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北海道教育大学附属学校第三者評価報告書

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Academic year: 2018

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はじめに ··· 1

第三者評価委員会開催要項 ··· 2

第三者評価委員会出席者一覧 ··· 3

附属学校室の取組 ··· 4

第三者評価委員会議事要旨 ··· 9

第三者評価委員の講評 ··· 26

【関連資料】 資料 1 学校評価報告書 ··· 33

資料 2 「小中一貫教育推進事業」実施報告書 ··· 55

資料 3 「附属学校園存続のための特色化にかかわる事業」実施報告書 ··· 62

資料 4 研究開発学校実施報告書 ··· 78

(3)

は じ め に

副学長 大 津 和 子

北 海 道 教 育 大 学 で は 、 こ の 度 、 附 属 学 校 園 の 第 三 者 評 価 を 実 施 い た し ま し た 。 平 成 24年 度 に 実 施 し た「 附 属 学 校 園 の 今 後 の 在 り 方 に 関 す る 有 識 者 会 議 」の 提 言 に も と づ

き 、 附 属 学 校 改 革 を 着 実 に 進 め て い く た め で す 。

本 報 告 書 は 、 附 属 学 校 園 に か か る 自 己 評 価 ・ 学 校 関 係 者 評 価 、 及 び 平 成 26 年 2 月 28日 に 開 催 さ れ た 11附 属 学 校 園 成 果 交 流 会 及 び 第 三 者 評 価 委 員 会 に お け る 評 価 委 員

の 講 評 等 を ま と め た も の で す 。

近 年 、 国 立 大 学 附 属 学 校 園 に 関 し て は 、 そ の 在 り 方 が 全 国 的 に 問 わ れ て お り 、 文 部

科 学 省 の「 国 立 大 学 附 属 学 校 園 の 新 た な 活 用 方 策 等 に 関 す る 検 討 と と り ま と め 」( 平 成 21年3月 ) に は 、 附 属 学 校 の 現 状 と 課 題 が 記 さ れ ま し た 。

こ れ を 受 け て 、 北 海 道 教 育 大 学 で は 「 附 属 学 校 園 在 り 方 検 討 委 員 会 」 を 立 ち 上 げ て

議 論 を 重 ね 、「 北 海 道 教 育 大 学 附 属 学 校 園 の 在 り 方 に 関 す る 提 言 ― 大 学 と 附 属 学 校 園 が

一 体 と な っ た 教 育 、 研 究 を 目 指 し て - 」( 平 成 23年 1月 ) を ま と め ま し た 。

あ わ せ て 、北 海 道 教 育 大 学 第 二 期 中 期 目 標( 平 成 22-27年 度 )に 、「 大 学 の 基 本 的

な 目 標 」と し て 、「 大 学 と 一 体 と な っ た 附 属 学 校 の 運 営 を 推 進 し 、学 生 の 教 育 研 究 の 場

と し て 積 極 的 に 活 用 す る と と も に 、 先 導 的 ・ 実 験 的 な 教 育 研 究 を 実 現 す る 」 と 明 記 し

ま し た 。 こ う し た 流 れ の 中 で 、 前 述 の 「 有 識 者 会 議 」 に お い て 、 外 部 の 委 員 に よ り 北

海 道 教 育 大 学 附 属 学 校 園 の 今 後 の 在 り 方 を 検 討 し て い た だ い た と い う 経 緯 が あ り ま す 。

今 回 、第 三 者 評 価 を 実 施 す る に あ た り 、千 葉 大 学 教 授 兼 千 葉 県 教 育 委 員 会 委 員 長 金

本 正 武 氏 、 北 海 道 教 育 庁 学 校 教 育 局 義 務 教 育 課 長 辻 俊 行 氏 、 札 幌 市 教 育 委 員 会 学

校 教 育 部 指 導 担 当 課 長 齊 籐 隆 浩 氏 に 評 価 委 員 を 快 く お 引 き 受 け い た だ き 、 そ れ ぞ れ

の 立 場 か ら 厳 し く も 温 か い ご 指 摘 や ご 意 見 を い た だ く こ と が で き ま し た 。 心 か ら 感 謝

申 し 上 げ ま す 。

道 内 唯 一 の 教 員 養 成 大 学 と し て 、11附 属 学 校 園 が 札 幌 、函 館 、旭 川 、釧 路 の 各 地 域

に 根 ざ し な が ら 、 北 海 道 教 育 委 員 会 、 札 幌 市 教 育 委 員 会 等 と の 連 携 を よ り 深 め 、 北 海

(4)

北海道教育大学附属学校園

第三者評価委員会開催要項

【第1回委員会】

1.日 時 平成25年6月7日(金)10時30分~12時30分 2.場 所 北海道教育大学札幌駅前サテライト

(札幌市中央区北 5 条西 5 丁目 7 Sapporo 55 4 階) 3.予定議題等 ・会議のスケジュール等について

・第三者評価の評価項目等について ・その他

【第2回委員会】

1.日 時 平成26年2月28日(金)13:00~16:30 2.場 所 小樽商科大学札幌駅前サテライト 中講義室

(札幌市中央区北 5 条西 5 丁目 7 Sapporo 55 3 階) 3.スケジュール

13:00~13:05 挨拶、趣旨説明

13:05~14:15 各地区(札幌、函館、旭川、釧路)から報告 ※各校(園)について 5 分程度

14:15~14:30 附属学校室から報告 (10 分 休憩)

14:40~15:30 各評価委員からの質問・意見等

※終了後、各附属学校(園)はこの後退席 15:30~16:30 委員による意見交換

(5)

第三者評価委員会出席者一覧

○日本教育大学協会関係者

日本教育大学協会附属学校委員会前委員長 金 本 正 武 ○北海道教育委員会関係者

北海道教育庁学校教育局義務教育課長 辻 俊 行 ○札幌市教育委員会関係者

札幌市教育委員会学校教育部指導担当課長 齊 藤 隆 浩

【附属学校園関係】

附属札幌小学校 校長 戸田 まり

附属札幌小学校 副校長 紺野 高裕

附属札幌中学校 校長 佐藤 昌彦

附属札幌中学校 副校長 中村 邦彦

附属函館幼稚園 園長 後藤 嘉也

附属函館幼稚園 副園長 福井 博志

附属函館小学校 副校長 楢山 聡

附属函館小学校 主幹教諭(校長代理) 小西 秀一

附属函館中学校 校長 羽根田 秀実

附属函館中学校 副校長 奥崎 敏之

附属特別支援学校 校長 小栗 祐美

附属特別支援学校 副校長 平田 新次郎

附属旭川幼稚園 園長 和田 恵治

附属旭川幼稚園 副園長 川崎 直人

附属旭川小学校 校長 岡田 みゆき

附属旭川小学校 主幹教諭(副校長代理) 米津 洋伸

附属旭川中学校 副校長 齋藤 克幸

附属旭川中学校 主幹教諭(校長代理) 千葉 良彦

附属釧路小学校 校長 村山 昌央

附属釧路小学校 副校長 伊藤 晃一

附属釧路中学校 校長 杉山 佳彦

附属釧路中学校 副校長 杉山 稔

【大学関係】

北海道教育大学 副学長(附属学校担当) 大津 和子

総務部附属学校室 副室長 原 祐二

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附 属 学 校 室 の 取 組

1 . 北 海 道 教 育 大 学 附 属 学 校 園 全 体 の 基 本 的 方 向

本 学 1 1 附 属 学 校 園 の 進 む べ き 基 本 的 方 向 は 、 平 成 2 4 年 度 に 作 成 さ れ た 「 附 属

学 校 園 の あ り 方 に 関 す る 有 識 者 会 議 報 告 書 ~ 北 の 大 地 か ら 未 来 あ す

を 拓 く 教 育 を ~ 」 に 、 以 下 の よ う に 明 記 さ れ て い る 。

① 北 海 道 の 学 校 教 育 の 発 展 に 資 す る 研 究 を 推 進 す る

・ 北 海 道 に お け る 学 校 教 育 の モ デ ル カ リ キ ュ ラ ム の 開 発 ・ 活 用

・ 北 海 道 の 教 員 の 資 質 向 上 へ の 貢 献

② 大 学 と の 一 体 的 な 教 育 研 究 を 推 進 す る

・ 大 学 教 員 と 附 属 学 校 教 員 と の 組 織 的 連 携

・ 大 学 の 地 域 貢 献 を 支 え る 取 組

③ 大 学 の リ ー ダ ー シ ッ プ に よ り 附 属 学 校 園 を 運 営 す る

・ 大 学 の リ ー ダ ー シ ッ プ の 強 化

・ 附 属 学 校 園 に 対 す る 大 学 教 員 の 意 識 喚 起

・ 大 学 教 員 に よ る 附 属 学 校 園 へ の 組 織 的 な 関 わ り

・ 附 属 学 校 室 の 教 育 委 員 会 的 機 能 の 強 化

・ 大 学 と 教 育 委 員 会 と の 連 携 強 化

こ れ ら の 提 言 に 基 づ き 、 平 成2 5年 度 は 次 の よ う な 取 組 を 進 め て き た 。

2 . 北 海 道 の 学 校 教 育 の 発 展 に 資 す る た め に

「 社 会 の 期 待 に 応 え る 教 育 改 革 の 推 進 」( 平 成 2 4年 6月 ) を 受 け て 、 北 海 道 に お い

て も 小 中 一 貫 教 育 の 推 進 が 図 ら れ て い る 。 本 学 の 附 属 学 校 で は 、 小 中 一 貫 教 育 の 推 進

に あ た り 、 以 下 の2点 を 重 視 し て い る 。

第 一 に 、 広 大 な 北 海 道 に 遠 く 離 れ て 立 地 す る 4地 区 の 特 性 を 生 か す こ と で あ る 。 具

体 的 に は 、 道 内 で 最 も 国 際 化 の 進 ん で い る 札 幌 地 区 で は 、 小 ・ 中 学 校 を 通 し て 多 様 な

他 者 と の 関 わ り を も つ な か で 、 グ ロ ー バ ル マ イ ン ド を 育 成 す る と と も に 、 特 別 支 援 学

級 と の 交 流 や 共 同 学 習 を 深 め 、イ ン ク ル ー シ ブ 教 育 を 推 進 し つ つ あ る 。函 館 地 区 で は 、

特 別 支 援 学 校 、 幼 稚 園 、 小 ・ 中 学 校 の 連 携 を 進 め る と と も に 、 函 館 校 に 新 設 さ れ た マ

ル チ メ デ ィ ア 国 際 語 学 セ ン タ ー を 活 用 し て 、 児 童 生 徒 の 英 語 力 と グ ロ ー バ ル な 見 方 を

涵 養 し て い る 。 旭 川 地 区 で は 、 幼 稚 園 お よ び 小 ・ 中 学 校 を 通 し て 、 い の ち を 大 切 に す

る 心 、他 者 を 思 い や る 心 、善 悪 の 判 断 を 支 え る 規 範 意 識 を 育 む1 2年 間 道 徳 の カ リ キ ュ

ラ ム 開 発 を 目 指 し て い る 。 釧 路 地 区 で は 、 義 務 教 育9年 間 を 通 し て 児 童 生 徒 一 人 一 人

の 成 長 を 見 通 す と と も に 、 学 力 の 向 上 に 向 け て 、 小 ・ 中 学 校 教 員 の 授 業 相 互 乗 り 入 れ

な ど を 試 行 し て い る 。

(7)

述 し た 各 地 区 に お け る 小 中 一 貫 教 育 推 進 に は 、 各 キ ャ ン パ ス の 大 学 教 員 が 専 門 的 な 立 場 か ら 関 わ っ て い る 。特 別 支 援 教 育 、学 校 教 育 学 、臨 床 心 理 学 、倫 理 学 、英 語 教 育 学 、

数 学 教 育 学 、 理 科 教 育 学 な ど 、 様 々 な 分 野 の 専 門 家 が 附 属 学 校 と 協 力 体 制 を と っ て い

る 。

北 海 道 に お け る 教 員 の 資 質 向 上 に 関 し て は 、 北 海 道 教 育 委 員 会 と の 連 携 の も と に 、

1 1附 属 学 校 園 が 協 働 し て「 授 業 力 向 上 研 究 フ ォ ー ラ ム 」を 旭 川 に お い て 開 催 し 、道 内

各 地 か ら 多 く の 公 立 学 校 教 員 の 参 加 を 得 た 。 旭 川 小 ・ 中 学 校 の 児 童 ・ 生 徒 を 対 象 に 他

地 区 の 附 属 学 校 教 員 が 授 業 を 行 っ た の ち 、 授 業 力 を 向 上 さ せ る た め の 教 材 や 指 導 方 法

な ど に つ い て 、 分 科 会 で 活 発 な 議 論 が 展 開 さ れ た 。 公 立 学 校 教 員 の み な ら ず 附 属 学 校

教 員 に と っ て も 有 意 義 な 研 修 の 機 会 と な っ た 。

ま た 、 北 海 道 教 育 委 員 会 と の 連 携 事 業 で あ る 「 授 業 実 践 交 流 事 業 」 に お い て は 、 公

立 学 校 か ら の 要 請 に 応 え て 、 附 属 学 校 教 員 が 出 前 授 業 に 出 向 い た り 、 研 修 会 の 講 師 を

務 め た り し て い る 。 研 究 大 会 な ど 特 別 な 日 に 限 ら ず 、 日 常 的 に 公 立 学 校 教 員 が 附 属 学

校 を 訪 問 し て 授 業 を 観 察 し た り 、 協 議 す る こ と が で き る 。 こ う し た 授 業 実 践 交 流 を 通

じ て 、 附 属 学 校 と 公 立 学 校 と の 連 携 が 生 ま れ 、 共 同 研 究 に 発 展 し て い る 学 校 も あ る 。

附 属 学 校 が 公 立 学 校 や 教 育 委 員 会 と 連 携 し て 、 質 の 高 い 教 員 研 修 の 機 会 を 提 供 す る

こ と に よ っ て 、 地 域 の 学 校 教 育 の 発 展 に 資 す る こ と が ま す ま す 求 め ら れ て い る と い え

よ う 。

3 . 大 学 と の 一 体 的 な 教 育 研 究 の 推 進

附 属 学 校 園 の 教 育 研 究 に 関 わ る 基 本 的 な 方 向 は 、 附 属 学 校 副 校 園 長 お よ び 各 キ ャ ン

パ ス1名 の 大 学 教 員 か ら 構 成 さ れ る 附 属 学 校 研 究 推 進 連 絡 協 議 会 に お い て 協 議 さ れ る 。

今 年 度 、附 属 学 校 と 大 学 と が 最 も 緊 密 な 連 携 の も と に 進 め ら れ た 研 究 は 、平 成2 5 - 2 8

年 度 文 部 科 学 省 の 研 究 開 発 指 定 を 受 け て い る 「 小 学 校 英 語 プ ロ ジ ェ ク ト 」 で あ る 。

こ の プ ロ ジ ェ ク ト で は 、 4 地 区 ( 札 幌 ・ 函 館 ・ 旭 川 ・ 釧 路 ) の 小 ・ 中 学 校 8 校 の メ

ン バ ー に 、 各 キ ャ ン パ ス の 英 語 教 育 を 専 門 と す る 教 員 も 加 わ り 、 小 学 校 英 語 の 教 材 や

指 導 方 法 の 開 発 、 及 び そ れ ら に 連 動 し た 中 学 校 英 語 の 在 り 方 を 研 究 し て い る 。

本 研 究 の 成 果 を 1 2 月 に 開 催 し た フ ォ ー ラ ム で 広 く 発 信 す る と と も に 、 報 告 書 に ま

と め 、 北 海 道 内 だ け で は な く 全 国 的 に 発 信 し た 。 ま た 、 大 学 で 開 講 さ れ て い る 「 小 学

校 英 語 教 育 指 導 者 資 格 認 定 講 座 」 に お い て も 附 属 学 校 教 員 が 講 師 を 務 め る な ど 、 大 学

教 育 の 一 端 を 担 っ て い る 。

ま た 、「 若 手 教 員 の た め の 算 数・数 学 授 業 づ く り 支 援 ― 算 数・数 学 授 業 づ く り A to Z - 」 プ ロ ジ ェ ク ト は 、4 地 区 の 小 ・ 中 学 校 8 校 、 大 学 教 員 お よ び 北 海 道 教 育 庁 主 査 で 構 成 さ れ る チ ー ム で 研 究 を 進 め て い る 。 学 習 指 導 要 領 が 求 め る 算 数 ・ 数 学 の 「 問 題 解

決 的 な 学 習 」 に よ る 授 業 を 構 想 、 実 践 、 評 価 す る 際 の 具 体 的 な ポ イ ン ト を お さ え た ハ

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そ の 他 、附 属 学 校 園 と 大 学 の 連 携 事 業 と し て 、4 小 学 校 1 中 学 校 に よ るJ I C A研 修 員 の 受 け 入 れ 、附 属 学 校 園 に お け る 大 学 教 員 の 新 任 研 修 の 受 け 入 れ な ど を 実 施 し て い る 。

さ ら に 今 年 度 よ り 、北 海 道 教 育 大 ( H ) 、愛 知 教 育 大 学 ( A ) 、東 京 学 芸 大 学 ( T ) 、大 阪 教

育 大 学 ( O ) の 連 携 に よ るH A T Oプ ロ ジ ェ ク ト が 始 ま り 、 そ の な か の 附 属 学 校 連 携 事 業 も

始 動 し 、 大 学 を 越 え た 附 属 学 校 間 の 連 携 が 今 年 度 か ら 本 格 的 に 行 わ れ る 予 定 で あ る 。

4 . 大 学 の リ ー ダ ー シ ッ プ に よ る 附 属 学 校 園 の 運 営

従 来 、 附 属 学 校 園 と 大 学 の 連 携 は 稀 薄 で あ っ た 。 し か し 、 少 子 化 と い う 社 会 現 象

を 背 景 と し た 大 学 改 革 の 大 き な 流 れ の 中 で 、 附 属 学 校 園 の 存 在 価 値 が こ れ ま で に な く

問 わ れ る こ と に な り 、 公 立 学 校 に は 見 ら れ な い 附 属 学 校 の 特 質 と し て 、 大 学 と の 連 携

が 強 く 求 め ら れ る よ う に な っ た 。

本 学 で は 平 成2 3年 度 に 、教 授 に よ る 附 属 学 校 園 長 兼 務 の 是 非 を 巡 っ て 議 論 を 重 ね 、

そ の 結 果 、平 成 2 4年 度 よ り 、附 属 学 校 園 に 軸 足 を 置 い た 兼 務 体 制 を と る こ と と な っ た 。

附 属 学 校 園 長 を 兼 務 す る 教 授 の 学 内 業 務 を 軽 減 し 、 授 業 時 数 を 縮 小 す る た め に 非 常 勤

講 師 予 算 を 措 置 し た 。 附 属 学 校 園 長 の 出 勤 状 況 、 会 議 へ の 出 席 状 況 に つ い て 毎 月 モ ニ

タ リ ン グ を 実 施 し た と こ ろ 、平 均 出 勤 率 は 、平 成 2 4年 度 の6 9 % か ら 平 成 2 5年 度 の7 8 %

へ と 上 昇 し た 。

附 属 学 校 の 運 営 に 関 わ る 事 項 に つ い て は 、 附 属 学 校 室 と 附 属 学 校 正 副 校 園 長 で 構 成

さ れ る 附 属 学 校 運 営 会 議 を 年 間7回 開 催 し 、 協 議 を 行 っ た 。 附 属 学 校 が 道 内 4 地 区 に

離 れ て 立 地 し て い る た め 、附 属 学 校 運 営 会 議 は テ レ ビ シ ス テ ム を 活 用 し て 開 催 し た が 、

附 属 学 校 研 究 推 進 連 絡 協 議 会( 年 3回 )、正 副 校 園 長 会 議( 年 1 回 )、副 校 園 長 会 議( 年

1 回 ) な ど は 構 成 員 を 招 集 し て 開 催 し た 。

ま た 、「 第 三 者 評 価 に 関 わ る 評 価 項 目 」、「 い じ め 防 止 基 本 方 針 」、「 体 罰 防 止 基 本 方

針 」 の 策 定 に あ た っ て は ワ ー キ ン グ グ ル ー プ を 組 織 し て 、 招 集 会 議 で 議 論 を 重 ね る よ

う に し た 。

附 属 学 校 園 の 教 育 研 究 に 対 し て 、 す で に 共 同 研 究 や 指 導 ・ 助 言 な ど を 通 じ て 密 接 に

関 わ っ て い る 大 学 教 員 も 少 な か ら ず い る が 、 他 方 で 、 附 属 学 校 の 教 育 研 究 に ほ と ん ど

関 心 を も た な い 大 学 教 員 も い る 。 教 員 養 成 を 担 う 大 学 教 員 の 専 門 性 向 上 の た め に は 、

自 己 の 専 門 分 野 と 学 校 現 場 に お け る 教 育 課 題 と の 接 点 を 見 出 し 、 今 後 の 教 育 と 研 究 に

つ な げ て い く 必 要 が あ る 。

そ の た め に 、 附 属 学 校 を 活 用 し た 大 学 教 員 の 研 修 プ ロ グ ラ ム を さ ら に 充 実 さ せ て 、

平 成2 6年 度 よ り 実 施 す る 予 定 で あ る 。附 属 学 校 研 究 大 会 や 公 開 研 究 会 へ の 参 加 、授 業

観 察 や 各 種 学 習 活 動 の 観 察 、 附 属 学 校 教 員 と の 意 見 交 換 な ど を 通 じ て 、 附 属 学 校 園 の

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5 . 附 属 学 校 室 の 課 題

道 内 の 遠 隔 地 に 立 地 す る1 1附 属 学 校 園 に は そ れ ぞ れ1 - 2名 の 事 務 職 員 が 配 置 さ れ 、

日 常 的 な 事 務 処 理 を 行 っ て い る が 、1 1附 属 学 校 園 全 体 に 関 わ る 事 項 に つ い て は 本 部 の

附 属 学 校 室 で 対 処 し て い る 。 と り わ け 、 予 算 配 分 や 種 々 の プ ロ ジ ェ ク ト に 関 わ る 1 1

附 属 学 校 園 の 連 絡 調 整 、 調 査 や 照 会 な ど は 非 常 に 煩 雑 で あ る 。 附 属 学 校 室 は 室 長 、 副

室 長 、 係 長 、 室 員 で 構 成 さ れ て い る が 、 教 育 に 精 通 し た 職 員 が 配 置 さ れ れ ば 、 附 属 学

校 園 へ の 対 処 は よ り 円 滑 に な る で あ ろ う 。

平 成 2 5年 度 に は 、い じ め 、体 罰 、学 級 経 営 困 難 に 関 す る 事 案 が 3 校 で 発 生 し た 。い

ず れ も 副 学 長( 附 属 学 校 担 当 )が 当 該 学 校 を 訪 問 し 、管 理 職 や 当 該 教 員 、保 護 者 、P T A

会 長 な ど と 協 議 し た う え で 、 指 導 ・ 助 言 を 行 っ た 。

「 有 識 者 会 議 提 言 」 に も 記 さ れ た よ う に 、 今 後 、 附 属 学 校 室 が 教 育 委 員 会 的 機 能 を

よ り 強 化 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。

6 . 第 三 者 評 価 へ の プ ロ セ ス

平 成2 4年 度 に 実 施 し た「 北 海 道 教 育 大 学 附 属 学 校 園 の 在 り 方 に 関 す る 有 識 者 会 議 」

の 提 言 を 画 餅 に 終 わ ら せ な い た め に 、平 成 2 5年 度 に 第 三 者 評 価 を 実 施 す る こ と と し た 。

そ こ で 、 附 属 学 校 園 「 第 三 者 評 価 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 」( 副 校 園 長 4 名 で 構 成 ) に

お い て 、 本 学 附 属 学 校 園 の こ れ ま で の 学 校 評 価 の 在 り 方 を 踏 ま え て 、 自 己 評 価 、 学 校

関 係 者 評 価 、 第 三 者 評 価 の 関 連 を 整 理 す る と と も に 、 従 来 の 学 校 評 価 書 に 記 載 さ れ た

評 価 分 野 ・ 項 目 の 点 検 を 行 っ た 。

そ の 結 果 、 各 附 属 学 校 園 に お い て 評 価 分 野 ・ 項 目 が か な り 異 な っ て い る こ と が わ か

り 、 平 成2 6年 度 か ら 書 式 の 統 一 化 を 図 る こ と と し 、 平 成2 5年 度 は 、 第 三 者 評 価 の 実

施 に 向 け て 、 大 学 の 中 期 目 標 ・ 中 期 計 画 に 関 連 す る 評 価 項 目 、 お よ び 学 校 運 営 に 関 わ

る 評 価 項 目 を 新 た に 追 加 す る こ と と し た 。

第 1 回 第 三 者 評 価 委 員 会 を 平 成 2 5 年 6月 7 日 に 開 催 し 、 各 学 校 園 か ら 提 出 さ れ る

「 自 己 評 価 」 お よ び 「 学 校 関 係 者 評 価 」 を も と に 評 価 す る こ と が 合 意 さ れ た 。

そ の 後 、「 第 三 者 評 価 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 」 か ら 、 1 1 附 属 学 校 園 の 1 年 間 の 成 果 を

共 有 す る た め に 「 成 果 交 流 会 」 を 開 催 し 、 そ の 場 に 第 三 者 評 価 委 員 に も 臨 席 い た だ い

て は ど う か と い う 提 案 が な さ れ 、 第2回 第 三 者 評 価 委 員 会 と あ わ せ て 同 日 に 実 施 す る

こ と と し た 。

各 学 校 園 は1 2月 末 ま で に「 自 己 評 価 」お よ び「 学 校 関 係 者 評 価 」を 終 え 、1月 中 旬

ま で に 学 校 評 価 報 告 書 を 附 属 学 校 室 に 提 出 し た 。

平 成 2 6 年 2 月 2 8 日 に 、「 成 果 交 流 会 」 な ら び に 第 2回 第 三 者 評 価 委 員 会 を 開 催 し

た 。 附 属 学 校 園 が1 1校 園 あ る た め に 、「 成 果 交 流 会 」 に お け る 各 学 校 園 の 報 告 は 短 時

間 で あ っ た が 、 第 三 者 評 価 委 員 に は 事 前 に 学 校 評 価 報 告 書 を 配 付 し て い た た め 、 評 価

(10)

以 上 の よ う な 経 緯 を 辿 り 、 本 学 附 属 学 校 園 に と り は じ め て の 第 三 者 評 価 を 実 施 し た の で あ る が 、1 1附 属 学 校 園 の 学 校 評 価 報 告 書 が 束 ね ら れ る と 、と も す れ ば 比 較 の 観 点

か ら み て し ま う も の で あ る 。 も ち ろ ん 、 4 つ の 地 区 を 比 較 す る こ と に よ っ て 、 そ れ ぞ

れ の 地 区 の 特 色 が 浮 き 彫 り に な る と い う 利 点 も あ る が 、「 達 成 状 況 」を 単 純 に 比 較 す る

こ と は で き な い 。 な ぜ な ら 、 学 校 評 価 に お い て は 、 ま ず 自 己 評 価 を 行 い 、 そ れ を 基 に

学 校 関 係 者 評 価 を 行 っ て お り 、 自 己 評 価 の 評 価 基 準 は 個 々 の 学 校 園 の 判 断 に よ る か ら

で あ る 。今 回 、は じ め て 成 果 交 流 会 を 実 施 し て 、1 1附 属 学 校 園 が 他 学 校 園 の 学 校 評 価

を 目 の 当 た り に し た こ と に よ り 、 次 年 度 以 降 の 学 校 評 価 が よ り 広 い 視 野 か ら 行 わ れ る

こ と を 期 待 し た い 。

第 三 者 評 価 に お い て 各 委 員 か ら 指 摘 さ れ た 課 題 に つ い て は 、 附 属 学 校 室 と し て そ れ

ら を 真 摯 に 受 け 止 め 、 北 海 道 に お け る 教 育 の 質 の 向 上 に い っ そ う 貢 献 で き る よ う 尽 力

(11)

第2回 北海道教育大学附属学校園 第三者評価委員会 議事要旨

冒頭、金本委員長から、委員会の趣旨ならびに進行概要について、以下の説明があった。 ① 本委員会は、各学校における自己評価、学校関係者評価とあわせて、大学との連携、

大学の運営といった視点を加え、もうひとつ上の視野から、附属学校の在り方や意義 を評価するものである。

② 成果交流会は、各学校からの報告を中心に、質疑を兼ねて委員からの意見を述べる場 とする。

③ 成果交流会の進行は、各学校(園)5分程度で報告した後、各地区の報告をすること とし、前半と後半に分け、前半終了後および後半終了後に、それぞれ質疑応答の時間 をとることとする。また、各学校(園)からの報告等終了後、附属学校室からも(今 年度の事業内容等について)報告する。

④ 第三者評価は、上記の報告と質疑応答終了後、各学校(園)は退席し、委員のみでの 意見交流の場とする。

引き続き、各学校(園)から、主に資料1~3を基に説明が行われた。 【附属札幌小学校】

資料1に基づき、校長から、「経営の重点目標」「指導の重点目標」について、概要説明 があった後、副校長から詳細説明があった。説明内容は以下のとおりである。

・教育課程改善については、インクルーシブ、防災安全、ICT 活用、小学校英語について、 それぞれプロジェクトとして取り組んだことに成果があった。

・学習指導については、集団の機能を活かし、想像力と創造力の育成に着目し取り組んだ ことに成果があった。

・生徒指導については、Q-U テストの実施やスクールカウンセラーの配置、大学の臨床心 理専門教員の活用等を通し、相談活動に力を入れ取り組んだことに成果があった。 ・健康安全指導については、防災宿泊訓練・引取訓練等の実施に成果があったが、通学の

際の公共交通機関の利用等の社会性の育成にはまだ課題が残る。

・研修については、研究大会の開催日程を2日間にする等工夫したことに成果があった。 教育環境整備については、保護者の協力もあり、温室を設置することができた。 ・大学等との連携については、小中一貫教育に関って前進することができた。

・札幌地区の特色として、グローバルマインドの育成を掲げているが、学校教育目標であ る「共生の文化を創造する学校」に直結するような価値ある取り組みができた。 ・入学選考について、日程を工夫して1日から2日にしたことにより、丁寧な選考を実施

することができた。

・大学との連携について、キャンパス副学長との連絡体制を形成することができた。 ・地域との連携について、各地域に教員を研修講師として派遣する等、一層の連携強化を

図った。

(12)

【附属札幌中学校】

校長から、以下5つのテーマに基づき運営を図ったことの概要説明があった。 ・グローバル人材の育成を目指し、英語教育やインクルーシブ教育を推進した。 ・大学と意思疎通を図りながら教育実習を充実させた。

・大学関係者との定期的な協議のもと、大学との研究協力を推進した。

・地域との積極的な交流をめざし、今年初めて、特別活動・道徳・総合的な学習の時間の 授業公開を実施した。

・学校運営において、特にリスクマネジメントに重点を置いた。

次に、副校長から、資料1に基づき、第三者評価の評価項目にかかる報告のうち要点の み、以下のとおり報告があった。

・大学との連携について、体力向上にかかる研究を保健体育専門の大学教員の依頼で実施 している。また、大学への職場訪問を実施している。

・地域への貢献について、例年開催している研究大会の他に、札幌市指導主事や学校長を 助言者として招いて授業公開を実施した。

引き続き副校長から、来年度の運営方針の要点として、以下のとおり説明があった。 ・生徒指導に組織的に対応できつつあると自負しているところではあるが、今後は対症療 法的なものではなく、全ての子どもが安心で安全な学校生活が送れるよう教育相談機能を 充実させていきたい。

・大学の附属学校としての学校づくり、特色化について、これまでの取り組みを更に明確 に打ち出すことで、大学との結び付きを強化させたい。

【附属函館幼稚園】

資料1に基づき、園長から「本年度の重点目標」を中心に概要説明があった後、副園長 から以下のとおり詳細説明があった。

・事務職員(常勤)の勤務が半日であることから、園務分掌の見直しを図った。

・預かり保育については、今まで実施してきたことを蓄積し、情報発信できる体制を作っ ていくことを検討している。

・健康安全面の指導については、業務の共有を図り、受け身ではなく積極的な姿勢で指導 を行ったことにより、インフルエンザ発生数も減少した。

・食育については、北海道の農政部の事業および函館市教育委員会の事業に参画する等、 積極的に取り組んだ。

・大学との連携として、「読み聞かせ」の実践研究を行っている他、教育実習の際には、事 前指導に協力している。

【附属函館小学校】

資料1に基づき、副校長から、ここ2~3年は一貫して「教員の資質向上」に取り組ん でいること、その中で今年度の重点について、以下のとおり説明があった。

・Q-Uアセスメントを開発し、取り入れ、学年・学級経営の充実をめざした。

(13)

て実践した。

・チャレンジする精神やコミュニケーションを大切にした学校運営を目指した。

・文部科学省の研究開発指定校、国立教育政策研究所の教育課程研究指定校(生活・体育) として研究事業を進めることにより、教員の視野を広げることができた。

・家庭・地域との連携として、PTA と連携した学校運営を行った。

・予算面では、教員の研修等にかかる出張になるべく支出するよう心がけた。

引き続き、副校長から、学校関係者評価においては、JICA 研修プログラムへの協力、研 究に対する取り組み、研究大会、教職員のチームワークについて高評価であるが、大学と の連携、道徳教育等において課題があるとされた、との報告があった。

また、次年度に向けて、「教員の資質向上」からステップアップして、学級・学年経営の 充実、授業の充実、行事の充実(行事の見直しを図り、教師の多忙感を軽減させる)の3 つの視点から、「教員活用の充実」を推進したいとの説明があった。

【附属函館中学校】

資料1に基づき、校長から、「重点目標」について概要説明があった後、副校長から以下 のとおり学校評価を踏まえた反省点等が述べられた。

・生徒の規範意識の低下・基本的生活習慣が定着していないことが危惧される。 ・学校としての教員の組織力が低下していると思われる。

なお、併せて成果等についても以下のとおり報告があった。

・不登校生徒への対応として、生徒の把握により一層努めるよう、入学選考の際の面接を 強化した。また、不登校生徒については、スクールカウンセラーの導入やソシアルスキ ルトレーニングの導入を強化することにより改善の成果が見えた。

・特色化として、タブレット PC を1人1台導入し、学習環境整備や教材製作等について研 究を進めている。

引き続き、副校長から来年度の経営方針のうち重点的としていることについて以下のと おり説明があった。

・ICT 機器等の活用等 21 世紀の教員に必要とされる最新の教育実習を実施する。 ・生徒の基本的な生活習慣の確立と自主性を重んじた、自発的な活動を充実させる。

【附属特別支援学校】

まず、校長から、今年度の成果について、以下の通り概要説明があった。

・明治図書から、本校執筆図書である『<特別支援教育の授業づくり>「社会とかかわる 力」を育てる!6つの支援エッセンス』を刊行した。

・大学と連携して、現職教員を対象にした臨床研修を行った。 ・北海道特別支援教育研究協議会の道南地区函館大会を開催した。 ・公開研究協議会(研究大会)を開催した。

・特色化の事業として、東京等で開催された学会での発表を通して、研究の成果を全国へ 発信した。

・ホームページを一新する等、広報企画に重点をおいた。

(14)

活動した。

引き続き、校長から来年度の方針概要について以下のとおり説明があった。

・入学志願者増を目指す新たな取り組みを取り入れるため、また、地域社会の理解を得る ため、広報の充実を継続する。

・実習についても、函館キャンパスのみならず、全キャンパスに対応していく。 ・大学との連携として、現職教員を対象とした研修プロジェクトを継続して実施する。

小中一貫について、以下のとおり報告があった。 ◆札幌地区報告

附属札幌小学校副校長から、以下のとおり報告があった。

・インクルーシブ教育の推進をめざし、特色化の事業として、附属札幌小学校、附属札幌 中学校およびふじのめ学級(附属札幌小・中学校特別支援学級)による合同の授業や交 流等を実施している。

・グローバルマインドの育成をめざし、附属札幌小学校においては、毎年 JICA 研修員を受 け入れ異文化理解を育んでいる。また、附属札幌中学校においては、中国・韓国と姉妹 校の協定を結び交流を進めている。

・文部科学省の研究開発指定校として、小学校英語の導入と中学校への接続についての研 究に取り組んでいる。

・今年度新たに附属札幌小学校はユネスコスクールに申請することで、既に(ユネスコス クールに)認定されている附属札幌中学校と足並みを揃えることとした。

◆函館地区報告

附属函館小学校副校長から、以下のとおり報告があった。

・函館校の新課程のキーワードとなる「地域」「国際」を意識し、グローバル人材の育成を めざし、函館キャンパスの全附属の共通理解を深めるため、「ALL FUZOKU HAKODATE 会議」 等を開催した。

・現在取り組んでいる連携教育をもとに、どの部分でさらに発展させることができるかを 検討した。

※※※委員からの質疑応答※※※ 【齊藤委員】

・学校関係者評価において、公立学校等においては、学校評議員や地域の方が評価者と なるが附属学校の場合には、どのような人材が評価者となるのか。

→【札幌小学校】学識経験者、地域の居住者、現PTA、元PTA、公立学校校長などである。 【函館中学校】PTA の OB、元教育関係者、附属中学校 OB、

【特別支援】校長経験者、PTA 元会長、子どもたちの就職先関係者、地域の療育セン ター

【函館幼稚園】PTA、元公立幼稚園長、元小学校長

(15)

のか。

→【札幌小学校】ふじのめ学級との交流を更に充実させることはもちろんのこと、通常 学級にいる特別支援を必要とする児童に対応して、”ユニバーサルデザイン”という視 点を取り入れ、視覚化・焦点化・共有化という視点から授業の研究をしている。 ・附属札幌中学校の土曜登校について、どのような方向性をもっているか

→【札幌中学校】特別活動や校外研修等、行事としての活動であり、授業はしていない。 教育課程における、特別活動の位置づけである。

上記について、金本委員長から札幌市の土曜授業についてはどういう状況なのか、齊藤 委員に質問があった。このことについて、齊藤委員からは以下の回答があった。

・週5日制になって 10 年が経過し、子どもの土曜日の過ごし方として、部活動や少年団活 動、地域活動などが定着している。家庭・地域が一体となって土曜日を活用して子ども を育てるという週5日制の理念を尊重すべきと札幌市は考えている。ただし、土曜日の 過ごし方が充実しているかどうかは検証すべきである。また、平成26年度からはモデ ル事業として、「札幌サタディスクール」により、地域人材を活用し土曜日に様々な活動 を行っている。

金本委員長から、昨年9月 25 日に文部科学省から土曜授業に実施について通知があり、 市町村レベルでは、土曜授業をする動きがあることから、都道府県レベルでも土曜授業実 施の検討を要するようになってきている。こういった動きを踏まえて、附属学校は公立学 校の参考となる取組をするべきだ、との発言があった。

<休憩>

金本委員長から、附属特別支援学校に対し以下の質問があった。 ・道立の特別支援学校との交流はどの程度進んでいるのか。

→【特別支援学校】道南地区においては、道南地区の特別支援ネットワーク協議会に参加 する等といった交流は行っている。特別支援教育センターとの連携事業を以前に実施し たことがある。また、今年度においては、特別支援教育研究協議会を本校において、北 海道の会場校として開催した。

上記の回答について、金本委員長から、附属学校園として特別支援学校が1校なので、 北海道全体の特別支援学校という位置づけで、交流や研究が必要である。また、これから の特別支援教育は、学校だけでなく学級もふくめて、特別支援教育というものをより推進 する必要がある、との意見があった。

このことについて、附属特別支援学校から、長年できなかったが、今年度になって、附 属札幌小・中学校 ふじのめ学級と研究交流を始めているとの補足説明があった。

(16)

【附属旭川幼稚園】

園長から、今年度の取組について、広報活動を強化したことにより、志願者増となった こと、また、研究する幼稚園としてのアピールを継続していく等といった報告があった。

次に、副園長から、今年度の取組について以下のとおり報告があった。 ・教育課程の改善として、行事等を見直した。

・情報交流を図り、一人一人の特性に応じた教育を推進できる体制を整備した。 ・大学と附属学校園の連携として、大学教授による特別保育や他附属との連携も意識し

た活動を実施した。

来年度以降は、園児の確保を目指し、預かり保育の試行を始めるとの説明があった。

【附属旭川小学校】

校長から、今年度の重点目標を元に実施した取組について、以下のとおり概要説明があ った。

・子どもたちが、動植物とふれ合い、季節を感じることができるよう、ペガサスの丘や花 壇の整備等、屋外環境の整備に努めた。

・体力向上のため、ランニングコースを整備したり、雪山を作って冬でも屋外で活動がで きるよう工夫した。

・大学と連携し、幼小中 12 年間の道徳教育を推進した。 ・i-Pad やデジタル教科書を活用した ICT 教育を推進した。 ・耐震工事とあわせて、来年度は屋内の整備に努めたい。

次に、主幹教諭から詳細について以下のとおり補足説明があった。

・研究面において、i-Pad によりデジタル教科書を実験的に導入する他、教員間の情報共 有・蓄積等にも活用した。

・学年・学級経営において、生徒指導や保護者対応の体制について一層の見直しを図る必 要がある。

・進路指導において、発達の段階に応じたキャリア教育をめざす必要がある。

【附属旭川中学校】

資料1に基づき、副校長から、「今年度の重点目標」について説明があり、平成25 年度 学校評価について以下のとおり報告があった。

・学校関係者評価において、教育課程と道徳教育の分野については、概ね良い評価であ った。

・特に、附属中学校として取り組んでいる特色ある取組として、「安らぎプロジェクト」 「学び伸ばし・学び直しセミナーの実施」「道徳教育の重点化」「図書館の充実」があ り、大学の予算的支援をもとに実施し、成果をあげている。

・学校関係者評価において、生徒指導の分野については、広い視野で生徒指導に取り組 むべきとの評価であった。

上記を踏まえた、来年度学校運営方針について、引き続き副校長から以下のとおり説明 があった。

(17)

の進行管理の視点と危機管理に重点を置く。 ・教職員にゆとりと余裕ができるよう工夫する。

最後に、資料3に基づき、特色化事業の取組について説明がなされた。

【附属釧路小学校】

校長から、資料1に基づき「今年度の経営の重点目標」について概要説明があった。 その中で、「小中連携」においては、小中のみならず、大学との共同研究委員会を立ち上げ て活動していることが補足説明された。

引き続き、副校長から詳細について以下のとおり報告があった。

・学校経営については、学校教育目標の達成と児童像の具現化の項目において、教師や保 護者の評価は高いが、児童の評価が例年低いので、学校教育目標を各学年段階に設定す る等、より具体化する必要がある。

・学習指導については、研究大会の参加者数は増加したが、研究指定校事業として実施し ている英語教育の推進や ICT 活用、教員研修において課題が残った。

・児童・生徒指導については、学級経営困難事案に関わり、大学の助力のもとに支援員を 導入するとともに、学校体制全体で取り組むことができた。今後も大学と連携していき たい。

・健康・安全指導については、特に食育の面で、栄養教諭が文部科学大臣表彰を受ける等、 一定の成果があった。

なお、今後の課題として、

・児童アンケートにおいて、児童と教師の関わりについての満足度が低い傾向にあること から、教育課程のバランスを保持しつつ、行事の精選等により、児童と教師が十分に関わ ることのできる時間を確保したい、ということが補足説明された。

【附属釧路中学校】

はじめに、校長から資料1に基づき、「本年度の経営の重点目標」および「本年度指導の 重点目標」について概要説明があった。

次に、副校長から今年度特に成果を上げた点について、以下のとおり報告があった。 ・北海道の教育に資するため、今年度初めて公立学校と(学校レベルではなく、教科担当

教師レベルではあるが)共同研究を実施した。

・年3回宿泊研修(各学年年1回)の際に、保護者を対象として講演会や説明会等を実施 することにより、保護者の学校理解が深まるようにした。

小中一貫について、以下のとおり報告があった。 ◆旭川地区報告

附属旭川小学校主幹教諭から、幼小中 12 年間を通した道徳を推進していることが説明さ れた。また今年度の成果と次年度の計画について以下の説明があった。

(18)

・次年度以降は、校種間の効果的な連携、良い資料の精選、体験活動の指導の工夫改善に 取り組む。

・道徳の教科化を見据え、大学と協力して研究を推進していく。

◆釧路地区報告

附属釧路中学校副校長から、以下のとおり説明があった。

・平成17年~20 年度小中連携に関する附属釧路小中学校合同研究を実施していた財産が あるので、それを生かす方向で新たな連携を模索している。

・来年度からは、小中連携を研究するのではなく、小中連携で研究する。 ・小中連携をすることによる生徒の変容をとらえることを目的とする。

※※※委員からの質疑応答※※※ 【金本委員長】

(旭川に対して)「心のノート」は使用してるのか。教材の善し悪しではなく、教材をいか に活用する力があるかということが学校に求められている。

→【附属旭川中学校】教育課程の中では「心のノート」を活用している。中学校では、家 庭とのかけはしとして利用できないか考えている。

道徳は授業ではなく、全体(全教科)で指導するべきであるという点については、どのよ うに考えているか。

→【附属旭川中学校】幼小中の 12 年道徳の中で、道徳の授業のない幼稚園からはじめるこ とに意味があると考えている。

【齊藤委員】

旭川幼稚園において、預かり保育を始める予定であるとの報告があったが、その際の計 画・立案において、私立幼稚園との調整はどのように考えているか。

→【附属旭川幼稚園】私立と同様の形式で預かり保育はできないと考えている。札幌幼児 センターに伺い、市立幼稚園の情報を得る予定である。

附属学校室からの報告 【大津副学長】

大学の取組として、追加資料を基に、以下のとおり報告があった。 ・可能なかぎり、附属学校運営会議を開催し、情報の共有に努めている。

・校園長は大学教員が兼務しているが、附属学校園に重点をおくことができるよう非常勤 を措置する等の工夫をした結果、附属学校園への出勤率は上昇している。

・いじめ防止方針策定のため、附属学校運営会議の構成員によるワーキンググループによ り、策定計画を進めている。

・体罰についても、附属学校運営会議の構成員によるワーキンググループにより、方針策 定予定である。

(19)

学校への円滑な接続の研究を大学と連携して推進している。

・HATO プロジェクト(東京学芸大学、愛知教育大学、大阪教育大学との連携プロジェクト) への参画を通して、大学を越えての附属間交流を進めている。

・大学との連携に関しては、JICA 研修生を札幌小学校、函館小学校、旭川小学校、釧路小 学校で受け入れ、外国人研修生との交流活動をカリキュラムに位置づけている。 ・大学の事業である「英語資格認定講座」において、授業を公開する等の協力をしている。

<休憩>

※※※委員のみによる意見交流※※※

学校評価報告の内容について、委員から以下の意見が出された。

・教育課程の管理ということについて、時数の確保ではなく内容の充実が見える形にな ると良い。

・特に「全国学力・学習状況調査」の結果を示して、どのような取組をしているかを示 すべき。

・学力だけでなく、体力向上についても、例えば、様々な調査の結果等から、今後の指 導に何が必要なのか等について示すべき。

・いじめ防止基本方針策定について、大学の方針と附属の方針策定の経緯については、 他の学校の参考になると思われる。

・道教委や市教委主催の研修等への附属学校園教諭の参加については、地域との連携協 力がなければ実現しないと思われる。

・教員の資質向上に重点を置くということは、教師の指導力に課題があるということな のか、疑問に思った。

・各学校園の自己評価については、経営方針と適合していると思われる。また、学校関 係者評価についても、自己評価を受け止めた上で、改善策が提示されていると思われ る。

・自己評価と学校関係者評価と第三者評価は一体であると考えるので、第三者評価の評 価項目だけが別になっているよりは、統合した方が良い。

・人事については、どの附属学校園も問題を抱えているように思われる。どのように解 決していくべきなのか。

・所在地のある市町村だけでなく、広域に渡って、附属の知名度を高めるべきである。 また、第三者評価委員会の報告書について検討した結果、委員から以下のとおり意見等 が出された。

・附属学校(園)というまとまりで、学校評価を組織的に実施するならば、項目を整理し、 ある程度統一化した方がよい。

・総論なのか具体なのか、記述にばらつきがあるように思われる。

・第三者評価実施までの行程(フローチャート)や共通理念がわかるものが必要ではない

(20)

第 2 回 第 三 者 評 価 委 員 会

【 齊 藤 委 員 の 発 言 要 旨 】

本 日 は 第 三 者 評 価 委 員 会 と い う こ と で 、 お 疲 れ さ ま で す 。 各 学 校 の 真 摯 な 評 価 を 拝

見 し ま し て 、 ま さ に 附 属 学 校 が 一 丸 と な っ て 子 ど も た ち の た め に 取 り 組 ん で い る と い

う 姿 勢 が 伝 わ っ て ま い り ま し た 。

私 自 身 は 、 ど う い う 立 ち 位 置 で お 話 し す れ ば い い の か と い う 迷 い が 事 前 に あ っ た の

で す け れ ど も 、 や は り 、 北 海 道 教 育 大 学 附 属 学 校 園 に 対 す る 、 私 だ け で は な く 、 み な

さ ん の 期 待 と い う こ と を 含 め て お 話 が で き た ら と 思 っ て い ま す 。

今 も 申 し 上 げ ま し た け れ ど も 、 そ れ ぞ れ の 地 域 の 方 々 の 期 待 を 担 っ て い る の が 、 附

属 学 校 園 だ と 思 っ て お り ま す 。 そ の 期 待 の 中 に は 、 当 然 子 ど も た ち が い ま す か ら 、 学

校 関 係 者 評 価 に も あ り ま し た が 、 地 域 の 方 も 含 め て そ う い っ た 方 々 の 期 待 も あ り ま す

け ど も 、 も う 一 つ 大 き い の は 、 特 に 道 内 の 教 員 、 先 生 方 の 期 待 と い う の も 非 常 に 大 き

い と 思 い ま す 。

各 学 校 の 今 年 度 研 究 会 に 参 加 さ れ た 先 生 方 の 数 で す と か 、 そ れ が 昨 年 よ り 増 え ま し

た と い っ た ご 報 告 も あ り ま し た 。 様 々 な 面 で ご 努 力 を さ れ て お ら れ る ん だ な と 伺 っ て

い ま し た 。

私 は 、 も と も と 小 学 校 の 教 員 で す 。 現 場 を 離 れ て も う 1 4 年 に な り ま す が 、 指 導 主

事 を 経 て 、 教 職 員 課 に 移 り 、 今 年 か ら 学 校 教 育 部 指 導 担 当 課 で 仕 事 を し て い ま す 。

か つ て 、 私 が 現 場 に い た と き に 、 附 属 札 幌 小 学 校 の 研 究 大 会 に 参 加 し た こ と が あ り

ま す 。 そ こ で の 先 進 的 な 取 り 組 み に つ い て は 、 大 変 勉 強 に な り ま し た し 、 勉 強 さ せ て

い た だ い た こ と を 自 分 の 学 級 に 持 ち 帰 っ て 、 最 初 は 当 然 う ま く い か な い の で す け れ ど

も 、 先 輩 に 教 え ら れ な が ら な ん と か や っ て い っ た こ と を 思 い 出 す こ と が あ り ま す 。

先 進 的 な 教 育 に 取 り 組 ん で い る 附 属 学 校 の 先 生 方 の 真 摯 な 姿 勢 を み て 、 そ こ か ら 学

ぶ 先 生 方 は 非 常 に 多 い と 思 い ま す 。 そ う い っ た 期 待 に 今 後 も 応 え て い た だ き た い と い

う の が 、 私 の 正 直 な 気 持 ち で す 。

期 待 に 応 え る と い う こ と で い く と 、と か く 、“ 研 究 の た め の 研 究 ”に な り が ち で す 。

北 海 道 教 育 大 学 の 附 属 学 校 の 先 生 方 は そ う で は な い と い う こ と は 、 お 話 を 伺 っ て い て

わ か る の で す が 、 私 自 身 も 公 立 学 校 で 研 究 を や っ て い る と き に 、“ 研 究 の た め の 研 究 ”

に な っ て し ま っ て い た よ う に 思 い ま す 。 今 の 立 場 も そ う で す け れ ど 、 目 の 前 の 子 ど も

た ち を ど の よ う に 育 て る の か 、 目 の 前 の 子 ど も た ち が ど の よ う な 状 況 に あ る の か を と

ら え た 上 で 、 ど う い う 手 立 て が あ っ て 、 そ の う ち 、 ど の よ う に す る の が 最 も 効 果 的 な

の か を 考 え て い く の が 本 筋 な ん だ ろ う な と 思 っ て い ま す 。

で す か ら 、 札 幌 市 も 昨 年 、 子 ど も の 自 己 評 価 を 大 事 に し た い と い う こ と で 、 市 立 の

小 ・ 中 学 校 、 高 校 す べ て に 、 子 ど も が 自 己 評 価 で き る 自 己 評 価 表 を 配 布 し て 、 子 ど も

(21)

に 調 べ よ う と し て い ま す か 」 と い う 質 問 に 対 し て 、「 だ い た い や っ て い る 」「 あ ん ま り や っ て な い 」 と か 、 い く つ か の 選 択 肢 か ら 回 答 を 選 ぶ の で す 。 こ う い っ た ア ン ケ ー ト

結 果 に も と づ い て 、目 の 前 の 子 ど も た ち が ど ん な 状 況 に あ る の か を 踏 ま え る と 、「 我 々

が 思 っ て い る ほ ど に は 、 子 ど も た ち は そ れ ほ ど 楽 し い 学 び だ と 思 っ て な い ん だ な あ 」

と い っ た こ と も わ か り ま す 。

子 ど も の 自 己 評 価 を 踏 ま え た う え で 、 例 え ば 、 全 国 学 力 テ ス ト の 学 校 ご と の 結 果 を

分 析 し て 、 ど こ に 指 導 の 重 点 を 置 け ば い い の か 、 も っ と 楽 し い 学 び が で き る 授 業 を つ

く る に は ど う す れ ば い い の か 、 と い っ た こ と を 探 っ て い く た め の 取 組 を 、 札 幌 市 は 進

め て い ま す 。

そ う い っ た 大 き な 意 味 で の 、「 教 育 」 と い う も の の グ ラ ン ド デ ザ イ ン を 考 え て い か

れ て 、 そ れ を ぜ ひ 、 地 域 の 先 生 方 に 発 信 し て い た だ き た い と い う の が 私 の 願 い で す 。

そ う い う 要 素 の な か に 、“ 小 中 連 携 ”と い う キ ー ワ ー ド が あ り ま す 。大 津 先 生 の お 話 に

も あ り ま し た け れ ど も 、札 幌 市 も 校 種 間 連 携 を2 6年 度 の 重 点 の 一 つ と し て や っ て い こ

う と い う こ と で 、 少 し ず つ 取 り 組 ん で い ま す 。

北 海 道 教 育 大 学 附 属 学 校 に は 、 小 学 校 と 中 学 校 が あ り ま す の で 、 ぜ ひ そ こ の “ 小 中

連 携 の 在 り 方 ” と い う 部 分 で サ ジ ェ ッ シ ョ ン を い た だ け る と 非 常 に あ り が た い と 思 っ

て い ま す 。 こ の こ と を 本 当 に ご 期 待 申 し 上 げ た い な と い う こ と で 、 今 お 話 を さ せ て い

た だ い て お り ま す 。

最 後 に 、 一 昨 日 札 幌 市 の 市 民 ホ ー ル で 開 催 さ れ た 教 育 フ ォ ー ラ ム に つ い て お 話 し し

ま す 。 文 部 科 学 省 の 板 東 審 議 官 に お 越 し い た だ き 、 学 ぶ 力 の 育 成 と い う こ と で お 話 し

し て い た だ き ま し た 。ま た 、平 成 2 6年 度 に 開 校 す る 中 高 一 貫 教 育 を 行 う 開 成 中 等 教 育

学 校 で 取 り 入 れ よ う と し て い る 国 際 バ カ ロ レ ア と は ど の よ う な も の な の か を 、 学 校 関

係 者 や 保 護 者 、 市 民 に 知 ら せ よ う と い う 狙 い も あ り ま し た 。

国 際 バ カ ロ レ ア は 新 た な 取 り 組 み で 、 初 め て お 聞 き に な ら れ た 方 も い ら っ し ゃ る か

も し れ ま せ ん 。文 科 省 の 審 議 官 も お っ し ゃ っ て い ま し た け れ ど も 、国 際 バ カ ロ レ ア は 、

こ れ か ら の 日 本 の 教 育 の あ る べ き 方 向 と ベ ク ト ル を 同 じ に す る も の で す 。 つ ま り 、 課

題 探 求 型 の 学 習 を 進 め て い き な が ら 、 グ ロ ー バ ル な 人 材 を 育 成 し て い く 。“ 詰 め 込 み ”

な の か 、“ ゆ と り ”な の か 、と い う 議 論 は も う や め に し て 、ど う い う グ ロ ー バ ル 的 な 人

材 を 育 成 し て い く の か 、 そ の た め に ど ん な 方 法 ・ 手 立 て が あ る の か を 探 っ て い き ま し

ょ う 、 と い う フ ォ ー ラ ム に な り ま し た 。

そ う い っ た 意 味 で も 、 こ の 国 際 バ カ ロ レ ア を 一 つ の 契 機 と し て 、 札 幌 市 は こ れ か ら

取 り 組 ん で い き た い 。 そ の エ キ ス を す べ て の 小 中 学 校 に 広 め て い き た い と い う 考 え を

持 っ て い ま す 。 で す か ら 、 そ う し た 情 報 等 も 含 め た 大 き な グ ラ ン ド デ ザ イ ン と い う こ

と で 、 こ れ か ら の 附 属 学 校 園 の 進 む 方 向 の バ リ エ ー シ ョ ン の 一 つ と し て 加 え て い た だ

け れ ば あ り が た い と 思 い 、 お 話 さ せ て い た だ き ま し た 。 い ず れ に し て も 、 今 後 の 附 属

(22)

【 辻 委 員 の 発 言 要 旨 】

ま ず 、 自 己 評 価 ・ 関 係 者 評 価 の 評 価 報 告 書 を 見 せ て い た だ い て 、 い く つ か 道 教 委 の

施 策 と 軌 を 一 に す る 取 り 組 み を 集 中 的 に や っ て い た だ い て い る 学 校 が あ り ま し た の で 、

( ど の 学 校 も そ う な ん で す け れ ど も ) と り わ け 特 徴 的 に 記 述 さ れ て い て 印 象 に 残 っ た

も の を ご 紹 介 さ せ て 下 さ い 。

札 幌 小 学 校 は 、 イ ン ク ル ー シ ブ 教 育 の 推 進 と い う と こ ろ が 非 常 に 手 厚 く 記 述 さ れ て

い て 、 今 ま さ に 課 題 に な っ て い る と こ ろ で す ね 。 私 ど も も 各 学 校 へ の 指 導 に 役 立 て て

い き た い と 思 い ま し た 。

札 幌 中 学 校 は 小 中 一 貫 教 育 に つ い て で ご ざ い ま す 。 最 近 道 教 委 で も 、 京 都 産 業 大 学

の 西 川 先 生 か ら 何 度 か ご 指 導 い た だ く 機 会 が あ り ま し た 。

小 中 一 貫 教 育 を 先 進 的 に 取 り 組 ん で お ら れ る 方 な ん で す け れ ど も 、 煎 じ 詰 め れ ば 、 小

中 一 貫 と い う の は 、 教 育 課 程 の 連 続 性 で い う と 、 小 学 校 6 年 生 と 中 学 校1年 生 を ど う

つ な げ る か と い う こ と で あ る 。 そ し て 、 さ ま ざ ま な 社 会 情 勢 、 あ る い は 、 現 実 に 起 こ

っ て い る 「 中 1 ギ ャ ッ プ 」 と い う 課 題 を 考 え れ ば 、 6 年 生 を ど う や っ て 中 学 校 段 階 に

つ な げ て い く の か と い う こ と が ス ト レ ー ト な 課 題 で あ る と い う こ と に な り ま す 。 こ の

こ と に つ い て も 一 層 の 研 究 の 充 実 と 課 題 の 明 確 化 、 そ し て 、 そ れ で は ど う す る の か と

い う こ と を 具 体 化 し て い く 必 要 が あ る と 思 い ま す 。

先 進 的 な 取 り 組 み と い え ば 、 小 学 校 6 年 生 を 何 度 も 何 度 も 1 年 間 の 間 に 中 学 校 に 通

わ せ る と い っ た 具 体 の 取 り 組 み も あ り ま す 。 今 、 道 教 委 で も 、 小 学 校 と 中 学 校 を 連 続

し て と ら え た 事 業 に 取 り 組 ん で い ま す が 、 小 学 校 と 中 学 校 の 双 方 で 新 し い 取 り 組 み を

進 め て い く こ と が 必 要 で す 。

函 館 幼 稚 園 で は 、 保 護 者 や 地 域 の 幼 稚 園 が 附 属 を 知 る 機 会 の 提 供 と い う こ と に 触 れ

ら れ て お り ま す 。 地 域 の 公 立 の 幼 稚 園 が 非 常 に 減 っ て い る こ と と か 、 ほ と ん ど の 幼 稚

園 が 私 立 幼 稚 園 で あ る と い う こ と を 踏 ま え れ ば 、 特 に 私 立 幼 稚 園 と ど の よ う に 関 わ っ

て い く か と い う こ と が 、 目 の 前 に 出 さ れ て い る 課 題 と い う こ と に な り ま す 。 そ し て 、

私 立 幼 稚 園 に 通 っ て い る 子 が 、 当 た り 前 で す が 、 や が て 小 学 校 に ど ん ど ん 入 っ て く る

わ け で す か ら 、 ど う い っ た 接 続 を は か っ て い く か と い う こ と を 一 層 考 慮 し て 、 充 実 し

て い く 必 要 が あ ろ う と 思 い ま す 。

函 館 小 学 校 は 、 私 、 前 職 が 胆 振 教 育 局 で ご ざ い ま し た の で 、 実 際 に 恩 恵 を 受 け て お

り ま し て 、 出 前 授 業 で す と か 、 様 々 な 公 立 の 学 校 へ の 支 援 を 展 開 し て お ら れ ま す 。 そ

う い っ た 取 り 組 み を 、 今 後 も さ ら に 充 実 さ せ て ほ し い と 思 い ま す 。

函 館 中 学 校 に つ い て は 、 I C T の 活 用 の 具 体 的 な 姿 が 見 え ま す 。 道 教 委 は 今 、 面 倒 な

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を い か に 導 入 し て い く か に 取 り 組 ん で お り ま す の で 、 ぜ ひ そ ち ら の 方 に も 力 を 入 れ て い た だ け れ ば あ り が た い 。

函 館 の 特 別 支 援 学 校 は 、 校 内 組 織 改 革 に よ る マ ネ ジ メ ン ト サ イ ク ル の 機 能 強 化 に つ

い て 触 れ ら れ て お り ま し た 。 こ れ は 後 で ま と め て お 話 し た い 。

旭 川 は 幼 稚 園 ・ 小 学 校 ・ 中 学 校 で 1 2 年 間 つ な い だ 道 徳 の 教 育 に つ い て 。 こ れ は 評

価 報 告 書 を 並 べ て 読 む と 、 非 常 に よ く 見 え ま す ね 。 大 変 興 味 深 い 。 発 達 の 段 階 に 応 じ

て 、 学 級 で ど う 具 体 化 し て 、 ど う 声 が け し て 、 毎 日 の 指 導 に 役 立 て て い く か 、 と い う

こ と が セ ッ ト に な っ て い る ん だ ろ う と 思 い ま す の で 、 非 常 に 興 味 を 持 ち ま し た 。

釧 路 小 学 校 に つ い て は 、 栄 養 教 諭 が 中 心 と な っ た 食 育 の 推 進 に つ い て 丁 寧 な 取 組 が

行 わ れ て い る と 思 い ま し た 。

釧 路 中 学 校 に つ い て は 、 教 職 員 の 経 営 参 画 意 識 の 向 上 に つ い て 興 味 を 持 ち ま し た 。

さ き ほ ど の 函 館 の 附 属 特 別 支 援 学 校 も そ う な ん で す が 、 こ こ か ら は 、 課 題 意 識 と い う

と こ ろ に 入 っ て い き ま す が 、 私 ど も 北 海 道 教 育 委 員 会 で は 、 教 員 向 け の 指 導 資 料 も そ

う で す し 、 指 導 主 事 に よ る 指 導 ・ 助 言 の 場 面 に お い て も そ う で す が 、 ど う い う 指 導 を

や ら せ る か と い う こ と に つ い て 、 一 貫 性 を も つ こ と を 心 が け て い ま す 。 こ れ ま で の 道

教 委 の 指 導 主 事 の 指 導 ・ 助 言 の 場 、 内 容 、 み な さ ん ど の よ う に お 感 じ に な ら れ て い る

か 、 そ し て 、 今 年 1 年 変 わ っ た な と い う ふ う に 感 じ て い た だ い て い る か ど う か 、 と い

う お 話 を さ せ て い た だ き ま す 。

こ れ ま で は 、 ど ち ら か と い う と 、 比 較 的 多 く の 先 生 が 、 指 導 案 作 成 の 段 階 か ら 参 画

し て 、 ひ と つ の 立 派 な 授 業 を 成 功 さ せ 、 全 員 で 研 究 協 議 を し 、 そ こ に 指 導 主 事 が 参 加

し 、 そ の 指 導 方 法 は ど う で あ っ た か 、 教 材 の 作 り 方 は ど う で あ っ た か 、 子 ど も 一 人 一

人 の 発 問 は ど う で あ っ た か 、 事 後 の 評 価 は ど う す る 、 と い う こ と を 相 当 、 眉 を ひ そ め

て 、 深 刻 に 検 討 し 、 こ の 仮 説 は 授 業 の こ こ に つ な が っ て ま す ね 、 と い う ふ う に 指 導 助

言 し て い た か と 思 い ま す け れ ど も 、 今 年 1 年 は 意 識 的 に 変 え て い ま す 。

1 年 1 組 か ら 6 年 3 組 ま で 、 ど う い う 共 通 の 意 識 を も っ て 授 業 を し て い ま す か 。 板

書 の 書 き 方 は ど の よ う に 統 一 し て い ま す か 。 学 習 規 律 は ど う い う ふ う に 徹 底 し て い ま

す か 。 1 年 生 2 年 生 で 徹 底 し た こ と が 定 着 す れ ば 、 も う そ れ は 3 ・ 4 年 生 以 降 で は 徹

底 し な く て も 済 み ま す よ ね 。 毎 年 毎 年 リ セ ッ ト さ れ て 、 一 人 一 人 の 教 員 の 指 導 力 に 過

度 に 依 存 し て い る 授 業 を 続 け て い る と 、毎 年 同 じ こ と を 繰 り 返 す こ と に な り ま す よ ね 。

そ う い う こ と を 少 し で も 防 げ る よ う に 。 そ う い っ た 指 導 を し て い ま す 。

そ れ で は 、 今 ま で の 指 導 助 言 は 間 違 っ て い た の か 。 私 は そ う で は な い と 感 じ て い ま

す け れ ど も 、 そ れ は や は り 、 北 海 道 の こ れ ま で の 長 い 歴 史 を 考 え る と 、 指 導 主 事 が 学

校 を 訪 問 し て 、 授 業 を 見 て 、 ス ト レ ー ト に 指 導 ・ 助 言 を す る と い う の が な か な か 難 し

い 時 代 が 続 い て い た 。 そ う い っ た 中 か ら 、 道 教 委 も 市 町 村 委 員 会 も 、 そ し て 、 学 校 の

校 長 先 生 も 、様 々 な 工 夫 や 戦 略 を も っ て 、少 し で も 入 れ る よ う に 、そ の 戦 略 の 一 つ が 、

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