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Mixed conducting perovskite oxide for electrode of solid oxide fuel cells

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Academic year: 2021

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名古屋工業大学学術機関リポジトリ Nagoya Institute of Technology Repository

Mixed conducting perovskite oxide for electrode of solid oxide fuel cells

著者(英) Koji Inukai

学位名 博士(工学)

学位授与番号 13903甲第1013号 学位授与年月日 2015‑09‑02

URL http://id.nii.ac.jp/1476/00003233/

(2)

学位の種類 学位記番号

学位授与の日付 学位授与の条件

学位論文題目

イヌカイ コウジ

犬飼 浩之

博士(工学)

博第1013号 平成27年9月2日

学位規則第4条第1項該当 課程博士

Mixed conducting Perovskite oxide for electrode of solid

oxide fuel cells      ・

(固体酸化物型燃料電池電極用混合導電性ペロブスカイト型酸化物

の研究)

論文審査委員 主査 教授   申 ウソク

教授   岩本 雄二 准教授  中山 将伸

論文内容の要旨

 本研究は、固体酸化物形燃料電池(SOFC>θ)電極への適用部材として、高酸素イオン伝導 性と電気伝導性を有するセラミックス材料である混合導電性ペロブスカイト酸化物,

L畑6Sr住4TixFeFxO3.δ(LSTF, x=0−0.3)の熱膨張挙動と化学結合状態評価、電気輸送特性 評価及び電極作製に用いるLSTF印刷ペーストのレオロジー制御ついてまとめたものであ る。各章は次のように要約される。

 第1章は序論であり、SOFCの電極適用部材に求められる特性、 LSTFを研究対象として選 択する意義、SOFC稼働時に部分的に受ける酸化還元の影響調査の必要性、ペロブスカイト 酸化物の熱膨張挙動及び電気輸送特性評価の背景を説明した。さらに、電極印刷における ペーストのレオロジー技術の必要性について述べ、本研究の鰹的を示した。

 第2章では、Tiドープ量を変化させたLSTFについて、熱膨張挙動及び還元雰囲気での化 学膨張挙動を評価した。H2の還元雰囲気での急激な化学膨張は200℃から400℃で観察され、

Tiドープ量の増加に伴い、その膨張率は低下した。 LSTFの化学膨張の抑制効果の根本を明 らかとするために、熱天秤(TG)による測定と、室温から800℃の高温かつ大気及び還元雰 囲気の作動条件におけるin−situ X線吸収微細構造(X旺S)法による測定とから、酸素欠 陥量、Ti及びFeの価数と局所構造の変化を詳細に調べた。酸素欠陥量はTGとXAFSでよい 一致を示し、Tiの置換量が増加するにつれて酸素欠陥量は減少した。また、)畝FSから酸素 欠陥がFe近傍より優先的に起こることが直接観察され、 Feの価数を見積もった結果、

LSTF(x=0)で最も容易にFeの価数変化が起きていることから、Tiが化学膨張抑制に寄与す

ることが明らかとなった。

(3)

 第3章ではLSTFの空気極への適用として、気孔率を有するバルク体と印刷厚膜の室温か ら1000℃における電気輸送特性を評価した。バルク体と印刷厚膜とでは、構造や比表面積 の違いから表面の酸素欠陥などの形成の違いにより異なる挙動を示すことが考えられるた め、電気輸送特性として導電率とゼーベック係数を同時に測定し、比較した。印刷厚膜の 導電率は、バルク体よりも低いこと及び活性化エネルギーは高くTiドープ量に依存した。

また、印刷厚膜のゼーベック係数はバルク体よりわずかに高く、酸素欠陥によりキャリァ フラクションが低いことを明らかにした。さらに、SOFC稼働時の局所的に発生する還元状 態評価のため、1%水素9%窒素の還元環境下で導電率とゼーベック係数の変化を調べた。印 刷厚膜はバルク体よりもp型からn型導電挙動へ変化する温度が低温にシフトしており、

ホール濃度の低さや酸素欠陥が低温から発生することによりキャリアタイプが容易に変化 してしまうと考察された。このことより、電極の構造設計は重要であり、SOFC特性に影響 を及ぼすことが示唆された。

第4章および第5章ではLSTF粒子ペーストを作製し、レオロジーと印刷厚膜との関係を 評価した。ペーストはLSTF粒子を高分子バインダとともに有機溶媒中または水中に分散さ せて作製した。高分子バインダにエチルセルロース(EC)を、溶媒にはジエチレングリコ ールモノブチルエーテルアセテート(BDGAC)を用いた。第4章では、 ECのLSTF粒子上へ の飽和吸着量の分子量依存性から、高分子の吸着形態の指標であるPerkeiとUllman式の β値を0.22と見積り、ECがフラット構造に近いtrain−loop−taH構造を形成しLSTF粒子 上に吸着ていることが明らかとなった。また、ECの分子囹がペーストの流動特性に与える 影響と、印刷厚膜の塗膜性に与える影響を検討し、ECの吸着によりLSTF粒子がよく分散さ れており、高い高分子量で高いEC濃度で分散状態が良いグリーン体が得られた。一方で、

過剰量のEC濃度では焼結後の密度を低下させる要因となるため、分子量が141000、3. Owt%

の濃度で適正化に至った。第5章ではペースト印刷時のレオロジー挙動をシミュレーショ ンするために、3−stepリカバリーテストを定義し、 LSTF粒子とEC濃度を変更したペース トを検証した。スクリーン印刷申では、ペーストはスキージの動きやスクリーンメッシュ の通過などから様々なせん断を受け、複雑な粘度挙動を示すため、印刷の一連の動きをモ デル化しペーストのレオロジー挙動を調べた。強いせん断を与える前後の固体的成分G の 変化から算出したリカバリー率は、LSTF粒子とECの濃度に強く依存し、レオロジー的ネッ

トワークを強く形成しているペーストではリカバリー率が低下することを明らかにした。

リカバリー率が低く、高い粘度のペーストでは、にじみがなくスムーズな面を持つ好まし い厚膜を形成可能となった。

第6章は総括であり、本研究の成果をまとめた。

 以上、本論文では、固体酸化物型燃料電池電極用混合導電性ペロブスカイト型酸化物LSTF

の熱膨張及び電気輸送特性を系統的に調べ、実用に向けてペーストの適正化を行った。環

境・エネルギー分野で活躍の期待される機能性ペロブスカイト型酸化物の材料適用におい

て、基礎的知見を蓄積し、SOFCの今後の材料設計に貢献するものである。

(4)

論文審査結果の要旨

 固体酸化物型燃料電池(SOFC)は実用化段階にきており、電気化学的な機能とともに機械 的安定性や長期安定性が重要視されている。現在主流の空気極に用いられる混合導電性ペ ロブスカイトの課題から、解決するため新材料のLaSrTiFeO3◇系(LSTF)材料を選択し、

機械的特性、電気的特性、印刷膜特性について、工学的な応用を含めて検討したものであ

る。

 第1章は序論であり・SOFCの電極適用部材に求められる特性、 LSTFを研究対象として選 択する意義、SOFC稼働時に部分的に受ける酸化還元の影響調査の必要性、ペロブスカイト 酸化物の熱膨張挙動及び電気輸送特性評価の背景を説明した。さらに、電極印刷における ペーストのレ才ロジー技術の必要性について述べ、本研究の日的を示している。

 第2章では、Tiドープ量を変化させたLSTFについて、還元雰囲気での化学膨張挙動を示 し、Tiが化学膨張を抑制する効果の根本を明らかとするために、熱天秤(TG)による測定 と、室温から800℃の高温かつ大気及び避元雰P‖気の作動条W二におけるin−situX線吸収微 細構造(XAFS)法による測定をしている。酸素欠陥鍛、 Ti及びFeの価数と局所梢造の変化

を詳細に澗べ、Tiが化学膨張抑制に寄与することを明らかにしている。

 第3章ではLSTFの空気極への適用を見据え、気孔率を印刷厚膜の電気特性をバルク体と 比較している。電気喘送特性として導電率とゼーベック係数を測定し、活性化エネルギー からホッピング電導について論じている。また、ゼーベック係数から、印刷1馴1莫は酸素欠 陥によりキャリアフラクションが低いことを明らかにしている。さらに、1鑑水素99駕窒素の 還元環境下でのキャリアについて調べ、印刷1馴摸はバルク体よりもp型から11塑導電挙動 へ変化する温度が低温にシフトすることを示し、ホール濃度の低さや酸素欠陥が低温から 発生することにより、キャリアタイプが容易に変化してしdミうことを明らかにし、?R極梢 造の設計の重要性を指摘した。

 第・1章では、所望の印刷膜を得るためのセラミックペースト設計において、粒子分散に重 要なエチルセルロース(EC)高分子のLSTF粒子上への飽和吸」剖aを調べている。 ECの分子 ほ依存性から、吸着形態の指標であるPerkelとUIlman式のβ値を0.22と見積り、ECがフ ラット構造に近いtrain−loOp−tail6警造を形成しLSTF粒子上に吸着ていることが明らにし ている。また、ECの分子量がペーストの流動特性に与える影響と、印刷劇膜の塗膜性に与 える影響を検討し〜ECの吸着によるLSTF粒子の分散を議論し、良好なグリーン体及び焼成 体をえるためのペースト最適化をしている。

第5章ではスクリーン印刷中では、複雑な粘度挙動を示すため、印刷の一連の動きをモデ ル化する工夫をし、ペーストのレオロジー挙動を調べている。強いせん断を与える紺麦の 閲体的成分G の変化から算出したリカバリー率を定縫し、レオロジー的ネットワークを強

く形成しているペーストではリカバリー率が低下することを明らかにしている。にじみが なくスムーズな而を持つ好ましい1口膜を形成する指標であり実用的な知見を提示してい

る。

環境・エネルギー分野で活躍の期待される機能性ペロブスカイト型酸化物の材料適用にお いて、基礎的知見を工学的視点から蓄租しており、SOFCの材料設計に貢献するものである。

よって本論文は、博士(工学)の学位論文として十分に価値のあるものと認める。

参照

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