遷 移
修 士論 文
金属 のスパイ ラル磁気構 造 に関す る理論 的研 究
平成 22年 度
二重大学大学院 工 学研究科 博士前期課程 物 理 工学専攻
ナ ノサイエ ンス ・ナ ノテ クノロジー領域
中井澤 友 昭
二 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
目次
第一章 序 論
1 . 1 背 景 .…… ………… ………… … … … …… …… … … …… ……… …… …… … … … 0…2 1 。2 研 究 の 目的 .……… …… … … …… …… …… … …… …… …… … … 0……e3
第 二 章 ス パ イ ラル磁 気構 造
2 。1 磁 壁 につ い て.………… …… … … …… … …… … … …… …… …… …… …… … … 0…5
2 。2 ス パ イ ラル磁 気構 造 につ い て.……… … … …… … …… …… ………… …… … …・…8
2 。3 遷 移 金 属 強磁性 体 とハ ー フメタル .……… … … … …… …… …… …… … … …10
第 二章 第 一原 理 計算 F L A P W 法 3 。1 は じめ に。……… …… … … …… …… … … …… ……… …… …… … … 1 1 3 。1 。1 密 度 汎 関数 理論 . …… …… ・…… …… …… …… … ……… ……… …… …… … … 1 1 3 。1 . 2 局 所 勾配近似 。…… … …… … … ……… … ………… …… …… … …1 5 3 。1 。3 局 所磁 気 モー メ ン ト密 度 近似 . …… …… … …… …… …… …… …… … … … …1 6 3 。1 。4 ‑ 般 密 度近似 . …… … …… … … …… …… …… …… … …… …… …… …… ・……1 7 3 。2 F L A P W i 去 . ………20
3。3 ‑般 ブ ロ ッホ の定理 に よる計算 .……… …… … …… …… …… …… …… … … … …22
第 四章 第 一 原 理 計算 に よるスパ イ ラル磁 気構 造 の解析 4。1 遷 移 金 属 強磁性 体 .…… …… …… …… … …… … … …… …… …… …… … … ・… 24
4 e l 。l N i . ‥………24
4 。1 。2 C o 。………3 4 4 。l e 3 F e ( b c c ) . … ………4 4 4 。1 。4 F e ( f c c ) . … ……. ‥‥‥………‥‥・‥………0 …0 ‥‥・………・……・…・‥……0 ………・… 5 4 4 。2 ハ ー フメ タル 。………… …… … … …… … … …… … …… …… …… …… … … … …… …6 4 4 。2 。l C r A s 。………∴・………6 4 4。3 ま とめ。…… ……… …… …… …… … …… … … …… …… …… …… … … … …… 0069
第 5章 結 論 。… ……… ……… … … …… …… …… ……… …… ………… …… … … … …71
参 考 文献 .…… ……… …… … … …… … …… ………… …… … … … …… …72
謝 辞 .…… .………… … ………・… …… … … …… … … … ………… … ………… … … … …73
1 。1 背 景
IT社 会 の発展 は大量の情報 を記録す る技術 をぬきに して語 ることはできない。 中で も磁気 記録 は、 ビデオテープ レコー ダによる映像記録 か らコンピュー タ用ハー ドデ ィスク装置の デ ィジタル情報記録 まで、大容量情報 を記録再生す るために使 われ てお り、その高性能化、
高密度化 は著 しい。磁気記録 には主 に磁気抵抗 (MR)効 果が利用 され てい る。磁気抵抗 効果 とは隣 り合 う磁 区 と磁 区が平行 な磁化 をもつ場合 と、反平行 な磁化 を持つ場合 で電気 抵抗率が変化す る現象 の ことである。磁気抵抗効果 はハー ドデ ィス クのヘ ッ ドに実用 され てお り、デ ィスク ・ヘ ッ ドはヘ ッ ド内を流れ る電流 によ り記録媒体の漏れ磁場 を検 出す る。
しか し、記録密度が上がる と、漏れ磁場が小 さくなるため、僅 かな磁場変化で大 きな電流 変化 が得 られ る材料 (大きな磁気抵抗比材料)が 必要 になる。そ こで注 目され てい るのが、
巨大磁気抵抗効果 と トンネル磁気抵抗効果 である。 巨大磁気抵抗効果 とは、通常の金属 の 磁気抵抗効果 は数%だ が、強磁性層 と非強磁性薄膜層 を重ねた多層膜 は高い磁気抵抗比 を 示す ことであ り、室温 におけるFe/Cr多層膜 で巨大磁気抵抗が初 めて示 され た (1988年)[1]。
以来、研 究が急速 にすす め られ 、高い磁気抵抗比が得 られ てい る。 また、 ト ンネル磁気抵 抗効果 とは、厚 さ10 nm程度 の とて も薄い絶縁層 を強磁性金属層 な どで挟 んだ ものに電流 を 流 した とき磁場 によつて抵抗値 が変化す る現象 である。 これ は、1995年に初 めて絶縁体層 にアモル ファス酸化 アル ミニ ウム,強 磁性電極 に3d強磁性金属 を用いた磁気 トンネル接合 素子 を作製 し,室 温で18%を 超 える磁気抵抗比 を実現 した[2][3]。以来、酸化マ グネ シ ウム を絶縁層 に使 つた トンネル磁気抵抗素子では室温で約70%の 磁気抵抗比 を記録 している。
この よ うに、磁気抵抗効果 は記録デバイスに応用 され、高性能化、高密度化 に貢献 してい る。
従来 のハー ドデ ィスクは、磁気信 号 をデ ィスク表面に対 して水平方 向に並べて記録す る
「水平磁気記録方式」 であつた。磁気記録 では微小磁石 の向きでlbitの情報 を蓄 えるので、
テー プやデ ィスクの限 られ た面積 の中にいかに高密度 に多 くの微小磁石 を並べ るかが記録 容 量 を決 める。水平磁気記録方式 では、デ ィスク面 に沿 つて微小磁石 を向き合 うよ うに形 成 していたために、高密度 に配置 しよ うとす る と磁石 同士が互いに反発 して不安定 になっ て しま うとい う問題 があつた。 このよ うな理 由で、水平磁気記録方式 は100 Gbiザinch2程度 が限界 である と考 え られてい る。 そのため最近では、記録 の高密度化 と記録磁化の熱的安 定性 の両立が可能 な 「垂直磁気記録方式」が採用 されてい る。垂直磁気記録方式 は、信号 磁石 をデ ィスクに垂直方向に立てて並べ る記録方式であ り、記録密度 を高 くす るほ ど隣接 す る信 号磁石 がお互い に強 め合 い、記録 が安定す る とい う、磁石 の原理的な性質 を利用 し てい る。水平磁気記録方式 とは対照的な性質 を持 つてお り、本質的 に高密度化 に適す る方 式 である。垂直磁気記録方式の採用 によ り、ハー ドデ ィスクの記録密度 は飛躍的に向上 し、
実用化 レベル で350Gbiプinch2の領域 に到達 しよ うとしてお り、研 究 レベル では既 に800 Gbiザinch2が実現 され てい る。 さらに大容量化 が実現 され るためは、記憶単位 のサイズが ど
ん どん小 さくす ることが必要 となつている。微細化が進む 中でナ ノサイズにお ける磁気抵抗 効果 の理解 が必要 となって きてい る。
強磁性体 の磁壁構造 の研 究 は1907年Weiss[4]らに よる磁 区構 造 の提案 に よつては じま り、
1932年Bitterらによつて初 めて磁 区構造 の観測が試み られた。1935年にはLttd田やLithitz[5]
に よつて磁 区構造が理論的 に組み立て られ、詳細な磁 区構造が予見 され た。その後、1949 年Willims[6]らに よる実験 に よつて磁 区構造が実証 された。また磁 区 と磁 区の間の領域 に存 在す る磁壁 の研 究 は1932年、Bloch[7]によつて行われ、その後、Bloch磁壁 、Ned磁 壁、枕木 磁壁 な どが明 らかに され た。
近年、磁壁 の磁気抵抗効果 に注 目が集 まってい る。 こ れ は例 えば磁気 メモ リー等へ の応 用 が考 え られてい る。 強磁性伝導体 に よるナ ノ細線 中に磁壁 を導入 し、磁壁 の安定箇所 と な る くさび状の くびれ を二つ有す る構造 を形成 させ、適 当な配線 を施 しメモ リーセル とす る。細線 に電流 を入力す るこ とで、磁壁が二つの くびれ を移動 し、位置 による三状態間遷 移 を実現す る (書き込み)。また、磁壁 が移動す る際 に生 じる起電力 を測 定す ることで、磁 壁 の位置状態 を電気的 に検 出す る (読み出 し)。従来の磁気 メモ リー と比 して、細線力日工 と 磁壁 の利用す ることでメモ リーヘのデー タ書 き込みに外部磁界 を用いず、読み出 しも素子
自体 に発生す る電圧 を用い るため、高集積性 、高効率 な素子設計が可能 にな る と考 え られ てい る。 しか し、磁壁 にお ける電気伝導現象 に加 え、その基礎 である詳細 な電子構造の決 定が未 だ十分 にな され ていないのが現状である。
1 . 2 研究 目的
前述 の通 り、磁壁 にお ける電子構造や電気伝導 に関す る基礎 的研 究 は重要 な課題 となつて い る。 しか し、磁壁 は Fig.loに示す よ うに並進対称性 をもたないため、その理論的解析 が 困難 となってい る。そ こで、本研 究 では、Figel(b)のよ うに磁壁 に類似す る構造 を持 ち且つ 並進対称性 を有す るスパイ ラル磁気構造 に注 目し、第一原理 FLAPW法 を用 いてスパイ ラ ル磁気構造 の電子構造 を決 定す る。 また、 フェル ミ準位 での状態密度 か らスパイ ラル磁気 構造 にお ける電気伝導度 を考察す る。計算 には遷移金属強磁 体 のプ ロ ッ トタイ プで もある Niと Co、Ni、さらにフェル ミ準位 で 100%の 磁気モー メン ト偏極率 をもつハー フメタル (閃 亜鉛鉱型結晶 CAs)を 対象 とす る。
(b)
Fig l。1 (a)磁 壁 と (b)ス パイ ラル磁気構造 の比較
2 。1 磁 壁 につ い て
強磁性体 中の各原子 の磁気モー メン トには、向きを 揃 えよ うとす る交換相互作用 が働 いてい る。そのた め、無 限に大 きい強磁性体では全ての磁気モー メン トが 同 じ方 向 を向い た状態 がエネル ギー的 に安 定 である。 しか し、有限な大 き さ強磁性体 は、表面磁 極 に よつて生 じる静磁 エネル ギー を減 少 させ るた めに、磁 区 と呼ばれ る微小 な磁気構造 に分害1され る。
その磁 区 と磁 区の境界部分では、磁気モー メン トは 一方の磁 区か ら、他方の磁 区の磁化方向に徐々に向 きを変 えてい く。 この磁気モー メン トの向きの遷移 層 を磁壁 (domain wall)と呼ぶ。磁壁 内の磁気モ ー メン トが徐 々に回転 している理 由は、磁気モーメ ン ト間 の交換相 互 作用 はそ の角 の二乗 に比例 して 増加す るため、急激 に向きを変 える と、エネル ギー
が増加 して しま うためである。 Fig2。1 磁 壁 内での磁気モー メン ト回転 磁 区の配置 としては二通 り考 え られ、隣 り合 つた
磁 区の磁化 が反対 向 き、つま り 180°変化 してい る 場合 と、直角 になってい る、つま り90°変化 してい る場合 で あ る。 前者 を 180°磁壁 といい、後者 を
90° 磁壁 とよぶ。 Fig 2。2 磁 区の配置 (a)180°0)90
磁壁 には 2種 類あ り、それぞれ(a)ブロッホ磁壁 と⑤ ネール磁壁 とよばれている。Fig2.3 の (a)に あるように、ブロッホ磁壁は隣 り合 う磁気モーメン トが磁 区の面内方向に回転 し た ものである。 これは磁気モーメン トの法線成分が連続的である場合に発生す るものであ る。 しか し薄膜構造になるとブロッホ磁壁では磁気モーメン トが膜面 と角度 をなすため、
静磁エネルギーが増 して しま う。 このため、薄膜構造では、磁気モーメン トが磁壁 に垂直 な方向に回転 したネール磁壁 となる。 ま た、膜厚がブロッホ型 とネール型の中間の場合、
ブロッホ磁壁 とネール磁壁が交互に周期的に現れ、枕木磁壁 となる。
2種 類の磁壁。(a)ブロッホ磁壁。6)ネール磁壁
ノ件 貯
・ ン
リ
彗 ︲ ︱ ︱ 1 1一・ ・lt¨tゝ弩 ・
Fig 2。3
強磁性 体 の磁 区構造 は、静磁エネル ギー :Emagヽ交換相互作用エネル ギー :EEXヽさらに磁 気異方性 エネル ギー:Ea亜の三種類 のエネル ギーの総和 を最小 にす るよ うに決定 され る。
E t o t a l = E m a g + E E X + E a n i
磁 区構 造 を決定す る上 で静磁 エネル ギー が重要 になって くる。 しか し、強磁性 体 の単位 面 積 当た りで比べ る と、静磁 エネル ギーの寄与 は交換相互作用エネル ギー に比べ て小 さい。
このた め、強磁性体 中の磁気モー メン トは ミクロなスケールでは交換本目互作用エネル ギー を小 さくす るよ うに平行 にな るが、マ ク ロなスケール でみ る と磁極 を打 ち消 しあ うよ うに 反 平行 とな る。 これ が強磁性体 が磁 区構造 を作 る原 因 とな る。以下 にナ ノスケール の強磁 性体 の磁 区構造 を決定す る上で重要 な 3種 類 のエネル ギー を説 明す る。
(1)静磁 エネル ギー :Emag
強磁性体 の場合 、磁化 とその反対方 向に生 じる内部磁場 によ り、 外 部磁場がな くて も磁性 体 の内部 で は静磁 エネル ギーが発 生 してい る。 その量 は、磁極 を磁性体 の両端 に内部磁場 に逆 らつて存在 させ るに要 した仕事量であ り、磁極 間の静磁エネル ギーの総和である。
静磁 エネル ギーは磁化 Iと 磁場 Hを もちいて
Emag=
とあらわす ことができる。
( 2 ) 交換本目互作用エネルギー: E E X
交換相互作用エネルギー とは、 2 つ の磁気モーメン ト間の原子のもつ交換相互作用 によつ て生 じるエネル ギーである。交換相互作用 とは磁気モーメン ト間に働 く相互作用で、一般 的に磁気モーメン トS i と助であるときエネルギーが極小になるようにする作用であ り
Eα=一 JΣSJesナ
ここで Jは i番 目、j番 目の原子の磁気モー メン ト交換積分定数、Si、助は i番 目、j番 目の 格子位 置 にある原子 の持つ磁気モー メン トを表す。 交換相互作用エネル ギー は交換積分定 数 Jに 注 目した磁気モー メン トとその第 1近 接原子 の磁気モー メン トとの内積 をか けた値 である。J>0の 場合 は強磁性体配列、J<0の 場合 は反強磁性体配列でエネル ギー状態が低 く な り、安 定 となる。
(3)磁 気異方性 エネル ギー:Eam
磁気 異方性 とは、強磁性体 の 自発磁化 を形成す る磁気モー メン ト群 が、その強磁性体 を形 成す る結 晶 の特定 の方 向に向 きたが る傾 向の事 である。言い換 える と自発磁化 が結 晶 中で とる方 向 に よつて磁性体 の内部エネル ギーが変化す る現象 である。 も しもこれ がないな ら
H V
d r i J l 一2
一
磁化 の方 向 をゆっ くりと変化 させ てなめ らかな磁化配置 をつ くつたほ うが交換相互作用エ ネル ギー と静磁 エネル ギー を最適化す るこ とになって しま う。磁化 が向 きやす い方 向 を磁 化容易軸 、向きに くい方 向 を磁化 困難軸 とよぶ。 それ ぞれ の方 向 を向いた場合 のエネル ギ ー の得 と損 をそれぞれ磁化容易軸エネル ギー、磁化困難軸エネル ギー とよぶ。通常 どんな 磁性 体 も磁気異方性 は持 つ│てい る。異方性 の起源 は大 き く分 けて 2種 類 あ り、古典電磁気 的 な静磁 場 のエネル ギー を最小化す るた め と、物質 の構造 に起因す るもので ある。 まず、
多 くのマ クロな磁性体 では、異方性 は主 に磁化配置 のつ くる静磁場 のエネル ギーで決 まる。
例 えば薄 い板上 の強磁性体 で は、通常磁化 は面内に寝 よ うとす る。 も し垂直 に磁化 が向 く と板 の全 面積 に磁極が発生 し大 きな静磁 エネル ギー を持 つて しま うか らである。 また細線 状 の磁性 体 では、同 じく表 面 に現れ る磁 極 を最小 限にす るよ う、線方 向 に磁 化 が向 きやす くな る磁気異方性 の大 き さは磁化容易方 向に向いてい る磁化 を磁化 困難方 向に向けるため に必要 なエネル ギーである。磁気異方性 には結晶磁気異方性 、形状磁気異方性 、誘導磁気 異方性 の三種類 がある。
①結 晶磁気異方性 とは、結 晶構 造 、す なわ ち電子磁気モー メン トと格子 間に働 く磁気モ ー メン ト軌道相互作用である。 もつ とも簡単な磁気異方性 は一軸磁気異方性 である。 これ は六方晶に代表 され る効果 で
E α = κ lsin2 θ+ κ 2Sin4 θ
として示される。ここでθは磁化容易方向と磁化のなす角であり、氏,K2は異方性定数で
ある。
②誘電磁気異方性 とは、強磁性体に外か ら何 らかの操作を加 えることによ り、その異方 性の大きさや対称性を制御できるよ うな現象である。
③形状磁気異方性は材料の形が球形でないことによる異方性が生 じる事であ り、強磁性 体の 自発磁化が、反磁場係数の小 さな方向に向 くことによ り自己エネル ギーを小 さくしよ
うとす るために生まれ るエネルギーである。
ε′J― ε″=θ (面間距離)で 、磁 気 モー メン トは qc進 む ご とに角度 θだ け回転す る。式 0 は
正Kθ )=― パ 2 ( z O J O + Z l J l c o s θ
+ z 2 J 2 C ° S θ ) で あ らわ され る。 こ こで この式 の極 小 を調 べ る。 平行 ・反 平行 につ い て は
強磁性 E(0)=一 カ52(zOJO+ZlJl+z2J2) (θ =0)
反強磁性 E(π )=A52(zOJO一 ZlJl+z2J2)
で ある。次にスパイ ラル磁気構造 は 』ツ グθ= 0 か ら cos610‑ 差
(θ=π )
(-1 < cos% < l)
を得 る。 ここか ら
五Kθ)=一ハ62zOJO̲1(ZlJl■+z2J2
8 z2J2
を得 る。今、 zOJO>0(面 内強磁性)と して各構造 の安定性 を調べ る と強磁性 と反強磁性 とスパイ ラル磁気構造 が安 定 とな り、三面反強磁性 はスパイ ラル磁気構 造 に含 まれ る。 こ の よ うに して強磁性 か ら反強磁性へはスパイ̀ラル磁気構造 を通 して連続 的 に変化す る。
,^/ -
Ieri\ai
lrho-rho(r)
1 + 0 .lg645s sinh -t
(7 .7956s) + (0.2743- 0.1508e-r00s2 )r'
t 2 + A t a + A t 2 + A 2 t a
この平面波十分 にた くさん とるので格子間領域 があって もよい基底 系 となる。基底 関数 の 数 を考 える と LAPW法 は APW法 と比較 して、一般的 に多 くの基底 関数が必要 となる。 こ れ はAPW法 ではMT球 内の波動 関数 として求 めるべ き固有エネル ギーその ものが基底 関数 に組 み込 まれ てい るためである。
LAPW法 で用いた MT近 似 は結晶ポテ ンシャル形状 に制限を付 けてい るが、そ うした制 限 を取 り除いて、一般 の形状 のポテ ンシ ャル をあつ か うものが FLAPW(Full‐ potential LAPW)法 である。FLAPW法 では
1。 求 め られた一般 の電荷分布 についてポア ソン方程式 を解 く 2.電 荷分布 について非線形 な交換相 関ポテ ンシャル を求 める
3。 得 られたポテ ンシャル に関 して、LAPW法 の規定 を基 いた行列要素の計算 を行い、
その固有値 を求 める。
4.得 られた固有状態 を用いて電荷分布 を求 める
を行 い 自己無撞着 (sel■consistent)な解 を求 めるこ とにな る。
3。3 ‑般 Blochの 定理 を用いた計算
21
第 一 で テ こ
る﹂ o 来 る 出
﹀
︲ o u i
ス B r
ここでg‖はスパイラル磁気構造の波数ベク トル、θ平″‖/2/た
+Glr)は 独立スピン LAPW 基底で表わ され る。更に、スパイ ラル磁気実装において並進対称性 をもつ電子密度 とポテ
ンシャル として
トセ:ル
ニ ッ
¶ 月
r
/Jlヽ
ツ
・ η
¶月
+ ん V
ヽ
︐ ノ ノ
型 隋
一 一
い
> >
r r
< <
π 乃
一
m 一 た
一
し 一
ホ 一 ッ ロ
比較的原子 の少 ないモデル を扱 う場合 には超格子 をユ ニ ッ
ば
一
> 一
¨ 6 をそれ ぞれ 定 めた。
Fig 3。1(D超 格子ユニットセル
トセル として計算す ることは可
22
能 で あるが、原子 の数 が多 くなる場合 には、超格子 と して扱 うべ き原子数 が多 くな つて し まい、計算 が不可能 になって しま う。 さらに超格子 でスパイ ラル磁気構造 を扱 うと、スパ イ ラル磁気 の波長 は格子数 に よつて あ らわす こ ととな り、計算 で きる波長 は限 られ て しま
う。
しか し、一般 ブ ロッホの定理 を用い ることによつて F i g 3 。4 ( a ) のユニ ッ トセル か らF i g 3 。4 ( b ) の ユ ニ ッ トセル を計算 させ るこ とにな り、 1 つ のユ ニ ッ トセル で超周期 の磁気構造 を再現 で きるよ うにな るため、原子数 が多 くな る場合 で も計算 で き、あ らゆ る波長 に も対 応 で きるよ うにな る。
23
4。1遷 移金属系
4.1では遷移金属強磁性体である Co、Ni、Fe(bcc)、Fe(fcc)に おける全エネルギーの q 依存性及びスパイラル磁気構造の安定性 について議論す る。またフェル ミ準位 における状 態密度の q依 存性を解析 し、スパイラル磁気構造における電気伝導について考察す る。
4 。1 . l N i
波 数 qを 変化 させ 、強磁性 体(q=0。0)か ら反 強磁 性 体(q=0.5)に磁 気構 造 が変化 した ときのエ ネル ギー 変化 を Fig 4。1に 示 す。例 えば、q=0.1の 時、スパイ ラル磁 気構 造 は(001)方向 に隣 接 す る原 子 の磁 気 モー メ ン トが 36° ず つ傾 きい てい る。 同様 に q=0。2で 72° 、q=0。3で
108° 、q=0.4で 144°ずつ傾 いてい る。q=0。5の 時 に反 強磁性 体 の磁 気 モー メ ン トの配 列 になる。縦軸は q=0。0の 全エネルギーをE。とした ときのエネルギー差 △E=E̲E。 を示 し たものである。この図か らわかるよ うに、qの 値の増加 とともにエネルギー差 △Eも 増加 し、
実験結果 と同様に、q=0。0(強 磁性)の 磁気構造がエネルギー的に安定である。
次に、強磁性体 (q=0。0)と 反強磁性体(q=0。5)のエネルギー差か らキュ リー温度 Tcを 見 積 もつた。その結果、Table 4.1に示す よ うに、キュ リー温度が 572Kと な り、 この計算結 果は実験結果 を再現 している。
45 40
0。1 0。2 0。3 0.4
Fig 4。1
q
N i に おける全エネルギーの q依 存性
Table 4。l Niに お ける計算 で見積 もつたキュ リー温度 と実験値 との比較
q=0。0と q=0.5のエネルギー差LVl キ ュリー温度 [Kl キ ュリァ温度 (実験値)lKl
5
0
5
0
5
0 3
3
2
2
1
1
﹇日o場\>出︑聟oc国
48。2 572
24
631
各 qに お ける状態密度図を Fig4。2に 示す。左の図が全状態密度、右 の図がマイ ノ リテ ィス ピン とマジ ョリテ ィス ピンを分解 した図 となってい る。q=0。0か ら増加す るにつれて してマ イ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョリテ ィス ピンが混成 している。Fig4。1に おいて qの 値の増加 と ともにエネル ギー差 △Eも 増力日してい ることか ら、マイ ノ リテ ィス ピン とマジ ョリテ ィス ピ ンが混成す る とエネル ギーが上昇す ることがわかる。q=0.5の状態密度図をみ るとマイ ノリ テ ィス ピン とマジ ョリテ ィス ピン どち らの ピー クもフェル ミ準位 上 にきてい るため、 フェ ル ミ準位 での状態密度 DFが 大 き く増加 している。
次 にスパイ ラル磁気構 造 にお ける電気伝導 を考察す るた めに、 フェル ミ準位 にお ける状 態密度 DFの q依 存性 を Fig4。3に 示す。ここで縦軸が DF(q=0。0)に 対す る、各 qの DF(q) の比 DF(0)/DF(0で ある。この図か ら q=0。0か ら増加す るにつれて して DF(q)が 増加 し、
qが 0。3か ら 0。4に かけて、大 き く増力日している。この結果 よ り、Niに おいてはスパイ ラル 磁気構造が形成 され る と、状態密度 の観点か ら、電気伝導が高 くなるもの と予測 され る。
25
1
‐5
一4
2
0
8
6
4
2
〇
一 4
2
0
8
6
4
2
0
一1 1 1一 1 1 1一 ﹇>出∽o場ゼ∽
︺ oむ
︼ ∽ 一 場ゼ∽口﹇>出∽oo∩
︺ oお
︼ ∽口o∩
8 6 4 2 0
‐2
‐4
‐6
‐8
8 6 4 2 0
‐2
‐4
‐6
‐8
‐10
2
0
8
6
4
2
﹇>出∽o場一∽﹂oh↓︼∽口0∩
‐5 0 5 10 : Ener野 [eV] :
q=0.2
Energy [eV]
‐10
26
‐10
Energy [eV] Energy [eV]
4。1。2 Co
Coの 最安定構造 は六方最密充填構造であるが、計算 の しやす さ、他原子 との比較 を考慮 し、
今 回の計算 においては Coを fccと して扱 うことにす る。 その際、格子定数 は六方最密充填 構造 の体積 と同 じにな るよ うに決 定 した。
Niと 同様 に Coバ ル クを強磁性体(q=0。0)から、反強磁性体(q=0。5)に 磁気構造が変化 した と きのエネル ギー変化 を Fig 4。8に 示す。縦軸は q却。0の 全エネル ギー をE。とした ときのエネ ル ギー差 △E=E̲E。 を示 した ものである。この図か らわか るよ うに、qの 値 の増加 ととも にエネル ギー差 △Eも 増加 し、実験結果 と同様 に、q=0。0(強 磁性)の 磁気構造がエネル ギ ー的に安定である。さらに Niと 同様 に強磁性体 (q=0。0)と 反強磁性体(q=0。5)のエネル ギー 差か らキュ リー温度 Tcを 見積 もつた。その結果 、表 4。2に 示す よ うにキュ リー温度 が 1320K
とな り、 この計算結果 は実験結果 を再現 してい る。
160
140
120
0。1 0。2 0。3
q
F i g 4 。8 C o に おける全エネルギーの q依 存性
表 4 . 2 Coに お ける計算で見積 もつたキュ リー温度 と実験値 との比較
Q〓000と q=0。5の エネル ギー差ImevI キ ユ リー温度 IKl キ ュ リー温度 (実験値)[Kl
0 0 0 0 8 6
﹇日oヽ
\>国出o口︑露
138.5 1320
34
1044
各 qに お ける状態密度図を Fig4。9に 示す。左 の図が全状態密度、右 の図がマイ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョリテ ィス ピンを分解 した図 となってい る。q=0。0か ら増力日す るにつれて してマ イ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョリテ ィス ピンが混成 してい る。Fig4.8において qの 値 の増力日とと もにエネル ギー差 △Eも 増加 してい ることか ら、Niと 同様 にマイ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョ リテ ィス ピンが混成す る とエネル ギーが上昇す るこ とがわかる。
次 に電気伝導 を考察す るために、Coの フェル ミ準位 にお ける状態密度 DFの q依 存性 を F絶 4。10に 示す。ここで縦軸が DF(q=o。0)に 対す る、各 qの DF(q)の 比 DF(0)/DF(q)である。
この図か ら q=0.0か ら増加す るにつれて してフェル ミ準位 にお ける状態密度 の値が増加 し てい る。 しか し、Niの よ うにピークがフェル ミ準位 上 にきていないため、DFの 変化 は Ni に比べて小 さくなってい る。
35
: 14 強磁性体
̲12
>0 1 0
∽
ミ 80
∽
摯0 6 ヽ
日 40
∩ 2
2
0
8
6
4
2
﹇>出∽髯一∽﹂o︑ゼ︼∽口0∩
0 一 1 一 5
¨
14 2
0
8
6
4
2
0
﹇>出∽o罵ゼ∽︺oむ
︼ ∽∩口o
‐2 ,
‐4 ′″′
: ‐8 夕′″″″̲″″脇 ′―″,,,,,,,,,,'',''''',,,,,,,1′」″………″″二″………J :
… l.… ´ .̲三 ::´ ■ ̲ず ′ 鯛"菱 ′ 1,り :.三
一8
6
4
2
0
2
4
6
8
一 8
6
4
2
0
2
4
6
8
Energy [eV]
36
Energy [eV]
Energy [eV]
4.1。3 Fe(bcc)
Feに ついては fcc構造 とbcc構造 どち らについて も考察 した。
波数 qを 変化 させ、強磁性体(q皇0。0)から反強磁性体(q=0.5)に磁気構造 が変化 した ときのエネ ル ギー変化 を Fig 4。14に 示す。縦軸 は q却。0の 全エネル ギニ を E。とした ときのエネル ギー 差 △E=E̲E。 を示 した ものである。 この図か らわかるよ うに、qの 値 の増加 とともにエネ ル ギー差 △Eも 増加 し、実験結果 と同様 に、q=0。0(強 磁性)の 磁気構造がエネル ギー的 に 安 定である。 さらに Niと 同様 に強磁性 体 (q=0。0)と 反強磁性体(q=0。5)のエネル ギー差か ら キュ リー温度 Tcを 見積 もつた。その結果、表 4。1に 示す よ うにキュ リー温度 が 1620Kと な
り、 この計算結果 は実験結果 を再現 してい る。
180 160 140 120 100 80 60 40 20 0
0。2 0.3 0。4
﹇日o場\>o聟o●国
Fig 4.14
q
F e ( b c c ) における全エネルギーの q依 存性
表 4。3 Coに お ける計 算で見積 もつたキュ リー温度 と実験値 との比較
Q〓0。0と q却 。5の エネル ギー差 ImevI キ ユ リー温度 IKl キ ュ リー温度 (実験値)IKl
1620 165.2
44
1388
各 qに お ける状態密度図を Fig4。15に 示す。左 の図が全状態密度、右 の図がマイ ノ リテ ィス ピン とマジ ョリテ ィス ピンを分 けた図 となつてい る。q=0。0か ら増力目す るにつれて してマイ ノ リテ ィス ピンとマジ ョリテ ィス ピンが混成 してい る。Fig4。14に おいて qの 値 の増加 とと もにエネル ギー差 △Eも 増加 してい ることか ら、Ni、Coと 同様 にマイ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョリテ ィス ピンが混成す る とエネル ギーが上昇す ることがわかる。
次 に電気伝導 を考察す るために、Fe(bcc)のフェル ミ準位 にお ける状態密度 の q依 存性 を F絶
4 . 1 6 に 示 す 。 こ こ で 縦 軸 が D F q = o o o で の D F ( q = 0 . 0 ) に 対 す る 、 各 q の D F ( q ) の 比 D F ( 0 )
/DF(q)である。この図か らDFは q=0。0か ら増加 し、q=0。1で 最大 とな り、そこか ら減少に転 じて q=0。3で 最少 となってぃる。 これは、Ni、Coと は違 う傾向を示 している。
45
0
2
4
6
8
8
6
4
2
0
2
4
6
8
8
6
4
2
0
2
4
6
8
ergy[ev]5
一 E n
¨
5 一
9 8 7 6 5 4 3 2 1
〇 一 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
. 1 一4
・ 2
・ 0
8
6
4
2
一 一や把¨端一豫゛一¨一一n 一 一︐把駕ゼ∽
︺oぉ
︼ ﹂口↓∽ 一 ﹇>出o∩∽o起
︺oぉ
︼∽目o∩
46
Energy [eV]
Energy [eV]
Energy [eV] Energy [eV]
- 3 - 1
Energy [eV]
Energy [eV]
Energy [eV]
Energy [eV]
﹁ 一
′ れ︐
一
″
一
〇
︵目X更→目︶∩
1 . 6
1 。4
1 。2
1 。0
0 . 8
0 。6
0 。4
0 . 2
0 。0
0。1 0。2 0。3 0。4 0.5
q
Fig 4.27 t2g軌道、eg軌道でのフェル ミ準位における状態密度の q依 存性
中℃ g軌道
― t2g軌道
63
4。2ハ ー フメタル
閃亜鉛鉱構造型ハー フメタル である CrAsに お ける全エネル ギー の q依 存性及びスパイラル 磁気構造 の安定性 について議論す る。 またフェル ミ準位 にお ける状態密度 の q依 存性 を解 析 し、スパイ ラル磁気構造 にお ける電気伝導 について考察す る。
4。2。l CrAs
波数 qを 変化 させ 、強磁性体(q=0.0)から反強磁性 体(q=0。5)に磁気構造が変化 した ときのエネ ル ギー変化 を Fig。4。28に 示す6縦 軸 は q=0。0の 全エネル ギー を E。とした ときのエネル ギー 差 △E=E― E。を示 した ものである。図か ら、qの 値 の増加 とともにエネル ギー差 ΔEも 増 加 しq=0。0(強 磁性)の 磁気構造がエネル ギー的 に安定である。
各 qに お ける状態密度 図を Fig.4。29に 示す。左 の図が状態密度、右 の図がマイ ノ リテ ィ ス ピン とマジ ョリテ ィス ピンを分 けた図 となってい る。q=0。0か ら増加す るにつれて してマ イ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョリテ ィス ピンが混成 してい く。 しか し、遷移金属 の結果 と比ベ る と混成 の影響が小 さく、状態密度 の変化 はほ とん どない。また、Fig。4。28に おいて qの 値 の増加 とともにエネル ギー差 △Eも 増加 してい ることか ら、遷移金属系 と同様 にマイ ノ リテ ィス ピン とマ ジ ョリテ ィス ピンが混成す ることによ り、エネル ギーが上昇す る。
次 に電気伝導 を考察す るため、 フェル ミ準位 にお ける状態密度 の q依 存性 を Fig。4。30に 示 す。 ここで縦軸 が DF(q=o。0)に 対す る、各 qの DF(q)の 比 DF(0)/DF(q)である。 この図 か ら q=0。0か ら増加す るに つれて して DF(q)が 増加 してい るι しか し、その変化 は遷移金 属 に比べて小 さい。
300 250 200 150 100 50
0.2 0。3
Fig 4。28
q
C r A s における全エネルギーの q依 存性
64
﹇日o起\>o日﹈h響o口国
energy [eV]
0
energy [eV]
- 5 0
energy [eV]
第 5章 結 論
本研 究 で は、 スパ イ ラル磁気構 造体 に注 目 し、一般 ブ ロ ッホ定理 を適 用 した第一原 理 FLAPW法 を用いて理論計算 を行 つた。具体的 には、遷移金属 (Fc、Co、Ni)及 び トンネル 磁気抵抗材料 として期待 され てい るハー フメタル (CrAs)を 対象 に、 これ らのスパイ ラル 磁気構造 にお ける電子構造 を解析 した。各状態 にお けるフェル ミ準位 での状態密度 を評価
した。以下にその結論 を述べ る。
遷移金属お よびハー フメタル について第一原理計算 による磁気構造お よび電子構造 の解 析 を行 つた。その結果、スパイ ラル構造 の波数 (q001=1/λ)を 0(強 磁性状態)か ら 0。5(反 強磁性状態)ま で増加 す るにつれ て、マ ジ ョリテ ィス ピン とマイ ノ リテ ィス ピン状態 間の 混成 が生 じ、電子構造的 に不安定 となつた。 また、全エネル ギーの qool依存性 の計算結果 か らも、実験結果 と同様 に、qool=0(強 磁性)の 磁気構造が安定であることを示 した。
次 にスパイ ラル磁気構造 にお ける電気伝導 を考察す るた めに、遷移金属強磁性体 での フ ェル ミ準位 にお ける状態密度の qool依存性 を計算 した。その結果、Fcで はスパイ ラル磁気 構造 が形成 され るこ とによ リフェル ミ準位 にお ける状態密度 が強磁性状態 に比べ て減少す ること、Coで はほ とん ど変化 しない こ と、Niで は顕著 に増力目す ることが分かつた。 これ は 最近接方 向にある 3d(t23)軌 道 の混成 による電子状態 に起 因 してい る。 また、Fe、Ni、Co の 3d軌 道 の電子数 は 6、7、8で あ り、 この順番 にフェル ミ準位 での状態密度が増加 してい る。 よつて、t2g軌道 での電子数が増加す るに従 って、 フェル ミ準位 での状態密度 は増加す るこ とがわか った。
閃亜鉛鉱構造型ハー フメタル CrAsで はフェル ミ準位 にお ける状態密度 の qool依存性 がほ とん ど生 じない こ とが分かつた。 これ はフェル ミ準位近傍 にマ ジ ョリテ ィス ピンの値 がな いため、混成 して も効果が小 さかつた。
以上 の結果 に よ り、スパイ ラル磁気構造 にお けるフェル ミ準位 の状態密度 は、ハー フメタ ル では変化が見 られ なかったが、遷移金属では Feで は減少、Niで は顕著 に増加す ることか ら、磁壁 を形成す ることによ り電気伝導が Feで は減少、Niで は顕著な増加 をす るこ とを示 唆 してい る。
71
謝 辞
本研 究 を行 うにあた り、終始 、多大 な るご指導 を賜 りま した伊藤智徳教授 、 中村浩次准 教授 、佐 野和博教授 、秋 山亨助教 に深 く感謝 の意 を表 します。 同期 の小笠原孝介君 、加藤 雄 大君 には研 究活動や授業 においての助言等、様 々な議論 を して頂 きま した。 また島袋力 氏最後 に、研 究室 の生活おいてお世話 にな りま したナ ノデザイ ン研 究室院生、学部生 に感 謝 します。