第 三 学 年 総 合 的 な 学 習 時 間 の 指 導 案 ( 国 際 理 解 ・ 英 語 活 動 )
平成16年11月10日(水)5校時 沖縄市立 美東小学校 3年3組 男子16名 女子15名 計31名 授業者 NAT 名城 尚人 印 共同研究者 伊佐 和美 印 山内 信子 印 真鶴 かおり 印 1 単元名 「英語で遊ぼう」 2 学年が目指す児童像 本校の研究テーマは「自ら学び、生き生きと学習に取り組む児童の育成」でありサブテ ーマとして「コミュニケーション能力を育成する指導の工夫」を掲げている。本学年では、 各教科・領域においてサブテーマである「コミュニケーション能力」の育成に力を入れて おり、本単元では、「夢・にぬふぁ星プラン」に示されている「コミュニケーション能力」 の中の「日本人同士はもとより外国人とも分け隔てなく接することができる人間関係づく りの能力や伝えあう力などの人と人とを結ぶコミュニケーション能力」の育成を目指す。 3 単元について (1)単元の目標 ① 自分から進んで外国人とコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。 ② 楽しみながら英語を学ぼうとする意欲を育てる。 ③ 簡単なコミュニケーションができる程度の英会話能力を育てる。 (2)単元設定の理由 ① 教材観 学習指導要領総則に、「総合的な学習の時間」の内容について次の記述がある。 各学校においては,2に示すねらいを踏まえ,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの 横断的・総合的な課題,児童の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などに ついて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。横断的・総合的な課題の例示として第一に挙げられているのが「国際理解」である。そ して、「国際理解」教育において、現在最も必要とされているのが外国語教育である。 外国語は英語だけではない。しかし、数ある外国語の中で、英語は世界で最も広く通用 する言語であり、国際社会の中での交流も英語でなされる。ゆえに、これからさらなる日 本の情報国際化社会を考えると、英語は、21世紀を生きる子供たちが身に付けなければ ならない「基礎的な学力」なのである。しかし、子供たちが英語学習を苦にする活動は避 けるべきである。学習指導要領においても、次の配慮事項が示されている。 国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは,学校の実態等に応じ,児童が 外国語に触れたり,外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校段階にふさわしい体 験的な学習が行われるようにすること。 これらのことを踏まえた上で、これからの国際情報化社会に対応できる児童の育成を考 え、児童が楽しく英語を学べる学習活動として、「英語であそぼう」という単元を設定した。 ② 指導観 本学年では、5月よりNAT を活用した英語活動「英語であそぼう」を月2回程度、 継続してきた。NAT の発音に触れながら児童の「聞く力・話す力」、「興味・感心」 は少しずつ高まってきている。 しかし、未だ英語やNAT に対する抵抗感があり、英語でコミュニケートすること の楽しさを十分に体感させることができてはいない。 そこで、9月から始めている単元では、「会話」「ゲーム」「歌」という三つの活動を 授業におけるメインセットとして、何よりもまず、英語でコミュニケートすること の楽しさを体感させることを基本方針とした。5月当初から、学級担任とNAT によ る英語の授業を模索してきた『英語で遊ぼう』であるが、NATの積極的なボラン ティア参加により多くの児童が一人ひとり英語に直接触れることができる様になっ た。NAT ボランティアには、こちらの作成した計画にしたがった指導内容で、日本 語なしのAll English で授業をしてくれるよう依頼した。ネイティブの英語を多く聞 き、NATと自然な対話をすることが、子供たちのコミュニケーション能力を伸ば すに違いないと考えたからである。 前時までに9単位時間程度を実施してきたが、「英語であそぼう」は子供たちに概ね 好評であり、ほとんどの子供が英語学習に「楽しさ」を感じている。
③ 児童観 本クラスは、男子16名、女子15名、計31名のクラスである。 男子は元気で明るく女子はおとなしい子が多い。 10月15日(金)実施のアンケート(31人回答)で次の結果が出た。 ア 英語を話せるようになりたいですか? はい(30人)・いいえ(1人) イ アで答えた理由は何ですか? ○英語がわかると楽しい。 ○後で必要になるから。 ○外国の人と友達になれるから。 ○外国に行ったとき話せないと困るから。 ●必要ないから。 ウ 英語の勉強は好きですか? はい(29人)・いいえ(0人)・どちらでもない(2人) エ それはなぜですか? 英語が話せると楽しいから。 ○ ゲームが楽しい。 ○ おもしろい。 ○ 英語がわかるようになるから。 ● むずかしいから。 オ 外国の人に会ったら、元気よく挨拶ができますか? はい(25人)・いいえ(6人)・ 英語で話せるようになりたいけれど、英語で話しかけられると困るという子どもたち が多くいる。その理由として、英語に対しての苦手意識や、外国の人と接する経験が少 ないこと、間違ったら恥ずかしいと思ってしまうことなどが考えられる。また、「単に
楽しい」といった漠然とした理由から英語を勉強したいと思っている子どもが多い。そ こでNAT とのふれあいやゲームや歌やチャンツなどの活動を取り入れることにより、他 文化の外国の人とコミュニケートする楽しさや英語に対する抵抗を少なくしたい。そし て、それを通して他人とのかかわりを持つことによろこびを感じるように指導していき たい。 (3)単元指導の構想 ① 小学校英語の指導原則 「英語でコミュニケートすることの楽しさを体感させる」 この基本方針をもとに多くの書籍、雑誌、ネットから情報を集め次の5つの指導原 則を取り入れた。 ① 学校英語では、単語を多くおぼえることよりも、「ああ、楽しかった」という児童の声を たいせつにする。 ② 正確な文法をおぼえることよりも、「まちがいを気にしないで話すこと」を大切にする。 ③ 文字はなるべく書かずに聞いたり話したりする音声を大切にする。 ④ 担任が一方的に説明するのではなく、児童とNAT、児童と児童のコミュニケーション活 動を大切にする。 ⑤ 「できた・できない」の到達度で評価するより児童が体験すること、そのこと自体を大切 にする。 ② 指導計画作成上の工夫 小学校における英語活動では指導内容が定められていない。そこで、書籍、雑誌、 ネット上から先行実践を集め、指導内容を抽出した。さらに、3年生という発達段階 を考慮した上で、指導内容を絞り込み、無理のないように配列して指導計画を作成し た。作成上、工夫した点は以下の通りである。 ア 単位を45分とした23単位時間の実践を行う。 イ 活動はそれぞれ「遊ぶ」「歌う」「会話する」とする(ただし、その順序は授 業によって変わる)。 ウ 全23単位時間を難易度別の2つの段階に分ける。 指導内容「アルファベット」「簡単なあいさつ」「身の回りの名詞」 「基本的な動詞」「簡単な会話」
エ 上記の各段階を、少しずつレベルアップしながら繰り返し学習できるようにする。 4 指導計画 (1)単元計画 時
1段階
時2段階
1
あいさつをしよう はえたたきゲーム 名刺交換ゲーム 2 あいさつをしよう アルファベット大文字 ABCの歌3
色や数字の名前に親しもう 色鬼ゲーム 色ぬり遊び One One One の歌4 色と数の名前に親しもう 1∼20の数字 色探しゲーム カラービンゴゲーム
5
動物の名前に親しもう アニマルビンゴ One One の歌 アニマルバスケット 6 動物の名前に親しもう はえたたきゲーム 魚つりゲーム Show Time7
果物の名前に親しもう かるた取り ホーキーポーキーを踊る 8 果物の名前を覚えよう 果物の名前 フルーツバスケット NATとの会話 カード取りゲーム 10 本時 英語のリズムに親しもう 何が好き。 色の種類(復習)9
やおやさんごっこをしよう やおやさんごっこ 11 野菜の名前に親しもう はえたたきゲーム 伝言ゲーム 12 スポーツの名前に親しもう スポーツインタビュー スポーツ当てゲーム スポーツかるた 13 スポーツの名前に慣れ親しもう スポーツビンゴ スポーツクイズ カード取りゲーム 14 文房具を覚えよう。 文房具屋さんごっこ 15 お菓子屋さんで買い物をしよう グループでお店屋さんごっこの練習 16 クリスマス飾りの名前に親しも う クリスマス飾りの色塗り遊び サンタ服着せゲーム 17 クリスマス飾りの言い方に慣れよう クリスマスグッズビンゴ クリスマス飾り Silent Night 18 顔や体の名前に親しもう 顔の名前当てゲーム 体の名前当てゲーム 福笑いゲーム 19 顔や体の言い方に親しもう 福笑い 体の名前 メイクアップゲーム かるた取り すごろく20 動作を表す言い方に親しもう ジェスチャーゲーム Are You Sleeping? の歌
21 何をもっているの? インタビューゲーム もっているもの当てゲーム 22 いろいろなゲームをしよう すごろくゲーム ミスターウルフゲーム 23 いろいろなゲームをしよう 宝さがしゲーム かるた取り カード取りゲーム (2) 単元の観点別評価基準 総合的な学習の時間における英語活動・国際理解の評価基準は、これまで明確に示され ていない為、多くの書籍・教育雑誌・ネット上から情報を集め、これに学年での意見や 考えを集約し、本学年独自のものを作成した。 ① 目標の設定 ア 小学校英語活動の目標から 国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは,学校の実態 等に応じ,児童が外国語に触れたり,外国の生活や文化などに慣れ親しんだりす るなど小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること(小学校 学習指導要領 総則編 第3章) 上記の記述から,小学校の英語活動における具体的な目標は,次の2点に集約され ると考えられる。 ・ 英語の音や表現に慣れ親しむとともに,いろいろな人と積極的にかかわ ろうとする態度を育てるようにすること(コミュニケーションへの関心・意 欲・態度) ・ 日本や外国の生活・文化・習慣などに触れ,そのよさを味わうとともに、それ らを尊重しようとすること(異文化・自国文化に対する関心・意欲・態度) ② 内容の設定(国際理解・英語活動) ア 様々なゲームや活動を通して英語の音に慣れ親しみ,進んでコミュニケーシ ョンを図ろうとする態度を養う。
イ NAT をはじめとした外国の人との交流を通して,異文化に触れ,その国の文 化を理解し,尊重しようとする態度を養う。 ウ 地域の行事等に参加することを通して,地域の文化を再認識し,それを継承 していこうとする態度を養う。 ③ 評価の観点の設定 ア 教課審答申による例示 ・ 総合的な学習の時間のねらいを踏まえたもの。 ・ 教科との関連を明確にしたもの。 ・ 本校の定める目標や内容を重視したもの。 ④ 英語活動における評価の観点の構想 上記の目標から英語活動の評価の観点を次の2点として考える。 (1)コミュニケーション能力(コミュニケーションへの関心・意欲・態度) (2)文化理解の能力(異文化・自国文化尊重の態度) 評価の観点 コミュニケーション能力 文化理解の能力 観点の趣旨 NAT との英語活動やとの交流 を通して,コミュニケーションの 楽しさを知り,他人の考えを聞い て分かろうとするとともに,言葉 やジェスチャーで自分の意思を 伝えようとする。 NAT の文化や自然に関心をもち, 様々な人・物・ことに進んでかかわろ うとするとともに,自分の身近な生活 の中で似ていること,異なることなど に気づくことができる。 評価の方法 ① 観察によるもの。 ・ 表情や動作 ・ 発言やつぶやき ・ 活動やゲームへの参加 の様子 ② 振り返りカード ③ 子どもへのアンケート ④ 感想や作文、日記 ① 観察によるもの。 ・ 活動への取組の様子 ・ 課題追究の様子 ② 感想や作文、日記 ③ 作品などのポートフォリオ 単元の目標 児童に付けさせたい力,取り扱う題材,英語活動経験などを基に,担任
が設定する。 単元の評価規準 単元の目標,活動などを基に,単元ごとに設定する。 5 本時の活動 (1) 活動名 「英語であそぼう」∼英語のリズムに親しもう∼ (2) 本時の目標 ① NAT とのコミュニケーションを通して英語活動を楽しむ。 ② 「リズムチャンツ」を通して英語のリズムに慣れる。 (3) 本時の具体的評価規準 ① 活動や交流を通してNAT に積極的にかかわろうとすることができたか。 (コミュニケーション能力)。 ② NAT や友達の言っていることをよく聞き,どんなことを言っているのか大ま かな内容を理解しようとすることができたか。(コミュニケーション能力) ③ 英語活動や交流活動の中から自国との文化の違いに気付くことができたか。 {英語のリズムと日本語の違いに気づく} (文化理解の能力)。 (4) 本時の学習内容に対する児童の実態 今回の研究授業において初めて「リズムチャンツ」を取り入れた。「リズムチャン ツ」は英語のリズムを学ぶのに最適な素材の一つであると思われるが、毎回変わる NAT において「リズムチャンツ」を授業の流れに取り入れることは難しく、今回の授業は 年間計画外の独自のものとして実験的に取り入れた。児童も NAT による「リズムチャ ンツ」は初めての経験である。 (5) 授業仮説 授業の展開の場において、NAT とのコミュニケーションや「リズムチャンツ」、「ゲ ーム」を楽しむことにより英語のリズムを体感したり、英語でコミュニケートする 意欲を高めることができるであろう。
(6) 展開
What color do you like?
(何色が好きですか)
時間
学
習 活 動
☆
留意点 ● 準備する物
導入 10 分 〈 WARM-UP 〉(歌)「ハローソング」 1. あいさつをする。(自己紹介)Good afternoon, boys & girls. Good afternoon, Mr. ∼. How are you today?
I'm fine, thank you. And you? I'm great, thank you.
2.単語練習をする。
white, pink, orange, purple, red, green, brown, blue, gray, yellow, black, skyblue.
3.♪color song♪を歌う。 ☆ 児童と一緒に NATを温かく迎える。 ☆ 児童は相手を見るように言葉かけをす る。 みなさん、おはようございます。 ∼先生、おはようございます。 今日はお元気ですか。 ありがとうございます。元気です。 それであなたはお元気ですか。 ありがとう。元気です。 ●絵カード 色の名前 ☆ 絵カードを見て、色を確認しながら発音す る。 ・児童は NAT の発音をよく聞き、それに倣って 発音する。 ・児童全員で繰り返し練習する。 ● CD♪ カラーソング♪ DiscTrack 1 ☆ CDは、担任が準備し、操作する。 展開 30 分 4.会話表現を練習する。 ①
A: What color is this? B: It's (red). ②
A: What color do you like? B: I like( red). 5,”Clap game”をする。 ☆ NATの発音をよく聞き、単語の練習を する。 A:この色は何ですか。 B:これは(赤)です。 ☆( )には色の名が入る。 ☆チャンツによるリズムをつける。 A:あなたは何色が好きですか。 B:私は(赤)が好きです。 ☆( )には色の名が入る。 ☆ 児童は今日のターゲットを知る。 ●色カード
「ルール」
1,5∼7人のグループで輪になる。 2,それぞれ色カードを首からさげる。
み ん な で 手 を た た き な が ら “What color do you like?”と言う。(4拍子の リズムで)
What color do you like? ♪ ♪ ♪ ♪ 3,鬼がリズムに合わせてこう答える。 I like (red)and(black). ♪ ♪ ♪ ♪ 4,2回目に言われた色のカードを持つ 人が次の色を言う。 I like (blue)and(pink). ♪ ♪ ♪ ♪ 3,4をくり返す。間違えがえなかった 人の勝ち。
6,”Touch color game”をする。 《ゲームのルール》 ・教師はカードを見せて、"What color is this?" と尋ねる。 ・児童は、"It's ∼ ." と答える。 ・教師は、"touch something ∼ ."とその色 にタッチするように指示する。 ・児童は、5 秒以内に教室内の指示された色 にタッチする。 ☆ゲームの説明をする。 ☆うまく答えられたらしっかり誉める。 どうすればいいか分からない児童がいた ら、そばについて支援する。 ☆ゲームの説明をする。 ☆どうすればいいか分からない児童がいた ら、そばについて支援する。 頑張った児童をみんなで拍手して誉める。 ま と め 5分 〈 CONSOLIDATION 〉 7.まとめをする。(復習、感想等) 7.あいさつをする。
T: That’s all for today. See you next time. C: See you next time.
☆ 次時の意欲を持たせる。
(7) 個に応じた指導の工夫 ① 指導方法の面から NAT にできるだけ多く参加してもらい、すべての児童が十分にコミュニケート できる機会をもうけた。また、NAT にはおとなしい児童にも積極的に声かけして もらえるよう依頼した。 ② 学習集団の面から 学習集団母体としては、2人の児童が英会話を習っているが、英語力にほとんど 差はなく、共通の課題での授業にほとんど問題はない。またHRT と NAT の指導 上の役割は、NAT の経験・資質等で変える場合が多く柔軟な対応が必要である。 (8) 校内研修テーマとの関連性 本校の研修テーマは「自ら学び、生き生きと学習に取り組む児童の育成」であ りサブテーマとして「コミュニケーション能力を育成する指導の工夫」を掲げて いる。 本単元「英語で遊ぼう」では、「英語でコミュニケートすることの楽しさを体感 させる」という基本方針をもとに、「日本人同士はもとより外国人とも分け隔てな く接することができる人間関係づくりの能力や伝えあう力などの人と人とを結ぶ コミュニケーション能力」の育成を目指しており、多くの場合初対面であるNAT との交流である本単元は、サブテーマに準じている。