• 検索結果がありません。

通常の学校に在籍する聴覚障害児の学校における居場所と支援に関する研究-聴覚障害成人による語りの分析を通して-

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "通常の学校に在籍する聴覚障害児の学校における居場所と支援に関する研究-聴覚障害成人による語りの分析を通して-"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)通常の学校に在書する騎覚障害児の学校における居場所と支援に関する研究         一騎覚障害成人による語りの分析を通して一                                 専 攻 特別支援教育学専攻                                 コース   心身障害コース.                               学籍番号      M071051                                 氏 名     辰田 典子. I.本研究の目的. 皿.結果.  居場所が、成長に合わせでどのように変化しているのか. 1小学校生活I. を明らかにする。そして居場所と周りからの支援との関わ.  インタビューより難聴学級は、聴覚障害児にとって、授. りを検討する。. 業を自分のぺ一スで受けることができ、主体的に聞くこと ができる場となっていた。さらに、難聴聴学級の授業場面. 1I.研究方法. では、難聴学級担任からの自主的な支援もあり、さらに聴. 調査対象者:聴覚障害成人5名。以下、表1が対象者のプ. 覚障害児しか教室にいないことから、自分の意見、主張を. ロフィールである。. きちんと相手に伝えることができ、積極的に授業に参加で.       表1対象者のプロフィール. きるといったことがインタビューより明らかとなった。し. 年齢. 性別. 聴力. A. 40歳代. 女性. 両耳100dB. B. 20歳代. 女性. 両耳100肥. C. 20歳代. 女性. 両耳110柵. D. 20歳代. 女性. 両耳100冊. E. 20歳代. 男性. 両耳106−108dB. かし、一方では、難聴学級担任の障害への理解や意識の薄 さも感じられ、コミュニケーションが取りにくいこと、情. 報保障の支援が継続して行われにくいことが課題として あげられた。.  通常学級の授業場面では、聴覚障害児が積極的になり、 求めた支援が得られ、休み時間になると遊びに誘ってもら っていた。休み時間に関しては、どの対象者も楽しかった.  A∼Cは、小学校・中学校を難聴学級に在籍し、高校と 大学へ進学した。Dは、中学校2年生まで難聴学級に在籍 し、中学校3年生から建学校に転校、そして、高等部に進 学した。Eは、小学校から大学まで、通常学級に在籍して いた。. と語っていた。小学生ということもあり、周囲の子どもた. ちが、1対1の会話では、話も通じているということ、そ して健聴児が聴覚障害児の障害をそれほど意識しなかっ たということ、そして遊ぶといっても、単に体を使った遊 びということなど、あまりコミュニケーションを必要とし. 手続き 調査対象者ごとに、小学校から最終学歴までの学. 校生活について自由に語ってもらった。内容は、ICレコ ーダーやビデオで記録をした。インタビュー時間は1国お. よそ1時間半、全体でほぼ13時間(1人当たり約180 分)となった。調査期問は,平成20年5月から1O月上 句であった。. ないことが条件となり、自分の障害について意識すること がなく、楽しいと感じる場が聴覚障害児の居場所であると 考えられる。. 神学校生活】.  中学校では、聴覚障害児と関わる先生が教科担当者とな るので、小学校よりも聴覚障害児と関わる先生が増えた。. 分析方法:記録したインタビューを書き起こし、オープン コード法により質的に分析した。具体的には、書き起こし た語りから、居場所(コミュニケーションや支援も含め) に関連すると思われるエピソードを切り取り、その内容を 表していると思われるコードを創出して付記した。その後、. コードを内容から分類し、コード間の関連を検討した。. 一218一. そうなることにより、聴覚障害児の障害について配慮し、 支援してくれる先生もいれば、そうでない先生もいるとい うことが課題としてあげられた。.  しかし、中学校になると同じ障害を持つ仲間を意識しだ し、コミュニケーションについて気にせず会話ができる仲.

(2) 間と過ごす時間というのは、聴覚障害児にとって、何も気 にせず、気楽に過ごせる時間となっていたことが分かった。. えられる。 [大学生活】.  小学校同様に、クラスメートや先生からの自主的な支援.  大学生活では、これまでの学校生活と違って、自分で授. が見られるものの、積極的に活動に取り組むことができる. 業の科目を決めるなど、今までの受け身の授業と違い、自. 一方で、聴覚障害児から先生やクラスメートに支援を頼む. 分が選び行動するといったように主体的になっている。ま. とすると回数に限りがあるようである。相手の顔色をうか. た、小学校から高校のように、学級集団をあまり意識しな. がったり、何度も聞き返すことが難しいといったエピソー. くてすむようになり、担任を意識しなくなったものと考え. ドがあり、周囲の障害理解がないために、聴覚障害児があ. られる。これまでの学校生活の先生の存在が、大学になる. きらめているといった状況があった。さらに、自分から話. と意識しなくなった反面、一層仲間との関わりが強くなっ. しかけないと友人との会話にも入れないため、積極性がな. た。そこで、大学生活における聴覚障害者の居場所は、こ. くなると、次第に1人で過ごすようになるということが分. の仲間との関わりにあると考えられる。支援に関しては、. かった。積極性が失われると、授業に参加できないぱかり. 求める支援が学校側から得られ、得られない場合は対象者. でなく、友人関係においても影響が出てくるということが. 自身で得られるように工夫をするといったように、自分か. 分かった。. ら動き、.  Cに関しては、親に友人関係に関する悩みを相談しても 理解してもらえないと思い、自身の中で抱え込んでいた。. lV.総合考察と今後の課題. そして、そのような悩みと成績が下がる状況になり、準学.  小学校では楽しい感じ、聴覚障害児が積極的に活動でき. 校へ転校をした。転校先の建学校では、Cの課題とされて. る環境が居場所であり、中学校では、コミュニケーション. きたことが、きちんと対応されており、消極的になってい. が確立され、周囲からの適切な支援があり、仲間と一緒に. たCだが、積極性を取り戻せていたことが分かった。. 過ごせる場所が居場所となっていた。高校になると、仲間. [高校生活】. と一緒にいるだけで杜く、仲間と悩みを共有でき、相談で.  高校生活では、小・中学校生活でみられた、聴覚障害児. きるといったことが居場所となっていることがわかった。. の周囲の人たちの障害についての理解や配慮のなさから、. 大学生では、それまでは、仲間に頼ってしていたが、新た. 聴覚障害児が授業やクラスメートとのコミュニケーショ. な仲間を見つけ、そこから先、自分に合う居場所を自ら探. ンなどをあきらめてしまうといった課題が解決されてい. したり、自分で居場所を作り活動していた。. なかった。授業場面では、授業者により情報保障が得られ.  以上のことから、小学校から大学生活までの居場所には、. たり、得られにくかったりとその対応については、様々で. 変化が見られた。ただ具体的な支援内容には、変化が見ら. あり、聴覚障害児が積極的に参加できない状況に変化は見. れなかったが、支援が継続して行われにくいことや、聴覚. られなかった。そして友達が障害への理解がしてもらえず、. 障害児が積極的になれる場がないため、支援を頼みたくて. 距離を置いていた反面、仲間との出会いがあり、そこでは、. も、頼めないといった状況がエピソードより明らかとなっ. 悩みを共有したり、手話との出会いがあり、自分らしくい. た。改めて、周囲への障害理解の大切さ分かった。. られる場所があったようである。.  今後の課題として、調査対象者の年齢にばらつきが見ら.  建学校では、通常学級とは違い、仲間と過ごすことで、. れる。今後、様々な年齢別で、研究することで、聴覚障害. いつしか授業や活動などに対し積極的に取り組むことが. 児教育の歴史的な流れが明らかになるだろう。それと同時. でき、そして、コミュニケーションも確立さ札、仲間と一. に、行う支援に対する重要性が見出せるようになると考え. 緒に過ごす時間が楽しく感じたと話していた。通常学校と. られる。. は違い、求める支援について学校側がきちんと把握してお り、行われる支援についても継続性があり、一貫性があり、. 聴覚障害児が頼まなくても得られる支援が多いのだと考. 主任指導教員  鳥越隆士 指導教員    鳥越隆士. 一219一.

(3)

参照

関連したドキュメント

にしたいか考える機会が設けられているものである。 「②とさっ子タウン」 (小学校 4 年 生~中学校 3 年生) 、 「④なごや★こども City」 (小学校 5 年生~高校 3 年生)

 調査の対象とした小学校は,金沢市の中心部 の1校と,金沢市から車で約60分の距離にある

①旧赤羽台東小学校の閉校 ●赤羽台東小学校は、区立学 校適正配置方針等により、赤 羽台西小学校に統合され、施

小学校 中学校 同学年の児童で編制する学級 40人 40人 複式学級(2個学年) 16人

イ小学校1~3年生 の兄・姉を有する ウ情緒障害児短期 治療施設通所部に 入所又は児童発達 支援若しくは医療型 児童発達支援を利

支援級在籍、または学習への支援が必要な中学 1 年〜 3

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

都立赤羽商業高等学校 避難所施設利用に関する協定 都立王子特別支援学校 避難所施設利用に関する協定 都立桐ケ丘高等学校