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「送電用鉄塔の風荷重指針・同解説(2005)」の策定―風荷重評価法に関する簡便法の構築と設計支援ツールの整備―

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

当所では、平成 3 年 9 月の台風 19 号による送電用鉄塔の設備被害をきっかけとして、電気事業連合会の依頼 を受け、局地風対策研究推進委員会(平成 4 年度∼平成 10 年度)、耐風設計合理化委員会(平成 11 年度∼平成 13 年度)を設置し、風向別の設計風速と、鉄塔・架渉線の振動の影響を考慮した風荷重評価法を取り入れた 「送電用鉄塔の風荷重指針(案)・同解説」を平成 14 年 6 月に刊行した。しかしながら、本指針案は、荷重評価 が実務で広く用いられている設計手法よりも煩雑で設計条件の設定に高度な知識を要するなどの課題を抱えて おり、本手法を広く実務設計に活用していくには、設計法の一層の合理化と使用性の改良が不可欠であった。 このため、電気事業連合会からの引き続いての要請により「耐風設計実用化検討会」(平成 14 年度∼平成 17 年 度)を組織し、簡便法の構築や設計支援ツールの整備など実務的観点からの検討を行うこととなった。

目 的

設計風速算定法の精緻化や風荷重評価法の適用範囲の拡大および簡便化を行い、これらを反映した「送電用 鉄塔の風荷重指針・同解説(2005)」を策定する。

主な成果

1.設計風速算定法の精緻化検討 既往の風向別基本風速マップの海岸周辺部について、気象官署間の基本風速の内挿方法を改良し、より実 況を反映したマップを作成した(図 1)。また、既存の土地利用データの利用による客観的粗度区分評価法 を提案し、風上側の粗度の分布状況に応じて、きめ細かな粗度区分の設定を可能とした。さらに、小地形に よる割り増しに関しては、二段の複合斜面の増速率図を新たに用意することにより増速率評価法の精度向上 を図った(図 2)。 2.指針の策定 「送電用鉄塔の風荷重指針(案)・同解説」の改訂版として、上記検討成果の反映と実務性に配慮した 「送電用鉄塔の風荷重指針・同解説(2005)」を策定した。本改訂における大きな変更点は、風向別設計風速 と等価静的風荷重に基づくこれまでの風荷重算定法(以下、詳細法)に加え、電力各社が保有する鉄塔設計 ソフトウェアをそのまま利用できる簡便法を構築し、設計法の選択を可能にした点にある(図 3)。簡便法 の考え方は以下のとおりである。 ① 設計風速は、鉄塔の基準高さにおける風向別設計風速の最大値をとることとした。 ② 風荷重の算定に必要な平均風圧値、ガスト影響係数は、基本風速、増速率および粗度区分に応じて数 表化した。また、非同時性低減係数は、主柱材、腹材の別、および鉄塔型別に定数で与えた。 ③ 検討風向は線路方向に対して 0 °、60 °、90 °の 3 風向とした。 3.設計支援ツール・解析コードの整備 設計作業省力化に資することを目的に、「送電用鉄塔の風荷重指針・同解説(2005)」に準拠した設計支援 ツール(①風向別基本風速マップ読み取りツール、②風向別粗度評価支援ツール、③簡易増速率算定ツール、 ④等価静的風荷重算定ツール(詳細法・簡便法))(図 4)を作成するとともに、解析コード(①気流解析 コード、②動的応答解析コード)をより使いやすいものに整備した。 主担当者 地球工学研究所 構造工学領域 主任研究員 石川 智巳 関連報告書 「送電設備の風荷重・風応答評価技術」、電中研レビュー、No.48(2003 年 2 月) 112

「送電用鉄塔の風荷重指針・同解説(2005)」の策定

―風荷重評価法に関する簡便法の構築と設計支援ツールの整備―

(2)

9.電力施設建設・保全/自然災害対策

113 ●設計条件 ・地点:千葉県 A 市 ・線路方向:東西 ・水平角30 度 ・径間長400m ・等径間 始 終 Lx1 Lx2 Lx3 θ2 Lz1 Lz2 θ1 H Wind 0 10 20 30 40 50 0 30 60 90 120 150 180 210 240 330 設計風 速 (m /s) (N) (E) (S) (W) UNIT:mm 水平角30度 400m 線路直交方向 線路方向 架渉線 対象鉄塔 400m N S E W ( ) 90度 鉄塔座標 ( ) 30度 鉄塔座標 ( ) 60度 鉄塔座標 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 2000 4000 6000 発生軸力(kN) 高さ (m) 詳細法 簡便法(0度) 簡便法(60度) 簡便法(90度) 図1 風向別基本風速マップ(南風、高温季) 図2 二段崖状地形における増速率図 図3 風荷重算定フロー 海岸周辺部における気象官署間の基本風速の内挿方法 を改良し、より実況に応じた設計風速評価を可能とした。 単斜面の増速率図に加え、二段の複合斜面におけ る増速率図を作成し、小地形による割り増し係数 評価の精度向上を図った。 既提案の風向別設計風速と等価静的風荷重を採り入れた風荷重評価 法(詳細法)に加え、設計者の利便性を考慮した簡便法を提案した。 図4 設計支援ツール 建設地点の緯度・経度、鉄塔構造・架線条件の入力により、指針に基づく風向別設計風速、等価静的風荷重(詳 細法、簡便法)、発生軸力を自動的に算定できる設計支援ツールを作成した。 ●風向別基本風速 U0 の設定(季別、8風向) ・風向別150年再現期間値、ただし全風向50年 再現期間値を上限とする ・風向別基本風速マップからの読み取り ●設計風速URの算定(72風向) ・地表面粗度による補正係数 E ・小地形による風速の割り増し係数 k1 (数値流体解析を用いてもよい) ・気象学的影響による風速の割り増し係数 k2 ・設計風速 UR=k1k2EU0 ●設計法の選択 詳細法or簡便法 ●詳細法による  等価静的風荷重の算定 <特徴> ・ガスト影響係数法、評価 式により風向毎に算定 ・高精度(実況の評価が可能) <手順> ◇ 設計用速度圧の設定 ◇ 設計用風荷重の算定 ◇ 各風荷重の組み合わせ ●簡便法による  等価静的風荷重の算定 <特徴> ・ガスト影響係数法、数表 を用いて算定 ・現行の設計実務で利用し ている鉄塔設計ソフトウェ アが利用可能 <手順> ◇ 設計風速の設定 ◇ 設計用風荷重の算定 ◇ 各風荷重の組み合わせ 【評価対象鉄塔(500kV、耐張型)】 【設計風速】 【発生軸力(主柱材)】

参照

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