Btt Naganο a江 Ⅳ口
A長
野県看護大学紀要 15:15‐-22,2013 研 究報告病棟の騒音への認識に対する自然環境音の効果
松本 じゅん子
1),多
賀谷 昭
D
【要 旨】本研究では,病
棟で発生する騒音への認識に対する自然環境音の効果 を調べ ることを試みた.被
験者 は大学生であ り,男
性9名,女性21名であった。被験者 は病棟 の騒音 と自然環境音 を同時に提示 され,そ
れ らの うるささ及び不快 さを評定 した。 また,騒
音のみや 自然環境音のみで も提示 され,同
様に評価 を求め られた そ の結果,騒
音は特 にうるさくはなかったが,や
や不快 と評価 された。騒音 と半数の自然環境音 (シジュウカラ, ウグイス,エ
ンマ コオロギ,鉄
製の風鈴,し
しお どし)を
同時に提示 した場合,特
にうるさくは評定 されず,騒
音単独で提示 した場合 に比べて不快 さは低 く評価 された。 これ らの結果か ら,自
然環境音 は病棟の音環境 を改善 するのに有効である可能性が示唆 された.【
キーワード】騒音
,自然環境音
,病
棟
,うるささ
,不
快さ
目的 病棟 は様 々 な音 が発 生 す る場所 で あ り, これ まで 様 々な病室や詰 め所
,外
来待合室 な どで騒音 の大 きさ が測 定 され て い る.多
くの場 合,夜
間以外 で は60dB を超 えてい る こ とが多 く (Kuwano et al"200α 豊増 ら,2004,2006;上原,1999;山田,刻ヽ久保 ら,2003;山 田,小
室 ら,2003),環
境 基準 の屋 内指針値 を上 回 っ て い る こ と も指 摘 され て い る (Kuwano et al"2000; 豊増,2009豊
増 ら,2003,2006).騒 音源 として は, 足 音,会
話,い
び きや 咳, くしゃみ,エ
ア コ ンの音 な どが 報 告 され て お り (保坂 ら,2006;Kuwano et al"200α 豊増,200身 豊増 ら,2004山
田,小
久保 ら,200a山
田,小
室 ら,2003),そ
の中には息者が不快 と 感 じる もの も多数含 まれている。 なお,ホ
ス ピス病棟 で は,唯
一騒音 レベ ルが低 い こ と も報告 され て い る (西田 ら,2001;山本,2002).病
棟 での騒音 に関 して は,病
棟 (建築)プ
ランの影響が大 き く,例
えば,個
室のみの病棟 では室内での昼 間の騒音 の種類 は当然少 ない こ とが示 され ている (山田,小
久保 ら,200&山
田,小
室 ら,2003)。 病棟 内での不快 感 の低 減,快
適 さの向上 を考 えるには,病
棟 の音環境 を考慮 に入れた 建設計画が必要 とな り,病
室や詰め所,エ
レベー ター の位 置 だ けで な く,天
丼 や壁 面,床
の内装 な ど多 く の点 をあ らか じめ考 える必要が あ る (Kuwano et al., 200α 山田,小
久保 ら,200&山
田,小
室 ら,2003). しか し現実的 には,病
棟 での音環境 を改善す るには, 騒音 の発生 を出来 るだけ減 らす こ とが第一 に考 え られ る.例
えば,病
室の入 回の開閉音 につ いては, ドアス トッパー を置 く, ワゴンの音 につ いては,下
段 にタオ ル を敷 くな どの試 みが報告 され (伊藤 ら,2000),吸
音や遮音 のため にカーテ ンを利用 す るこ と (溝口 ら, 2008),音を発 生 させ る医療 器 具 を息 者 か ら離 れ て 配置す る こ とな ども提案 されてい る (Kuwano et al" 2000)。 しか し,そ
の ような取 り組 み だけで はな く, 騒音 に対 して音 楽 をBGMと
して流 す こ とに よ り,マ
スキ ングを行 うといった対策 も考 え られている (溝口 ら,2008).病
棟 内で音楽 をBGMと
して取 り入 れ るこ 1長野県看護大学 2012年10月 4日 受付 2013年 2月 4日 受理松本他 :病棟 の音環境 とにより
,息
者の騒音への意識 を低下 させることが示 唆 されている (紺ら,2007).さ
らに,そ
の ような騒 音へ の効果 だけでな く,息
者 の不安や恐怖,痛
み をBGMに
よ り低減 させ ることも報告 されている (黒田 ら,200イ 佐藤 ら,200Q渡
造 ら,2005).実
際,音
楽 は聴 き手の気分,感
情 を変化 させる効果があ り,音
楽 療法 として も活用 されている.ま
た,病
棟で発生する 音 として挙げ られているものの中には,音
楽 と同様に 痛みの感覚 を低下 させ るもの もあることが示 されてい る (黒田 ら,2002)。 これ らの音は,上
記のBGMと
同 様 に,意
識や注意を分散 させて,痛
みを低下 させる作 用があるといえる.し
か し,そ
れ らの音は一種の騒音 で もあるため,音
楽 を流す場合 に比べ て不快 感が高 く,病
棟 で発生する音 自体 を増やすことが効果的 とは 考えに くい. したがって,病
棟内での騒音対策や息者の気持ちの 安定に効果的に作用する一つの方策 としては,音
楽 をBGMと
して取 り入 れることが考 え られ る。 しか し, 音楽 を利用する場合,病
棟での息者の容態,音
楽 と場 面 (空間,時
間)との適切 さだけでな く,音
楽に対す る個人の好みが大 きく影響することが想定 される。 ま た,病
棟が静かであることは望 ましい と一般的には考 えられるが,一
方では,音
が無 く,静
かす ぎることに よって,息
者の不安が高 まった り,眠
りに就 きに くく なった りす る とい う意見も報告 されている (西田 ら, 2001;山本,2002).そ
のため,過
度に静かではな く, 適度な音は必要 とされているもの ともいえる。病棟で の音環境 はどのようなものが望ましいかということに 関 して,上
原 (1999)は,既
存 の音楽 によるBGMに
替えて,安
らぎの空間づ くりのために野´鳥の声や水の 流れ る音 な どが聞 こえる音環境 デザ インを提案 して い る.実
際,ス
ズムシの音 に対 して, うるさ く言 わ れたことが ない とい うことも報告 されている (山本, 2002). そこで,本
研究では,鳴
く虫や川の流れる音,鳥
の 声 など自然の音が,息
者にどのような影響 を及ぼすか を検討する.そ
れぞれの音は,一
般的には聴 き手の感 情に直接的に影響することが予想 されるが,病
棟の中 で発生する音の中でどのように作用するかは明らかで はない。具体的には,溝
口ら (2008)の実験 を参考に】′ノノθin/Naganο σO//θξθοrミurttg,Vol.15,2013
病室 の場面 を想定 し
,病
室 内で 日常 的 に発生す る音が 聞 こえる状態 の時 に様 々な 自然 の音 を流す こ とに よっ て,音
に対するうるささや不快 さが どのように変化す るかを実験 によって調べ, 自然環境音の病棟での有効 性 を検証する。 方 法1.被
験者 大学生30名 (男性9名,女
性21名).平
均年齢21.20 歳 (20‐33歳,a癖
2.33)。 被験者 は,大
学 内で調査協 力者 を募 った際に自ら応募 した大学生であった.2,実
験刺激 病棟 で聞こえる音 [騒音 (nOises)]と して,血
圧計 の蓋 を閉 じる音, ワゴンの移動音,カ
ーテンの開閉音 を録音 して用 いた。 これ らの音 は,溝
口 ら (2008) の実験場面 を参考 に,療
養生活 において,た
いてい の息者が 日々道遇す るバ イ タルサ イ ン測定の状況 を 再現 した ものであった。音 はノー トパ ソコン (AppleMA699J/A)で
再 生 し, ス ピ ー カ ー (SONY SRS‐ZXl)を
用いて提示 した。3種類の音 は,病棟の一場 面を想定 して一続 きに録音 したものであ り,提
示 レベ ルは42.0‐64.OdBであった。 自然環境音 としては,病
棟 においてある程度利用 可能 と考 え られ る範 囲の音 として,小
川のせせ らぎ(stream), し しお ど し (waterttlled bamboo tube
striking a stone), シジュウカラ (Japanese tit),ウ
グイス (Japanese bush warbler),ア プラゼ ミ (large
brown cicada),ヒ グ ラ シ (higurashi cicada),エ
ン マ コ オ ロ ギ (cricket),ス ズ ム シ (beu_ringing
cricket),風 鈴 (鉄)(irOn wind be11),風 鈴 (ガ ラ
ス)(glass wind bell)の 10種類の音 を市販のCDよ り
用 いた。小 川のせせ らぎの音 は,「ビクター効果音 ラ イブラリー
4自
然」 より,し
しお どしの音は,「ビク ター効果音 ライブラリー9日
本の音」 よ り選んだ. また,シ
ジュウカラ,ウ
グイス,ア
ブラゼ ミ, ヒグラ シ,エ
ンマ コオロギ,ス
ズムンの声 は,「ビクター効 果音 ライブラリー3動
物」 より,風鈴 (鉄),風鈴 (ガ ラス)の
音 は,「コロム ビア 効果音全集3行
事・風 物 。売 り声・梵鐘」 より選定 した。音はノー トパソコ】[′ノノθin/Nagttο εOノノθξθο/ハをィ "力 多Vol.15,2013 ン(SONY VGN‐
T72B)で
再生 し,スピー カー(SONY
SRS‐ZXl)を
用 いて提 示 した。 なお,各
提 示 レベ ル につ いては,小
川のせせ らぎは36.543.5dB, ししお ど しは35.5‐58,OdB, シジュウカラは36.0-55.OdB, ウグイ ス は37.(l‐64.5dB, アブ ラゼ ミは36.0‐44.OdB, ヒグ ラシ は39.0‐54.5dB,エ ンマ コオ ロギは30.5-54.OdB,ス ズム シは38.548.5dB,風鈴 (鉄)は
35.5‐54.5dB,風鈴 (ガ ラス)は
35.549.OdBで あ った.騒
音 を同時 に提示 した 場合 の各提 示 レベ ル につ い て は,騒
音 と小 川 のせ せ らぎは45.5-60.5dB,騒 音 とししお どしは44.5-59.5dB, 騒 音 とシ ジ ュ ウ カ ラは44.0‐61.5dB,騒音 とウ グ イス は坐.5‐66.OdB,騒音 とアプ ラゼ ミは45.5-60.5dB,騒 音 とヒグ ラ シは48.5お2.OdB,騒音 とエ ンマ コオ ロギ は 44.5‐60,OdB,騒音 とスズム シは46.5‐61.OdB,騒音 と風 鈴 (鉄)は
43.5‐60.OdB,騒音 と風鈴 (ガラス)は
46.5‐ 60.OdBで あった。3.質
問紙 黒田 ら (2002)を参考 に,「まった くうるさ くない 一非常 にうるさい」(卜 7点),「非常 に快適 ―非常 に 不快 」(1‐7点)の
7段階のSD尺度 を使用 し,音
に 対するうるささと不快 さを測定 した.4.手
続 き 騒音が聞こえている間,各
自然環境音 を30秒間同時 に提示 しなが ら,音
に対するうるささ及び不快 さの程 度の判断を被験者 に求めた。 さらに,騒
音のみ,各
自 然環境音のみの提示 も行い,同
様 に判断を求めた。実 験 は個別に行い,実
験全体の所要時間は約20分であっ た。実験 は,大
学内の防音設備を備えた教室内で行っ た。 なお,本
研究は長野県看護大学倫理委員会の承認 を 得て実施 した (2010年 12月 22日,審
査番号2010‐23). 結 果 騒音及び各 自然環境音 に対す る うるささ,本
快 さ の平均値及 び標準偏差 を算 出 した (Figure l,2). 騒音 の うる ささは,ν
=3.73(a)=.25),快 適 さは, 肋件4.97(M=.16)で
あった。 騒音及び各 自然環境音 に対するうるささ及び不快 さ の程度について,被
験者内計画の1要因分散分析 (音 松本他 :病棟 の音環境 の種類)を
行った。その結果, うるささについては, 音の種類 による効果は有意であったlF110,290)=10.62, p<.011。 さらにBο′2rerr。ロデ法 による多重比較 を行 った ところ,騒
音 よりもししお どし,シ
ジュウカラ,エ
ン マコオロギ,風
鈴 (ガラス)の
音の方が うるささの程 度は低かった0除c=1.30,P<.05).不 快 さについて も, 音の種類 による効果は有意であったF(10,290)=17.07. p<.01].βοЛFerrο′2デ法 による多重比較 の結果,騒
音 よ りもすべての 自然環境音の方が不快 さの程度は低かっ た lνsc=1.25,r'<・ 05). また,騒
音 と自然環境音 を同時に提示 した場合につ いて も, うるささ,不
快 さの平均値及び標準偏差を算 出 した (Figure 3,4).騒音 と各 自然環境音 を同時に 提示 した場合のうるささ及び不快 さの程度について, 被験者内計画の1要因分散分析 (音の種類)を
行 った 結果, うるささについては,音
の種類 による効果は有 意 であ ったlF110,290)=3.05,p<.01].BοЛFe/rοコf法に よる多重比較 を行 った ところ,騒
音のみの場合 よ り も,風
鈴 (ガラス)や
スズムシが同時に聞こえている 場合 の方が うる ささは高かった lνse=.97,pく05)。 不快 さについて も,音
の種類 による効果は有意であっ た lF110,290)=5.58,p<.01].Bο′2rerrO′2デ法 に よる多 重 比較の結果,騒
音のみの場合 よりも, ししお どし, シ ジユウカラ,ウ
グイス,エ
ンマコオロギ,風
鈴 (鉄) の音が同時に聞こえている場合の方が不快 さは低かっ た QttЪθ=.98,p<.05). 考 察 本研究において病棟で聞こえる騒音 として用いた音 は, うるささは高 くなかった ものの,や
や不快 なもの であった。 また,実
験で使用 した各環境音は,全
体的 にうるささは高 くはな く,不
快 さも高 くはなかった. 騒音 と各 自然環境音が同時に聞こえることにより,一
部の音の組合せに関 しては,騒
音のみの場合 よりもう るささが高まるが,半
分の組合せの音 に関 しては不快 さが低減することが示 された。 したがって,提
示 した 半数の自然環境音 には,病
棟で聞こえる騒音に対 して 効果的に作用する可能性があると考えられ, 自然の音 が聞こえる音環境デザインが病棟 において有効である松本他 :病 棟 の音環境 β[′ノノθ,あ/クWz♂〃οσο′′θξθο/Nursing,Vol 15,2013 O O E C ゝ O E E C ヽ f ∽ e 8 ∽ ︵ 0 9 E 8 〓 り o O E o 一O C t f E o o c ョ L f ∽ 留 O O り ︵ 0 ∽ ︶ c 蠅 o 〓
waterf‖ed 」apenese tit
bDmboo tube striking
中
bush.
warb︲er
large brown cicadB higurashi cicadBcricket be‖―西nging iron wind be‖
glass w nd
be‖
cncket
■,く05
Fisure l.The mean scores and SDs of annoyance to the noises and the natural environmental sounds
ことが一部支持 されたといえる
.今
回実験で使用 した 自然環境音 に関 しては, 日本 においては多 くの人が 知っていると考えられるものであ り,季
節や風情 を感 じられるものを選定 した。病棟での生活は 日常か ら離 れた ものではあるが,入
院生活の中で も日常的な風景 か ら聞こえる音 をで きるだけ取 り入れることで,心
身 に良い影響が与 えられることも考えられる。 今後の課題 としては,以
下の点が挙げられる。第一 に,使
用 した半数の自然環境音では病棟の騒音の不快 さを低減する効果が得 られたが,半
数の自然環境音で は効果がみ られなかった.ど
のような性質の 自然環境 音が病棟の騒音に効果的であるかは本研究では明 らか ではないため,今
後各 自然環境音の音響特性 を検討す ることによって,効
果的な音の特徴 を示す必要があるchcket b。‖―ringing ron wind
be‖ g ass wind be‖ だろう
.ま
た,超
音波や低周波の影響 について も,各
自然環境音の周波数を調べ,確
認する必要があると考 えられる。次に,本
研究では病棟の療養生活の中で 日 常的に聞こえる音 として,血
圧計の蓋 を閉 じる音, ワ ゴンの移動音,カ
ーテンの開閉音を取 り上げた。 しか し,病
棟で発生する騒音 としては比較的 うるさくは感 じられないものであったため,人
の声やナースコール の音,サ
イレンの音 など, より騒音 と認識 されている 音へ の対処 を今後 は検討す るこ とが必要 となるだろ う。 また,本
研 究では対象者がすべ て看護学生 であ り,使
用 した騒音 に対する慣れにより, うるささをあ まり感 じなかった可能性が考えられる.看
護学生 にお いては,病
棟で発生する騒音 に対する認識が多 くの大 学生 とは異 なる可能性 もあ り,一
般的な大学生 を含めwatern‖ed 」Bpanese tit
bamb∞ tube stttking 」apanese bush― wa「b er 皓rge brown cicada higurashi cicad□ *pく (lS
Figure 2.The mean scores and SDs of uncomfortableness to the noises and the natural environmental
sounds エ 上
由
日
自 由
由
由
由
自 由
エ T由
日
由
日
】と′′ノθ彦あをM%P,οσο′′θどθο/Nuttn&Vol.15,2013 松本他 :病 棟 の音環境
nOisOs ncisOs+ noisos+ noises+ noi60S+ noisos l noises l noises+ noises+ noises+iron noises+
streem w口 to前‖od 」apanose dt Japanese Lrge b「 own higumBhi choket be‖ ―市h」ng wind be‖ Jass Wind bamboo ` bush― d∞ da dcada cncket bdI
tube st占阿ng warЫer a stone
l,(05
Fisure 3.The mean scores and SDs of annoyance to the noises and the sounds combined the noises with
the natural environmental sounds
O C C C ス O E C O i f O e O O ∽ ︵ 0 ∽ ︶ E 呵 o 〓 ∽ 8 E o 至 ミ t E 8 c コ ﹂ f ∽ g 8 ∽ 合 9 E 8 〓 noにos+ stream noisos+ 」apanose l〕 t て対象者 を拡げて調べてい くことが今後必要 と考えら れる。加えて
,本
研究では対象者の少なさか ら性差の 検討 を行 うことがで きなかった。今後,性
差について も検討するためには,対
象者 を増やす必要 もあるだろ う。 さらに,今
回自然環境音 として用いた音は, 日本 の文化や 日本の生態に特有の音 も含 まれていた.そ
の ため, 日本人においてのみ,不
快 さがあまり感 じられ ず,騒
音に対する効果が生 じたことも考えられる。す なわち,対
象者の文化的背景が音に対する認識 に影響 していることも考えられ, 日本の文化的背景をもたな い人々にとっては,そ
れ らの 自然環境音は騒音 に対 し て効果 をもたず,む
しろよりうるさく感 じた り,よ
り 不快 に感 じた りすることも十分予想 される。 したがっ て,今
後, 日本の文化的背景 をもたない人々について も騒音 に対する自然環境音の影響 を調べ,効
果の汎用 性 について確認することが必要 となるだろう。 付 記 本研究は,平
成22年度長野県看護大学特別研究費補 助金 (「病棟の環境音に関する研究」,研
究代表者:松 本 じゅん子)の
補助 を受けて行われた。 また,信
州公 衆衛生学会第6回学術集会 において発表 された。 noisos+ watettIIod bamboo tube stnttngnoises+
]婉
いい
bush.曲
noises+ l□「瞬 brown cicadB noisoc+ o「icket n0160S tt iЮn wind bo‖ noises+ bo‖―蘭nging cttcket noises+ 」aSS Wind be‖ 準p(05Figure 4.The rnean scores and SDs of uncomfortableness to the noises and the sounds combined the noises
with the natural environmental sounds
本ムヘ本他 :病棟の音環境 保 坂 奈 美
,花
輪 ゆみ子,平
野 み の り,他
2名 (200o: 入院息者が不快 と感ず る病棟 環境 の実態調査,山梨 大学看護学会誌,4,81‐84. 伊 藤 み ゆ き,池
上里美,服
部磨紀,他
3名 (21)00〉 病 棟 内の音環境 の実態調査 と改善策の検討,第
31回日 本看護学会論文集 老人看護,122‐124. 紺 布志菜,五
月女純子,多
湖順子,他
2名 (20117)夜 間BGM導
入 に よるICU入室息 者へ の効 果 一気 にな る音の緩和 を 目指 して 一,第
38回日本看護学会論文 集 成人看護I,203‐205, 黒 田裕子,深
井喜代子,池
田理恵,他
l名 (20(12〉 看 護行為 で発生す る音が実験 的疼痛 に及 ぼす影響,川 崎 医療福祉学会誌,12,279‐283. Kuwano,S,,Yamasaki,T.,Yamauchi,M.,et al。 (2000〉Sound environment in a hospital:A case study.財R・ 音制御,24,258‐267. 溝 口弥生
,佐
藤都也子 (2008〉 看護実践場面 で発生 す る音 の健康 大 学生 の 自律神 経活動 お よび気 分へ の 影響,山梨大学看護学会誌,7,39■4. 西 田幸子,山
本和 恵 (200呻:緩和 ケ ア病棟 にお け る音 環境 の実態 とその評価 に関す る研 究 ―緩和 ケ ア病 棟 にお け る音 環境 の実態 と療養 環境 の あ り方 に関 す る研究 その ユー,日本建 築学 会大会学術 講演概 要集, 323-324. 佐 藤則子,佐
藤亜希子,斉
藤智子,他
4名 (2006)処 置 を受 け る息児へ 不安軽 減 を 目的 に音楽 を取 り入 れての効果,第
37回 日本看護学会論文集 刻ヽ児看護, 89‐91. 豊増 美喜 (2009〉 病 院待合室 の音環境,音
響技術,38, 56‐62. 豊増美喜,大
鶴 徹 (2006〉 病 院ICUの
音環境改善 に関 す る研究,日本建築学会技術報告集,23,187‐190. 豊増 美喜,大
鶴 徹,富
来礼 次,他
2名 (2003)病院ICUの
音 環境 に関す る研 究,日本建 築学 会 九州支 部研究報告,42,89‐92. 豊増 美喜,大
鶴 徹,内
之浦祐村,他
2名 (2∞申 病 院 待合室 の音環境 に関す る研究,日 本建築学会環境系 論文集,584,9‐16. 上 原和 夫 (1999〉 癒 しの音 環 境 デ ザ イ ン,病
院,58, 840‐842. 】ι/′ノθttnバaganο εο/′θξθο/Nursing,V01.15,2013 渡遷智美,北
飯 ふみ (2005〉 子 どもの心理 的混乱・恐 怖 心 の緩和 を試 み て 一処 置 中 に音 楽 を使 用 し,そ
の心理的効果 を考察す る 一,第
36回 日本看護学会論 文集 刻ヽ児看護,23‐25, 山田由紀子,小
久保 隆之,櫻
井祐 介 9003〉 病 院環境 に関す る基礎 的研 究 ―病棟 の音 環境 にお け る実態 と居住後評価 ―,明治大学科学技術研究所紀要,42, 1‐12. 山田由紀子,小
室克夫,中
山茂樹,他
2名 (2003/病 院 にお け る騒音 の実態 ―病棟 の条件 に よる比較 ・ 検討 ―,騒
音制御,27,373‐382. 山本和 恵 (20021:緩和 ケ ア病棟 の音環境 に関す息者 の 認識 に関す る研 究 ―病 室環境 にお け る「音深 度」 概念 の展 開 ―,日本建築学会東北支部研究報告会, 287‐288.】ιJ′ノθin/Nagttο εO′ノθ▼θο/力bカカ多 Vol 15,2013 松本他 :病棟 の音環境
【
Research Report】Erects of natural environmental sounds on cognition of noises
`
in hospital wards
Junko MATSUMOT01)&Akira TAGAYAD
1)Nagano Conege of Nursing
【Abstract】 The present study attempted to explore the erects of natural environmental sounds on cognition
of noises that occur in hospital wards.Participants were 21 feHlale and 9 male college students.They were presented both noises in hospital wards and natural environmental sounds silnultaneously and asked to evaluate the degree of annoyance and the degree of uncomfortableness of the sounds.Participants were also asked to rate both the degree of annOyance and the degree of uncomfortableness of noises when presented alone, and to rate them of each natural environmental sound when presented without noises.It was found that participants were not particularly annoyed by the noises, but the noises made them feel somewhat uncomfortable.With respect to half of natural environmental sounds(a great it a Japanese bush warbler,a
cricket,an iron wind ben,and a waterlilled bamboo tube striking a stone)preSented with noises,participants
were not particularly annoyed by them and felt less uncomfortable than when the noises were presented aloneo These results suggest that natural environmental sounds could be useful lbr improving the sound
environment in hospital wards.
【
Keywords】 noises,natural en宙ronmental sounds,hospital wards,annoyance,uncomfortableness松 本 じゅん子
〒399■117 長野県駒ケ根市赤穂1694 所属 長野県看護大学看護学部
Tel:0265‐81‐5132 Fax:026関 1‐5132
JunkO Matsumoto
Nagano College of Nursing
169■ Akaho,Komagane,Nagano,399■ 117」apan
Tel+81‐26;81‐5132 Fax:+81‐265‐81‐5132 E―maiと matsumotoOnagano‐nurs.acjp