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創立 8 0 周年記念号 に寄せ て
藤 井 栄 一
オ ックス フォー ド大学で ジャパ ノロジーの講座 を開設 し、多 くのす ぐれた ジャパ ノロジス トを育 てたの は故 リチ ャー ド ・ス トー リー教授で ある。彼 は 大学 を卒業 した直後、小樽 高等商業学校 に赴任 し、小樽 で教育 に当 る と共 に、
小樽 か ら多 くの ことを学 んだ と述懐 してい る。 とくに、高商 と商大 の大 きな 資産 は小樽市 を見 お ろす緑丘 の風景だ とのべてい る。
当時 に くらべ、商大の校舎 も小樽市 の街並 み も変貌 したが、緑 の丘 はほ と ん ど変 っていない。 この環境 の中で多 くの人達が広 い分野 で研究 の成果 をあ げ、世界 の各地 にはばたいていった。 もちろん大部分 は日本人 だが、 ロシア 人 も、アメ リカ人 も、中国人 も含 まれてい る。
とくに、高商、商大 とはい うものの、人文科学、 あるい は文芸 の面です ぐ れた業績 を残 した人が少 な くない。 これ らの人達 は、 それぞれの分野で偲人
としてす ぐれた研究成果 をあげたばか りでな く、 その研究 を通 じて、大学全 体 の性格 をかたちづ くる面で大 き く寄与 している。
80年の歴史 を通 じて、 この学園の特色 のひ とつ は、 リベ ラル ・アー ツの重 視 だ った。高商時代 の教員構成 を見 る と、 これで も商業経済の専 門学校 か と 疑 う程である。
今 日、研究 と教育 の高度化 の傾 向のなかで、 ともす る と小樽 の学風 の基礎 であった教養教育 とリベ ラル ・アーツの重視が難 しい状況 になってい るよう に も見 える。個性化や多様化 と言いなが ら、専門学科 のパ ラダイムの枠 の中 では、 それ らを実現す る ことは至難 のわざで あろう。狭 い意味での基礎教育 や技術 の基本 ではな く、広 い視野 と柔軟 な思考 のため、本学 80年 の伝統 を今 ふたたび見直す必要があるので はなか ろうか。