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Title
歯周病学講座ポストグラデュエートコース第19期生に
よる症例提示−臼歯部咬合崩壊を伴う広汎型侵襲性歯周
炎に対し歯周外科治療及び口腔機能回復を図った一症例
−
Author(s)
鈴木, 瑛一; 勢島, 典; 太田, 功貴; 武内, 崇博; 齋藤,
淳
Journal
歯科学報, 116(5): 403-403
URL
http://hdl.handle.net/10130/4140
Right
Description
403
歯科学報 Vol.116,No.5(2016)
№40:歯周病学講座ポストグラデュエートコース第19期生による症例提示
-咬合性外傷を伴う重度広汎型慢性歯周炎に対し歯周組織再生療法を行った一症例-
1)
太田功貴1)
,衣松高志1)
,鈴木瑛一1)
,武内崇博1)
,齋藤 淳1)2)
(東歯大・歯周)
2)
(東歯大・口科研)
目的:本講座におけるポストグラデュエートコース
は平成6年度に発足した。歯周治療において重要な
専門的知識や技術を獲得し,日本歯周病学会認定
医・専門医の取得を目指している。本症例提示によ
り,その成果の一部を報告する。
症例(事例):
1.初診時データ(2013年9月21日)
患者は56歳の男性。上顎右側臼歯部の動揺を主訴
として来院した。現病歴として同年8月より同部位
の自発痛を自覚。動揺が強くなったため,当科を受
診した。喫煙歴あり。全身既往歴に特記すべき事項
はない。
2.診察・検査所見
1)口腔内所見:PCR は55%と高く,プロービン
グデプスは平均3.5mm,4mm 以上の部位は46
%であった。患者自身は歯ぎしりを自覚していた。
2)エックス線画像所見:全顎的に水平性骨吸収,
#24,27,34に垂直性の骨吸収,#18には根尖に
及ぶ骨吸収が認められた。
3.診断:重度広汎型慢性歯周炎
4.治療計画:1)歯周基本治療:口腔衛生指導,
抜歯,スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
咬合調整,オクルーザルスプリントの装着 2),
再評価 3)歯周外科治療 4)再評価 5)口
腔機能回復治療 6)再評価 7)メインテナン
ス・SPT
5.治療経過
歯周基本治療では,予後不良歯の抜歯後,プラー
クコントロール並びに SRP による炎症の除去を徹
底した。欠損部にインプラント治療を勧めたが,同
意が得られなかったため,#14-16のプロビジョナ
ルレストレーションを装着した。悪習癖への対応と
して,オクルーザルスプリントによる残存歯の保護
を図った。再評価後にポケット残存部位に対し,歯
肉剥離掻爬手術,#24にエムドゲインゲルを用いた
組織再生療法を行った。口腔機能回復治療として#
14-16Br の装着を行い,再評価後,病状安定のた
め SPT へ移行した。
成績および考察:本症例では,プラーク,歯石並び
に外傷性咬合により歯周組織の破壊が生じたと考え
られる。炎症のコントロールにより歯周組織の状態
は安定し,SPT 時のリスクアセスメントでは低リ
スクに分類されているが,ブラキシズムの存在や#
17の欠損による Br の支台歯である#16への過重負
担が懸念されるため,今後も SPT を注意深く継続
していく必要がある。
№41:歯周病学講座ポストグラデュエートコース第19期生による症例提示
-臼歯部咬合崩壊を伴う広汎型侵襲性歯周炎に対し歯周外科治療及び口腔機能回復を図った一症例-
2) 1)
鈴木瑛一1)
,勢島 典1)
,太田功貴1)
,武内崇博1)
,齋藤 淳1)
(東歯大・歯周)
2)
(東歯大・口科研)
目的:本講座におけるポストグラデュエートコース
は平成6年度に発足し,歯周療法の専門的知識と臨
床技能を修得することを目的としている。今回,第
19期生修了者の代表症例を提示する。
症例(事例):
1.初診時データ(2012年4月13日)
患者は28歳の女性。上顎右側臼歯部の自発痛を主
訴として来院した。同年3月より同部位に冷水痛を
自覚,その後自発痛の発現により当科を受診した。
全身既往歴としては緊張性高血圧と多数の金属,食
物,薬物アレルギーがある。
2.診察・検査所見
1)口腔内所見:全顎的に歯肉の腫脹・発赤を認
め,プロービングデプスは平均5.2mm,4mm
以上の部位は84%であった。現在歯数26本中25本
で動揺を認めた。PCR は58%と高かった。
2)エックス線画像所見:全顎的に歯根長の1/2-
2/3程度の水平性骨吸収がみられた。#46に根分
岐部病変が認められた。
3)咬合所見:臼歯部開咬であり,中心位において
左右大臼歯部の咬合はなく,#12,22,32,42に
早期接触を認めた。
3.診断:広汎型侵襲性歯周炎
4.治療計画:1)歯周基本治療:口腔衛生指導,
スケーリング・ルートプレーニング(SRP),抜
歯,暫間固定,感染根管処置,齲蝕処置,治療用
義歯の装着 2)再評価 3)歯周外科治療
4)再評価 5)口腔機能回復治療 6)再評価
7)SPT
5.治療経過:歯周基本治療では,プラークコント
ロール を 徹 底 し,全 顎 SRP,#17抜 歯,#36齲
触処置,#33-43暫間固定,#11,21欠損部に対
し歯周治療用義歯の作成を行った。また,大臼歯
部に対しプロビジョナルレストレーションの装着
並びに CR 築造を行い,臼歯部の咬合接触を付与
した。再評価後にポケットが残存した部位に歯肉
剥離掻爬手術,#16に自家骨移植を行った。その
後口腔機能回復治療では部分矯正による上顎前歯
部歯軸の改善と#13-23Br,#36FMC の装着を
行った。再評価後病状安定のため SPT へ移行し
た。
成績および考察:本症例では,多数歯にわたる著し
い骨欠損並びに深い歯周ポケットを伴う侵襲性歯周
炎に対し,炎症並びに咬合のコントロールを行い良
好な結果を得ることができた。現在 SPT 経過6ヶ
月時点で歯周組織の状態は安定しているが,SPT
時のリスクアセスメントでは高リスクに分類され,
今後も SPT を注意深く継続していく必要がある。
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