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04 事業創出活動 滋賀県産ワイナリーの創出

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Academic year: 2021

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4.事業創出活動 2013-June 39

滋 賀 県 産 ワイナリーの創 出

1.はじめに

滋賀県には、現在ワインの製造企業があるもののあまり知られておらず、製造・市場環境が必ずしも充実している とはいえない。このような中で近来、本格的にワインづくりに挑戦しようとする意欲ある企業家が名乗りを上げてきた。 そこでこれを好機と捉えて、地場産業再生支援を図るべく実現に向けた事前調査・ヒアリングなどを実施した。地域 特性を活かしたワインづくりができれば、今後、農業 6 次産業化や、観光資源としての「滞在型観光」の実現など、地 場産業活性化に向けたさまざまな展開が可能となる。

2.構想に向けて

本構想は、既存企業による第 2 創業ないし業務分野の新展開と位置づけ、産業支援プラザ、銀行の支援のもと、 意欲ある中小企業と本学が連携して事業化を図ろうとするものである。具体的には、県内外で名乗りを上げている 企業に対し、当センターをはじめ、創業支援としての産業支援プラザによるインキュベーション施設提供、銀行やベン チャーキャピタルの支援を得て、ブドウ栽培・醸造に関する専門家による体系的・継続的なアドバイス、公的専門機 関による実務研修、事業化に向けたフィージビリティー・スタデーなど、段階を追って計画実行していくことになる。 ブドウ畑の候補地としては、現在県内にある石灰質の南側斜面が挙げられている。勿論特徴的なブランドづくりの ためには、コンセプトづくりに始まり、専門家による適地確認、適応ブドウ品種の選定や酵母選定のもと、スタッフに よる本格醸造に向けた長いロードマップによる試作実験が必要となる。合わせて、市場調査、事業化計画、資金調 達、販路開拓など、これから立ち向かうべき課題は沢山ある。

3.ヒアリング調査の結果

今回は、上記構想を前にして、若林特任教授と中井特任教授が、まず斯界の第一人者たる専門家の意見を収集 することとした。醸造技術については独立行政法人酒類総合研究所(広島)に、ワインブドウや酵母については山梨 大学ワイン科学研究センターに、そしてワイナリーの現場視察としては丹波ワイン株式会社、勝沼ブドウ郷にそれぞ れ情報を求めた。現時点での主なヒアリング結果は次のとおりである。 ①ブドウ品種と畑 ・現在の候補適地は寒冷地のイメージがあり東北地方のブドウ種やドイツ系の品種が適合するのではないかとさ れ、甲州品種は合わないとのアドバイスを得た。 ・日本では、欧州と異なり糖度は上がらない(17-18 度)ものの、香は 15 度くらいでピークが来てしまうので、収穫 時期には注意を要する。 ・品種は系統番号付与した管理の良い専門企業(契約企業・契約農家)から仕入れる。 ・見栄えと労働負荷の軽減の観点から、棚栽培ではなく垣根栽培が推奨される。 ・土壌より、水はけと天候がベースとなり栽培技術が出来を左右する。気候は寒冷地が良いとされるが高地は雪 害があり避ける。

事業創出活動

❏産業振興分野

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4.事業創出活動 2013-June 40 ・ストレスを加えながら栽培するのが基本であり、生食用が栽培できる農家・人材なら指導を受けてのワインブド ウ栽培は可能である。 ・ウイルス対策をする(農薬の使用は避けられない)。 ②酵母・醸造等 ・コンセプトを決めてから酵母選定に入る。ワイン造りにはコンセプトが大切である。 ・酵母は購入が基本だが、まち起こしの観点から現地の自然系酵母を探すことも可能。 ・アドバイザー的な人間が参画していれば 4,5 年で醸造の専門家育成も可能。 ・大手は情報公開しないのが当たり前であり、ワイン造りの仲間とのネットワーク構築による情報交換がワインづ くりの鍵となる。 ・酒類総合研究所でのワイン造りの研修(来春 2~3 週間)に名乗りを挙げている企業家自らを派遣する。

4.まとめ

上記以外に重要なポイントを数多く聴取することができたがノウハウに関わること故、紙面では割愛せざるを得な い。 滋賀県産ワイナリーを新しく創出することは、ブドウ園・醸造施設見学・ワインおよび関連商品の販売・それに付随 する観光農園パークとして事業化など構想を広げることも可能である。健康志向のアスレチックや、パーク内の動物 とのふれあい、レジャー施設との融合、地元食材による食品加工事業の展開など、隣接分野との相性も良い。従っ て、グリーンツーリズムやヘルスツーリズムなど、滋賀県が志向する健康・環境・観光をテーマとした滞在型観光へ の展開も可能となり、周辺産業との連携の下に「新たな食文化の提案」「特産品づくり」「農業の 6 次産業化」など、地 場産業活性化の強力な可能性を持っている。 次年度以降は、本ヒアリング調査を基に、より具体的な産業創出に向けた活動を展開していくことにしている。 (文責 特任教授 中井 光男・特任教授 若林 忠彦) 【若林:独立行政法人酒類総合研究所(広島)】 【中井:山梨大学ワイン科学研究センター】

参照

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