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数種のオーステナイト系耐熱合金の高温機械的性質について

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数種のオーステナイト系耐熱合金の高温機械的性質について

On the MechanicalProperties at Elavated Temperature of the

Several

Austenite System Heat Resisting Alloys

雄*

Sadao Kosbiba

男**

Tsuneo Kuno 内 容 梗 概 オーステナイト系耐熱合金のうちで特に使用度の多い Timken,LCN-155,S816,Nimonic80Aおよ びLCN-155と,El立金属工業株式会社安来工場において改善したNiTCr-Co系(15-20r15%)耐熱合 金ならびにJIS耐熱鋼SEH4,SEH5 の高温における機械的性質,ラブチャー親密および耐酸化性に ついて実験を行い使用上の参考に供した。 添加して高温強度の増加を図っている。LCN-155はMo,

1.緒

WおよびNbの複合 加の効果により,NbCおよびα相 Turbo-Supercharge,GasEngineおよびJet Engine などの発達に伴い,耐熱合金は目ざましい進歩をとげて きた。したがって熱機関の作動温度も逐次上昇し,800ロC および9000Cという高温になりつつあり,これに使用さ れる耐熱材料は当然オーステナイト系の材料に限られて くる。戦後いち早くわが国に紹介されたFe基耐熱合金

Timken および LCN-155,Co 基の S816,Ni基の

Nimonic80A の高温機械的性質,ラブチャー強度およ び耐酸化性について実験を行い使用上の参考に供した。 なおわが国のオーステナイト系耐熱鋼 SEH4および SEH5の 工 性質についても言及すると同時に,日立金属 株式会社安来工場において研究したNi-Cr-Co(15【 20-15%)耐熱合金(試料符号をかりにY-155とする)の諸 性質も併記した。 各

2.実

料はSEH4およびSEI15を除き50kg高周波誘導 電気炉にて吹親した鋼塊を,15mm角に鍛伸して 用いた。その化学成分を弟1表に示す。 鹸に Timken は15-15銅系より発達したもので,Moを 第1表 試 料 の析出による耐熱性の増大を図っている。Co基のS816 はステライト系の合金でCを低め,Niを加えて靭性を 与え鍛造用合金としているが,W,MoおよびNbをそ れぞれ4% 加して高温強度の増大を図っており,現用 鍛造超耐熱合金としては最高級の一つとされている。Ni 基のNimonic80Aは英国独白の超耐熱合金の一つであ るが,Ti,Alを加えてNiとの化合物を生成させ,時効 硬化により高温強度の増大を因っている。

3.実

3.1 S[H 4 JIS耐 鋼のうちでは最もすぐれた耐熱性を有するも ので,旧航空規格イ301に該当する。

本鋼の常温機械的性質は時効温度500∼9000Cの範囲

ならばほとんど差が認められない。弟l図に500∼8500C の試験温 における高温機械的性質を示す。なお試料は あらかじめ1,1000Cより水冷し7000Cに1時間時効し たものを用いた。 抗張力は試験温度の上昇に従い減少する。伸びおよび 絞りほ試験温度の上昇に従い増大するが,8000Cで著し 化 学 成 分・ 日立金属工業株式会社安来工場 工博 日立金属工業株式会社安来工場

(2)

〃 形 甜 ‥… ㌧.∴.‥・ (邑亘コ患n (彗叫盲璧 ・.・. ・ ∴ t卿 戯7 ク膠 戯7 武 験 温 度(で) 、-、ヽ 第1図 SEH4の高温機械的性質 (1,1000Cxl/2時間水冷,7000Cxl時間時効)

(へき塾)、世佃賠-ゝミキ∧

第2表100時間のラブチャー強度(kg/cm2) \ _、温度ぐC):■ 試料、、 \\\_、 --、l 650 750 く減少する。これほ炭化物の析肘によるものと考えられ る。衝撃値ほ本実験の範囲内でほ大差ない。 次に6000Cおよび6500Cの2温度における100時間 のラブチャー強度を測定したが,この結果を弟2表に示 す。なお 験片の熱処理は前述のとおりである。また同 表にほかの耐熱合金のラブチャー強度も併記した。 3.2 S[H5 オーステナイト系耐 銅でほあるが,Ni,Cr 以外に は特殊な元素もなく,強度の点についてほあまり期待で きない。本鋼種は耐熱鋼および耐蝕鋼として用いられる ものである。舞2図に高温機械的性質を示したが,SEH4 に比し抗張力は低い。なお試験前の熱処理は1,1000CX 抜時間水冷,7500CXl時間時効とした。 次にラブチャー強度ほ前記舞2表に示したが,かく温 度ともSEH4に比しやや低い値を示す。 3.3 T盲mken 前述のようにTimkenの高温強度ほMoにおうとこ ろが大きいが,同時にNの影響も大きく,これほ主とし て析出硬化に重要な影響を及ぼす。高温機械的性質に及 ぼす窒 の影響については,筆者らの研究(1)もあるが,

号(第3集)

∵ .∴∴ .. (ヽ臣ぜいWY)も只磨媒 へ芭生「一髪 しJ、1 、ヽ (望叫b草

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、 篭姪 日立評論別冊第24号 ヽ、、、 試.贋 戯7 温 、 、 畏(で) 第2図 SEH5の高温機械的性質 (1,1000Cxl/2時間水冷,750ウCxl時間時効) 0 卿 ヽ、 試 験 J∈∃ 庭 ノ_田:1 ノニ>ミ. 第3図 Timkenの高温機械的性質 (1,1500Cxl時間水冷,700qCxlO時間時効) 標 剛 今 組成の試料についてのみ結果を示す。 -uユ‡∧ 料ほ あらかじめ1,1500C より水冷して溶体化処理を行い, 7000Cに10時間時効を行って試験に供した。弟3図に 600∼9000Cの高温における機械的性質を示す。抗張力は 験温度の上昇に従い減少するが,伸び,絞りおよび衝 撃値は迎に増大する。 ラブチャー強度ほ前記第2表に示したが,SEIi4およ びSEH5に比しかなり大きな値を示す。 次にTimkenほMoを多量に含有するため,高温に おける耐酸化性が著しく低下するものと考えられる。弟 3表に7000Cに20時間空気中において加熱し,酸化増量 を秤量した結果を示す。なお同表にほかの試料の酸化増 量を併記したが,Timkenの酸化増量はかなり大きい。 3.4 LCN-155 LCN-155 Timken と同様析出型の耐熱合金で,

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数種のオーステナイト系耐熱合金の高温機械的性質について

第3表 試料の酸化増量×10 5g/Cm2 (N§R言ぞ)≠も只蛸宜 (邑生「山霊 へご叫る草 仰 ガ 〟「■し′■

し・、、 〟 十、-・・、 ローー、

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胱7 二雛7 .朗 読 験 温 度(r〕 第4図 LCN-155 の高温機械的性質 (1,2100Cxl時間水冷,8000Cx20時間時効)

(盲昏)、埋㈱笹○-〕⇒千言

串隠 あるいは飯に加工してJetEngineの尾筒などに 広く使川されている。第4図に高温機械的性質を示した が,試料は1,2100Ci・こ1時間保持後水冷して溶体化処理 を行い,8000Cに20時間時効して試験にJ机、た。 ラブチャー強度は前記第2表にホLたが,Timkenよ り大きい値を示す。 酸化増量は策3表にホすように Timkenよりは少な いが,ほかの試料に比べると多い(J 3.5 Y-155 これはLCN-155のNiおよびCoをそれぞれ5%節減 し,しかも耐 性の大きい耐熱合金を得るため試作研究 を行ったもので,詳紳はすでに載昔(2)がなされている。 弟5図に高温機械的性質を示したが,試料は1,2500C に3時間保持後水冷して溶休化処理を行い,8000Cに20 時間時効したものを用いた。 ラブチャー強度および酸化増量はそれぞれ前記舞2表 および弟3表に示したが,Y-155ほ総体的にみて7000C 以上の高温においてはLCN-155Ⅰこやや劣るが,7000C以 下の温度ではLCN-155に比しなんら遜色がない。また Timkenに比べればかなり大きい耐熱性を 3.る S 8】d 一している。 Co 基の鍛造可能耐熱合金のうもで最もすぐれた耐熱 (N§ぜす)諜二尺岨研疋 (息)℃ニ霊 へ岩山詩聖 (Nミぜぎ)ご二ぺ蛸Ⅵ媒 へ訳〕u.る警 (鼠)モ 「一斑 JJ炒 占膠 都 議験温 度(r) 戯ク 第5図 Y-155の高温機械的性質 (1,2500Cx3時間水冷,8000Cx20時間時効) ガ 甜 〃 ∬ 〃 【〃レ 〃 ガ 甜 ガ ガ ガ ガ 〃 モ へ∼臣ぷい皆)㍉型偏蝉J]」‡∴ L御 試験温度(でJ 第6図 S816の高温機械的性質 (1,2500Cxl時間水冷,鋸00CxlOO時間時効) 性を有し,ブレード材として広く佐川されている。高温 における機械的性質を弟る図に示す。なお試料はあらか じめ1,2500Cに1時間保持後水冷して溶体化処理を行い, 8000Cに100時間時効した試料を用いた。抗張力は試験 温度の上昇に従い減少する。伸びおよび絞りも抗張力と 同様の傾向をホす。これほCが高くW,MoおよぴNb を多競に含有するため炭化物および化合物が逐次析出し その__… 昌:を増加するためと恩われる。

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昭和33年7月 金

号(第3集)

第4表 高温における機械的性質,ラブチャー強度および酸化増量 別什け第24号 ラブチャー強度ほ前記弟2表にホすとおりで,前述の 各耐熱合金に比し大きなラブチャー強度を示す。 酸化増量はCの高いためLCN-155,Y-155とほぼ同等 の値を示す。 3.7 Nimonk80Å Ni基耐熱合金で英国のモンド会社の の系耐熱合金は現 であるが,こ Nimonic90,100とあり性質の点で もNimonic80A に比し,かなりすぐれている。この Nimonic系統の耐熱性はTiおよぴAlが主要因となる が,最近はMoを加えで性能の改善を因っている。 Nimonic80A の高温機械的性質を弟7図に示す。な お試料ほS816と同様1,2500Cより溶体化処理を行い, 8000Cに100時間時効したものを用いた。 ラブチャー強

(へき)八草)もR鵠媒

(翌山b菅 仰 〃〃 銅ル 働ル 〃 、、 、 、 、 (忠)電コ肇 ほ前記第2表に,酸化増量ほ第3表に 0

芸ことこ置=酵≠

戯 戯7 ク拶 戯グ 戊財 試験_宝庫(㍗) 第7図 Ni皿Onic80Aの高温機械的性質 (1,お00Cxl時間水冷,800qCxlOO時間時効) 示したが,ラブチャー強度はS816とほとんど変らず, 酸化増量ほ最も少なく,すぐれた耐酸化性を示す。 なお本合金ほ高NiのためNi中に含有されるガスの ため高温における加工性,機械的性質が阻害されるが, これを真空熔解すればガスおよび非金属介在物が減少し たた捌こ,勒性に富みかつ高温強度のすぐれた製品(3)が 得られる。これについてほ後刻 細を発表する。

4.総

弟4表に各試料の7000Cおよび8000Cにおける高温機 械的性質,ラブチャー強度,酸化増量を示し試料間の比 較を行ってみた。 高温抗張力ほNimonic80Aが最も大きく,.S816ほ Nimonic80A とほぼ同 の値を示す。JIS耐熱鋼は抗 張力が最も低い。やほりNi,Coを多量に含有し,Mo, WおよぴNbなど炭化物および化合物を生成する元素 を多量に含む材料ほど抗張力が高くなる。 ラブチャー強度は抗張力とほぼ同 の傾向を示す。 耐酸化性はNimonic80Aが最もよく,Moを多量に

含有するせimkenが最も悪い。

5.結

JIS耐熱鋼SEH4およびSEH5,超耐熱合金と称せら れる Timken,LCN-155,Y-155,S816およぴNimonic 80Aの高温機械的性質,ラブチャー強度耐酸化性を測定 し,相互間の比較を行って使用上の参考に供した。 耐熱性ほNimonic80A,S816など合金元素を多量に 含有し,Fe含有量の少ないものほどすぐれた性質を示 す。 ・、・ ・∼一 ■ -1 2 3 \ し t、 ′ト柴,九重 小柴,九重 小柴,九重 講浜 参 莞 文 献 安来研報 第718号(昭28-4) 日立評論 38,493(昭31-3) 日本金属学会1957年秋戸畑大会に

参照

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