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ボランティア活動における問題点と今後の解決策について

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Academic year: 2021

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「ボランティア活動にお

ける問題点と今後の解決

策について」

目次

1章 研究テーマの背景

2章 問題意識

3章 先行事例の紹介

4章 アンケート調査からの分析

5章 ボランティアセンターの方への

インタビュー

6章 問題意識の解決策1

7章 問題意識の解決策2

8章 私が考案した新たなボランティア活動

9章 最後に

謝礼

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第1章 研究テーマの背景 私が今回この研究を始めたきっかけを説明する。大学に入学してからの私は「募金活動」 「物品寄付活動」「復興支援活動」といった様々なボランティア活動に参加していき、その 中でそれぞれの活動の良い点、悪い点に気づき、悪い点の改善法はないかという疑問を抱 いたのが始まりである。 また私自身も、世界に存在する貧困層や難民、国内にもまだいる避難民の方々を手助け するようなボランティアに参加することが出来ればどんなに良いかと考え続けていたが、 なかなか行動に移せず、ずっとくすぶり続けて来た。例えば街中でボランティア活動に遭 遇した際にも、参加する勇気が持てず結局素通りしてしまったり、活動者の必死な呼びか けにも答えられず、活動そのものを素通りしてしまったという経験が多くあった。 その他にもボランティア活動の団体が多数参加する祭典に訪れた際に、その団体の方々 からいらなくなった教科書や衣服などを寄付する「物品寄付活動」や現地の人々に手紙を 書いて贈る「メッセージカード」のことを教えて頂いた。しかしせっかく頂いたメッセー ジカードによるボランティア活動も、行動に移すことなく見送ってしまったというのが現 状だったのである。 このように私はこれまで様々なボランティア活動が行われているのを見聞きしてきたが、 結局のところは参加するまでには至らず、「参加したいけど活動そのものには足が向かない」 という中途半端な状況を続けてきた。しかしこのように迷っている時でも、世界には貧困 や飢餓などで苦しむ人々が存在しているのが事実であり、私の行動一つで救える人々や命 があるならば、その一歩を踏み出さなければならないと思っていても、やはり踏み出せな い自分がいたのだった。 そこで私は参加したくても参加出来ないのならば、「参加したいと思ったその時に参加が 出来る活動」が存在すれば良いと思った。これが今回のテーマを卒業論文にしたきっかけ である。

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第2 章 問題意識 私が掲げた問題意識として、世間には「現地での活動」や「募金活動」、「献血活動」な ど色んな形のボランティア活動が存在するが、そのほとんどの活動が参加する人の時間や 価値観などのニーズに添えていない、あるいは添うことが出来ないという問題点がある。 これを具体的に説明すると、「募金活動」は今街中のコンビニエンスストアやファミレス、 居酒屋など誰もが利用するような店舗に設置はしてあるが、「募金したいけどお金がない」 場合や、自分が募金したお金が果たして現地に行き届いているのか?という思いに駆られ ることがあると思う。また近年では募金活動を利用した詐欺が多発しており、「詐欺かもし れないから怖くて募金出来ない」、あるいは「怪しい団体かもしれないから募金したくない」 と、詐欺に対する恐怖心や警戒心から募金活動に対する苦手意識が定着していることも懸 念される。このような詐欺による犯罪のせいで、本来は真っ当な寄付団体が存在したとし ても、その団体さえも疑い募金を拒絶するという負の悪循環が近年の募金活動にはあると 思われる。 もうひとつの例として「献血活動」を挙げる。献血活動は学校内や駅前、街中など比較 的人通りの多い場所で行われるので、活動そのものに出会う機会は多い。しかし献血活動 とは「血を抜き取る」という行為である為、そういう行為に抵抗を感じ、自ずと活動から 脚が遠のいているというケースが考えられる。活動自体には貢献したいとは思うが、血を 抜き取るという生理的な嫌悪感を抱くことから、活動の人気を妨げているということも考 えられる。 次に「災害地など現場で行なわれるボランティア活動」について注目すると、災害地で の活動は多くの人々と接する機会が多く、その中でやりがいや活動を通じて学ぶことが多 いという利点がある。しかし活動に参加するまでの費用や時間、そして現地に直接赴く労 力がきついという心身的な負担も多くあり、人によっては被災地に行くことへの恐怖心や 抵抗感という苦手意識が付きまとうということあると思う。被災地に来て活動するのはい いものの、もし自身が災害に巻き込まれて命を落とすということを考えたら、どうしても 現地の活動に参加しにくくなってしまうということである。このように災害地等に直接赴 くような活動は、参加することによって得られることも多数存在すると同時に、参加する 以前の問題点も多く見受けられると思われる。 このように世の中に存在する様々なボランティア活動には、それぞれの活動におけるメ リットやデメリットが存在する。個人のボランティアに参加したいという意欲や関心等が あったとしても、前述した制約の壁があることによって、活動に参加したい人々の数が減 少してしまっているように私は思う。つまり上記で述べた制約の壁によって、参加者希望 者の数を減少させてしまっているという悪循環をいつの間にか形成させてしまい、それが 活動参加者の減少を招いていると私は考えている。もしこのような制約の壁が存在しなけ れば、もっと多くの人々がボランティア活動に関与出来、参加者数の数ももしかするとも っと多くなるのではないかということもここでは推測される。しかし現状として、世の中

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に多数あるボランティア活動の中から、自分の時間にあった活動ややりたいと思う活動だ けに目を向けるというスタンスが一般的となっている。その為前述した制約の壁を全て取 り除くということはかなり厳しいし、それを変えようと考えること自体、社会の中ではあ まり見受けられないことかもしれない。 しかし私はそのスタンスそのものを問題と考え、それを変えることによってボランティ ア活動に参加しやすい環境を作り出したいと考えている。これまでのスタンスが一般的と なっているならば、参加者はそれなりの時間と個人のやる気等が一致しなければ活動に参 加しにくく、継続してボランティア活動に参加出来るメンバーも、何時の固定されたメン バーになってしまうようにも思われる。このように活動の参加者が常に一定というマンネ リ化が始まってしまうと、その活動における負担が何時もの固定されたメンバーにのみか かるという負の悪循環が発生するとも考えられる。 このような循環が発生すると、何時ものメンバーに負担が掛かるだけでなく、新たなメ ンバーの集客も難しくなり、ボランティア活動自体に人が集まりづらくなるという問題が 出てくることも考えられる。 つまり前述したような、時間と場所の制約や個人の価値観の相違という様々な要因が、 ボランティア活動の参加者数を減少させ、それによって日常的にボランティア活動を行っ ている人々やボランティアを求めている人々の負担に繋がっているという問題意識を私は 持っている。

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第3章 先行事例の紹介

上記の問題意識で述べたボランティア活動における制約の壁があまりないような活動と して、「クリック募金活動」と「ランナー募金活動」という2つの活動と「table for two」 というボランティアの活動システムを先行事例として取り上げた。 私がこれらの活動を先行事例に取り上げた理由として、これらの活動のシステムや在り 方には、私が始めに掲げたボランティア活動における問題点の解決策に繋がるヒントがあ ると考えたからである。 ではまず始めに「クリック募金活動」について紹介すると、「クリック募金とは、一般の 方が、クリック募金サイト上の募金ボタンをクリックすることにより、スポンサー企業が その方に代わって、提携したNGO に寄付をするというものです。 1人1日1クリックが上限で、企業は1クリックにつき1円の寄付をします。 クリックする人にとっては、インターネットを利用することで、いつでも、無料で募金を することができるという新しい仕組みです。 クリック募金は、誰もが気軽に行動し、参加することのできるボランティア活動として、 一日に多くのアクセスがあります。募金のページには、社会貢献活動としてこのクリック 募金に取り組む御社の情報が掲載されるため、毎日多くの方が貴社の社会貢献活動につい て知り、企業姿勢への認識と理解を深めることにつながります。 クリック募金は社会に貢献したい個人、CSR 活動を効果的にアピールしたい企業、タンザ ニア・ポレポレクラブの三者が、共にそれぞれの目的を達成することができる仕組みだと いえます。」(引用文献:http://polepoleclub.jp/click.html) 次に「ランナー募金」について紹介をすると、「走る貯金」は、宮城県内の市民ランナーの 呼びかけでスタートした、震災遺児の支援を目的とした募金活動です。その仕組みはユニ ークで、活動に賛同したランナーは、日々のトレーニングや大会で走った距離に応じて、 募金を貯めていくというもの。 この取り組みのいいところは、例えば1km10 円で毎日 5km ずつ走る、1km30 円で週末の み走る、といったように自分のスタイルに合わせて募金額を設定できるというところ。 こうして全国のランナーが走り続けて貯めた募金は、年に 1 回、被災地・宮城県で開催さ れる「仙台国際ハーフマラソン」の大会当日を満期日として集計されます。 第1 回の満期日となった今年の 5 月 13 日には、およそ 700 人のランナーから、合計 162 万円の募金が集まり、震災遺児のための施設建設費として「あしなが育英会」に寄託され ました。」(引用文献: http://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20120730/Gowmagazine_00001996.html) 最後に「table for two」というボランティアのプログラムについて取り上げると、「対象と なる定食や食品をご購入いただくと、1 食につき 20 円の寄付金が、table for two を通じて 開発途上国の子どもの学校給食になります。

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開発途上国に1 食が贈られるという仕組みです

第一に、支援する側とされる側の双方にメリットがあります。開発途上国の子どもたちと、 先進国の私たちが、同時に健康になれる仕組みです。

第ニに、どなたでも気軽にご参加いただけます。対象となる定食や食品をご購入いただく だけで、table for two にご参加いただけます。

第三に、いつでもご参加いただけます。食事は、誰でも毎日必ずとるものです。毎日の食 事を通じ、開発途上国の子どもたちと一緒に健康になってください。」 (引用文献:http://jp.tablefor2.org/aboutus/profile.html) 上記で紹介したこれらのボランティア活動に共通している特徴として、自分の生活スタ イルに合わせながら誰でも気軽にボランティアに参加が出来るというものがある。このよ うな自分の日常生活の中に溶け込んだボランティア活動は、前述したボランティア活動に 参加しにくくしている「制約の壁」を取り払った良い事例の活動といえる。つまりこれら の活動のシステムや在り方は、私が始めに掲げたボランティア活動における問題点を解消 する解決策になりうるかもしれないと私は考察し、今回先行事例として参考にさせて頂い た。

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第4章 アンケート調査からの分析 今回の研究において上記で述べた私の問題意識が、他者の抱いている問題意識と異なっ ていないか、あるいは間違った意識を抱いていないかを確認すると同時に研究の参考にす る為アンケート調査を実施した。 今回行ったアンケート調査は A,B,C の三つの選択肢を設けて、選択肢を選択した後に選 んだ選択肢の理由を答えるという形式で約 150 人を対象に実施した。選択肢の内容として A は「ボランティア活動に参加して、現在も継続している」と B は「ボランティア活動に 参加していたが、現在は参加していない」と C は「今までにボランティア活動に参加して いない」という項目を用意した。(アンケート調査に用いた用紙は本論文の文末に添付) そして今回のアンケート調査で一番多かった解答数として、B の「過去に参加はしていた が、現在はしていない」が極めて多く、その次に C の「これまでに一度も参加したことが ない」が多く、一番少なかったのがA の「現在も継続して参加している」であった。約 150 人の人数の数値として、A を選んだ人の人数は全体の 154 人中の 22 名で、B を選んだ人は 154 人中 84 名、最後の C を選んだ人は 154 人中の 48 名という結果になった。これらの数 値を割合にして見てみると、A の回答者は全体の 2 割程で、B の回答者は 5 割程度、C の 回答者数は3 割程度という見方にすることも出来る。 図:アンケート調査の数値結果(人) この解答数から明らかになったこととして、過去に数回参加して現在は関与できていな い者や、参加出来なかったという者が大多数を占めており、現在も継続して参加出来てい 22 84 48 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 A:現在も継続中 B:途中でやめてしまった C:参加経験がない

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る者の割合が少ないということである。このことからボランティア活動に参加したことは あるものの、自身の日常にボランティアを溶け込ませるという深いところまでは行き着い ていないことが垣間見えた。 次に選んだ選択肢のそれぞれの理由について一つずつ着目していく。まず A を選んだ人 の理由について着目すると、現在も参加できている動機について、サークルや団体に属し ていることから参加が出来ていると答える人が多数を占めており、その他では自身の実績 や経験の為に参加していると答える者もいた。 しかし個人の自発性で参加している者や、活動自体が楽しいから参加していると答える 人が全体的に少なく、A の選択肢の中から見ても僅かしかいないという結果になった。上記 の事からボランティア活動に継続して参加出来ている人の中においても、個人の主観や考 えで参加している者の割合が少ないということが明らかになった。 次に B を選んだ人の理由について着目していくと、過去に参加はしていたがそれっきり 参加しなくなった理由については、学校の行事や単発のボランティアに参加したきりでや めてしまったという者や、忙しくて時間が取れず参加が出来ないと答える者が多数であっ た。その他ではボランティアに参加する場所が遠いから参加しづらくなったということや、 活動そのものが億劫になってしまったことや参加の仕方がわからないという声もあった。 これらの理由から分かることとして、単発のボランティアなどに参加したきりで活動から 足が遠のき、活動自体に関わる機会を失ったことや、仕事や学業などで時間が取れなくな った者が多いということである。また私自身も、過去にボランティア活動に何度か参加は していたが、その全てが単発の参加で終わらせてしまっていたので、これらの結果には共 感出来る部分がある。 そしてこれは私の推測ではあるが、学校の行事や単発の活動に参加した時点で、活動か ら足が遠のくということは、個人の自発性で参加というよりは、他者から強要されて参加 したケースが多いということも考えられる。 最後に C を選んだ人の理由を見てみると、これまでにボランティアに参加しなかった訳 は、先ほどの B と同様に時間や機会がなかったと言う人や、そもそも興味がなかったと答 える人の比率が同じくらいに多かった。その他にも、活動そのものにやる気がなかったと いう人や、関心はあるがなかなか行動に移せない人、大変そうなイメージや活動のハード ルが高そうと感じてしまうことから参加出来なくなっている人など様々な理由が挙げられ た。また活動自体には参加したいと思ってはいるが、参加の仕方や情報の掲示がないこと から、参加するまでに至らなかったという意見も存在した。 このようにC を選んだ者達の動機は A や B を選んだ者達と比べると、多種多様なものが 多かったという結果になった。 今回のアンケート調査で明らかになったこととして、ボランティア活動に参加したこと のある者達は、学校の行事やサークルや団体に所属していたから参加したと答える者が多 く、自身の意思や自発性で参加したと言う者が極端に少なかったということである。この

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ことからボランティアに参加した者達の意識というのは、何らかの団体や集団に属してい たことから芽生えたという事が伺える。しかしこの結果は別の視点から考察すると、何ら かの組織や団体に属していなければボランティア活動に関与することが出来なかったとも 捉えられる。つまり団体に依存して、個人的にボランティアに参加するという自主性が欠 落気味であったということや、初めから活動の機会を得ることが出来なかったということ などが、今回の結果で伺うことが出来たように思われる。 今回のアンケート調査から、現代の社会においては何らかの組織に所属していなければ ボランティア活動に関与しにくくなるということが明らかになった。同時に現代の社会は 人々がボランティア活動に関与しにくくなっていると同時に、ボランティアに対して意欲 が持ちづらい環境になっている可能性があるかもしれないということも考えられた。 それはもしかしたらこれまでのボランティア活動において、参加したいと思う意欲や意 気込みを抱けなかったということも考えられる。 つまり現代のボランティア活動は、人々が想像している以上に身近に存在していなく、 活動自体に参加したいという意欲も持ちにくいものになっているという問題点があるかも しれないと私は考察した。

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第5章 ボランティアセンターの方へのインタビュー アンケート調査や先行事例の他にも、ボランティア活動の運営に携わっているボランテ ィアセンターの方の話や意見も聞く為、私は神奈川県横浜市西区のボランティアセンター の方と、東京市民ボランティアセンターの方に聞き取り調査の協力をして頂いた。 今回私が聞き取り調査を実施した理由として、研究の参考にすることは勿論であるが、 その他にも自身の問題意識や上記で述べたアンケート調査の分析結果に相違がないかを、 ボランティアセンターのプロの方に最終確認をする意味で実施をした。 調査内容としては、ボランティア活動に参加出来ている人はなぜ継続して参加が出来、 逆に参加が出来ない人は何故参加が出来ないのかということについて聞いてみた。 はじめに神奈川県横浜市西区センターで実施した聞き取り調査について述べる。横浜市 西区のボランティアセンターの方から聞いたお話では、ボランティア活動に継続して参加 出来ている人は皆、活動そのものが楽しかったり、以前にお世話になっていた施設などに 恩返しをする意味で活動に参加したり、友人を作るために参加したりなどの理由が多いと いうことであった。ボランティア活動が終了した後日に、参加者の方から「楽しかった、 また行きたいです」という連絡が来ることもあり、一回限りの単発で終わらせる事なく続 けて参加している人は、活動が楽しいと実感出来た人がほとんどであるという。逆に参加 出来ない人は何故参加が出来ないのかを聞いてみると、高齢者の介護や子どもの付き添い などが苦手ということから参加出来なかったりするケースが多いという。他にも人と接す るのがあまり好きではないという理由から、脚を遠のけるという人もいるそうだが、そう いう場合には人とあまり接しない活動に参加し、そこで活躍するような人も存在するとい う。つまりボランティアに参加出来ないという人は、人づきあいがあまり好きではないと いうことや、高齢者や子どもと接するのが苦手という、人間関係による要因が原因で参加 しづらくなっているということが多いという。 このようにボランティア活動に参加しづらいという人は、活動からくる肉体的負担とい うよりも、人間関係などの精神的負担が重荷となり、結果的に出来なくなるということに 繋がってしまうという。 ボランティア活動に継続して参加出来る人となかなか参加出来ない人の違いについて聞 かせて頂いた。 またセンターの方によると、ボランティア活動に対して一番やる気を感じる瞬間という のは、ボランティアに参加する申請書の記入や電話での手続き等をしている時で、それを 皮切りにやる気はどんどん下がってくるという。これは電話をかけた時やセンターに直接 脚を運んだ時には、「電話をかけて参加の手続きをするという思い切り」と「ボランティア センターに脚を運ぶという行動力」という活動に対して一歩前に踏み出せた瞬間であるか らだという。これらの行為は一見すると些細なことかもしれないが、実際にボランティア 活動に参加する時には、想像以上の行動力や思い切りが必要であるという。 つまりこの行動力や思い切りがボランティア活動に参加際の精神的な壁になっていると

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いう。 またこの他にも横浜市のボランティアセンターの方から教えて頂いたボランティア活動 の定義について述べると、ボランティア活動と聞いたら偽善や自己満足というワードが出 てくることがあるが、活動自体に意味があればそれは自己満足でも良いということであっ た。目的意識がはっきりとし、その活動をすることで誰かの手助けや社会の助けになって いるのであれば、それは意味のある自己満足であり決して無駄なことではないという。逆 に目的意識が明確でなくただなんとなく実施されている活動では、例えそれが自己満足で なくても意味のないボランティアになってしまうという。 ボランティア活動において大切なことは、参加者の気持ちや思いという精神的な一面も あるが、最終的にボランティアによる援助を求めている人の為になることが最も重要であ るという。このように横浜市西区のボランティアセンターの方からは、当初から聞く予定 だったボランティア活動の参加者の動機以外にも、ボランティアにおいての定義や重要な ことについても聞かせて頂き、大変有意義な聞き取り調査になったと私は強く感じている。 またインタビュー調査の最後に、ボランティア活動の方針やあり方は地域やそれを提供 するボランティアセンターなどによって異なっているというアドバイスを頂いたので、私 はそれを参考にし、次は東京都のボランティアセンターにて聞き取り調査を実施した。 聞き取り調査を行ったのは東京都にある東京都市民ボランティアセンターという団体で、 前回と同様にボランティア活動に参加出来る人とそうでない人の動機について聞いてみた。 そこで対応してくれた市民センターの方から聞いた話として、ボランティア活動に継続し て参加出来る人は目的意識がはっきりとしている人達が多く、同時に活動が楽しいから続 けられるのではないかとのことだった。また継続して参加することが出来ている人は、忙 しい社会人や学生などを問わず、忙しい日常の中でも1 時間や 2 時間などの空いている合 間の時間を作り、積極的に参加している人が多いという。活動に継続して参加することが 出来ている人は、忙しいから参加が出来ないという時間の制約に惑わされることがなく、 活動に対して熱意のある人や楽しんでやっている人達がほとんどであるという。つまりボ ランティア活動に対して本当にやる気のある人ほど時間による制約ぐらいでは断念するこ とはないという。次にボランティア活動に参加出来ない人について聞いてみると、活動に 抵抗がある人というのは人間関係や活動の内容が精神的負担となって参加出来なかったり、 途中で参加していたものを断念してしまうといったことが多いという。ここでいう人間関 係とは、介護のボランティアなどで高齢者と接するのに抵抗感があるということや、子ど もの付き添いをする活動等で子どもが苦手で活動が嫌になってしまうということであると いう。その他の負担では、障害者のボランティア活動などで活動に参加した者が、障害者 の方が背負っているものや活動の責任感の重大さを突きつけられることによって、「自分に は荷が重い」と感じて活動から遠ざかってしまう場合もあるという。 このようにボランティア活動に参加しづらくなっている人は、人間関係による負担や活 動の内容が重いなどの動機が原因となっているとのことであった。

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インタビューの内容をまとめると、参加しづらい要因というのは肉体的な負担というよ りも精神的な負担の方が強いということであった。更にボランティアセンターの方から聞 いたボランティアを提供している側にとって迷惑なこととして、ボランティアに参加する と約束していたのに、参加者の都合で急遽キャンセルをされたり、以前から知っている参 加者同士で固まり、他の交流がないということが挙げられるという。参加者の都合で活動 を急に断念されるということはボランティアを提供している側にも影響を及ぼし、何より もボランティアを求めている側にとっても残念な結果になる為であるという。しかしボラ ンティア活動という名目である以上は、参加者の都合でキャンセルすることに対しては提 供している側も深くは言及出来ないというジレンマがあるのかもしれない。 このように東京市民センターの方の聞き取り調査では、横浜市西区のボランティアセン ターの方から聞いたお話とはまた違った視点のお話やご意見をお聞きする事が出来たと思 う。 最後に二つのボランティアセンターでの聞き取り調査の内容についてまとめると、今回 メインで聞いたボランティアに参加出来る者とそうでない者の違いは、双方とも基本的に は同じような動機ということであった。それは活動に継続して参加出来る者は活動そのも のを楽しめており、逆に参加が出来ない者は人間関係という精神的な弊害が原因で参加し にくくなっているという点が共通していたことである。そしてこの結果から私が思ったこ ととして、人間関係が原因でその集団から離れて行ってしまうというのは、人目や周りを 気にしてしまうという、日本人特有の心理が影響しているのではないかということである。 集団行動を常に意識し、協調性を意識しすぎてしまう日本人故のあり方であるかもしれな いということもここでは考えられた。 このようにボランティア活動を運営し、それを提供するプロとして、重要と捉えるとこ ろや咎めなければならないことの相違について、聞き取り調査を通じて理解することが出 来たと思う。それと同時に今回の論文を書く上で、私が最初に掲げた問題意識と、以前に 実施したアンケート調査の結果がずれていないかどうかも確認することが出来た。ボラン ティアセンターの方から聞いた話と、自身が抱いていた問題意識とアンケート調査の結果 には共通するところが何箇所か見受けられたので、自分の問題意識や研究に間違いがない ことも明らかになった。以上がボランティアセンターの方達からの聞き取り調査の結果で ある。

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第6章 問題意識の解決策1 上記で述べたアンケート調査の分析や聞き取り調査、先行研究等を元に考えた結果、前 述した問題意識を解決する為には、人々の「時間の制約」と「個人の価値観」、「個人の苦 手意識や恐怖感」の枠を超えた活動を考慮して生み出すことが大切であると私は考察した。 これは従来の時間と場所が指定されたボランティアとは異なり、時間や場所に制約がなく、 また参加する際に恐怖感や不安を感じさせないという特徴を持ち合わせたボランティア活 動が求められているのではないかということである。 このようなボランティア活動が存在すれば、これまでに「仕事や学校、あるいは参加す るまでの資金の都合などで参加出来なかった人々、参加する勇気を持てなかった人々、活 動に対して一歩踏み出せなかった人々などがボランティアに参加するきっかけ作りになる と考えられる。そしてそのような活動に直に触れる事によって、今までに参加できなかっ たボランティア活動に対して、興味や関心を抱くことが出来、それが参加するということ に繋がり、結果的に活動に参加する人々の増加に繋げられるのではないかと私は考察した。 つまりここから言えることとして、これまでに存在したボランティア活動に参加する前の 「ボランティアの体験のステップ」の場を作ることが必要ということである。ここで言う 「体験のステップ」とは現地ボランティアや募金活動、献血活動のような本格的なボラン ティア活動に参加する前の「ボランティアの体験が出来るような活動」のことを示してい る。ボランティア活動の体験とは、本格的な活動に参加する前に、手軽かつ安全なボラン ティア活動に体験参加出来るというものである。その条件を満たすボランティアとして「何 時でもどこでも誰でも出来るようなボランティア活動」をもっと世に生み出すことが良い と私は考察した。 この「何時でもどこでも誰でも出来るボランティア活動」とは、仕事や学業などに時間 を取られていて身動きが取れず、ボランティア活動に参加したくても足を運べないような 人が、何時でも簡単に参加できるボランティアのことである。またその他にも、参加費用 が払えないという金銭面的に厳しい人や、活動に参加する勇気がないという精神面におい て踏み出せない人などが、そのような制約の壁に左右されることがないという特徴も持っ ている。つまり「何時でもどこでも誰でも出来るボランティア活動」の条件とは、「時間に よる縛り」や「金銭的な負担」「心身的な労力」が一切ないような活動のことを表している。 前述した負担がほとんどない活動が世の中にもっと多く存在すれば、これまでに時間の制 約や活動自体に抵抗感を抱えている等の様々な理由で、ボランティア活動に関与出来なか った人でも、気軽に参加出来る活動になると思う。同時に誰でも参加しやすいボランティ ア活動が存在することで、ボランティアの参加者人口を減少することにも繋がると私は思 っている。 しかし同時に懸念される点もある。それは仮にこのような活動を生み出せたとしても、 従来のボランティア活動と比べると、活動による影響力や貢献度は微々たるものとなるか もしれないということである。つまり現地でのボランティアのような時間と労力を費やす

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活動と、「何時でもどこでも出来るボランティア」のような時間と労力を必要としない活動 では、かかる労力に比例して社会貢献度合いに大きな差が出るということである。これま での時間の縛りや心身的な労力のある活動に比べ、それらの拘束がない活動の為、それに 比例して得られる貢献度合いも自ずと低下し、活動自体も生み出す価値があるのかという ことも大いに考えられる。 その為これらの欠点を補う為には、参加者の人口を他のボランティア活動と比べても圧 倒的に多くする必要がある。つまり活動からもたらされる貢献度合いが微々たるものであ るならば、それを参加者の数で補えば良いという発想である。これは「塵も積もれば山と なる」という言葉があるように、活動による影響力が小さかったとしても、参加者数の数 が多ければ多いほど、影響力の高いボランティア活動に転換すること出来るということで ある。このような「何時でもどこでも誰でも出来るボランティア活動」が実際に存在し、 その活動自体も「塵と積もれば山となる」の精神でより多くの人々が関与出来れば、世の 中に大きな貢献や反響をもたらす活動になると私は考えている。 ここまでの内容をまとめると、従来のボランティア活動に付きまとっていた個人の時間 の制約や苦手意識などが関与しないような、「何時でもどこでも誰でも出来るボランティア」 が社会に存在すれば、人々がボランティアに接する機会を増やすきっかけに結び付けられ ると思われる。そのような活動があれば、人々は毎日の習慣の中での何気ない時でもボラ ンティア活動に参加することが出来、それを全国的の人々で行うことが出来れば多大な貢 献力を持つ活動になりうると考えられる。また活動のシステムとして、事前の登録や手続 きなどをほぼしなくて良いものとして、年齢に関係なく誰でもその活動に参加が出来るよ うな窓口を設ける必要がある。従来のボランティア活動にみられた活動参加前の手続きや 予約を必要とせず、いつでも誰でも参加可能な活動が良いと思われる。理由として、これ までに必修だった「活動に参加する以前の手続き」がある場合、その手続き自体が制約の 壁になりかねないと思われるので、そのような手続きが不要な、いつでもどこでも誰でも 参加の出来るものがいいと私は考えた。

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第7章 問題意識の解決策2 次にもうひとつの解決策について述べる。上記で述べた「何時でも何処でも誰でも出来 るボランティア活動」以外にも、「何時でも誰でも参加しやすいような場所」を作ることも 重要である。これはつまり「何時でも何処でも」出来る活動そのものを示しているのでは なく、「街中を歩いて何時でも誰でも気軽に参加しやすいような場所」を設けたほうが良い ということである。前述で述べた、募金活動や献血活動のように、人々が苦手意識を持ち にくく、誰もが躊躇なく参加しやすい場を作り、ボランティア活動は怖くないというイメ ージを作ることが重要なのである。その為には人々が抱いていると思われる活動に対する 抵抗感などをほとんど感じさせない活動を生み出さなければならないと私は考察した。 ここでそのような活動に近い事例として、「子ども食堂」を具体例として取り挙げていく。 「子ども食堂」とは現在日本において、家庭の生活苦の為に十分な食事を取れていない子 ども達とその家族の為に、地域の人々が集まり食事を提供するというボランティア活動で ある。 この「子ども食堂」は子ども達に美味しく栄養のある食事を提供することが本来の目的 であるが、見学にいった子ども食堂では、子どもでない大人も参加費を支払えばお手伝い も兼ねて普通に参加することが出来るというシステムがあった。またその他にも「子ども 食堂」自体が、ボランティア活動だから堅苦しい空気感や、気を使わなければならないよ うな感じがほとんどないのが魅力的である。また表向きでは「子ども食堂」という看板を 出した活動であるが、実際は子どもでない大人も大歓迎してくれるような暖かい雰囲気も 兼ね備えており、ボランティア活動という意識を忘れさせるようなアットホームさが特徴 である。また子ども食堂に来たからには必ずしも子どもと接しなければならないという絶 対的な決まりがあるわけではないので、子どもが苦手だと思う大人でも大人同士で付き合 える場も提供してくれる為、子どもが苦手な大人でも参加出来るとも思われる。 このように、実際に行っていることはボランティア活動であるが、むしろその意識を忘 れさせつつ、参加者がボランティアをしていると忘れてしまうような雰囲気があるという ことも、ボランティアにおいて重要な点であると私は思った。 前述した「子ども食堂」のような子どもや大人という年齢の垣根を越えつつ、誰もが参 加したくなるような雰囲気を持ったボランティア活動の場がもっと存在すれば、人々はボ ランティアに対する意識を変えることに繋がり、それが結果的に人々が活動に参加すると いうことに結び付けられると私は思った。また場所の制約を受けないように、このような 場を市区に多く設置し、地域の人々や通りすがりの人でも気軽に参加出来るような場があ れば良いと私は思う。それと同時に参加する際の事前の予約や登録などをなるべく行わな くても済むようなシステムを設けて、参加する前の関門を出来うる限り取り去るという工 夫も極めて重要である。 私が考えるボランティア活動というものは、参加する前の参加志願者に対して、抵抗感 や不安や責任感などを感じさせないということが大切であると考えている。そしてその活

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動に参加して、それが本当にボランティア活動なのかと疑ってしまうくらいに、誰もが楽 しめるような活動が理想的であると思っている。参加なければいけないという責任感や義 務感でやるというのも、大変大切なことであるとは思うが、そのような重い気持ちで続け ていくといずれ苦しい活動に変わってしまう可能性があるからである。そうならない為に も誰もが楽しめ、何時でも参加の出来そうなボランティア活動の場を設けて、ボランティ ア活動に対する先入観を払拭することに繋げられれば良いと私は考えている。 前述した「何時でもどこでも誰でも参加の出来るボランティア活動」とは趣向が違った 「何時でもどこでも誰でも参加の出来るボランティア活動の場」が今後社会にもっと増え ていけばいいと私は考える。

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第8章 私が考案した新たなボランティア活動 この章では前述した「何時でもどこでも誰でも出来るボランティア活動」のアイディア を元にして、私自身が考案した新たなボランティア活動について紹介する。それは自宅に さえいれば誰でも出来る「節電節水ボランティア」というものである。これはまさしく文 字通りに、自宅等で節電や節水を行うことで、その電気や水が世界中の被災地や電気や水 が不足しているような地域に行き届くというシステムを持ったボランティア活動のことで ある。節電や節水をすることによって、その家の電気と水が節約されるだけでなく、抑え られたエネルギーは国境を越えて世界中の被災地等に届けられるという仕組みを持ってい る。 このようなシステムで構成された活動においては、人間関係や金銭面での負担という、 これまでのボランティア活動に存在した制約がほとんど関与してこないと思われるので、 従来の活動にあった制約の壁を全て取り払った理想のボランティアになるかもしれないと 私は考えている。またこのようなボランティアが実在すれば、家に居るだけで年齢や個人 の能力等を問わず、誰もが活動に参加することは出来るので、ボランティア活動の参加人 口を圧倒的に増やせるとも思われる。 この節電節水というボランティア活動自体は地味且つ、個人で行う場合には影響力が小 さい活動になるかもしれないが、それを参加人口の多さでカバーすることによって、最終 的には大きな貢献度をもたらすボランティアになると考えられる。 またこのボランティアによって、自身の家庭の水や電気の節約から電気代や水道代が浮く のみならず、その節約された水力や電力は、世界で水や電気を求めている場所へと供給さ れるという一石二鳥なボランティア活動になりうると私は考えている。 このような手軽なボランティアシステムが自宅という身近な環境に存在することで、い つでも誰でもボランティアを行えるだけでなく、自分が日常的にボランティアに参加して いるという意識を持つということにも繋げられるかもしれない。 そしてそのような意識を持つことによって、これまで以上にボランティア活動に関心を向 けるということにも繋げられ、それにより従来のボランティアに参加するということに結 び付けられるかもしれないと私は思っている。 またこの「節水節電ボランティア」という自宅で行える活動以外にも、街中にある飲食 店や遊び場などをそのままボランティアの場に変えてしまうという、「娯楽ボランティア」 もあると良いと私は考えている。 この「娯楽ボランティア」とはこれまでに、自身が当たり前のように利用していた飲食店 や娯楽施設をそのままボランティア活動と結びつけるというものである。 このような活動のシステムとして、今まで通りに飲食店や娯楽施設を利用し、そこで使わ れた資金などがそのまま募金のような役割を果たし、利用者は無意識の内にボランティア 活動に参加しているというものである。 このようなボランティア活動が街中や都心に存在すれば、人々は「ボランティア活動と

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いう名目の壁」や苦手意識などに左右されず、正に「いつでも何処でも誰でも参加のしや すいボランティア活動の場」になると思われる。つまりこのような、街に出て飲食店で食 事をしたり娯楽施設で遊びを満喫するという、誰もが一度は経験したがあると思われるこ とに、ボランティア活動を結びつけるということが「何時でもどこでも参加のしやすいボ ランティアの場」を設ける上において重要であると私は考えている。 まとめると、これらの「何時でもどこでも誰でも参加の出来るボランティア活動」と「何 時でもどこでも誰でも参加のしやすいボランティア活動の場」というものは、従来のボラ ンティア活動に見受けられたような「時間や場所の制約」や「活動に対する価値観」とい う概念を超越した活動といえるのである。 例えば朝起きて顔を洗ったり、歯を磨いたり、空腹の時には食事をするという誰もが疑 いようのない当たり前のことを行うような感覚で、誰もが当たり前のように出来るボラン ティアが身近にあればよいということである。このようなボランティア活動が世の中に多 く実在すれば、人々は日常生活において当たり前のようにボランティアをすることが出来、 誰もが当たり前のごとくボランティアを求めている人々に貢献が出来る社会になると私は 考えている。

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第9 章 最後に 今回の卒業論文を通じて、私が大学時代にずっと抱いてきたボランティア活動の問題意 識の解決策について自身なりに考察することが出来たと思う。そして研究を通して行なっ た先行研究やアンケート調査、ボランティアセンターの方の聞き取り調査等を元にして、 現代のボランティア活動に見受けられる問題点を解消したようなボランティア活動を生み 出すまでにも至れた。 しかし私が今回調査したこと以外にも、世界中のボランティア活動にはまだまだ改善す べきとされている様々な事情が多く存在すると思われるので、今回の研究が全ての解決に 繋がるということはないであろう。またボランティア活動というもの自体が本来自発的な 活動であるので、誰かに強制されたり共有されて行うものではないので、活動に参加出来 ないことやしないことは決して咎められることではないだろう。 しかし、もしそのボランティア活動によって救われる人々や助けられる命が世界中に多 く存在しているのであれば、ボランティア活動自体を、「自発的な活動」と割り切ってはい けないところもあるのかもしれないと私は思っている。その為私は始めに述べたような、 ボランティア活動に関与しづらくさせている要因を取り払ったような、ボランティア活動 が現在の社会や今後の社会において必要であると強く思っている。つまり日常生活の中に おいて、何時でも誰でも出来るボランティア活動というものが、世の中に多く実在してい れば、より多くの人々がボランティアに参加することが出来、それが最終的に世界でボラ ンティアを必要としている人々の大きな力になると考えているからである。 私自身が考案したような「何時でもどこでも誰でも参加の出来るボランティア活動」と 「何時でも参加のしやすいボランティア活動の場」の存在がそれに繋がっていくと私は考 えている。今回の研究を通して私自身が導き出したボランティア活動における今後の在り 方については、社会の中で受け入れられるかどうかは分かりません。ですがこのようなこ とをすることが出来れば、もっとより良い社会にすることが出来るのではないかというこ とを、私は今回の卒業論文を通して伝えたかったのであります。

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謝辞 今回私は卒業論文を完成するまでに至れたのは、研究室の指導教員である枝廣教授のご 熱心かつご丁寧なご指導と、お忙しい中でインタビュー調査にご協力してくださった神奈 川県横浜市西区のボランティアセンターの方々と東京市民ボランティアセンターの方々、 アンケート調査にご協力いただいた人々のお力があったからであります。僭越ながらこの 場をお借りしてお礼を申し上げます。今回の卒業論文作成において本当にお世話になりま した。 参考文献

・「TANZANIA POLE POLE CLUB」

http://polepoleclub.jp/click.html

・「excite.ニュース」

http://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20120730/Gowmagazine_00001996.html

・「TABLE FOR TWO」

http://jp.tablefor2.org/aboutus/profile.html

インタビュー調査に協力してくれた方々

・神奈川県横浜市西区のボランティアセンター

参照

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