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「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」
<その2>
―舞踏運動過程の質的分析―
堀 野 三 郎
1 は じ め に
本論は,主題に対して用いた調査研究の手法が合理的な客観性を有するなら,今後更に 多様な作品例や対象群について同様な手法を用いたデータ累積を行うことにより,将来的 に一層客観的,普遍的な主題に関わるセオリーを見出だすために有効な分析法・統合法へ の一提案であり,その事例的な研究報告である。
本論では,質問紙法による量的,客観的分析,フィルム・カウント法による質的,主観 的分析,GSR測定法による質的,客観的分析といったそれぞれに異質的部分を多く含ん だ各分析データをコンピュータ利用による有意相関要因の検出という量的,客観的な共通 項をバックグランドとして連合することにより,主観的・質的事象の客観化と多面的分析 事象の統合化への実証的な第一歩を意図したものである。
なお,本論は,既報の小論「VTRによる舞i踊作品観照における精神電流現象」 (特定 研究・科学教育面保班長崎大学教育学部教育工学研究業績報告1971),rVTRによる 舞踊運動の観照におけるリズム意識について」一コンピュータ処理による量的分析と運 動記譜法概念による質的分析一(九州体育学会第22回大会・長崎大学 運動技術におけ るリズムについてシンポジウム会場発表資料 1973;長崎大学教育学部教育科学研究報告 第23号 1976),「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」<その1>一舞 踊運動・内容の印象に関する量的分析を中心として一(日本体育学会第26回大会・天理 大学 測定評価会場発表資料1975;長崎大学教育学部教育科学研究報告第23号 1976)な どを主として資料参照しながら継続研究を行った発展的研究報告であるところの既報の小 論「舞i踊作品観照における効果的表現の要因について」<その2>一舞踊運動過程の質 的分析一(日本体育学会第27回大会・東北大学 体育方法会場 1976)の発表資料を全 面的に転載したものである。
皿 研 究 目 的
前回の発表(日本体育学会第26回大会・天理大学測定評価会場発表資料1975;長崎大 学教育学部教育科学研究報告第23号 1976)では,「舞踊作品観照における効果的表現の 要因について」<その1>一舞i踊運動・内容の印象に関する量的分析を中心として一 と題して,被検者計214名(856例)にVTRによる4つの独舞作品の観照を行わせ,その 効果的表現の要因について「作品評価」の観点(5項目)から「動き全体の感じ」 (13項
280 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第24号
目)と「表現内容全体の感じ」(17項目)と「作品への興味度」(2項目)との計37項目 に関する実態調査を行い,コンピュータを用いた量的,客観的データ処理を軸として,有 意な要素を中心とした量的分析とその範囲での質的検討とを行った。
今回は,その発展として,前回調査で特に有意な3作品について具体的な研究目標を次 の三点に集約設定した。
1.効果的表現の要因に関する質問項目を精選すること。
2.特に舞踊運動過程の質的分析と統合に関する有効な方法を実証的に見出だすこと。
3.この研究範囲で得た舞踊創作や指導上で有意な視点を見出だすこと。
第一に関しては,
前回を巨視的反応の把握であったとするならば,今回はより微視的または半巨視的反応 の把握,特に多面的表現効果の把握の上で.更に「動きの過程の感じ」に関する質問項目 の設定を行い,各対比的な要因間の相互使用の有無や変化程度について検討し,より具体 的に実現可能な効果的表現の要因実態を見出だすことを試みた。
第二に関しては,
(1)従来の質問紙法による調査結果では,量的,客観的資料は一応得られるが,それは 舞踊作品の全体的な感じであり,効果的表現を具現するには作品過程の感じの把握が必要 であるが,分節経過的な設問には限界がある。
② 事例的にいくつかの被検者に対してGSR測定を行ったが,その反応結果は,作品 過程の感じでの反応の質傾向的客観資料ではあるが,この手法のみでは,質的に複合的か 単一的かが不明であり,反応生成要因が明確でないといえる。
(3)そこで,更にフィルム・カウント法による分析を行ったが,この検査結果では,内 容把握が適確であると前提すれば,作品過程の感じでの各単一的,限定的な要因毎に構成 要因または因子を明確化し,各要因を累積し連合することにより重層構造的連合把握が可 能であるが(その事例として図1;表6を参照),しかし,その分析過程は,原則的には 個の検者の主観性に妥ねられる故に,内容把握の適確さに関する客観的信愚性に欠ける危 険性を常に内包しているといえる。
(4)そこで本論では,これらの危険性打開の方策として,初めに,個的主観性から集団 的主観性へと連合することが客観化への信頼性を高める由縁であると考え,今回はその又 一部事例として,前回,今回の調査共に「作品評価」全体の項目と「動き全体の感じ」の 各項目との関連において有意相関第一位項目であった「強い一弱い」の要因で強弱の変化 の分析については個で行い,それをベースとして,全身的・.部分的の変化と,非相称的・
相称的の変化の分析については,5人の検者による判定(体操競技における判定方式)を 原則として要因分析を行った。次いで,GSR測定による反応例を事例的に連合し(図2
:3,表7を参照),図表的な連合化と内省記録やその他の質的・量的資料との連合にお ける客観的統合化に関する試案例を示し,今後の方向性を提起した。
皿 研 究 方 法
1. VTRによる舞踊運動の観照と質問紙法
具体的な舞i踊作品刺激として,VTRにより長崎大学教育学部保健体育専攻学生が自由
「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」<その2>(堀野) 281 課題で創作した題名,ナレーション,効果音を伴った6つの独舞作品の内,前回までの調 査を通して特に有意と思われる3作品について観照させ,各作品終了毎に一斉調査法によ り46項目のアンケート記入(前回は36項目)を行い(参考資料1を参照),アンケート記 入項目は49項目で,その内本論では量化が容易な46項目についてのみ量的検討処理を行っ
た。なお,2項の「作品順位」についてのみは3作品の観照終了後,別紙に感想・批評 文を関連事項についての自由記述と共に記入させた。また,本論では一層微視的検討を 加える意図から7尺度評定を原則とした(前回は5尺度)。調査期間:昭和51年4〜5
月。
2. コンピュータ利用による量的・客観的データ処理
(1)長崎大学教育学部小学校教員養成課程2年女子!15名を対象に3作品で計345例の 作品評価に関連する7項目(前回は5項目)に対する各項二二の相関係数の算出。
(2>各作品毎の尺度別の頻度,百分率,平均値,基点よりの値巾(二一4),基点よ りの心志が顕著なもの(7+6;1+2)の占有度などのデータ処理。
3.フィルム・カウント法による各作品毎の運動過程における「強い一弱い」を中心と した主観的有意運動の分析
4.作品IVの運動過程におけるGSR反応の典型例(既報の「VTRによる舞踊作品観 照における精神電流現象」における調査結果に基づく典型例)と「強い一弱い」を中 心としたフィルム・カウント分析との連合による効果的運動要因の分析。
5.主な調査の手続き (1)6つの作品について
昭和44年度・45年度後期の長崎大学教育学部保健体育専攻学生対象の「舞踊皿」の 授業時に独舞創作,自由課題,原則として5分以内の作品,題名・ナレーションを考 えてテープ録音し,効果音(楽)も既成の曲だけでなく必ず何らかの録音編集の操作 を加えたものを使用するという条件の下に制作した6作品(完成は昭和45年2月に2 作品,昭和46年2月に4作品で,当時8π〃イルムと録音テープに記録したもの)の 中から本論では作品1,∬,IVの3作品について,その順序でVTRに映像と音響と の同調収録を行った。
。作品1:作・出演(女子)題名「手紙」動ぎの時聞(以下「M・T」)3分12秒。
・作品1:作・出演(女子)題名「むしばまれゆく生命の中で」M・T4分48秒。
。作品皿::作・出演(女子)題名「オメガマン」M・T4分20秒。
・作品IV:作・出演(男子)題名「炎に沈みぬ」M・T3分4秒。
作品V:作・出演(女子)題名「私の涙」M・T5分4秒。
作品U:作・出演(女子)題名「冬の一日目M・T2分36秒。
(2) 「動きの感じ」「表現内容の感じ」での各語群について
各語群は,共に対比的概念か表現上関連があってしかも異質と思われる語群を抽出 した。
(3)作品IVの運動過程におけるGSR反応の典型例について
既報の「VTRによる舞踊作品の観照における精神電流現象」で舞踊経験を異にす る6群計15名(男子5名,女子10名)を対象に作品IV,作品VIとについて行った調査 結果の一つとして,「作・出演者のGSR反応に最も近いのは,舞i踊経験同位のB群
282 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第24号
で,両者はr変化とまとまりのある型』を示している」ことが見出だされたが,その B群5名中で丁度中程度の代表的な反応傾向を示したB−1のGSR反応を今回は最 適例として採択した。
6.調査に使用した主な機器
・日立カラービデオコーダーSV−520 ・日立カラーモニターTVC−H20B型 ・コンピュータTOSBAC−40C MODEIO1
・日本光電GSR測定用ブリッヂ箱GSR−2型,右手掌・手首から導出;増幅用の 脳波計のGainは7で統一 など。
IV 結果と考察
1.効果的表現の要因に関する質問項目の精選に関して
(1) 「作品評価」の項目について
1) 「作品評価」では, (表1−1を参照)
① 前回「表現技能(動き)度」であったのを「身体的技術(動き)度」と更に「運動 構成(動きの手法)度」とに細分し,前回「表現密度(内容度)」であったのを「表 現意図の明確度」と更に「表現内容の構成(表現内容的手法)度」とに細分し,前回 の5項目から今回は7項目に設定した。
②全舞踊作品における作品評価に関連の深い「作品評価内の各項目」(表3−2を参 照)では,いずれも有意で高い相関性を示しており,前回と同傾向を示している。
② 「動きの感じ」の項目について
1) 「動き全体の感じ」では, (表1−1を参照)
①前回の有意項目の内で複合的要素の「アクセント」「リズム」「スタッカートーレ ガート」などを一層具体的に実現可能な単一的や限定的要因に細分し,一部表現語句 の変更(「スタッカートーレガート」から「断続的・連続的」へ)を行った。また,
前回の「動作が大きい・動作が小さい」であったのを,今回は更にその微視的,補足 的項目として「極大的動作の有・無」と「極小的動作の有・無」とを加えた。更に基 本的な美的運動表現形式の一つであり,運動構成法上効果的要因の一つと思われる 「非相称的一相称的」の項目を加えた。
②全舞踊作品における作品評価に関連の深い「動き全体の感じ内の各項目」(表3−
3を参照)では,「断続的一連続的」「高い一低い」では何ら有意な相関もみられ ず,「前向き・後向き」では「運動構成度」との関連を除き,また,「動作が大きい 一動作が小さい」では「表現意図の明確度」「表現内容の構成度」との関連を除き,
殆んど有意な相関がみられなかった。
その他の項目では,いずれも関連要因レベル(表1−3を参照)でのかなり有意な 相関を示しており,特に「強い一弱い」は「作品評価の全項目」と高い有意相関を示 している。
③「動き全体の感じにおける表現技能」として,主要要因は「強い一弱い」「すばやい 一ゆっくりした」「極大的動作の有・無」であり,関連要因は「直線的一曲線的」
283
「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」<その2>(堀野)
「全身的一部分的」「極小的動作の有・無」「非相称的一相称的」などである。
2) 「動きの過程の感じ」では,(表1−1を参照)
① 「極大的動作の有・無」「極小的動作の有・無」の項目を除き,「動き全体の感じ の各項目における変化の有無と変化程度の項目を今回新たに設定した。
②全舞踊作品における作品評価に関連の深い「動きの過程の感じ内の各項目」(表3 −3を参照)は,いずれも有意な相関を示し,殆んどが関連要因レベルでの相関性が みられる。
特に,前述の「動き全体の感じ」の項目で有意相関がなかったか,あるいは此んど なかった「断続的・連続的の変化」「高い・低いの変化」「動作の大・小の変化」の 項目についてもかなり高い有意相関がみられ,また,有意相関項目数において「動き 全体の感じ」では52項目であるのに対して,「動きの過程の感じ内」では60項目と前 者を上回っており,運動の過程processを分析把握することの必要性,有効性がう かがわれる。
③ 「動きの過程の感じにおける表現技能」として,主要要因は「動作の大・小の変 化」「すばやい・ゆっくりしたの変化」「直線的・曲線的の変化」「全身的・部分的
の変化」「非相称的・相称的の変化」「高い・低いの変化」などであり,関連要因は 「断続的・連続的の変化」「空間移動の変化」「強い・弱いの変化」「面の変化」な どである。
(2)各舞踊作品における「動きの感じ」に関する作品支持順位第一位作品(作品皿)を 中心とした作品実態および作品傾向の比較について
1)各作品における無性格項(7尺舟中の4:「どちらでもない;わからない」)の実 態では,(表4−1・2・3・4を参照)
①全般的に,作品支持第一位の作品∬(巫一4−2.63)では19.0%,作品支持第二位 の作品IV(巫一4−1.78)では19.5%,作品支持第三位の作品1(巫一4−1.57では 22.5%が「どちらでもない。わからない」を示しており,作品支持順位が高い程,運 動性格が明確であることがうかがわれる。
②また,「動きの過程の感じ」(10項目)では,同項に関して作品皿では22.8%,作 品IVでは24.3%,作品1では25.0%が無性格項を占めており,特に「動きの過程の感 じ」における多様性の如何が効果的表現を大きく左右するものと思われる。
2)各作品における運動性格の実態比較では,(表4−4を参照)
① 全般的に, 「動きの感じ内(有意相関18項目中)各項目土の基点よりの値巾(巫一 4)の比較」では作品支持第一位の作品豆(巫一4−2.63)は最大が8項目,中位4 項目,最小5項目,低位(e印)1項目であり,第二位の作品IV(翫一4−1.78)
は:最大が6項目,中位5項目,最小5項目,低位1項目であり,第三位の作品1(巫一 4−1.57)は最大が3項目,中位9項目,最小6項目であり,
各項目毎の最大値の占有度が高いほど作品支持順位が高い可能性がうかがわれる。
② 「動き全体の感じ内で共通的相関がみられなかった項目」のNgU r断続的一連続 的」Ng12「高い一低い」および低い相関項目のN9ユ3「前向き一後向き」では,
作品皿はいずれも内在的因子(基点よりマイナス側)を示して最大または中位であ り,他の作品がいずれも外向的因子のみに終始しているのに比して異質多様な運動性
284
長崎大学教育学部教育科学研究報告 第24号 格を示している。
③「動きの過程の感じ内(10項目中)の各項回章の基点よりの値巾の比較」では,
作品皿は明確な対比的要因間の変化が最も多くみられ,「動き全体の感じ内」にお けるより以上に「動きの過程の感じ内」において他作品に比して運動性格の効果的な 複雑多様性を示しているといえる。
作品1Vは,他作品に比して多様性に乏しく,外向的因子中心の単純明瞭型の運動性 格を示しているといえる。これはアンケートの自由記述の感想内容からも多くみられ
た。
作髭1は作品1Vに比して運動性格の多様さでは優位であるが,変化程度の明確さに 欠ける場合が多いと思われる。これはまた,自由記述の内容からも同様のことがうか がわれる。
3)各項目毎の基点よりの値巾が顕著なもの(7+6;1+2)の占有度の比較では,
他作品に比して作品1で特徴的にみられる傾向を中心に考察すると,
①「動き全体の感じ内」では,
効果的表現の因子として,
強い,すばやい,空間移動が大,極大的動作がある,極小的動作がある,後向き,
連続的,低いなどがあり,また,非相称的が主調の中での相称的の強調や,全身的が 主調の中での部分的の強調などの複合的要因使用などが有効因子と思われる。
② 「動きの過程の感じ内」では,
効果的表現の要因として,非相称的・相称的の変化,強・弱の変化,すばやい・ゆ つくりしたの変化,直線的・曲線的の変化などが有効要因と思われる。
2.舞踊運動過程の質的分析に関する有意な方法について一特にフィルム・カウント 法とGSR測定法との連合を中心として一(表5−1;表6;図1を参照)
(1)フィルム・カウント法に関して,総括的には,
ユ) 既述の個的主観分析から集団的主観分析による主観の客観化に留意する必要があ
る。
2) 特に舞踊運動は,時間的,空間的,力性的な側面や美的形式性などを伴った流動的 な存在である故に,フィルム・エディターは,一方では,任意のスピート変化と,任 意の停止が可能で有用な機材ではあるが,他方では,調査フィルムをオリジナル・ス ビードで,全体的な流れや抽出すべき動きの前後関係を正確にしかも反復的に操作把 面することは困難であり,従って,単にエディターのみの使用分析よりは,フィルム ・プロジェクターやあるいは特にVTRとの併用が有効である。
VTRの利用は,特に今日の時点ではそのメカニズムの上で,明るい光度環境での 作業が可能であり,前後方向へのテープの早送りが容易であるなど他の機器に比して 有効性が高いといえる。
3)エディター的特性とVTR的特性とを結合して,より簡略な分析作業が可能な方法 としては,VTRスクリーン内へのデジタル・タイムの同調記録が考えられる。これ は電動機器全般にみられる不安定性,特に立上り時と中間時その他の電圧的変動によ るスピード誤差の解消や均質化において有効性が高い。
「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」<その2>(堀野) 285
4) GSR反応と連合した際,高いGSR反応に対してカウント分析の欠落箇所が見出 だされた場合は,その都度,その部分の有意性についてカウント分析の再検討を行い 補正連合する必要がある。
5)本論での結果に関して(表6を参照)「各舞踊作品の運動過程における『強い一弱 い』を中心とした主観的有意運動の分析による連合型」について
① 作品Hは「強い一弱い」を中心とした主観的有意運動が68で,3作品中で最大であ り,一連の動きのフレーズとしての連合型において「選択的多様型」を示している。
作品皿における運動性格の特徴を作品内でIO%レベル以上を占める連合型として捉 えるならば7タイプ中4タイプがそれに当り,運動性格の明確さがうかがわれる。
強い一すばやい又はゆっくりした一部分的一意相称的な一連の動きのフレーズのタ イプが41.1%と特徴的であり,次いで,強い一ゆっくりした又はすばやい一全身的 一非相称的のタイプが19.1%,弱い一すばやい又はゆっくりした一部分面一非相称 的のタイプがIL8%,強い一すばやい又はゆっくりした一部分的一非相称的や相称 的のタイプがIO.3%である。
特に作品∬の特徴1因子としては,強いが87.7%,非相称的が約93.3%であり,作品 1の弱いが55.9%,相称的が41.2%に比して対照的であり,有効因子の可能性が大き
い。
②作品IVは同様の主観的有意運が50で3作品中で中位を示すが,12タイプ中10レベル 以上が3タイプにすぎず,連合型における量的多様性は一応みられるが,アンケート 結果などを参照すれば,質的にはそれは「無作為的多様型」であり,意図的運動構成 力に乏しいといえる。
③ 作品1は同様の主観的有意運動が34で3作中中で最小であり,3タイプ中10%以上 更に40%レベル以上が2タイプに集中しており,アンケート結果をも参照すれば連合 型における「選択的単調型」または「単調型」であり多様性に乏しいといえる。また 前述の如く,弱い,相称的など内在的因子の占有度が他作品に比して高く,平凡で地 味な運動性格を示す結果になったものと思われる。
(2)GSR測定法について(図2を参照)
① 特に,事例研究的な少数例の範囲に止まり易いので,その対象群での典型例の決定 においては,選択過程の客観性に留意する必要がある。
本論では,既述の如く,同一階位集団における中位的反応例を抽出採、心した。
その他の詳細は次回にゆずる。
(3)GSR反応とフィルム・カウントとの連合と効果的運動要因の分析(図3;表7を 参照)に関しても,今回は試案を示すに止めて,詳細は次回にゆずる。
286
長崎大学教育学部教育科学研究報告 第24号
<表1−1>アンケート項目と整理番号 ○印は新加入,官印は一部変更
観点 (Nの 観点 価)
作 1.作品の出来映2.作品順位 作 46.作品への関心度
品評
3.身体的技術度
C運動構成(動きの手法)金 b表現意図の明確度:
当量
⑥表現内容の構成(表現内容的手法)度 味
価 7.作晶の個性度 度
8.強い 一弱い 20.強・弱の変化度
9.すばやい 一ゆっくりした 21.すばやい・ゆっくりしたの変化度
動 10.直線的 一曲線的 ○ 22.直線的・曲線的の変化度
き 匝]断続的 一連続的 × 動 23.断続的・連続的の変化度
の全体 12.高い _低い ×
P3。前向き 一後向き (×)
P4.動作が大きい 一動作が小さい (×)
N極大的動作がある一極大的動作がない
謬過選 24.高い・低いの変化度
Q5.面の変化度 Q6.動作の大・小の変化度
の (極限的動作) 感
感 ⑯極小的動作がある「極小的動作がない じ
じ (こまかい動作)
P7.空間移動が大 一空間移動が小 27.空間移動の変化度
18.全身的 一部分的 28.全身的・部分的の変化度
⑲非相称的 一相称的 29.非相称的・相称的の変化度
1
i30.鋭い 一鈍い (×) 38.鋭い。鈍いの変化度 ×
表全i131.動的 一静的 ○ 39,動的・静的の変化度
護i匹1:1ギ1欝 表過サ程
烽フ e量
40.はぎれがよい・連続したの変化度 S1.はげしい・おだやかなの変化度 S2.力強い・ひ弱いの変化度 S3.きびしい・やさしいの変化度
京じ;
痺のびやかな 一縮こま・た 一暗いi37.明るい
のじ 44.のびやかな・縮こまったの変化度
S5.明るい・暗いの変化度
(Ac,Rh.St.)
(Ac.Rh.St.)
(St.)
(Ac.Rh.St.)
(Rh.St.)
(Rh.)
(Ac,Rh.)
(Ac、Rh.St.)
(Ac.Rh.)
Ac.一アクセントに含まれる 単一的or限定的要因 S2・T1・E1・C3 Rh.=リズムに含まれる 単一的or限定的要因 S4・Tr E1・C3
St.一スタッカートーレガートに含まれる 単一的or限定的要因S2・T1・E2・C2(1973年.九州 体育学会発表資料より)
×;(×)印は 今回の調査結果において,作品評価に関する有意相関が,全然みられない;あま りみられない要因
<表1−2> 相関係数の有意水準の尺度化
観照素材と対象群 尺 度 1 2 13 14
・・判…51 …2i 0.O1
3作品についての大学生の観照 ・・51 .1638 .1946 .2301 .2540
<表1−3> 有意相関項目選択の尺度と記号
ユ.相関項目の作品占有度 2.相関項目の頻度 3.相関係数の有意尺度の和
○印(主要要因)
(◎は高い相関)
3作品
3
12〜9
△印(関連要因)
3〜2作品 3〜2 8〜6
×印(参考要因)
((×)は 1作品みの)
3〜1作品 3〜1 5〜3
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傘辱 「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」<その2>(堀野) 287
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288長崎大学教育学部教育科学研究報告 第24号
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289「舞踊作品観照における効果的表現の要因について」〈その2>(堀野)
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