東日本大震災、津波、原発事故
への精神医療対応
金吉晴
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
公益社団法人 日本精神神経学会
厚生労働省
東日本大震災
• 2011年3月11日
• マグニチュード 9.0 (Mw)
東日本太平洋沖
• 波高 8-10 mの津波
• 死者 15,628 名
• 行方不明者 4,823 名
3.11
後の情報提供
• 震災から3日目、国立精神・神経医療研究セン
ターは、適切な情報提供のためのウェブサイト
を立ち上げる
– 災害後精神保健医療ガイドライン、災害精神保健
医療マニュアル、災害時地域精神保険医療活動
ロードマップ、リーフレット等、20以上の資料を提供
災害時地域精神保健医療活動
ガイドライン
金吉晴 他
2002
災害本部
– 行政: 厚生労働省 (MHLW)
– 学術: 日本精神神経学会
– 情報: 国立精神・神経医療研究センター
下記のような学術/医療機関との協働体制
:
日本精神科病院協会
全国自治体病院協議会
日本精神神経科診療所協会
日本精神神経学会理事総会
日本トラウマティック・ストレス学会
日本精神科救急学会
精神医療サービスの継続
• 精神科入院患者の移送
• 精神科患者への医薬品の提供
• 災害以前より精神障害をもつ人々への現地
対応
– こころのケアチームによる
患者の移送について
• 精神科病院の機能停止
– 宮城県
3 病院
– 福島県
2 病院 ( 5 病院は放射線の危険のため)
• 1000名以上の入院患者が病床を失った
• 震災2日目: 被災地外の近隣県内における、収容可
能な精神科病床数の把握
• 震災から10日以内; 同県内もしくは遠隔地の病院
への搬送がほぼ終了
精神治療薬の供給
• 精神治療薬不足の危機
– 高速道路の崩壊
– 鉄道の損傷
• 抗うつ剤& 抗てんかん薬
– 東京など、遠隔地域における処方の
日数の制限
– 最大180日から30日に
こころのケアチーム
• 精神科医師、看護師および/もしくは心理士、精神
保健福祉士、現地の拠点を確保するための事務職
員
【心のケアチーム派遣状況】
平成24年1月25日までの累計で、
57チーム、3,419人が活動に参画。
宮城県
三重県・福岡県
富山県
国府台病院・
長野県
鹿児島県
福島県
国立精神・神経
医療研究センター
滋賀県・岡山県
岩手県
琉球病院・静岡県
高知県
神奈川県・山形県
宮崎県
沖縄県・久里浜アル
コール症センター
東京都・
千葉県
岡山県
秋田県・佐賀県
和歌山県・大阪市
栃木県
横浜市
埼玉県 群馬県 京都府 福井県 岐阜県北海道・愛知県・山梨県・奈良県
香川県
兵庫県・徳島県
長崎県・東尾張病院
活動実績のあるチーム
大阪府・国病鳥取
石川県
新潟県
12
こころのケアチームの枠組み
• 第1週目
– 任意の医療機関が、独自の情報に基づき、自発的にここ
ろのケアチームを派遣
• 1週間後〜
– 厚生労働省を通じて派遣されたこころのケアチームが被
災地にて活動を開始
• 2週間後〜
– 30チーム(+赤十字)が沿岸地域にて活動に従事
• 継続責任
– 最終的には約60チームが特定の沿岸地域における責任
を果たすために派遣され、チーム派遣の効果を上げ、現
地での精神保健医療活動を持続するためのルーティンを
構築
研究倫理
• 研究者の権利の濫用
– 支援と研究の境界線が曖昧になってしまう
ことがある
– 倫理的配慮を欠いたデータ収集
– 政府ガイドラインの無視
• 日本における疫学研究に関する倫理指針
– 日本精神神経学会は、研究者の倫理意識
の向上に関する重要な声明を発表
直後期の精神保健医療の方針
• 人道的支援 vs. 精神障害の 1次・2次予防
• トラウマ体験への、現地における一時的な介
入の効果について
– 心理的デブリーフィング
– アートセラピー
• 批判
– 9/11 後、アメリカ心理学会は警告の声明を発表
– Everlyは 、彼らの研究は不適切であると認める
– NICE ガイドライン: “経過観察”
支援/支える
本人の立ち直る力を
支える
社会・心理援
助
=人道的
介入/助ける
本人の力の及ばない
ところを助ける
医療・福祉介入
=専門性、エビデンス
見守り
「こころのケア」
結果の追跡
自然回復
こころのケア専門家の一貫性
• 精神医療機関の多様さからくる混乱
• ガイドライン
• 日本精神神経学会本部における継続的な
ミーティング
• 精神医療のオピニオン・メイカーの参加
www.thelancet.com Vol 378 July 23,
2011
2011. Kim Y, Akiyama T:
Post-disaster mental health care in
Japan. The Lancet 378 : 317-318.
警告:被災地外からのこころのケ
ア支援者自身に心理的な反応が
起きていること。
多面的なケア
• 体のケア
• 生活環境の整備
• 危険からの隔離
• 社会的な支え*
• 鎮静
• (必要な場合)投薬
• 心理教育、心理相談
• 専門治療
安全
安心
安眠
災害時こころの情報支援センターについて
東日本大震災における心のケア対策については、強い不安やフラッシュバックなどのPTSD症状等が長期間継続する患者がい
ることから、総合的な調整・助言指導、データ分析を行う、全国的な機関として「災害時心のケア研究・支援センター」を設置するこ
とにより、短期間のみならず中長期的にもPTSD症状や治療内容等の把握や分析を行い、被災3県(岩手・宮城・福島)のメンタル
ヘルス支援の質の向上に活用するとともに、今後も災害に備える必要があることから、その結果をもとに、全国の災害時における
心のケア対応力の向上を目指す。
目的
心のケアセンター
被災県
相談
支援・調査
被災者
被災者
被災者
活動データ等
の提供
・分析データ提供
・技術的支援・助言 等
心のケアセンター
心のケアセンター
相談
支援・調査
支援・調査
相談
○被災地で心のケア活動を行う専門職に対して、対応・支援に関する技術的
指導・助言
○被災地の心のケア支援活動により得られる精神症状等のデータ等の情報
を効率的に集約整理、専門的分析を行い、被災県にフィードバック
○被災地の心の健康状況に関する調査・分析、研究事業等の窓口機能
○東日本大震災における心のケアチーム活動の検証、及び、今後の大規模
自然災害発生時に備えた、全国の心のケアチームの活動手法の研究及び
技術的研修
災害時こころの情報支援センター
国立精神・神経医療研究センターに設置(23年12月)
全国
技術的研修
心のケアチーム
自治体
施策に関する
技術的助言
東日本大震災で
のチーム活動
データ提供
1 3 /0 3 /2 5 1 1 :2 2 災害と 精神保健医療コ ース: 災害と 精神保健医療-2
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