通常の学校に在籍する聴覚障害児の学校における居場所と支援に関する研究-聴覚障害成人による語りの分析を通して-
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(2) 間と過ごす時間というのは、聴覚障害児にとって、何も気 にせず、気楽に過ごせる時間となっていたことが分かった。. えられる。 [大学生活】. 小学校同様に、クラスメートや先生からの自主的な支援. 大学生活では、これまでの学校生活と違って、自分で授. が見られるものの、積極的に活動に取り組むことができる. 業の科目を決めるなど、今までの受け身の授業と違い、自. 一方で、聴覚障害児から先生やクラスメートに支援を頼む. 分が選び行動するといったように主体的になっている。ま. とすると回数に限りがあるようである。相手の顔色をうか. た、小学校から高校のように、学級集団をあまり意識しな. がったり、何度も聞き返すことが難しいといったエピソー. くてすむようになり、担任を意識しなくなったものと考え. ドがあり、周囲の障害理解がないために、聴覚障害児があ. られる。これまでの学校生活の先生の存在が、大学になる. きらめているといった状況があった。さらに、自分から話. と意識しなくなった反面、一層仲間との関わりが強くなっ. しかけないと友人との会話にも入れないため、積極性がな. た。そこで、大学生活における聴覚障害者の居場所は、こ. くなると、次第に1人で過ごすようになるということが分. の仲間との関わりにあると考えられる。支援に関しては、. かった。積極性が失われると、授業に参加できないぱかり. 求める支援が学校側から得られ、得られない場合は対象者. でなく、友人関係においても影響が出てくるということが. 自身で得られるように工夫をするといったように、自分か. 分かった。. ら動き、. Cに関しては、親に友人関係に関する悩みを相談しても 理解してもらえないと思い、自身の中で抱え込んでいた。. lV.総合考察と今後の課題. そして、そのような悩みと成績が下がる状況になり、準学. 小学校では楽しい感じ、聴覚障害児が積極的に活動でき. 校へ転校をした。転校先の建学校では、Cの課題とされて. る環境が居場所であり、中学校では、コミュニケーション. きたことが、きちんと対応されており、消極的になってい. が確立され、周囲からの適切な支援があり、仲間と一緒に. たCだが、積極性を取り戻せていたことが分かった。. 過ごせる場所が居場所となっていた。高校になると、仲間. [高校生活】. と一緒にいるだけで杜く、仲間と悩みを共有でき、相談で. 高校生活では、小・中学校生活でみられた、聴覚障害児. きるといったことが居場所となっていることがわかった。. の周囲の人たちの障害についての理解や配慮のなさから、. 大学生では、それまでは、仲間に頼ってしていたが、新た. 聴覚障害児が授業やクラスメートとのコミュニケーショ. な仲間を見つけ、そこから先、自分に合う居場所を自ら探. ンなどをあきらめてしまうといった課題が解決されてい. したり、自分で居場所を作り活動していた。. なかった。授業場面では、授業者により情報保障が得られ. 以上のことから、小学校から大学生活までの居場所には、. たり、得られにくかったりとその対応については、様々で. 変化が見られた。ただ具体的な支援内容には、変化が見ら. あり、聴覚障害児が積極的に参加できない状況に変化は見. れなかったが、支援が継続して行われにくいことや、聴覚. られなかった。そして友達が障害への理解がしてもらえず、. 障害児が積極的になれる場がないため、支援を頼みたくて. 距離を置いていた反面、仲間との出会いがあり、そこでは、. も、頼めないといった状況がエピソードより明らかとなっ. 悩みを共有したり、手話との出会いがあり、自分らしくい. た。改めて、周囲への障害理解の大切さ分かった。. られる場所があったようである。. 今後の課題として、調査対象者の年齢にばらつきが見ら. 建学校では、通常学級とは違い、仲間と過ごすことで、. れる。今後、様々な年齢別で、研究することで、聴覚障害. いつしか授業や活動などに対し積極的に取り組むことが. 児教育の歴史的な流れが明らかになるだろう。それと同時. でき、そして、コミュニケーションも確立さ札、仲間と一. に、行う支援に対する重要性が見出せるようになると考え. 緒に過ごす時間が楽しく感じたと話していた。通常学校と. られる。. は違い、求める支援について学校側がきちんと把握してお り、行われる支援についても継続性があり、一貫性があり、. 聴覚障害児が頼まなくても得られる支援が多いのだと考. 主任指導教員 鳥越隆士 指導教員 鳥越隆士. 一219一.
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