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株主総会決議の瑕疵を争う訴訟について 利用統計を見る

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株主総会決議の瑕疵を争う訴訟について

著者

武藤 節義

著者別名

S. Muto

雑誌名

東洋法学

12

2・3

ページ

29-60

発行年

1969-02

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006138/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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株主総会決議の鍛疵を争う訴訟について

七六五四三二一

   目     次 序 学説及び判例の概観 蝦疵ある株主総会決議における特殊的訴訟手続の要請 現行法の検討 株主総会決議不存在の訴 株主総会決議無効の訴・決議取消の訴 結    語 株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について 二九

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東洋法学

三〇 序  株式会社は.株式の引受価格を限度とする有限的な責任を負う社員によって構成される営利社団法人であって.社 会的には一つの有機的叛存在としヅ、定款所定の欝的を通じて利益を獲得するために独趨の社会的活動をなし.会社を めぐる多数入との間に必然的に幾多の法律関係を継続的に形成する、  会社はそれ自体社会的.には有機的な実在であるとしても.会社が自己の意思を有し.かつ鷺らの行為を為すために は.会社の組織上特定の地位にある機関によってそれら意思形成及び行為が具体化されざるを得ない轡漏とは当然の事 理である。  株式会社においてはこのような会社の意思決定は.企業所有形態が株式という細分化された割合的単位に分割され ているため.企業所有者としての総株主の合議によって決せらるべきものとしてその権限は株主総会に委ねられてい る韓  然し.近時における投資的大衆株主の増加に伴い.昭和二十五年の改正で.株主の地位の強化と引き換えに株主総 会の権限は大幅に縮限され.法律に定める基本的重要事項及び定款に予め定められ事項に限られることとなった。  このようにして.株主総会の権限として留保された事項は.株式会社における基本的重要事項であるだけに会社の 意思決定としての株主総会の決議が有効適切に行なわれたか否かは爾後の会社運営上重大な影響を及ぼすと同時に会

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社関係者たる株主・取締役・監査役及び会社債権者等の間に複雑な法律関係をもたらすことになる。  これら法律関係の複雑多岐にわたるものであることは、個人の場合のそれと類比し得べくもない程である。何故な らば、会社は営利追求という自己目的を有し、団体的手続による意思決定としての株主総会の決議の上に、更に取締 役会の決議・代表取締役の執行というように意思決定機関と執機関とを分離せしめつつこれら複数の機関の行為が一 体となりながら行為の有効性を維持しつつ、重層的段階的に会社の行為を展開させていくのである。  したがって、その基本をなす株主総会の決議の効力を左右すべき事由あるときは、その毅疵を主張することにより 当該決議の上に積重ねられた行為の効果が一挙に覆滅されざるを得ない事態を招来することにもなり得る。仮りに株 主総会の決議が他の機関の行為を要しない自己完結な事項に関するものであったとしても、かかる決議の効力を争い うる障害事由ある場合には、少なくとも総株主との間にその決議の効力をめぐって法律関係が生ずるであろうし機関 分化の多い株式会社においてはこのような決議事項は少なく、多くの場合における他の機関及び会社債権者との問に も法律関係の錯綜が生ずることは避け難いこととなる。  このような多数人間における法律関係の紛糾を解決する方法としては、これを関係当事者個々人の法律関係に分解        レ し・具体的個別的に解決していくという方法と、集団的法律関係として、それら法律関係の紛糾原因を一挙一律に解       ︵2︶ 決するという方法が考えられる。  商法は、株主総会の決議の鍛疵につき右後者は必ずしも前者を全面的に排斥するものではないとの前提のもとに、 株主総会の決議を争う訴訟手続を認め、実定法上株主総会決議無効の訴︵二五二条︶株主総会決議取消の訴︵二四七条︶     株主総会決議の暇疵を争う訴訟について       三一

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   東洋法学      三二

を設けたが、判決及び学説により更に株主総会決議不存在の訴が認められるに至っている。  このような特別の手続が認められるのは多数決制度の当然の前提として、澱疵ある決議については株主等の会社関 係者にその暇疵主張の妥当な方式を予定することが必要であると同時に、会社はその決議に基づいて機構の変更や運 営を行ない.その結果株主.債権者、一般公衆など多数の者に影響が及ぶから.軽々しく決議の理疵を主張して既存 の状態を破ることは好ましくなく.また.これを争わせる場合でも個別的解決によっては同一事実につぎ矛盾衝突を        ︵塁︶ 生ずるため集団的解決が要講されるか辱であるとする.  然し、株主総会の決議を争う訴に関して.現在株主総会決議の理疵から生ずる法律関係において.個別的具体的権 利の救済と.取引関係及び多数当事者のための法的安定性の保護の調和から.これら訴の性質・効力を如何に解する かをめぐり学説・判例上においてその見解が分れている.したがって.ここに学説上は.商法・訴訟法を通じての統 一的理解がなされることが必要となり.判例上においても具体的紛争解決の統一化を図ることにより株主総会の決議 をめぐる紛争の妥当な解決とその法的安定性を確保することが要請されるのである。 ︵i︶ ︵2︶  社員総会の招集手続等の暇疵を争う訴につき侮等特別の麟体的手続を定めていない民法上の社闘法人においては.決 議手続の蝦疵を争う場合にはこのような方法による解決が図られる︵我妻栄・有楽亭﹁民法総別・物権法コソメンター ルしふハ凋一条愈鈴。↓鰐げびOΦ附︾瓢鵬Φ讐篤欝Φ鳥霧ぴ螂械αQ①蔦ぎびΦ欝沁①⇔げ欝︾じ φ繕轡ω・㎝一“轡  数人が提起する婚姻無効・取消の訴、数人の異議者との間の破産債権確定の訴、設立無効の訴、合併無効の訴、株主 総会決議取消の訴等はかかる観点に基く解決方法の実定法化にほかならない。 ︵鈴木竹雄﹁会社法﹂六六頁、曾9。降

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︵3︶ ︵4︶ 寓鎖類鳥の一鶏①o嘗仁瓢傷ωoび織欝げ旨ω同①oぼ・o o︾段磨ω一お  株主総会決議不存在確認の訴について、照法時代においては学説上﹁⋮⋮総会が存在しなかった場合叉は決議と認め るべぎものが存在しなかった場合においても総会決議不存在を主張しうる﹂と解され︵田中耕太郎﹁会社法概論﹂四八 七頁、岡旨松本蒸治﹁日本会社法論﹂二七〇頁︶判例としては大判・大二・六・二八民録一九五三〇以下多数のものが ある。昭和十三年商法改正後も学説上石井照久﹁商法工﹂二五七頁、大隅健↓郎﹁会社法概説﹂一二六頁等によりこれ ら見解が維持されており、判例も最判昭三八・八・八民集ハ七・六・八二三に至るまでこの兇解に従っている。  松田裁判官は株主総会決議の蝦疵を争うためにかかる手続が認められる理由として、およそ団体法人の法律関係に暇 疵ある場合には過去に発展した事実関係を法律上においても可及的に尊重しようとする要求がある。もしこれら法律関 係を当然無効とするならば、かかる事実関係を囲応有効と思惟して行われた団体的対外的活動及び対内的の多くの法律 関係は収拾し難い混乱に陥るからであり、更に団体法上の関係を徒に混乱させないために法律的効果を画一的に決定す ることが要求されるのであるとする︵松田二郎、 ﹁いわゆる株主総会決議無効確認の訴について﹂訴訟と裁判︵岩松裁 判官還暦記念﹂一九〇頁︶鈴木教授もかかる団体的法律関係の紛争処理についての一般的要請として、法律関係の画一 的確定、無効の遡及効阻止、無取の主張の可及的制限を挙げている︵鈴木竹雄﹁会社法﹂六八頁︶。

二 学説及び判例の概観

 学説及び判例の展開過程はこれを三期に分かつことができる。それは昭和十三年の商法改正以前を第一期とし、以 後昭和三十一年四月私法学会において株主総会決議の理疵が統一的に論ぜられるに至るまでを第二期とし、以後を第 三期とする。     株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について       三三

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   東洋法学      三四

 昭和十三年商法改正以前にあっては.株主総会の決議を争う職疵について、旧商法一六三条に一力条を置くのみで あり.右規定は.﹁総会招集の手続叉は其決議の方法が法令又は定款に反するときは株主.取締役又は監査役は訴を以 ってのみ其決議の無効を主張することを得。﹂と定めていたため.ここに言う決議の暇疵は.決議に関する手続上の暇 疵に隈定され.右規定の暇疵事由に含まれない決議内容の法令定款違反の暇疵並びに決議不存在の暇疵︵一般に蝦疵 とは晒定の事実存在を前提とするが、ここでは不在の場合を含めて広い意味で用いたい︶について直接規定するところがなか ったため、その取扱は共に学説判例に委ねられていた.昭和十三年の改正により二五二条の訴が新設され、総会の決 議内容が法令定款に違反した場合には決議無効の訴によるべきことととされるに至り.それ褻で学説判例に委ねられ ていた決議内容に関する暇疵については.一応の立法的解決を与えられたが.決議不存在の場合については右改正に おいても触れるところがなかったので依然学説判例の解決に委ねられていたのである。  このような中にあって.昭和三一年度の私法学会において、株主総会の決議の叢疵を争う訴につきシンポジウムが 行なわれ、決議の毅疵に関する幾多の貴重な意見が表明されたのを契機として.以後株主総会決議の暇疵を争う訴に ついて種々の研究及び理論が提出され現在に至っているのである。

 蓋学説の展開

 前述の如く.昭年十三年商法改正以前は株主総会の決議を争う訴訟として法が明文を以って定めていたのは旧一六 三条による決議手続が法令定款に違反した場合の株主総会決議無効の訴のみであった。そして右規定は、訴提起権者        ︵2︶ を法定し、訴を以ってのみその決議の無効を主張しうると規定しているところからこれを形成の訴と解し、その判決

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の効力は当事者のみならず一般第三者にも及ぶものと説かれていた。  これに対し、法上明文なき決議内容に法令定款違反の毅疵ある場合及び決議そのものが不存在である場合には、共 に法律上当然無効であるから何人も叉何時でもその無効を主張しうるものであり、旧一六三条の定める手続的制約に 服するものではないから、これを私法上主張することも又訴訟上主張することも共に許され、訴訟上主張する場合で も抗弁としあるいは直接請求として主張することもでき、かかる訴は民事訴訟の一般原則に従った確認訴訟であり、        ︵3︶ その判決の効力は当事者間にのみ生ずるものと解されていた。  昭和二二年の改正により、従来の決議無効の訴が通説の見解に従い決議取消の訴と改められると同時に、決議内容 につき法令定款違反ある場合の救済として別に決議無効の訴が新設され、訴提起の期問及び訴提起権者の点を除いて ほぼ決議取消の訴と同様のものとして規定されるに至った。この改正により決議取消の訴は従来の通説どうりの解決 をみたが、無効の訴及び不存在の訴については見解がわかれ、通説は決議の内容が法令定款に違反する場合はその決議 は当然かつ絶対的に無効であり、何人から何人に対しても何時でもまたいかなる方法でも無効を主張することを妨げ ず、必要あるときは決議無効確認の訴を提起しうるにすぎず、かかる特別の手続による場合に限り法が法律関係の錯        ︵4︶ 綜を遮断するため政策的に対世的効力を付与したにとどまるから通常の確認訴訟にすぎないと解している、  これに対し各人が自由にその無効を主張しうると解することは、法が一〇九条を準用して無効の訴の判決に対世的 効力を認めた趣旨に沿わず、また画一性を要求する団体的法律関係の解決として不適当であるという理由から、決議       ︵5︶ 無効は二五二条の訴によってのみ主張しうるとする見解が有力に主張されるに至った.    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      三五

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   東洋法学      三六

 決議不存在の訴については.改正後においても明文の規定を欠くが.決議不存在である以上そこからは如何なる議 決の効力をも生ずる余地はないから、決議不存在の主張は.何時でも.何人においてもまた如何なる方法で主張しう るものであり.もちろん決議不存在の訴として争うことも許され.かかる場合における訴の性質は通常の確認訴訟で あり.その手続及び効果については当初二五二条の類推適用はないものと解されていたが.その後同条の類推適用に       ︵暮﹀ よゆギ、対世的効力を認めるべぎであるとして判決の効力につき決議無効の訴と接近した結論を認めるに至ゆた.  かかる通説的見解は昭和三一年の私法学会におげるシγポジヴムを経ても大勢においては変らず訟れが維持されて       ︵7﹀ いると見られるが塊このシγポジウムで表明され.その後公刊された諸論文により有力な反対説が見られるに至っ た.それは決議取消の訴に関しては立法上解決され見解の一致をみているのでごれを除外した決議無効、決議不存在 の訴についてである。すなわち.株主総会の決議内容が法令定款に違反した場含にも任意の無効主張を許すことは外 観および既存状態の尊重、団体法的法律関係における画一的処理の要請に照らして妥当ではなく.無効の訴によって のみ無効を主張し得.無効判決の確定によって決議の効果が遡及して消滅するとの形成訴訟説が主張され.決議不存       ︵8︶ 在の訴についても同一に解すべきであるとの見解が表明されている.

 黛 判例の推移

 昭和二二年商法改正以前判例は、株総主会の決議につき手続上の暇疵あるときは.その決議無効の主張は商法上に 規定せられる株主総会決議無効の訴によってのみ為しうるものとし、法上無効主張の期間を定めていること、右判決 に対世的効力を認むべきこと等の理由から法文上無効の訴と規定しているにも拘らずこれを形成の訴たる性質を有す

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るものと理解し、 ﹁商法一六三条において総会の決議無効の宣言を裁判所に請求することを株主に許したる規定は⋮ ⋮株主の取消権を認め之に基づきて其取消を為さしむうるものなることは、同条第二項において取消を請求する期間 を限定し、其期間経過の後は決議の有効に確定すべきものなるを示したるによりて明瞭なり﹂︵大判明三六・囲・六民       ︵9︶ 録九・三八三︶と判示ししてこの判例を維持してきた。  決議内容が法令定款に違反した場合、あるいは決議が不存在である場合には、前述したように商法は何等特別の手 続規定を設けていなかったから、これら各場合は、当然かつ絶対的に無効であり何人も、いかなる方法によってもま たいかなる時期においてもその無効を主張することができるし、必要ならば決議無効の訴、決議不存在の訴を提起す ることもできるが、これら訴は通常の確認訴訟であり、旧商法一六三条による制約を受けるものではないとの態度を     ︵鎗︶ 堅持していた。  昭和一三年の改正後は、株総主会の決議手続の毅疵を争う訴については、規定そのものが判例の従来の見解に沿っ てその表現が改められたに過ぎないため、判例も従前の見解を維持踏襲したが、決議内容の理疵を争う訴が新設され 、この訴に一〇九条が準用されたことに鑑み、判決に対世的効力を認める点において判例の変更があったというべき であろうが、その他の要旨においては判例の変更なく決議内容の違法は民事訴訟の一般原則にしたがって争うことも 許され、ただ二五二条の無効の訴による場合にはその判決の効力は当事者のみならず一般第三者にも及ぶものである    ︵且︶ と判示した。  決議不存在の訴については改正後も明文の規定が置かれていなかったため、改正前の判例は維持され、ただ二五二    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      三七

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    東 洋 法 学       三八 条により決議無効の訴が設けられたことから.決議無効の訴と意識的にこれを区別するため.決議不存在の訴と明示 されるにとどまり・かかる訴は民事訴訟における一般の確認訴訟たるにすぎず.二五二条の類推適用についても否定    ︵穏︶ 的であった。然るに昭和三十年の東京地裁判決を契機として決議不存在の訴の判決にも対世的効力が認めらるべきで          ︵捻︶ あるとの見解が示され.最高裁において決議不存在と評価される場合においてもその効力のないことの対世的効力が 認められる旨判示するに至静︵撮判堕一冗・八・八驚集一七・六・八二三︶二五二条の類推適用を認める立場を指向しつ つあるといいうる. ︵焦︶ ︵2︶ ︵3︶

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 鈴木前掲コ一二頁以下、松本熊治﹁増補註釈株式会祉法﹂一三二頁、獲中︵耕︶前掲三八○頁。  大隅健一郎﹁会社法概説し二一〇頁、小町谷操三﹁商法講義巻ご二八三頁大森忠夫﹁会社法講義し一六二頁。 る︵坂井芳雄﹁株主総会決議不存在確訴訟は許されるか﹂判例タイムス七〇号二九頁︶。 効果が生じていないことの確定を獄的とする訴訟とならざるを得ないのではないだろうかとの重要な疑問を提起してい の前提のもとに訴を認めていることに著鷹し.文宇どうりの決議不存在.無効確認訴訟を認めたものではなく.決議の  なお坂井裁判官はこれら賑法下における通説を詳細に分析した論文において通説が﹁民事訴訟の一般原則により﹂と  田中耕太郎前掲四八七頁。松本蒸治前掲二七〇頁、間運吉﹁株主総会決議当然無効の主張﹂︵法曹会雑誌六巻コ一号︶ 井照久﹁株主総会決議の暇疵﹂ ︵法学協会雑誌五ハ巻二号ご蕪二頁以下.岡巻三号二頁以下︶  竹田省﹁株主総会決議無効判決の第三者に対する効力﹂ ︵民商法雑誌四巻三号一頁以下︶松本熱治前掲二七五頁.石 敬次郎﹁会社法﹂三九三頁。  青木徹二﹁会祉法論﹂四七九頁以下.松本蒸治﹁舞本会社法論し二六九。購巾耕太郎﹁会社法概論]殴八七頁.岡野  なお石井教授は決議内容の法令定数違反の主張は決議無効の訴によるべきことを原鋼的に承認しつつも.公序良俗違

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  反等実質的には法律的に無意味なものは決議無効の訴によるまでもなく主張しうるとする︵石井照久﹁株主総会決議の   蝦疵﹂株式会社法講座三巻九七〇頁︶ ︵6︶ 小町谷前掲三八四頁、大隅健叫郎﹁全訂会社論中﹂五八頁、鈴木前掲一二〇頁。 ︵7︶ 註釈会社法㈲有斐閣昭四三年二八三頁以下、同二二六頁以下に詳細な通説の紹介がある。 ︵8︶ 松田二郎﹁いわゆる株主総会決議無効の訴について﹂訴訟と裁判一八九頁以下、西原寛一﹁株主総会決議不存在確認   の訴の特質﹂ジュリスト法学教室三号∼五八頁、長谷部茂吉﹁裁判会社法﹂叫九四頁、兼子一﹁昭和三十一年私法学会   シンポジウム発言﹂、私法一八号二三頁以下。    更に坂井裁判官、霜島教授はこれら訴を決議の効力を確定する訴訟として確認訴と形成訴訟の枠を越えたより包括的   な訴訟と認めているが、確認訴訟の領域を超えるという意味でこの範鋳に含ましめることができるのであろう︵坂井芳   雄﹁株主総会の決議を目的とする訴の性質﹂会社と訴訟上巻松田判事在職四十年記念・二七九頁以下、霜島甲酬﹁決議   を争う訴訟の訴訟物﹂民事訴訟雑誌十一号一七四頁以下︶ ︵9︶ 同旨大判明四〇・一・二四民録ご二・一〇、大判大蝋○・七・嚇八民録二七・二二四六、大判昭四・六・二二法律新   聞三〇七七・一〇、大判昭一二・一〇・一四大判全集四・一〇二六。 ︵憩︶ 大判明三八・四・一民録二・五三〇、大判六・一〇・四・二七民録二七・一四二二、大判昭二・一〇・七法律新聞   二七七輔・コ、かかる判例の立場は﹁総会決議が法令叉は定款に違反し其内容に於て当然無効なるとき各株主に於て   其無効を主張する訴権ありや否やは︷般の原則に依りて解決せざるべからず﹂ ︵大判大二・六・二八民録嚇九・五三   〇︶との判示に最も明白に示されている。 ︵亘︶ 棄京地判昭三〇◎一一・回一下罠集六・噸一・二三六五。 ︵1 2︶ 東京高判昭三〇・三二〇高民八・二二四七は﹁確定判決はその当事者間においてのみ効力を有し、第三者に対し   てその効力の及ばないのを原則とするところ。ー株主総会の決議の存在しないことを確認する訴については商法上総   会決議取消の訴等のように判決が第三者に対してもその効力を有することを特に定めた規定が存在しない︵のでその効 株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      三九

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東洋法学       四〇  力を︶当然に第三霧に及ぼさなければならないものとは解されない﹂と判示している。同癬名古屋地判昭三九・三・六   時報三七二号三二頁。 ︵欝︶ 東京地判昭三〇・七・八下民集六・七・二二八二、その後同旨の判例としては福岡高判昭三〇・一〇・コ一高民八・   七・五三五.大阪地判昭三九・六・一九時報三七九号四三頁.なお近時の決議を争う訴についての判例の詳細な紹介検   討が霜島教授によりなされている︵霜島前掲一二頁以下︶

蕊 鍛疵ある株主総会明決議における特殊的訴訟手続の要講

 以上学説判例の跡を辿るごとによウて株総主会の決議の理疵を争う訴訟の間題点が明らかとなったが.これら訴訟 の性質及び効力を解明するにあたっては.当該訴訟が営む社会的機能ないし存在理由を十分に考慮しなければならな いし.それと同時に訴訟法理論との調和を図ることも忘れてはならないし.更には実定法の枠をも念頭に置かなけれ ばならないこと又当然である、  そもそも商法が会社法上の訴として紛争解決に特別な手続を認めたのは.自然人における単一的意思形成と異り・ 会社特に株式会社においては.株主等の議権行使による多数決方式を採るため、手続的・内容的な法規制が存し・意 思決定の存否並びにその適法性に関し争を生じ易い基盤を有している.更に株式会社においては意思決定機関と執行 機関が分離し.意思決定とその執行は分化された機関を通じて重層的・段階的に行なわれ、現実の行為として意思決 定と執行の一体化の確認が必ずしも容易でないまま多数当事者との間に法律関係が形成されていくことになる。株式

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会社は多数の株主を構成員とする祉団法人であり営利懲的追求のために社会的活動を営むから、必然的に多数当事者 をその法律関係にとり込むばかりでなく、その継続的反覆的取引活動を通じて基礎的な意思決定の上に細目的な意思 決定及びこれらに基づく執行行為を積み重ねながら数々の行為を展開していく。したがって個人法的法律行為の原則 に従うならば、各当事者が各段階においてそれら行為の効力を規定する要件ごとに行為の効果を争うことが可能とな り、これら紛争は膨大な数にのぼることになるであろうし、それら個別的解決から導かれる結論の矛盾撞着は避ける ことができず、そのような解決に由来する法律関係の錯綜は遂に会社の行動を不可能ならしめるであろう。のみなら ず、基本的な意思決定の効力が奪われた場合には、それら意思決定を要件としてその上に築き上げられた法律関係が 覆滅されざるを得ず、連鎖的な法律関係の失効を生じ、更にはこれら法律関係の外形を信じて法律関係を形成した多 数関係者の既得的地位をも覆えすことになる。  したがってかかる団体的法律関係においては、法律上有効であるかのような表見事実を信頼して行なわれた行為を 当然に無効とすることなく一応既成事実を尊重してその効果を認め無効の遡及効を阻止することが要請されるし、ま た多数当事者間の法律関係の混乱を防止するために法律的効果の画一的な確定をなすことが必要とされ、更にはかか る法律関係の積極的な確定による法的安定性の確保のために蝦疵の主張につきその事由・期間・主張者の制限まで考 えられることになる。  然しこのような特別の制約を加えることは、団体的法律関係における法的安定性の尊重のために個別的関係におけ る実体的正義を犠牲にすることを意味するから、団体的法律関係であるという理由のみでこれら全ての制約を肯定す    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      四一

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   東洋法学      四二

ることはできない。それは一般的な澱疵主張によって救済さるべめ個別的利益と、それら主張及び効力を制限するこ とによって団体的法律関係にもたらされる利益との比較衝量によって決せられるべきである。かかる比較衝量は具体 的事案に即して為されることはもとより必要であるが.実定法の解釈として.その基本的中核的判断は国家政策の結 論として実定法にその基準が示されていることを見過すことはでぎない。したがって両者の利益調整は.その判断基 準として示されている実定法を申心として考慮さるべきであり.その基準によれば弊害及び理論的矛盾が甚しい場合 にはじめて立法的解決の主張が許される輪とになる.株主総会の決議を争夢訴訟についても.脇のよ・㌻な観点から論ぜ らるべぎこと又当然である、  また・株主総会の決議を争う訴訟は・訴訟手続という過程を通じヅ、現実化されるのであるから.その性質効果を定 めるにあたって懸的追求にのみとらわれて訴訟理論との矛盾を敢ておかすア︶とは避けなければならないのである。 四

現行法の立場の検討

 株主総会の決議を争う方法として現行会社法は株主総会決議取消の訴︵一西七条︶、株主総会決議無効の訴︵二五二条︶ を規定したが前述の如く学説判例において第三の類型として株主総会決議不存在の訴が認められている.  取消の訴は決議の手続が法令定款に違反することを、無効の訴は決議内容が法令定款に違反する厨︺とをそれぞれ暇 疵事由としており、不存在の訴は総会が全く存在しなかったこと叉は決議機関と評価され得ない状態であったソ㎏とを

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理由として訴を提起しうるものとされている。  このように取消・無効・不存在の各訴の類別を決議手続、決議内容、決議不存在のいずれの点に毅疵があるかによ って為す立場を形式主義と呼ぶことができ、かかる分類の仕方は、各訴の類型の限界づけが明瞭であるという長所を 有するが、訴による具体的解決に即してみるときは必ずしも妥当ではない。むしろより基本的に重要なことは、社団 関係における毅疵事由が団体的法律関係に与える具体的影響を実質的に判断して無効取消の類別を決すべきである。 無効ないし取消はそれら毅疵状態から生ずる法律効果の失効の主張方法なのであるから実質的利益関係を反映せしめ ることにおいて妥当な類別が為しうるものと解されるからである。  ドイッ株式法は実質主義の立場をとり、株主総会の決議に関し法令定款違反があった場合を一般に取消事由とし、 株式会社の本質に合致しないか又は其の内容が専ら会社債権者保護公益保護のために設けられた規定に反するかある いははその内容が公序良俗に違反する場合等の決議に限定して例外的に無効の主張を許しているにすぎない︵ドイツ 株式法二四↓条。︶すなわち、ドイッにおける政策的考慮としての団体的法律関係の尊重は、わが国のそれよりも強く 決議手続のみならずその内容について法令定款違反の鍛疵ある場合も原則として取消事由とするにすぎず、団体的法 律関係を覆滅しても敢て救済しなければならない重要な事由が具体的に存する場合に限り無効の主張を許すものであ って、これら法文上個別的に無効事由とされるものの中には重要な手続違反も含まれているから、わが法の如く形式 的な分類によらず、実質主義の観点から訴の類別を定めているということができる。  このようにして見てくるならば、決議の蝦疵につきいかなる事由を取消の訴によらしめ、如何なる事由を無効の訴    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について       四三

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をもって争わしめることにするかに関して.わが商法においては手続的明確さを尊重するのあまり.決議の暇疵主張 における権利者の救済と団体的法律関係の尊重の調和という実質的考慮をなおざりにした欠陥が存する.︺ととなる。 したがってかかる形式的類別を前提とし取消の訴・無効の訴にそれぞれ異った手続効果を認めるならば.内容的に等 質的なマイナス価値を有する暇疵の救済が不平等な結果に終るのである。故に取消の訴・無効の訴の効果手続に実質 的差別を認めるとする前提をとるならば.石井教授が提唱される如く.決議の暇疵は手続上のものたると内容に関す るものたる菰を間わず取消の訴の事由たるにとどめ、決議無効の訴の事由を別に具体的制隈的に列挙することが立法        ︵壽︶ の方向として要講されるであろう.  しかし形式主義の立場から株主総会の決議を争う訴の類型を定め.その既判力についてもドイッ法のように株主・ 取締役・監査役に限らず.一般第三者にも拡張するわが商法の解釈に.実質主義に基づくドイッ株式法の解釈を直ち        ︵5︶ に持ち込むことは許されない.  このようにして通説は前述の如く実定法の規定から株主総会の決議を争う訴として形式的区別に従い.決議不存在 の訴.決議無効の訴決議.取消の訴を認め.前二者は通常の確認の訴にすぎず、後者のみが形成の訴であると解して その団体的法律関係の処理に実質的に手続上効果上大きな差異を認める結果となっている.このことはここで繰返す までもなく職疵の評価、団体的法律関係の処理としては公平でもなく妥当でもない、したがってこのような結論は実 定法の解釈として避け得ないものであるかを再検討してみる必要が生ずる。  以下不決議不存在の訴.決議無効取消の訴の類別にしたがって検討してみよう。

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︵1︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶  決議不存在の訴は総会が全く開催されなかった場合に限らず、決議の成立態様に著しい蝦疵があるため法律上不存在 と評緬される場合も含まれ、判例上無権利者により招集された総会︵大判昭四・四・八・民録八・二六九︶総会の有効 な終結後一部の株主が残留してなした決議︵東京控判昭ご丁一二●二七法律新聞四二四七・一七︶などいずれも不存 在と評価されている。  スイス債務法七〇六条においても同様に実質主義の立場が採られ、法律定款違反の決議を取消事由とし、例外的に重 要な蝦疵事由についてのみ無効主張が許される。これに対し我商法と同様の形式主義をとるものにオランダ及びハソガ リー等があるとされる。 ︵譲鋤房芭餌︶9。≧急。奨①。欝○詔窪≦鍵訴o o・鵠○︶  石井照久﹁株主総会決議の暇疵﹂株式会社法講座三巻九五一頁∼三頁、同﹁昭和三十一年私法学会シンポジウム発 言私法十八号十蝸頁。このような法改正の方向は蝦疵事由の類別に関し、実質主義に立脚するもので、本質的にドイツ 株式法のとる立場と同様のものとなるであろう。  ドイッ株式法においては株主総会決議の蝦疵につき原則としてこれを取消事由とし、無効となるべき事由を例外的に 具体的に掲げ、その判決の効力も株主・取締役・監査役について生ずるにすぎない。  松園二郎﹁いわゆる株主総会決議無効確認の訴について﹂訴訟と裁判二〇二∼三頁、斎藤秀夫、昭和三十一年私法学 会シソポジウム発言、私法十八号二五∼六頁。

五 株主総会決議不存在の訴

株主総会決議不存在の訴とは、一般には過去に存在したとされている株主総会の不存在を確認することを求める訴 であると解されている。     株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      四五

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四六  私人間における紛争解決制度としての民事訴訟においては幅それら私人間における権利又は法律関係が現在の利益 得喪を法的に規制する状態を確定するが故に紛争解決としての機能を有するのであって、各人に訴権が認められるゆ えんもまた当然紛争が訴訟により解決確定しうる現在の法律関係だからである。  このことは、民事訴訟の本質に根ざすものである、すなわち.刑事訴訟においては公訴事実として訴因に掲げられ た犯罪とい強過去に生起した歴史的事実の確定を申心とするが.民事訴訟においてはその対象となる事実が社会的行 為として連続的に継続しつつ法律関係を絶えず変容し.これに新らたな意昧効果を与えるために、単に過去に存在し た事実のみを取り出してこれを確定してみても現在の法律関係の解決には必ずしも役立つものではな㌧  既判力に時的限界を設け.以後の新らたな法律関係の主張を許すのもかかる民事訴訟における対象の本質的特性に よるものであむ.そうだとするならば.単なる過去の事実を確定するよりも現在の法律関係を直戴に確定することが 紛争解決としては必要となる、  ただ現在の権利又は法律関係を引ぎ出すためには.その法律効果を生ぜしめている過去における事実の確定が必要 となるであろうが.民事訴訟上これらの事実主張は請求を理由あらしめ又はなからしめる事実の主張として攻撃防禦 方法をなすに過ぎないことは言うまでもない、  かかる立場は民事訴訟上一般的に承認されているところであり.法上過去の事実の確認を訴訟物とする訴は.交書 が特定の人の意思に基づいて作成されたという事実を確定する文書真否確認の訴︵民事訴訟塗三五条︶に限り例外的 に認められるにすぎず、学説もまた請求は現在の法律状態すなわち権利又は法律関係の現在における存在の主張であ

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ることを要するとする。すなわち、現在の紛争を解決するには現在の権利関係を明確にすることが一番直接的だから であり、この意味で過去の権利関係がどのようであったかは現在の法律関係に及す影響の点で現在の紛争解決の前提       ︵王︶ にすぎないからその確認を求めることは迂遠であり許されないとされている。  株主総会決議不存在の訴はこのような意味で訴提起が許されるかが間題となる。  株主総会決議不存在という場合文字どうり会社の意思決定としての株主総会決議の過去における存否のみを目的と するものであるならば、民事訴訟の原則にしたがってこれは許されず、その決議の不存在の故に現在一定の法律関係 にあることもしくはないことを争うことが許されるにすぎず、株主総会決議の存否はかかる法律効果を招来するため の前提事実をなすにすぎないことになる。  すなわち、確認の訴の訴訟目的は、現在の権利もしくは法律関係であり、当事者間における即時確定の利益が制度 的核心をなし、過去における権利又は事実の存否に関する訴訟の意義は、それが現在及び将来の法律効果を導ぎ出す 点にあるのであって、過去における権利又は事実の不存在のみを現在の法律関係と切離して確認を求めることはでき     ︵2︶ ないのである。  したがって、株主総会の決議を争う訴訟を確認訴訟として構成するならば、必然的にそれら総会決議が不存在であ るが故に発生していない現在の法律関係又は権利の不存在の具体的確認でなければならず、現在の法律関係を発生又 は不発生ならしめた過去の事実たる株主総会決議を抽象的に主張し確認を求めることは許されないであろう。  株主総会決議不存在確認の訴において、実務上その例が多いとされるのは取締役・監査役の選解任をめぐる決議の    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      四七

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存否であり且つそれが商業登記の存在を前提として争われることが通例であるとされるが.このような場合において は以上の民事訴訟の原則にしたがって直接取締役の地位そのもの.商業登記の抹消そのものを争わせれば足りるので あって嘱株主総会の決議の存否を争わせること認める必要はない.  また幌株主総会の決議が存在しないことによって来る現在の個別的法律関係を包括的に確定するために.決議によ       ︵魂︶ って聡束せらるべき法律関係の現在における不存在という意味で決議不存在確認を求めることは確認訴訟の一般原則 によ囎で、許容されるが.そこで争われる権利又ぱ法律関係は抽象的にすぎ.誇求としての特定性を欠き民事訴訟法二 一西条に違反することになるのであろうし.仮りに筆、の適法性を認めたとしても既判力の客観的範闘をめぐって困難 な問題が生ずるであろうから.株主総会決議の不存在を直接の購的とする確認訴訟は許されないものと欝わざるを得 ない櫛  叙上の理由から.通常株主総会決議不存在確認の訴として許容されるのは.株式会社決議不存在によりもたらされ る現在の個別的具体的法律関係の確認を求める訴訟にのみ限られる.︸とになる。  しかしかかる形態においてのみ不存在を争いうるとすることは.団体的法律関係の解決方法としては妥当でもなけ れば実質的救済ともならない、通説判例が民事訴訟における確認訴訟の一般原則との理論的抵触をもいとわず決議不 存在確認訴訟を認めるのは、株式会社における法律関係の基礎をなす総会決議の存否を一律的抜本的に確定しておく 現実的要請が団体的法律関係の特質として存在していることに著目しているからほかならない。  そこで求められているのは株主総会の決議に由来する法律関係の一律的確定のために決議の存否及び存否に基づく

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効力の一般的確定である。このような形態の訴訟が確認訴訟として許されないとするならば、商法上の暇疵事由を形 成要件として株主総会の決議の効力につき判決により確定させる形式訴訟と解することによって民事訴訟における理 論的紙触を避けることができるであろう。かかる解釈はそれと同時に必然的に事実関係の尊重と法律関係の画一的確 定という団体法理念に則した解決をもたらすものであるから実質的な理由からも妥当と言い得るであろう。  そこで株主総会決議不存在の訴をこのような形成訴訟として理解することが現行法の解釈として許されるが検討さ れなければならないことになる。  まず問題となるのは、法律の定める諸々の効果を生み出すべき株主総会における意思決定をなす株主総会が不存在 である以上、意思そのものの不存在といわざるを得ず、そこからは法律上何等の効力を生ずるものではないから、実 体的法律関係として当初から何等の効力を発生せしめ得ないものとして確定しているので、取消のように取消権の行 使によってはじめて法律関係に変動を生ぜしめる場合と異るから、形成訴訟と構成するにはなじまない性質を有する のではないかとの疑問があることである。  しかし、実体法的な無効と取消との区別そのものが訴訟的に確認の訴・形成の訴を直接類別するものではない。実 体法上無効な法律関係についての訴訟上の救済も形成訴訟として行なわれているものもある。すなわち、設立無効の 訴・合併無効の訴・資本減少無効の訴の如く強行規定に違反して実体法上無効とされるにも拘らず、その訴訟上の救 済にあたっては形成訴訟の類型を与えられているものもある。  要するに訴訟の類型は必ずしも実体法上の無効・取消の規定に必然的に決定されるものではなく、それら法律関係    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      四九

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における紛争解決手段としての妥当性と暇疵の重要性によって立法上どのような訴の類型が予定されているかによっ て決せられるのである。決議不存在の訴が実質的理由からは形成訴訟として救済さるべき内容を有するものであるこ とは前述したとおりであるから.この訴が形成訴訟として許容しうるかは実定法上形成訴訟としての取扱いを許すと する何等かの根拠規定が存するか否かにかかってくる。  株主総会決議不存在の訴はその団体的法律関係であるという点では実質的に決議無効・取消の訴と対象を異にする ものではないから訴訟上同一の取扱をなすべき本質的要講を帯有しているものである、通説判例はかかる観点から決       ︵さ︶ 議不存在の訴には二五二条の訴を類推すべきものと解している。この通説的見解に従う限り決議不存在の訴の性質・ 効力は二五二条の訴の性質効力を如何に解するかによって決せられることになる、  しかし、還説が決議不存在確認の訴も商法上の手続規制に従うとする大枠において正しいが.それ故に直ちに二五 二条のみを類推しなければならないというように単純な間題ではない、  通説が不存在の訴につぎ二五二条を類推すべしとするのは、存在しない総会決議からは何等の効力も生じないとい う意味で実体法的に無効である一場合にすぎず、決議内容が法令定款に違反して無効となる場合と異るところがない という点にその根拠を求めているようであるが、実体法的な無効の主張が直ちに訴訟的に無効確認訴訟の類型に帰結 するものでないことは設立無効の訴等に関する前述の点からも明らかであろう。のみならず実質的には無効も取消も       ︵6︶ 理疵ある行為の失効という本質的効果において異ならず.形式主義の立場からしても決議不存在の訴は決議手続の形       ︵7︶ 式的鍛疵が極限に達したものとも解されるから、決議不存在の訴については、二五二条のみならず二四七条の類推適

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用を考慮することも不可能ではないのである。本来かかる実体法的効果の主張を訴訟上如何なる訴の類型によらしめ るかは、当該法律関係の特質に従って政策的に決定し立法的に解決を与え、明確な実定的規定を設けるべきものであ るQ  しかし現行商法は決議不存在の訴についてのみかかる規定を欠いているから、団体的法律関係の特質を考慮しつつ 訴訟法理論の原則に従って実定法上の類推適用によって解決さるべぎことになる。したがって、前述した如く、基礎 的法律関係の同一性、訴訟法上の理論訴の効果が及ぼす団体的法律関係への影響などからすれば株主総会決議不存在 の訴については形成の訴たる類型を与えている規定を類推適用すべきことになるが、株主総会決議無効の訴における 説明との重複を避けるために結論を単的に示せば、株主総会決議取消の訴のみならず決議無効の訴もまた形成訴訟た る性質を有するものと解されるから、株主総会決議不存在の訴には、商法二四七条、同二五二条を統一的に理解した 上でこの両規定を類推適用すべきものと解するのである。 ︵1︶ 兼子︷﹁民事訴訟法体系﹂一五六頁    ヘルヴィッヒは既判力の本質上権利関係の現在における存在若しくは不存在についてのみ確認訴訟を提起しうるので   あり、或る権利関係が過去において存在したこと又は存在しなかったことについては確認の訴は許されないとする。こ   のような兇解はシェンケにも引き継がれている。    毘Φご≦蒔︶図︸卜霧罎琴び¢p儀鉱ゆσqo冨o窪︸お09 9駆Oど群ま価    ωoげα巳︷9︾︸い①げ目び鶴αゲ山ΦωN勺○リコΦ︾&ド お㎝ピ ψ 一お◎ 株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      五一

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︵2︶ 申村宗雄﹁昭和三十一年私法学会シンポジウム発書﹂私法十八号一五∼一六頁    拶o器筈驚雛びo㌶欝魯瓢霧︵紅無6 。魯窪N唱ρ“審︾燦ぬ一霧9も ○辱G o8”    鷺帥㌶り 簿○ダ贈蕊ユ畷触霧。 験窪幻gぼ・お鱗Pも 〇一欝“    即時確定の利益について我国では中村教授が明らかとするほかは通説的見解において明確ではないが.判例上は早く   も大正二年﹁決議の無効を判決により即時に確定するに付直接に権利上の利益を有するを以ってし株主総会決議無効の   確定を求める訴は適法であるとする箆解が示されている︵大判大一∵六烹一八畏録一九・菰三〇▽。 ︵隷︶ 坂井芳雄﹁株主総会渓議不存在確認の訴は諮されゐか篇判例虜イムス璽一号慧、七頁、    このよ藤な現象かむ確認の訴としての鄭時確定の利益を商業登記の存在に求める立場もあるが︵鴻常夫ジ講導スト判   例蘇選一〇七.昭和瓢   .・       、魑であろ骸.   何故ならば後述跨ように決議を争鉢訴の既判力は薩接登記・選任等総は及ばないからである。 ︵4︶ 矯本朗造﹁株主総会の決議無効の訴し斑事訴訟法論文集九九五頁以下麟旨東京地判昭三一・九土一八・下罠集七・九   晒二ふハふハ七 貝 ︵5︶ 大隅健輔郎﹁全訂会社法論中し五八頁.小町谷操三     ご二八閥頁 ︵6︶ 無効と取消の原囚をどのように区瑚すべぎかは法政策上の閲題であり.立法によりどのようにでも定めることができ   る。無効とするか取消とするかは政策的決定の問題に帰するとする立場は田中︵耕︶博士、石井教授等によって表明さ   れている︵照中耕太郎﹁改訂会社法下し三七五頁.石井照久株式会社法講座三巻九四五頁︶これらはドイッ株式法にお   いてヒ講ック.フぜッシャーミ講レル・エルバッハ等の説く所であるとする︵石井照久﹁株主総会決議の蝦疵に法学協   会雑誌五一巻三号三〇頁︶. ︵7︶ 決議不存在とされる場合の範囲として.形式的手続の暇疵とも考えうる権限なぎものの招集した総会の決議、招集通   嫌洩れが著しい場舎などが決議取消の訴ではなく、決議不存在の訴で争うべぎものとしている通説判例の結論としてこ   のように解することもあながち無理ではない。同旨西原寛一﹁株主総会決議不存在確調の訴の特質﹂ジ訊リスト法学教

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室三号五九頁

六 株主総会決議無効の訴・株主総会決議取消の訴

 通説は、株主総会決議無効の訴と株主総会決議取消の訴について両者を峻別し、前者は当然かつ絶対的無効な決議 の確認の訴たる性質を有するものであり、実体法上無効な行為の主張はこれを必ずしも訴にょることを要しないので あるが訴による場合には無効判決の効力を画一的に確定せしめる必要上特別の手続と判決の対世的効力を認めたにす     ︵2︶ ぎないとし、決議の澱疵を争うためには必ず訴にょることを要し、そのような毅疵ある決議も判決があるまでは一応 有効であり判決によってはじめて決議の効力を失わしめる形成の訴としての株主総会決議取消の訴との間に重要な差 異を認めている。  しかしこのように両訴の間に本質的差異を認めることが妥当であろうか。  株主総会決議無効の訴においてもその取消の訴においても争の基盤をなしている法律関係は、株主総会における決 議及びその効果という同一の団体的法律関係であり、そこに形成された法律関係に関する紛争解決のためには、同じ ような社会的要請・法律的配慮がなされなければならないのである。  通説は、商法二五二条の事由にあたる場合は決議内容が法令定款の強行規定に違反して当然無効なのであるから、 かかる無効主張は何時いかなる方法でも何人も主張しうる性質のものであるから、たとえそれが訴によって主張され    株主総会決議の蝦疵を争う討訟について       五三

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   東洋法学       五四 たとしても、たまたま裁判上かかる無効が確認されたにすぎず、商法上特別の手続的制的があったとしても確認訴訟 たる本質を失う程のものではないと解しているが、それならば二五二条が一〇九条を準用してかかる判決に対世的効 力を認めていることと調和しない嚇  そもそも実体法上の無効取消の区別は.石井教授が早くから指摘しているようにその行為の効果なきことの主張に つぎ何人がイ・ ・圃シャティブを留保するか撫いう点においてのみ本質的差異があるにすぎず.無効の効力発生時期・暇        ︵露︶ 疵原因は政策的決定の結論にすぎないのである、このことは.民法上錯誤・詐欺・強迫・無能力・契約の解除等をめ ぐ蜂必ずしも無効・取消につき本質的差異を認め難/、それは立法政策により決せられたものということがでぎるであ ろうし.法律効果の失効による遡反効の範囲もそれぞれ立法政策的に異る取扱いをしていることからも明らかである。  更に.前述した如く.実体法上の無効取消が訴訟法上無効確認訴訟及び形成訴訟としての取消訴訟に必然的に結び つくものではない、  すなわち.実定法上無効とされる法律関係においても訴訟上形成訴訟に服せしめ猟、れるものとして設立無効・合併 無効の訴など会社法上の訴のみならず.婚姻無効の訴など身分法上の訴についても広く認められ、逆に実体法上取消 しうる暇疵ある法律関係においても取消権の行使を裁判上なすことを要するものは多くないから.実体法上これを行 使した場合には、その取消後の法律関係の確認を求めれば足りをから確認訴訟となることもあるのである。したがっ て決議の暇疵が無効事由とされるか.取消事由とされるかの実体法的規定により直接その暇疵を争う訴訟の類型が無 効確認訴訟あるいは形成訴訟と必然的に決定されるものではないということができる。

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 むしろ第一には実定法によりどのような訴訟類型及び訴訟の効果を与えられているかにより、第二に実質に無効取 消により変動を生ずる法律関係における多数当事者の諸利益の調和的解決という観点から訴の類型効力を論定すべき ことになる。  株主総会決議無効の訴について商法は二五二条に一力条を置き無効原因を規定すると同時に八八条、一〇五条三項 四項、一〇九条、二四九条、二五〇条の規定を準用し右訴に専属管轄を定め、訴の併合を要求すると共に訴が提起さ れた場合の会社の公告義務を定め、それら判決に対世的効力を認めると共に訴提起者の担保提供及び会社の登記義務 を認めている。  このようにして二五二条が株主総会決議無効の訴に専属管轄を定め訴の併合や会社の公告義務を認めたのは、この 訴が判決の画一的確定の必要から類似必要的共同訴訟の形態を採るべきことを予定し、その結果として判決に対世的 効力が生ずるとなす。このように株主総会決議無効の訴につき類似必要的共同訴訟形態を認めたことは法律関係の処 理の必要から形成訴訟を予定したものと推測されるし、その判決が民事訴訟法上原則を超えて第三者にも及ぶとして いるのは、無効訴訟における紛争基盤たる団体的法律関係において法的安定性と画一的確定の必要が政策的考慮とし て実定法上認証されたものと解することができる。  次に、実質的理由として決議の毅疵が手続にあるか、その内容にあるかによって救済を異にすべきか否かである が、前述のとおり暇疵の実質的重要性はかかる形式的区別によって類別しうるものではないし、その暇疵が争われる ことによってもたらされる法律関係の安定性・画一的確定の要請は鍛疵が手続にあるか或いは内容にあかによって左    株主総合決議の蝦疵を争う訴訟について      五五

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右されるものではなく等質的な比重を有して存在するのである。  このように解するならば.決議無効の訴と決議取消の訴との間に差別的取扱をなすべきではなく、両者を株主総会 の決議を争う訴訟として統一的に理解することが必要となる。  そもそも決議無効の訴においても.決議取消の訴においても.講求を認容する判決によって確定される法律関係 は.決議の効力がないという点についてのみであり.決議を要件として成立し.決議を要件として行なわれた行為に 右判決の効力が直接及ぶものでないことは.講求と攻撃防禦方法の段階構造から当然である.  実体法的には株主総会の決議を要件としで、形成された法律関係たる役員の地位又はそれらの業務執行は決議が無効 とされる以上その地位効力は覆滅せざるを得ないであろうが.訴訟上総会決議無効・取消の訴の講求認容判決の効力 は総会決議の失効を確定するにとどまり役員の地位やその執行行為に楽で効力を拡張するものではない。決議を争う 訴はこれら具体的法律効果の前提となるべき総会決議の効力なぎことを統一的対世的に確定するという機能を営むに       ︵魂︶ すぎないのである。それら訴はいずれも決議を前提として形成された法律関係においてその基盤をなす株主総会の決 議の失効を統一的に確定することにより決議を要件とする諸法律関係が同一又は別訴で間題となっ場合に判断の矛盾 衝突を避けるため当該訴訟における前提事項となる総会の決議に既判力を及ぼしこれを確定しておくことに本来的意 義が認められるのである。  この両訴の機能が異るとすれば、通説の如く無効の訴を確認訴訟とし.取消の訴を形成訴訟と解したとき取消の訴 においてはその判決が確定するまでは決議は一応有効なものとして取扱われるが.無効の訴においてはかかる取扱が

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なされないという点にある。しかし団体的法律関係において後者のように取扱うことは如何に法律関係の混乱不安定 をもたらすかは前述したとおりであり、取消の訴においても無効の訴においても、判決の効力の不遡及を規定する商 法二〇条を準用していないため、それまで一応有効として取扱われてきた取消事由たる暇疵ある決議も判決により 決議の時に遡って効力を失うことになるため結果的には両者にその効果について本質的な差異がなくなるのである。  このように訴訟手続上共に類似必要的共同訴訟とされ、判決の効力が第三者に画一的に及び結果的には決議の時に 遡って決議が失効するとされるので、両訴における効力の差異は判決確定までの既成事実が一応有効として取扱われ       ︵5︶ るか否かの一点にかかることになるが、無効の訴についてもこれを訴によってのみ主張すべしとする近時の有力説か らは無効の訴における判決確定前の無効事由の私法上の主張は形式的なものにとどまり実質的効果を伴わない無意味 なものに帰し、両者の差異は払拭されることになる。  以上の理由により、結局決議無効の訴といい、決議取消の訴といっても、株主総会の決議に鍛疵あることを理由と して裁判による決議の効力否定の宣言を求める同性質の訴であり、決議の毅疵事由たる決議内容の法令定款違反・決 議手続の法令定款違反は決議を失効せしめる要件事実としての攻撃防禦方法をなすにすぎないということができる。  かく解するときは、商法二四七条について通説がとっている如くに商法二五二条の訴をも形成訴訟と解すべきであ る。無効の訴と取消の訴が別個に規定されたのは前述したような沿革的理由のほかには、決議の効力否定宣言を招来 すべぎ攻撃防禦方法としての毅疵事由を形式的に明示するための技術的方法であり、毅疵事由が外形的に明確である 手続に存する場合には訴提起に除斥期間を設けかつ訴提起権者を限定することによって法律関係の早期確定を図るこ    株主総会決議の暇疵を争う訴訟について      五七

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    東洋法学      五八 とを意図したものと解される。  このような差異も結果的には請求認容判決の対世的効力によって解消されることになるから実際上の差異は極めて 少ないのである。 ︵翫︶ ︵黙︶ ︵韓︶ ︵蔭︶ ︵5︶ ︵藝︶ 鈴木竹雄﹁会社法﹂ご一〇頁、大隅健一郎﹁全訂会社法論申し七一頁.小町谷操三﹁商法講義ご二八薫頁.  ここで教授はかかる見解はドイッではサヴィ論ー以来承認されているものであるときれる、  株主総会淡議無効の訴は類似必要的共縄訴訟によ恐とする︵兼子唖﹁驚事訴訟法体系﹂三八五頁︶. 慧し商法鳳五二 条が八八条. 一    一〇九条を準用していることか勝蟻然であろう.  坂井芳雄﹁株主総会の決議を蕪的とする訴の性質﹂会社と訴訟︵上▽三〇二頁、篶灌磯一﹁決議を争う訴訟の訴訟 物臨民事訴訟雑誌十一号二〇三頁以下.  鈴木竹雄﹁会祉法﹂二一三頁.繭原寛一﹁会社法﹂二四八頁.石井照久﹁昭和三十一年私法学会シンポジウム発書﹂ 私法十八号一三頁、億し教授は公序良俗、違反などのように法律上無意味なものは訴によるまでもないとの留保をつけ ている。  坂井前掲二七七頁.松翫前掲二〇六.二〇八頁.西原寛一﹁株主総会決議不存在確認の訴の特質﹂ジ嵩リスト法学教 室五号六〇頁。 石井照久﹁株主総会決議の瑕疵﹂法学協会雑誌五一巻二号一五〇頁

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七 結 鰯こ 口P  以上のように株主総会決議無効・取消の訴を統一的に株主総会決議の効力否定宣言を求める形成訴訟と解すると き、株主総会決議不存在の訴も同様に形成訴訟と解されることになり、本来この訴には無効の訴及び取消の訴の両規 定を共に包括的に類推適用すべきであるが、明文を以って出訴期間及び訴提起権者を限定していない無効の訴が存在 する以上不存在の訴においても暇疵を争う者に不利益を明文に基づかずに負わせることは許されないから不存在の訴 においては二四七条一項の訴提起権者の制限、二四八条の訴提起期間の限定に関する規定は類推適用されないものと 解するのが妥当である。  したがって、株主総会の決議を争う訴は、不存在の訴といい無効といいあるいは取消の訴と言っても当該決議の効 力否定宣言を求める形成訴訟であって、これらの主張は暇疵事由をいずれに求めるかという手段的差異にとどまるの である。かくしていずれの訴においても争われている株主総会の決議が同一である限り、訴訟物は同一となり、これ ら各訴の間においては裁判や弁論の併合、訴の変更が相互に可能となり、決議は請求認容判決があるまでは一応有効 と取扱われ・決議の効力否定宣言をなす判決により決議の時に遡って失効し、その人的範囲も当該訴訟における当事 者間にとどまらず一般第三者にも及ぽしめられるのである。  このように株主総会の決議を争う訴を統一的に把握してこれを形成訴訟と理解することによって、株式会社という    株主総会決議の蝦疵を争う訴訟について      五九

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   東洋法学      六〇

多数人を構成員として段階的重層的に行為が展開される団体的法律関係を妥当に解決しうるのであり、このような理 解は.商法の沿革に照らしても決議取消の訴が確認訴訟から形成訴訟に再構成され、決議無効の訴についても団体的 法理にょる取扱が漸次承認されかつ立法化されてきていることなど嘱かかる訴が形成訴訟として取扱わるべき将来の 方向を示しているということがでぎよう。しかし最終的にはこれら訴につき明確な規定を設けることによって立法的 に解決することが望ましい形である.立法の方向としては、これら三種の訴を統一化して実質主義の立場から畷疵事 由を法定すべぎであ摯.窯た団体的法律関係の特質を考慮した上訴訟によってのみその蝦疵を争い得.判決の効力嫁 第三考にも画一的に及ぶことにつぎ明文の規定を設けると共に.判決の遡及効についても殺疵事由によ9ヅ、はこれを 制限する規定を設けるのが妥当であると考え賜れる.        ︵本学助手︶

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