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戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷--企業集中の実態分析とからめて-4完- 利用統計を見る

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(1)

戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法

制の変遷--企業集中の実態分析とからめて-4完-著者

丸山 稔

著者別名

M. Maruyama

雑誌名

東洋法学

15

2

ページ

57-129

発行年

1972-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006104/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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戦後の日本における産業構造改善政策と

中小企業法制の変遷︵四・完︶

ーー企業集中の実態分析とからめてー

丸 山

    目  次 序 章  一、経済構造における中小企業の地位 二、産業構造改善政策 三、問題意識と考察方法 第一章 第一期︵戦後から昭和三〇年まで︶ ︵以上、東洋法学︵東洋大学法学会︶第一四巻丁二合併号掲載︶  一、背景の特色 二、経済民主化・産業︵企業︶合理化政策と中小企業法制 三、企業集中の実態分析 第二章第二期︵昭和三一年から三圏年まで︶  一、背景の特色 二、産業構造合理化政策と中小企業法制 三、企業集中の実態分析 第三章 第三期︵昭和三五年から三七年まで︶ ︵以上、東洋法学︵東洋大学法学会︶第一四巻三・四合併号掲載︶  一、背景の特色 二、産業構造高度化政策と申小企業法制 三、企業集申の実態分析 戦後の嚴本における産業構造改善政策と申小企業法制の変遷︵四︶      五七

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東   終 穐 撤ユ  、    薄{   一畢齢   第四期︵昭和三八年から四、一年まで︶ ︵以上、東洋法学︵東洋大学法学会︶第一五巻一号掲載︶   第五期︵昭和四二年以降︶ ︵以下、本号掲載︶  背景の特色 二、産業構造改善政策と申小企業法制 三・企業集中の実態分析  結論 二.今後の課題 、、背景の特色 二、産業構造高度化政策と申小企業法制 三、企業集中の実態分析 洋法学       五八

第五章第五期︵昭和四二年以降︶

 .背景の特色  この時期になると.企業の集中化や集申生産体制と集申販売体制の普及が更に一段と進展して.独占資本・支配的 資本の産業再編成や下請再編成等が相当に進行し.またその過程で.申小企業の共同化.協業化も広範囲にわたって 進行し.申小企業内部の階層分化も著しい進行を示してきた。  更に、この時期になると、中小企業と大企業との生産性等の格差は縮少するどころか、却ってますます拡大する傾        お 向を示し、また申小企業内部における事業分野の変動も増大する傾向を示してきた。       の  また.前期に比して.国内面では、若年者.專門技術者申心の労働力不足とそれに伴う賃金の上昇傾向の一層の進

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行、技術革新の一層の進展、地域構造の変動、消費。バタ⋮ンの一層の変化、消費者物価の一層の上昇も見られ、更に       鋤 構造的不況主因による倒産の未層有の増大も見られ、特に労働力不足は申小企業の経営基盤を大きくゆるがすもので あり、更に、対外面では、EECの一層の発展、発展途上国の追い上げ、資本取引の自由化の第一次、第二次、第三 次実施、特恵関税供与の四五年度実施、国際通貨危機、残存輸入制限の問題等が見られ、特に発展途上国の追い上げ は、アメリカを中心とする先進国市場において、わが国中小企業の輸出品と激しい競合を示し、特恵関税供与は輸出 面を中心に申小企業に大きな影響を与えるおそれがあり、また、自由化の進展は、外資の中小企業分野への進出と外 国の資本と技術の導入による外資の臼本企業の乗っ取りのおそれが生じるようになった。なお、新安全保障条約の改 正の問題も生じるに至った。  このような産業構造の変化や内外経済環境の変化等、とりわけ、本格的な国際化時代の到来に対応して自民党政府 の経済政策は高度成長政策から安定成長政策へと政策転換が行なわれ、これまでとは異った新たな観点からの、国際 競争力の強化を名目とする産業構造改善政策が展開されることとなった。すなわち、昭和四二年に政府が策定した経 済社会発展計画や同年の産業構造審議会総合部会の﹁資本自由化対策について﹂という答申や翌年の同総合部会の ﹁産業の構造改善と企業合併についての意見﹂や、更に四五年に政府が策定した新経済社会発展計画等に共通してう かがわれる、体制側が真に意図する産業の構造改善、近代化を通しての支配的資本・大企業による支配体制、寡占体 制の確立ないしは強化策が推進されることとなり、また、このような構造改善政策的視点から、申小企業政策の再検 討がなされることとなり、四三年には中小企業政策審議会企画小委員会から政府に対して最終報告書﹁今後の申小企    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       五九

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   東洋法学       六〇

業の施策のあり方﹂が提出されるに至った。  更に、独禁法の運用面においては、四一年に通産省と公正取引委員会との間で﹁産業の構造改善の推進に関する独 占禁止法の運用について﹂という文書が取り交わされて.公正取引委員会により独禁法の弾力的運用が行なわれるこ ととなり.八幡・富士の合併の容認に見られるように.国際競争力の強化を名とする.競争制限的行為となるような 巨大企業の合併の容認により独禁法の事実上の一麟の形骸化が図られるようになひた。   注   鶴  ・      八?一一頁参照。   鯵  煮の要難として.      ・、    、  ,ーξ  点      は、高     度成長のなかで皿、二次.三次産業を中心に雇用機会が著しく増える︸方.生産年令人購の伸び悩み.       農業     入爲の流繊の鈍化など労働力の供給の伸びがこれに伴わないことによる﹂と指摘している︵月刊申小企業第二〇巻第九号     八∼九頁︶。   纈  東京商工興儒所調査によれば、企業倒産状況は.昭和闘二年八.二六九件.照三年一〇、七七六件と圏一年に比べ逐次     急激な増加を示しており.なかでも資本金五〇〇万円未満の申小企業の倒産が圧倒的に多く、そのうちでも特に資本金一     〇〇万円以上五〇〇万円未満の企業倒産が.四二年縢、五〇九件、照三年五、六〇二件と最も多くなっており、また、業     種別に見ると、       繊維関係等の企業飼産の多かったことが特微的であるといえる。なお.特に申小企業が大     部分を占める織布等の繊維工業や雑貨産業等の軽工業分野.地域的.小規模零細層において.不況の影響が強・、、離小企     業の倒産の増加傾海を示したことは、申小企業の構造問題が進展しで、いることを物語っている︵昭和鱗三年度申小企業     白書︶。

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二、産業構造改善政策と中小企業法制

 産業構造改善という言葉は前節で述べたような諸計画や答申等の申で初めて公式的に用いられるようになったわけ であるが、この時期における体制側の産業構造改善政策について検討してみよう。  昭和四二年三月に政府が策定した経済社会発展計画では、国民生活の充実、向上という経済政策の究極の目的を達 成するため、①経済の効率化を軸として、②物価の安定と③社会開発の推進を三大重点政策課題としており、これら 三大重点政策を遂行する過程においては、当然各政策目標間の調和が必要であり、政策手段の間の斉合性を保つよう 努力することが要請されている。しかも、経済効率化のためには、ω産業の効率的構造への再編、側金融体制の整備 と資本市場の育成、㈹労働力の流動化と活用、紛土地の有効利用、㈲行財政の効率化の達成されることが要請されて いる。  さて、この時期における外資の侵入に対処するための産業の国際競争力の強化策としては、個別企業の企業体質の 改善を図るとともに産業の構造自体の改善を促進することが要請きれており、経済社会発展計画における﹁産業の効 率的構造への再編﹂は、まさに、産業構造改善、産業再編成、新産業体制の整備を意味するものである。  産業の構造改善のねらいは、ご言にしていえば、過小規模論を論拠として、現在のみならず、将来にわたって、 ﹁国際的に闘える企業﹂を育成することである︵﹁産業の構造改善と企業合併についての意見﹂︶。いいかえれば、    戦後の日本における産業構造改善政策と申小企業法制の変遷︵四︶       六一

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   東洋法学       六二

﹁国際的規模の企業による有効競争が行なわれるような産業体制を整備していくこと﹂である︵経済社会発展計画︶。 しかも産業の構造改善σための実現手段としては、OD長期的ビジ。ンの策定.働業界の自主性と責任に基づく構造改 善ー業界の自治の尊重f政府主導から民間主導への政策転換、③合併.共同化、企業のグループ化等の企業集中 を基本的方策とすること.鴎金融・税制・指導面での拡充強化等が要譜され.そのために必要な法制面での整備が要 請されてい播、ここで.ωの長期的ビジ..・、ンの導入の強調と鋤の業界の蔭治の尊重による政府主導型から民間主導型 への政策転換と鰯の基本的方策としての企業集申形態のうち.巨大企業間の合併や企業のグループ化.灘ンビナート 化や共同事業会社の積極的な推進と鱒の金融・税制・指導面での拡充強化策が.従来の産業の構造改善のための実現 手段とは大きな相異点として特色づけられるであろう.  なお.合併にょる競争制限の可能性については. ﹁わが国の場合、競争を規定する客観的条件と主体的条件のいず れもが競争促進的に働いており.また.今後少なくとも相当の間は.競争促進的に働くものと予想されるので.合併 によってある程度生産集申度が高まったとしても.競争の制限が生ずる可能性は、少ないといえ﹂ ︵﹁産業の構造改 善と企業含併についての意見﹂︶、しかも. ﹁産業の構造改善は.このようなわが国経済の弱点を正し、できるだけ 早く.本格的.かつ.全面的な蟹際競争を導入しうる基盤を形成しようとするものである。従って.合併等による企 業の集約化の進展は.外資に対するわが国企業の対抗力を強化し、資本自由化を早めるという意味において、競争制 限的であるよりは、むしろ.競争促進的であるともいえる﹂ ︵﹁産業の構造改善と企業合併についての意見﹂︶と述 べている。このことは.購らかに.独占禁止法第一五条の﹁一定の取引分野﹂を﹁国内市場﹂に限定しないで.これ

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をこえて﹁国際市場﹂にまで拡大しようとする解釈論的立場に立って、現在および将来も、 ﹁国内市場﹂においては 実質的に競争制限的行為となり独禁法違反となるような大型合併の容認を暗示するものといえる。  このように見てくると、体制側が真に意図する産業構造改善政策は、独禁法上の﹁一定の取引分野﹂の拡大解釈 や、すでに序章で述べたように、経済法における﹁公共の利益﹂概念の拡大解釈に加えて独禁法の弾力的な運用によ って、大企業を申心とする企業の集申化の推進により独禁法の事実上の形骸化を図りながら、独占資本・支配的資本 のための支配体制、寡占体制の確立、強化を指向するものであるといえる。  ところで、この時期における申小企業政策は中小企業をめぐる内外経済環境の変化に対応して再検討を加えられる こととなり、 ﹁申小企業問題を日本経済全体の構造問題としてとらえる近代化政策が重要となってきた﹂ ︵申小企業 政策審議会企画小委員会最終報告書﹁今後の申小企業の施策のあり方﹂︶。すなわち、それは産業構造改善政策の一       お 環として、個別中小企業の体質改善の強化に専念するとともに、中小企業の構造改善政策に重点を置くものである。 しかも申小企業の構造改善のための実現手段としては、ω長期的ビジ.ンの策定、③業界の自主性と責任に基づく構 造改善、織業界ぐるみ、地域ぐるみの構造改善、幽合併、共同化、協業化等の企業集中と事業の転換を基本的方策と すること、㈲金融・税制・指導の面での拡充強化、㈲そのために必要な法制面での整備等が要請されている。ここ で、③の業界の自主性と責任に基づく構造改善︵政府主導型から民間主導型への政策転換︶と③の業界ぐるみ、地域 ぐるみの構造改善と㈲の中の新たな組織化対策及び㈲の金融・税制・指導の面での拡充強化策が、従来の中小企業の 構造改善のための実現手段とは大きな相異点として特色づけられる。しかも業界ぐりみ、地域ぐるみの構造改善は業    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       六三

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   憲小 悌伸 捧餌 漫ず      山ハ閃︹ 種別に関連業種との協力の下に諸施策の斉合性を図りながら推進していくものであるが.大企業を含む関連業種との 協力の下でのあるいは協力なしでの大企業を含む業界ぐるみ.地域ぐるみの構造改善政策は.戦略産業または支配的 資本に有利な中企業の保護育成に傾き.あるいは.中小企業の系列化.従属化.中小企業組合構成員の一括支配化に より.支配的資本のための収奪機構の形成のために展開する危険性があるといえよう。  それはともあれ.この時期においては.右に見てきたような構遷改善      .旺.とりわけ.申小 企業法制の制定ないしは改正が行なわれることとな慣た。次にこれらの法制について考察することとする.  霞ず昭和四二年七月に中小企業団体組織法が改正されて.      囲.凱の制”’ は.同年に創設された金融・指導体制の整備を企図する申小企業振興事業団とともに.申小企業の構造改善に資する よう.組織制度の整備を企図するものであった。従来の組合制度にあっては.加入脱退の葭由.議決権の平等.配当 方法の制限等があって.事業経営上企業性の発揮が十分にできない面があるほか.事業協同組合には縁外利用の制限 や.いわゆる全部協業が行ないえないこと.企業組禽には従事に関する制限や法人が加入できないことなどの問題が あり.また.会社制度にあっては.資本原理で割む切られ遇ぎていること等により.中小企業者の企業者感情紅は叢、       鉛 ぐわない憾みがある等の理由により.企業性の多い協業のための組織制度として本制度が創設された。  協業組合制度の主要構造は次の通りである。  OD 組含員となる中小企業者等が加入前に営んでいた事業を統合して行なう事業、すなわち協業の対象事業および その関連事業並びにこれらに付帯する事業を行なうことができる。

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 ⑧ 協業組合は、申小企業者のための組織であるから、その組合員となる者は原則として申小企業者に限られる が、定款で特段の定めを置いた場合にのみ申小企業者以外の事業者の参加を一定の制約のもとに認める︵総組合員数 の四分の一以内︶。  ③ 組合員一人の出資限度を一〇〇分の五〇未満として資本の充実を図るとともに一部の組合員の尊横を防止す る。  ㈲ 加入および脱退についてある程度の制限を付し得ることとして、組合事業の一体性と資本の維持を図る。  ⑤ 議決権は、各組合員平等を原則とするが、定款により全体の議決権数の二分の一以下の範囲で出資割りの議決 権を与えることとし、意思決定が機動的に行なわれるように配慮する。  ㈲ 組合員は協業組合の行なう事業について競争禁止義務を負い、それにより事業の統合を保障することとする。  ω 剰余金の配当は、定款により別段の定めがないときは出資に応じて行なうこととする。  このような構造上の特殊性をもつ協業組合制度は、中小企業の経営規模の適正化による生産性の向上等を効率的に       む 推進しようとするものであって、法形式的には、一応、中小企業の保護を目的とする組織制度であるといえる。しか しこの組織制度には次のようないくつかの問題点が内包されている。すなわち、  ω 一定の取引分野において、ある業種に属する事業者のすべて又はその大部分のものが一つの中小企業団体であ る協業組合を設立して協業を図る場合には、その協業組合は、地域独占体となって独禁法第二四条但書後段︵一定の 取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は、この限りでない︶    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       六五

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   東洋法学      

六六 に該当するような行為を行うことが考えられるので、 ﹁公正取引委員会は.協業組合の事業活動が一定の取引分野に おける競争を実質的に制限することによって.不当に対価を引き上げることとなると認めるときは、主務大臣に対 し.申小企業協同組合法第一〇五条の四の規定による措置をとるべき事を請求することができる﹂という規定︵中小        蜀 企業団体組織法第五条の二十二︶を置いたが.﹁ここで. 讐不当に対価を引き上げることとなる﹂の場合の門不当性﹂ の判断は公取委の自由裁量に委ねられるのであって.弾力的判断により.経済的弱者としての消費者.需要者にとウ て不利となる危険性があ蕎.従やて.この点に関する明確な規制基準の設定が必要であろう.、  鋤       .申小企業者以外の事業者の協業組合への参加を認め硬繋㍊とは.支配的資本・大 企業あるいは申堅企業の参加により協業組合の薩主性が阻害され.協業組合薦体の系列化あるいは従属化をもたらす      の 危険性があり.独禁法第二四条第一号の要件︵小規模事業者の相互扶助を鷺的とすること︶を欠くおそれがある。  ㈹ 組合員一入当りの出資額を五割未満まで認めることは.一組合員である支配的資本・大企業が五割近くまで出 資することが可能であって、返って.その一部組合員の専横を許すことになる危険性があり.従って独禁法第二四条 第一号の要件を欠くおそれがある。  ㈲ 加入.脱退について制限を付することは.独禁法第二四条第二号の要件︵加入.脱退の任意性︶を欠き.組合 の組織統制となるおそれがある。もともと経済的弱者としての中小企業が大企業との対抗関係において実質的対等. 平等を確保するためにはその組織力の強化が必要であり、そのため何らかの方法による組織統制が必要となる。しか し.この協業組合制度においては.大企業の組合への加入が認められているので.このような状況の下での組禽の組

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織統制は、中小企業にとって必ずしも利益になるものではなく、大企業にとって有利な一部の中企業の保護に傾き、 小零細企業を組合からしめ出すこととなるおそれがあり問題である。  ㈲ 定款により、全議決権の二分の一の範囲内で出資割の議決権を与えることは、独禁法第二四条第三号の要件 ︵各組合員が平等の議決権を有すること︶を欠き、一部の組合員、支配的資本・大企業の恣意によって、組合の意思 決定が行なわれることとなり、組合運営上の民主性が阻害される危険性がある。  ㈲ 剰余金の配当方法については、独禁法第二四条第四号の要件︵利益分配の限度が法令、定款に定められている こと︶を欠くこととなり、一部組合員あるいは支配的資本・大企業の利益を専横にするおそれがある。  このように、協業組合制度は独禁法第二四条の組合原則から大幅に後退するものであるといえる。協業組合が中小        ぶ 企業自体のための組織となるためには、自主性と民主性という組合原則が貫かれていなければならない。従って、系 列企業の協業化は問題が大きく、その度合なり内容によって一概には扱えないにしても、中小企業のためという性格 を組合の自主性という原則を貫くならば、系列企業の協業化を一般の協業化から区別することが必要であろう。協業 化の自主性についで閥題なのは、組合運営における民主性と企業性の調和をどう図るかという問題であるが、これも       の 組合原則が貫く限り民主性が優先するのは当然であるといえよう。  なお四二年六月には申小企業近代化促進法の改正が行なわれ、協業組合は中小企業者の範囲に加えられて、実施計 画に基づく近代化設備資金の確保と同法に基づく合併、共同出資等の場合の減税及び固定資産の割増償却制度の適用 対象ときれるなど金融・税制面での優遇措置が講じられることとなった。    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       六七

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   東洋法学      

六八  次に四二年八月.中小企業振興事業団法に基づき.申小企業振興事業団が創設された。中小企業振興事業団は申小 企業の構造改善を推進していくための協業化.共同化事業を資金面と指導面から強力に助成していくための專門的な 機関が要請されるに至り.この要請に応えるものであって.現行の中小企業高度化資金融資特罰会計と特殊法人日本 申小企業指導センターを発展的に解消し.両者を統合して一つの総合的な機関となった。しかも.とくに中小企業の 効率的な構造改善をいっそう強力に推進し.業界ぐるみの構造改善を推進していくため.業界が諸主性と責任に基づ き構造改善計画を作成する場合には.申小企業振興事業団等の資金の優先的確保を図るほか.新らたに金融・税制面 から優遇措置が講じられることとなった。  申小企業振興事業団の助成対象事業は.O辱工場店舗集団化.鋤共同施設.勧企業合同.㈲小売商業店舗共同化.働 商店街近代化.㈹小売商業連鎖化.ω計算事務共同化等についての特別貸付︵所要資金の六五%.金利二・二%以 内.償還期限は一二∼一五年︶.㈹工場共同化・共同公害防止施設に対する貸付︵所要資金の八○%.無利子.償還       み 期限は一二∼一六年︶.⑨特定織布業構造改善等である。しかし申小企業振興事業団の資金的助成事業や指導事業に ついても.再三再四指摘してきたと同じような金融メカニズムと指導メカニズムの問題があることを指摘することが できよう。  次に四四年五月に.申小企業近代化促進法の改正︵第二次近促法︶が行なわれた。この改正は.発展途上国の追い 上げ.特恵関税供与の実施、資本自由化措置の進展等の経済の国際化の進展に対処していくため、業種業態に即した        む 中小企業の構造改善を業界ぐるみで強力に推進していくことが要請されるに至って.もたらされたものである。

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 その改正点は次の通りであるα  ω 中小企業近代化促進法の指定業種のうち、その業種に属する中小企業の構造改善を図ることが、国際競争力を 強化するため緊急に必要であると認められる業種を政令で特定業種に定める。  図 特定業種に属する事業を行なう中小企業者を構成員とする商工組合等︵①商工組合、同連合会、②事業協同組 合、協同組合連合会、③酒造組合、同連合会、酒造組合申央会︵昭和四五・五・二八政令第一四七号により追加︶、 ④民法第三四条の規定により設立きれた社団法人︵特定の事業を行なう者をその社員たる資格とし、かつ、その特定 の事業を行なう者が任意に加入し又は脱退することができる旨を定款で定めているものに限る︶︽同施行令第二条の       圃 三︾︶が中小企業構造改善事業計画を作成し、主務大臣が申小企業近代化審議会の意見をきいてこれを承認する。計 画の内容は、生産または経営の規模または方式の適正化、取引関係の改善、その他の構造改善事業︵構造改善計画に は①構造改善事業の目標、内容及び実施時期、②構造改善事業を実施するのに必要な資金の額及びその調達方法に関 する事項を記載しなければならない︽同施行令第二条の四第一項︾︶に関するものである。  ㈹ 主務大臣の承認を受けた構造改善計画に従って構造改善事業を実施するに当っては金融面での優遇措置が講じ   ほ られる。  ㈲ 合併・共同出資等が︵そのことにより当該特定事業を行なう申小企業者の事業の生産性が薯しく向上すること となると認められる旨の︶主務大臣の承認を受けた場合には税制面で優遇措置︵法人税または登録免許税の軽減︶が 講じられる。    戦後の日本における産業構造改善政策と申小企業法制の変遷︵四︶       六九

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   東洋法学      七〇  このように改正法は、ω申小企業の近代化、構造改善政策が政府主導型から民間主導型へと政策転換したことを示 し、民間の自主性を尊重し.計画の実現を民間の自治に委ねた点で特色をもち、計画の作成主体を計画の実施主体の 側に移したことによって計画の実現の一層の効果をねらったものであり、働更に金融・税制面での特別措置を講じて 申小企業の資金調達と自己資本の充実を図ることにより.業界ぐるみ・地域ぐるみで.共同化、協業化.企業合同等 の企業の集申化を申心的な方策として申小企業の近代化.構造改善を有機的.総合的に推進してい鷲うとするもので        鶏 あ2・、.申小企業の構造改善の申核となるものである。鑑の点で.改正法は.法形式的には.第一次近促法よ蔭も更 に積極的な前向きの中小企業の保護を企図するものであるといえよう。  しかし.改正法には次のような間題点が内包されている。すなわち、ω計画の作成主体である商工組合.事業協同 組合等については.すでに検討してきたように、支配的資本・大企業が組合へ加入しないしは員外役員に選出される 可能性があるなど組合制度そのものに内在する間題点があるので.民間の自治を尊重し組合制度を利用して中小企業 の構造改善の促進を企図しようとすることは.実は.支配的資本・大企業の介入ないしは影響力を受けて組合の自主 性と民主性が阻害され.支配的資本・大企業による組含支配が可能となる危険性がある。㈲特定業種の指定が政令 に委任されたことは行政庁の自由裁量の余地を残すものであり.また構造改善事業計画の承認と合併・共同出資等の 承認等は.金融・税制面での優遇措置と引きかえに. ﹁承認権﹂を背景に国家権力の監督の強化が図られ.宮僚統制 となる危険性を孕むものである。偶金融の面では質的および量的な限界があり.更に金融メカニズム︵独占資本・大 企業にとって有利となる中企業への融資に傾く︶の問題がある。翰構造改善事業計画に基づく合併の承認に関して独

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占禁止法との関係については改正法自体になんらの規定もないが、当該合併についても当然に独占禁止法の適用を受 ける。この点に関してはすでに第一次近促法について検討したのと同じような検討が可能である。すなわち、独占禁 止法に反するような合併でないことが必要であり、当該合併が①一定の取引分野における競争を実質的に制限するこ ととなる場合、②不公正な取引方法によるものである場合には認められないことになる︵通達、 ﹁中小企業近代化促 進法第八条の規定に基づく合併・出資の承認基準および同事務処理要領について﹂ ︵昭和四四・六.三〇・四四企庁 第八四五号︶の別添﹁合併出資の承認の基準﹂二の3︶。事実、近促法第八条第二項は当該合併への参画者が申小企 業者に限定されるか否かについて明確な規定をしておらず、大企業法人の参画も可能であるから︵同二の王の⑬の ㈲︶、当該合併が独占禁止法違反となる可能性がある。従ってこのような合併を事前にチエックする必要があり、立 法論としては、主務大臣は当該合併の承認に際してあらかじめ公正取引委員会となんらかの関係わ、もつ︵協議、同意 等︶規定をおくべきであろう。  このように見てくると、近促法はこの改正により、改正法に基づく申小企業の構造改善政策が﹁産業の国際競争力 の強化﹂の観点からのものである限り、すなわち、支配的資本・大企業を含む産業構造改善政策の一環とするもので ある限り、それを強く推進していく場合には、国家権力と独占資本・支配的資本および金融資本との癒着により、中 小企業一般の保護育成のために機能するというよりは、むしろ独占体・支配的資本のための支配体制、寡占体制の確 立、強化のために機能する危険性が更に強くなったと評価してよかろう。  次に特定業種あるいは輸出製品もしくは下請に限定されたものではあるが、申小企業の構造改善法として、四二年    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       七一

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   東洋法学      七二

に特定繊維工業構造改善臨時措置法が制定され︵四四年に同法改正︶.四五年には申小企業輸出製品統一商標法およ び下請中小企業振興法が制定された。  特定繊維工業構造改善臨時措置法は.繊維工業の経済的諸条件の著しい変化に対処して、その国際競争力を急速に 強化するため.特定繊維工業について、設備の近代化および生産または経営の規模の適正化の促進.過剰設備の計画 的な処理等のための措置を講ずることによ鯵.その構造改善を企図するものである。  その主要構造は次の通りである。  一、特定紡績業の構造改善の場合  ω 通産大臣は.繊維工業審議会の意見をきいて.      ノいて.特定紡績業耕造改善計画︵基本計画と実 施計画。その計画内容は昭和四六年度における生産数量.生産能率.特定精紡機の錘の数その他構造改善の霞標.生 産または経営の規模の適正化に関する事項等︶を策定し.告示する。  ③ 政府は、特定紡績事業者が計爾に従って構造改善の諸施策を実施するに当って.金融・税制面での優遇措置を 講じ.関連労働者の職業の安定につき配慮する。  ㈱ 通産大臣は.繊維工業審議会の意見を聴取し.更に公正取引委員会に協議して.一定の数の特定精紡機の処理 に関する共同行為の指示︵告示︶をし︵共同行為の内容は次の各号に適合するものでなければならない疑①基本計画 で定める構造改善の目標を達成するため必要な程度をこえないこと、②一般消費者および関連事業者の利益を不当に 害するおそれがないこと.③不当に差鋼的なものでないこと、④当該共同行為の指示を受けた者の従業員の地位を不

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当に害するものでないこと、⑤処理の方法が協会への一括売渡しによるものであるときは、椙当の対価をもってその 処理が行なわれるものであること“︶および一定の要件のもとで当該指示に係るものに対し、当該指示の内容に従い 当該指示に係る特定精紡機の処理命令︵省令︶を発動することができる。  ㈲ 指示に基づく共同行為は独占禁止法の適用除外とされる。  二 特定織布業等の構造改善の場合  ω 特定織布業商工組合は、特定織布業構造改善事業︵特定織布業に属する事業に係る設備の近代化およびこれに 伴う設備の処理、生産または経営の規模の適正化、取引関係の改善その他の構造改善に関する事業︶を実施するため 特定織布業構造改善事業計画︵必要記載事項は、①特定織布業構造改善事業の目標、内容および実施時期、②同事業 の実施に必要な資金の額およびその調達方法、③同事業の実施に必要な準備金にあてるための組合員に対する負担金        翻 の賦課の基準である︶を作成し、通産大臣がこれを承認する︵昭和四四年の改正により、メリヤス製造業商工組合連 合会がメリヤス製造業構造改善事業計画を作成しまた特定染色業団体が特定染色業構造改善事業計画を作成し、通産 大臣がこれらを承認する制度が追加された︶。  ㈲ 政府は、特定織布業構造改善事業を実施するに当って、金融面で優遇措置を講じ、関連労働者の職業の安定に つき配慮する︵同改正にょり、メリヤス製造業構造改善事業および特定染色業構造改善事業を実施する場合にも同様 の優遇措置および配慮が追加された︶。  ㈲ 政府は、特定織布業商工組合が承認に従って設備処理事業を実施するのに必要な資金について繊維工業構造改    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       七三

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   東洋法学       七縢

善事業協会の交付する助成金にあてるため、協会に対し補助金を交付することができ.また.特定織布業商工組合の 特定織布業構造改善準備金および組合員の負担部分の納付金に対し.法人税または所得税の課税につき特別優遇措置 を講ずる。  このように同法は.特定紡績事業者に関して通産大臣を策定主体とする計画︵マク灘的展望に立った長期計画とミ ク灘的展望に立った短期計画︶を導入し.しかもその実現手段として.企業集中の一形態としてのカルテルの容認と 金融・税制面での優遇措置と関連労働者の職業安定についての配慮措置と誘導行政の展開によむ.特定紡績業の構造 改善を企図していると撒ろに特色がある.しかも同法は.鋳叢騰.3、、、榊、.メ蓼ヤス製造業.特定染色業に関して特定織 布業商工組合.メリヤス製造業商工組合達合会.特定染色業団体を作成主体として主務大臣がこれを承認する計爾を 導入し.その実施を円滑ならしめるため金融・税制面での優遇措置と関遠労働者の職業安定についての配慮処置を講 ずることにより.特定織布業.メリヤス製造業.特定染色業の構造改善を企図するものであり.しかも.計画の実現 を民間の臼治に委ねて政府主導型かるら民間主導型への政策転換により産業構造の改善を企図するものであるところ に特色があるといえる。しかも同法は.特定業種に限定されているとはいえ.特定繊維工業部門はその大半が中小企 業によって構成されていることから.中小企業の構造改善政策的な性格をもつ立法といえよう。  しかし同法には、構造改善計画の実現手段としての.企業集中の最も強固な形態としての企業合同に関する規定や それを側面的に助成する機能をもつ税制面での優遇措置に関する規定は存在しておらず、この法制面での不備が特定 繊維工業部門の構造改善の推進を遅らせることとなるきらいがないではない。しかも綱法には問題点が含まれてい

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る。すなわち、①計画性そのものに内在する限界︵計画の不確定性︶や国の提供する計画実現手段としての金融面、 税制面、関連労働者の職業安定措置の面、指導面での限界があり、②主務大臣による計画の承認やカルテルの指示は 国家権力の経済過程への介入あるいは監督の強化につながるものであり、また官僚統制の危険性を孕み、③特定精紡 機の処理命令制度は強制カルテル的、統制経済的な性格をもつものであり、④商工組合等は大企業の加入が認められ るので、組合自体の自主性と民主性が阻害されて、計画の内容が大企業に有利に、経済的弱者としての中小企業に不 利に定められる危険性があり、⑤従って、同法に基づく構造改善政策は支配的資本・大企業と国家権力の癒着による 支配体制・寡占体制の確立、強化のために展開する危険性があるといえよう。        ㈲  中小企業輸出製品統一商標法は、わが国の繊維工業晶、雑貨工業品等中小企業の輸出製品が労働力不足に起因する 生産コストの上昇と発展途上国の追い上げに伴う海外市場における競争の激化を背景に、中小企業の輸出製品のうち 品質のすぐれたものを対象として、海外市場における声価の向上のため、緯一商標を定め、その適切な使用を促進し て製品の輸出の振興と申小企業の振興を図ることを目的とするものである。  その主要構造は次の通りである。  ω 生産を行なう事業者の大部分が申小企業者である貨物のうち、海外市場における声価の向上を図るには、品質 の向上と商標の適切な使用とが特に必要である貨物を特定貨物として政令で定める。  ⑧ 特定貨物の生産を行なう事業者を構成員とする中小企業団体︵商工組合、商工組合連合会その他これらに準ず る団体であって政令で定めるもののうち、特定貨物の生産事業を行なう者︶は統一商標規程︵統一商標、統一商標を附    戦後のβ本における産業構造改善政策と申小企業法制の変遷︵四︶       七五

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   東洋法学       七六 する特定貨物の品質の基準、特定貨物の品質の検査を行なう機関の名称ならびにその検査の能力および方法、統一商標 の使用ならびに管理の方法を必要記載事項とする︶を作成し、主務大臣はこれを認定し、その要旨を官報で公示する。  ⑧ 認定きれた統一商標を附した特定貨物は.検査期間により統一商標規程に定められた品質基準に合格した旨の 表示を附したものでなければ輸出することはできない。通産大臣は.これに違反して特定貨物を輸出した者に対し. 輸娼停止命令を発動することができる︵罰則の規定がある︶.  このように同法は.従来から申小企業製品の規格制限等に関するカルテルやそれに関するアウトサイダー規制命令 が数多く見られているがその実効性はあまり期待できなかウたごとに鑑み.特定貨物のうち.申小企業団体が作成し 主務大臣が認定した統一商標規程に定められた品質基準に合格した統一商標を附した特定貨物に限定して.輸出する ことを認め.その実効性を輸出停止命令の発動と罰則の規定の適用によって担保しようと企図するものである.従っ てこの制度はアウトサイダーや関連事業者に対する規制の強化を意昧し.特定貨物を輸出する業者に対して一般的な 拘束力を認める制度であるところに特色があり.今後海外市場における申小企業輸出製品の品質競争力の増大と輸出 の振興に大きな役割りを果すことが期待きれる。しかし同法には若干の問題点がある。すなわち.①商工組合等の中 小企業団体の組織制度そのものに問題があり.支配的資本・大企業の組合への加入による組合支配が可能となり.従 って統一商標規程の内容が大企業に有利に定められる危険性があり.②特定貨物の指定の政令への委任や、統一商標 規程の主務大臣の認定や輸出停止命令の発動は国家権力の監督の強化と官僚統制化の危険性の強化を図るものであ り.且つ.③強制カルテル的統制経済的性格をもつものであり.従って.④経済的弱者としての中小企業にとって十

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分な保護法制として機能しえないおそれがあるといえよう。          む         ほ  下請中小企業振興法は、下講中小企業の近代化を効率的に促進するための措置を講ずるとともに、下請企業振興協 会による下請取引のあっせん等を推進することにより、下請関係を近代化して、下請関係にある中小企業者が自主的 にその事業を運営し、かつ、その能力をもっとも有効に発揮することができるよう下請申小企業の振興を企図するも    ㈹ のである。  その主な構造は次の通りである。  ω 通産大臣は、所管大臣に協議し、中小企業近代化審議会の意見をきいて、下請中小企業の振興を図るため、下        切 請事業者および親事業者のよるべき一般的な基準蓑振興基準︵①下請事業者の生産性の向上または製晶の品質および 性能の改善に関する事項、②親事業者の発注分野の明確化および発注方法の改善に関する事項、③下請事業者の設備 の近代化、技術の向上および事業の共同化に関する事項、④単価の決定の方法、納品の検査の方法その他取引条件の 改善に関する事項、⑤下請事業者の組織化の推進に関する事項、⑥その他下請中小企業の振興のため必要な事項に ついて定める︶を策定し、その要旨を公表し、更に、主務大臣はこの振興基準に基づいて親事業者および下講事業者 が自主的に振興事業計画を作成することができるよう振興基準に定める事項について必要な指導および助言を行な う。  図 特定親事業者︵指定事業を営む法人たる親事業者︶と特定下請組合︵事業協同組合であってその組合員の大部 分が特定下請事業者︵指定事業について製造または修理の委託をした親事業者との取引に関し、委託を受けた物品に    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法欄の変遷︵四︶       七七

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係る受取金額の.すべての事業者からの委託を受けた物晶に係る受取金額に対する割合が百分の三十以上であること という要件を具備する下請事業者︶であるもの︶が協力して、当該特定親事業者の発注分野の明確化.当該特定下講 組合の組合員たる特定下講事業者の設備の近代化.技術の向上および事業の共同化その他の下請申小企業の振興に関 する事業について下請申小企業振興事業計画︵①振興事業の欝標および内容、②振興事業の実施時期.③振興事業を 実施するのに必要な資金の額およびその調達方法を必要的記載事項とし、更に.下講串小企業振興準備金を積み立て る場合には当該準備金に充てるための経費の賦諜の基準を記載する︶を作成し.主務大臣がこれを承認する︵承認に あたっては.計画が振興基準に照して適切なものであり.かつ.当該特定親事業者および特定下請組合がその事項を 達成するのに必要な適格性を有するものであること等の要件に該当するか否かを判定す灘必要がある︶。  偶 政府は.承認計画の実施を促進するため金融上の助成措置を講じ.また税制上.特定下請組合が下請中小企業 振興準備金を積立てたときまたは当該特定下請事業者もしくは特定親事業者が当該賦課金を納付したときは.当該特 定下講組合または特定下講事業者もしくは特定親事業者に対し法人税または所得税の課税について特別措置を講ず る。この場合.金融面で特別の融資を受ける主体は.特定下請事業者に限定されないで.承認計画に参加するすべて の下講事業者︵一次下講・二次下請・三次下請・末端下請事業者をも含む︶である。  働 国および都道府県は.下請取引のあっせん.下藷取引に関する苦情または紛争についての相談とその解決のた めのあっせんまたは調停.下請中小企業の振興のために必要な調査、情報の収集・提供等の業務を行なう下請企業振    瑠 興協会に対し.その業務の公正的確且つ広域的運営を確保するため必要な指導及び助言を行なう。

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 このように同法は、①通産大臣が親事業者及び下請事業者のよるべき一般的、共通的な基準としての振興基準を策 定、公表し、且つ、それに必要な誘導行政を展開しようとする点、②特定下請組合が特定親事業者との協力のもと に、振興基準等一定の要件に適合した振興事業計画を作成し、主務大臣がこれを承認するという方式をとった計画制 度を導入し、更に計画の実施を円滑ならしめるため金融・税制面での優遇措置を講じて側面的な助成を図ることによ り、下譜分業体制や近代的外注管理体制の確立、下講取引の改善、技術水準の向上、事業の共同化等の企業集申方式 の採用等計画に盛られた諸施策を推進して下請申小企業の近代化を企図しようとする点、③更に下請企業振興協会は 従来から行なわれていた下請取引のあっせん等の業務に加えて、新たに下請取引に関する苦情または紛争を解決する ためのあっせんまたは調停業務が追加されて、国及び都道府県が下請企業振興協会に対し、補助金の交付と誘導行政 を展開しようとする点、等で特色があり、まさに、法形式的には、積極的な下請中小企業の保護を基調とする親子ぐ るみの近代化、構造改善政策の推進を企図する下講関係の画期的な法制といえる。  しかし、同法には構造上いくつかの問題点が内包されているため、同法は、果して、客観的に真に下請中小企業の 保護法として機能しうるか否か疑問が残る。すなわち、①下請企業は業種、業態によって実態にかなりの違いがある ので、親事業者のあり方や下請事業者のあり方にも相違が見られ、従って、振興基準を一般的、共通的な基準として 適用していくことに困難な場合が生ずるおそれがあるので、将来の問題としては、業種別の振興基準を策定すること も必要となるであろう。②計画の作成にあたっての親事業者の協力義務違反に対しては、なんらの制裁規定や強制手 段もなく、従って、もっぱら政府の行政指導と親事業者自体の近代化意識、協調意識の高揚に期待する以外にはない。     戦後の日本における産業構造改善政策と申小企業法制の変遷︵四︶       七九

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   東洋法学       八○ ③計画の作成主体を主務大臣から民間︵業界蓑親事業者と下請組合昌︶に変更して計画の実現を民間の自治に委ねる ことは、計画の作成主体と計画の実施主体とが一致するため.計画の実効性の確保という観点からすれば、大きなメ リットがあるといえ.しかも.振興事業計画の作成にあたっては、特定親事業者を組合員として含まない特定下請組 合と特定親事業者とが計画作成主体として参加することとして、特定下講組合の自主性の確保を図ろうとしたもので あ膿。しかし.一般に下請組合の組織力が脆弱な現状で.特定親事業者が特定下請組合の薦外役員となる場合には︵申 協法三五条四項︶、また.そうでなくても特定親事業者が計画作成主体として参加する限り.計爾の作成にあ九鴫ては、 特定親事業者の経済力を背景にその強い影響力を受けて特定下請組合の蔭主性と民主性が阻害きれて.計画内容は特 定親事業者に有利にないしは特定親事業者にとっ、て有利な一部の優秀な特定下講事業者に有利に.その他の下請事業 者︵特定下請事業者と非特定下請事業者を含む︶に不利に定められるおそれがある。従ってこのように見てくると.こ の振興事業計画制度は.一方で計画の実現の容易化を図りながら.他方で特定親事業者による特定下請組合の一括支 配化をもたらし.特定親事業者のための下講再編成の促進のために機能する危険性があるといえる。④金融措置につ いては.資金面で量的.質的な限界があるため同法の実効性をどの程度期待し得るかという問題が残り.更に.資金 の貸付は、支配的資本・大企業ないしは親企業にとって有利となる一部の優良下請中小企業ないしは担保力・保証力の ある下請中小企業に重点がおかれ、その他の大部分の下請中小企業にとっては不利に展開して下請の系列化、下譜再 編成を一層進行せしめるために機能することになりはしないかという金融メカニズムの問題が残る。⑤税制措置につ いては.下請牢小企業振興準備金制度以外に課税の特例による下請牢小企業の自己資本の充実策は乏しく.そのため

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承認計画に従って振興事業を行なうすべての下請事業者に対して、その有する固定資産について特別償却を認めるこ とが必要であり、また、承認計画に従って合併、共同出資会社、企業組合、協業組合、事業協同組合等を設立する場 合に、法人税または登録免許税を軽減することが必要である。従って、立法論としてはこれらの施策を裏付けるため の法的措置が必要である。⑥金融・税制面での優偶措置と引換えに承認権を背景として国家権力の監督権が強化され たため、それは、運用の如何によっては、官僚統制となる危険性を孕むものである。⑦下講企業振興協会制度は必ず しも十分なものとはいえないので、その組織、機構等の拡充と協会に対する補助金交付枠の増額が必要である。この ように同法の構造上には数多くの問題点ないしは法制の不備を指摘することができる。従って同法の運用にあたって は、何よりもまず下請事業者の近代化意識と自主的努力の喚起および組織力を背景とする下請組合の自主性と民主性 の確保が必要であり、更に、そのため下請組合の連繋による組織力の強化拡大が必要である。それと同時に、従来の 下請代金支払遅延等防止法の規定の強化と運用面の強化も一層必要となるであろう。  なお、昭和四六年になると、三月に特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法が制定され、四月に申小企業特 恵対策臨時措置法が制定された。前法は、機械工業振興臨時措置法及び電子工業振興臨時措置法がいずれも四六年三 月で有効期限が満了となるので、電子工業と機械工業とを一体としてその生産技術の向上と生産の合理化を促進する ため、前記二法を実質的に統合し、七年間の限時法とするものである。後法は、発展途上国または地域に対して国際 連合貿易開発会議の決議に従い特恵関税が供与されることに伴い、これによって生ずる需給構造の変化に中小企業者 が行なう事業の転換を円滑にするため、金融・税制上の優偶措置を講ずるとともに、申小企業近代化施策、職業訓練    戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       八﹂

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   東洋 法学       八二 等を推進しようと企図するものである。これらの法律は構造改善政策的視点から制定された中小企業の構造改善法と しての性格をもつものであり.中小企業の構造改善、近代化政策を積極的に推進していくことを企図するものであ る。しかし.これらの法制は、間題点を内包しており.特定業種中の中小企業一般の十分な保護法制として機能する ものであるとはいえないであろう。  更に信用補完の面で法改正が行なわれた。ω昭和四四年には産炭地域における申小企業者についての申小企業信用 保険に関する特別措置等に関する法律︵三八年八月成立︶が改正されて.産炭地域内に事業所を有す馨中小企業者お よびその従業員に関し.当該事業所の移転等に必要な資金に係る申小企業信用保険に関する特別措置ならびにこれら の者の職業および生活の安定に資するための措置が講じられ.@四五年には機械類賦払信用保険法が改正きれ.機械 類信用保険法と改称されて.信用保険の対象として﹁ローン販売﹂が追加され.更に.の申小企業信用保険法が改正 きれ.中小企業信用保険について.新たに公害防止保険の制度が設けられるとともに.普通保険および特別小口保険 の付保限度額が引き上げられた。これらの改正法は信用補完の面から申小企業の構造改善.近代化を側面的に助成す る機能をもつものであるが.しかし中小企業の保護の観点からすれば.それほど十分なものとはいえない。  なお.四二年には会社更生法が改正され.四三年には最低賃金法の改正が行なわれたが.これらの改正法も申小企 業の保護の観点からすれば十分なものとはいえない。 以上の考察において理解されるように.今段では.経済法制.とりわけ.申小企業法制は構造改善政策的な視点か

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らの改正ないしは新たな制定が行なわれる場合が多く、中小企業の構造改善法としての性格をもつ中小企業法制がそ の中心的地位を占めるに至っている。そして申小企業基本法に基づく中小企業法制の整備はかなり進展してきている が、しかしまだ十分なものとはいえない。しかも今日の経済法制、とりわけ、中小企業法制は数多くの問題点を内包 しており、官僚統制の危険性を孕みながら、独占禁止法の適用除外立法として強制カルテル的統制経済的な性格をも ち独占禁止法制を後退、変質させる性格の法制も数多く、中小企業一般の保護法制として機能するというよりは、む しろ一部優良中企業︵下請中企業も含む︶の保護育成に傾き、独占体・支配的資本のための支配体制、寡占体制の確 立、強化を図るために機能する危険性が強くなっているといえよう。   註   OO  経済社会発展計画は、中小企業、とりわけ、中小工業の構造改善、近代化、高度化の推進にあたっては設備の充実、技     術の向上、適正規模への拡大とならんで協業化、集団化によって生産性の向上を図ることが基本であり、そのため、中小     企業の業種別長期ビジョンを確立し、法制の整備、金融・税制措置等の拡充により、業種形態の実構に応じて、つぎの施     策を重点的に実施するものとしている。     ω 協同組合、商工組合等申小工業の現行組合制度について、構造改善に資するよう改善、指導を行なうとともに、より     高度の協業化を推進するため、新しい組織制度の確立を図る。また、企業構造高度化のための資金的助成、指導等を総合     的かつ有機的に行ないうるような体制の整備に努める。     側 中小工業としては比較的経営規模が大きく、資本集約型としての発展し開発しうる分野については、新型設備の導     入、陳腐化機械のスクラップ化等設備の近代化と、共同試験研究を推進するなどの技術指導、生産工程の集約化をすすめ     るo     偶 経営規模は小さいが労働集約型として発展、開発しうる分野にっいては、製晶の高級化、工程管理の合理化を目ぎし     戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       八三

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東洋 法学      八照 た技術指導及び設備近代化、設備の共同利用等の推進を図る。 ㈲ 美術工芸贔に見られるように零細規模が適し、手工業型として発展、開発しうる分野については、新規デザインの開 発、品質向上のための試作研究の強化、伝統的特殊技能保持のための養成制度の拡充を図る。 ㈲ 下請工業については.親企業との関連を考慮しつっ構造改善策を講ずる。とくに部愚製造等の如く量産型の発展が見 込藪れるものにっいては.独立メーカーへの成長が望ましいので.それを促すため部晶の規格統一等を図る。 ㈲ 申小工業製贔の輪繊振興のために・輸鐵構造の薦度化を指向して製贔の蕎級化・多様化のための技術指導・、葎玉黎藻 の提供.海外宣伝等を行なう、 ¢δ  申小工業が積極的に海外経済協力を行なうことは.発展途上闘の経済力の充実に資するにとどまらず.中小鉱業の耕 造改善にとっても有効であるので.獅       .海外情報の普及、相手国側との折衝等経済協力に関する 諸般の活動を総合的に推進す畔驚 (2)  この法案の提案理慮は.国務大臣︵菅野和太郎君︶によれば次のようなものであった︵第五五回顛会参議院.商工委員 会議録第六号︶。  ﹁わが国の申小企業をとりまく諸惜勢に対処するため.数年来中小企業の協業化の動きが多くの業種において活発に行 なわれております。この動きは.個々の申小企業者の努力によっては達成が園難な生産性の向上を複数の事業者によって 追求するものでありまして.申小企業の構造改善をはかるためには有効かっ適切なる方策であります。  従来から協業化の促進のため.政府としては.金融.税制.指導等の施策を進めて参りましたが、協業化のための組織 のあり方については.過去三年閥申小企業政策審議会において検討を重ねて参り窟した結果.協業化を推進するための組 織制度として.従前の組織のほか.協業組合制度を創設する必要があるという意晃具申がなされたのであります。すなわ ち、現行組織制度の申で、申小企業者が協業をはかるために利用しうる場としては、事業協同組合、企業組合及び会社が ありますが、従来の組合制度にあっては、加入脱退の自露、議決権の平等、配当方法の制限等があって事業経営上企業性 の発揮が十分にできない面があるほか、事業協同組合には員外利用の制眼や.いわゆる全部協業が行ない得ないこと、企

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業組合には従事に関する制限や法人が加入できないこと等の間題があり、また、会社制度にあっては、資本原理で割り切 られ過ぎていることなどにより中小企業者の企業者感情にはそぐわないうらみがございます。  そこでこの際、中小企業者を申心とする事業活動の協業化という面に着目して、協業化をはかるために最も合理的な、 そして中小企業者が最も利用しやすい機能と性格を持った組合制度すなわち協業組合制度を創設するため⋮⋮﹂本法案が 提案された。 (3)  昭和四二年からは、通達﹁協業組合制度の運用にっいて﹂ ︵四二企庁第一四二〇号︶に基づき、協業組合制度の運用に あたっては、その創設の趣旨を十分に認識し、協業組合の設立を促進するとともにその適切な運営を確保するために、次 の事項に留意して遺憾のないようとりはかられることとなった。 王 協業組合の設立の認可  ω 協業組合の設立の認可に当っては、協業により生産性の向上に寄与するものであると認められる限り、すべての業 種について積極的に設立を認める方針とするものとする。  ただし、中小企業近代化促進法に基づいて指定された業種について、設立もしくは組織変更または指定された業種へ事 業の転換をしようとするときは、同法に基づく中小企業近代化基本計画および実施計画を参照されることとされたい。  働 協業組合は、協業を園ることを本旨とするものであるから、協業計爾がないものはもとより協業計画または事業計 画の内容が明確でないものおよびその実効性にっいて疑いがあるものについては認可しないものとするが、このような場 合であっても適切な指導を行なうことにより協業組合の設立促進について積極的な配慮をすることとされたい。  ⑧ 認可基準は、法第五条の一七第二項に規定されているが、第一号の﹁法令違反がないこと﹂については、定款、協 業計画、事業計画の内容が現に施行されている法令一般に違反することとならないか、発起人および組合設立同意者全員 が組合員となる資格を有し、かっ、組合員になろうとするものであるか、その構成が中小企業者四分の三以上を占めてい ることという要件を備えているか、創立総会が適法に開催されたか等を検討すること。  第二号の﹁経営的基礎を有すること﹂については、所要資金の調達の見込み、役員の経営能力、経済環境等を総合的に 戦後の日本における産業構造改善政策と申小企業法制の変遷︵四︶       八五

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東洋法学       八六

判断すること。  第三号の﹁生産性の向上に寄与するものであること﹂にっいては、協業組合により単に形式的に事業を統合しても協業 組合の事業に関して実質的には各組合員が従来通り独立採算で行なうような場合には、本号には該当しないものであり、 協業することによってコストの引下げ.能率の増進等生産性の向上に寄与するものであることを証する書面の提鐵を求め る等.協業の成果にっいて検討を行なうこと。  なお.協業組合が一手販売等を行なうことにより不当に対価の引上げとなるような場禽は、生産性の向上に寄与するも のとは考えられず.公正取引委員会からの講求の対象ともなるので特に留意すること、 攣婦  ω 協業組合の藁本的性格は.串小企業者等の従来営んでいた事業の統合にあるが.法は主務大、臣の特別の認可を受け 礁ことによって籍該転換にかかる事業を行ないうることとしている蘇  この場合の主務大臣の認可にっいては.とくに認可基準の定めがないが. ﹁需給構造その他の経済的事憶が著しく変化 したため事業の転換を行なう必要しがあると客観的に認められる場合.すなわち.需要構造あるいは供給構造といった構 造自体の変化をもたらすような主として長期的.すう勢的な変化を指すものであるので、この点を考慮の上認可すること。  鱒 また.事業の転換は.必ずしも従来の事業を全く廃して新規事業を行なう場合に限らず、協業に係る対象事業を継 続して.将来における成長の見込みがないとか.あるいは企業としての存立が困難であると判断される場合に.将来.当 該転換に比重を移すことを前提として、従来の事業を併せ行なうこととしても差し支えない。 3 現物嵐資にっいての承認  現物出資に係る資産が、当該繊資を受ける協業組合の行なう事業の用に供するため必要なものである旨の承認は.中小 企業闘体の組織に関する法律施行令第一条の二に定められているが、その範囲の適否は慎重に検討し承認を行なうものと すること。 違 公正取引委員会よりの請求 事業の転換の認可

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 公正取引委員会は、協業組合の事業活動が一定の取引分野における競争を実質的に制限することによって不当に対価を 引き上げることとなると認めるときは、主務大臣に対し協同組合法第一〇五条の四の規定による検査等を請求できること となっているが、公正取引委員会より請求を受けた場合は、すみやかに主務大臣に報告し、その指示により権隈を行使す ることQ 5 定款変更の認可  ω 定款変更の認可にっいては、その内容が事務的なものである場合はとくに問題はないが、協業組合の実態に影響を 与えるもの、たとえば事業、出資一口の金額等を変更しようとする場合はとくに慎重に検討するものとする。  図 定款変更の認可の基準は、一の昌の基準に準ずるものとする。  なお、事業の種類の追加に係るものは、総組合員一致による議決を必要とするものであり、また事務所の範囲の拡大ま たは縮少は、主務大臣の権限の委任の範囲に影響するところも極めて大きく、場合によっては、所管を変更することにも なるのでとくに留意すること。 6 合併の認可  協業組合の合併の認可にっいては、一に準ずるものとし、合併しようとする協業組合の実績等を勘案し慎重に検討の上 措置すること。 7 組織変更の認可  ω 事業協同組合、事業協同小組合および企業組合は、その組織を変更して協業組合になることができるが、事業協同 組合および事業協同小組合にあっては、協同組合法第九条の二第一号の事業を行なっている場合であって主務大臣の定め るもの︵別途通達参照︶に限られるので、留意すること。  ③ 協業組合への組織変更の認可基準にっいては一の日の基準に準じて処理するものとする。 8 協業組合の運営指導  ω 協業組合の運営にっいては、民主的に行なわれるように指導するとともに、協業組合の設立の認可、組織変更の認 戦後の日本における産業構造改善政策と中小企業法制の変遷︵四︶       八七

参照

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