んでいる 41 ‐ 他 の 子 ども 達 と一 緒 に遊 ぶ ことよ り どち ら かという と一 人 でお もち ゃ と遊 んでいる 19 ‐ 仲 間 か ら離 れて, 自 分一 人で ふり 遊 びをや っ たり, 芝 居 な どを や っ て いる. 2項目) 第2因子 (1. 仲間の周辺を祐程. 89 A1 pha=‐. 12 . 何 も して い な いよう に見 える 40 ‐ する 事 がたく さ んあ っ て も, ぶ らぶ ら して いる. 0 9 . 仲間達の近くで, おもちゃを使って仲間と同じ事をして遊んでいるが (人形や棒を生きている物のよう にふり遊 びをする等) , 仲間とは関わろう と しない 17 . 同 じよう な事 をや っ て いる 仲 間の そ ば で, 何 か である ふ り を して遊 んでいる (消 防署 の 人, 医 者, 飛 行. 機等) が, 他の子どもとは関わろうとしない 16 ‐ 他 の子 ども 達 と 関 わ る こ とな く, 相 手を じっ と 見 て いる 43 . 明 らか に独り ぼっ ち であ る 44 . す ぐま ごつく. 35 . 大声で喋っ たり, 大げさに歌を歌ったりしおり, 周りで仲間も同じ事をやっているが, 仲間と関わらな し). 1 8 . 他の子どもが近づく と怖がる 2 0 . 外で遊ぶ時や自由時間には, この子どもは目的もなくふらふらと歩き回っている 03 . 課題 に集 中 しな い で何 か に と ら わ れて いる 29 ‐ 遊 び に加 わ らない で, 他 の 子 ども 達 の周 り で じっ と して いたり, う ろう ろ して いる 第3 因子 (9 項 目). 拒 否 的引 っ 込み思 案. A1 86 pha=‐. 34 . 他 の子 ども 達 は, こ の子 ども と遊 ばな い と 言う. 37 ‐ 他の子ども達にはあまり好かれていない 08 . 他 の 子 ども は, こ の子 ども を無 視 している 05 . 誰 も がこ の子 ども が好き で な い と 言 っ て いる 23 . 他 の 子 ども 達 は, こ の子 ども を の けも の に して いる. 39 . 他の子ども達からあっちへ行けと言われる OL 他の子どもは, この子どもと遊ぼうとしないよう に見える 25 . 友達をつくるのに問題がある 42 . 他の子ども達が言ったことに耳を傾けない. 33.

(13) . 戸. 第4 因子 (8項 目). 田 須恵子. 恥 ず か しさ /不 安. A1 84 pha=.. 21 ‐ 他の子どもの周りではおとなしい 38 . 非常に恥ずかしがりやである 04 . 他の子どもが近ずくと恥ずかしがって逃げる 22 . 他の子ども達とあまり話さない 27 . 遊 びに加 わらな い で, 他 の 友達 の遊 びを 見 て いる 07 . いつ も 他 の子 ども の周 り で は遠慮 して いる 32 . グルー プの子 ども 達 と一 緒 にいる こ と が不 安 である. 30 . 一緒に遊ぶ友達ができない 第5 因子 (4項 目). 感情的/ 未熟. A1 63 pha=‐. 10 . ちょっとした事でも, 大げさに泣く 31 . 仲間と一緒にふり遊びや芝居などをやるが, それをやっている間は, 彼らと関わらない 28 . 感情的にすぐ傷つきやすい 14 . ふくれっ 面をしたり, 不機嫌な顔をする. 資料2. 子どもの気質の因子項目別. 第1因子 ( 1 3項目) 感情的/うつ的. A1 86 pha=‐. 15 . すぐ腹を立てる 6. いくらか感情的な傾向がある 41 . 怒っ た時, 10分以上も機嫌がなおらない 21 ‐ 自分のしたい事が出来なかった時, かんしゃくを起こす 19 . 腹を立てている時, 激しく 反応する 44 . す ぐ怒 らな い. 11 ‐ 度々機嫌が悪くなりすぐ泣く 47 . 度々みじめな気持ちになる 38 . 腹を立てた時, 恨みを抱く 50 . 度々悲しくなる 28 . やり たい 事 をや っ ている 時, 邪 魔 さ れる と腹 を立 てる 22 . こ そこ そ してい て素 直 で な い 18 . 一 人 でいる 時, 子 ども は一 人 ぼっ ち だと感 じる 第2 因子 (11項 目) 衝 動 的/ 落ち 着 き がない. A1 85 pha=‐. 29 . 一つの事を最後までやらないですぐ他の事をする 34 . 一 つ の事 に集中する の が困 難 であ る 23 . 課題 が終 わる ま でそ れをや り 続 ける. *. 42 . 一 つ の事 が完 全 に終 わる ま で他 の 事 をやろう と しな い. *. 39 ‐ 一 つ の遊 びか らす ぐ他 の遊 び に移 る こ と が度々 ある 43 . 大 人 と 静 かにお し ゃ べ り したり, 話 を聞く 事 を楽 しむ. *. 49 . 静か に座 っ てい たり, 立 っ ている こと が難 しい. 25 . 考えないですぐ行動にでる 34.

(14) . 幼児の社会的引っ 込み思案行動及 び気質と父親の養育スタイルに関する研究. 32 . 人 が話 して いる 時, 時々 話 を妨 害する. ) をしている時, そわそわして落ち着きがない 51 . 静かな遊 び (お話を聞いたり, 絵を見たりする事 という誘惑に打ち勝つことが出来る 4 8 . やってはいけないと言われた事に対してやりたい 78 A1 pha=‐. 第3 因子 (10項 目) 活 動 的/ エネ ル ギ ッ シ ュ. 24 ‐ 冒険的な遊 びが好きだ 10 . 他の何よりも刺激を与えてくれるのは人だと知っている 9. 朝, 目が覚めるとすぐ起きて走り回る 13 ‐ 非 常 にエ ネ ル ギ ッ シ ュ である 7‐ 行 動す る 時 は, た い て い ゆ っ くり と 行動 する(のろ ま だ) びを好 む 17 ‐ 活 発 な遊 びより, 静 か な非 活 発 的 な遊. * *. 4. いつ も 忙 しい そう であ る. 35 ‐ 荒っ ぽい遊 びや乱暴な遊びが好きだ 2‐ すく 泣. *. く. 40 . 好きな人に対してはよく笑いかける 第4因子 (7項目) 恥ずかしがり屋/非社交的. 8 4 A1 pha=‐. 46 . 新 しい 状況 に な れる の に 時間 がか かる. 1 4 . 見知らぬ人と親しくなるのに時間がかかる *. 20‐ 見 知 ら ぬ 人 に 人 な つ っ こ い. *. 8. す ぐ 友 達 が で き る. *. 12. 非 常 に 社 交 的 で あ る. 1. 恥ずかしがりやである 37 ‐ 他の子どもと遊んでいる時, ほとんど声を出して笑う 事がない 69 A1 pha=.. 第 5 因子 (7項 目) 社 交 的/ 自 立 的 3. 人と 一 緒 にいる の が好き だ. 31 ‐ 新しい事をしたがる 3 0 . 腹を立ててもす ぐおさまる 26 ‐ 冗談や ばかな事で非常によく笑う 5. 一 人 でいる よ り 友 達 と遊 ぶ の が好き であ る 36 . 楽 しんで 人の話 を 聞い て いる 33 ‐ 強 い 意志 の 持ち 主 である 第 6 因 子 (4 項 目). A1pha=. 48. 未熟. 5 2 . 違った事をやるように言われても, 自分がこれと思った事をやる 16 ‐ 一 匹狼 的な と ころ がある. 27 . 恐さを表面に出さない 45 . 他の事をするよう求められた時, 今やっ ている活動を止めるのが困難である *は逆転項目. 35.

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参照

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