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知的障害のある児童生徒を対象とした給食指導内容の体系化

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(1)平成24年度 学位論文. 知的障害のある児童生徒を対象とした給食指導内容の体系化.    兵庫教育大学大学院   学校教育研究科修士課程 特別支援教育専攻 障害科学コース.    M111031塚本芙美.

(2) 目次. 一二三四五六. 節節舶即研即研即研即. 第第第第第第. 第一章  問題と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・…  1 学校給食と学校給食法の変遷. 特別支援学校に在籍する児童生徒に行う給食指導の必要性 知的障害を主とする特別支援学校の食に関する問題 給食指導を充実させるための取り組み 指導内容を整理・体系化することの有効性. 本研究の目的. 的法果察 目方結考. 節節節節. 一二三四. 第第第第. 第二章 研究1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  9. 両法果察 目方結考. 一二三四. 節節節節. 第第第第. 第三章 研究2 ・・…  ■・・…  ■・・・・・・…  25. 第四章 総合考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・…  48 第一節 総合考察 第二節 今後の課題. 引用・参考文献. 謝辞. t 一 e 一 一 一 e i e i e i i 一 一 s 一 e i e i t 59.

(3) 第一章 問題と目的. 第一節 学校給食と学校給食法の変遷.  学校給食は、元々第2次世界大戦以降の日本の食糧不足に 伴って海外の援助団体によって開始された活動であった。一 時は給食費の高騰により給食を廃止する動きもみられたが、 その教育的に実施される意義の重要性が多くの世論に支持さ れ、昭和29年には学校給食法が制定された。当時の学校給食 法の提案理由には、学校給食を「単なる栄養補給のための食 事と捉えるのではなく、教育活動の一環として明確に捉える」 と述べられており、それは、当時の学校給食法の第2条に明 記されていた「小学校教育の目標を実現させるため」という 部分に反映されている(内閣府,2008)。.  その後、第2次高度経済成長を遂げた日本は、国民の生活 水準が著しく向上し、いわゆる「飽食」の時代を迎えた。社 会経済構造の変化、国民の価値観の多様化等を背景に、児童 生徒を取り巻く食生活のスタイルも多様性に富んだ形へと進 展した。その結果、脂質の過剰摂取や野菜の摂取不足等の栄 養の偏り、朝食の欠食に代表されるような食習慣の乱れに起 因する肥満の増加、過度の痩身等様々な問題が引き起こされ ている(内閣府,2011)。.  そうした児童生徒の食生活の乱れや、健康に関する問題点 を改善するため、望ましい食習慣の形成をさせる事は国民的 課題となってきている(文部科学省,2010)。成長期にある 子どもにとって、特に健全な食生活は健康な心身を育むため に欠かせないものであると同時に、将来の食習慣の形成に大 きな影響を及ぼすもので極めて重要な事である。 1.

(4)  そうした社会の変遷に伴い、学校教育の充実を図る為の施 策として、平成19年には文部科学省から「食に関する指導と 手引き」が新たに発行された。また、平成20年には学校給食 法の内容も大きく改訂され、以前掲げられていた学校給食の 目標を4点から7点に増加させ、より現代の社会的背景を踏 まえたものとなっている。改正後の学校給食の目標は、 一.適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること、 二.日常生活における食事について正しい理解を深め、健全   な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望まし   い食習慣を養うこと、 三.学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養   うこと、. 四.食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることにつ   いての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに   環境の保全に寄与する態度を養うこと、 五.食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられてい   ることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養   うこと、. 六.我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解   を深めること、. 七.食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導く   こと、. という内容で構成されている。それらの目標が明記されたこ とは、昭和29年の法が制定された時に提案理由として述べら れた、「教育の一環として捉える事」の趣旨がより明確になっ たとも考えられる。そして、改正されたことにより、今後学 校給食が実施される中で、行われる指導内容の教育的意義を より重要視し、発展・充実させていくことが望まれる。. 2.

(5) 第二節 特別支援学校に在籍する児童生徒に行う給食指導の     必要性.  特別支援学校の小学部、中学部の教育は、学校教育法72 条の目的を実現するために、障害による、学習上または、生 活上の困難を、改善・克服し、自立を図る為に必要な知識、 技能、態度、及び習慣を養う事を目標としている。その目標 を達成させる為に、特別支援学校では、独自の教育領域とし て、自立活動の領域が設けられており、それは教育課程上重 要な位置づけがなされている。.  食に関する動作は、日常生活動作(ADL)にも含まれ、自 立した生活を送る為には必要となる動作であり、即ちそれは、 学校教育場面で食に関する指導を行う意義があるといえる。 そして、特別支援学校で行われる教育の目的を達成させるた めにも食に関する指導を行う際には、自立活動の指導内容を 加味して指導目標を設定させることが必要である(文部科学 省,2010)。また、実際に指導の目標を設定する際には、在 籍する児童生徒の、特性を十分に考慮し、個別の指導計画を 活かして目標や計画の作成に取り組む必要性がある。. 第三節 知的障害を主とする特別支援学校の食に関する問題 1)児童生徒の抱える問題  前述したように、特別支援学校で行う食に関する指導の必 要性は十分周知されているが、知的障害のある児童生徒はそ の障害の特性から様々な食に関する困難を抱いている。  知的障害の要因の一つとして中枢神経系の機能異常があり、 知能発達が不十分であったり、運動機能の発達が不十分な傾 3.

(6) 向が見られる。また、知能の発達が不十分であることが原因 となり、食に関する認知の不足で、食に無関心だったり、異 食などの問題行動が見られる場合がある。その他にも、運動 機能の発達が不十分で、口腔機能の運動発達不足から回心が 十分に行う事ができず、円滑に摂食ができないといった問題 も指摘されている。また中枢神経系の機能異常を要因とする、 感覚の特異性から、味覚の過敏性、口腔内の感覚の過敏性と いった困難を抱いている場合もある。知的障害のある児童生 徒の食に関する問題として、頻繁に挙げられる過度の偏食に はそういったことも原因の一つとなって引き起こされている ということが報告されている(山川,2007)。. 2)教員の抱える問題  本図(2007)と、古島(2006)は、児童生徒の食習慣は、 給食時間に行う教員の指導力や意識に大きく影響を受け、食 事観は形成されていくと述べている。そのことからもわかる ように、教員が行う給食時間の指導は、重要な教育的意義を 兼ね備えていると言えだろう。しかしながら、知的障害のあ る児童生徒は、前述したように、様々な食に関する問題を抱 えている。知的障害のある児童生徒を受け持つ担任教員は、 それらの問題に対して適切に評価を行い、個別性に対応した 計画的な指導を実施させていく必要性がある。  ところが児童生徒の個人が抱いている問題の多様性に対処 する事ができずに、その指導に困難を抱いている教員も多数 存在している(生島,2010)。その具体的な困難さの内容と は、給食時、児童生徒に対して指導を行う際に、「指導の目標 が適切であるかが不安」、「指導内容が適切であるか不安」、「具. 体的な支援の仕方がわからない」、「指導に対して不安がある、. 自信がない」といった内容であった(藤井,2006)。しかし、. そういった現状があるにも関わらず具体的な対処法は打ち出 4.

(7) されておらず、現在の給食時間の指導は、教員の経験に頼っ た指導が行われており (森山,2011)、教員は試行錯誤の手 探り状態で、日頃の給食時間の指導を行っている現状がある。. 第四節 給食指導を充実させるための取り組み.  現在、給食時間の指導の充実させる施策として、第一節で も挙げた「食に関する指導と手引書(文部科学省)」が発行さ れている。そこに記されている内容は主に、学校における食 育の重要性、食に関する指導の目標、栄養教諭が中心となっ て作成する食に関する指導の全体計画、各教科や給食の時間 における食に関する指導の基本的な考え方や指導方法、など を取りまとめられたものが掲載されている。  その他に、都道府県の各教育委員会からも、給食時間帯の 指導を充実させるための取り組みとして、食に関する指導の 手引書が発行されている。そこに記される主な内容は、給食 時間帯に考えられる、児童生徒の問題行動や課題に対しての 指導方法が具体的な事例と共に報告がなされている。しかし、 それらの手引書に記されている指導の対象は主に肢体不自由 児を対象とした内容が多く取り扱われている傾向がある。  例えば、肢体不自由児の多くが摂食嚥下機能に困難さを抱 いている。そのような困難を抱える児童生徒に対する支援の 手続きとして、二次調理を行う方法や、摂食活動を円滑に行 うために、特殊な食器の活用方法や食介助の方法などが掲載 されている。しかし、そのような内容は先程にも述べたよう に対象が肢体不自由児と限定されており、それらの指導書で は知的障害のある児童生徒を対象とする実際の現場ではその 困難の多様性に対処させることができない。また数ある指導 書の中には、肢体不自由児に対する指導のことの他にも、知 5.

(8) 的障害のある児童生徒を対象とした具体的な指導に関するこ とも、一部記載はされてはいる。例えば、知的障害のある児 童生徒に多く見られる、過度の偏食対する指導方法が主に記 載されている。しかし、そこに記されている内容のほとんど は、一般的に行われている代表的な指導方法が事例と共に記 されているのみである。そのような、既に一般的に行われて いる指導方法を記述しているだけの内容は、学校現場の食に 関する問題の多様性が考慮された内容となっておらず、現場 での実践に活かせないことが懸念される。現に、食に関する 多様な問題を抱いている知的障害のある児童生徒を受け持っ ている教員は、給食時間に困難さを解消することができず、 指導に対する不安感を抱えながら日々指導を行っていること が報告されている。.  また、実際の指導場面で特別支援学校の教員が給食時間に 不十分な食介助を行い、児童が食物を喉に詰まらせ、一時は 意識不明の重態となったケースも報告されている。そのよう な事例からも伺えるように、教員の給食指導が不十分であっ たり、指導方法を一歩誤ることによって、恐ろしい事故に繋 がりかねない。教員には、今一度安全で適切な給食指導を行 う事が求められていると言えるだろう。. 第五節 指導内容を整理・体系化することの有効性  一方、給食指導と同様に指導内容が多様性に富み、指導に 困難さを抱きやすい教科や分野が学校教育に存在している。 そして、それらの多様性に富み、漠然とした教科や分野の指 導の質の向上のために、指導の内容を整理・体系化を行った 先行研究がされている。それらの先行研究の結果からは、指 6.

(9) 導内容を整理・体系化をすることが指導の発展と充実に繋が るという結果が得られている。.  例えば、松尾(2009)は、体育教科における投球動作の指 導において、教員が指導する際に生徒の動作で注目する点を 収集し、そのデータを体系化することで指導方法の整理・分 類化を行い、後の指導に活かすという研究を行った。また、 大橋ら(2005)は、性教育の実践活動の傾向を明らかにし、 指導の在り方を検討した結果、生涯教育の観点を取り入れた 性教育の指導内容・方法の体系化を求める声をあげている。 他にも、技術教科の分野や、美術教科の分野で、指導内容・ 方法の体系化で指導の向上を目的とした先行研究が行われて いる。.  それらの先行研究の結果より、多様性に富んだ指導内容や 方法を整理・体系化を行う意義と、そこから得られる有効性 は、それぞれの先行研究で実証されている。また、その結果 からは、「教員の不安要素を和らげることができる」、「指導の. 質の向上が期待できる」といった報告がされている。.  以上の先行研究の結果を踏まえると、指導内容が多様性に 富み、困難さを抱きやすい給食時間の指導においても、指導 内容を整理・体系化することは、有意義な結果が得られるこ とが期待できる。.

(10) 第六節 本研究の目的.  前節で記述したように、指導内容の体系化を行うことの有 効性は十分に検証されており、そうすることは多種多様な給 食指導を行う事の困難さにも対処できると考える。しかし、 現段階で給食指導を体系化するといった取り組みは行われて いない。そこで特別支援学校で行われている給食指導の内容 を整理し体系化することを提案する。  本研究ではその体系化に先立った取り組みとして、現在特 別支援学校で実践されている給食指導を整理し、体系的にま とめる事で、体系化に向けた検討を行う。. 8.

(11) 第二章 研究1. 第一節 目的.  ある特別支援学校で行われている、給食指導の整理を行う 為に、特別支援教育コーディネーターの教員に調査を行う。. 第二節 方法. 1)対象  1.兵庫県下にあるX特別支援学校の概要  兵庫県下にあるX特別支援学校に勤める教員を対象とし て調査を行った。.  X特別支援学校では、一人の児童生徒に対して一人の教 員がサポーターとして配置されており、児童生徒が学校に いる間は決まった教員が担当の児童生徒に対して指導・支 援を行っている。.  X特別支援学校ではランチルームが設けられており、給 食はその場所で摂ることになっている。決まった時間帯に なると全校生徒と全職員が集まり、児童生徒はそれぞれの 教員と共に給食の準備始め、準備が整うとその教員と「い ただきます」の号令をかけて開始する。給食時間の終わり は児童生徒が決められた量の給食を食べ終えると、教員と 児童生徒で「ごちそうさま」の号令をかけて、各自で食器、. おぼん、残飯の処理、箸・エプロンなどの身の回りの片づ けを行い、片付け当番に当たっている児童生徒は教員と一 緒に机の上を布巾で水拭きをして、給食時間が終了となる。 9.

(12)  X特別支援学校には栄養教諭の配置がなされていないが、 給食時間の指導に関しては様々な工夫が独自でされている。 その主な取り組みの一例として、給食時間に行う指導の統 一を図る為の、給食指導の共有表を作成している。表作成 の為に、児童生徒の担当に当たっている全教員に、児童生 徒の食に関するアセスメントを行わせ、アンケートの調査 を行い共有表の作成をした。そのような表を指導に取り入 れる事で、全教員が、担当している生徒以外の児童生徒に 対しても、統一した指導を行う事が可能になる。教員は日 頃からその表を活用して意欲的に給食時間の指導に取り組 んでいる。.  著者は、この対象校であるX特別支援学校に、ボランテ ィアで学習支援員として入っており、2012年5.月中旬から 学校が夏季休暇の時期を除く、11月末日までの半年間、平 均して週に3日ほど学校に訪問している。  2.対象者について.  X特別支援学校に勤務する教員(以下、教員Aとする) 一名に対して調査を行った。教員Aの教員歴は39年であ り、特別支援学級勤務歴5年、特別支援学校勤務歴は13 年である。また特別支援教育コーディネーターである教員 Aは、日頃の学校教育を行っていく上で、学校全体の指導 の方針を定めるといったような、学校教育の中核的役割を 担う立場にある。. 2)手続き  2012年9,月上旬に休日の昼食時間帯に、校外で半構造化 による個別でのインタビューの調査を行った。インタビュ ーで行った質問項目は、事前に大学教員との話し合いによ り決定させた。質問項目は、 10.

(13) 「日頃の児童生徒と教員の給食時間の活動の様子」 「その給食時間帯に行っている指導・支援の内容」. 「指導・支援を行うにあたって工夫している事や注意して  いる事」. 「学校生活における給食時間の指導の必要性について」. の4点である。教員の回答によって、その指導を行う目的 なども併せて尋ねた。またより具体性のある事例を提示し て回答してもらうなど、質問の内容を発展、追加させた。  インタビューの実施時間は30分間として、記録の方法は 教員Aから録音の許可を得られたので、ICレコーダーを用 いた。. 3)分析方法  インタビューの内容から具体的な事例を集積し、指導内 容を明らかにするために、分析方法として逐語録を作成し た。それをコーディングとカテゴリ化の手続きに沿って分 析を行った。コーティングとは、テS・一一一一Lマ、パターン、概念. を探すために、データの切片を識別し、それぞれの切片に ラベルを張りつけていく過程である。なお、分析内容に信 頼性をもたせる為に、研究1に先立ち、事前の予備調査を 行ったデータで、大学教員一名と共にデータの分析をした。  1.オープン・コーディング.  記録したインタビュー内容から逐語録を作成し、それを 部分に分けて検討し概念化を行う。浮かび上がってくるテ ーマを模索するために、研究1ではすべての逐語録のデ・一一一一. タを読み、それぞれを部分に分け、コードの付与を行った。.  具体的な例を提示して手続きを解説するために、インタ ビュー一一一一の一番初めの発話を挙げる。(表2−1). 11.

(14) 表2・1 教員Aの逐語録 発話. 発謡者. 教員A. 全体的を見るのが私の役目です。(指導の様子を). q観的に見て、この視点はどうかな、というのを i生徒や教師に)指導します。.  逐語録内の括弧は、会話内で省略されたと思われる語句 を著者が推測して補足したものである。その逐語録を読み、 この部分に対して付与したコードは「客観的に見て生徒や 教師に指導」という名称とした。  2.カテゴリーの模索  オープン・コーディングで繰り返し浮かび上がった意味. 内容ごとにコードをまとめ、どのようなカテゴリが形成で きるか検討を行う。この作業の時に、ほぼ同意のコードを 一つのコードにまとめるなどして、コードの微調節を行っ た。. 第三節 結果  1.オープン・コーディング.  逐語録を基にデータを106の部分に分け、コードの付与 を行った。.  2,カテゴリの探索.  オープン・コーディングによって浮かび上がった106の コードの内、繰り返し付与できたコードの内容を参照して、 大まかなカテゴリを形成した。以下に形成した、カテゴリ. 12.

(15) の詳細を記す。付与したカテゴリ名は①∼⑦に示し、番号 以下にはそのカテゴリ内に含まれるコードを記述する。 ①給食時間の活動について(合計12コード) ・給食の時間は楽しく行う ・給食は栄養をとる. ・給食の指導は大切. ・給食指導は個別によって変える ・給食指導=自立指導のチャンス. ・給食指導は学校生活全体を通じて行うもの ・学校生活の一部の給食時間 ・食=日常生活 ・日常の生活の指導を大切にしたい ・日常生活を見て食態度を見る ・給食の指導を総合的に考える ・食べさせることだけが目的ではない. ②一連の給食時間の指導手続き(合計16コード) ・原因が必ずある. ・なぜだろう?の視点をもつ ・生徒の行動の原因はなんだろう? ・問題が起きる前の状態 ・行動の分析には観察 ・観察し’て子どもの動きを大きくとらえる ・問題が起きた後の状態 ・フィードバックを行って本人に自信をつけさせる ・できたことの解説を生徒に行う ・生徒の行動の評価を行う ・食べる事は能力的に苦しい 13.

(16) ・障害特性による困難さの理解とそれを楽にする為の手 立て. ・食事指導の条件をピンポイントで定める ・給食指導を簡潔にすると生徒も落ち着く ・食事の指導を全面的に否定から入らない ・給食時間に負担がかかりすぎると次の行動に影響する. ③一連の給食時間の指導手続きに沿った指導例 (合計8コード). ・顎が動いていない観察から噛む力がない予測 ・噛む力がない予測が丸呑みしている行動と結びつく ・実は舌が動いていなかった ・口周辺の筋肉を動かすことが困難 ・口のどの部分を動かすのが苦手か見る ・口を閉じられないから食べられない ・完食させるために汁を減らす ・苦手なものを努力して完食させ自信をつけさせる. ④摂食(合計29コード) ・感覚的な理由で食べられない ・味が嫌い. ・食べにくいものは嫌い. ・好き嫌いは食べやすさに関係がある ・食べられないなら食べなくてよい ・嫌いなものは食べなくてよい ・嫌いな理由を見つけた後の対処 ・「嫌い、食べれない」と言えないと生活できない ・嫌だと言える手立てを行う ・減らしてと言える手立てを行う ・お腹を空かせて食欲をわかせる 14.

(17) ・昼休みに楽しいことがあることを経験させる ・嫌いな食べ物は目の前から撤去する ・食べられない物はなしにする ・嫌いなものをなくして食べられるものを食べる ・嫌いなメニューを食べさせるために食べられる具材を 集める. ・嫌いなものを減らして食べられるようにする ・嫌いな具を取り除いて食べれるようにする ・食べられない物は減らす ・嫌いな食べ物は究極まで減らして完食させる ・嫌いなものを一個だけ食べさせて様子を見る ・端っこに嫌いな食べ物を寄せる ・嫌いな食べ物の減らし方も生徒によって違う ・嫌いなものを減らしてもらい頑張って食べようとする 気持ちを持たせる ・完食させて前向きな気持ちを持たせる ・プラスの経験をさせる ・好きな具をたくさんおかわりさせて給食を楽しい時間  にする. ・好きなものを何回もおかわりさせて満足感、楽しさを 経験させる. ⑤マナー(合計18コード) ・食生活に気を配る ・生徒と思いを通じやすい関係づくり ・味の濃いものはどんどん濃くなる ・ねこまんまの習慣化 ・早食いをやめさせるためによく噛ませる ・早食いはガスが出やすくなる ・噛む事ばかり指導しない 15.

(18) ・噛ませる量を決めて指導する ・しっかり噛もうと努力した時に褒める ・口の周りがよごれると自分で気づいて拭く ・鏡を見せて口の周りを拭かせる ・人のものは取らない. ・食事に使う道具は何を使っても良い ・足元が落ち着かない子への手立て ・足元が落ち着かないと姿勢が悪化する ・手が汚れると自分で拭く ・おぼんの上で食べさせる ・ある程度のマナーを守れないとどこにも行けない. ⑥コミュニケーション(合計18コード) ・給食時間はコミュニケーションのチャンス ・給食は意思が出やすい ・意思表示は自立の為. ・給食に見通しを持たせ思いを持たせる ・教師から生徒に「減らしましょうか」の声掛けを行う ・食べなくても良い経験をさせ自分で言えるようにする ・減らす選択肢がないため本人は困っている ・嫌いなものは言ったら減らすことができる事の理解 ・思いを伝える手法の指導 ・行動とカN・・一一4ド・言葉を常に一致させ行動を理解させる. ・意思表示の手段を生徒ごとに把握 ・意思表示の方法を個に応じて指導 ・教師が見本を見せて次に生徒が一致させる ・教師が常に行動と言葉を一致させる ・おかわり時指さしをして欲しい意思表示をさせる ・ほしいときは自分で言わせる ・食の好き嫌いを理解することで良い関係が築ける 16.

(19) ・コミュニケーションが取れているから、我慢が理解 できる. ⑦コーディネーターの役割(合計4コード) ・客観的に見て生徒や教師に指導 ・コーディネーターは客観的に見る人 ・おかわりに来る生徒の指導・支援 ・物理的な援助. 第四節 考察. 1)各カテゴリについて  教員Aに、現在特別支援学校で行われている給食指導の 実態調査を行い、コーディングとカテゴリ化を行った結果、 給食時間内に行われている指導の内容が、通常の教育の枠 を超えた多様な指導の内容を備えていることが示唆された。 次にカテゴリの各項目の説明を行う。. カテゴリ1給 時間の活動について  摂食を行う事は、日常生活を営んでいく上で欠かす事 ができない活動になる。そのため、食に関する指導を行 う事は、即ち日常生活に関する指導を行う事となる。日 常生活に関する指導とはっまり、児童生徒の自立に直結 した内容の指導となる。カテゴリ①では、特別支援学校 の目標を達成させるためにも、日常生活の指導と密接な 関係にある、食に関する指導を行う事の重要性が特に指 摘されている。また、前述したとおり、毎日行う重要な 指導の中で、教員Aは児童生徒の気持ちの負担にならな 17.

(20) い為にも、給食時間を楽しい活動にしたいといった願い も感じられる内容になっている。. カテゴリ②一連の給 時間の指導手続き  コーディングとカテゴリ化を行う事で、教員Aが給食 時間の指導を、ある一連の手順に沿って行っていること が伺えた。一連の手順とは、「児童生徒の観察」、「行動の 原因分析」、「具体的な指導・支援」、その後に「行動の評. 価」といった4つの段階で行われている。.  また、目の前で起きている児童生徒の問題のみに注目 をするのではなく、児童生徒が抱いている障害による困 難性などの背景に注目して指導・支援を行うことが大切 になることも伺えた。.  そして教員Aが給食時間に行っている指導手続きのど の行程でも、児童生徒の多様な実態に適した指導・支援 を行う為に、常に児童生徒の行動を注意深く観察し、そ の都度アセスメントを行っていくことが、重要な活動な ることがインタビューから伺えた。アセスメントの際に は、児童生徒の行動に対して「どうしてそのような行動 を起こすのだろう?」といった、常に疑問を投げかける ような姿勢で行うことが大切になる。.  また給食時間の指導に当たる前に、児童生徒の個の障 害に関する基礎知識の情報収集を行うことは、円滑な指 導を実施させる為の基礎知識になるため、指導に取り組 む事前に周到な準備をおこなって指導に臨みたい。他に も、ある問題となる行動に対して「こういつたシチュエ ーションの時は世間一般ではどのような対応がなされて いるのか」といった、個人的に事前に情報収集を行う事 も大切になる。ある一つのシチュエーションに対して、 18.

(21) 複数の対処法を捉えておくことは、臨機応変な指導・支 援を展開させていく為にも必要な情報になる。 カテゴリ3一連の給 時間の指導手ワuきに沿った指’例.  カテゴリ②のコーディングとカテゴリ化から伺えた、 一連の指導手続きを受けて、ここでは、具体的な指導の 活動例を示したコードで構成されている。活動例を示し て、児童生徒の目の前で起きている問題の行動のみに着 目するのではなく、児童生徒の障害による困難性などの 背景に着目し、指導・支援を行った例が示されている。. カテゴリ4摂  このカテゴリには摂食に関するコードを集積し、その 内容は、主に嫌いな食べ物に関係のある内容のコードに なっている。嫌いな食べ物のある児童生徒に対して、特 定の食べ物が嫌いな理由は何なのか、そういった時に教 員は具体的にどのような指導・支援を行っているか、何 を目的としてそのような指導・支援を行うのか、などの 内容で構成されている。.  嫌いな食べ物の摂食をさせる事の目的には、健康面の ことを考慮してバランスよく食べ物を摂取させているの ではなく、児童生徒が嫌いな食べ物が完食できたことで、 達成感や成就感を感じさせる事を目的にして支援・指導 を行われていた。こういつた機会を意図的に設けている 理由として、成功体験が少ないとされる知的障害児に対 して完食という成功体験を積み重ねさせ、外界から情動 に働きかけ、次の学習時の前向きな意欲に繋がるという ことが考えられる。.  また嫌いな食べ物に関する取り組みだけでなく、自分 の好きな食べ物を思う存分おかわりを行わせ、給食の時 19.

(22) 間は楽しい時間なのだという風に認識させるための取り 組みも行っている。この取り組みを行う目的は、児童生 徒が欲求を自分で満たせる事で満足感を得る事につなげ、 児童生徒が自身でQO:Lを引き上げることを目的として 行われている。. カテゴリ⑤マナー  ここのカテゴリ名で示しているマナーの意味は、児童 生徒の食習慣の形成、食に対する態度、といった内容が 含まれていることとする。ここでの指導を行う目的には、 児童生徒の自身の健康のことを考慮して、食習慣を配慮 させたり、児童生徒の良好な摂食時の状態を保つために、 姿勢や身体の動きに配慮を行った内容になっている。  その他にも、本人が学校を卒業し、社会に出た時のこ とを視野に入れ、最低限身に付けておくべき行動なども 指導を行う目的に含まれている。知らない人と食を共に する時に、人のものは取らないといった事や、家以外の 場所でも安心して食べることができるように、環境を調 節するといった事など、自立して生活していくために必 要な社会的要素も含まれている内容となっている。. カテゴリ⑥コミュニケーション  給食の時間は、「あの好きな食べ物を食べたい。」「もっ. とたくさんこの食べ物を食べたい。」逆に、「この食べ物 は嫌い。だから食べたくない。」「食べたくないから、こ. れを減らしたい。」というように、自発的に様々な意思を. 抱きやすい時間である。意思の抱きやすい時間というこ ともあり、その意思を他人に伝えることができる、コミ ュニケーションの能力を身に付けさせる時間であること がユードの内容から伺えた。 20.

(23)  コミュニケーションの指導を行う手段は、絵カード、 指差し、発語など、児童生徒ごとの発達や実態に応じて 行われている。また、コミュニケーションを身に付けさ せるためには、まず教員がコミュニケーションを成立さ せる例を示し、児童生徒に学習させるといった取り組み が行われている。.  また児童生徒と教員の間でコミュニケーションを成立 させることが、児童生徒と教員の間に良好な人間関係を 築くことのきっかけになることが言われていた。. カテゴリ7コーディネーターの役割  コーディネーターの現在の給食時間の役割は、教員が 児童生徒に行っている指導・支援を客観的に見て、必要 に応じて支援・援助を行っていることがインタビューを 行ってわかった。. 2)具体的な指導内容について  コーディングとカテゴリ化を行うことで、給食時間に行 う指導の内容が、多様で漠然としていることがわかった。 その多様な指導内容を、具体的で実践的な指導に焦点化す る為に、各カテゴリに含まれるコードの参照し、より具体 的な指導内容の検討を行った。  まず、カテゴリ①は給食時間の活動全般のことを指し、 指導を総合的に捉えた、理念的な内容のコードで構成され ている。そのことから、指導の具体性には欠けるカテゴリ となるだろう。次にカテゴリ②と③は、指導のプロセスに 関係するコードが中心に含まれている。そのため、指導す る具体的な内容とは関係が浅くなる。また、カテゴリ⑦は 特別支援教育コーディネーターが考える自身の役割につい てのコードが含まれるため、実際に行う具体的な指導の内 21.

(24) 容とは質が異なることが示唆された。以上のような検討結 果から、給食時間に行われる具体的な指導内容は、カテゴ リ④の摂食、カテゴリ⑤のマナN一一一一・、カテゴリ⑥のコミュニ. ケーションとなるだろう。.  研究1で挙がってきた給食時間に行われる具体的な指導 内容の三つの領域は、文部科学省から発行された「食に関 する指導と手引き(第1次改訂版)」の第三章の「2.特別 支援学校における食に関する指導の展開」に記されている、 「重複障害者のうち、学習が著しく困難な児童生徒に対し て食に関する指導を行う場合の留意点」といった内容にも 類似した項目が確認できた。文部科学省が掲げる留意点は、 1 健康状態の維持・改善に必要な生活リズムの形成 2.食べる機能及び食事動作の向上 3.食行動・食習慣の改善  (偏食や異色、肥満傾向等への対応). 4.コミュニケーションの基礎的能力の向上 5.安全な食環境の整備 といった内容で構成されている。前述した給食時間に行う 具体的な指導内容は、主に「2.食べる機能及び食事動作 の向上」「3.食行動・食習慣の改善」「4.コミュニケー ションの基礎的能力の向上」に関係が深いことが考えられ る。また、それ以外の「1.健康状態の維持・改善に必要 な生活リズムの形成」は給食時間だけに関わらず、学校生 活全般で指導の留意点として挙げられることと考える。そ して「5.安全な食環境の整備」は指導する内容の枠とし て捉えるのではなく、教員が児童生徒に対して行う、具体 的な指導・支援の手続きに含まれることが考えられる。  それらの事から伺えるように、前述した給食時間に行う 具体的な3つの「摂食」「マナー」「コミュニケーション」 に関する指導内容は、重複障害のある児童生徒が多く在籍 22.

(25) する、特別支援学校の現場で行われるべき給食指導内容と して妥当性があることが伺える。. 3)具体的な指導内容の実施にあたって  漠然とした指導内容を実施する時間でも、前述した、具 体的に行う3つの指導内容が想定できることで、手探りで はなく、指導計画や目標のある系統だった指導の実施の実 現に繋がると考えられる。そして、成り行きに任せたその 場限りの指導にならないためにも、それらの3つの具体的 な指導内容で目標を立て、その目標達成に向けた指導を計 画的に遂行させる必要がある。.  そこで、今回のコーディングとカテゴリ化を行った後に 検証された、カテゴリ②の一連の給食時間の指導手続き (「児童生徒の観察」「行動の原因分析」「具体的な指導・支. 援」「行動の評価」)が指導を計画的に遂行させるための一 指標になることが期待できる。なぜなら、日頃行っている 給食時間の指導が、前述したような項目を設けることで、 指導行程を事前に三時的に想定することができる。それは、. より具体性のある指導の実践が可能になり、指導内容も計 画的に実行できることの期待に繋がる。  そこで、研究1の以上の結果を受け、現在行われている 給食時間の指導を整理する試みとして、指導の様子を指導 内容と指導手続きの二つの視点から体系的にまとめること ができる資料を作成した(図2・2)。この表を以降から、「給. 食指導の体系表」と呼ぶこととする。.  縦の軸には、カテゴリ化により明らかになった、給食時 間に行われている具体的な指導内容を示し、横の軸にはカ テゴリ②の考察から判明した、具体的な指導内容を実施す る、教師の手続きを四時的に示した。 23.

(26)  そこで研究2以降では、ここで作成した給食指導の体系 表の妥当性を検証することを目的として行う。    指導手続き. 児童生徒の観察. w導内容. 児童生徒の. 具体的な. 児童生徒の. s動の分析. w導・支援. s動の評価. 摂食. マナー. コミュニケーション. 図2−2. 給食指導の体系表. 24.

(27) 第三章 研究2 第一節 目的.  研究1で作成した、給食指導の体系表に、同校に勤める他 教員の給食指導の対応付けを行い、体系表の各項目の検証を 行う。. 第二節 方法. 1)対象者.  兵庫県下にあるX特別支援学校に勤務する、3名の教 員に対して、インタビュー調査を行った。調査を行った3. 名の教員(以下、教員B、教員C、教員Dとする)の教 員歴と属性を以下に記す。.  教員Bは、教員歴2年半で、内特別支援学校勤務歴は約 2年である。現在中学部のクラス担任を受け持っている。  教員Cは、教員歴2年で、特別支援学校勤務歴も2年で ある。現在中学部のクラス担任を受け持っている。.  教員Dは、教員歴5年で、内特別支援学校勤務歴は2 年である。現在小学部のクラス担任を受け持っている。. 2)手続き  2012年9月初旬に半構造化による個別のインタビュー を行った。.  調査の実施場所は、X特別支援学校の各担当クラスで、 時間帯は児童生徒の帰宅後の放課後の時間に行った。. 25.

(28)  インタビューの実施時間は約30分間として、記録の方 法は各教員から録音の許可を得られたので、ICレコーダ ーを用いた。. 3)調査内容 各教員に行ったインタビューでの質問の内容は、 「日頃の児童生徒と教員の給食時間の活動の様子」 「その給食時間帯に行っている指導・支援の内容」. 「指導・支援を行うにあたって工夫している事や注意して いる事」. など、日頃指導を行っている様子を中心に尋ねる形式を とった。インタビューを展開させていく際に、教員によ ってその指導を行う目的なども併せて尋ねるなどして、 質問の内容を発展させた。. 4)分析方法  教員B、C、 Dの3名に対して行ったインタビューで得 たデータから逐語録を作成し、質的に分析を行った。 1.エピソードの抽出  研究1でわかった、「具体的な給食指導の内容」を参照 にして、エピソードの抽出を行う。. 2.オープン・コーディング  抽出したエピソードを、研究1でわかった、「指導手続 き」の4つの項目に沿って、各エピソード内で分断を行 い、分断したものにコードの付与を行う。  具体的にオープン・コーディングを行った例を表3・1 に示す。一番目にインタビューを行った、教員Bの逐語. 26.

(29) 録の冒頭部分を取り挙げる。発話の中で省略されたと思 われる発語を、著者が推測して括弧内に記している。  逐語録の中で、コードの付与に関係のある部分に下線 を引くが、研究1の結果で分かった、「指導手続き」の4 つの視点に沿ってコーディングを行うこととしている。 そのため「児童生徒の観察」に関するコードの部分には 「行動の原因分析」に関するコードの付与の部分には を引き、「具体的な指導・支援」に関するコードの付与の 部分には   を引き、「行動の評価」に関するコードの 付与の部分には   を引くこととする。  全ての逐語録を読みコードを付与した後に、重複して いると思われる内容のコードは一つのコードにまとめる 作業を行った。なお、コーディングに関係のないと思わ れた部分は一部省略を行う。. 表3・1オープン・コーディングの例 1発詣者. 教員B. 発議餐           ゼ. Tちゃんは、好きなものしか食べない。学校でも、家で 焉B. 著者. 好きな食べ物はなんでしたっけ?白いご飯でしたか?. 教員B. 僕の中では、白いご飯は、食べるものがないから食べて 「るように感じる。 どうしてそう思うのですか? おかずが嫌い、野菜がとにかく嫌い。で、一番好きなの はから揚げとか、とんかつ。揚げ物が好きだけど、給食 ノ毎回そんなものはでない。それで…、野菜、中でも人 Qが一番嫌い。で、だいたい人参はどのおかずにも入っ トいる。小おかずにも、大おかずにも。で、(人参は食べ 驍アとができないから)じゃあご飯を食べようか。(そこ. 著者. 教員B. 27.

(30) で、)ご飯は食べれるからご飯を食べている。みんなは、 それをみて、「ご飯が好きなんだ。」と思っている。食べ. るから。でも、食べさしていて、魚とか、から揚げとか を食べる時は、すっと(自分から)、口をあける。カツと かは自分(の手)で食べる。魚とか、は…、一回自分で 食べて(みて)、(Tちゃん自身が)いけると思ったら、 すっと(自分から)口をあける。でも、ごはんは(食べ させていて)、それと比べたら口を開けるのが遅い。 著者. なるほど。 …  (略)…. 口の開け方、速度?. 教員B. 速度。口に(食べ物を)もっていって、手を抑えて( べさせて)、一回食べて、(Tちゃんが)おいしいと思っ たものはすっと(自分から口を)あける。でも、ご飯を 食べさせるときは(口を開けるのが)ちょっと遅いとき がある。. それで、両手捕まえて、顎を抑えて食べさせる(指導を 行っている)のは、家でも好きなものしか食べていない …(というか、)家では好きなものしか出てこない。嫌い なものは食べさせられない。だから、好きなものばっか り出てくる。てことは、食べる機会がない。Tちゃんに とって、いろんなものを。じゃ、いろんなものを食べさ せる機会をどこでっくるか?(すると、学校で食べさせ る機会をつくる)となる。. で、もう一人のクラス担任の先生は、(Tちゃんの両手を 捕まえて、顎を押さえて食べさせるのは)あんまり好き でない。けど、僕が「いけ一!」というから、一緒にな ってやってくれている。. 28.

(31) んで、前に、効果が出てきたと言っているのだけど、家 で、好きなものを食べた後に、何かもう一個(別の食べ 二一を一)一一食一:茎一.な一い一と.鎗一け一な一シ上と⊥Σi一思⊥Σ」出一て一きゴζ一ら しい。. Tちゃん本人から。最近何一ヵ上巳.う.=個.L食.岱二一亘.と.思一一う一.. らしい。から揚げをたべたあと、なにかもう一個食べよ うとする姿勢が出てきたらしい。. 3.体系表への対応付け  オープン・コーディングを行って得たコードを研究1 で作成した体系表に対応付けを行い、表の妥当性、有効 性の検証を行う。なお、対応付けの信頼性を持たせるた めに、大学院生5名と、大学教員2名とで、対応付けの 確認作業を行った。. 第三節 結果. 1)エピソードの抽出  エピソードの抽出を行った結果、教員Bからは、10エピ ソードを抽出することができた。エピソード内の具体的な 給食指導内容は「摂食」に関するエピソードは、9エピソ ードであった。また「マナー」に関するエピソードは、1 エピソードで、「コミュニケーション」に関するエピソード は、0であった。.  教員Cからは、17エピソードを抽出することができた。 エピソード内の具体的な給食指導内容は「摂食」に関する エピソードは、8エピソードであった。また「マナー」に 関するエピソードは、3エピソード、「コミュニケーション」. に関するエピソードは2であった。また、どの項目にも含 まれない、その他のエピソードが4あった。. 29.

(32)  教員Dからは、12エピソードを抽出することができた。 エピソード内の具体的な給食指導内容は「摂食」に関する エピソードは、7エピソードであった。また「マナー」に 関するエピソードは、0エピソード、「コミュニケーション」. に関するエピソードは2であった。また、どの項目にも含 まれない、その他のエピソードが3あった。 2)オープン・コーディング  研究1の結果からわかった、指導手続きの項目を参照 して、オープン・コーディング法に従い、コードの付与 を行った。その結果、教員Bからは、合計29のコード を付与した。教員Cからは、合計32のコードを付与し た。教員Dからは、合計18のコードを付与した。  各教員の逐語録でコーディングを行った詳細を教員B は表3・2、教員Cは表3・3、教員Dは表3・4の順に示す。 横軸に逐語録に付与したコードの項目、「具体的な指導内 容」の項目、「指導手続き」の項目を記す。. 表3・2教員Bのオープン・コードの詳細 識ご「ド\. 具体的壕指導内容. 指導撃続ざ. 少食. 摂食. 児童生徒の観察. 好きなものだけ食べる. 摂食. 児童生徒の観察. おかず・野菜が嫌い. 摂食. 児童生徒の観察. ゴマがついていると食べ. 摂食. 児童生徒の観察. ネい 混ぜご飯・色ご飯は食べ ネい 食べるペースが遅い. 摂食. 児童隼徒の観察. 摂食. 児童生徒の観察. お腹を空かせる. 摂食. 行動の原因分析. 30.

(33) 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 行動の原因分析. 見た目が嫌. 摂食. 休み時間にたくさん遊ば. 摂食. 行動の原因分析 具体的な指導・支援. 摂食. 具体的な指導・支援. 食べられるものを見極め ト食べさせる 手を押さえて口に運んで Hべさせる. 摂食. 具体的な指導・支援. 摂食. 具体的な指導・支援. 食べられるもの(白ご飯). 摂食. 具体的な指導・支援. 食べさせる 無理やり口に運んで食べ ウせる. 摂食. 行動の評価. 一人でどんどん食べる. 摂食. 行動の評価. 口の中に入れて反応を見る. 摂食. 行動の評価. 嫌いなものは口から出す. 摂食. 行動の評価. 家でいつも食べないものを. 摂食. 行動の評価. 摂食. 行動の評価. 箸がもてない. マナー. 児童生徒の観察. 手先が障害特性により動. マナー. 行動の原因分析. 口をなかなか開けないの ヘ嫌いな食べ物 口をすぐに開けるのは好 ォな食べ物 見た感じが良くない 嫌いなものは臭いで判っ. トいる. ケる 食べられるもの・食べたい. 烽フでおかわりさせる. Hべるようになった. 決まった時間に量が確保. ナきる. 31.

(34) きにくい マナー. 具体的な指導・支援. エジソン箸での指導. マナー. 具体的な指導・支援. 箸で給食を食べることが ナきた. マナー. 行動の評価. 箸に目印を付ける. マナー. 具体的な指導・支援. 持ちやすい持ち方で握ら. ケる. 表3・3教員Cのオープン・コードの詳細 難嘉ド雨. 具体鹸な指導内容デ. 穿i指導手続き. 家で食べているものを学 Zでは食べない 澄まし汁を食べない. 摂食. 児童生徒の観察. 摂食. 児童生徒の観察. シーフードを残す. 摂食. 児童生徒の観察. パンを食べない. 摂食. 児童生徒の観察. 混ざりこ飯を食べない. 摂食. 児童生徒の観察. 早食い. 摂食. 児童生徒の観察. 味の違い. 摂食. 行動の原因分析. 見た目が受け付けない. 摂食. 行動の原因分析. 臭いが受け付けない. 摂食. 行動の原因分析. ランチルームは刺激が多 ュ、早く出たい 食べてみたら、と声かけ する. 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 具体的な指導・支援. 食べることができる具が入. 摂食. 具体的な指導・支援. 無理に進めない. 摂食. 具体的な指導・支援. ご飯を家から持参する. 摂食. 具体的な指導・支援. チていることを伝える. 32.

(35) 感覚の遮断. 摂食. 具体的な指導・支援. 海苔にご飯を巻き一つず ツ食べる. 摂食. 具体的な指導・支援. 食べない. 摂食. 行動の評価. 脚を組んで食べる. マナー. 児童生徒の観察. 給食の部屋に行かない. マナー. 児童生徒の観察. お箸のケースで遊ぶ 感覚過敏. マナー. 児童生徒の観察. マナー. 脚を下ろす声かけを行う. マナー. 行動の原因分析 具体的な指導・支援. 教師の太ももに顔を覆わ. マナー. 具体的な指導・支援. 箸箱を預かる. マナー. 具体的な指導・支援. カーテンの中に入る 落ち着く場所を部屋に作る. マナー. 具体的な指導・支援. マナー. 具体的な指導・支援. 給食の時間をずらす. マナー. 具体的な指導・支援. 脚を下ろす. マナー. 行動の評価. 最低限の行儀を評価. マナー. 行動の評価. 安心する. マナー. 行動の評価. ランチルームは区切らない. コミュニケーション. 具体的な指導・支援. みんなで楽しく食べる雰 ヘ気がでる. コミュニケーション. 行動の評価. ケる. 表3・4教員Dのオープン・コードの詳細 識一ド ・. 具体的な指導肉容. 指導手続き. ゼリーを触っている. 摂食. 児童生徒の観察. シューマイを食べない ハンバーグを食べない 透明のスープは食べる. 摂食. 児童生徒の観察 児童生徒の観察 児童生徒の観察. 摂食. 摂食. 33.

(36) ハーブがついたサーモン 食べない 濁ったスープは食べない 包まれているものは食べ 轤黷ネい 混ざったものは食べられ. 摂食. 児童生徒の観察. 摂食. 児童生徒の観察. 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 行動の原因分析. 見通しが立たないものは Hべられない ハーブの匂いと見た目が け付けない 見計らって声かけを行う. 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 行動の原因分析. 摂食. 具体的な指導・支援. 隣で行動を見守る. 摂食. 具体的な指導・支援. 加工食を原材料で説明. 摂食. 具体的な指導・支援. 混ぜさせて確認させて食 ラさせる 切って中身を見せて食べ ウせる. 摂食. 具体的な指導・支援. 摂食. 具体的な指導・支援. ハーブを取り除く. 摂食. 具体的な指導・支援. 食べない. 摂食. 行動の評価. 少しずつ食べはじめる. 摂食. 行動の評価. ネい. 3)体系表への対応付け  3名の教員のインタビューの分析を行い、コードの付 与を行った。付与したコードを、研究1で作成した「給 食指導の体系表」に対応付けをした。各3名のコードを 表に対応付けしたものを以下に提示する。教員Bのコー ドを対応付けしたものを表3・5に、教員Cのコードを対 応付けしたものを表3・6に、教員Dのコードを対応付け したものを表3−7とする。. 34.

(37)  なお、教員ごとで付与したコード数の比較や、そこか らの検討をしゃすくする為に、軸の一番・端に合計コード 数の項目を追加した。. 表3・5 教員Bの給食指導の体系表 児童生徒の観察. 児童生徒の. 具体的な指導・支援. s動の分析. ・少食. ・お腹を. ・好きなもの だけ食べる. 空かせる ・口をなかな か開けない のは嫌いな 食べ物 ・口をすぐに. ・おかず・野 菜が嫌い. ・ゴマがつい て. いると食べ 摂食. ない. ・混ぜご飯・. 色ご飯は食 べない. ・食べるペー スが遅い. 開けるのは 好きな食べ 物. ・見た感じが 良くない ・見た目が嫌 ・嫌いなもの は臭いで判 っている. ・休み時間にたく さん遊ばせる. ・食べられるも. 児童生徒の. s動の評価 ・一. lでど. んどん食 べる. の、食べたいも. ・口の中に. のでおかわり. 入れて反. ・食べられるもの. 応を見る ・嫌いなも. を見極めて食. のは口か. させる. べさせる ・手を押さえて口. に運んで食べ させる. ・食べられるもの (白ご飯)を食. べさせる ・無理やり口に運 る. んで食べさせ. コード数. ら出す. ・家でいつ も食べな いものを 食べるよ うになつ. 23. た. ・決まった. 時間に量 が確保で きる. ・箸がもてな マ ナ 1. い. ・手先が障害 特性により 動きにくい. ・持ちやすい持ち 方で握らせる ・エジソン箸での 指導. ・箸で給食 を食べる ことがで きた. 6. ・箸に目印を 付ける ケ1ζ 0. シ ユ. ニニ ード数. コ. 7. 9. 7. 35. 6. 29.

(38) 表3・6 教員Cの給食指導の体系表 児童生徒の観察. ・家で食べてい ない. ・澄まし汁を食  べない 摂食. Eシーフードを のこす ・パンを食べな い. ・混ざりこ飯を. @食べない ・早食い. 具体的な指導・支援. ・食べてみたら. 児童生徒の. s動の評価 ・食べない. コード数. と声かけをす る. るものを学 校では食べ. 児童生徒の. s動の分析 ・味の違い ・見た目が 受け付け. ・食べることが. ない. ・臭いが受. @け付けな い. できる具が入 っていること 伝える ・無理に進めな. 17. い. ・ランチル 一ムは刺. ・ご飯を家から. モェ多く ≠ュ出た い. 持参する. E感覚の遮断 ・海苔にご飯を. 巻き一つずつ. 食べる. ・脚を組んで 食べる. ・脚を下ろす声. ・感覚過敏. かけを行う. ・教師の太もも. ・給食の部屋に. @に顔を覆わせ. @行かない マナー. ・お箸のケース. @る ・箸箱を預かる. @で遊ぶ. Eカーテンの中. ・脚を下ろ す. ・最低限の. s儀の評 価・安心する. 13. に入る. ・落ち着く場所 を部屋に作る. ・給食の時間を ずらす. ・ランチルーム  ミシ. は区切らない. ・ニン. ・みんなで 楽しく食 べる雰囲 気がでる. 2. iド数. コ. 9. 13. 5. 36. 5. 32.

(39) 表3−7 教員Dの給食指導の体系表 児童生徒の観察. ・ゼリーを触っ ている. 児童生徒の. s動の分析 ・包まれてい. るものは. 具体的な指導・支援. ・見計らって声. 食べない. ・隣で行動を. ・ハンバーグを. ・混ざったも. のは食べ ない. 食べない. s動の評価 ・食べない. コード数. かけを行う. 食べない ・シューマイを. 児童生徒の. 見守る. ・少しずつ 食べはじ める. ・加工食を原材 料で説明. 摂食. ・見通しが立. ・透明のスープ. ・混ぜさせて確. たないも. フは食べ. Fさせて食べ. ・濁ったスープ は食べない. ・ハーブの匂. ・ハーブがつい. いと見た 目が受け. ・切って中身を 見せて食べさ. @は食べる. ない. たサーモン を食べない. 付けない. 18. させる. せる. ・ハーブを 取り除く. マナー. 0. ケ・ζシ ・ニン. 0. ード数. コ. 6. 6. 4. 37. 2. 18.

(40) 第四節 考察.  研究1で作成した、給食指導の体系表に、研究2のイン タビューで得た3名分のコードを、各々の体系表に対応付 けを行った。分類した各教員の体系表の参照をした結果、 どの教員も指導内容の「摂食」に関するコードが特に多く 集積されていることがわかった。そのことからも伺えるよ うに、X特別支援学校の教員は給食の時間帯に「摂食」に 関する指導を特に重視して行っているということが言える だろう。.  また、各教員の体系表の「コミュニケV一一一Lション」項目の. コード数を見ると、極端に付与したコードの数が少ない。 このことから、インタビューで得た逐語録からコミュニケ ーションに関するコードを付与することができなかったこ とが判る。今回のインタビュL一一一一で得られたコードのみで、. コミュニケーションの指導内容を検討するには不十分にな ることが懸念されるだろう。また、研究1の第四節 考察 の 2)でも記載したように、文部科学省が掲げる「食に 関する指導と手引き(第1次改訂版)」の「重複障害者のう ち、学習が著しく困難な児童生徒に対して食に関する指導 を行う場合の留意点」には、コミュニケーションの基礎的 能力の指導を行うことが明記されている。そのことからも わかるように、給食時間に行う一指導の内容として、コミ ュニケーションに関する指導に日頃から着意する事が望ま しいであろう。.  また、現在行った体系表へのコードの対応付けは、当面 の形であり、中には、指導手続きが重複した内容になって いるコードが存在する場合もあった。例えば、教員Cに付 与したコードで、指導内容「摂食」、指導手続き「児童生徒 の行動の分析」に『ランチルームは刺激が多く早く出たい』. 38.

(41) という内容のコードが存在する。一方、指導内容「マナー」、. 指導手続き「児童生徒の行動の分析」に『感覚過敏』とい う内容のコードが存在している。このコードは、別のエピ ソードで語られた部分に付与したコードであり、そのため 行う指導の内容や目的はそれぞれで異なる。しかし、児童 生徒に行った行動の分析の背景には、どちらの内容も感覚 の特異性が大きく影響していると考えられる内容になって おり、「児童生徒の行動の分析」のコードの意味内容だけを 見ると、重複した内容ともとれる。  そのような重複した内容のコードが存在することから、 指導内容や指導手続きの、全てを完全に分離して体系表の ような形にまとめることに意義があるのかを今後検討する 必要性もあるだろう。.  また教員3名のインタビューから得られたコードを体系 表に対応付けし、各項目で考察をした結果、縦軸と横軸の 各項目に、下位項目を設ける事でより体系化の有効性に繋 がる事が分かった。その有効性とは、下位項目が有ること によって、より児童生徒の実態に合った指導を体系的に整 理し、まとめやすくなることが挙げられる。  以下に下位項目を設けるために行った考察について記述 する。. 1)具体的な指導内容.  1.摂食  研究1の教員Aに行ったインタビューの結果では、摂食 に関する項目は、主に嫌いな食べ物に関するコードが多く 含まれていた。研究2で3名の教員にインタビューを行っ て、コードの付与を行い、体系表ヘコードの対応付けを行 うことで、一回に食べる分量が少ない「少食」というコー ドも含まれることがわかった。また、食物を食べる速度が. 39.

(42) 極端に速い「早食い」といった内容のコードも含まれるこ とがわかった。.  それらのことから、具体的な指導内容の摂食に関する項 目には、「食の分量」に関する項目と、「摂食の速度」が新 たな下位項目として設けることができると伺える。  また、教員Aのインタビューから伺えた、嫌いな食べ物 に関する指導内容のコードは、教員3名が行っている指導 の類似した内容のコードとも参照したところ、偏食傾向の ある児童生徒に行う指導とも密接な関係があることが伺え た。よって、嫌いな食べ物に関する取り組みは、偏食傾向 の児童生徒に行われる、摂取できる食物の種類を増やした りすることを目的とした指導と考える。それらを包括した 名称として「食の種類」に関する指導の内容を下位項目に 設けることができる可能性が示唆された。  以上のことから、摂食の具体的な指導内容の下位項目に は「食の分量」「摂食の速度」「食の種類」といった下位項 目を設けることができるだろう。.  2.マナー  マナーの項目に、3名の教員に行ったインタビューのコ ードの対応付けすることで、その指導の背景には、児童生 徒が社会で自立した生活を送っていくことを想定して行わ れていることがわかった。そのため、マナーの指導内容を 行う目的には社会的な側面が強くあることが伺える。その ことは、研究1の結果のマナー一・・の考察でも、人の食べ物を. 横取りしない、食生活に気を配る事の様に、望ましい習慣 や、望ましい食態度を形成させる事の指導の目的にも同じ ことが伺えるだろう。.  そして研究2の対応付けでは、「箸を使う」といった、摂 食を行う為の手段を身につけさせる内容が新たに含まれた。. 40.

(43) その、「箸を使う」ということをインタビューで話した教員. は「正しい箸の持ち方にこだわるのではなく、箸を使うこ とができない児童生徒が、自分の持ちやすい持ち方で箸を 使えるような指導をする。」という事を話した。それらの事 から、マナーの下位項目には物事を行うための方法や手段 を指導する「作法」という項目を設けることとする。  また、このマナーの項目には、家庭と学校以外での摂食 時に、周囲の人々を不快な気持ちにさせないための、ある 一定の立ち居ふるまいの指導内容が、項目に含まれること が伺えた。そのことは研究1の考察でも挙がった、望まし い食態度に関する指導と重なる部分が多くあるだろう。こ こではそれら指導の内容を、「行儀i」という下位項目を設け. ることとする。例えば、家族と外食に行った時に、外食先 で知的障害のある児童生徒が、箸やフォークといった摂食 器具を用いて遊んでしまう時があるとする。その摂食器具 で遊んでいることで、摂食とは関係のない余計な音を立て てしまい、周囲の人々に不快な思いを抱かせてしまうこと がある。そのような不適切な行動を防ぐ為にも、食に向か う態度の、特にその場に適した立ち振る舞いとなる「行儀」. を学校の給食時間帯に指導する必要がある。.  以上のことからマナーの具体的な指導内容の下位項目に は「作法」と「行儀」の項目が設けることができるだろう。.  3.コミュニケーション  先程にも記述したように、コミュニケーションの指導に 関するコード数は、他の指導内容のコードと比較すると極 端に少ないことが伺える。唯一、コミュニケーションに関 する指導のコードを付与する事ができた、教員Cのコード も、ある個の児童生徒に対しコミュニケーション指導を実 践した内容ではなく、現在給食を行っているランチルーム. 41.

(44) の環境について尋ねた時に述べられた発話のコードであっ た。.  文部科学省が掲げる手引書の中でも、給食時間内にコミ ュニケーション指導を行う事の意義が認められ、指導の留 意点にも記されている。しかし、X特別支援学校の3名の 教員のインタビューからは、コミュニケーションに関する 指導の不十分さが目立っ結果となった。その様な結果とな った理由には、以下の2点が考えられる。  まず1点画には、時間内にコミュニケーションに関する 指導の重要性は理解されてはいるが、指導を行う事ができ ない物理的な理由があることである。2点目には、給食時 間に行うべき指導内容に、コミュニケーションの内容が挙 げられている事が十分に認知されていないかである。以上 の2点に対する対処の策として、前者には、行う事ができ ない物理的な理由を追及し、実際の指導例を提示したりす ることで改善を図ることができる。後者には、指導に当た っている教員に、今一度給食時間内にコミュニケーション の指導を行う事の重要性を知らしめる必要がある。その為 の取り組みとして、「食に関する手引書」などを提示し、手 引書から、給食時間を通したコミュニケーション指導の大 切さを周知させる必要がある。以上の様な取り組みを行い、 今後、教員には給食時間にコミュニケーションに関する指 導を充実させていく事が求められているだろう。  また教員Cが回答していた、X特別支援学校にあるラン チルームの環境について、児童生徒同士との関わりや、他 教員と児童生徒との関わりを考慮し現在のランチルームの 環境がある、とインタビューで述べていた。給食時間は、 一日の中で学校に在籍する全児童生徒、全教員が一つの教 室に集まる貴重な時間になっている。それは児童生徒が、 クラス担任や、クラスメイト以外と関わるには絶好の機会. 42.

(45) とも捉えることができる。そのためにも、現在のようなラ ンチルームがあることは、児童生徒が人とのコミュニケー ションをとる事も考慮された環境整備でもあるということ が伺えた。. 2)指導手続き  1.児童生徒の観察  3名の教員の、児童生徒の観察に関するコードの分類分 けを行う事で、ただ漠然と児童生徒の給食時の行動を観察 しているのではないことがわかった。問題となる行動を起 こしている場合や、児童生徒にとっての課題を遂行してい るときの児童生徒の活動を、教員ごとでポイントを絞って 観察を行っていることが伺えた。  まず、給食時間の児童生徒の観察というものには、児童 生徒自身の行動の様子と、児童生徒の周囲の環境の様子と を注意深く観察する必要がある。ここでは給食時間である ため、周囲の環境の様子には、児童生徒が食べている、食. べ物の様子が主に含まれることが伺えた。この食べ物の様 子は、児童生徒の行動の分析を行う時に重要な手掛かりに なることが期待できる。.  例えば、児童生徒の具体的な指導内容、摂食に含まれて いる教員Dのコードには「濁ったスープは食べない」の内 容があった。前述した児童生徒の周囲の環境(食べ物)の 様子には、シチューを残しているという現状が当てはまる。 また別の日にはポタージュスープを残している現状がある とする。そこで指導している教員が児童生徒に対して抱く 仮説として、見た目が濁っている汁物は残している、即ち、 濁っていて、汁物の入っている具の見当がつかないような 食べ物は、本人にとって、好んで食べたい食べ物ではない. 43.

参照

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