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IRUCAA@TDC : 顔面神経麻痺の治療update

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

顔面神経麻痺の治療update

Author(s)

田中, 一郎

Journal

歯科学報, 115(3): 266-266

URL

http://hdl.handle.net/10130/3694

Right

(2)

顔面神経麻痺治療の特色として,再生医療の基礎・臨床研究が進められているものの,障害を受けた神経や 萎縮した筋の再生に対する特効的な治療法は現状では無く,顔面神経麻痺の原因の多くを占めるベル麻痺やハ ント症候群などのように,治療の主体は当初の神経障害を薬物療法などで最少化することであり,その後の治 療はほぼ神経回復を待つしかない点があった。また神経回復過程では筋収縮の消失や筋力低下から,その後収 縮の回復や筋力増強が見られるが,神経障害後の顔面神経核の興奮性の亢進や顔面神経の解剖学的特徴として の神経束構造の欠落のため高度障害では迷入再生が生じ,筋の持続的過緊張(拘縮)や病的共同運動などの後 遺症が出現し,筋力低下と筋過緊張という複雑な病態が混在する。また麻痺による症状は,眼瞼や口唇の動的 な機能障害と,顔面の下垂や偏位などの静的・動的な整容的障害を含み,眼瞼部では閉瞼障害と開瞼障害とい う機能と整容面が相反する問題を抱える。 このような顔面神経麻痺の治療として今まで形成外科が担ってきた役割は,神経切断・高度損傷例に対する 神経再建や,陳旧例に対する主に下垂組織を吊り上げる静的再建術や,部分的な閉瞼や口唇挙上機能を表情筋 以外の筋により代償させる筋移行や遊離筋移植術などであった。 これら形成外科的治療において最近の大きな進歩は,まず神経端側縫合を利用した神経再建がある。従来神 経端側縫合は運動神経では有用性は低いとされていたが,強大な筋力を要する四肢の筋群と異なり強大な筋力 が不要な表情筋における有用性が明らかとなり,自然の顔面神経再生を損なわずに他神経からの神経再生を促 進する治療法が開発され,早期や不全麻痺例での各種神経再建法が開発されている。神経再建については,血 行を有する神経移植法も最近の進歩であり,また神経再建に利用される咬筋神経はその強力な神経力源から見 直されている。また今まで有効な治療法がなく放置されていた顔面拘縮,病的共同運動,摂食時の流涙障害(鰐 の涙)などの後遺症に対しても焦点が当てられ,早期からのリハビリテーション指導やボツリヌストキシン治 療,表情筋切徐や神経再建などの手術治療が行なわれている。陳旧例に対する静的再建では眉毛・上眼瞼下 垂,兎眼,下眼瞼外反に対する種々の新術式の開発,また動的再建では顔面交叉神経移植術なしの一期的筋移 植や口唇周囲筋群の多ベクトル運動を考慮した複数筋移植,運動神経としての咬筋神経・顔面神経の併用など が最近の進歩である。 本講演では顔面神経麻痺の治療 update としてこれら最近の治療法つき,主に演者が考案・開発した新しい 治療法や手術法を中心として,また顔面神経麻痺の診断・治療評価のために開発したコンピューター解析によ る顔面表情運動評価システムなどについても述べる。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 1982年 慶應義塾大学医学部卒業 1986年 慶応義塾大学医学部形成外科助手 1987年 埼玉医科大学総合医療センター形成外科助手 1990年 静岡日本赤十字病院形成外科部長 1994年 慶応義塾大学医学部形成外科助手 1995年 弘前大学医学部形成外科講師 1998年 栃木県済生会宇都宮病院形成外科医長 1999年 栃木がんセンター耳鼻咽喉科医長 2000年 トロント大学(カナダ)形成外科留学 2001年 慶応義塾大学医学部形成外科専任講師 2006年 東京歯科大学市川総合病院形成外科准教授 2012年 東京歯科大学市川総合病院形成外科教授 <資 格> 医学博士,日本形成外科学会専門医,日本形成外科学会 皮膚腫瘍外科専門医,日本頭蓋顎顔面外科学会専門医, 日本創傷外科学会専門医 <所属学会> 日本形成外科学会評議員,日本マイクロサージャリー学 会評議員,日本頭蓋顎顔面外科学会代議員,日本顔面神 経学会評議員,日本頭頸部癌学会,日本創傷外科学会, 日本コンピュータ支援外科学会,日本形成外科手術手技 学会

顔面神経麻痺の治療 update

東京歯科大学市川総合病院形成外科教授

田中 一郎

特 別 講 演 1

講 演 抄 録

学 会 講 演 抄 録 266 ― 82 ―

参照

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