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設計生産工学科山下忠設計生産工学科小宮勤一

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Academic year: 2021

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(1)

   指圧医療の為の最適刺激点(ッボ)と,

その経路(経絡線)の自動探索に関する基礎考察

(平成5年11月30日 原稿受付)

設計生産工学科大山光夫

中国客員研究員朱東華 設計生産工学科山下忠

設計生産工学科小宮勤一

Feasibility Study of Automatic Detection of Acupuncture point and        Jin−Lou Line for Acupressure Treatment

by Mituo OOYAMA   Zhu DONGHUA   Tadashi YAMASITA

  Kin.iti KOMIYA Abstmct

  Acupuncture and massage are regarded as one of the most important methodes in chinese medical treatment.

their effectiveness is well known,

but they demand various skills obtained only through experience of long term.

  The biomedical engineering has shown that most effective points(acupuncture point)for the

treatment show much lower electrical resistance than other points in the human skin and that lines

(Jin−Lou Line) can be defined to connect acupuncture points.

  This paper describes experimental results to show a feasibility of automatic detection of acu.

puncture points snd Jin−Lou Line by using a new sensor designed in our laboratory・

       た,検出手段の一つとして電気抵抗変化がよく知られて  まえがき

       いる。すなわち,電気抵抗は一般皮膚〉経絡線〉ッボの  中国医療で有名ないわゆる「指圧」は健康維持の一方   関係である。(参考文献1,2)

法であり,最も身近にして簡単に実行出来且つ,効果が    今回はこの特性を利用して実験を行った。

ある事は良く知られている。しかし,それを有効ならし

      1.試作した接触子及び回路図 めるためには相当の熟練と経験を要する事も事実である。

本報告はこの熟練と経験を除去し,より一般化すること    今回試作した接触子の形状を図1に示して説明する。

を試みた。すなわち最も正確さを要求される最適刺激点   材料は電極部を除きある程度の柔軟性を持った塩化ビ

(ツボ)および,その経路(経絡線)探索の為のセンサ   ニルで出来ているためリング状の直径がリング内部の物 を製作し基礎実験を人体前腕部で行い,指圧ロボットと   体の形状に応じてある程度まで密着できる。(皮膚抵抗 も呼ぶべき自動化を目的としたための基礎実験報告であ   の測定であるので,出来るだけ電極が皮膚に加える力を る。      均一化さす必要があるためである。)

 指圧等の理論によればッボは経絡線上に存在しており   また設計製作した検出回路のブロック図及び,回路図を

それらの分布等についての知見がまとめられている。ま   図2と図3に示して動作を説明する。

(2)

54       大山光夫・朱 東華・山下 忠・小宮勤一

6

一直 一・

一 . 一 一. 一

12

       態ではA/Dコンバータに入る電圧入力は極微少正電位

      ・ 〃・  である・もし・センサが低抵抗点に接触するとLEDが

      ・イ    .        点灯し正電位が増加する。この正電位の変化量で経絡線

        W   と端を区別し判断する・

・一一一一… ¥・一・一  別の言い方をするとE1を基準としたE2の変イヒ量に          i         依った人体皮膚抵抗値の変化の解釈及び,判断である。

・・一 @       実際はこれがチャンネル数だけあり,今回は5チャン

       ぷi[1   ネル分である.

         51         ちなみに検出回路の総利得は60dbであり,接触子を通  図1.接触子図       じて人体に流れる電流は1μA前後である。この値は        いわゆるマクロショック,ミクロショックの値を十分に        クリアしている。

卿1輌f』卿…∞,㎞_  2・人体の皮膚を流れる電流の通路 こついて ref      &   to A/D conv    参考文献3によれば発汗時は汗腺が非発汗時におい

一一← @buffer       amp

       ては毛嚢をとおるとされ,更に経穴部位は交感神経と密        i接な関係があるとされている。このことは測定状況に        図2.ブロック線図

       よって(身体的,精神的に)その電気抵抗値も同じでは        無いことを意味している。

      測定時の最大の問題の一つに測定対象の姿勢がある。

       o

].       例えば「写真A」と「写真B」は同じ物である。視覚で       )     は明かに別の物と判断されるであろう。事実,測定値も        T3 BODY  そのような形で現れる。

       しかし写真Aの姿勢を90度傾けると写真Bの様になる       ⑨        のが簡単に確かめられるであろう。これは皮膚のネジレ       に起因して生じている。この事の意味することは経絡線 TP.1Ψ    +       )        は皮膚直下に位置しており(参考文献1,2)更に皮膚        OUT fo「A/D CONV  の動きに追従して変形することを示している。

図3.回路図

       軍く:ニー一一゜ 一       伊   ・

 人体に接続されたセンサからの信号はバッファを経て コンモンモードノイズフィルタに入る。ここで誤判断の 主因であるACノイズが軽減される。この出力と他の

      写真A バッファを通った直流電圧をコンパレータで比較増幅し

て,この出力で最終段のトランジスタのコレクタに接続 されているLEDを点灯動作さす(インジケータ)。そ して,エミッタに接続されている抵抗の両端電圧がA/

Dコンバータへの入力となり,この情報をパソコンで処        冊∨

理する。

 具体的には人体にセンサを接続して,基準電圧調整用

ボリュームを調整してLEDを点灯直前にする。この状      写真B

(3)

 この事により,いわゆる経絡線図の形はあまり意味が   てデータを採集した。

無くなり,それよりもツボ点の位置と間隔の方が重要で   1・皮膚電気抵抗〉経絡線の電気抵抗〉ツボ点の電気抵 あることになる。      抗とする。

 按摩医療ではツボ点のみにしか刺激は与えないであろ   2.走査の方向は一次元でセンサは固定とし,そして各 うからツボ点のみの検出で良いかとも思ったが,按摩医   センサ間距離は4mm,移動距離は5mmとする。

療は予防,及び治療の為にを行われており,また各ツボ  理由は中国按摩医療界での「ツボ」及び・「経絡線」の 点が固有の効果を持つ(刺激したツボ点付近に効果が現   各間隔の一般的な情報知識を参考にした結果である。

われるとは限らない。)とされているのでその判断の為   3・いわゆる「経絡線図」の形には捕らわれない。理由 にも経絡線を検出して,隣接している経絡線との区別を  は前述した・

することは必要である。

       4.実験結果

 3・実験方法と概要      図4に標準とした経絡線図(参考文献5より転載)を示  接触子の前腕部での位置を腕軸方向に5mmずつ移動さ   し実験データの一例を具体的に処理前(図5)と処理後 せると共に,これを回転させて接触子の電極位置を移動   (図6,図7,図8)に示して比較説明する。

させてデータの採集を行った。      図5は測定結果をそのまま3Dグラフにしめしたもの 図4(参考文献5よりの引用)の「曲沢」一「大陵」,   であり,左端と中央少し左寄りにラインが判断出来る。

「少海」一「神門」の経絡線および,それらに存在する   これが(神門一少海)と(大陵一曲沢)の経絡線であり,

ッボに注目して実験をした。その結果の一例を示すと共   各ライン内にツボが見える。これを皮膚,経絡線,ッボ に対応するッボわ記す。      の3値に単純化する事を試みた。

 ここで問題になるのは経絡線と判断する基準量(しき   図6は単純に各レベルを皮膚のそれより30%減とした い値の上下限値)の決定である。人の体格及び,皮膚状   ものであるが,左側のラインが失われている。

態が千差万別である以上厳密に線を引くのは不可能に近    図7は前記の値を20%減としたものであるがツボが明 いが,ある程度以上の変化量は得られるはずである。ッ   確では無い。

ボ点はそんなには明確では無い。単純には各ッボ点を結    図8は経絡線=表皮抵抗×0.8 べば良いのであるが現実にはで全体の値から判断せざる   ツボ=経絡線×0.65としたものである。

を得ない。(前述2,を参照)      ・、 この結果は参考文献4及び5に記された位置関係に合致  そこで,各チャンネルの前段回の測定値を参照をし,   する。

且つ他チャンネルの測定値との比較により判断を行う。    * 距離単位の「寸」はメートル法のそれとは異なり  以上の考察及び,予備実験により下記の条件に基ずい   1寸=21mmとしている。(参考文献5)

(古)

12.5寸

2  5

約十一1

(「π 約π

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少海

轄; 1了τ『)2

5

約丁(π

12.5寸

      _熟ト,イr「ll1)葺、

       憲:ニニ逮縣…轟7離

図4.標準位置図(参考文献5よりの引用)      図5」実測図

(4)

56      大山光夫・朱 東華・山下 忠・小宮勤一

       手首側

       手首側

>1<→∫、 一一一         \ヤ「

、 「   、      一  、 弍

・     <!      \  、  、

L・ 1 ↑     一   …℃:弍ご一、

、否娑\ノ弍   電ヲ ー翌ユ

図6.処理図その1       図8.処理図その3 経絡線=表皮抵抗×0.8      経絡線=表皮抵抗×0.8 ッ ボ=経絡線×0.8       ツ ボ=経絡線×0.65

手首側

…一 E  「「、   なお・図9に鴎(2)繍線(1)ツボ(°)の3値

   古王一 」、 蕊鴛㌶1㌘㌶:蕊慧

      1  、   円形であろうと推測される・

      一   ズである。

         図7.処理図その2      骨部の影響が多い部分(薄い肉厚)にあるツボ点は今回          経絡線=表皮抵抗×0.7         のように抵抗変化による判断が難しいがこのパターンを          ツボ二経絡線×°・7   利用する事によって認識の正解率向上に寄与出来る物と       思う。ただし,近接して複数のッボ点がある場合は当然

(神門一少海)のラインの判断レベルが異なるのは図4   このパターンは乱れるが位置関係のデータ等を参照する を見ても解るようにその下には骨が存在している。その   ことによってこれを補わねばならい。(按摩そのものに ために肉厚が他のそれより抵抗分が大きく異なるためで   占める経験,熟練の要素が強い事を考えると最初の内は ある。この事より単一の判断基準量を全身に当てはめる  これらの要素を取り入れる事はやむを得ない。)

のは極めて難しい事が解る。

 しかし,前腕裏部に於いては上記の基準で良かった。

一   一        に判定した図を示す。

      次に,ツボ点周囲の電気抵抗分布の一例を図10に示して

一一一一 @一一一  一1   説明する・(ツボ名一間史)

(5)

手首側      結 論 1 1 1

1 2 2 1 1 1 1 2 2 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 1 1 2 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 1 1 2 1 1 1 2 1 2 1 1 2

2 2 2

      今まで述べた事柄及び,実験結果から以下の結論に達 1 2 2

1 1 1      した。

2 2 2        今回の考察及ぴ実験から経絡線及ぴツボ点の電気抵 2 1 2

/1 1 1        抗の変化量を判断基準とした経絡線及び,ッボ探索の方 1 1 1        法は十分に有効である。

1 1 1

1 1 1         また,センサは5mmピッチの移動で検出可能であるが 1 1 1        鍼灸の場合はマッサージの時に比べてより正確なッボ点

Hl   の位置を決定する必要がある・(±1・5mmの範囲とも言わ

1 1 1        れている。)

2 2 1         表皮,経絡線,ツボの判断基準は各30%付近の変化量 2 2 2

2 2 2         である。

   ↓      ↓      私見であるが,自動化が有効なのは現実には人の背面部 縦線(神門一少海)繍線(大修曲沢)   と判断する.理由は前面部は被験者自身でも・按摩、が       図9.3値判定図       可能であるのに対し,背面はそれが不可能だからである。

      又,背面の経絡線は脊柱に沿っていると言われているし,

      肉厚の変化もほぼ安定していて探査もそれほど困難とは

      ソもシほタいもロいパい ココク ロ  

      iド1  思われない・

      i川  終わりに

      l l l

       い       本報告を作成するにあたり被験者となって頂いた多く

F91

     ,1・i      の学生諸君及び,色々なアドバイスを頂いた諸氏,特に

   1.…D ㌶:㌶㌶屡㌶:巖濃竺

      参考文献▲

       (1)金 意成:「按摩学」上海科学技術文献出版社

        ll      1983       !i

,       1      (2)呉 更偉:「精易按摩法」河北科学技術出版社

     ・ :1       1990

        i…     (3)芹澤勝助:「鍼灸の科学」医歯薬出版株式会社       iil

       三  }       1989

図1。.ツボ(間使)朋の抵抗分布例   (4)山下言句:「臨床繍穴図解・

      医歯薬出版株式会社 1993       (5)日本経穴委員会編:「標準経穴学」

      1993

      (6)大山 光夫,朱 東華,山下 忠,小宮勤一       「指圧医療における最適刺激点(ッボ)及びその経       路(経絡線)の検出用センサの試作」

      バイオメカニズム学術講演会 1993

参照

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