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保健科教育分科会

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保健科教育分科会

1・保健教育の現状

 近年,教育学関係の図書の発刊量や種類は,研究成果の進展とともに,かなり大きなも のとなってきた。就中,授業研究関係の書籍は雑誌も含めて特に著しい。だがしかし,教 科別にみると,記載内容が授業研究等の現場の研究成果に響く密接したものであっても,

保健教育に関するものは,皆無に等しいほどである。事実,「授業研究」とか「教育,児 童心理」「教育技術」等の現場研究向きの雑誌をしらべてみても,「体育」に関する実践 的研究はあっても,「保健」に関するものは,きわめて稀である。たまに記載されたもの は,「夏休みの健康」 「虫歯の予防」 「毘童の生活時間」 「安全教育と交通事故」 「初潮 指導のすXめ方」等の部分的にとり上げられた題材であったり,つまり,保健教育の内容 や方法の全体構造の中に明確に位置づけられたものではない,季節とか学校行事等に関す るトピカルな題材についての保健指導例であったり,単なる衛生講話的テ主意事項であった

り,さして,専門的な保健教育に関りのない生活指導的内容のものであったりする。また 極めて総論的で評論勇貿的な内容であることも少なくない。

 まして,保健指導や保健。学習授業研究等;のヲミ践的研究にアプローチするものは殆んど みられないのが現状である。

 保健教育に関係が深いとされる体育の中でも「スポーツと安全教育」とか「格技指導と 安全」等の研究は少なくない。しかし,こXにみられる事故傷害の防止や疲労防止等の安 全指導や清潔指導は,保健教育の内容や方法,手続きにおいて,それらと独立したものが 多い。つまり「体育の削回。興野達成のための従属的保健」なのである。このことはなに も体育にのみ限定されたものではない。理科,技術・家庭科,社会科等においても同様な のである。従ってこれらの教科や道徳は保健教育に関する素材を有し乍ら独立して,カリ キュラムの上でも,相互に有機的な関連はなく,全体的或は綜合的なで呆健教育を考慮して 計画的効率的に実践されることは少ない。

 ところが,たてまえは「教育基本法の第i条(教育の目的)には『教育は人格の完成を

……S身ともに健康な国民の育成……』とうたつてあるように,健康は学校教育における 教育目的のなかに明確に位置づけられているといえる。同じように,教育現場の「本校教 育日標』とか『本年度努力R標』などのなかには,大多数のものが,健康教育ないし安全 教育の推進をあげている。」 のである。

      @

(2)

 このように,一面では健康や安全に対する現場的な願いや目標が切実なものであっても その実践的教育活動の現実面となると,「たてまえ」とか「願い」と対応するほど充実さ れ,確立されたものではないようである。

 次に保健授業の実態についてみてみよう。昭和38年,小倉氏が東京都および茨城県で行       cs)

なった中学・高校における保健授業に関する実態調査によると,茨城県郡部高校では,中 学時代に毎週1時間,「規則的に授業を受けた」とするものは,約6割であるとしてい

る。その授業内容については「教科書を使わなかった」とするものが郡部に35%(中学校)

もあり,授業は「教科書を読まぜるだけ」のものもあり,東京都ワ%,茨城県市部26%

(中学校),関東27%,茨城県36%(高校),他教科の授業内容と比較した場合,保健学 習がいかに低調であるかが容易に推察される。

 さらに,昭和41年,森氏の岡山大学の新入生を対象とした高校時代の保健学習に関する        @

調査によると,大部分のものが「教科書中心の保健授業を受けた」としている。しかも,

「教科書を終りまで全部習った」とするものは約4割で,ほかは「部分的」あるいは「途 中で終った」としている。これをいわゆる受験用主要科目とされる教科の「2学年までに

3年間の全教程を終える」などの授業と比較した場合,学校教育における保健教授・学習 は,教育El標の理想とはほど遠い現状といえよう。

 では,このような保健教育・保健学習,保健指導の実践がその目標とかけ離れて低調で ある原因は,どのような要因から成り立ち,関連しているのであろうか。

 小栗教授はその要因を健康教育者(H:ealth educator)の養成上の問題とか,入学試験     (i)

による学力偏重などをあげ,「……入学試験のための知識偏重教育を強いられている。こ れでは,小学校,中学校,高等学校などで,心身ともに健康な人間形成などの教育がでぎ るはずがなく,極端な場合には健康など多少そこなっても,有名校に入学できる方が大せ つであるとする傾向さえみえる」としている。

 保健:教育がふるわぬ原因には,このほか,保健教育を支える内部にも,外部にも多くの 要因を含んでいるようである。

 外的要因に対するものとして「保健体育科あるいは保健の免許有資格教師が少ないから 大学でもっと多く養成しなくてはならない」「保健体育教師は現実的に体育の授業にかた よりがちだから〜専門の保健科教員を」,「学校における保健管理や保健教育に対する関 心・理解e能力が低いから,教員となるすべての学生に保健教育・学校保健を履修させる べきだ」,「保健の授業時数をふやせ」「予算,教具・実験実習用施設設備を」などの声

がある。

 たしかに,このような行・財政,制度,設備などの外的条件の整備拡充が重要であるこ

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保健科教育分科会

とはいうまでもない。しかし,同時に,内的条件についても注目されなければならない。

 内的要因に関するものとしては,まず第1に「保健を指導する教師の資質能力の条件」

である。つぎに,「保健教育内容・教科内教材構造における系統性,関連性の確立,基本 的教材の究明。精選・構成等の問題」である。第3に「学校教育における管理・運営,教 育課程内での保健教育との関連,位置づけ,教科間構造における保健科の位置ずけ」第4 に,「保健教授・指導=学習過程における教育方法,技術の探究改善」第5に「保健教育 における学習者のニード,興味,態度等の内的外的学習条件」そのほか,「学校保健・保 健教育内容と公衆衛生活動・衛生教育との有機的相互関連の明確化」などが考えられる が,今後,実証的,科学的に追究されなければならない問題であろう。

 次に,保健教育の重要な問題要因の一つである保健体育教師の勤務条件,保健学習指導 への態度,保健教育関係知識。理論の不足・必要度等についてふれてみよう。

H.保健教育における保健体育教師の現状

 保健体育という教科は,国語とか数学等の教科と異なり,また,複合的な教科である社 会とか理科とも異なり,教科の目的・内容・教授。指導方法において全く異る側面を多く 含む保健と体育が教育理論的根拠も明白でないま\に合体された教科となっている。この ような現状では,それらの異質な二面を指導する教師に,他の教科とは異った教育能力上 の資質が,つまり,一方では技能教科としての体育指導のための運動技能とその理論が要 求され,他方,保健面では,どちらかといえば理科・生物教育内容に密接な関連をもつ科 学的知識と実験実習等を含めての指導技能が必要とされている。

 そのため現場での保健教育に対する負担感とかモラールは保健体育教師養成のための大 学における教育・学轡内容の現状と対比して考慮すると余り多くを期待することはかなり 難かしい。つまり,「保健:など,さして教育指導するつもりでなく,大学の(保健)体育 科を受験志望し,入学後も,保健教育への意欲もなく,大学での教育内容も体育に比して きわめて乏しいものを形の上だけ学習した者」が,いざ現場に立ってみると保健学習。保        @

健指導面での多くの知識技術が要:求されている。

次に,このような多くの負荷条件の中にある保健体育教師についてその実態をみてみよ

う。

図1 教科別にみた教師の退勤時刻(平【ヨ)

保健体司≡i E.××.umgtTil/III:.mX.×umwwtL. ilgmm>.tsmmmui]一i n一=222

(4)

他教科 !

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      (昭和43年 内山,吉池)

 図1は昭和43年に茨城県内の中学・高校の教師を対象として,勤務条件・退勤時刻等に ついて郵送質簡紙調査を実施し,その結果の一部を示したものである。

 5時以前に退勤する者の比率を保健体育教師と他教科教師と比較してみると,保健体育 教師がll%で,他教科のそれは29%である。5時〜6時の間では前者の28%に対し,後者 は41%,6時以後では,保健体育教師の60%に対し,他教科は29%と示され,前者の約半 分の値となっている。

 このように保健体育教師は,他教科の教師に比して退勤時刻以後,特に6時以後はかな り多くの者が学校に残っていることがわかる。 (文部省の学校教員の勤務時間調査参照)

これを年令別にみると表1のように示される。つまり保健体育教師の中でも若いものほど 遅くまで残っているという傾向がみられる。

表1 保健体育科教師の年令別退勤疑寺刻

  済寄一墨蝉凹5…一・…i・…一 ・

iにi劉劉i劉i『

        i        l

  36 〜 40    i     30     1   54       33

  41− 148;19121

       (昭和43年 内山,吉池)

表2 他教科と比較した退勤時刻後の保健体育教師の仕事

壷献望堅健細他饗免

         ;      7ヂ tt

  特活指導i 78% i 37%

  校務弾事務i 15  32

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   その他,NA i  3  i  16

         1         i

       (昭和43年 内山,吉池)

では,彼らはその後の時問を何につかっているのであろうか。表2は規定の退勤時刻後

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保健科教育分科会

の勤務内容を他教科教師のそれと比較したもので,「規定の退勤時刻をすぎた場合の仕事 の内容にはどんなものがありますか。次の項目中,最も多いものに○を一つつけて下さ い」の問に対する回答をまとめたものである。保健体育教師では,特別教育活動とするも のが約8割で,次いで15%の者が校務分掌事務とし,残りのものが会議,学習指導等とし ている。これに対して,他教科のそれは特別教育活動に4割弱,校務分掌事務が約3割,

会議が15%となっている。これらのことから保健体育教師の場合は,退勤時刻は若年層に おいてほど遅い傾向があり,しかも,それは特別教育活動に主として当てられていること がわかる。従ってこのような状況では,もっとも研修すべき若年層において心身の負担が 大きく,肉体的疲労も加わって,保健の教材研究等に当てる時闇的精神lli勺余裕は,それを 見出すことがかなり困難といわねばなるまい。

 図2 他数科と比較した保健体育教師の家庭における研修時間

保癬司三 IILX−Ltr unJL :tumX− ll l n=306 鰍科臣 E rm)N−Krm.tTi.{1.liilltT...rmi[fi7Ml Ll L/ 1.L/l n==22−2

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       (「1召飛コ43イr  lブヨ1.Li, 吉テ也)

 では,彼らが家庭でどの程度,研修に時間をとっているかをみてみよう。図2は家庭に おける研修時間を他教科教師と比較したものである。図2から明らかなように,保健体育 教師の研修時間るよ他教科教師に比較して全体的に少ない傾向にある。

 このことは,先に少しふれたように,保健体育教師の退勤時刻後の特別教育活動指導に とられる時間のため,また,その指導による身体的疲労のため,他教科教師と比較した場 合,平均的に研修時間は少なくなるという関係が考えられる。これらのことから,武笠氏       @ が「課外活動の指導は体育教師の当然の任務といってしまえばそれまでであるが,このこ

とが,個人の生活を,教育活動を圧迫しているとすれば問題である」と述べているように 保健体育教師の勤務条件の質や量に対する配慮が充分なされなければならない。同時に教 師自身の研修意欲,性格等の面で問われなければならないことでもある。

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       中学校保健体育教師n=180         (昭和43年 内【1.1,安)

 表3は,このような条件をもつ保健体育教師が保健学習の指導実践の中で自己の保健教 育の専門的内容知識について,どのように感じているかを示したものである。即ち, 「現 在,あなたは職務遂行上,保健理論に関して全般的にみると,どのような専門領域に,ど のように不足を感じていますか」の闇に対する回答内容をまとめたものである。

 対象・茨城県中学校,保健体育教師180名の中,約75%のものが「不足」を感じており,

その中「かなり不足」を感じている者は全体の25%であり,その不足内容は「病理学」「保 健科教育法」「生理学」「衛生学」「救急看護」などであり,これらが不足度の高いものと してあげられている。「何を不足科日としているか」のこの調査結果は昭和34年に本学教 育学部でまとめた「教員養成カリキュラムの研究」の保健教育関係の調査結果ともほぼ同       @

じものである。これらは保健学習指導において最も基礎的な学問であり,やはり,大学に おける保健関係科Flの学習内容の偏りや不足にあることは否定できない。また,そのもと にある教職員免許法の最低基準の検討改善も制法なことである。

 表4 保健体育関係測定検査技術に関する不足感 表3  保健関係理論知識の不足感

論∴陛慣1∵趨i醤号母影ド∴

かなり不足する 29人

やs不足するi76 一不足を感じ酬61

自信があるi6

N  A 8

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3. 3 33. 4

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12. 5 34. 4

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6. 6

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]2.5

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       保健科教育分科会      125

        n:=一7180

      (臼召不ITI43/,iL/  p勺i一{」, 安)

 表4は保健体育関係の実験実習技術について質問したものであるが,「かなり不足」を 感じているものが16%で,「やX不足」を感じているものが42%である。その不足内容は

「細菌検査」「疲労検査」「水質検査」「塵埃測定」「CO2測定」「照度測定」などであり,

これらが「不足」としたものの主なものである。

 図3−1  中学校保健体育教師の保健授業の負担感

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     1

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     i留出i大変負担[==}少し負担i:玉、}負担にならない「L⊥LiNA

図3−1は保健体育教師・中学校162名の保健授業に対する負担感を調べたものである。

「負担にならない」とする者は約4割であり,「大変負担になる」とするものは約15%ほ どみられる。

図3−2 保健授業担当者への希望

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     F≒ヨ業体教師「二二r/他教科共同1∠∠∠{他教科教泣訴⊥1丁lNA       (昭和43年、内山,安)

 次の図3−2は「誰が保健授業を担当したらよいか」の希望を調べたものである。これに よると「保健体育教師のみで行えばよい」とする者は約3割であり,「他教科教師と共に 分担して」が約55%「他教科教師であった方がよい」とするものが約13%となっている。

 では,このような保健体育教師を,生徒達はどのように見,希望しているのであろうか  図4−1は生徒のみに保健体育教師の「教養の広さ」即ち「他教科の先生に比べて一般的

知識教養が広いと思いますか」の間に対する回答をまとめたものである。

 図4−1  生徒からみた保健体育教師の教養

中学校

高  校

「哺}・一489

一=︸

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oL      5−o ww mmmm…醒嗣…一 wwwwmuL一一 T rmrm−o %

巨≒≒1広い.高い[Liふつう[\きコせまい.低いI−困A

(8)

図4−2 生徒からみた保健の教え方

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高校互疑ξL…… i\⊥蹴l

     i      i      I

     O 一 rT一   50 O %

     1至至≒iうまい「二二閲iふつうi下こ1〜]へたである1工工1ユliNA

      (昭和43年 内山,大塚)

 調査対象は中学校4校,高校3校の生徒計857名であり,昭和43年7月下旬に実施され

たものである。

 「教養が広い」とするものは中学校で24%,高校で13%であり,高校の方が低率であ る。それと関連的に「せまい」とする者は高校では増率する傾向がみられる。このことは 高校段階では教科が専門化し,教師のもつ知識内容が一一層高度となるため,また,入試で 選嫁された生徒の知識内容。一般教養も発達するため,比評は深まり,他教科教師と比較 した場合,高校の方が低率を示すものと解される。全体的には大差なく8割程度のものが

「ふつう」ないし「広い」をあげている。

 図4−2に示すように高校の保健体育教師を中学と比較すると「上手」とみる者の率が減 り「下手」とする者の率がふえる傾向がみられる。全体的には7割程度のものが「ふつ う」ないし「上手・」としている。

 このように,好意的な項目に高率を示すのは,被調査校の保健体育の教師がこのような 自己を姐上にのせるような調査を引受けるだけの自信があればこそであって,この値を任 意の母集団に一般化することは危険であろう。

 図5 保健授業をおもしろく  実験実習をしてほしい  授業のなかに三従の意      やってほしい      見をとり入れてほしい

中轍__⊥_i三「_「一一一二 青校____コL_ }⊥._ l

     l 1 I  I  I  i  i   l   i

     O 50%   O 20%   O 30%

 図5は多項選択方式の質問で教師に対する希望をまとめたものである。

 「保健授業をおもしろくやってほしい」は高校においてかなり高率である。中学校でも 3割弱のものがそのように希望している。ともに保健授業のあり方における教師側の問題 点として注Fiされねばならない。また,今後十分に検討改善されるべき重要な課題でもあ

る。

 「実験実習」の希望は意外に少ないが,これはどういうわけなのだろうか,保健授業が

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保健科教育分科会

「実験実習」において殆んど満されていない現状では,生徒側の学習条件にもその要因が ありそうである。「生徒の意見を取り入れる」は中・高ほ・s 等しく約3割のものが希望し ている。

皿:.あ と が き

 保健教育低調の原因として,外的,内的要因条件があるが,本小論では,その中でも,

保健体育科教師の現状を勤務条件,保健学習指導への態度,生徒のみた保健体育教師観等 の一部についてふれてみた。

 これらの調査結果が示すように保健教育の低調さと(保健体育)教師側の諸条件との闘 にはかなり密接な関係が少なからず存在するようである。

 教科教育研究の一環として「保健学習・授業研究とか保健指導に関する研究会をもちま せんか」と誘いをかければ,事実上,保健学習指導に当っているのではあるが,「私たち は体育が専門なのですから,保健はどうも……」という現状では,保健教育の向上発展は その指導を担当する教師の資質,態度の面でかなり問題があるといわねばなるまい。

 また,根本的には,このような問題をひき起している教育学的論理の不明確な「保健」

と「体育」との形式的統合の面にも,その教科構造上,保健体育科の存在を明確に他教科 の円的や内容と関連,位倒づけると同時に訓育,人間形成の面で統合された保健体育科が どのように関わっているかを明らかにしなければならない。さらに,なお必要なことは,

教科として成立するため保健と体育の教育内容や方法,教師の能力・資質面での相互関係 を形式面のみならず,その実質面で詳細に追究し明確にしなければならない。

 そのことによって,はじめて,大学におけるカリキュラムの検討改善も,教員免許法の 改善も焦点がしぼられてくるものと:考える。

      参 考 引 用 文 献

①内山源他:「保健教育」,学校保健,P215,1968医学書院

②小倉  学:「保健認識の発達」Vo1.6, No.1,1964,学校保健研究

③森  昭三:「高校における保健:学習の問題」Vol.20, No.1,P.89,1967, 学校体育

④小栗一一好1「健康教育」,学校保健概説,P32, 1960, 光生館

⑤内由  源:未公表「保健体育科入学者の入学時における保健学習指導者としての意識」

⑥武笠 康雄:「体育教師の生活と意識」,P44, No.2,1969体育科教育

⑦茨城大学教育研究所編:「教員養成カリキーxラムの研究」P92,1959,

      (保健科研究室 内 山   源)

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