カルボニル価(ブタノール法)による油脂食品の酸化劣化評価[PDFファイル/193KB]
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(2) 宮城県保健環境センター年報. R. +. CHO. H2N. 第24号 2006. N H. R. N. N H. NO 2. NO 2. Ⴎၮᕈ. ࠫ࠾࠻ࡠࡈࠚ࠾࡞ ࡅ࠼࠱ࡦ㧔㤛⦡㧕. OR. C H. N. N H. N O NO 2 ࠠࡁࠗ࠼ࠗࠝࡦ ࡢࠗࡦ⦡ቯ. 図1. カルボニル化合物と2,4-ジニトロフェニル ヒドラジンの反応. 食品抽出油脂の油脂劣化指標値 ㆊ㉄ൻ‛ଔ. 㘩ຠ. ࠫ࠾࠻ࡠࡈࠚ࠾࡞ ࡅ࠼ࠫࡦ㧔ࠝࡦࠫ⦡㧕. C H. 表1. NO2. NO2. ㉄ᕈ. -137-. OGSMI. ㉄ଔ. ࠞ࡞ࡏ࠾࡞ଔ ǴOQNI =P? ᐔဋ୯. ࡐ࠹࠻࠴࠶ࡊࠬ# ࡐ࠹࠻࠴࠶ࡊࠬ$ ࡐ࠹࠻࠴࠶ࡊࠬ% ࡐ࠹࠻࠴࠶ࡊࠬ& ࡐ࠹࠻࠴࠶ࡊࠬ' ࡐ࠹࠻࠴࠶ࡊࠬ( හᏨ㤖# හᏨ㤖$ හᏨ㤖% හᏨ㤖& ᴤ㤊# ᴤ㤊$ ᴤ㤊% ᴤ㤊& ᴤ㤊' ᴤ㤊( ᴤ㤊) ᴤ㤊* ࡈࠗ࠼࠴ࠠࡦ ߐߟ߹ߍ ᴤ឴ߍ ࠞࡄࡦ ࠼࠽࠶࠷ ឴ߍߖࠎߴ ࡇ࠽࠶࠷ ࠁ߫ 㧖㧝 㧖㧝 ߈ߥߎ 㧖㧞 㧖㧞 㧖㧝 ᴤ⢽㊂߇ዋߥߚ㧘᷹ቯਇน 㧖㧞 ⹜ᢱߩ⌕⦡ߩߚ㧘Ṣቯ⚳ὐߩ್ቯਇน. ᮡḰᏅ. 45&. . . 2. 2 測定方法 ~50mg を含むブタノール溶液1ml を,塩酸酸性にした. . 0. 05%の2,4-ジニトロフェニルヒドラジン溶液1ml と,40寿で20分反応させた。反応終了後,8% KOHの を加えてアルカリとした。遠心 1-ブタノール溶液8ml 分離後,上層を採取し,カルボニル化合物と2, 4-ジニ トロフェニルヒドラジンの反応で生成した2, 4-ジニト. %8 . . . . ロフェニルヒドラゾン(図1)に基づく420n mの吸光度. . を測定した。カルボニル化合物量は2-デセナールを標. . 品として作成した検量線から算出し,CVは,試料油脂 1g あたりのカルボニル化合物量(μmo l )で表した。 AV,POVは,食品衛生検査指針5)に準じて測定した。. . 218. . 図2. 218 OGSMI. . %8 ǴOQNI. CVは,既報3)に従い測定した。すなわち,試料油5. . ᣣᢙ. . . ポテトチップスの自動酸化による過酸化物価と カルボニル価の経時変化. 2. 3 自動酸化したポテトチップスの調製 ポテトチップスを開封し,40寿の暗所に放置すること で,自動酸化させた。POVが大幅に上昇した場合(POV. 3. 2 自動酸化したポテトチップスの評価 ポテトチップスを経時的に自動酸化させ,エーテル抽. >50)は,正確なカルボニル価を測定することができな. 出物のCV,POV,AVを測定した。本条件で酸化させて. いため,暗所放置とした。. もAVは上昇しなかったが,POV,CVは経時的に上昇し た(図2)。このように本法は,酸化初期の微量なカル. 3. 結果および考察. ボニル化合物の増加量も測定することが可能であった。. 3. 1 食品抽出油脂へのカルボニル価(ブタノール法) の適用性. 以上のことから,CVはPOVと同様に油脂食品の自動酸 化による劣化の程度を評価できることがわかった。. 各種食品(27検体)のエーテル抽出油脂のCV(ブタ ノール法)を3回測定した結果,変動係数(%RSD)は. 3. 3 各種市販食品の酸化劣化度 市販の即席麺(4検体),油麩(8検体),その他の油. いずれも10%以下であった(表1)。前報 のフライ油. 脂食品(9検体)のエーテル抽出物のCV,POV,AVを. を試料としたCV測定においても,ベンゼン法を用いた. 測定した(表1) 。POVやAVは滴定法で測定する必要が. 場合の変動係数が10~20%であるのに対して,改良法で. あるため,一回の分析に多量の試料が必要(POVで0. 5. は10%以内であった。ベンゼン法では,反応最終溶液中. ~5g ,AVで0. 1~20g )であり,ゆばのように油脂量が. の色素が経時的に退色するが,ブタノール法では色素の. 少ない食品の分析が困難であった。また,きなこのよう. 退色が少ない(1時間程度安定)ため測定精度が高いと. に試料が着色(緑色)している場合には,滴定終点の判. 考えられる。このように,本CV(ブタノール法)測定. 定が困難であり,測定することができなかった。一方,. 法は,精度の高い測定法であり,食品抽出油脂のCV測. これらのような試料であっても,CVは問題なく測定す. 定にも十分適用可能なことがわかった。. ることができた。. 2).
(3) -138- POVとCVの関係およびAVとCVの関係を図2および. 4. まとめ. 図3に示した。POVが高いとCVも高くなる傾向がみら. 新しいCV測定法であるブタノール法を食品油脂の測. れ た(R2=0. 490)が,AVとCVは 必 ず し も 一 致 せ ず. 定にはじめて応用した。この方法は,操作が簡便で精度. (R2=0. 2 63),AVが低いにもかかわらずCVが高い場. が高く,かつ測定用溶剤の毒性が低く使用量も少なくて. 合があった。油で揚げた食品でCVが高い傾向があり,. よい。特に食品抽出油脂の測定においては,抽出油脂量. 使用している揚げ油が加熱劣化していて,カルボニル化. が不十分であったり,試料が着色している場合があるが,. 合物が増加している可能性が考えられた。油麩は全体的. 本法によれば,試料量が少なくても測定でき,サンプル. にCVが高く,かつAVが2. 0を超える検体があったが,. の色が測定値に影響を与えることがない。このようなこ. これらは揚げ油の管理に注意が必要なことを示している. とから,本法は食品製造現場での測定にも適しており,. と思われる。. 食品の酸化劣化度を評価するために有効な方法であると 考えられる。 本CV測定法を用いて市販食品の酸化劣化度を評価し. . 218 OGSMI. た結果,CVの増加した食品が認められた。いずれも注 意すべき値ではないが,食品製造現場では揚げ油の管理. . が重要と思われる。. . 参考文献 1)Y. En d o ,C. M. Li ,M. Ta g i r i -En d o ,K. Fu j i mo t o : J . Am. Oi lCh e m. So c . ,78,1021(2001).. %8 ǴOQNI. . 図3. . 2)遠藤泰志,李昌模,藤本健四郎,遠藤美砂子,遠山 かおり,薄木理一郎:日本水産学会誌, 69, 80 (2003).. 各種市販食品の過酸化物価とカルボニル価の関係. -En d o ,K. Ku mo z a k i , 3)Y. En d o ,Y. M. To mi n a g a ,M. Ta g i r i H. Ko u z u i ,H. Si r a ma s a ,K. Mi y a k o s h i :J . Ol e oSc i . ,52, 353(2003).. . 4)宮城県:公開特許公報,特開2002-365274 (2002. 12. 18) . 5)厚生労働省監修:”食品衛生検査指針. . #8. (2005),(日本食品衛生協会). . . . . %8 ǴOQNI. 図4. 各種市販食品の酸価とカルボニル価の関係. 理化学編”,.
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