青年期の自己愛と状態自尊感情が心理的不適応に及ぼす影響
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(2) 相関はなかった、「状態自尊感情」は「抑うつ一落ち. が明ら外となり、仮説は支持されたと言える。. 込み」と有意な負の相関,r緊張一不安」と有意なや. 過敏性白己愛の現実自己を過剰に卑下して言田面し,. や弱い負の相関,「怒り一敵意」と有意な弱い負の相. 恥ずべき自己を隠すために他者からの評価に過敏に. 関があり,「状態自尊感情」が高くなると各心理的不. 反応するなどの棉敦から,過敏性自己愛が強い青年は,. 適応は低くなるということを示すものであった.これ. 自己評価り傷つきを抑うつや不安などの自己に注意. らの結果は自己愛特性の過敏性と誇大性の性質の違. を向けた心理的不適応として表出すると考えられる1. いを表していると考えられた.. 一方,誇大性自己愛が強い青年は,自己に対する有能. 2)自己愛・状態自尊感情が心理的不適応に及ぼす影. 感を持ち,他者に対する優越感を持つなどの矧敦から,. 響(目的I). 自己評価の傷つきを自己に起因せず他者のせいであ. 自己愛「過敏性」,「誇大性」,状態自尊感情を独立. ると認識し,怒りや敵意などの心理的不適応として表. 変数,POMS下位因子「抑うつ一落ち込み」「緊張一. 出すると考えられる、本研究において自己愛の2側面. 不安」「怒り一敵意」をそれぞれ従属変数とした重回. の違いが示されたことから、今後は自己愛をr過敏性」. 帰分析を行った1その結果,「抑うつ一落ち込み」に. とr誇大性」の2つの側面で捉え、区別して検討する. 対しては「過敏性」「状態自尊感情」の影響が有意で. ことが必要であると考えられ、面接等の臨床場面にお. あり,「緊張一不安」に対しても「過敏性」「状態自尊. いても、自己愛特性の違いを考慮に入れた対応が必要. 感情」の影響が有意であり,r怒り一敵意」に対して. になると言えるだろう。. はr誇大性」r状態自尊感情」の影響が有意であった.. 目的11に関しては、r抑うつ一落ち込み」に対して,. 3)自己愛・状態自尊感情の交互作用が心理的不適応. r過敏性」の高さとr状態自尊感情」の低さが互いに. に及ぼす影響(目的H). 関係しあって影響を与えていること,因果関係がある. 自己愛特性と状態自尊感情の交互作用が各心理的. ことが示され,仮説は「抑うつ一落ち込み」に関して. 不適応に及ぼす影響と変数間の因果関係を検討する. は支持された、r状態自尊感情」の得点が低いほどr過. ためT㎞e2心理的不適応得点を従属変数,T㎞e1心. 敏性」が吻うつ一落ち込み」に与える影響が大きく. 理的不適応得点・自己愛特性得点・T㎞e2r状態自尊. なることが明らかとなり,「過敏性」の「抑うっ一落. 感情」得点・自己愛特性得点とr状態自尊感情」得点. ち込み」に対する効果が「状態自尊感情」によって調. の交互作用項をそれぞれ独立変数とする階層的重回. 整されていることが示唆された.この結果は、r過敏. 帰分析を行ったところ,「過敏性」得点と「状態自尊. 性」が高い青年がr状態自尊感情」を低下させること. 感情」得点の交互作用項のみ,Time2「抑うっ一落ち. によって、r抑うつ一落ち込み」が増幅されることを. 込み」得点に対する有意(傾向)の負の標準回帰系数. 示しており、「過敏性」が高いと、他者からの評価に. (β)を示し,児2の増加分(∠田2)も有意であった.. よって自己評価が低下した上に、その様な自己を受容. そこで,状態自尊感情の高低(±180)における「過. することができず、望ましくない自己に注目が集まり、. 敏性」のr抑うつ一不安」に対する効果を調べるため. 抑うっが生じやすくなると考えられる。よって「過敏. 下位検定を行った.その結果,「状態自尊感情」が低. 性」が高く精神的健康が低減しやすい青年にとって 「状態自尊感情」の低下は大きな危機であると捉える. い場合は「過敏性」の効果が有意となったが(β=.31,. 仕.26,戸2.17,ρ<.05),「状態自尊感情」が高い場. ことができ、自己愛が高まる青年期においては、「状. 合は「過敏性」の効果は有意とならなかった(β=・.04,. 態自尊感情」を高めることが重要であることが示唆さ. 3=一.04, ←’.37, 皿5).. れた。. V.考察. 目的Iに関して、結果より,自己愛特性の違いによ. 主任指導教員 遊間義一. って,影響を受ける心理的不適応が異なっていること. 指導教員 岡村寿代. 133一.
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