ユ56 (17) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
コ バヤシ キヨ マサ小林潔正(昭和33
博士(医学) 甲第226号平成5年3月19日
学位規則第4条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者)
Uver biopsy fea加res i烈acute hepatitis C compared with hepatitis A, B, and non・A, non・B, non・C(急性C型肝炎と他の急性A,「B,非A非B非C型肝炎における肝生検組織
像の比較検討) (主査)教授 小幡 裕 (副査)教授 笠島 武,羽生富士細論 文 内 容 の 要 旨
目的 近年C型肝炎の診断法が確立され,他のウイルス肝 炎:との組織学的比較検討をすることが可能になった。 急性C型肝炎はとくに高率に慢性化することから,そ の組織学的特徴を明らかにすることは慢性化の要因を 推定するために重要である.本研究は急性C型肝炎の 組織学的特徴を明らかにし,他のウイルス性急性肝炎 と比較検討を行った. 対象および方法 1985年から1991年までに経過観察,肝生検組織所見 が得られた85例を対象とした. 1.ウイルス学的に急性C型肝炎(AHC)22例,急性A型肝炎(AHA)23例,急性B型肝炎(ABH)30
例,急性非A非B非C型肝炎(AHNC)10例の4群
に分け,生化学所見,発症より肝生検までの期間,組 織学的所見,遷延化の有無を比較検討した. 2.組織所見は群回せずblindのまま検討した.検討 内容は,門脈域と実質域に分け,線維化,炎症の程度 を0~3(0;absent,1=mild,2=moderate,3=severe) に数量化して行った. 結果 1.AHCは他の急性肝炎に比べ,無黄疸発症が20% あり,発症が緩徐であった. 2.AHCの13例(59%)が,慢性化した.なお輸血 が原因となるAHCは8例でうち3例が慢性化した. 3.組織所見は,AHCにお.いて門脈域に炎症性細胞 浸潤と胆管炎が,実質域にspotty necrosisと類洞内炎 症細胞浸潤が,他の急性肝炎に比し有意(p<0.05)に 多く認められた.また,lymphoid aggregationとPou1- sen-Christoffersen lesionsはAHCのみに認められ た. 4.AHCで,発症より30日以内に肝生検を施行した 8例の組織像は,門脈域の炎症は軽いが,30日以降の 14例中9例は門脈域炎症の程度が強かった.なお類洞 内炎症細胞浸潤は30日以降の症例では程度が弱かっ た. 5.AHAは門脈域の好酸性細胞変性が, AHBでは 中心静脈周囲の壊死が,AHNCではpigmented ma- crophageが特徴的に認められた. 考察および結論 1.組織学的に1ymphoid aggregationとPoulsen -Christoffersen lesionsはAHCにのみ認められ, AHCを診断する上で重要な特徴と考えられた.2.AHCの非常に強い門脈域の炎症と胆管炎の所
見は慢性化への移行が強く,その指標になると考えら れた. 3.AHNCの中には壊死が少なく胆汁うっ滞の組織 像を示す症例があり,E型肝炎との関連が示唆された. 一790一157