兵庫北部に分布するブナ林の動態
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(2) 目. 次. 第1章 序論 第2章 調査地の概要 2−1.7Jくノ山. 1 .4. 2−2.扇ノ山. 2−3。氷ノ山・扇ノ山における過去の研究. 第3章 林分構造 3−1.調査方法. 8. 3−2.種組成. 3−3.ブナサイズ分布 3一一 4.樹高分布. 3−5.樹冠投影 3−6.樹齢分布 3−7.チシマザサ密度 第4章結実量(氷ノ山). 一24. 4−1.調査方法. 4−2.結果. 第5章 当年性実生 5−1.調査方法 5−2.実生消長. 一25. 第6章 ブナ稚樹(扇ノ山). 一30. 6−1.調査方法 6−2.稚樹分布 第7章 討論. 一34. 7−1.ギャップ更新(扇ノ山). 7−2。チシマザサの影響. 第8章おわりに. 一45. 要約. 一47. 謝辞. 一ny 49. 文献. 一一 50. 資料. 一53.
(3) 第■章. 序言命. 本研究はブナ極相林の維持機構に関する2つの課題を明らかにすることを目的 としている.. 一般的に, 「陽樹は親木の下では光が十分でないため次世代が生育できない.. しかし,陰樹は弱光下でも生育が可能であるため,ゆるやかに生長しやがて上層 の陽樹に置き換わっていく.さらに,陰樹は親の樹木の下でも次世代が生長でき るので陰樹の林はその後も維持され,最終的に陰樹の極相林が形成される.」と 言われている.このことは陰樹の極相林内には陰樹の後継樹が存在することを意 味している.冷温帯を代表する樹木であるブナは「ギャップ更新」すると多くの. 研究者が提唱している(中静1984,山本1984,HARA 1985,山本1990).これ は,林冠層の欠所部分すなわち「ギャップ」が形成されてはじめてブナの更新が 可能になるというもので,高木層にブナの成木が密にある限り,たとえ耐陰性の 強い陰樹といえども後継樹は成長できないという.そして,高木層のブナが台風 などの強風で倒れたり,寿命で枯れた場所すなわち「ギャップ」が形成される と,林床に十分な太陽光が供給されてブナ稚樹が生長を開始するとしている.本 研究では,兵庫北部の山地域に部分的に残されているブナ天然林の動態について 主に更新様式を解明することを第一の目的とした.前述の一般的な陰樹極相林の 更新様式をしているのか,それとも「ギャップ更新」が行われているのか,果た してどちらのタイプの更新様式で現在のブナ林が維持されているのかを考察す る.. 日本でのブナ林では林床にササを伴うことが一般的である.太平洋側ではスズ タケ・ミヤコザサがみられ,日本海側ではチシマザサ・チマキザサが多いとされ ている.そして,ササの存在はブナが更新する場合に大変な障害となり実生の生 長を阻む.しかし,それでもブナはササと共存しているからこそ,ササを林床に 持つブナ林が全国に広がっているわけで,ブナは何らかの方法でもって実生を定 着させ更新しているはずである.かねてより,そのような林であってもブナが更 一1一.
(4) 新できるチャンスがあり,それは数十年に一度と言われているササの一斉開花・. 枯死の時であると多くの研究者が主張してきた(藤田1986,中静1988,佐々木 1973,山本1990).その内容は,これまで林床への日照をさえぎっていたササ が枯れることによりブナの稚樹は後継樹としての生長が可能となって,ブナの更. 新が開始するというものである.氷ノ山では1970年前後にチシマザサが一斉開 花・枯死しており,前記の方法でブナが更新しているなら約20年生リブナ稚樹が たくさん確認されるはずである.多くの研究者がそうなるであろうと記載してい るものの実例は全く報告されていない.本研究では,ササー斉開花・枯死後のブ ナ林の更新現象が氷ノ山で起こっているのかどうか検証することを第二の目的と した.. なお,この論文の本文中では,植物を全て和名で表す.それぞれの和名に対応 する学名を以下に示す.表記は大井(1978)に従った.. 和名. 学名. キャラボク. Taxu s cuspidata Sieb. et Zucc. var. nafl a Rehd.. スギ チシマザサ ッノハシバミ. Cryp tomeria 」’aponica (Linn. fi l.) D. Don. Sasa kurilensis (Rupr.)Makino. ミズメ. Betula grossa Sieb. et Zucc.. ブナ. Fa60us creflata Blume. ミズナラ. Querc us moflgolica Fish er var. gross eserrata (B lu me). Corylus s’ieholdiana Blume. .Rehd et Wils.. ホオノキ. Magllolia obo va ta Thumberg. タムシバ クロモジ. Magnoli a salic ifolia (一Sieb. et Zi.,.cc.). マンサク. Hamamelis.iaponica Sieb. et Zucc.. ナナカマド ァズキナシ. Sorbus coiiimixta Hedl.. L加defa緩mbellaオa Thumb.. Sorbus ainifoiia (Sieb. et Zucc.) C. Koch. 一2一.
(5) エゾユズリハ. Daph niph y恥m m acrop ocl um Miq. var.加面1e(Maxi④ Rosenth al. ッタウルシ. R、む召sa丑めfg醒a Lavallee, ex Dippel. フウリンウメモドキ. Ilex geniculata Maxim.. ハイイヌツゲ. liex crena ta Thunb. var. paludosa 〈Nakai) Hara−. ヒメモチ. Ilex leucoclata (Maxim.) Makino. ハウチワカエデ オオイタヤメイゲツ. Acer japoflieuni Thunb. Acer sh irasawan ufl? Koidz.. ヘ コミ不カエデ. Acer micranth um Sieb. et Zucc.. コシアブラ. Acanth opanax sciadopylloides Franch. et Savat.. センノキ. Kalopaflax pictus (Th unb.) Nakai. ミズキ. Corfl tt s con tro versa He ms le y. リョウブ. Cleth ra harbiller vis Si eb. et Zucc.. サワフタギ. Symplocos ch ill eflsis (Lour.) Druce var. leuc oc arpa. (Nakai) Ohwi forma pilasa (Nakai) Ohwi. アオダモ. Fraxinus laii uginosa Koidz.. オオカメノキ. Vゐurnum血」rca加班Blume. 一3一.
(6) 第2章 調査地の概要. 調査は兵庫県氷ノ山と,鳥取県扇ノ山の2ヶ所で行った(図2−1).こ. れらの山は中国山地の東端に位置している.. 扇ノ山 、△氷ノ山. 図2−1.調査地. 2−1.氷ノ山 氷ノ山は兵庫・鳥取の県境にある標高1509.8mの火山性の山である.本来. なら標高800m以上の四域にはブナが生育するはずであるが,兵庫県側の中腹 に広域基幹林道が整備され,稜線近くまでスギが植栽されている.ブナ天然林. 熱年髪. >v 藻esog’s. 図2−2.氷ノ山地形図 一4一.
(7) が広く残されているのは頂上の南西から南東の斜面で,調査地はその中のなだ らかな東斜面の標高1350m付近(東尾根登山道,神戸大学ヒュッテ西側.山 崎営林署,奥山国有林651林班〉に4ヶ所設置した(図2−2>. 氷ノ山のブナ林では林床を3m前後のチシマザサがびっしりとおおい,結果 的に低木層の植物は極めて貧弱である.稜線付近では,風と乾燥が主な原因と 思われる山頂現象(山中1991)によりブナは全くみられず,全面ササ原が広 がる.ところどころキャラボクやリョウブの群落,スギの林が混じる.. 2−2.扇ノ山 扇ノ山は兵庫・鳥取県境に位置(山頂は鳥取県)する標高1309.9mの火山. 性の山である.標高500∼1000mの山域は非常に急峻な地形のため,その地域 の樹木は伐採をまぬがれ,豊かな落葉広葉樹林を残している.しかし,1000 m付近にはゆるやかな台地状の地形が広がっていて,原生林を伐採して広大な 高原野菜畑として開拓されている.また,なだらかな稜線部分にブナ林を線状 にわずかに残してスギの植栽は広域に進められている.. ブナは標高800m付近から頂上まで生育する.林床にはチシマザサがみられ るがその量は少なく,低木層の樹木が豊かに共存している.氷ノ山のようなサ サ原は扇ノ山ではみられない.調査地は頂上東側の標高1250mのところ(鳥 垂. 〉. 〉 )s. t. ヨ. UTNA ‘ lkm. 図2−3.扇ノ山地形図 一5一.
(8) 取営林署畑ヶ平国有林11民活)に1カ所設置した(図2−3). 扇ノ山の北部に連なる大ズッコ(1273m)付近は,直径20cm以下のブナの 二次林が広がっている.これは過去にこの:地域のブナが薪炭材として一斉に伐 採された後,形成されたものであろう.. 2・一 3.氷ノ山・扇ノ山における過去の研究 (1>植物相 両地域における研究は植物社会学的見地からの内容のものが多く,植物の組 成・植物相に関してよく調査されている.全般的な植生は宮脇(1984)が詳 しく整理している.氷ノ山については,中西・本間・田住(1970),中西・. 西本(1984),西本・中西(1984)など数多く報告されている.扇ノ山に関 しては藤原(1967)が詳しい.また,氷ノ山では地衣類に関する調査も右田・・. 中西(1985)によりなされている,. (2)氷ノ山「古生沼」花粉分析 氷ノ山の山頂直下(標高1490m)に約500㎡の「古生沼」と呼ばれる中間湿 原がある.三好・波田(1975),高原・竹岡(1980),高原(1994)は湿原 堆積物を試料として花粉分析を行い,過去の周辺植生の変遷を推定している. それらによれば,湿原周辺は約4000年前にはブナ・スギ林が成立し,ササも 生育していた。. (3)氷ノ山チシマザサー斉開花・枯死 ササやタケは数十年に一度開花すると言われている.氷ノ山では全山一斉 開花ともいえる現象が確認され,室井(1966),室井(1968),笠原・岡村・. 田中(1972)が詳しく調査報告した.それらによると,1966∼1972の7年間 で約IOOOhaが開花した。中でも1970年には,山頂を中心として約700haもの 大面積のチシマザサが一斉に開花したという。. チシマザサは開花・結実するとその後枯死する.前述のとおり,氷ノ山一帯 はチシマザサが繁茂している.頂上から稜線にかけてはごく一部を除いて一面 がササ原で,その下部のブナ林が広がる領域でも林床はやはり完全ヒチシマザ サでおおわれており,その他の低木類はほとんど見られない.低木層を完全に 一6一.
(9) 占め他種の侵入を妨げていたチシマザサが一斉に枯死したことは,氷ノ山のブ ナ林の更新を考える:場合極めて重大な意味を持つ.チシマザサの一斉枯死を考 慮に入れた植物の動態研究として,清野(1989)はミズメ林の形成に関する 興味深い報告をしている.. (4)ブナ林の動態. ブナ林の動態についての研究は全国的には数多く報告されている.しかしな がら,氷ノ山・扇ノ山周辺地域での長期的な動態調査は皆無のようである.こ れは,戦後の拡大造林により両地域のブナ林が広く伐採されたため面積的に狭 くなってしまい,長期動態調査には適さないと判断された結果であると思われ る.. 吉井・玉井(1994)は近畿・中国地方の日本海側地域5箇所のブナ林でそ の林分構造を調査比較している.氷ノ山の西斜面(鳥取県側)のブナ林が調査 地の一つになっているが,一時的な調査のため動態に関しての記述はなかった.. 橋詰・山本(1974a)は,氷ノ山・扇ノ山においてブナの着果状態を調査し ている.また,橋詰・山本(1974b)は標高別にブナ結実量を比較し,ブナの 優占度と種子の稔性との関係についても報告している.しかし,それらの結果 を現地のブナ林の動態にまでは言及していない. また,橋詰(1979)は氷ノ山と扇ノ山で採集した種子を畑に播き,稚苗の 生育特性を調べている.. 一7一.
(10) 第3章 林分構造 3−1.調査方法 調査は1994年6月から11月にかけて行った.. 氷ノ山 林冠がほぼブナの樹冠で占められていて,ササ原の状態でない林分と判断で きる4箇所に総面積6500㎡のコドラートを設置した(図3−1). 2e. Q4. 暫. Q3. xo E. 葡 閤. 50m. 一スギ. 30m. 幹. Q2. スギ. 図3−1.氷ノ山コドラート. 2本のスギ(■印)を結ぶ直線を 基準線として,ブナが集中してい る林分を4箇所選びコドラートを 設置した.着色部分の小コドラー トの中央に実生調査用のミニコド. ラート(lm×lm)を1個ず つ,合計66個設置した. 一8一. Q1.
(11) それぞれの大きさは,Q1縦30m×横20m, Q 2縦80m×横30m, Q 3縦 50m×横50m, Q 4縦45m×横20m(一部変形)である.そして,それぞれ のコドラートをさらに5m×5mの小コドラートに分割した.この小コドラー トごとに,その中に生育する樹長2m以上の樹木について,種名・胸高直径 (山側の根際から1.3mの位置における直径〉・根元の位置を記録した.樹高・ 樹長(図’3一一 3)については10mの樹高棒で測定できる個体のみ測った.た. だし,Q2においては全ての樹木の樹高と樹下を測定した.. 生長錘でQ1の一部のブナの年輪のサンプルを取り,樹齢を調べた.生長錘 は地上から50cmの高さで使用した.. また,航空写真から,コドラート内のギャップの広がりを読みとり,おおま かなギャップ分布図を作成した.. なお,Q1∼Q4の林相は以下の通りである. Q1:ブナ中径木が集中しており,林冠層は閉鎖されている.チシマザサは比 較的少ない.(傾斜10∼25度・南東斜面). Q2:林冠層はほぼ閉鎖されているが,所々に小さなギャップがある.チシマ ザサはおおむね密に生育する. (傾斜10∼15度・南東斜面>. Q3:最も太いブナが生育する一方でギャップも点在している極相状態のブナ 林である.林適温はすいている.チシマザサが最も繁茂している.(傾 斜5∼10度・南東斜面>. Q4:ブナ小径木から細径木まで共存し,出船層は閉鎖している.チシマザサ はQ2と同じ程度に生育する. (傾斜10度・南東斜面〉. 扇ノ山 縦75m×横40mのコドラートを設置した(傾斜30度・北東斜面).さらに,. 5m×5mの小コドラートに分割した.ただし,沢があったり地形が変化する などで林相が一様でないと判断された部分についてはその部分をコドラートか ら省いた.最終的に,小コドラートが91個を含む面積2275㎡のコドラートを 設置した(図3−2>.この小コドラートごとに,その中に生育する樹長2m 以上の樹木について,種名・胸高直径(山側の根際から1.3mの位置における 直径)・根元の位置・樹高・樹長を記録した. そして,ブナに限り樹冠投影図を作成した.. また,コドラートのすぐそば(5m以内)に生育するブナを選び,生長錘を 使ってサンプルを抜き取り年輪を数えた.生長錘は地上から50cmの高さで使 用した.. 一9一.
(12) チシマザサの密度を把握するため,両地域の数カ所で1m×1mの枠内に生 育するササを根際で刈り取り,高温乾燥機で乾燥させ乾重を求めた.. 5m. 5ml 紳. 75m. ’4 Om. 図3−2.扇ノ山コドラート. 着色部分の小コドラー一・一ト中央に実. 生調査用のミニコドラート(1m ×1m)を合計16個を置いた。. 樹 高. 図3−3.樹高・樹長の測り方 一1 O一.
(13) 3一一 2.種組成 氷ノ山,扇ノ山の調査地に生育する植物の種組成を表3−1に示す. Ba(㎡/ha)というのは胸高断面積(Basal area)のことで、各個体の. (胸高直径/2)2×πを求め種ごとに合計した値を単位面積(1ha)あ たりに換算したものである。つまり、ある種の樹木の胸高位置(1.3m)にお. ける幹の断面積合計が1ヘクタールあたりいくらであるかを示すもので、その 種の現存量の指標と考えてよい。. 氷ノ山 氷ノ山の4箇所のコドラートはササ原でなくブナの林冠が高木層をほぼ全面 占めている林分に設置したが,前述のそれぞれの林の違いがはっきりと数字に 表れた.小径木のブナが最も集中していたQ1では1ヘクタールあたりの本数 は627本となっている.一方,最も大径木のブナが見られたQ3では228本と 一番少なくなった.. 氷ノ山全体では今回設置した4タイプのブナ林が複合的に存在するはずであ り,それら4箇所のデータを合計し計算した数値を氷ノ山を代表する値として 表3−1の「氷ノ山合計(6500㎡〉」に示した.それによれば,調査した氷 ノ山6500㎡には14種類371本の樹木が生育していたことになる.. 扇ノ山 調査した扇ノ山2275㎡には22種類1545本の樹木が生育していた.本数の上 ではオオカメノキが570本と群を抜いて多いが,低木のため胸高直径が細く (平均3.2cm)現存量の指標となるBa(%)では7.3%に過ぎない.一方,ブナ. は54本と少ないものの,唯一林冠層を占めている巨木(平均胸高直径21.8cm, 最大値95.9cm)であるのでBa(%〉は67.6%にもなる.. 氷ノ山・扇ノ山の比較 調査地の概要で触れたように,どちらも日本海型のブナ林であるが,チシマ ザサの有無により低木層の樹木の多様性やその現存量に著しい違いが見られた.. 比較しやすいように棒iグラフを作った(図3−4).氷ノ山では93.8%がブナ で占められ,2番目に多いのはスギであった.扇ノ山では多くの低木類がブナ と共存しているため結果的にブナの占める割合は67.6%であった.. 単位面積当たりの現存量と考えられるBa(m2/ha)を比較してみると,氷ノ 一1 1一.
(14) 表3−1。種組成. 扇. ノ. .自レ. 本数 54. ブナ. コミ.ネカエデ. 139 .61玉 O1 .444 97 426. 108 .475 50 220 35 154 U2 492 62 14 59 259 23 101. マンサク .アオダモ. ウワミズザクラ リョウブ 才オイタ.ヤメイゲツ. サワフタギ ミズキ. ,. 237 2505. 5.70. タムシバ. H N. (2含75㎡). 本!ha.. オオカメノキ ハウチワカエデ. ,. 扇.ノ山でのBaが大き.い順に並べた.. 1.. .ナナカマド. 9. 40. オヒノノψρ1. Ba{㎡/ha)Ba(%). 627. 43,407. 87,640. 64.. 267. 2,535. 7,331. 3. 40. 0,056. Q,113. 2. .8. 1,553. 4,492. 1,523. 4,404. .0,779. 2252. 0,626. 1,810. 0,561. L623. 0,557. 1,610. 0.117} 0.337. 2含41. 0.0861. 0248. 0.076i. o220. 4. ハイイヌガヤ. 1. 4. 6. 80. 0.02. 0,040. 0.103. 0.091i. O.263. 2. 27. 8. 0ρ58. 107. 40.82. 98,011. 34. 400.. 46,945. 94,833. .9. 36. 0,032. 0,077. 13. 153. 0,135. 0.27.3. 202 27. 1. 4. 0,005. 0,012. 2. 24. 0,547. 1,105.. 3. 6. 71. 0,194. 0,392. 141. 0,438. .0,104. .311. 42. Ba〔㎡/ba) .39,798. Ba(%) 93.8尋5. 0.0317.. 0,087. 5. 0,073. 0,172. 17. 0,008. 0ρ21. 22. 88. 0.37.8. 0,908 . 12. 0,256. 0,666. 19.. 76. 0288. 0.6.92. 0,004.. 7. 11. 0.0216. 0,061. 0,885. .44. 68. 0,208. 0,490. O,117. 42 . 25.. 13. 3. .. 0.266. 0,076. 0,692. 16. 4. 0,198. 6.6111 0.026. 0,016. 4. .47‘. 0,210. 31. .48. L11. 2,242. 19. 0,243. 0,573. 0.03. OD61. 13. 29 20. .0,043. O,101. 8. 12. α002. 0,005. 1. 2. 0.0002. 0.0005. 1. 2. 0.0003. 0.0007. 0,516. .1. 1 1. α,032. i. i. 1 .1. 1. . 13. 1.. 1. 0,003. {.. G,001. 0.0006... .α006. i R. 5,969. 12,052. 3.. 13. 2,781. 40. 1. センノキ 907. 49.529. 93 389. 38,466. i 4. 6. 1,715. 4,044. α11.2. α269. 10. 15. 0,043. 0ユ01. 0.0,016.. 0,004. 1. 2. 0.0006. 0,OO1. 371. 573. 42.4081. 7,230. 10. 68. 1.. 1.. 11 4. 1 34.5848i. 24. .1531. 1. 0.GO蝦 0.003. 0.0005iO.0015 0,000310.0009. 2. 13. F. 0.002i O.006. ミズメ. 1545 6789. (6500㎡). 本数本,’ha. 228. 0.296. スギ. 合 計. ヵヒノ山合3f. Ba(%).. 57. 4. 6. 360.. 1. 0,006. (856㎡). 本数 本頗.Ba(m2/ha). 0.0016. 10. 51. ホオノキ. α0024. . aa(%). Ba(㎡〆ha}. 4. 0,18ド 0,519. 92. 3「!3. 91,184. 永ノ山Q4. (2500㎡}. 1. 02051 0.594. クロモジ フウリンウメモドキ. ヒメモチ. 35,075. .本数.本/ha. 0.2211 0.639. 571. 4. オヒノム∠∫ρ3 Ba一. i%).. 0.373i 1ゆ77. 84. 13. Ba(㎡/ha). 1,605 . 4.640. 19. 1. (2400㎡》. 本数 本/ha. 47. 13. 3. カビノ山Q2. Ba(%). 67,634. コシアブラ. ヤマウルシ. Ba(㎡/ha}. 2339. ッノハシバミ. アズキナシ. (750㎡).. 本数 本/ha. 124. 4:. 496. 41.6482. 86 .1013. 49.503.
(15) 山が39.8,扇ノ山が23.4となっている.また,全樹木の合計値も42.4と34.6で. やはり氷ノ山のほうが大きくなっている.この数字は興味深い結果である.. ;・1萎ζ. :毒;. ;妻≦. 盆言皇デ. 芸当. ブ. 扇ノ山. ;;. ナ. ζ. 、、 「. 、、、. 、、. \. 、. \\こSこ詠 樋. ブ. 氷ノ山. Ooro 100/o 20010 300ro 400/Q. ナ. 肇. 50ero 60% 700/o 80010 90% 1000/o. 図3−4.種組成グラフ(Ba%). 3−3.ブナサイズ分布 胸高直径DBHがどれくらいのブナ個体が多いのかをみるため,5cmきざ みで個体数を示した(図3−5).氷ノ山と扇ノ山で全く異なったサイズ分布 パターンとなった.. 氷ノ山では最も個体数が多いのはDBH35cm以上40cm未満のブナで,そこ を中心に細い個体も太い個体もほぼ同じような傾向で少なくなっている.. 10cm未満の個体は調査した6500m2の中ではわずか3本しかなかった. 扇ノ山ではし字型のパターンとなり,小径木の個体が多い.これは,後継樹 が林の中に生育して更:新が進んでいることを示している.こちらの10cm未満 の個体は調査した2275㎡の中に31本確認できた. 両地域は林床におけるチシマザサの繁殖の程度にかなりの差があり,この差 が後継樹の生育に大きな影響を及ぼしているものと思われる.氷ノ山における 後継樹の少なさは,将来のこの林の衰退とササ原の拡大を暗示しているように 思う.. 一1 3一.
(16) 120 100. 氷 ノ 山. 80 60. 40 20 o 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 10. 0. 120 100. 婁80 葺6。 藝4。. 型20 o 5 1015 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 10. 0. DBH (cm). 図3−5.ブナサイズ分布 氷ノ山ではDBH35cm以上40cm未満のブナが最も多く,小径木は少ない. 扇ノ山ではし字型のパターンとなり,後継木が豊富であることを示す. 1haあたりの総本数は氷ノ山の方が多い.. 一14一.
(17) 3一一一 4.樹高分布 扇ノ山ではコドラート内の全樹木の樹高と樹長を測定した.種ごとの樹長. と樹高を表にした(表3−2).DBHはブナが21.8cmと太いのに対し,そ れ以外は5cm前後の値となる.また,ブナは直立しているので樹高と樹長の差 は50cm余りしかないが,その他の樹種は1.5∼3mの差があり,雪圧により大 きく根曲がりしていることを裏付けている.本来なら亜高木樹種であるコミネ カエデ,ハウチワカエデ,タムシバ,ウワミズザクラ,オオイタヤメイゲツ, ナナカマド,アズキナシなども10mを越した個体はまれで,これも積雪によ る影響であると考えられる.. また,ブナに限り氷ノ山Q2と扇ノ山におけるDBHと樹高の関係をグラフ にした(図3−6).同じ樹高であれば扇ノ山のブナの方がやや樹高が高いよ うに思われる.. 3−5.樹冠投影 扇ノ山 林冠木であるブナに限って,樹冠投影図を作成した.また,倒木の位置もそ の中につけ加えた(図3−7). 樹冠の重なりのないところはギャップと呼ばれ,林冠層を占めていた林冠木 が寿命や台風などの強風で倒れることにより形成された林冠層の欠所部分であ る.倒木は全てブナで6本が確認された.1本だけ枝が折れたものであるが, それ以外は根元位置で幹が折れた個体4本と,根返り木が1本であった.それ らの直径は70∼80cmあることから,林冠層に達する巨木で,前述のギャップ の形成に関与したと考えられる.ギャップには多様な低木類が密に生育してい る.ブナの稚樹や小径木も生育し,後継樹が確実に育っている.. 氷ノ山 氷ノ山では航空写真をもとにギャップの位置を読みとった.Ql,Q4では 林冠層が閉鎖しており,ギャップは確認できなかった(図3−8,3−9,3− lo,3−11).Q2, Q 3のギャップにはチシマザサが非常に密生している が,ブナの稚樹や小径木は確認できず,後継樹は育っていないようである.そ れぞれのギャップの形成に関与したと思われる倒木はほとんど確認できなかっ た.. 一1 5一.
(18) 表3一一2.樹木別DBH・樹高・樹長 個体数. DBN (cm) 平均値 最大値. (2275 rf). 54. 21.8士28.2. 570. 著長 (m). 最大値. 平均値. 最大値. 95.85. 9.25±8.69. 30. 9.78土8.32. 30. 3.2±1.6. 8.33. 2.45:ヒ0.62. 4,80. 3.49士1.06. 7.43. 139. 4.7±3.5. 15.20. 2.85±1.19. 6.67. 4.44±1.81. 1L30. 101. f, .4 ±3.9. 15.27. 3.25ニヒ1.42. 8.05. 4.99土1.97. 9.81. 97. 5,1士4.4. 正7.21. 2.73±1.45. 6.87. 4,30士2.07. 10.20. 108. 3.9ま:2.3. 12.40. 2.96±O.81. 5.22. 4.29士1.39. 7.68. 50. 4.8±3.5. 16.75. 3.03士1.02. 5.29. 4.77±1.66. 9.12. 3Jr. 5.6士4。0. 17.83. 3.25±1.40. 8.54. 4.88=ヒ1.93. 10.32. ブナ. オオカメノキ コミネカエデ ハウチワカエデ タムシバ マンサク アオダモ ウワミズザクラ リョウプ オオイタヤメイゲツ サワフタギ. 樹高 (m). 平均値. 112. 3.2±2.0. i2.00. 2.20±O.76. 4.17. 3.69±1.27. 7.22. 14. 6.4 ±5.8. 18.83. 4.3g=ヒ2.91. 9.9, 1. 5, .09±2.99. 9.95. 59. 3.0±) .3. 6.37. 1.90±O.64. 3.35. 3.16±O.73. 5.55. ミズキ. 23. 4.3±2.8. 10,67. 3.25:dヒ1L.11. 5.42. 4.72±184. 8.82. ナナカマド コシアブラ ツノハシバミ ク回モジ フウリンウメモドキ アズキナシ. 9. 6.0±5.0. 13.20. 3.66±1.38. ,rx37. 5.85±2.37. 8.66. 13 19. 3.8±3.6. 1i.63. 2.84±1A5. 5.72. 3.64±1.68. 6.78. 3.6±1.6. 7.20. 2.67±1.02. 4.11. 4ユ9土1.25. 6.32. 82 51. 1.7±O.6. 3.64. 2.04土0.45. 3.52. 2.95土0.54. 4.49. 2.1±O.8. 4.20. 1.63士0,57. 3.34. 3.23±O.62. 4.93. 3. 7.6±4.9. 11.91. 3.41±2.22. 5.88. 6、61士2.80. 8.45. 平均値±標準偏差. 3000. o. ○ 扇ノ山. 2500. 回 氷ノ山q2. E2000. o. 闘. ε £. ロ. ボ. bO. 《D1000. oo. 口. 口 O. 胴 1500. 鞭・. o o o. ロ. ⑧恥. 工. 500. o. o o. 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 DBH (cm). 図3−6.DBH・樹高 扇ノ山ではコドラート内のブナ54本について,氷ノ山ではQ2 のブナ64本について樹高を測定したデータである. 一1 6一.
(19) ●●. ●. ● ●●. ●. ●. ●. ● ●. ●. ●. ●. ●. ●. ● ■. ●. ●. ?. ●. o. 一10m 図3一一7.扇ノ山樹冠投影図.ブナに限り,樹冠の広がりを 示した.コドラート外の個体についてもワクにかかっている ものは記入している.●は株の位置を示し,その大きさは胸 高直径を実寸で描いている.倒木の太さも実寸で表した. 一1 7一.
(20) ■ ブナ ■8. ■. X ブナ(枯死). 益麓■. 』. ■■. ■ ■ ■. ■. 麓. 9ε. ■ ■. ■. 10m. 図3−8.氷ノ山Q1.中鼻木の ブナが最も密に生育しており,ギ ャップはない.枯死(立ち枯れ) する個体も多い.. 一1 8一.
(21) iiiiiiiiii. iiiil難iiiliii. ……………1…. iiiiiiiiiii・………難萎…………i…i鯉. 撃奄堰A…………壽. :iiil・・. @ 騨1、 燃…1. lii…ll…3. ………………1………………………………………1…. ■. 圏. 口. 口 圏. ■. 麟i i3. 翻 ciii. 醸下灘、. ■ 口. ■. ■. 暉. ■. 咀. 口. ■. 騒. iii…. ■. ■. ’…………i…i…i……i. 難. 咀. ■. ㈱ギャップ. 10m. 図3−9.氷ノ山Q2.林冠はほぼ閉鎖 しているが一部に小さなギャップも見ら れる.㊦は現在根返り途中のブナ. 一1 9一.
(22) 欝織. 鱒鍛. liiiiiiiiiiiiiiiiiiiii……… iii. ・難,. ■ …………………iiiiiiii監. ill・襲i…η i竃. 1. ■ 鋭. 1. …. ■. 。. ■. ■. 噸9 奄堰c…1………… il 、iii. .騰1霧. ■■. 鱗醗麹. □ ii韮…. ■ ■ ■. ■. 鷹. 曝. ■. ■. ■. 蓼. ■. ・………ii…………iiiiii…碧. 鱗ii野・. ii…. ……1…………… ………1……灘. 口. ■. ■ ■. 呂iiii. ■. ■ ■. .・8・. ,gi鰻. ’. ■ 繍1醐灘’. 10m. 騰 購3・齢. ・………1黙. .●魑・●. ⑳ギャップ. 図3−10.氷ノ山Q3.ブナ大三木が最も多いコドラートだ が,チシマザサの現存量も最も大きい.. 一2 O一.
(23) ■ ■ 瞳. ■噛. ■. 圏. 凹. 瞳. 蜀. ■ ■. 10m. 図3−11.氷ノ山Q4. 小径木の個体が生育し, ギャップは見られない.. 一2 1一.
(24) 3一・6.樹齢分布 氷ノ山・扇ノ山のそれぞれで生長錘を用いて確認された樹齢とDBHの関 係をグラフにした(図3−12>. 氷ノ山ではブナ小径木が密に集中しているQ1で調べた.47本あるブナの 内の12本に生長錘を用いた.DBH:11.7cmの最も細いブナで58年を数えた.. 扇ノ山ではコドラートのすぐそば(5m以内〉に生育するブナ18本を調べ た.30cmの生長錘では大国木のブナの年輪の中心を通すことができず,齢を 確定できない個体もあったが,そのままグラフにプロットしている.DBHが 50cm以下の個体の齢についてはほぼ信頼できるものと思われる.. 3一一 7.チシマザサ密度 チシマザサの乾重を表にまとめた(表3−3).. 表3−3.チシマザサ現存量. コドラートNo 氷ノ山. 扇ノ山. 林相. 乾重(kg/㎡)桿長(m). Q 1 (No.!3). 閉鎖林. O.601. 22. Q 2 (No.28). 閉鎖林. 1.266. 3.0. Q2 (No.38). ギャップ. 2.509. 32. Q2 (No.70). 閉鎖林. O.352. 2.5. Q3 (No.40). ギャップ. 2.959. 3.0. Q3 (No.79). 閉鎖林. 1.429. 2.8. ギャップ. O.450. 3.0. ギャップ. O.1 14. 2.0. No.8 No. 3 2. 氷ノ山では,ギャップに生育するチシマザサは閉鎖林内に比べかなり現存量 が多く,種組成で確認されたように低木層の入り込む余地のないことを裏付け ている.一方,扇ノ山ではどちらもギャップで調べたものであるが,その値は 氷ノ山に比べはるかに小さく,種組成で確認された他の低木層の樹木と共存し ていることを示している.扇ノ山のコドラートは,とりわけその下側半分は全 くチシマザサが生育していない.その様子を示す図を描いた(図3 ・一13>.. 数字は小コドラート(5m×5m)に生育するササの桿数を示している. 一2 2一.
(25) 250. o 150. o に] ○. o. o o. o. 口. oo. 〈. o. o. 回氷ノ山Q1 0. 200. o. o. ○扇ノ山. 口. ○亀[:P□. 100. o. odth. 50. o. o o. a .O. 10 20 30 40 50 60 70 DBH (cm). 図3−12.ブナのDBHと樹齢の関係を調べた. 扇ノ山のDBH50cmを越える個体は生長錘が中心 に達しなかったため,参考値である.. 塾1. 嚢1題 執i§. o. 図3−13.扇ノ山の小コドラーート(5m×5m)に 生育するチシマザサの桿数.下側半分にはササは全 くない. 一2 3一. 80.
(26) 第4章 結実量(氷ノ山) 4−1.調査方法 1993年9月,氷ノ山のQ2内に種子トラップ(受けロ。.5㎡)を12個設置し た.その内,10個は閉鎖林冠下に2m間隔で直線的に置き,残り2個はギャッ プの中に置いた.種子の回収は月2回行い,それを①健全②しいな③虫害④殻 斗に分けて数えた.回収は雪が積もる11月末まで行った.. 4−2.結果 ブナの結実には豊凶の波があり,数年を周期に変動する.さらに,その変動 は全国的に同調することが知られている(河野他1989,原1992,西口1993). 1993年は全国的にブナの豊作年でたくさんの種子を落:とした.データは12ヶ. 所の値を平均したもので,1㎡あたりの数に換算した(表4−1>. 表4−1.種子落下量.値は1㎡あたりの数字. 9月15日 10月2日 10月16日 10月31日 11月20日 合計. %. 健全. 。.o. 3.2. 16.2. 43.5. 1.8. 64.7 22.8. しいな. O.2. 16.7. 100.0. 93.3. 7.0. 217.2 76.1. 虫害. o.o. 1.2. 1.5. O.5. o.0. 3.2 1.1. 殻斗. O.3. 7.7. 17.5. 46.0. 8.2. 79.7 “一. 種子の落下は9月下旬から始まり,10月がピークで,11月はほとんど落ちな い.健全種子は1㎡あたり64.7個が落ちたことになる.この数字は種子全体の 22.8%で,全体の76.1%はしいなであった.. 橋詰・山本(1974b)は1973年の豊作年に氷ノ山の本調査とほぼ同じ標高 においてブナ種子の稔性を報告している.それによれば充実種子37.5%しいな 42%となっており,本調査結果よりも健全種子が多い. 1994年は前年の豊作の翌年で全く開花・結実しなかった.このように,豊 作年の翌年が凶作となる現象は各地で報告されている(原1992,西ロ1993).. 一2 4一.
(27) 第5章 当年生実生 5−1.調査方法 1993年のブナ豊作を受け,翌年の1994年の雪解け後発芽した実生の消長を. 追跡した.調査は1m×1mのミニコドラートを各回コドラートの中央に1個 ずつ5m間隔で設置し,その中の当年生実生を数えることで行った.調査は5 月下旬から10月下旬まで行い,とくに発芽時期には月2回調査した.それぞ. れの調査地のミニコドラートの数(表5−1)と位置(図3−1,図3−2) を示す.. 表5−1.実生調査コドラート数 コドラート面積(㎡) ミニコドラート二. 二ノ山Q1. 750. 12. 氷ノ山Q2. 2400. 29. 氷ノ山Q3. 2500. 16. 氷ノ山Q4. 850. 9. 2275. 16. 扇ノ山. また,扇ノ山では秋の落葉直前にコドラート全体に生き残る全実生数を小コ ドラート(5m×5m)ごとにカウントし,ミニコドラートの結果と比較した.. 5−2.実生消長 実生の発芽は雪が解けてしばらくしてから始まった(表5−2,表5−3).. 氷ノ山では5月中旬から,扇ノ山では5月下旬から始まる.6月上旬から中旬 にかけて発芽はピークとなり,7月上旬には全ての発芽は終了する.しかし, 実生の消失は発芽後すぐに始まり,急速に減っていく.消失の原因は食害と,. 枯死であった.両者の内訳は,表5−4のようになる.. 表5−4.総発芽数と実生消失の原因 総発芽数(本/㎡). 食害(%). 枯死(%). 氷ノ山[66㎡]. 168 (2.5). 106 (63.1). 55 (32.7). 扇ノ山[16㎡]. 360 (24.0). 271 (75.3). 45 (12.5). 一2 5一.
(28) 表5−2.氷ノ山実生調査結果 日. 528. 6 7. 6 16. 6 29. 9L7. 8 4. コ’トト. Q1. 0. 9. 1. 0 0. 12. 2. L9. 2. 0 o. 1. 22 29. Q2. 死. 2. o. o. 0. 0. 2. o. ξ. 2. 0. 2. 0. 1. o. 1. 2. 0 0. 2 6. 0. 6. D. 8. 0. 6. o. O 5 6. 17 14. 3. 0. 3. o. 2. o. 0. o. 0. o o. o. 7. 0. 4. o. 0. 0. 0. 4. o. o. 0. 0. 0. 0. o o. 0. 1. o. o. 2. 1. o. 0. 2. 2. 1. 0 0. 0 0. o. o. o. 1. 0. 0. 0. 0. o. o. o. 2. o. o. o. o. 0. o. 0. 0 0. 0. 0 .. o. o. o. o. 0. 0. 0. 0. 0. 0. o. 0 o. 2. o. 1. o. 6. o. 3. 2. 0. 鼠. 0. 1. o. 2. o. 2. 0. 0. 0. o. 13. 0 5 0. 0 0. o. 2. o. 」. o. 0. 0. o. o. o. o. 1. 0. 0. 5. o. 2. 1. 28. 3. o. !. 0 0. o. 33. 5. 0. 4. 0. 2. o. o. 0.. 1. 8. 5 6. 3. 3. o. 0. 0. 0. o. 0. 2. 0. 1. 1. o. o. 0 0. 5. s. 2. o. o. 0. 3. 0. 0 0 o. 0. 5. 2. 3. 2. o 2 0. 2. 3. o. 2. o. 7. 3. 0. 2. 1. 0. 2. 1. 1. 10. 3. 0. 0. 0. 0. 1. o. 1. o. 1. o. 1. o. L. ユ. 0. o. o.. o. 0. 0. o. 0. o. o. 88 gs. 1. o. 1. o. o. 0. .0. o. L. 1. 0. o. o. o o. 0. o. 1. 匙. 2. 0. i. 0. 2. 0. 2. 0. 3. 3 9. o. 7. 0. 4. 1. 0. 1. o. 夏. ユ. o. 0. L. 0. 1. 0. 5. ユ. 6. 1. 0 0. ?. 3. 0. 0. .. o. L. 2. 15. 76. 5. 1. 2. 0. 8且. 1. L. 2. 7. 0. L. 1. 6. 0. 0 0 o 0 o o 0 0. 2. 1. 工. 1. 0. 9. o. 1. 0. 互. 0. 1. o. 0. 5. 2. 0. 1. 0. 0. 0. 9. 2. 1. 0. 0. o. o. 0. 9. 5. 4. o. 1. 0. 0 o o. 0. o. 1. 1. 1. 0 o. 0. 0. 0. 0. 1. o. 0. 0 0 o. k. 1. 1. 0 0 0 0. 0. 1. 3. 2. L. ・ 5. !. 2. 1. 1. 8. 4. o. 4. o. 1. o. 1. 0. o. 0. 4. 3. 9 10. 4. 0. 4. o. s. 0. 1. 0. o. .0. 4. 3. 1. 4. o. 3. 1. 4. o. o. o. o. 5. 3. 3. ササ石. 2. o. 2. 1. 3. o. 2. 0. 0. o. 3. 2. 1. ササ2. 0. o. 0. o. o. o. o. o o O. 0. o. Q. 11. 0. 6. o. 3. o. 0. 11. 6. 5. 1. 9. 0. o. o. 0. 0. o. 0. o 0 0. 18 23 38. 1. 0. 1. o. o. o. o. 0. o. 1. 0. 0. o. o. o. o. o. o. o. 0. 2. 0. 2. o. 2. o. 0. o. 0. 2. 2. 4. 4. 0.. 4. o. 4. 0.. 0. 0. 4. 3.. 1. o. 乳. 0. 1. 0. L. 0. o. 量. 5. o. 4. o. 】. o. 1. o. o. 5. 3. 2. 4. o. 4. o. 2. 3. !. 2. o. ・1. o o. 4. o. 0 0. o. 2. o 0. 0. 2. 3. 2. 3. 0 o. L. o. 0. o. 0. 3. o. 0. 0. 0 o. 3. 0. サ3. 58 63 78 83 98 86 46. o. 0. 0. 1. 1. o. 0. o. 0. o. o 0 o. 34. 0 5. o 0. 1. 6. o. 5. 7. 5. o. 3. o. o. 1. 0 o. o. 3. o. 9. 1. 31. o. o. o. o. 6 2 0. 1. 50. o. D. o. 0. o. 10. 1. o. 1. o. o. o. o. 2. o o 0 0 0 0 o 0 o o o. 3. o. o .. 0. 0. o. 7. 0. o. o. 0. o. 0. 0. 10. 0. 0. o. 0. o. 0. 0. 脆. 3. 0. 2. o. 2. o. 1.. 18. 0. o. 0. 0. 0. 0. 23. 工. o 0. o. 1. 0. 1. .. o. 量. o. 26. 3. o. 3. 0. 1. 0. 1. 31. 2. o. 1. 0. 0. o. 0. o. o. LO6. L. L49. 2. LO2. 1. 43. 2.2676. 0.0303. L5455. 0.0152. o. .34. !㎡. o 0 0 o. 16 21. 69. Q4. o. 27 24. 40 45 52 57 64. 3. 0. 本!㎡. 2.1633 0.0204. 0.6515. 0. 3. 3. o. o. o. 0. 0. o. 0. 3. 0 0 0. o 3. 3. o. 2. 2. 0.1061. 1. 1. 】. o. o 7. 2. t. o 0. 2 1. 1. 乳. 2. 168. 106. 55. O.0303. 2.5455. 1.6061. o.8333. 実些数:嗣査日に確認されたミニコドヲートの中の実生の数 発芽数:前回の脚査日から新たに発芽した実生の数. 表5−3.扇ノ山実生調査結果 月!日. 5.31. 6.11. 6.2L. 22. 44 . L 0 s3. 7.4. 7.28. 0. 監3. o.. 2. 0 o 0 0 o. 0 0. 乳3. 塞3. 5. 4. 9. L. 4. 18. 5. 3. 8. 0. 4. 23 28 33 39 44 5L 56 65. L4. 1. 呈3. 0. 7. 4. 2. 6. 0. 6. 8. o. 8. 14. o. 9. o. 7. L4. 1. 乳4. L. 5. 44. 2. s2. o. 8. 2. 8. 39. 1 乳. 71. 80. 87 合辞 本/♂. 2. 27. o 0 o. o. 8. o. 30. 3. 23. 0. 26 22. o. 18. 23 22 45. L. 21. 4. 4. 28艮. 70. L8,793. 4.6667. 306. 6. 0 o o 0 o o. 7. o. 1. o. 1. 0 o. o. 0. o. 0. 0. 0. 4. 4L. 0 0 o 2 0. 35. 35. 塾. 5 o. 0. 2. 1. o. 1. 11. 7. 3. 0. 3. o. 3. 3. 14. 0. 3. o. 3. o. 3. 1. lo 8. 1. 5. L8. 0 o 0. 5. o. 3. 0. 3. 0. s. 46. 3匡. 10. 5. 0. 匹. o. o. o 0 o o. 0 2 o. o. o. 0. 2. o. 2. 0. 0. 0. 2. o. 6. o. 2. o. 1. 0. 1. 1. 乳4. 9. o. 4. 0. 2. o. 5. 0 0 o 0. 3. o. 2. 0. o. 8. 22 L.4667. 89 5.9333. 0. 9. 8. 2 0.1383. 0. 0 o o 0 o 0. 5. 3. o. 且. 32 5,467. L. o 0 0 0 o . o. 9. 20.4 0.4667. 1025. 10.6. 曹. 26. 24 22. 3 8. 9.3. 生. コド》一. 0. 9 3. o. 29. 0 0. 2.8667. o. L9333. o. 1. 一2 6一. 1. o 2. 10. 44. 25 23. L4667. 実生数:N・査日に確認されたミニコドラートの中の実生の数 発芽数:前國の飼査日から新たに発芽した実生の数. 7. 13 6. 6. 1. 0 . 22 o. 8. o. 0. o. 15. 2. o. 9. 夏0. 5. 39. u 15. o. 3. 3 3. 5 5. 50. 34. 7. 360. 27. 嬬5. 24 18,067. 3.
(29) 氷ノ山と扇ノ山では発芽総数が異なっている.前年の1993年は第4章で述 べたとおり豊作年であったが,結実量や種子落下後のネズミなどによる食害の 程度,そして種子そのものの発芽率などが異なっていたものと考えられる.氷 ノ山だけはQ2において結実量を調査していたので比較してみると1m2あたり に落下した健全種子量が64、7個に対し,発芽数は3.8本であった.その差が地. 上に落ちた種子段階での小動物による食害と,種子そのものの発芽率に影響さ れた部分である.健全種子を発芽試験したが,低温保存の方法で不完全なとこ ろがあり,約47%が発芽し(682個の内323個発芽)残り(359個口は腐敗し てしまった.この数字から何らかの結論を導くのは危険であるので結果を示す だけにとどめておきたい.. 発芽後の消失の原因を割合で比較すると,どちらの地域も7割前後はかと思 われる昆虫の幼虫や小動物などによる食害であることが分かる(図5−1,図 5−2).SAHAsHI et aL(1994)は田沢湖と入甲田の実験林において2年間実生. の消長調査を行い,当年生実生の消失原因として昆虫あるいは小型哺乳動物に よる食害と菌類による立ち枯れ病が重要な役割を果たしていると指摘した.そ して食害の割合は10.2∼40.6%と報告している.今回の結果は食害が63.1∼. 75.3%でより重大な影響を与えていることがわかる.枯死の原因については,. 菌類による病気や梅雨時期の過湿,夏の乾燥,光不足などが橋詰(1979), 原(1992),SAHAsHI et aL(1994)らにより指摘されている.しかし,今回の. 調査でそれらの原因は確認できなかった.. 実生の消長をグラフにした(図5−3).絶対数は異なるものの,全体の増 減の傾向は一致している。表5 一一2・表5−3で6月が発芽のピークであるこ とが分かっているが,発芽による増加数よりも食害などによる減少数の方が多 いことがグラフから分かる.. 6月上旬のそれぞれの地域の実生数の最大値を1とし,対数目盛で両地域の 実生の減少を比較した(図5−4).それによれば,6月の減少は両者とも同 じ程度であるものの,7・8月の減少が氷ノ山で著しい.結果的に発芽した実 生の10月末の段階での残存数は扇ノ山(16㎡)で22本(1.5本/㎡),氷ノ山 (66㎡)ではわずか2本(0.03本/㎡)であった.残存率にすると,扇ノ山で は6%,氷ノ山が1%となった.. 最終的に,氷ノ山の当年生実生数は調査した6500m2で10本未満である.初 夏の頃は1㎡あたり2本程度見られた実生も10月末には皆無となり,かろう じてミニコドラートに2本残っていた.一方,扇ノ山では発芽時期に1㎡あた り24本と踏まずに歩くのが困難であったのが,10月末にはL5本程度になった. 扇ノ山では,10月26日に2275m2あるコドラ・・一一・一ト内に生き残っている当年生. 実生を全てカウントした.それによれば,全部で1187本で,1㎡あたり0.52 −2 7一.
(30) 本となった.これはミニコドラートの値1.47本よりずいぶん小さな値となった.. この全数調査は9月21日にも行っており,その時は1640本あった.すなわち, 1ヶ月に453本が減った.この減少はミニコドラートでの調査ではとらえられ ていない.食痕から判断するとウサギのような小動物によるものと思われる.. 難 馨 図5−1.ガの幼虫による食害を 受ける当年生実生. 氷ノ山Q1にて’94,5.28撮影.. 遷. 図5−2.ガの幼虫による食害を 受ける当年生実生. 扇ノ山にて’94,6.11撮影.. 一2 8一.
(31) 本/㎡. 20. ● 扇ノ山. ■ 氷ノ山. 10. 6. 7. 8. 9 10. 月 図5・一3.当年性実生の消長,値はミニコドラートに確認された実生数 1. ● 扇ノ山. ■ 氷ノ山. O.1. Q.01. 6. 7. 8. 9. 10 月. 図5一一4.当年性実生の消長.値は6月の最多実生数を1とした相対値で対数目 盛でプロットした.. 一2 9一.
(32) 第6章ブナ稚樹(扇ノ山) 6−1.調査方法 扇ノ山のコドラートには毎木調査にかかってこない樹長2m未満のブナ個体 が多数みられたので,ブナに限り稚樹調査を行った.当年生実生を除く樹長2 m未満のブナについて,その樹長・樹高(二三50cm以上の個体)・座標・齢 を調べた.齢については,冬芽を包んでいた芽鱗の痕跡(図6−1)を数える ことで何年生の稚樹であるかを判断した.. 6−2.結果 2275㎡のコドラートの中に,ブナ稚樹は全部で282本確認された.齢の判別 は9年生の個体まで可能で,それ以上は幹の肥大成長により芽鱗痕が不明瞭と なり判別できなかった.齢の確定した稚樹個体数と,齢ごとの樹長平均値をグ ラフにした(図6−2).このグラフはブナ林の動態を考える上で実に有力な 情報をいくつか提供してくれる.. ①ブナの結実には顕著な年変動があり,いわゆる豊作年が数年周期でおとずれ ている.’93が豊作年で,前述のとおり当年生実生(1年生実生)は最終的に. 1187個体であった.さらに,4年生および9年生稚樹が際だって多いことか ら’90と’84が豊作であったことが分かる.ブナの豊作はほぼ全国的に同調する. ことが村井他(1991)・原(1992>・西口(1993)・山中(1994)らによ り報告されている.とりわけ,西ロ(1993)の過去の豊作年と今回の調査結 果は完全に一致した.. ②2年春,3年生および8年生稚樹を確認できなかった.これらは豊作年の翌 年とさらにその翌年で,いわゆる凶作であったと考えられる.このように,豊 作年の次の年は凶作であることも原(1992)・西ロ(1993)が報告している ようによく知られている事実で,前記の他地域でのデータと同様に一致する. 1994年は’93の豊作年の翌年で,やはり結実は全く確認できなかった.. ③伸長成長は年に1∼2cmと極めて少なく,陰樹のブナといえども母樹や低 木の下という弱光の条件では緩やかな生長しかできないようである. ④発芽して年数が経過するに従い個体数は減少していく.もっとも,’93・’90・. ’84の豊作年の結実量がほぼ同じであったと仮定することはできないが,それ ぞれの年の種子をスタートとした個体数が1187・172・35本とおよそ桁がひ 一3 O一.
(33) 図6−1.芽鱗痕. 冬芽を包んでいた芽鱗の痕跡で,芽鱗痕と芽鱗痕の間が 1年間に伸長した部分である.. 180. 20. 、8□個体数. 172. 160 140. 16. 120. 14. 一一・e一一樹長. 12G 10S 8略. 蝋100. 駆80 60 40 20 0. 6. 35 0. 32. 4. 5. 2. 4 7 “to. o. 6. 7. 8. 4. 0 9. 稚樹の齢. 図6−2.稚樹の齢別個体数と華華平均値. 齢ごとの個体数には明らかな差があり,これはブナの結実に豊凶が あることを示している.樹長は1年に1∼2cmしか伸びない.. 一3 1一.
(34) とつずつ少なくなるほどの減少は,むしろそのように考える方が自然であると 思われる.. 稚樹の座標をコドラート図に落としてみた(図6−3).稚樹は三内で均一 に分布する一一一一・一方で,明らかに集中しているところが数カ所みられた.とりわけ. 左下の2つの小コドラートでは,1m2あたり1∼1.5本という密度で,この値は 当年生実生の平均密度(0.52本)のほぼ2倍になる.さらに,ギャップとの関 連性を見るため樹冠投影図も重ねてみた(図6−4).その部分は小さなギャ ップであるが,実際の林の様子は3m前後の低木(オオカメノキ・リョウブな ど)に密におおわれ,むしろブナ母樹の下よりも光環境が悪いように思われる.. O 0 O. 0 o 0. ○. QO. o con. O. び(. o 0. OO. ). oo?. 0. o. O O. ○○. 0. I ○○. (. (. ⊂. j(の. 8. oO. Q. 0. つ0. ○ 一(:. 00(. 貸. o. 8も 0. 00. 0 O◎ σ). GD. ) O. ○. ). (. )8) OO. ⑦)(ρ (:. oo. (. i:b. (. 図6−3.ブナ稚樹分布.左下に顕薯な集中部分がある.. 一3 2一 /.
(35) ○. o O. o. O. 「.. ■. 0・. O 0●O O. O O. ●. ●. ○. O. ●. ●. oO O. 9. ●. o oσ. .GD. 8. ●. OO.. 0. 0. 0 嬉...9. OO. も. ●. ○. oqD O.. ○. ◎(ρ. n. ● ∫. 命. GD. @O ●’. O. 0.. OO. ● ●. ●. ●. ○. .●. 図6L4.扇ノ山ブナ樹冠投影図にブナ稚樹分布を重ねた.. 一3 3一.
(36) 第7章 言寸言盒r・ 7−1.ギャップ更新(扇ノ山) 本研究における最大の課題は,兵庫北部に分布するブナ林がどのように更新 しているかということであった.長命と言われているブナも,やがて間違いな く寿命がきて死に至る.個々のブナの寿命はあまりに長く,追跡できないので あるなら,多くのブナを調べることで更新のヒントがいくつか拾えるのではな いかという思いで調査を進めた.その過程で終始意識していたのがギャップダ イナミクスである.. 1993年は数年に一度目言われるブナの豊作年であった.長命であるブナの 一生のスタート直後にちょうど立ち会えたことになる.調査コドラートの中に は,発芽したばかりの当年生実生からやがて寿命を終える老大木,そして枯死 したばかりの立ち枯れ木まで全てのブナ個体がそろっている. 調査した2275m2のコドラートのどのような環境のもとに次世代を担う後継 樹が生育しているかを考察するため,前述の結果の中からもう一度拾い上げ整 理してみた(図7−1).当年生実生から林冠層を占めるブナまでを全て図に 落としてある.林冠層を占めるブナは個々の樹冠の広がりを示す投影図ととも に全ての図に盛り込んだ.この樹冠投影図からギャップの位置が判別できる. 当年生実生は10月の実生最終調査で確認された1187個体を樹冠投影図に落と した(A).ただし,実際の調査では各小コドラートごとの全車冊数を調べた だけで各個体の座標までは記録していない.従って,このA図は実生の分布の 推定図であって,個体の厳密な位置を表してはいないが,当年生実生の分布と ギャップとの関連性を推察することは十分可能であると思われる.駅長2m未 満の稚樹をさらに戸長別に4つのグループに分けて示した(B,C, D, E).. 樹長2m以上であるが胸高直径(DBH)10cm以下の個体で林冠層に達して いない小径木のブナを選びこれも樹冠投影図にその位置を落とした(F). 当年生実生の顕著な集中部分はコドラートの右下に見られ,2つの小コドラー トで約3本/㎡の密度であった.一方,稚樹が集中していた左下の小コドラー トでは0.2∼1.6本/㎡と少なかった. 「第5章当年生実生」の結果で触れたよ. うに,当年生実生の急激な減少の原因は昆虫や小動物などによる食害であった.. また,ある小コドラートでは9月3日から10月26日のほぼ2カ月の間に71本か ら22本へと激減した.これらの大部分にはウサギのような動物による食痕が みられた.また4・9年生稚樹もこの期間に合計13個体が同じような食害を 受けている.以上の事実から,実生・稚樹が生き残り,ブナの後継樹として成 長していくためには,発芽後数年の間小型で葉の数も少ない時期に昆虫や小動 物に食われないことが大変重要であると考えられる. 一3 4一.
(37) A. い ヤロ ロ. コ. B. ゆ. ・ こ・1 .●・.. ●.=.. 、 ● o. 、奮. ・. ・.る 。. .. ・c. o. .. .. . ’∴∵・,’.i.:エ∵_. ンニロヒ コ. o. 9. o. o. gKOZ. .. ニ・:こ」.… iゴ:憲.. サ コ. .. o. コ ワド ノ ゐじド コ ココロコ も ロへ ヂ リ @ リリ. oo. ・. 。.・・♂ ・… 7.:::!. サロ ロ. .. o. ・ ・. .. .. g:o. . ro. ロ. M o. ロノコ. 麟. =:・・皇一.’・㌦.. リ. .. ロ. コ. の ヤコ. コ びち. ノ. ロ. ロ. らロリログ. .. .・.・・:・1孔:∵ふ“ げ. ・. ’・、 ・・’. ・. .. ,。;. ” ゆノ ゐ ロ. のりの. .. ゾ ロ. ・ .・’○’ リ. ロ ロ. ’= ’《∴’:・f’、・亭,’。∂●. ,■ 曹 . 》 ■. ●. .. o. 。鈎. .. ’も欄 ・’・. 9お ● 冨 。. O oo. r. ・.:、 ’o’. コ. コ. ロ も コ. リ. ’:.●…. .. ●. e (o o. 。。 。. .. o .. 。 誤。. コらのコ. 、㌦.’.●・・. も. ・聯雛・聯窮. .. o. ’ . .. .. .. .. .. o. .. o. .. E. D. o. op. . .. o. .. b’o .. 0 8. .. .. もQ. o. 6. も。. 、1三轟、2;. @.”・・‘’∴…」摯 装≡k::・ .・. %. .. o(9. (∼). ・. .. の. 6. . ICD. . ’ ・・∴.・∵ビ・二●、 サ. F. .. .. o. o. .. .. o .. ’o .. .. .. .. .. s..rh.o. 1 0. op70%elo. o. .o. .. . .. o. e .. oN o. e. e. .. .. o. .. .. .o t.. .. . .. o. (i). .. .. o ●. .. ●. ●. .v o. .. ・. o. ,. ’. ●. o. .. ’. 図7−1.再編成した扇ノ山ブナ実生・稚樹の分布図. A:当年生実生 一一一一一一一一一一一一一一一一一1187本(・) B:稚樹(樹長20cm未満)・L”..一一一一一一一一一一213本(。) C:稚樹(群長20∼50cm未満)一一’,’一一H一一一一一…47本(。). D:稚樹(樹長50∼100cm未満)一一一一一一一一一ig本(。) E:稚樹(樹長100∼200Cm未満)一一一一一一一一一8本(○). F:長長2m.以上, DBH10cm以下個体一一一・31本(o) 一35一. o.
(38) 一方,当年生実生とギャップとの関連は,今回の調査では強い相関があると は思えない.ブナの種子はあまり遠くへ飛散しないことを考慮に入れれば,た くさん結実したブナの樹冠の下に最もたくさんの実生が発芽するはずである. 図7−IAは昨秋の種子散布後のネズミなどの小動物による食害と,今年の梅 雨時期における昆虫の幼虫や小動物による食害・枯死による減少を経た結果で あるものの,やはり実生が集中しているのはブナの林冠の下であってギャップ には顕著な集中部分がないことを示している.. 2m以下のブナ稚樹は全体的に均一に分布する一方で,ところどころはっき りと集中した部分がある.とりわけ紅血1m未満の稚樹は左下の小さなギャッ プにおける集中が著しい.このギャップは「第6章 ブナ稚樹」の結果で触れ たとおり,林冠層は欠いているものの3m前後の低木類(オオカメノキ,リョ ウブ)がかなりの密度で生育しており光環境は極めて良くない.この稚樹の集 中部分は中静(1984),原(1992>が言うところの「実生バンク」と考えら れる.. 中静(1984)によれば,通常「実生バンク」はギャップ形成前の林床で多 く見られるもので,十分な数の実生が待機しているところにギャップが形成さ れると生長が加速され更新が進行するとしている.ところが,それらの実生バ ンクもギャップが形成されず,林冠が閉鎖したままであれば10∼15年しかブ ナ稚樹は生存できないらしい.確かに今回の扇ノ山での実生バンク(ブナ稚樹 集中部分)でも,最長の稚樹は70cmでそれより大きな個体は全く存在してい. ない.そこに生育する62本の稚樹の内8割に当たる50本は20cm以下の約20年 未満の個体であった.つまり,皇恩層に小さなギャップは形成されたものの, 低木類との生存競争で優勢になることができず,20年までの稚樹が回転する にとどまっているようである.山本(1990)は小さなギャップの形成はブナ の成長に結びつかず,すでに存在していた周囲のブナが枝を広げる側方伸長成 長によりそのギャップを埋めてしまうと述べている.今後の変化が注目される.. 樹長lmを越える稚樹や, DBHlOcm未満のブナ小径木は各所のギャップ やギャップ近くの林冠の外縁部に分布する傾向が明らかに強い.逆に言えば,. ブナ林冠の下にはほとんど小径木は存在していない.とりわけ小径木が集中す るのはコドラート中央のギャップ付近である.ギャップに位置するブナ個体が 樹高3mを越えると低木層から抜け出し,光を十分受けることができるように なって伸長成長と肥大成長が加速される.しかし,ブナ小径木が集中している 場合は,ブナ同士の問で競争が起こる.最終的に高木となって林心密に樹冠を 広げられるブナ個体はごくわずかである. 大きなブナの樹冠の広がりや隣…のブナとの重なりを観察すると,林冠木は決 一3 6一.
(39) して互いに枝が入り組んだりせず,必ず空間的にすみわけている.樹冠投影図. の平面図上で林冠の外縁部が重なっていても,空間的には必ず両者は上か下か にずれている.また,1本のブナに限って葉の分布を見てみると,直射日光の 当たる林冠層だけでなく,中間層の光があまり当たらないところにも枝が伸び て葉はついている.しかもその葉は空間的に互いに距離を取り,均一に存在す る.つまり林冠層を占めるブナはその葉群を中間層にまで広げていて,空間的 にかなりの層を占有している.従って,下層より後継樹が成長してきても上層 に空所ができない限り雨冠層へは決して割り込めない.このように考えれば, ブナが「ギャップ更新」するのは必然的なものでそれ以外の方法での更新はあ り得ない.. 今回の調査で明らかになった結果からブナの更新において重要と思われる2 つの点を指摘したい.一つ目は,実生バンクと呼ばれるブナ稚樹集団をいかに 成立・維持させるかである.閉鎖林冠下の弱光のもとでは,昆虫や小動物の食 害と菌類などによる枯死をまぬがれない限り数年に一度の豊作による多量の種 子供給も全く無駄となってしまう.長寿命のブナにとって発芽後の数年間こそ が極めて重大で林の存亡を左右する大事な期間と言える.二つ目に,ギャップ の形成とともに始まる低木類との生存競争であって,実生バンクで控えていた ブナ稚樹がどのように低木層を追い抜き忙種層へ達するかである.中静 (1984)はブナ個体群に限定した図でブナ林の更新過程を説明したが,実際 のブナ林は他種樹木も共存している.閉鎖林がギャップ形成を経てもとの閉鎖 林に戻る過程を他種樹木を加味して新たに模式図を作成した(図7−2).閉 鎖林において林冠木の枯死によりギャップが形成されると,その下層で控えて いた樹木の生長が加速される.しかし,低木層のクロモジ・リョウブ・オオカ メノキや亜高木層のカエデ類はそれぞれ種として伸長生長に限界がある.一方,. ブナの生長は著しく,他の低木類や亜高木類を抜き出て,ギャップを埋めなが らもとのブナ林に戻っていく.地域により異なっているが,ブナ林内ではブナ と高木層を求め競争する樹種は数種に限られている.その樹種間での競争より も,林冠層に至る前の段階の低木類を追い越すまでが最も過酷な時期であり, 「ギャップ説」という考えだけで片づけられるものではない.. 7−2.チシマザサの影響 日本のブナ林は林床にササを伴うことが多い.氷ノ山では林床が3mにも及 ぶチシマザサに完全におおわれ,他の低木樹種がほとんど生育できない.場所 によっては完全にササ原と化している.. ブナ林の中を歩いても後継樹となるブナの小径木はほとんど見られない.毎 一3 7一.
(40) 〈←ブナ. ii 4一他種樹木. 極相林(閉鎖林〉. 1再生過程. ギヤツプ形 .・・’”●66。. 潤E @. ● ■●. C●. !. 、 …. 乳■. i・ ’●”●●. P・…”.. @… …il. il. ギャップ形成 図7−2.ブナ更新過程の模式図 原田(1995) 閉鎖林において林冠木の枯死によりギャップが形成されると,その下層 で控えていた樹木の生長が加速される.中でもブナ後継樹の生長は著し く,他の低木類や亜高木類を抜き出て,もとのブナ林に戻っていく・. 一3 8一.
(41) 表7−1.再編成したブナ後継樹の本数 氷ノ山(6500㎡) 当年生実生(’94,10月末). 10本以下. 扇ノ山(2275㎡). 1187本. 稚樹(50cm以下〉. 4本. 260本. 稚樹(2m以下). 2本. 27本. 3本. 27本. 小径木(DBHIOcm以下). 木調査した氷ノ山6500㎡と扇ノ山2275㎡で確認された後継樹の個体群を討論 のために再編成した(表7−1>. 当年生実生の個体数は,そもそもの結実量が調べられていないので単純な比 較はできない。しかし,両地域とも1994年に全く開花・結実しなかったこと から考えれば,昨年1993年がどちらも豊作年であったと判断できる. 「第5 章 当年生実生」でふれたとおり,1m2あたりの総発芽数は氷ノ山2.5本に対 し,扇ノ山24.0本であった.約10倍の差があるけれども,その原因が結実量,. 種子段階での食害,発芽率のどこにあるのかは調査していないので全く分から ない.しかし,発芽後の実生の消長では梅雨以降の減少に差があり,最終的に. 10月末で扇ノ山では総発芽数の6%が生き残ったのに対し,氷ノ山では1% しか生き残らなかった.1ヘク目凹あたりに換算すると,生き残った当年生実生. は氷ノ山で15本,扇ノ山で5218本である.確かに1994年の1年限りの数値で あるということを考慮に入れても,林を維持する上で子孫である実生の供給量 は極めて重要で,この差の原因としてはチシマザサの存在が最有力である.両 地域におけるブナ稚樹や小径木の個体数差は,同様の実生供給がこれまでに繰 り返された結果として当然の数字である.さらに図3−5に示したブナのサイ ズ分布は,今後の両地域におけるブナ林の動態を如実に物語る. 扇ノ山では次世代であるブナ稚樹がそろっているので,順次置き換わりブナ 林は維持されていくであろう.一方,氷ノ山では,寿命や台風などの強風によ り大半木のブナが倒れてギャップができても前節で述べた低木類の競争が起き ることはない.ましてやそれらの低木の下で待機するブナ稚樹などはほとんど 存在しない.老齢のブナ大木が枯死することにギャップ面積が拡大し,ササ原 が徐々に広がっていくであろう.. 氷ノ山のブナ林の変化を調べるため,過去に撮影された航空写真をできる限 り集めてみた.その中で最も古いのは,米軍が1947年11月に撮影したもので あった.写真技術の関係で鮮明なものではないが,おおまかな様子は判別でき 一3 9一.
(42) る.それによれば,今から47年前の氷ノ山のブナ林はスギ植林のため伐採さ れた部分を除きそれほど大きな変化はないように思われる.これは,実際はサ サ原が徐々に拡大しているものの,ブナの寿命が200∼300年と非常に長いた めササ原の拡大速度は非常に緩やかで,50年くらいではそれほど顕著に現れ てこないためと思われる.. 「第2章調査地の概要」で述べたとおり,1966∼1972年の間に氷ノ山山頂 一帯約1000ヘクタールのチシマザサが一斉に開花・枯死した(図7−3,図7−. 4>.この現象が氷ノ山の植物相に与える影響を考えると,大変大きな出来事 である.当然,動物相も一時的に大きく影響されたはずである. 藤田(1986)は,太平洋型のブナ林でギャップが形成されてもスズタケな どのササの存在により木本類の再生はまれであるが,長年の周期で起こるササ の一斉開花・枯死によって木本類の再生が始まると推定している. NAKAsHIzuKA(1988》は長野県飯縄山でのブナ林のチシマザサ一斉開花・枯死 域におけるササの回復過程とブナ林の更新に関する調査結果を報告している. それによれば,①ササの優i占は林床の実生バンクの形成を妨げる,②ササが枯 死することでブナの実生バンクは成立するが,閉鎖林冠下では実生の成長速度 は速くならない,③ブナ林の更新にはさらにギャップ形成が必要であると結論 づけている.. 氷ノ山での極めて大規模なチシマザサー斉開花・枯死から約25年が経過し ている.仮に,その時のササの一斉枯死によりブナの更新が始まっていれば随 所に20年生くらいのブナ稚樹が存在しているはずである.ブナ林内にはギャ ップは至る所にありこれまで光を遮断していたササが全くないのであるからブ ナの更新の機会としては最高であった.数年に一度のブナ豊作もササが回復す. るまでに2∼3回はあったはずである.しかし,今回の調査で確認できたブナ 稚樹は表7−1のとおりわずか4本であった.これは,一斉開花・枯死以前の チシマザサがあまりに優勢であったため,分解されにくいササの落葉層が厚く 積もりブナ種子の発芽・定着を妨げて,結局のところササの一斉枯死はブナの 更新のきっかけとはなりえなかったことを示している.また,3mにも達する ササは枯れた桿が数年間は立ったまま残り,せっかくの一斉枯死も実際のとこ ろ下層の光環境を改善するものではなく,ブナ稚樹の定着に結びつかなかった のかもしれない.. 氷ノ山Q1は,ブナ中丸木が狭い面積に集中しているところに設置した(図 7−5).従って,ブナの本i数が1ヘクタールあたり氷ノ山全体の平均311本に対. し627本と2倍の密度で生育している.コドラート内部は光を求める生存競争 の結果であるところの立ち枯れ木が散見される.林の景観はあたかも二次林的 であるが人為的に成立した林であるとも思えない.氷ノ山のブナ林ではこのよ 一4 O一.
(43) 欝. 図7−3.氷ノ山千本杉(標高1360m)付近の チシマザサー斉枯死.1968,6.9橋本光政氏撮影.. L,1態. i: ewts:{y. 盤. .塵. 図7−4.氷ノ山神大ヒュッテ付近のブナ林下の チシマザサー斉枯死.1968,6.9橋本光政氏撮影.. 一4 1一.
(44) うな集中部分は極めて珍しい.生長錘を用いて一部の個体の樹齢を調べたとこ ろ(図3−12),100年前後経過していることが分かった.生長錘を高さ 50cmの位置に入れたので,実際の樹齢はさらに数十年加算しなければいけな い.Nakasizuka&Numata(1982)は長野県カヤノ平におけるササ林床のブナ林 調査から,ブナの再生がササの一斉開花・枯死に同調し,ある齢クラスにはっ. きりしたモードを持つ齢構造をもたらすことを指摘している.Qlにおける特 徴的なブナ集中部分がそのような原因により成立したものであるかどうか全く 判断材料がない.. 氷ノ山のブナ林やササ原を歩いていると,時折,周囲と全く異なる植物相の 部分に出会うことがある.量の多少はあるものの必ず生育していたチシマザサ. が全く見られず,たとえばエゾユズリハ(図7−6)・リョウブ(図7−7, 図7−8)などの純群落が突如現れる.周囲が完全なササ原であれば,ブナ種 子の供給がないのでそこがブナ林に変わることはあり得ないが,ブナ林の中に そのような低木類が優占するようになれば,やがて陰樹のブナに変わっていく. ことも考えられる.実際,Q4のすぐそばのギャップにリョウブの純群落があ け,ブナがいないか調べてみた.当年生実生はわずかに見られたがブナ稚樹は 確認できなかった.また,Q2とQ3のギャップで少量のチシマザサを伴いな がらリョウブ,ミズメ,ミズキの群落をつくっているところも数配所あり,チ シマザサとブナ林の下層を求めてしのぎを削っている様子がうかがえる. 西ロ(1993)はブナの「ギャップ更新説」がササ群落形成からブナ群落形 成までの遷移を説明できていないとしている.そして,ギャップの中でまずサ サに強い雑木が更新し,それが長い時間をかけてササを抑え込み,その後に若 いブナ林が形成され,やがて雑木林がブナ林に置きかわっていく可能性を指摘 している.前述のとおり「ギャップ更新説」はブナ林の更新をなんら説明して いないと筆者は考えている.氷ノ山でブナ林が維持されているとすれば,やは り「ギャップ更新説」は意味を持たず,西ロ(1993)の考え方を支持するも のである.. 一4 2一.
(45) Tll・tv・,・.lt・u“・,、tt.. へみア. れ. トほ ロ お. ヨむや コ. 図7−5.氷ノ山Q1コドラート.中径木の ブナが集中する.氷ノ山でこのような部分は 極めて珍しい.(1994,4.3撮影). 図7−6.エゾユズリハの純群落.氷ノ山山頂 南斜面(標高1430m>のササ原に突如現れた. 30m四方程度の大きさでエゾユズリハの下には ササの枯れ桿が見られた.. (1993,10.27撮影). 一4 3一.
(46) 図7−7.ササ原の中のリョウブの純群落.氷ノ山 巡の丸付近(標高1420m)にて確認したものだが, 同じような群落は時折見られる.千本杉付近のブナ林 も遠望できる. (1993,10.27撮影). 図7 ・一 8.リョウブ純群落の内部.ササは全く生えて. いない.ササの枯れた桿も確認できなかった. (1993,10.27撮影). 一4 4一.
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