• 検索結果がありません。

佐々木剛二 著 『移民と徳―日系ブラジル知識人の歴史民族誌』(資料紹介)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "佐々木剛二 著 『移民と徳―日系ブラジル知識人の歴史民族誌』(資料紹介)"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

佐々木剛二 著 『移民と徳―日系ブラジル知識人

の歴史民族誌』(資料紹介)

著者

近田 亮平

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

ラテンアメリカレポート

37

2

ページ

86-86

発行年

2021-01-31

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00051958

(2)

86 ラテンアメリカ・レポート Vol. 37, No. 2, 2021

佐々木剛二 著

『移民と徳

―日系ブラジル知識人の歴史民族誌』

名古屋大学出版会 2020 年 372+18 ページ ISBN 978-4-8158-0978-2 ブラジルの日本移民や日系社会に関する調査研究には多くの蓄積があり、日本やブラジルにお いて数多くの書籍が出版されてきた。それらのなかでも、移民および日系人の知識人の歴史を民 族誌的に分析した本書は、今までの研究領域を新たに広げる功績を残したといえよう。著者は、 専門である人類学および移民研究の潮流をふまえたうえで、人類学において、自らがおかれた状 況を能動的に変化させる働きかけとしてとらえられる「知識」、および、それを生産する行為に注 目する。移民研究に関しては、エスニシティや集団的アイデンティティなどの概念による研究が 主流であるのに対し、移民を知的実践の主体としてとらえる研究はほとんどないと述べる。そし て本書において著者は、ブラジルへの日本移民とその子孫が、移民政策の変遷と移民知識人の介 入のもと、独自の徳を保持する政治的主体として自らを形成した歴史を明らかにする。 このような本書の概要を説明する「はじめに」のあと、第1 章では 1920 年代~40 年代前半に 日本帝国主義とブラジルの国家主義が台頭するなか、「帰還、永住、再移住」について日本移民知 識層により行われた立場の理論化が論じられる。「移民的徳の誕生―戦後移住政策と政治的主体と してのブラジル日系人の形成」と題する第2 章では、1940 年代後半~60 年代の移民社会の混乱期 から安定期を取り上げる。「第3 章 移民知識人の有機性―土曜会の知識実践と戦後移民社会の構 造変容」では、1940 年代後半~70 年代に形成された移民知識人グループの活動に注目する。「第 4 章 拡散と凝集のプロジェクト」では、2000 年代の日系旅行社と邦字新聞社の活動を分析する。 「第5 章 徳、記憶、期待」では、2008 年に開催された政治的祭典としての移民百周年祭に焦点 を当てる。そして、第 6 章で「ブラジル日本移民の政治、知識、徳」について理論的な視座から 検討を行い、本書を総括する「おわりに」に加え、「補遺 本書の民族誌調査について」や「あと がき」が巻末に掲載されている。 日系人が多く住むブラジルのサンパウロには、本書が対象とする移民の知識人たちが創設した サンパウロ人文科学研究所があり、日本移民や日系社会に関する調査研究の拠点となっている。 著者は同研究所にも籍をおいてブラジルでフィールド調査を重ね、博士号を取得した論文を加筆 修正し本書を出版した。移民の知識人は、ブラジルの社会だけでなく出自国の日本の歴史にも主 体的にかかわり、大きな影響を及ぼしてきた。その事実や様態を、長きにわたる調査や膨大な資 料などにもとづく本書により、われわれは学ぶことができる。 近田亮平(こんた・りょうへい/アジア経済研究所)

参照

関連したドキュメント

夏  祭  り  44名  家族  54名  朝倉 EG 八木節クラブ他14団体  109名 地域住民約140名. 敬老祝賀会  44名  家族 

[r]

青面金剛種子庚申待供養塔 有形文化財 歴史資料 平成3年7月4日 石造青面金剛立像 有形文化財 歴史資料 平成3年7月4日

附 箱1合 有形文化財 古文書 平成元年7月10日 青面金剛種子庚申待供養塔 有形文化財 歴史資料 平成3年7月4日 石造青面金剛立像 有形文化財

Nº Modalidade Título Participante Entidade.. 14 Kayo Buyo 歌謡舞踊 序の舞恋歌 Jo no Maikoiuta. 福井絹代

社会福祉士 本間奈美氏 市民後見人 後藤正夫氏 市民後見人 本間かずよ氏 市民後見人

Bates, E., The Evolution of the European Convention on Human Rights: From Its Inception to the Creation of a Permanent Court of Human Rights , Oxford University Press, 2010. Bebr,

当財団と佐賀共栄銀行、 (一社)市民生活パートナーズの 3