入学試験教科の重みづけ計算法について
蓼沼良一
伊藤誠
(昭和57年8月31日受理)
On a Weighting Method for Evaluation of
the Entrance Examination Score
RyoichiTADENUMA MakotoITO
Abstract We analyze the student grade in Yamanashi university(U・grade)and that of entrance examination(E・grade)and try to get optimal weight for each subject in entrance examina− tion. The weight is assumed to be optimal when weighted E・grade has maximal correla・ tion with U−grade. At first, we assume several nonweighted vectors as U−grade and try to get optimal weight by multiple correlation method. Because this weight is not practical, we assume weighted U・grade and E・grade, and calculate optimal weight by canonical correlation method. But, results are also unsuccessful. To investigate these results, we analyze statistical structure of b⊃th grades and find that it is not adequate to assume only one vector to represent each grade. Probably, this is the main reasm why simple correlation rnethod does not work well. 1. まえがき 現在,国公立大学の入学には,共通一次試験の受験 が,ほぼ義務付けられており,その成績は,合否の6 ∼7割を決める重要な資料となっている。したがって その利用法については,いろいろな方法が考えられる が,現在では,いわゆる傾斜配点法を用い,二次学力 試験と組み合わせているのが大部分である。 傾斜配点法とは,国語,社会,数学,理科,外国語 の5教科に対する重みを変えて,加重統計する方法で ある。現在,多くの大学で利用しているものである が,教科内の学科目毎の傾斜配点は認められていな いo 傾斜配点の重みは,各大学,学部への入学者を決め る重要な要素であるが,その決め方は経験やカンなど にたより,主観的なものが多い。本資料は,大学にお ける成績を尺度として,重みを決めることを目指した ものである。 本資料では,昭和54年度,55年度入学の電子工学科 および電気工学科の学生を対象に重み計算を行った。 2.大学における成績の評価 学生数をnとし,学科目iの成績はベクトルムを .4z三(ai1……ain)‘ とする。ここにαηは学生ブに対する成績とし,tは 転置を表わす。学科目数をgとすれぽ,成績表Aは ・4±(al,……ag) と表わせる。 成積Aに対する評価ベクトルF F±(ゾ1……f。)t には,いろいろな形が考えられるが,重みのベクトル α±(α、……α,)t を用いた F=Aα=・41α・+……+AgeVg によるものが最も簡単で,実際にもよく用いている。 本資料では,学科目iに対する重みとして,その単位数tiを用いた2種の重みベクトル α(’}±(t1……オ9)‘ α(2)4(tl……t,)t/t τ竺(ti+……+tg)’ を使った。ここにtは,合格した学科目に対してのみ 集計することを意味し,したがってtは学年ごとに異 なる値となる。 成績aiiのとる値については,合否,優良可,点数 などに対応して,集合 s1.4. {O,1} 824−{0,1,2,3} s3=4={0, 60, 61, ・・・… , 99, 100} などがある。このうちs3は60未満の値がないので一 様性に難があるので,本資料では用いなかった。また 優良可による採点s2には,合否による採点Slが共存 する場合もあるが,その数はすくないので,大きな違 いは生じない。 大学における成績は,成績の範囲と重みとを組み合 わせ,次の3種類を用いた。 修得単位 Fi:Slとα(1) 総得点 F2:S2とα{1) 平均得点 FB:s2とα(2)×33.3 ここで,平均得点の重みに33.3が掛けてあるのは,最 60 50 40 30 20 ユ0 0
160
140
120
100
80 60 40 200
90 80 70 60 50 40 30 20 10 011111123333555555677777
113333335557777799999
113379
999
7046
F1(修得単位) 高点を100になるように,実感と合わせるためである。 これらの尺度による成績の分布を枝葉図stem and leaf diagramで画いた例を図一1に示す。資料には, 昭和54年,昭和55年度入学の電子工学科および電子工 学科学生に対する成績を用いた。 評価ベクトル間の関係を見るため,ベクトルF,, Fゴのなす角の方向全弦COSθηを求めたのが表一1で ある。方向余弦は C・Sθ、ゴ=F、‘F」/㎡(FitFi)(F/Fゴ) _ fiif.il+・…守’+finLn −一一一 レ(fi12+……+f、。2)(∫ゴ12+……+hn2) で求められる。 表一1によれぽ,3種のベクトルFl, F2, F3はほと んど平行であるから,どのベクトルによっても,評価 に大きな違いは生じない。したがって,計算の簡単な 修得単位による評価法が便利である。 つぎに,学科目の難しさを示すと考えてよい学科目 毎の平均点を引いた成績について,同じような評価を したのが表一2である。これは,統計学の相関係数に (資料1) 表一1方向余弦×100 (資料2)\
F, F2 F3 6:8123577:2268
799:344589
0255:012335678999
037:11367999
799:03 8046
F,(総得点) 201135
02223344555556679
00111245566889999
4445556667799
4 33F・F・F・
100 100 99 100 98 100 F, F2 F,FI F2 F3
100 99 98 100 98 100 (資料3) (資料4)\
F, F2 F3 7・F・一・F3 100 gg gg 100 98 100 Fl F2 F,FI F2 F3
0 100 99 98 100 98 100 F,(平均得点) (資料1) 表一2 相関係数×100 (資料2)\
Fl F2 F3F・F・−73
100 95 64 100 75 100 F, F2 F3 F, F2 F3 100 97 89 100 91 100 (資料3) (資料4) \、\
図一1評価ベクトルの分布(資料1) F, F2 F,F,F,一…3\
\ 100 94 70 100 79 100 F] F2 F3 F, F2 F3 100 93 79 100 83 100相当するものである。 平均点を引くということは,幾何学的には,n次元 ベクトル 14(1……1)t と直交する空間∬⊥を考え,この上への射影を求める ことになる(図一2)。 射影したベクトルは,学科目の難しさを除いてある ので,学生固有の能力を示すとも考えられる。表一2に よれぽ,修得単位と総得点との相関は非常に高いが, 平均得点との間は,それほどでもない。 表一3重みと固有値(大学の成績は修得単位)
入試の教司国∋社会数学已科1嬬・
資料1 〃 2 〃 3 〃 4 一8 −24 −11 −4 35 7 −7 4 一6 −11 7 −19 16 23 11 25 1 −22 9 15 19 18 3 10 ×100 表一4重みと固有値(大学の成績は総得点)1国1社1川⇒英|・
3.重相関分析法による重み計算 大学における成績に対する評価ベクトルFを決め たので,これと最も相関が高くなるような傾斜配点を 求めよう。共通一次試験の成績を B.4.(Bi……B,) ぴ竺(bZl……bin)t とおく。ここにhは共通一次試験の教科数,Biは教 科iの成績ベクトル,砺は学生ノに対する成績であ る。 重みベクトルをβ,入試の評価ベクトルをGとする β±L(β、……β,)t G三LBβ=み1β、+……+B・.β, 図一2に示すように,ベクトルF,Gの相関を最大にす るには,ベクトルa(!SのFへの射影GFの長さが最大 になるように,重みβを決めればよい。この長さはベ クトルGの長さに関係するが llGll ・1 としておけぽ,ベクトルF,Gのなす角θの方向余弦 FtG COSθ= 11Fll・11GII を最大にすることになる。ilFll=1としても,一般性 資料1 〃 2 〃 3 〃 4 一10 −21 −18 3 27 9 −4 3 一3 −9 3 −13 25 29 17 27 6 −20 9 12 18 17 6 10 ×100 表一5重みと固有値(大学成績は平均得点)INI社已已1司・
資料1 〃 2 〃 3 〃 4 一12 −12 −24 8 一4 13 3 7 3 −9 −5 −5 39 30 23 23 14 −13 12 8 16 12 11 9 ∫ A (1.5,0.5 14⊥ (0.5,−0.5) 1⊥ ×100 を失わないから,Lagrangeの係数λを用い v=cos2θ一λ(11Gl12−1) =(GtF)(FtG)一λ(GtG−1) の最大問題となる。G=沼βを代入すれぽ v=βε(B‘FF‘B)β一λ(βtBtBβ一1) これをβについて微分すれぽ (B‘FFtB)βニλ(BtB)β を得る。この固有方程式を解けば,重みβが求まる。射影Gpの長さは
llFll=llGll=1 としたから 11Gア112 = COS2θ =(GtF)(FtG) =βt(B‘FF‘B)β =λβt(B‘B)β =λ すなわち,固有値に等しくなる。したがって,重みβ は最大固有値に対応する固有ベクトルから求まる。 昭和54年,55年度入学生に対して計算したのが表一3 ∼表一5である。いずれも,固有値が0.2以下と小さく, 共通一次の成績と大学の成績との間には,ある意味で 20%以下のつながりしかない結果となっている。 図一2∬⊥への射影(n=2の場合)4. 正準相関分析法による重み計算 表一6重み計算(資料1) 大学の成績に対する重みのベクトルαを与えて評価 ベクトルを固定したのでは,共通一次試験との十分な 相関がとれないことがわかった。つぎには,重みのベ クトルαを固定せず,未知量として分析をする。この 場合も,射影Gpの長さが最大になるように重みα,β を決める問題になるから llF|12=α‘AtAα =1 11GII2=βtB‘Bβ =1 という条件のもとに COSθ=FtG =αtA‘Bβ を最大にする問題になる。これより v = 2α‘AtBβ一λ(αtA‘Aev−1)一μ(βtBtBβ一1) とおき,βについて微分し BeA、α=μ」BtBβ 同じようにして AtBβ=MtAα が求まる。これらの解をvに代入すれぽ 1|Fil=11G[1==1 の関係より { v=2λ v=2μ したがって,次の関係が成立つ。 λ=μ これより (B‘A・)α=λ(B‘B)β { (AtB)β=λ(AtA)α 右辺のAtA, BtBは正方行列であるから,その逆 行列が存在するとして (A‘A)−1(A‘B)β=λα { (B‘B)−1(BeA)α=λβ よって (、4t.4)−1(.4‘β)(BtB−1(B‘.4)α=レα { (B‘B)−1(B‘A)(AtA)−1(A‘B)β=レβ レ ・λ2 が得られる。 上の固有方程式の固有値yは(v/2)2であるから IIGp112 ・v となる。したがって,最大固有値レに対する固有ベク トルから重みベクトルα,βが定まる。 このようにして求まった重みベクトルα,βを用い ると,ベクトルGの持つある意味での情報量IIG[12=1
\
1 2 3 国 社 数 理 英 一38 −9 11 87 29 −25 31 −25 −27 84 −12 35 2 93 1 一 外 基 専 27−10 −42 53 33−37 74 17 53−48 136 111 レ 46 33 20 表一7重み計算(資料2) ×100\
1 2 3 国 社 数 理 英 一7 32 31 87 −18 40 9 75 −12 50 −63 71 −5 −17 28 一 外 基 専 一54 12 61 −107−5 1 −14 108 −42 59 18 24 ツ 40 32 28 表一8重み計算(資料3) ×100\
1 2 3 国 社 数 理 英 49 6 38 −78 5 68 −24 −62 31 −7455−22−780
一 外 基 専 一92 60 −13 −65 39 −80 −70 122 −80 25 57 37 〃 44 32 27 表一9重み計算(資料4) ×100\
1 2 3 国 社 数 理 英 一52 38 −12 27 70 −3 15 −12 76 −62 3 37 −9 31 87 外 基 専 71 45 −67 −2 65 −95 −2 59 126 159 −120 11 レ 46 43 20 ×100 のうち11Gp]12=yしか説明できないことになる。した がって,y<1ならば,第2固有値,第3固有値など に対応する重みベクトルα,βを求める必要がある。 表一6∼表一9は,大学の成績を一般教育,外国語,基 礎教育,専門教育に分類し,重みを求めたものであ る。資料はこれまでのものを使用している。この結果 を見ても,固有値は小さく,共通一次試験と大学の成 績とのつながりは十分ではないことがわかる。 5. 成分分析法 正準相関分析法によっても大学の成績と入試の成績 との間に十分なつながりが見出せないので,成分分析 により,その構造を調べる。 成績Aは,g個のベクトルからできているが,一つの ベクトルFで十分に表わせるためには,すべてのベク トルが平行であれぽよい。したがって,平行の程度を 調べれぽよい。この尺度としてu=Σ|レli一ムFl12 がある。ここにAiFはベクトルAiのF上への射影で ある。尺度uが小さければベクトルAi,……AgとF とは平行であると見なせる。 ベクトルFを求めるには,成績Aの張る空間にある としてよいから,係数ベクトルαを用い F=Aα と表わせる。
ベクトルムFはF上への射影であるから,ピタゴ
ラスの定理により 1レ1、112=11A,アll2+11ArムF|i2 が成り立つから,値uの最小値問題は v=Σ‖ムァ112 の最大値問題に直せる。 1レ4ipl]2=(AiF)t(AiF) ムF=1レt、|1cosθ=F‘ム/IIFll と表わせるから 11F[1=1 とすれぽFtAiはカラー量であるから ‥Σ(Ftム)t(Ft.4D =Σ(FtAi)(.FtAi)t =ZlαtAtムAτ£Aα =:αt(ΣAtA,A,tA)α ここで Σ.4t.4iA,tA.=(At.4)2 が証明できるので v=αt(AtA)2α となる。11Fll=1より CttAtAα=1 という条件を考えると w ・αt(AtA)2α一λ(αtAtAα一1) の最大値問題になる。したがってαについて微分して (.4tA)2α=λ(At.4)α 正方行列.4‘、4に逆行列が存在するとして (AtA)α=λα この固有方程式の解として,係数ベクトルαが求ま る。 このときvの値は v=・αt(AtA)2α =λα‘(AtA)α =λ となるから,最大固有値λ、に対応する係数ベクトル α1よりベクトルFiを定める。これを第1成分という。 平行度を示す尺度uは u=Σ1レ剃2一Σ1レ1,F112 表一10相関行列(大学の平均得点) (資料1) (資料2)\
一般 外 基 専一般外基専
100 25 32 29 100 50 23 100 56 100 一般 外 基 専一般外基専
100 14 55 33 100 29 4 100 38 100 (資料3) (資料4)\
一般 外 基 専搬捲専\
100 32 39 −8 100 42 30 100 22 100 一般 外 基 専一般外基専
100 51 50 55 100 33 65 100 52 100 表一11相関行列(入試成績) (資料1) (資料2)\
国 社 数 理 英国社鯉英
100 17 4 30 31100−6404
100 8 11 100 17 100 国 社 数 理 英国 社数理英
100 −4 −16 7 43 100 −1 2 24 100 9 5 100 22 100 (資料3) (資料4)\
国社数甦
国100111123
社10022−15−2
数 100 −12 −3 理 100 14当 …
国 社 数 理 英国社数理英
100 17 −1 17 39 100 10 40 1 100 31 7 100 8 100 =Σ‖ムll2一λ1 であるから,最大固有値λiがΣllA,112に近ければ, 成績Aは第1成分Flで十分説明できることになる。 値μが大きいときは,第1成分だけでは不十分で,第2成分F2を求める必要がある。これは,第1成分
Fiでは説明しきれない成績 (Al−AIR……Ag−Agア)1 を説明する成分を求めれぽよい。ここに添字1はベク トルFとしてFiを用いることを意味する。 こうして,尺度uが十分小さくなるまで,成分を求 めれぽよい。これらの成分が第2固有値以下の固有ベ クトルに対応していることが証明できている。 大学の成績は,学科目を一般教育,外国語,基礎教 育,専門教育の四つに分け,それぞれを平均得点によ表一12主成分表(大学) (資料1) 表一13成分表(入試) (資料1) 1 2 3 4 一般 外 基 専 40 48 58 52 91 −32 −23 −15 11 74 −10 −66 1 35 −77 53 λ 2.15 78 68 39 (資料2) 1 2 3 4 5 国 社 数 理 英 51 18 −37 −69 27 46 一54 26 28 59 12 58 41 61 −23 50 75 26 −41 −8 −4 65 18 −74 −1 λ 172 114 93 66 55 1 2 3 4 一般 外 基 専 57 29 61 46 −15 88 6 −45 −56 30 −19 75 59 23 −76 14 (資料2) λ 1.93 98 67 42 (資料3) 1 2 3 4 一般 外 基 専 46 −61 −3 65 58 59 32 12 −9 78 −74 66 17 −32 −47 50 1 2 3 4 5 国 社 数 理 英 57 −44 −21 31 59 28 29 83 一11 34 一4 34 69 75 40 8 −20 −47 6 59 −69 20 20 16 −69 λ 156 114 102 84 44 λ 184 109 57 50 (資料4) 1 2 3 4 一般 外 基 専 50 49 45 54 12 −62 75 −19 −85 15 34 37 −8 95 32 −74 λ (資料3) 1 2 3 4 5 国 社 数 理 英 40 −43 −40 54 46 53 50 50 −3 46 −31 15 40 83 −20 −16 73 −65 12 10 66 10 −12 11 −72 λ 141 121 84 78 76 254 68 47 31 って評価した。表一10は,これらの学科目間の相関行 列である。また,表一11は,共通一次試験の教科間の 相関行列である。 この相関行列を用いて成分分析した結果が表一12, 13である。この固有値の大きさから,第1成分だけで は,大学の成績は50%程度,また共通一次の成績では 30%程度しか説明できないことがわかる。それぞれの 成積を70%以上説明できるためには,固有値の和が 4科目×0.70=2.8(大学), 5科目×0.70=3.5(入試) を越えるまで,成分を用いる必要がある。したがっ て,大学では第2成分まで,入試では第3成分まで必 要となる。 このような結果により,大学入試の成績を一つのベ クトルで評価し,その間のつながりから,傾斜配点を 求めるのは困難なことがわかった。 (資料4)
熟
1 2 3 4 5 国 社 数 理 英 44 49 34 57 35 54 −29 −47 −34 61 −17 −55 76 −5 31 −62 46 −6 −24 59 33 41 42 −70 −24 λ 171 126 94 57 54 6. あとがき 本資料は,共通一次学力試験の傾斜配点を求める目 的で,大学の成績との関係を分析したが,高い相関は 得られなかった。用いた資料が限られていたというこ との他に,本質的には成績が唯一の尺度で測れなかっ たことにある。 傾斜配点を求め,共通一次試験の成績を有効に使う には,学生の評価尺度を決めることが必要である。そ れには,どのような卒業生を送り出すのかの検討が重 要である。このとき,二つ以上の尺度を決め,その最 大の値でもって評価するということも必要になろう。正準相関分析法では,有効な結果が得られなかった ので,その検討の意味はあまりないのではぶき,その 他の分析での結果について述べる。 (1)相対評価 大学の評価ベクトルFi, F2, F3はほとんど平行で 1に近い(表一1)。これは,成績をそのまま用いた全 体の成績を考えない絶対評価法では,評価間に大きな 違いが現れないことを示している。 これに対し,学科の難しさを除いた相対評価では, 表一2のごとく,相関行列にかなりの違いが生じてい る。したがって,平均値と相対評価(たとえば偏差値) とを併用すれぽ,より大きな教育効果が期待できよ う。 (2)科 目 大学および共通一次における相関行列表一10,表一11 では,各科目間に,ほとんど相関のないことがわか る。これは,科目に,重複がすくない有効な情報であ ることを示している。しかし,これは,ある決まった 目的に対しては,必要な特性を示してない恐れがあ る。 (3)主成分分析 主成分分析において,共通一次試験の第1成分に, 数学の重みの非常に小さいことが目立つ(表一13)。こ の原因は,標本全員の数学に関する成績のちりぽりが 少ないためであろう。すなわち,合格者の数学はほと んど同じくらいの水準であり,共通一次の数学が大き な情報を持っていないためである。 なお,本資料は共通一次の重みづけの一手法として 相関分析をした結果を示したものであり,入試と大学 成績の関係を評価したものではない。 謝 辞 本調査に際し,資料収集にご労力をいただいた計算 機科学科吉沢正教授,志村健一助手,また,プログラ ム作成に協力してくれた沖電気有賀寿之君,電気工学 科学生上野敏君に感謝します。