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JAIST Repository: 日・米・英における国民の科学技術に関する意識の比較調査 : 2009年3月調査

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 日・米・英における国民の科学技術に関する意識の比 較調査 : 2009年3月調査 Author(s) 栗山, 喬行 Citation 年次学術大会講演要旨集, 25: 431-435 Issue Date 2010-10-09

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/9331

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2C02

日・米・英における国民の科学技術に関する意識の比較調査

-2009 年 3 月調査-

○栗山 喬行(文部科学省 科学技術政策研究所) 1 調査の目的 我が国においては、科学技術に関する国民意識について国際比較できるデータが 2001 年の調査1) 降得られていないため、科学技術に関する国民意識の最新のデータを入手し、国際比較を実施する。 科学技術に関する意識について、日本と米国及び英国との比較調査を実施することにより、我が国に おける科学技術コミュニケーションの今後の望ましい在り方についての示唆を得る。 2 調査の概要 (1)方法 インターネット調査会社の有する登録モニターに調査依頼のメールを送信して、依頼に応じたモニ ターが、調査会社がインターネット上に設置している調査画面にアクセスして調査を実施した。 (2)調査項目 ・科学技術を含む諸問題に対する関心度 ・科学技術を含む諸問題の情報源・収集方法 ・科学的な出来事への関心度、進学・就職時の動機 ・科学技術の基礎的概念に関する理解度 ・科学技術の各種分野に対するイメージ ・国民性 等 (3)調査実施会社 (株)日経リサーチ (4)調査実施期間 日本 2009 年 2 月 27 日(金)~3 月 6 日(金)までの 8 日間 米国 2009 年 2 月 27 日(金)~3 月 8 日(月)までの 10 日間 英国 2009 年 2 月 27 日(金)~3 月 8 日(月)までの 10 日間 (5)調査対象モニター数 日本 155,365 人 米国 1,437,662 人 英国 195,005 人 注:調査開始時に調査実施会社が保有していたモニター数である。なお、米国及び英国は、提携会社のモニター数である。 (6)有効回答回収数 (単位:人) 日本 アメリカ イギリス 男性 女性 男性 女性 男性 女性 20 代 148 166 168 159 147 147 30 代 194 206 169 167 177 180 40 代 194 155 180 184 163 166 50 代 233 335 142 149 147 150 60 代 251 309 86 96 108 115 計 1020 1171 745 755 742 758 2191 1500 1500

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3 調査結果 (1)科学技術に対する関心度の比較 社会の様々な問題に対する関心度を3 カ国間で比較して見ると、国際・外交問題、経済や景気の 問題、高齢者問題など、社会的に大きな問題となっている課題に対しては、日本人の関心度は米国・ 英国人の関心度よりも高くなっている。その一方で、新しい科学的発見や、新しい技術や発明の利 用などに対する日本人の関心度は、米国・英国人よりも低くなっている。本調査では、関心度を尋 ねた問いの他に、会話の頻度や認知度(知っているか)についても尋ねているが、科学的な発見や 技術の発明については、日本人は米国・英国人よりも会話の頻度や認知度が低いという結果が得ら れている。ただし、地球温暖化問題や環境汚染問題など、環境問題に関する科学技術関連の課題に 対しては、日本人の関心度は米国・英国人よりも高くなっている(図1 参照)。 図 1 社会的な課題や科学的な発見等に対する関心度 注:調査では、本図の 8 つの課題の他に、「農林水産業問題」、「教育問題」、「エネルギー問題」、「新しい医学的発見」、「防衛・安全保障 問題」、「少子化問題」についても聞いている。 科学技術関連の課題に対する日本人の関心度が、米国・英国人の有する関心度よりも低いかどうか を確認するため、調査で提示した 14 の社会的な課題のうち、科学技術に関連の深い「新しい科学的 発見」、「新しい技術や発明の利用」、「エネルギー問題」、「新しい医学的発見」、「宇宙開発」、「環境汚 染問題」、「地球温暖化問題」の7 つの課題について、更なる分析を行った。 具体的には、7 つの課題に対する回答をもとに、関心が高いほど高得点になるように「非常に関心 がある」~「全く関心がない」までに 4 点~1 点を配点し、回答者ごとの点数(7 課題の合計点。満 点は 4 点×7=28 点)を用いて検定を実施した。 その結果、国別の比較では、日本人は米国・英国人よりも、科学的な課題に対する関心度が有意に 低いということが統計学的に確認された。一方、米国人と英国人との間では、科学的な課題に対する 関心度に有意な差は確認されなかった(図 2 参照)。 25.6 24.2  19.9  50.7 50.1  28.2  29.5 26.4  20.5  20.5 40.5  35.7  23.7 37.9  34.7  13.6 19.6  20.4  30.8 30.7 28.1 34.3 28.9  28.1  58.9 46.0  48.7  42.4 37.1  44.4  51.7 41.9  42.5  49.6 43.1  49.5  53.2  46.7  47.9  40.6 37.7  34.3  57.7 43.9 49.1 52.8 38.8  47.9  14.0  22.8  24.4  5.9 9.6  22.2  16.1 24.4  28.9  26.2 12.8  11.8  21.0  12.8  14.9  39.3 33.2  34.9  11.0 19.5 18.1 11.1 20.3  17.1  1.5 7.0  6.9  1.0  3.3  5.2  1.0  3.3  5.2  3.8 3.6  3.1  2.1 2.6  2.5  6.6 9.5  10.4  0.6 5.9 4.7 1.8 12.0  6.9  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 国際・外交問題 経済や景気の問題 高齢者問題 新しい科学的発見 新しい技術や 発明の利用 宇宙開発 環境汚染問題 地球温暖化問題 サンプル数 日本 n=2191、米国 n=1500、英国 n=1500 非常に関心がある どちらかといえば 関心がある どちらかといえば 関心がない 全く関心がない 日 米 英 日 米 英 日 米 英 日 米 英 日 米 英 日 米 英 日 米 英 日 米 英

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図 2 7 つの科学的な課題に対する関心の平均得点と有意差検定の結果 注:1)得点は、「非常に関心がある」~「全く関心がない」までに 4 点~1 点を配点し、1 人当たり 28 点満点で平均得点を算出している。 2)分散分析(F 検定)と下位検定の結果、日本と米国、英国との間で 1%の有意水準で有意な差が確認された(青色の矢印で表示)。 次に、科学的な課題に対する関心度を男女別・年代別に見たところ、男性においては、20 代と 30 代 において日本人は英国人よりも有意に低い結果となった。ちなみに、有意な差まではなかったものの平 均得点を比較すると、20 代から 50 代までの日本人男性は、米国・英国人男性よりも関心度が低くなっ ている。なお、60 代の日本人男性は、米国・英国人男性よりも関心度が高くなっていた(図 3 参照)。 女性においては、20 代では日本人が米国・英国人よりも有意に関心が低い結果となった。40 代・50 代では、米国人が日本・英国人よりも有意に高い結果となっている(図 4 参照)。 以上のことから、科学的な課題に対する日本人の関心度は、男女ともに 20 代で米国・英国人よりも 低いということが明らかになった。また、男性においては 30 代でも英国人よりも有意に低くなってい る。このように、将来を担う若年層において、日本人の男女が米国・英国人の男女より科学的な課題に 対する関心度が低いということは、憂慮すべきことであると云えるのではなかろうか。 図 3 7 つの科学的な課題に対する男性の年代別平均得点 注:20 代と 30 代において、日本人男性と英国人男性との間で 1%の有意水準で有意な差が確認された(青色の矢印で表示)。 図 4 7 つの科学的な課題に対する女性の年代別平均得点 注:20 代においては日本人女性と米国・英国人女性との間で、40 代、50 代では米国人女性と日本・英国人女性との間で1%の有意水 準で有意な差が確認された(青色の矢印で表示)。 20.77 21.50 21.34 20.4 20.6 20.8 21.0 21.2 21.4 21.6 日本 米国 英国 点 サンプル数 日本n=2191  米国n=1500 英国n=1500 20.2  20.5  21.40  21.5  22.6  20.8  21.3  21.8  22.4  21.8  21.7  22.1  21.42  21.8  21.7  19.0  20.0  21.0  22.0  23.0  20代 30代 40代 50代 60代 点 日本(n=1020) 米国(n=745) 英国(n=742) 19.2  19.9  20.2  21.1  21.2  20.9  20.3  22.0  22.3  21.47  20.7  20.5  21.0  20.9  21.50  18.0  19.0  20.0  21.0  22.0  23.0  20代 30代 40代 50代 60代 点 日本(n=1171) 米国(n=755) 英国(n=758)

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(2)科学技術に関する情報源の利用度と満足度の比較 科学技術に関する情報をどこから得ているかについて尋ね、回答者総数に対する情報源の利用度 と満足度を比較したところ、日本では、テレビ、インターネットに次ぐ手段として新聞があるもの の、新聞の記事以外の手段の利用度及び満足度は極めて低くなっている。一方、米国及び英国では、 テレビ、インターネット、新聞以外でも、家族・友人の話、雑誌等の記事、単行本・書籍、博物館・ 展示会等の手段の利用度及び満足度が日本よりも高くなっている(図 5 参照)。 日本において科学技術に対する関心や理解を深めるためには、テレビ、インターネット、新聞以 外の手段の利用度や満足度を高めていくことも課題である。 図 5 科学技術に関する情報源の利用度と満足度 注:利用度は「どこから情報を得ていますか」、満足度は「必要な情報をおおむね得られる方法はどれですか」と尋ねている。 テレビのニュース 雑誌等の記事 専門誌 ドキュメンタリー番組 博物館、展示会等 テレビのコマーシャル 新聞の記事 家族、友人の話 仕事の場 学校 新聞の広告 単行本、書籍 雑誌等の広告 インターネット 大学等 講演会等 ラジオ その他 0  5  10  15  20  25  30  35  40  45  50  0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100  情 報手段 に 対 す る 満 足 度 現在の情報入手手段 (利用度) 日本 (n=2191) % % テレビのニュース 雑誌等の記事 専門誌 ドキュメンタリー番組 博物館、展示会等 テレビのコマーシャル 新聞の記事 家族、友人の話 仕事の場 学校 新聞の広告 単行本、書籍 雑誌等の広告 インターネット 大学等の公開イベント 講演会等 ラジオ その他 0  5  10  15  20  25  30  35  40  45  50  0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100  情 報 手 段に対す る 満足度 現在の情報入手手段 (利用度) 米国 (n=1500) % % テレビのニュース 雑誌等の記事 専門誌 ドキュメンタリー番組 博物館、展示会等 テレビのコマーシャル 新聞の記事 家族、友人の話 仕事の場 学校 新聞の広告 単行本、書籍 雑誌等の広告 インターネット 大学等の公開イベント 講演会等 ラジオ その他 0  5  10  15  20  25  30  35  40  45  50  55  0  10  20  30  40  50  60  70  80  90  100  情 報 手 段に対す る 満足度 現在の情報入手手段 (利用度) 英国 (n=1500) % %

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(3)科学技術の基礎的概念に関する理解度の比較 「地球の中心部は非常に高温である」は正しいか誤っているかといったような、科学技術の基礎 的な概念に関する理解度については、2001 年に科学技術政策研究所が実施した比較調査により、日 本人の科学技術に関する理解度(リテラシー)は欧米の 15 カ国地域と比較して低い水準にあるこ とが指摘されている。2001 年調査では、共通 10 問において日本の正答率は 51%であるのに対して、 米国(1999 年)は 61%、英国(1992 年)は 63%の正答率であった1) 今回の比較調査でも同様の質問を出題し、過去の比較調査と同じ 10 問で比較したところ、日本 の正答率(62.2%)は、米国及び英国の正答率(64.1%、66.4%)よりも低い結果となった(図 6)。 これを年代別・男女別に見ると、40 代男性では有意な差まではないものの、日本人が米国・英国 人よりも高い正答率となっていた。また、50 代の日本人男性は英国人男性よりも、60 代の日本人 男性は米国・英国人男性よりも正答率が有意に低くなっていた。一方、女性においては、20 代、40 代、60 代において、日本は米国、英国の 2 カ国又はいずれかの国に対して有意に低くなっていた。 図 6 科学技術の基礎的概念に関する理解度(共通 10 問の比較) 注:1)2001 年の調査から、一部、問いの表現を修正して出題したものがある。 2)共通 10 問とは、2001 年調査において日本と欧米諸国とを比較した際に用いた 10 問である。 4 考察 比較調査の結果、日本人の科学技術に対する関心などの態度や理解度は、米国・英国人よりも低いと いうことが改めて明らかとなり、特に若年層においてその傾向が強いといった憂慮すべき事態が把握さ れた。その一方で、40 代の日本人男性の理解度は米国・英国人男性よりも高い傾向があるといったこと や、環境問題に関する科学技術関連の課題に対しては、女性を含め日本人の関心が米国・英国人の関心 よりも高いということも明らかになった。このようなプラス面の結果も踏まえつつ、今後の科学技術コ ミュニケーションの在り方について模索していくことが重要である。 引用文献

1)NISTEP REPORT No.72「科学技術に関する意識調査-2001 年 2~3 月調査-」(2001 年 12 月)科学技術政策研究所

44.7 44.7 53.2 49.3 48.9 80.9 73.9 91.0 89.1 88.3 66.4  43.1 42.7 44.3 56.9 69.3 47.0 75.5 84.9 84.3 93.3 64.1  34.7 37.5 39.1 43.5 46.1 74.8 77.5 88.6 89.8 90.0 62.2  0 20 40 60 80 100 10 レーザーと音波との関係 9 抗菌剤のウイルス増殖抑制 8 人類と恐竜の同時代性 7 電子と原子の大小 6 性別決定と父親遺伝子 5 人類の進化論 4 放射能は人工的か 3 地球中心部は高温 2 大陸移動説 1 植物の酸素供給 平均(10問) % 日本 (n=2191) 米国 (n=1500) 英国 (n=1500)

図 2  7 つの科学的な課題に対する関心の平均得点と有意差検定の結果 注:1)得点は、 「非常に関心がある」~「全く関心がない」までに 4 点~1 点を配点し、1 人当たり 28 点満点で平均得点を算出している。  2)分散分析(F 検定)と下位検定の結果、日本と米国、英国との間で 1%の有意水準で有意な差が確認された(青色の矢印で表示)。  次に、科学的な課題に対する関心度を男女別・年代別に見たところ、男性においては、20 代と 30 代 において日本人は英国人よりも有意に低い結果となった。ちなみに、有

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