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低周波衝撃電力による海洋漁法の実用化研究 : 第1報 魚体の電気抵抗について

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Academic year: 2021

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(1)

低周波衝撃電力による海洋漁法の実用化研究 : 第1

報 魚体の電気抵抗について

著者

黒木 敏郎, 中馬 三千雄

雑誌名

鹿児島水産専門学校研究報告

1

ページ

15-21

別言語のタイトル

Study on the Practicality of New Fisheries by

Low Frequency Electric-shocks. : I. About the

Electric Resistance in Fish Bodies.

(2)

百石 ABCDE 符 15 形 状 低 周 波 衝 墾 電 力 に よ る 海 洋 漁 法 の 費 用 化 研 究

第 1 報 魚 体 の 電 気 抵 抗 に つ い て

黒 木 敏 郎 。 即 馬 三 千 雄

StudyonthePracticalityofNewFisheriesby ザ LowFrequencyElectric-shocks. 1.AbouttheEIectricResistanceinFishBodieso ToshiroKUROKIandMichioCHUMAN 緒 言 電莱を直接海水中に通じ,魚体を肺輝せしめてこれ,を捕獲しようとする漁法で先づ問題 になるのは魚体の電気抵抗である。筆者は低周波衝撃電力を利用せる海洋での漁法を,ま づ延細漁業におけるサメの捕殺について実施した。これに先立ち数種の魚に関して'電気抵 抗を測定し若干の知見を得たのでこれをまとめて一報となす次第である。 … 第 . 一 図 装 置 並 に 測 定 対 象 名 砺 測 定 装 置 抵 抗 測 定 に は 分 極 淀 慮 っ て , 蓄 電 池より振動板で交流を生ぜしめKohlrauschbridge typeの装置としてこれを利用した。その電気的配

G浦上序I﹁4

黒木・中馬一‘低周波衝撃電力による海洋漁法の実用化研究(1)

XI

A:変圧兼振動用コイル,B:6Volt蓄電池 K,:主スヰツチ,K2:抵抗切換スヰツチ G:振動板,F:レシーバー,Xg未知抵抗 R,:基準抵抗13.6Q,R2:同97Q R3:同10240Q,R4:同10KQ,R5:同1MQ RV:摺動釣合抵抗(ニク麓ム細線). 使 用 電 極 第 1 表

本本本本本

76999 2111 本試験研究の協同研究者は次の5名である。 鹿児島大学水産専門学校教授関口寺之助。同黒木敏郎。同新潮丸船長盛田友=、,鹿児島大学女理 学部助教授中村末男,鹿児島科学工業会社技師中馬三千雄。 誰.()内はサバの場合に用ひた電極面積。 (0.32) (0.16) (0.32) (0.32) (0.32)

巽漁積|長さ偽

属 電 縄 被覆,撚本数(径) 赤 . ゙ ム , 聖ゴムと綿, グ 』 、 、 黒.、,ム, 黒 . 、 ム , 黒 ゴ ム , ,,9,, RuハワDJハU房i n色可上可上 材 質 23(2)鵠 40 22 68 4900 鋪 銅鋼鉄鉄 ﹄型 径1.25線 矢 先 型 尖 棒 型 鈎 型 楕 円 板 銅 線 投 り も 竿 り も 手 鈎 ア:−ス板

(3)

C − D 16 ナ ガ レ フ カ ( 不 詳 ) 線を第1図に示す。電極としては銅線・銘・鈎・板等種々なものを用いた。これを第1表に 掲げる。 電極に附属せる電績の抵抗は,最も長い雷績を使用した投錆(B)の場合でも,接続部 の接鯛抵抗を含めても0.7。以下であるから無硯しても構わないと思われる。、 測定の対象電気抵抗としては先ろ海水そのものから測定されねば芯らない。魚 体としてはサバ(氷蔵8時間後海水温度まで戻したもの)淀除きすべて釣上げ直後乃至30 分以内に測定した。 魚種並にその体長は第2表の通りである。 第 2 表 測 定 魚 種 C − D

(皇冨fi《職長(鈴)|使用電極

種 魚 190×43×32 ヨシキリPγj”αcggIα"Ca 第 3 表 37×(640)器 ゴマサバSCO加6〃オ””0c”〃α/"s A 一 A 150×21×7 B − D , E シ イ ラ C O γ ” 〃 α ” α 〃 j ” ” γ " s 113×14×10 カマスサワラACα”加Cy玩況碗SOJ””』 B − D , E 224×34×20 鹿 児 島 水 産 専 門 学 校 研 究 報 告 。 第 一 饗 両端に内径一杯の極板を向い合 290×38×16 第 3 表 銅 線 電 極 に よ る 海 水 抵 抗 C − D メ バ チ P α γ α オ ル z ” z " s s " 催 ( ) 内 は 重 量 を グ ラ ム で 示 し て あ る 。 測定方法並に結果 海水の場合内径2cm長さ10cmのガラス管 せて測ると,その抵抗は15°Cの海水で55Qを示し た。すなわち比抵抗は約17Q崎cmである。 直径1.25mm長さ52cm(実数面積約23cm2)の 銅線(A)で,海水温19.7°C水深約7mの海中電気 抵抗を測定したところ第3表の如き結果を得た。但し 測定は各4回行い,その平均値を示してある。 実用漁具電極(第1表:B,C,D,Eノによって水深 . / ∼ ノ & ヨ ロ げ 恥 、 〆 、 0 1 二 4 0 二 一 、 、 〆 凸 一 ヴ ー ー C ザ ザ ・ ' 〔註〕銅線は海中に垂直でその 約25mの海岸並に水深約25mの沖合で測定せる緒上端を海面に置く。 器()は上端水深1mの場合。 果を節4表に示す。この時の表層水温はいづ11'1,も20.C である。

サバの場合電極としては直径1.25mmのエナメル被覆銅線の先端約5cmを

裸出せしめて使用した。従って実数面積は約2cm2である。魚体を木製水桶に入れて海

水中叉は体内へ電極を挿入した場合と,室中で濡れたま』の魚体内に電極を挿入した場合

と,体表面の乾いた状態で電極を体内に挿入した場合と,三つの場合につき電気抵抗を測

両 端 に 内 径 一 A − A 極 間隔 (、) 1 4 1.44 1.58(1.48) 1.62 1.69 海水抵抗、

(4)

一一場嬢 17 腔 一 胴 体 腔 一 尾 体 腔 一 排 汲 孔 体 一 胴 体 体 一 尾 体 体 一 背 表 皮 体 一 腹 表 皮 定した。桶内の海水中で測った際の魚体内温度は水温とほぼ等しく22∼23.Cであり,空 中で測った時の魚体内温度は24.Cであった。測定の結果は第5表(脚註)の通りである。 第 4 表 漁 具 電 極 に よ る 海 水 抵 抗 2 1 E 胴 体 内 電 極 は 体 軸 に 垂 直 測 定 場 所 (海底迄の深さ)

海 水 抵 抗Q 1.4 〔註〕第3表。鋪5表は鹿児島大学水産学部練習鵬隼人丸船上で測定したものである。 賛電極と表皮との接触面積は約2∼3mm塁である。特に示した場合以外両電極は体軸に平行である。 3 1.5 両極で脊椎骨をはさむ。

}

3 海 岸 空 気 中

(

182 105.3 463器 223器 191 72.3 口・口胴胴尾尾 腔 一 尾 体 腔 一 排 池 孔 体 一 背 表 皮 体 一 腹 表 皮 解 ← 胴 体 体 一 尾 体 3 1.8

両極で脊椎骨をはさむ。 体外表皮に電極を接触せ しめる。 (2m) 空 気 中

(

胴 体 同 上 ( 以 下 同 ) 15(10) 28(10) 21(11) 13(8) 1.5 3 3.5 28(18) 21.5(11.5) 3 3.5 13(8) 1.5 2 4 5.7

口口口尾尾胴胴

3 4.2 胴体内'電極は体軸に垂直 測 定 部 位 ( 近 い 部 位 ) 1 1 水 桶 内

(

12.0 18.2 55.4 66.3 91.5 71.7 54.4 ユ48 151 95.5 162 69.3 421器 162器 2 37 37(32) 21(11) 15(10) 28(18) 28(23) 15 体外(頭)一体外(尾) 口 腔 一 体 外 ( 尾 ) 口 腔 一 排 汲 孔 口 腔 一 胴 体 口 腔 一 尾 体 体 外 ( 頭 ) 一 尾 体 体 外 ( 頭 ) 一 胴 体 備 考 3 1.5 電 気 抵 抗 。 2 沖 合 極 間 隔 c、(最短) 第 5 表 サ バ 魚 体 の 電 気 抵 抗 | C−D 5 (25m) 1.2 ロ 所傾 黒木。中馬一低周波衝撃電力による海洋漁法の実用化研究(1) 5.0 2 5 2 2 I p 侭 10 ユ0 5 5 0 1 極 符 号 (第1表) B 皿 B , C 皿 B E B 回 −− ] B , 水 深 2 C

(5)

31 18 室 気 中

(

,

F

27・C シイラの場合海中での魚体抵抗は口腔に突刺した錆(Bノと魚体から約7mの 距離に浸した手鈎(Dノとの間で測った。この時の水温は24.4.Cである。 鋪 二 図 第 6 表 海 中 で の シ イ ラ 30 魚 体 の 電 乗 抵 抗 73 30 置 0092113733

条件|魚体位置|電乎抗

体各部の電素抵抗はシイラの場合と異蔵り括先を口腔深く刺込み、、体の各点(第3図 D』-5)との間で測った。 第 9 表 空 中 で の サ ワ ラ 魚 体 の 電 気 抵 抗 一 T

海中│全身海中投入’5.’

(脇)眉蕊劉i:

甲板上では錆を体側(第2図B点)に突刺しそjlLと同じ側の他の5点(同図D1−5)に手 鈎の先を約0.5cm刺込んで測った。この時の魚体温は大乗温と等しく27.Cであった。 第 7 表 察 中 で の シ イ ラ 魚 体 の 電 気 抵 抗 海 中

(晶燕)

全 身 海 中 投 入 半 身 海 中 尾 部 浸 漬 5.3 50 275 電 気 抵 抗 Q 電 極 間 隔 C 1 n 室 気 中

(

P

27oC 条 件 電 極 , 位 (部・位) B(胸)−,, 〃 − , 2 〃 − , 3 〃 − , 4 〃 − , 5 電 気 抵 抗 Q .

冠 極 間 隔 | 電 気 抵 抗

c m Q, 条 件

4222008668

11

22

77777

頭側尾背腹

くくくくく

w田Ⅳ死兜 12731 条 件 | 魚 体 位 置 電 極 位 置 (部.位) B(頭)−,,(胸) 〃 − , 2 ( 側 ) 〃 − , 3 ( 尾 ) 〃 − , 4 ( 背 ) 〃 − , 5 ( 腹 ) 鹿児:皇永壷専門学校研究報告.第一窪 第 8 表 サワラの場合シイラの場合と殆ど同様にして海中での魚体抵抗を測った。この 時の水温も24.4°Cである。結果を第8表に示す。 銘 三 図 徴 只 圭 淘 , , = 《 7 - 、 等 了 う ‘ 弓 術 体海11.1でのザワラ魚体 電 気 抵 抗

(6)

黒木・中馬一低周波衝撃電力による海洋漁法の実用化研究(1) 19 条 件 空 気 中

(

'

q

27.5oC 第 四 図 フ カ の 場 合 皮 層 の 生 乾 きになった状態で手鈎(D)を口 腔に挿入し,体の4つの部位(第 4図C−4)に竿鈷を刺し込んで測 った結果を第10表に示す。 第 1 0 表 フ カ 魚 体 各 部 の 電 気 繊 抗 電 極 位 置 (部位) C,(排池孔)一,(口) C 2 ( 尾 体 ) 一 〃 C8(第5エラ孔)−〃 C 4 ( 体 側 〕 一 〃 電 極 間 隔 c 、 100 142 29 60 電 気 抵 抗 Q 46.8 98.5 87.6 26.1 其 の 他 の 場 合 皮 膚 生 乾 き の ナ 伏 態 に 於 て 口 腔 と 排 池 孔 と の 間 の 電 気 抵 抗 を 測 定 し た。水温24.6.Cの海中より釣り上げて気温25.Cの甲板上で10分以内に実施したから体 温も25.C位であると思われる。その結果を第11表に示す。(脚注) 第 1 1 表 ヨ シ キ リ ・ メ バ チ の 電 気 抵 抗 , 柳 魚 種 口 腔 | 排 世 孔

3m間隔|電気。抵抗|傭

極 | 電 極 間 雷 考 ヨ シ キ リ l C , 130 31.5 微 か に 生 き て い る 。 メ バ チ | , C 103 48.5 内職除去の直後。 考 察 海水の電素抵抗について海水の比抵抗に前述の如く15.Cで約17。-cmであっ て,河水(例えば鹿兇島市新川で16.Cに於て約n50Q-cm),井戸水(17.Cで約3200。 -cm)(1),水道水(14.Cで約4200。-cm)などと比べて遥かに低く其等の1/100∼1/100.0 、 程度である。従って等電座を得るには海水中では淡水の100倍乃至1000倍の電流を要する とどになる。 叉海水中の電気抵抗は電極を変え芯ければ極間隔に僅かしか影響されない。その程度は 距離が4∼5倍になっても漸く13∼17%の抵抗増加程度にすぎない。そこで,海中で電気 スクリーンとして活用するのには,所望の電位勾配が如何なる電極配置によって得られる かを,電位分布の精密測定調査芯どにより充分愉討する必要がある。 魚 体 の 電 気 抵 抗 に つ い て 第 5 表 で 推 定 さ れ る よ う に 魚 体 の 綜 合 比 抵 抗 は 海 水 の 〔註〕第6表∼第11表は練習船新繊丸上にて測定せるものである。

(7)

20 鹿児鳥水産専門学校研究報告.第一巻 比抵抗より大きいと老へられる。

寺方淡水中に魚体を入れると抵抗の減ること(2)より考えれば,魚体の比抵抗は淡水より小

さい筈である。食用となる肉部にのみついて言えば約200。-cmの程度であって魚体は淡

水と海水との中間の比抵抗を有すると見倣してよい。 第 五 図 そ こ で 電 莱 漁 網 の 活 用 は 淡 水 に 於 け る の と 海 水 に 於 け ‘

出上喬造語別1

三 畠 = 遍 禾 三 = 二

1 − 1 二 = U るのとでは若干の差を生ずる。即ち第5図に示すよう‘| に等しい体長に等しい電座を掛けようとする場合,海・ 水中での電位勾配は淡水中の勾配よりも緩やかで足り ることになる。とi'しは一見電力上有利の様に見える。 しかし広い海中では第3,4表に示す如く電極間抵抗 が僅かに1∼2。の程度であり,且前項で指摘したよ うに極間隔を増しても抵抗に大した変化を生じ1ないの であちから,大型の魚体が極間に在っても抵抗の輔加 は殆ど無いものと思われる。従って海中で大電力を必 要とする程度は依然として変ら芯いものと言い得る。

実線=雷流線を示す。、電極を体内に突刺した場合の魚体の抵抗に関しては

点線=等電位線を示す。 次の様なことを知った。 、魚体が海中にある時には体内の電極位置から海水即ち皮膚までの最短距離部によって

抵抗が左右される。大型魚で銘を電極とする場合には,体全部が没入している時約5Q

程度,半身を海面より釣り上げた姿勢では50Q程度である。

、硬骨を隔てると電気抵抗は雀だ大となるが軟骨の場合はそれ程でも意<殆ど肉部の抵

抗と大差が芯いように見える。

、海産魚に関する限りでは皮膚の電気抵抗が肉部のよりも小さいように見える。そjれ,が

表皮自体の電気的本質だのか,海水中の塩分の影響であるのかは今後の実験にまた嫁け

ればはっきりとしない。 摘 要 本試験の結果を要約すれば次の通りである。

1.海中の電索抵抗は数オームの程度であり比抵抗が約17。−cmに過ぎないから,

淡水で行う電気漁網の活用よりも遥かに大きな電力を必要とする。

2.海中の電気抵抗は極間隔に余り影響されだいから,電気漁網の電極配置には深陛

の注意を要する。

3.魚体比抵抗が海水より大であることは広い海中では電力上そjtし程有利になるとは

(8)

黒木・中馬一‘低周波衝撃電力による海洋漁法の実用化研究(1) Z1 思われない。 4.魚体の海水中での抵抗は,体内電極から表皮(海水)迄の最短距離により,錆使 用の場合は5。程度である。 5.肉部と比べて,硬骨は電気抵抗大であるが軟骨はそれ程でもなく皮層はかえって 小であるように思われる。 本試験は文部省より昭和25年度科学試験研究饗の補助をうけ,鹿鬼島大学水産学部練 習船新潮丸(昭和25年6月6日∼17日),同隼人丸(昭和25年5月5日∼8日)に乗船, 西南海:域に於て実施したものである。こムに関係者各位の御援助・御協力に対して深甚の 謝意を表する次第である。 Resum6 Inthisreporttheauthordescribesaboutthefluctuationoftheelectric resistancesinfishesinducedbythevariouscouplesofelectrodesandbythe distancesbetweenthem;theultimateclarificationofthatfluctuationisnecessary totheutilizationoffish-screen・ TheexpenseofthisworkwaspartlydefrayedbyagrantinAidfor DevelopmentalScientificResearchoftheDepartmentofEducation,towhich theauthorexpresseshiscordialthanks. 女 献 (1)黒木敏郎君電気漁網の研究(第1報) ( 2 ) 同 : 同 ( 第 2 報 ) 水産学会誌.16巻,4号.(1950) 水産学会誌.16程,11号.掲載予定

参照

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