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液面制振システムにおける安定化制御について 位置制御の付加とセンサ部の改良

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Academic year: 2021

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(1)Sendai National College of Technology. Research Reports of Sendai National College of Technology No.38, 2008. 液面制振システムにおける安定化制御について -位置制御の付加とセンサ部の改良-. 菅谷. 純一・早坂. 保* ・服部. 正行. Stabilized Control for Control Systems of Liquid Surface Vibration -Location control of a liquid tank and an Improvement of capacity sensor circuit- SUGAYA Junichi, HAYASAKA Tamotsu and HATTORI Masayuki A study of liquid surface vibration control for liquid transportation systems has been constructed and succeeded the surface control of the vibration system by present research. In this research, the location control that became indispensable in the liquid tank transportation etc. was added, and the effect of the location control was confirmed. On the other hand, the necessity for being improve the time base range of the sensor for future further stabilization and the enlargement of the system came out. Moreover, a correct liquid title has understood the one by the relative permittivity change of the liquid. In this research, the capacity voltage conversion circuit was changed for the measurement range improvement of the sensor. As a result, it reports that the measurement range improvement was obtained, and it is able to measure the liquid title that makes amends for the change in the relative permittivity. Keywords: Location control, Capacity sensor circuit, Relative permittivity, Multipliers. 1.はじめに 実生活の中で多く現れる代表的な制御には,高速制 御と振動制御がある。高速制御とは,文字通りいかに 高速応答を実現するかということが課題である。これ に対し振動制御では,例えば,工場などの生産現場に おける,製品の質の劣化を招くような振動や乗り物の 揺れをいかに抑えるかが重要である。本研究で扱う液 面制振システムは,溶解金属や液体タンクの輸送シス テムなどを想定したものであるが,広義の意味でこの 振動制御の一例である。したがって,液体の輸送など においては,液面の揺れを抑えるような制御システム の導入およびその適切な制御が必要とされている。 液面制振システムは,上記の溶解金属等の搬送シス テムに応用されている他に,クレーンのゆれ止め制御, 列車の発進,および停止時などの振動制御等に関連し ていると考えられる。 これまで行われてきた研究で,現在までに液面制振 システムを構築し,ある程度の制振に成功してきた[1]。. 本研究では,さらに液面制振システムの改善を目指す ため,液槽輸送等を想定した場合に必須となる位置制 御の付加を行い,位置制御の効果を確認した。 一方,今後システムの更なる安定化や大型化に向け, 現在 10cm 程度となっているセンサの測定範囲を向上 する必要性が出てきた。また,センサの改良をしてい くにつれ,正しい液位測定が出来ないことがあり,そ れは液体の比誘電率変化によるものということがわか ってきた。 そこで,本稿では上記の位置制御の効果に加え,セ ンサの測定範囲向上のため,容量-電圧変換回路の変 更を行い,測定範囲向上が得られたことおよび比誘電 率の変化を補償した液位測定が出来るようになったこ とについて報告する。. 2.液面制御システムの構成とセンサについて 2.1 液面制御システム 液面制振システムとは,液体の入った液槽に加速度 を与えることにより,液体の揺れを抑えるシステムの. * 電子システム工学専攻2年. - 16 NII-Electronic Library Service.

(2) Sendai National College of Technology. ことである。外観図を図1,概略図を図2にそれぞれ 示す。 システムは図2の概略図のように AC サーボモータ, ボールねじ盤,液面変位検出センサ,センサ回路およ びコンピュータにより構成されている。コンピュータ とセンサ回路およびサーボアンプとのインターフェー スには dSPACE 社製の DS1104 拡張ボードを使用し, 制御ソフトは MATLAB/SIMULINK と CONTROL DESK を用いている。 2.2 液面変位検出センサ 液面変位検出センサの原理は,同軸二円筒型キャパ シタの考えかたを用いている(図3) 。二つの電極間の 誘電体の体積比率が変化すると,それにともなって静 電容量が変化する。この静電容量の変化を液位の変化 としてとらえることになる。 本研究の液面変位検出センサは液位の変化を静電容 量の変化として検出するものである。静電容量の変化 はそのままではコンピュータに取り込めない。本研究 では容量-電圧変換回路を用いて,静電容量の変化を 電圧の変化に変換したものを A/D 変換することで,コ ンピュータに取り込み液位制御を行っている。. 2.3 液体の比誘電率と温度 2.2節に示したとおり,容量型センサは誘電体の 体積比率の変化,つまり液体と空気の体積比率の変化 により液位を測定する。このため,それぞれの物質の 比誘電率が同じような値だと正しく測定できない。表 1 にいろいろな物質の比誘電率を示す。 表1より,水の比誘電率は空気の約 80 倍となってい て,液体と空気の比率により静電容量が変化し,液位 の計測ができることがわかる。 また,水は温度により比誘電率が変化することも知 られている[2]。また,この温度による比誘電率の変化 を図4に示す。水の温度による比誘電率の変化は以下 の式で表される。. e r = 87.740 - 0.40008T + 9.397 ´ 10 -4 T 2 - 1.410 ´ 10 -6 T 3. (1). 2.4 容量-電圧変換回路 2.1節でも述べたように,本システムでは制振を 行うのにコンピュータを用いているため,静電容量の ままではコンピュータに取り込むことが出来ない。し たがって,先にも述べたように容量式センサを用いる ためには容量-電圧変換回路が必要となる。. 図3 同軸二円筒型キャパシタ 表 1 いろいろな物質の比誘電率 物質 空気. 比誘電率. 1.00059 80.4 2.5~7.7. 水. 図 1 液面制御システムの外観図. 木材. 物質 紙. 比誘電率. 2.0~2.6 2.0~3.5 5.4~9.9. ゴム ガラス. 比誘電率 εr. 100 80 60 40 20 0 0. 図 2 液面制御システム. 20. 40 60 温度[℃]. 80. 100. 図4 水の温度と比誘電率 - 17 NII-Electronic Library Service.

(3) 0 位置制御あり 位置制御なし 0. 4 図6 2 位置制御の効果. 6. 8. 基準点からの移動距離 [cm]. 時間[s]. 6 5 4. 目標値. 3. g=0.2. 2 1 0 0. 2. 4. 時間[s]. 6. 8. 10. (a) 液槽の位置 3 g=0.2. 2. 位置制御無し. 1 0 -1. 0. 2. 4. 6. 8. -2 -3. 時間[s]. (b) 制振結果 図7 ステップ入力. 6 5 4. 目標値. 3. g=0.7. 2 1 0 0. 2. 4. 6. 8. 10. 時間[s]. (a) 液槽の位置 3. 基準点からの液位[cm]. 第1節で述べたように,本システムを用いての液面 制振実験は成功してきている。しかし,以前までのシ ステムにおいては制振中および制振後の液槽の移動位 置は考慮していない。液槽の位置を考慮しないで制振 を行うと,図6のように液槽がだらだらと移動し,最 悪の場合ボールネジ盤の端にぶつかる恐れがある。実 際には近接センサによって制御は強制停止する。また, 応用例として液体の搬送システム等を考えた場合,ど の位置で制御を停止させるかという,液槽の位置制御 は必須となる。 以上のような理由から,液槽の位置制御を付加した [4]。しかし,あくまでも液面制振に研究の主眼を置い ているため,制御則を大きく変えるのではなく,液面 制振の制御則に位置制御の制御則の出力を加えた簡易 なものとなっている。検討としては,液面制振のPD 要素のパラメータ(以下ゲインと呼ぶ)を固定し,ど の程度液面制振制御に位置制御を加えることができる かの割合を決めるゲイン g のみを変化させて検討した。 検討事項として,位置制御の目標値をステップ入力 とした場合とランプ入力とした場合の測定を行った。 それぞれの測定結果をそれぞれ図7,図8に示す。 図7よりステップ入力にした場合のゲイン g の限界 は0.2程度とした。また図8よりランプ入力の場合 は0.7程度とした。以上の結果より,位置制御の効 果として,急激な場合はゲインを上げられないため, 多少整定時間がかかってしまうが,液槽輸送を想定し たランプ入力の場合は十分に効果を発揮することがわ かった。. 1. -2. 基準点からの液位[cm]. 3.位置制御の付加. 2. -1. 基準点からの移動距離 [cm]. 図5に,同期整流方式と呼ばれる容量-電圧変換回 路を示す[3]。液位測定のために直流分だけが必要とな ってくるので,入力信号と出力信号を乗算し,ローパ スフィルタでカットすることになる。また,基準とな る液位(以下,基準液位と呼ぶ)を決める必要があり, 調整部のコンデンサ Cr を変化させると出力をゼロに できる(以下,ゼロ調整とする) 。このゼロ調整を行う ことによって,基準液位を決め,液面制振を行うこと ができる。. 基準点からの移動距離 [cm]. Sendai National College of Technology. 位置制御無し. 2. g=0.7. 1 0 -1 0. 2. 4. 6. 8. -2 -3. 時間[s]. (b) 制振結果. 図5 同期整流方式 C/V 変換回路. 図8 ランプ入力. - 18 NII-Electronic Library Service.

(4) Sendai National College of Technology. 4.センサ部の改良. 4.2 比誘電率の変化に対する補償. 4.1 容量-電圧変換回路の変更. y A = ax 2 + B1. 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0. 2. 4 6 8 基準液位からの水位[cm]. 10. (2). となり,センサ B については,. 図10 コンデンサ分圧方式. 電圧[V]. 電圧[V]. 以前の液面制振システムは,容量-電圧変換回路に 同期整流方式を用いてきた。しかし,第1節でも述べ たように,今後システムの大型化等を目指す時に現在 のセンサ部の計測範囲は 10cm と十分なものではない。 そのため,同期整流方式の変換回路に約 20cm のセン サを接続して計測を行った。その計測結果を図9に示 す。 図9を見ると,基準液位 10cm 程度までは線形で出 力され,液位が測定出来ている。しかし,10cm 以上と なると飽和してしまっている。この測定結果から,次 の点がこの回路の問題点として考えられる。第一点は, 乗算するときに入力信号と出力信号の位相がずれてい るため,出力を最大値まで取れない。一方,液面制振 を行うときに必要となる基準液位を決めなければなら ない。第二点は,その調整用コンデンサの操作が面倒 であるということである。 この問題を解決するために,図10に示すようなコ ンデンサ分圧方式という容量-電圧変換回路を提案す る。液位を測定しているのは図中の破線で囲んだ部分 であり,とても簡素なものとなっている。この方式の 利点としては,出力信号を二乗するため位相のズレが ないという点であり,測定液位の向上が見込める。ま た,面倒であった回路上で行うゼロ調整がなくなった。 液面制振を行う際のゼロ調整は,回路上で行うのでは なく,後述する比誘電率の補償を付加するときに使用 したマイコンを利用して,現在の値を保持し,差をと るという方式に変更することとした。さらに,この回 路はセンサを二つ接続できるようにセンサCS2接続端 子および加算器が付いている。図11に,この方式を 用い,長さ 16cm のセンサを用いて液位計測を行った 場合の測定結果を示す。 図11は,出力が二乗の形で出てくるため,横軸を 水位の二乗値とした。計測範囲は,基準液位から 15cm 程度まで計測出来ていることがわかる。. センサ部の計測範囲向上に向け改良を行ってきたが, 液位の測定中に,出力が変化してしまう問題があった。 その原因が,2.3節に示した温度や液体の違いによ る比誘電率の変化によるものであった。液位の計測範 囲が向上しても,計測する温度や液体などの測定条件 が変わると正しく計測出来なくなることは非常に問題 であり,比誘電率の変化に対する補償が必須となる。 実際に,水道水と不純物が多く比誘電率が異なる河川 の水を用いて,液位計測を行った場合の測定結果を図 12に示す。 この問題を解決するため,液位測定に比誘電率の補 償(以下,比誘電率補償と呼ぶ)回路を付加した。こ の比誘電率補償の考え方を図13に示す。図13のよ うに,液位測定用センサ A とは別の,誘電率の変化に 対する補償用センサ B を液体の中に完全に沈めておく。 そのときのそれぞれのセンサの出力は,コンデンサ分 圧方式の容量-電圧変換回路を用いたとすると,出力 値が二次関数の式で表せるので,センサ A についての 関係式は,. 12. 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0. 図9 同期整流方式を用いた液位測定. 50. 100 150 水位の2乗値[cm]. 200. 250. 図11 コンデンサ分圧方式での測定結果 - 19 NII-Electronic Library Service.

(5) Sendai National College of Technology. y B = aX 02 + B0. 償は出来ていることがわかる。. (3). 5.まとめ. となる。ここで,B1 ,B0 は液位がゼロのときの初期出 力である。 また, センサ B は液体中に完全に浸かっているので, センサ B の液位 X 02 や初期出力 B0 は一定値である。し たがって,センサ B の出力 y B は a だけによって変化す ることになる。 (3)式を a について解けば,. a=. y B - B0. (4). X 02. となる。一方, (2)式を液位 x について解くと. x=. y A - B1 a. (5). 以前までの液面制振システムに位置制御を付加し, その制御効果の確認と最適パラメータの決定を行った。 センサ部の改良としては,容量-電圧変換回路を変 更し,約 50%程度の測定範囲向上が得られた。また, 液体の比誘電率が変化した場合に補償回路を付加し, 比誘電率の変化を補償した液位測定が可能となった。 今後は,さらにセンサ部の改良を進めていく。具体 的には測定範囲の向上を目指して直流-交流変換回路 を変更し,またセンサ回路だけでなく,センサ本体に 関する検討を行う。 最終的には改良したセンサ部を用いての制振実験を 行う。. 7 6 5 4 3 2 1 0. 表示水位[cm]. 電圧[V]. となる。センサ B により求めた(4)式 a を(5)式 に代入し,マイコン等で計算させることによって比誘 電率補償を行う。この考え方を基づいて,液位計測を 行った結果を図14に示す。. 水道水 河川の水. 14 12 10 8 6 4 2 0. 河川の水 水道水. 0. 0. 2. 4 6 水位[cm]. 8. 10. 5 10 実際の水位[cm]. 15. 図14 比誘電率変化補償付き液位測定. 図12 水道水と河川の水の比較. 参考文献. センサA. [1]. 大河内,菅谷,服部「液面制御システムの安定化制 御方式について」 ,平成 17 年度電気関係学会東北支 部大会講演論文集 1B3,p.35.. [2]. 各種溶媒の比誘電率 http://wiki.symplus.co.jp/doku.php/bio. [3]. 菅谷,大河内,服部「液面制御システムの安定化制 御について-MATLAB システムと同期整流型センサ. センサB. 回路を用いて-」仙台電波工業高等専門学校研究紀. x. 要,第 36 号,P17(2006) [4]. 早坂,大河内,菅谷,服部「液面制振システムの安 定化制御について(第1報) 」,平成 19 年度電気関. X0. 係学会東北支部大会講演論文集 1I12,p.329.. 図13 誘電率補償の考え方. 図14より,水道水と河川の水のどちらの測定結果 も,物質の違いや温度変化に関係なく,出力がほぼ同 じとなっている。この測定結果によって,比誘電率補. - 20 NII-Electronic Library Service.

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