248 (107) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
タ ナカ エツ コ田中悦子(昭和26
医学博士 王覇921号昭和63年3月18日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 特発性非持続性心室性頻拍症の臨床的,電気生理学的,血行動態的および薬理 学的検討 (主査)教授 広沢弘七郎 (副査)教授 小柳 仁,教授 阿部 和枝論 文 内 容 の 要 旨
目的 明らかな基礎心疾患の認められない非持続性心室性 頻拍(特発性VT)の病態および予後は未だ明らかにさ れていない.そこで,特発性VTを種々の角度から検 討し,機序と臨床的意義を考察した. 対象および方法 男13例,女37例(計50例),年齢11~81(41±18)歳 であった.特発性とは,理学的所見,洞調律時心電図, 胸部レ線写真,心エコー図において明らかな異常が認 められないものとし,非持続性VTは心室性期外収縮 (VPB)三連発以上で,5分以内に特に治療を行わずに 自然停止するものとした.各症例において,下記の項 目について検討した.1.病歴,2.VTの出現様式 (Holter心電図),3, VTの発生部位(12誘導心電図, 心内膜ペースマッピング),4.VTの誘発法,5.遅延 電位(心内カテーテルマッピング),6.心機能(心臓 カテーテル検査),7.治療. 結果 VTの発生年齢は3~70(31±18)歳で,罹患期間は 1~36(10±8)年であった.自覚症状は88%に見られ, 特に動悸,Adams-Stokes発作(失神,眩量)は多く62% に認められた.突然死が1例あった.VPB多発例が多 く,VTは昼型73%,昼夜型15%,夜型12%であった. VT発生部位は,46例が右三流出路のみ,2例が右室流 出路と注入路の2ヵ所,他の2例が左室と考えられた. VT誘発率は,運動負荷43%,情動負荷15%, isoproter- enol負荷64%,心臓ペーシング16%であった.遅延電 位は,心内膜カテーテルマッピングを施行した17例全 例に認められ,特にVT発生部位は100%に見られた. 心臓カテーテル検査により,心機能低下例は70%に認 められた.VTの治療は,主として薬物療法で,12種類 の抗不整脈剤の有効率は31~58%で各薬剤間に差はな かった.34例において,抗不整脈剤が継続投与された. 1例は,失神発作があり薬剤に抵抗性のため,外科的 にVT発生部位である迷走流出路の切除および凍結 術を行った. 考察および結語 特発性VTの発生部位は,右室特に流出路に圧倒的 に多い.また,高率に心機能低下例が見られ,遅延電 位が見られることから,心筋病変の存在が示唆された. VTは昼型が多く,運動負荷で誘発され,誘因として 交感神経の関与が考えられる.一方夜型VTも見ら れ,副交感神経刺激で誘発される例もあった.VT出現 には,交感,副交感神経両者の自律神経の関与が考え られた. VTの機序としては,遅延電位の存在,心臓ペーシソグ,catecholamineに対する反応から, re-entry, trig-
gered activity,異常自動能のいずれの場合も考えら れ,単一な機序ではないと考えられた. Adams-Stokes発作が高率に見られ,突然死例も見 られたことより,必ずしも予後良好な疾患でないと考 えられた. 一912一
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論 文 審 査 の 要 旨
心室性頻拍は不整脈の中でも悪質,:重篤なものと理解されているがその実態は個々の症例によりか なり異なり,年数の経過と共に変わり得るものでもある. 本研究は,このような,心室性頻拍の中でも比較的良性ともいえる特発性の・ものにつき,臨床的事 項から遅延電位の探索に至る電気生理学的データに至るまで,広汎な調査をしたもので,臨床心臓病 学的に価値あるものである. 主論文公表誌 特発性非持続性心室性頻拍症の臨床的,電気生理学 的,血行動態的および薬理学的検討 東京女子医科大学雑誌 第58巻 第1号 142~155頁(昭和63年1月25日発行) 副論文公表誌 1)高度徐脈を伴う心房細動に対するペースメー カー植込み症例の検討 心臓ペーシソグ 第3回ペーペースメーカー に関する公開研究会プロシーディングス 184~185 (1979)2)Verapamilにより, atrial standstillを呈した
intraatrial blockの1例
臨床心臓電気生理 9(1)59~66(1986)