面発光レーザーを用いた光無線給電技術
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(2) LVDNH\ technology for expanding the field of wireless usable equipment since it is small and provides long GLVWDQFHWUDQVPLVVLRQ$VDGHPRQVWUDWLRQRIDSURWRW\SHRIWKH2:37V\VWHPZHDSSOLHGDYHUWLFDO FDYLW\VXUIDFHHPLWWLQJODVHU 9&6(/
(3) DUUD\WRDFKLHYHHOHFWULFRXWSXWRI:IURPDVRODUFHOODWD WUDQVPLVVLRQGLVWDQFHRIP:HDSSOLHGXQLIRUPEHDPLUUDGLDWLRQRQWKHVRODUFHOOXVLQJDOHQVV\VWHP DVHULHVFRQQHFWHG9&6(/DUUD\PRGXOHDQGD*D$VVRODUFHOOWRWKHSURWRW\SH3RZHUWUDQVPLVVLRQ HIÀFLHQF\RIXSWRZDVREWDLQHG)XWXUHSURVSHFWVDUHDOVRGLVFXVVHG Key Words2SWLFDOZLUHOHVVSRZHUWUDQVPLVVLRQ/DVHU9&6(/6RODUFHOO3RZHUFRQYHUVLRQHIÀFLHQF\ 1.はじめに 機器の動作には,情報とエネルギーが必要である.情 報通信の無線は一般化したため,機器に残る配線である. を述べる.なお,光無線給電には,端面出射レーザーも 利用できるが,VCSELは2次元アレーの面状光源や光出 力端面の劣化がないなど,光無線給電用の高出力光源と してより有効と考えている.. 給電も無線にすることが期待されている. 情報通信は移動通信・無線通信で数 Gbpsもの高速通 信が可能となり,また,極低電力の無線通信技術なども. 2.無線給電の現状と課題. 進展し,IoTから自動運転まで,民生・産業機器の多く を無線化可能となった.無線化は,有線に比べて通信速. 無線給電の意義は配線なく電力を利用できることであ る.その意味で,バッテリ−は配線なく機器を利用可能. 度や安定性に劣る,回線の妨害や窃取という課題がある. だが,充電時に配線が必要なため,接続の手間やコネク. ものの,移動中利用,配線や接続が不要,システム柔軟. タ劣化,常時稼働不可などの課題がある.また,エネル. 化,見栄えが良いなどの多くの優位性から,急速に一般. ギーハーベスティングは一切の配線が不要で常時稼働可. 化したといえる. 一方で,電気エネルギー供給(給電)は機器の残された 有線となり,配線の存在と接続の手間は,通信と同様. 能だが,機器環境に応じたエネルギーと発電技術が必要. に,機器の利用形態,設置性,機器形態などを制限して. 機器によってはこれら方式を適用できず,また,多くの. いる.情報と給電を無線化した真の無線化により,単な. 機器の機能性拡大の制限要因になっているといえる. そこで無線給電である.すでに電動歯ブラシ,非接触 カード,スマートホンなどに利用され,電気自動車の無. る配線の削減にとどまらない新たな視点の機器やシステ ムの創出も期待できる. 本論文では,無線給電の現状と課題を述べ,光無線給 電の優位性と動向を概説する.また,本研究室による面発 光レーザー (Vertical Cavity Surface Emitting Laser: VCSEL) を用いた光無線給電を報告し,本方式の課題や将来展望 1 2. であり,適用機器が制限される.さらにどちらも,利用 可能な電力量の制限という重要な課題がある.このため. 線充電 1も実用目前となっている.また,直線移動機構 や回転機構など配線が複雑な機器への応用 2も検討され ている.今後,無線給電により移動しながら常時稼働可 能になれば,小型機器に加え,産業用ロボット,介護用. 日経XTECH, “EV用無線給電技術の標準化動向” ,KWWSVWHFKQLNNHLESFRMSGPDWFOIHDWXUH 日刊工業新聞経, “ロボ関節,ケーブルレス化” ,KWWSVZZZQLNNDQFRMSDUWLFOHVYLHZ. 第 46 巻第 12 号 面発光レーザーを用いた光無線給電技術. 693.
(4) になる.つまり,実用的には給電距離が数 cm程度から 装置サイズ大型化で1 2 m程度となるものの,無線とい うよりコネクタレス給電となる. 一方,放射型と呼ばれる無線給電方式として,マイク ロ波ビーム方式2)がある.また,検討例は少ないが超音 波方式)もある.これらは装置サイズに対して長距離給 電可能である.ただし,波長に応じた回折があるため, 給電距離や波長に応じてビームサイズを大きくする必要 がある.マイクロ波ビーム方式については,技術開発は 進む一方で電波利用規制が課題であったが,その実用化 に向けた制度整備の検討も日本国内で議論され始め た4). 光は数7+]とマイクロ波より 桁も高周波である. 同じ放射型であるが小さなビームサイズも長距離まで到達 可能で,周波数帯制約もない.この光ビームを用いる光無 線給電 (2SWLFDO:LUHOHVV3RZHU7UDQVPLVVLRQ2:37) は, 既存の無線給電の様々な制約を取り除き,多様な機器な どに適用可能なため,真の無線化の鍵になると考えている. ⠊ᅖࢆ࢚ࢿࣝࢠ࣮ఏ㏦ࡍࡿ㸬ࡑࡢཎ⌮ࡽ⤥㟁ຠ⋡ ௨ ୖ ࡶ ྍ ⬟ ࡛ ࠶3.光無線給電とは ࡿࡀ㸪㊥㞳ᑐࡋ࡚ᛴ㏿㟁☢ ⏺ࡀᙅࡃ࡞ࡿࡓࡵ㸪⤥㟁㊥㞳ࡣ㸪㟁☢ㄏᑟ࡛ࢥࣝ ᚄࡢᩘศࡢ 㸪☢⏺ඹ㬆࡛ྠᩘಸ⛬ᗘ࡞ࡿ㸬ࡘࡲ 光無線給電は,光のエネルギーを電力として取り出 ࡾ㸪ᐇ⏝ⓗࡣ⤥㟁㊥㞳ࡀᩘ ⛬ᗘࡽ⨨ࢧ す.つまり,太陽光発電と同じ原理である.太陽光発電 ࢬ ᆺ࡛ ⛬ᗘ࡞ࡿࡶࡢࡢ㸪↓⥺࠸࠺ࡼ の場合,巨大システムも可能だがエネルギーハーベス ࡾࢥ ࢿࢡࢱࣞࢫ⤥㟁࡞ࡿ㸬 ティングの一つのため,太陽光が届く環境のみで,太陽 ୍ ᪉㸪ᨺᑕᆺࡤࢀࡿ↓⥺⤥㟁᪉ᘧࡋ࡚㸪࣐ 光のエネルギー密度 Mass,太陽光が地上まで ࢡ ࣟ Ἴ ࣅ ࣮ ࣒ ᪉ ᘧ (AM: ࡀ ࠶Air ࡿ㸬 ࡲࡓ㸪᳨ウࡣᑡ࡞ ࠸ࡀ ࡿでAM1が 㸬ࡇࢀࡽ ࢧࢬ に㉸ 通㡢 過Ἴ す᪉ るᘧ大 気ࡶの࠶量 垂ࡣ 直 入⨨ 射,の 条ᑐ 件 2 ࡋ࡚ 㛗 ㊥ 㞳 ⤥ 㟁 ྍ ⬟ ࡛ ࠶ ࡿ 㸬 ࡓ ࡔ ࡋ 㸪 Ἴ 㛗 ᛂ ࡌ ࡓ でN:P )やスペクトルに応じた出力という制約があ ᅇᢡ ࡀ࠶ 㸪⤥ 㟁㊥ ࡸ Ἴ 㛗仮 定 ᛂࡌ ࣮࣒ࢧ る. 太ࡿ 陽ࡓ電ࡵ池 変換 効㞳 率を す࡚ るࣅ とFP角 ࢬ ࢆ ࡁ ࡃ ࡍ ࡿ ᚲ せ ࡀ ࠶ ࡿ 㸬 ࣐ ࢡ ࣟ Ἴ ࣅ ࣮ ࣒᪉ で:,1 m角で:であり,多くの機器で機器サイズ ᘧࡘ࠸࡚ࡣ㸪ᢏ⾡㛤Ⓨࡣ㐍ࡴ୍᪉࡛㟁Ἴ⏝つไ よりも大きな太陽電池が必要といえる. ࡀㄢ㢟࡛࠶ࡗࡓࡀ㸪ࡑࡢᐇ⏝ྥࡅࡓไᗘᩚഛࡢ 光無線給電とは,)LJのようにビーム光源と受光デ ᳨ ウ ࡶ ᪥ ᮏ ᅜ ෆ ࡛ ㆟ ㄽ ࡉ ࢀ ጞ ࡵ ࡓ 㸧㸬 ) バイスにより構成されるものといえる .光電変換の ග ࡣᩘ ࣐ࢡࣟἼࡼࡾ ᱆ࡶ㧗࿘Ἴ 受光デバイスには太陽電池を用いる.太陽光を前提にし ࡛ ࠶ ࡿ 㸬ྠ ࡌ ᨺ ᑕ ᆺ ࡛ ࠶ ࡿ ࡀ ᑠ ࡉ ࡞ ࣅ ࣮ ࣒ ࢧ ࢬ ࡶ ないが,本論文では太陽電池とよぶ.この光無線給電 㛗㊥ 㞳ࡲ࡛฿㐩ྍ⬟࡛㸪࿘Ἴᩘᖏไ⣙ࡶ࡞࠸㸬ࡇࡢ. ගࣅ࣮࣒ࢆ⏝࠸ࡿග↓⥺⤥㟁㸦 㸸 㸧ࡣ㸪᪤Ꮡࡢ ↓⥺⤥㟁ࡢ Light Solar ᵝࠎ࡞ไ⣙ࢆྲྀ ࡾ 㝖 ࡁ 㸪 ከ ᵝ ࡞ ᶵ ჾ ࡞ cell 㐺⏝ྍ⬟ source ࡞ࡓࡵ㸪┿ࡢ↓⥺ࡢ㘽࡞ࡿ⪃࠼࡚࠸ࡿ㸬 Power source. 㻟㻚. Optical transmission ග ↓ ⥺ ⤥medium 㟁ࡣ system. Equipment. )LJ6FKHPDWLFFRQÀJXUDWLRQRI2:37 ග↓⥺⤥㟁ࡣ㸪ගࡢ࢚ࢿࣝࢠ࣮ࢆ㟁ຊࡋ࡚ྲྀࡾ ฟࡍ㸬ࡘࡲࡾ㸪ኴ㝧ගⓎ㟁ྠࡌཎ⌮࡛࠶ࡿ㸬ኴ㝧 694 ගⓎ 㟁ࡢሙྜ㸪ᕧࢩࢫࢸ࣒ࡶྍ⬟ࡔࡀ࢚ࢿࣝࢠ࣮ ࣁ࣮࣋ࢫࢸࣥࢢࡢ୍ࡘࡢࡓࡵ㸪ኴ㝧ගࡀᒆࡃ⎔ቃ ࡢ ࡳ ࡛ 㸪ኴ 㝧 ග ࡢ ࢚ ࢿ ࣝ ࢠ ࣮ ᐦ ᗘ㸦 ࡢ᮲௳࡛ 㸧ࡸࢫ࣌ࢡࢺࣝᛂࡌࡓฟຊ࠸࠺ไ⣙ࡀ. は,ビーム光による長距離給電,高効率高出力な半導体 光源や太陽電池により小型軽量,ビーム光源出力による 電力量可変という特徴が期待できる.さらに,既存の無 線給電と異なり,光源も太陽電池もdc動作のため,多段 階の直流交流変換回路が不要で回路構成が簡略なほか, 高周波電磁ノイズ干渉 (EMI)の懸念や対策も不要とな る. このように光無線給電には多くの優位性があり,主要 デバイスといえる半導体光源や太陽電池も実用済みのた め,高い実現性がある.しかし,これらデバイスは数 年の歴史があるにもかかわらず,光無線給電の実施例は 非常に少ないという特異な分野である.)LJは,光無 線給電に関連する論文・解説等の文献と特許出願の累積 である.なお,特許出願は日本,米国,EUの年か らの累積である.なお,全てを調査しきれていないこと は注意が必要である.どちらも指数関数的な増加である が,文献数は現在件ほどしかなく,特許出願は件 以上あるものの最近で 件/年と光無線給電の適用可 能な範囲を考えると非常に少ないと考えている. 光無線給電の文献等の数は少ないが,その動向として 提案も含めた応用の例を挙げる.宇宙ステーション), 宇宙太陽光発電),月面探査機やドローン11),体内埋 め込み機器),スマートホン等14).この他の取組もあ り,広い応用の検討例があるが,実用段階はほぼない. ただし,現時点でイスラエルの:L&KDUJH社,米3RZHULight社の2つのベンチャー企業が存在する. 検討例や実施例が少ない技術上の理由として,以前は 高出力光源の利用が容易でなかったことや,低い給電効 率が懸念されていたと考えている.これらは近年に改善 ⏝ ῭ࡳࡢࡓࡵ㸪㧗࠸ᐇ⌧ᛶࡀ࠶ࡿ㸬ࡋࡋ㸪ࡇࢀࡽ されつつあり,また,センシングなどの周辺技術も利用 ࢹ ࣂࢫࡣᩘ ᖺࡢṔྐࡀ࠶ࡿࡶࢃࡽࡎ㸪 しやすくなってきた.さらに,無線給電の応用範囲の広 ග↓⥺⤥㟁ࡢᐇࡣ㠀ᖖᑡ࡞࠸࠸࠺≉␗࡞ がりから,無線という機能・特徴がより強く求められ始 ศ㔝࡛࠶ࡿ㸬 ࡣ 㸪ග ↓ ⥺ ⤥ 㟁 㛵 㐃 ࡍ ࡿ ㄽ ᩥ ࣭ めており,これから本方式の重要性は増してくると考え ゎㄝ➼ࡢᩥ⊩≉チฟ㢪ࡢ⣼✚࡛࠶ࡿ㸬࡞࠾㸪≉チ ている. ฟ 㢪 ࡣ ᪥ ᮏ 㸪⡿ ᅜ 㸪 ࡢ ᖺࡽࡢ⣼✚࡛࠶ࡿ㸬 ࡞࠾㸪࡚ࢆㄪᰝࡋࡁࢀ࡚࠸࡞࠸ࡇࡣὀពࡀᚲせ 4.光無線給電システムの検討 ࡛࠶ࡿ㸬ࡕ ࡽࡶᣦᩘ㛵ᩘⓗ࡞ቑຍ࡛࠶ࡿࡀ㸪ᩥ⊩ ᩘࡣ⌧ᅾ ௳ࡋ࡞ࡃ㸪≉チฟ㢪ࡣ ௳௨ ୖ࠶ ࡿࡶࡢࡢ᭱㏆࡛ ௳ ᖺග↓⥺⤥㟁ࡢ㐺⏝ 4.1 固定機器間光無線給電 ྍ⬟ ࡞⠊ᅖࢆ⪃࠼ࡿ㠀ᖖᑡ࡞࠸⪃࠼࡚࠸ࡿ㸬 光無線給電の実現性評価を目的に取り組んでいる我々 1000. Cumulative number. ロボット,自動運転タクシー,さらには空飛ぶ自動車な どまで,今後の社会の変革にも重要な役割を果たすであ ろう. 無線給電には複数の方式がある.結合型として,磁界 を利用する電磁誘導とMITから年に発表された磁界 共鳴1),電界を利用する電界結合と電界共鳴があり,現 在は実用段階である.これらはトランスやコンデンサに 相当し,高周波電磁界の近傍界範囲をエネルギー伝送す る.その原理から給電効率以上も可能であるが,距 離に対して急速に電磁界が弱くなるため,給電距離は, 電磁誘導でコイル径の数分の1,磁界共鳴で同数倍程度. 100. 10. 1 1960. 1970. 1980. 1990. 2000. 2010. 2020. Year. )LJ&XPXODWLYHRISXEOLVKHGSDSHUV FORVHGFLUFOH
(5) DQG SDWHQWDSSOLFDWLRQ RSHQFLUFOH
(6) RI2:37 レーザー研究 2018 年 12 月 ග↓⥺⤥㟁ࡢᩥ⊩➼ࡢᩘࡣ ᑡ࡞࠸ࡀ㸪ࡑࡢືྥ ࡋ࡚ᥦࡶྵࡵࡓᛂ⏝ࡢࢆᣲࡆࡿ㸬Ᏹᐂࢫࢸ࣮ࢩ ࣙࣥ 㸪Ᏹᐂኴ㝧ගⓎ㟁 㸪᭶㠃᥈ᰝᶵࡸࢻ࣮ࣟ ࣥ 㸪యෆᇙࡵ㎸ࡳᶵჾ 㸪ࢫ࣐࣮ࢺ࣍ࣥ➼ 㸬.
(7) Special Issue. の検討)について,その概要を報告する.想定する適 用先は,高圧送電系統のシステム制御機器である.特に 今後広がる直流系システムでは,主系統からの電力取得 に課題があるため,電力遮断器などの制御用の高絶縁給 電に向け,給電距離2 m,給電量:の光無線給電を目 標としている.本システムは,給電と受電装置間は位置 固定され,給電効率は強い制約にならない.また,高輝 度光ビーム近傍への人の侵入も制限できる.. Heatsink with fan VCSEL array module Fresnel lens. Thermal viewer Reflector tube. 4.2 実験装置構成 光源にはVCSELを適用した.VCSELの2次元アレー 化によるスケーラブルな光出力や,面状の対称ビーム, 光学損傷(&2')の影響がないという特徴が光無線給電 に有効である.実際に数:の高出力VCSELアレーが 市販されている.太陽電池にはSiおよびGaAsを適用し た.光無線給電は,単色光を利用することで,太陽光 に比べて太陽電池変換効率を高くできる.)LJは,Si (Q g = 1.1 Rm)とGaAs (Q g Rm)への単色光照射時の 変換効率の簡易な解析結果である.量子効率1,曲線因 子とし,出力電圧が太陽電池のバンドギャップ (Eg)相 当より 9低いとした.Eg相当波長 (Q g)近傍の単色. 光により高効率となるため, Rmの波長が適当であ る.一方,半導体レーザーの電気光変換効率の報告例は, VCSEL, 端 面 出 射 レ ー ザ ー と も に,GaAs系 の Rm帯が高い.報告されている半導体レーザーの最 大効率はを超える).このため, Rm帯の光源 とSi,GaAs太陽電池の組合せは,効率の面から現状の最 適な選択といえる. 電力出力:には,概算でその2 4倍の光出力が必要 である.そこでまず,市販VCSELアレーの単一チップ モジュールを用いてシステムの基礎特性を評価した. VCSELモジュールはPP角チップで定格出力: (電 流$) ,波長QP,ピーク効率である.)LJに システム構成例を示す.上部からファン付きヒートシン クに設置したVCSELモジュール,ビーム整形用フレネ ルレンズ,下部に12セル直列接続型FP角多結晶Si太 陽電池モジュール($0の変換効率)を設置した. 太陽電池には周囲漏れ光も利用するため反射板の筒を設 60 GaAs (Eg-0.4). Efficiency (%). 50. Si (Eg-0.4). GaAs (Eg-0.6). 40 30. Si (Eg-0.6). 20 10 Eg. Eg. 0 0. 200. 400. 600. 800. 1000. 1200. Wavelength (nm). )LJ&DOFXODWHGFRQYHUVLRQHIILFLHQF\RIVRODUFHOOIRU monochromatic light. 第 46 巻第 12 号 面発光レーザーを用いた光無線給電技術. Solar cell module Power source Electronic variable load. )LJ([SHULPHQWDOVHWXSRI2:37 置した.なお,太陽電池は負荷を接続しないと自身でエ ネルギー消費して発熱するため,適宜,電子負荷により 電力消費させた. 光源と太陽電池間距離をFPとし,光源出力: ($,電源装置制限)で太陽電池に光照射した.実験で は,光パワーメータによる光出力測定,赤外線ビューワ による光照射範囲確認,サーモビューワによる発熱部確 認,太陽電池I-Vカーブ測定装置による給電特性評価を 行った.直列接続型太陽電池は出力電圧を高められる が,モジュール全面の均一光照射が必要である.このた め, フ レ ネ ル レ ン ズ に よ り, 正 方 形 のVCSELア レ ー チップを正方形の太陽電池モジュールに拡大投影して均 一照射した.VCSELアレーの面状の対称ビームは,こ のような簡易なレンズ構成の適用が可能なため有効であ る. 4.3 単一チップVCSELアレーとSi太陽電池 レンズと反射板なしでは,光は円形状に広がり,漏れ 光や太陽電池面の不均一な光強度分布のため,光源出 力:に対して太陽電池出力は:に留まった.こ れは光出力に対しの効率である.レンズ($5コー ト無)と反射板を用いことで,同:,となり, 太陽電池変換効率は太陽光下のより大きく増加する ことを確認した.また,太陽光下の単結晶Si太陽 電池モジュール (セル直列接続)を適用し,$5コート 付レンズ利用で同:,まで向上した.この条 件では目標の距離2 mで:や,分間連続動作で出 力変動のほとんどない安定動作も確認している). 4.4 VCSELアレーの直列接続 先 の 実 験 で は,PP角 の 単 一 チ ッ プVCSELア レ ー を$で駆動した.配線の損失は電流の2乗に比例する ため,このような大電流は電源から見た給電効率に大き く影響する.太い配線で損失抑制可能だが,実験構成や 光源モジュールのサイズを制限してしまう.そこで小さ. 695.
(8) なVCSELアレーチップを複数用いる直列接続を検討し た.損失の数値解析から,単一チップの入力電圧9, 電流$,往復配線長FPに対して,,直列接続 にすると,電圧,9,電流,4 Aとなり,チップ入 力電力に対する配線損失電力の比 ( 損 失 比 )は, 直 径PPの 細 い 配 線 で も,,以 下 と 小 さ く な る.単一チップでは直径1 mmの配線でも損失比は1程度 となり,電力の半分が配線で消費される.なお,直列数 を多くすると,電圧増加や部品点数増加などが生じるた め,直列程度までが適当と考えている. 実験として,定格出力: (電流$),波長QP の1 mm角VCSELモジュールを個直列接続した.試作 モジュールを)LJに示す.FP角のファン付き銅製 ヒートシンク上に設置した.このモジュールでは,レン ズの拡大投影による太陽電池モジュール均一照射ができ ない.このため,レンズを利用せず,光広がりにより太 陽電池モジュールをほぼ照射できる距離FPとした. ただし,太陽電池モジュールからの漏れ光が発生する. Table 1 に実験結果を示す.12直列多結晶Si太陽電池 モジュールを用いた.直列接続VCSELモジュールには 配線直径PP,配線長FP,単一チップVCSELモ ジュールには配線直径2 mmを2本並列で配線長FPと した.直列接続の光出力は,測定可能ビームサイズの制 限から内側直列の測定結果を2倍している.結果とし て,直列接続化により,光源側効率はほぼデバイス自身 の効率に近い特性となり,また,給電効率も大きく改善. された. 4.5 GaAs太陽電池 次に,効率改善のため,GaAs太陽電池を適用した. 太陽電池では,照射光の光子エネルギーとEgの差が損失 になるほかに,出力電圧がEg相当にならないことも効率 低下要因となる.これは太陽電池に接続される負荷によ る電圧降下のほか,負荷がない場合の電圧 (開放電圧) も 擬フェルミレベル差により決まるため,Eg相当より小さ くなる.後者は,材料物性のほか,生成キャリア密度つ まり光照射強度でも変化するが,太陽光強度程度の開放 電 圧 は, 材 料 依 存 が あ ま り な く,Eg相 当 電 圧 よ り 9低くなる.このことは,大きなEgの太陽電池 ほど,光子エネルギーに対する電圧効率が高くなる. )LJからも,GaAsはSiより高効率が期待される. 実験では,市販のセルサイズがFP×FPのフレ キシブルGaAs太陽電池を個用いて,FP× FPサイ ズの直列接続モジュールを製作した.)LJにモジュー ル写真を示す.モジュール外枠は'プリンターにより 製 作 し た. 光 源 は, 波 長QPの 直 列 接 続VCSELモ ジュールを直列2並列として,入力電流$,総光出 力:とした.レンズなし,距離FPとして,GaAs 太陽電池モジュールと多結晶Si太陽電池モジュールの特 性比較を行った. Table 2 に 実 験 結 果 を 示 す.Si太 陽 電 池 の 給 電 効 率 に 対 し,GaAs太 陽 電 池 はと 高 効 率 と な っ. VCSEL array. VCSEL array )LJ6HULHVFRQQHFWHG9&6(/PRGXOH6FKHPDWLFYLHZ VKRZVDUUDQJHPHQWRIFKLSVRI9&6(/V 7DEOH([SHULPHQWDOUHVXOWVRI2:37XVLQJVHULHVFRQnected VCSEL module. VCSEL module type. 1 chip. VHULHV. 6RXUFHFXUUHQWLQSXW $
(9). . . 6RXUFHYORWDJHLQSXW 9
(10). . . /LJKWRXWSXW :
(11). .
(12). Light source peak HIÀFLHQF\
(13) VSHF
(14) /LJKWVRXUFHHIÀFLHQF\
(15) /LJKWRXWSXW6RXUFHLQSXW
(16). . . .
(17). . . &HOORXWSXW :
(18). 7RWDOHIÀFLHQF\
(19). 696. . . )LJ)DEULFDWHG*D$VVRODUFHOOPRGXOH 7DEOH([SHULPHQWDOUHVXOWVRI2:37XVLQJ*D$VVRODU cell module. Solar cell type UHÁHFWRUWXEH
(20). 6RXUFHFXUUHQWLQSXW $
(21). Si ZR
(22). 6RXUFHYORWDJHLQSXW 9
(23) /LJKWRXWSXW :
(24) &HOORXWSXW :
(25). 6RODUFHOOHIÀFLHQF\
(26) &HOORXWSXW/LJKWRXWSXW
(27) 7RWDOHIÀFLHQF\
(28). GaAs ZR
(29) . GaAs ZLWK
(30). . .
(31) . . . . . . . . レーザー研究 2018 年 12 月.
(32) Special Issue. た.なお,太陽電池モジュールサイズの違いのほかに, 光源波長がGaAsに有利なことも注意が必要である.Si に適した波長を仮定すると給電効率と計算される が,それでもGaAsはSiの倍の給電効率となる.な お, 光 漏 れ 抑 制 の た め に, 反 射 板 を 用 い た と こ ろ, GaAs太陽電池の出力:,太陽電池効率,給電 効率を達成した.電力出力はほぼ目標値を達成し た. 4.6 給電効率改善の見通し Table 2 の実験では,反射板利用でも全ての光を太陽 電池に照射できていない.直列接続光源に限らず,光 ビームと太陽電池形状の不整合があると効率が減少する ため,光ビーム形状の制御や均一光強度生成などが必要 である.そこでプロジェクタのバックライトやフォトリ ソグラフィなどに用いられるフライアイレンズ系を検討 しており),今後,効率改善が可能と考えている.な お,QP帯/('に よ るGaAs太 陽 電 池 の 評 価 で 効 率を確認しているほか,報告値ではQPの単色光 でや),GaAsの同一材料多接合太陽電池構造の強 光強度において以上の高効率も報告されている). これら報告値を想定した給電効率は,となる. さ ら に 単 一VCSELで はの 効 率 が 報 告 さ れ て お り21),波長帯の違いやアレー化などの課題もあるが,こ れらの組合せで,給電効率は,が期待される. さらに端面出射型レーザーにおいて室温近傍での効 率が報告されている).これも波長帯の違いはあるが, 太陽電池効率と組み合わせて,給電効率とほ ぼの構成も期待できる. 将来的に,光無線給電に最適化した半導体レーザーと 太陽電池として,両者の効率がまで到達すれば,給 電効率が期待できる.これには,Egの大きなGaNな どの特性向上も必要であろう.一方,光源も太陽電池 も,低温で効率が改善し, Ý&で効率のレーザー も報告されている).適用領域は制限されるが, Ý& やより低温の.などに局所冷却した高効率光無線給電 も可能と考えられる. 5.まとめ 光無線給電の意義と動向,光無線給電システムの基礎 的評価結果を述べた.光無線給電は効率が課題だが,要 素デバイスの構成を最適化し,給電効率の実証と, 今後以上も期待できることを述べた.:クラス で給電距離2 mを達成したが,P程度も容易に給電可 能なことを確認している.焦点可変レンズ系による広い 距離範囲への適用が可能である.一方で,簡易なレンズ 系では,室内の任意位置への光照射時に光ビーム変形が 給電効率に影響する.光学系負荷を抑制したビーム照射 法の検討なども必要である.この他,安全面なども含め. 第 46 巻第 12 号 面発光レーザーを用いた光無線給電技術. て,取り組むべき課題も多いが,将来的には,小型機器 から大型機器まで,また,固定機器だけでなく移動機器 への光無線給電の拡がりを期待したい. 謝 辞 本研究の一部は,内閣府総合科学技術・イノベーショ ン会議の6,3 (戦略的イノベーション創造プログラム) 「次 世代パワーエレクトロニクス」 (管理法人: (国研)新エネ ルギー・産業技術総合開発機構 (1('2))によって実施 された.当該研究では東工大の宮島 晋介准教授のほか, 勝田 優輝氏ら多くの学生諸氏の議論や取組に感謝す る.さらに,各種情報提供や議論をいただいた光無線給 電検討会とレーザー学会光無線給電技術専門委員会に感 謝する. 参考文献 1) $.XUV$.DUDOLV50RIIDWW-'-RDQQRSRXORV3)LVKHUDQG M. SoljaĀiþ: Science 317() 2)N. Shinohara: IEICE ELEX 10()1. ) 7,VKL\DPD<.DQDL-2KZDNLDQG00LQR,(((6\PS8Otrasonics() S 4)総務省:電波有効利用成長戦略懇談会報告書概要() S )T. Miyamoto: Proc. SPIE 10682() )T. Miyamoto: レーザー学会シンポジウム1() 6(in -DSDQHVH) . )T. Miyamoto: Microoptics News 35()1(LQ-DSDQHVH) . ) :-5RELQVRQ-U1$6$7HFK0HPRUDQGXP () ; )石原 博幸,中村 敏彦,秋山 秀典,山部 長兵衛,堀井 憲爾: レーザー研究 14() (LQ-DSDQHVH) . )鈴木 拓明:レーザー研究 39()24(LQ-DSDQHVH) . 11)N. Kawashima and K. Takeda: Robotics and Automation in Construction 2008(Carlos Balaguer and Mohamed Abderrahim Ed.) S 12) . 0XUDNDZD 0 .RED\DVKL 2 1DNDPXUD DQG 6 .DZDWD ,((((QJ0HGLFLQHDQG%LRORJ\0DJD]LQH18() ) 7 7RNXGD 7 ,VKL]X : 1DWWDNDUQ 0 +DUXWD 7 1RGD . 6DVDJDZD 0 6DZDQ DQG - 2KWD$,3$GYDQFHV 8() 14) 9,\HU(%D\DWL51DQGDNXPDU$0DMXPGDUDQG6*ROODOSWD Proc. ACM Interactive, Mobile, Wearable and Ubiquitous Tech. 1 () ) 60L\DMLPD.1DNDGD<6KLUDWRUL-.LP70L\DPRWR. Yoshikawa, and K. Yamamoto: Int. PV Sci. and Eng. Conf. () 7K3R ) < .DWVXWD DQG7 0L\DPRWR -SQ -$SSO 3K\V 57() 3' ) 3&UXPS0*ULPVKDZ-:DQJ:'RQJ6=KDQJ6'DV- )DUPHU0'H9LWR/60HQJDQG-.%UDVVHXU&/(24(/6 () -:% )Y. Katsuta and T. Miyamoto: 23rd Microoptics Conf.() 3 ) 5-RPHQ)7DQDND7$NLED0,NHGD..LU\X00DWVXVKLWD +0DHQDND3'DL6/XDQG68FKLGD-SQ-$SSO3K\V57 () 5' ) 6 )DIDUG 0 &$<RUN ) 3URXO[ & ( 9DOGLYLD 0 0 :LONLQV5$UqV9$LPH].+LQ]HUDQG'30DVVRQ$SSO 3K\V/HWW108() 21) ' =KRX -) 6HXULQ * ;X$ 0LJOR ' /L 4:DQJ 0 6XQGDUHVK6:LOWRQ-0DWKHXVVHQDQG&*KRVKProc. SPIE 9001() (. 697.
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