数学教育における知識創造型指導についての研究
教科@領域専攻 自然系コース(数学) 大 島 弘 子1
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はじめに 変化の激しいこれからの日朝切こは,まだ誰も 経験したことのない様々な問題に出会うことに なる。子どもたちがこの時代を生き抜くために は,初めて出会う問題に対して,自分の持って いる知識や技能を活用して新たな解決方法やア イディアを創造できる力が重要である。 本研究の目的は,数学において知識がどのよ うに創造されるか考察し9 それをもとに,知識 創造型の指導を提案することである。2
回現状と課題 PISA2
015では,機量な状況の中で数学を見 出し解決できる日本の学習者の割合が 20.3% (国立教育政策所, 2016)であった。数学を使っ て事象の中の関係や性質を表現することは,事 象のメカニズムを捉え易くし,問題解決の有効 な手段となる。しかし9 事象の中l
こ,自分の知 っている性質@関係を見い出すことができなけ れば,間関手決に数学を役立てることは難しい。 子どもたちの数学を活用する力が弱いことが日 本の数学教育の課題である。 3圃数学教育における劃躍討生 数学における知識創造の倣丑みを理解するた めには,数学の特性に沿って考えることが効率 的である。数学は定義,公理と呼ばれる正しい と認める最小限の耕丙をもとにして,新たな性 質や関係の正しさを証明し,体系化していく学 問である。数学の特性より,数学を学習する際 にも,数学を活用する際にも,新たな知識や技 指導教員 秋 田 美 代 能を倉Ijるためには3 既習の知識a技能の利用が 不可欠である。数学ではE
摺の知識をモデ〉レと できるかが,知識創造の鍵となる。 数学教育におし、てモデ、ノレを利用した学習方法 の代表として数学的モデリングが挙げられてい る。柳本 (2011)は,数学的モデリングとは「現 実世界の問題に対して,それと同型(類似)な 数学モデ、/レを使い,問題請手決を考えていくこと であるJと述べている。数勃句モデリングは3 現実世界の問題を解決することが目的であり, そのために現実世界の問題の中の数量や図形 の関係を3 数学を使って表現し数学モデルをつ くっている。この数学モデルは現実事象と同型 の数学の関係である。現実事象から必要な↑静R
だけを取り出し,変数や定数で数値化し3 数学 の問題になるように数学モデルをつくる。そし てg 数学的処理を行いp 数学としての結果を出 し,もとの現実事象に適応するように結果を解 釈し,現実事象の問題を解決する。一方で,こ れまでの既習事項が直謝吏えない場合は,自分 自身で新たな数学を作る必要がある。本研究に おけるモデルは,数学の新しい知識を創造する ためのモデ〉レで、あり,数学的モデリングにおけ る数学モテ、ノレとは異なっている。4
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知識創造のための見方圃考え方 経験したことのない品鳴を解決する過程で数 学を活用する際は,知っている性質・開系を見 出すことが必要である。学習者が自分で知識を 創造できるためには,数学的な見方・考え方が Q U ρ り つ ω非常な重要な役割を果たすっ己学習者が自分で知 識を創造するためには9 学習者が次の 4つのこ とを考える必要がある。①問題輯事決する際に3 「これまでに経験したことがある問題か?Jを 考えることで,既習の知識と照らし合わせて, 直樹吏える既習の方法がなし1ことを認識する。 ②「なぜ解けないのか?Jを考えることで3 既 習の知識との違いを見出す。③円可なら解ける のか?Jと考えることによって,解決の手掛か りとなる知っている性質・関系を見出し,問題 角軟骨Ij用する既習lのモデルを決定する。④「根 拠をもとに正しい説明できているか」と考える ことによって,数学としての整合性を合わせな がら,見出した性質a関係をつなげ,既習のそ デ、ノレを活用して課題解決に取り組む。①から④ を授業で実現するために圏1の知識創造の思考 過程モデルを開発した。国1において,まず段 階Aとして,問題を直瀦吏える解決方