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生活を自分のアートで彩る −着彩粘土造形を通して−

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Academic year: 2021

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芸 術 科 学 習 指 導 案

広島県立吉田高等学校 安 倍 謙 次 1 科目名 美術Ⅰ 2 学 年 第1学年 3 題材名 生活を自分のアートで彩る −着彩粘土造形を通して− 4 題材について ○ 人は様々な製品の中から気に入ったものを選んで買い求め,それを組合わせて生活を楽しむ。 人によっては,自分の気に入ったものを探し求めたり大金をはたいたりもするが,多くの場合 は「自分のイメージに近ければいい」とか「実用的なら構わない」とか満たされつつも妥協し ているというのが実情ではないかと思う。こうした生活環境の中では,自分の内側にある欲求 が明確に見えなくなり,創作意欲,創造力といったものが育ちにくくなっているのではないか と思えてくる。こうした状況のなかで,どのように創作意欲を呼び起こすかは悩ましい問題で ある。 ○ 多くの生徒は,人と同じものを持っている事を嫌う。高校生も,物によってはオリジナリテ ィに価値を見い出しているのであろう。しかし,高校生に創作意欲が満ちあふれているという わけではない。例えば,珍しい携帯電話のストラップ人形を入手して喜んでいたり,「先生作 って」と言ってくる生徒に対して「材料やるから自分で作りなさい」と返すと,「いっぱい売 ってるから,自分でわざわざダサい物は作りたくない」と言ったりする。既製品に目の肥えた 高校生には,物に対する高いレベルの欲求が,自分の創作意欲を邪魔してしまっているのであ ろう。しかし,「茶わんか湯呑みを作りたい」という生徒は以外と多い。「自分で作れるもの なら是非欲しい」といった興味は持っているようである。 ○ 自分で作ることによって得られるものは多いと思う。「作る楽しさを知る」ことはもちろん のこと,自分の分身であるオリジナル作品を手にした時の「愛着と満足感」を味わって,自分 自身への愛着を深めさせたい。また「ああしたい,こうしたい」といった自分の欲求を感じな がらの制作活動は自分自身をも見つめる活動でもある。逆に,素材への気遣いの不足による失 敗は,自分の力を思い知らされる。したがって,技法を知り,工夫し,表現技能が向上すれば, 作りたいものも広がり,欲求も広がり,自分の世界をも広げていけると思う。まずは,創作意 欲を呼び覚ますことが重要であると考える。 ○ 生徒たちには茶わんや湯呑みなら,簡単に,それなりに作れそうに思えるのかもしれないし, ストラップ人形とは違い「家でこっそり自己満足に浸れる」と思えるのかもしれない。しかし 何より泥を触り,土で器を作ることで,生徒は自由な気持ちと子ども心を呼び覚まし,閉じか けていた創作意欲を復活するのではないかと思う。また,土を練ったり,集中してろくろに向 かい,優しく手で触れることで自分に馴染んでくる粘土の手触りを体験することは,豊かな情 操を育てることにつながると考える。 5 題材の目標 新しい技法に挑戦し,より自分の欲したイメージに近い作品を完成させる。 6 学習指導計画 一学期 ◎ 自分の暮らしてみたい生活空間をイメージ ・理想のマイルームを描き,そこで使うためのインテリア,実用的陶芸作品などをデザイン する. ◎ 粘土実習(まずはやってみる) ・焼き物の制作過程等についての基礎学習と菊練りの練習

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・様々な制作方法の実践(電動ろくろ・手びねり・たたら作り・紐作り等) ・粘土作品のデザインと制作 ・窯の説明と素焼き→薬がけ 二学期 ◎ 着彩粘土を使ってのオリジナル作品の制作 ・着彩粘土を使って絵を描く技法の学習と実習(たたら板使用) ・焼き物作品の構想(色・形・機能・装飾) ・制作 (本時1/5) 7 準備物 各種着彩粘土, 色化粧土, 各種粘土へら 8 本時のねらい ・個々工夫しながら制作に勤しむ 9 学習の展開 学 習 活 動 指 導 内 容 評 価 1 自分の活動の確認 と準備 2 各自工夫して制作 3 片付け ・製作技法の違いによる各グループに 分かれて集合→各グループで準備 ・個々にアドバイス等しながらの個別 指導 ・制作に行き詰まったときの逃げ方を 工夫させる ・自分のイメージとかけ離れていかな いように,最初の構想を確認させる ・生徒に任せる ・自主的に助け合って行動で きるか ・自分のイメージに表現を近 づけるための努力をしてい るか ・自分の力量に合わせた表現 の工夫が自主的にできてい るか 資 料 ※ 各グループの制作方法は次の通りである。 Aグループ; 模様または絵を彫り,着彩粘土を埋め込んで削る。 <作業手順> ① 古い彫刻刀や針,へら等を使い,下書に沿って線彫りをする。 ② あらかじめ自分で作ってビニールにくるんでおいた“色粘土”を掘った溝 に詰め込む。(空気が入らないよう留意し,溝の行向に沿ってすり込むよ うに埋める) ③ 余分な粘土を削り取って,色粘土のラインを出す。

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※ 小・中学校で学んできた木版画等の応用ができる。線の厚みや太さで,木版画等と同じよう に表情に変化をつけることができる。 Bグループ; 着彩粘土を接合してつくる。 <表現方法の種類> ○ 着彩粘土で造形したものを本体に貼る。 着彩粘土を貼る ○ 着彩粘土を組み合わせてつくる。 白色の着色粘土 緑色の着色粘土 茶色の着色粘土 ○ A,Bの表現方法を併用してつくる。 茶色の着色粘土 黄色の着色粘土 Cグループ; 着色粘土を最初に貼り合わせてつくる。 <表現方法の種類> ○ 着色粘土をタタラにして縞模様にしてつくる。 ○ 適当に混ぜて,マーブル状にしてつくる。 Dグループ; 化粧土を使って,着彩したり,絵を描いたりする。 ○ 筆を使って絵を描く。 ○ 色の違うものを何回か繰り返し,模様をつくる。 ⇒ 《表現方法についての気付き》 ・基本的に,上絵つけ(3回焼き)が極めて困難だったので,着色粘土で描くことにした。絵 つけよりも,(所属校の釜では)発色がよく,色も安定して流れないので,生徒はAの技法 甲羅(ふた)は緑色の着色粘 土の上に,Aの技法で線模様 をほどこす。

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を好んで行う。彫るのが木に比べて楽なせいもあるだろうが,「他人と違ったものをつくり たい」というニーズに合っているように思える。 ・Dの技法も簡単そうなので人気はあったが,出来上がりはA,Bに比べて,色(着色粘土) が流れたりむらになったりするので不評だった。(所属校の釜での,焼き方がまずいのかも しれない。) 今,低温(400∼ 600°)で素焼きをして,少なめに釉薬をかけて試している。釉薬が器に染 み込んで流れにくいのではないかと考えている。

参照

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