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「小樽 まち育て運営協議会」委託事業 による観光英語研修

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言語センター広報LanguageStudies第13(2005.1)小樽商科大学言語センター

「 小樽 まち育て運営協議会」委託事業 による観光英語研修

横 村 栄 美

0.は じめに

本稿は、「小樽 まち育て運営協議会」より委託 された語学研修のひ とつである、「観光英語入門」

研修の開講過程 と実際の講座での授業 についての報告である。

1.講座 開講の過程 1‑1.講座開講の過程

小樽市の産業振興事業が、厚生労働省の 「地域雇用機会増大促進支援事業 (プラス事業)」に選 定され、その事業の一環 として、小樽商科大学に 「外国人観光客 に対するホスピタ リティー人材 育成事業業務」が委託 された。研修会 として行われることになったのは、挨拶か ら接客等の対応 ができる程度の語学力 を身につけることを目標 に行われる語学研修 と、中級か ら上級程度の語学 力を身につけ、会社で英語力養成のための リーダー となることを目標 に行われ るOJTリーダー 研修の2種類である。事業主である「小樽 まち育て運営協議会」より、小樽商科大学言語センター に実施 について依頼があ り、 この語学研修が開かれることとなった。語学 は英語、中国語、韓国 語の3ヶ国語である。語学研修の期間は824日か ら23日までの約6ヶ月間で、毎週火曜 日・木曜 日の2回、 2時間×全40回である。OJT研修 は11月か ら2月 までの約3ヶ月間で、毎 週水曜 日に行われ、2時間×全12回の開講である。

1‑2.研修の 目的

本研修 には、観光客 を相手 にする接客業 (ホテル、ガラス工芸店、オルゴール店、製菓店、土 産物店、海産物店)、観光関連のボランティア団体、観光関連機関か ら受講者が集 まった。講座の 目的は、受講者たちに、「簡単な挨拶や接客等の対応ができる程度」の英語力 を養成することであ る。

2.英語研修 に関 して 21.講師について

言語センター英語教官会議 において、 この研修会 について話 し合いが もたれた。その中で、英 語研修講座のコーディネーター として、助手である横村が選 ばれた。全40回の講座 を二人の講師 が担当することとし、 うち一人はコーディネーターである横村が務 めることとなった。 もう一人 の講師については、言語センター専任教官では通常講義 との重複があること、 また、大学の夏期 休業中は研修等で海外にいる教官が多い ことなどか ら、本学非常勤講師である斉藤京子氏 に依頼 することとした。

2‑2.テキス トについて

観光英語のテキス トは書店 に行 けば多 く見つけることができるが、そのほとん どが旅行者向き

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の会話集であ り、店員の立場か ら英語で接客す る仕方について紹介 しているテキス トはほ とん ど なかった。「店員の英会話」といった題名 の本 を見つ けて も、文法の説明がなかった り、カタカナ のル ビがふ られていた り、 また、店員の言 うせ りふのみの英文が並んでいた りと、講座 で時間を かけて体系的に授業 を進 めるためには不向 きな ものがほ とん どだった0

本学言語センター教授である大島稔教授が、かねてか らホスピタ リティ英語のテキス ト作成用 に準備 していた資料 を提供 して くださった。 これは、出版物やテレビな どのメディアを利用 して 蓄積 していた、観光関連 の会話文や語嚢 をA480ページほどの観光英語関連 のファイル (Mi crosoftWordファイル)として まとめた ものであるQ これを項 目ごとに並び替 え、番号 をふ るな

どの修正 を行 い、本講座用テキス トとして作成 した。収録内容 は、業者共通表現 としての11 の対話応答文の紹介、挨拶の語桑、質問の しかた、繰 り返 して もらうときの表現 な どの紹介、接 客の流れを業者 ごとに紹介 した会話文 な どであった。

2‑3.講師間の調整 について

テキス ト完成後、一度斉藤講師 と話 し合いの機会 を持 った.講座の形式 として、二人 の講師が 火曜 日と木曜 日をそれぞれ担当 し交代で進 めること、主教材 の他 に個々に副教材 を用意す ること な どを話 し合 った。特 に、普段英語 を使用 しない環境 にいる中で、過 2回の講座で受講者の英語 が上達す るか、 どうやって英語 に興味 を持たせ られ るかが最 も重要な課題であることをお互いに 認識 し、で きるだけ受講者 にとって、有益であると同時 にス トレスのた まらない、楽 しめる講座 を目標 とす ることを確認 しあった。

8月中は私の都合が合わない こともあ り、 4回続 けて斉藤講師に授業 をお願 い した。授業内容 について、テキス トの進み具合や受講者の雰囲気 については、メールで連絡 を取 りなが ら調整 を 行 うことにした。

2‑4.受講者 について

英語の受講者 は全部で17名であった。職業 はホテル、ガラス館、オル ゴール館、海産物販売店、

喫茶店等の従業員、観光関連 ボランテ ィアな どである。年齢 の幅 も広 く、20歳代か ら60歳代 まで の受講者が集 まった。

3.実際の授 業 につ いて

斉藤講師 と話 し合 いの上、主教材 となるテキス トは1回の授業で2ページずつ進 めることにし た。副 (補助)教材 は個々 に準備す ることとし、斉藤講師 はビデオやカセ ッ トテープな どの視聴 覚教材 を用いたコ ミュニケーション ・パ ター ンの英文指導 を行い、横村 は英語のパターンや文型 の説明 といった文法指導 を主に行 うこととした。

31.斉藤講師担 当の授業内容

斉藤講師の授業では、テキス トの読 みや練習 に加 え、カセ ッ トテープで英語 を聞かせた り、ア メ リカやイギ リスの最新ニ ュースをビデオで見せた りしている。

開講 当初 は、 日本語 にない発音や、 日本人 に とって難 しい とされ る [f][Ⅴ][1][r]の含 まれ る単語の発音、初対面の時のあいさつ、相手への質問な どを練習 した。その後徐々 に、質問 のパ ター ンや受 け答 えのパ ター ンの紹介 と練習 に入 り、プ リン ト教材で場面 ごとの会話パ ター ン

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小樽 まち育て運営協議会」委託事業による観光英語研修

を学習 し、講師 と受講者 とのや りとり、受講者同士のや りとりな どを行 っている。

3‑2.横村担 当の授業内容

横村の担当時間では、大 き く分 けて、テキス ト指導 と文法指導の二項 目を軸 に講座 を行 ってい る。テキス ト指導 については、毎回テキス トの会話文 を、発音やイン トネーション、強弱 に応 じ て文字の大 きさを変 えた教材 をMicrosoftPowerPointで作成 している。受講者 はスク 1)‑ ンに 映 し出され るPowerPointの画面 を見 なが ら英文 を読み、その後、発音、強弱の確認、意味の確 認 を行 っている。文字の大 きさの違 いか ら、受講者 はイン トネー ションや リズムについて理解で

きて きた ようである。

文法 に関す る指導 に関 しては、会話する上で重要 となるものに限定 し、簡潔 に説明 したい と考 えた。 9月か ら10月 までで、文の種類 として平叙文 (肯定文、否定文)があることを大 まかに説 明 した後、店員の会話 として使用頻度が高い と思われ る疑問文 について も指導 を行 った。疑問文 は、助動詞 を用いた提案や依頼 の疑問文 の形、Whで始 まる疑問文 の形 を取 り上 げた。その後 は確 認のために文型の説明などを行 っている。横村の授業では、授業内容 に関連付 けて、で きるだけ 市販 の英語教材 を受講者たちに紹介す るよう努 めている。 これは、受講者が 自主的に教材 を入手

し、 自学 自習 して くれた らよい と考 えての ことである。

横村の授業ではテキス トを進 める他 に文法の説明 も行 うとい うことを、最初 の講座の時間に説 明 した。「文法」 と聞いて、「堅 い」、「難 しい」、「や りた くない」、「会話 に必要ない」 といった意 見が出ることを覚悟 していたのだが、受講者 は文法の説明 を受 けることに肯定的で、説明 を熱心

に聞 き、説明に基づいた練習問題のプ リン トもこな している。

10月の終わ りか ら、横村の担当回で は「読 む」作業 として読み物 を取 り入れている。「英語で話 して聞 ける能力」 を伸 ばすためには読む作業 も必要であ り、長文 を読 む ことで英語がわかって き た と実感 して もらいたい と考 えたか らである。

3‑3.受講者の反応

受講者 は普段 みずか ら英語の勉強 をす る機会がないために本講座 に参加 しているのだが、仕事 を終 え、疲れた状態で通学 しているので、「いかに効率 よ く話 を進 めていけるか」が、毎回の教材 作成時 に講師の課題 となっている。市民講座 の受講者 となると、学生 と違い、単位や試験 に追わ れ ることもないため、その 日の気分や体調で欠席 した り、講座 の内容や講師が気 に入 らなければ す ぐに受講 をやめることがで きる。 しか し、今回の講座 は委託 された講座であ り、受講者 に英語 で接客で きるだけのコ ミュニケーション能力 を身 につけさせ る責任がある.受講者が飽 きず に学 習で き、能力 を伸 ばす ことがで きるような教材 を、われわれ講師 は作成 しなければな らない。

開講 当初、授業内容が少 し難 しかった こともあ り、受身の態度 をとる受講者が多 く見 られたが、

日がたつにつれ、声 を出 し、質問す るといった積極的な態度の受講者が 目立 ち始 めた。

2ヶ月がたった頃か ら、「実際 にお客 さん と英語で話 した」、「単語が出て こなかった けど何 とか 通 じてよかった」、「ち ょっとずつではあるがお客 さん と英語で話せ るようになってきた」 な ど、

講座 の成果 を少 しずつ感 じている受講者が出てきている。

4. おわ りに

ここまで、本講座 の成立過程 と英語の授業内容 について述べてきた。 ここで、本稿作成時 まで

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の講座 に関す る感想 を述べ させていただ きたい。

本講座 に対 して 「とて も勉強 になった」 と最 も感 じているのは私 自身であろう。今 まで教 えた 経験がないに等 しい私 に、講座の講師 をす る機会 を与 えて くださった言語センター英語担当の各 教官 には、本当に感謝 している。開講前か ら授業のFン トをいろいろ与 えて くださった先生方、

開講後 も授業内容 に対 して指示 して くださった り、わか らない ことや悩 んでいることを聞いて く ださる先生方、実際にテキス トを貸 して くださった先生方 も多 くいた0

斉藤講師には本講座 の講師 を快 く引 き受 けていただ き、授業 内容 の連絡や話 し合 いの機会 を多 く作 り、お互いの授業 についての情報交換 を綿密 に行 っていただいている。本講座が2人 の講師 で毎回問題 な く進め られ るのは、斉藤講師が私 との話 し合いの時間を十分 に持 って くださってい

るか らである。

本講座 を担当するにあた り、年齢 も職業 もさまざまな受講者 に、 どの くらいのレベルの内容 を 教 えるか、どんな内容 を教 えるか といった、市民対象の講座 な らではの心配が多かった。しか し、

毎回が試行錯誤 の授業 となっているにもかかわ らず、一生懸命 テキス トを読み、声 を出 し、わか らない ことはす ぐに質問する真剣な受講者 ばか りであった。講師 としては、 このような受講者 に 恵 まれて大変 うれ しo限 りである.

講座開講前か ら講座 を計画 し、その準備 に関わ り、実際に講座が開講 され、受講者が通学す る ようになるまで、全てが順調 にうま くいった というわ けではない。時には準備 した授業内容 と受 講者の求めることとが うま く合わなかった り、仕事 の関係で受講者があまり集 まらず に残念 に思 うこともある。 しか し、受講者が時々私 に話 して くれ ることを聞いていると、本講座 に参加す る ことで、「簡単 な挨拶や接客等の対応がで きる程度」の英語力がついて きた ことを実感 して くれて いる。受講者が本講座の意義 を理解 し、講座終了後 も英語 に興味 を持 ち続 け、みずか らの英語力 を伸 ばす ように願 っている。

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参照

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