• 検索結果がありません。

単結晶サファイアを用いた静電容量式圧カセンサの 研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "単結晶サファイアを用いた静電容量式圧カセンサの 研究"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

単結晶サファイアを用いた静電容量式圧カセンサの 研究

著者 増田 誉

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 24

ページ 70‑72

発行年 2003‑03‑28

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1433

(2)

氏名 。(本

  

    

(神奈川県)

学位 の種 類

  

  

  (工  

学)

学位 記 番 号

  

工博甲第

  218  

号 学位授与の日付

  

平成 13年 9月 21日 学位授与の要件

  

学位規程第5条第 1項 該当

研究科。専攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子応用工学

学位論文題目

  

単結晶サファイアを用いた静電容量式圧カセンサの研究

論文審査委員

  

畷員 長

)塩

り‖

 

祥 子

  

教 授

 

 

人 祥

 

助舞 村 上 健 司 教 授 渡 邊 健 蔵

論 文 内 容 の 要 旨

本研究は過酷な環境下で も使用で きる工業用圧力発信器 に対 して隔膜構造 を用いず に構築するこ とを目標 とした。 このために単結晶サフアイアを用いた静電容量式圧カセンサ とその信号処理回路 を開発 した。

センサの構成材料 は過酷 な環境下で使用で きる材料 を調査 し、単結晶サフアイアが最 も適する材 料であることを見出 した。単結晶サ フアイアは完全弾性体であ り硬度が高 く耐食性 にも優れる。 こ

れは優れた圧カセンサを作 る上で重要な性質であるが、反面、 この性質は加工を困難 にしている。

特 に単結晶サ フアイアの穴開けや溝形成は完全弾性体であるため通常の機械加工、即ち材料の塑性 変形性 を利用する切削加工等が使用で きず、単結晶サフアイアに適 した研磨技術や ドライ・エ ツチ

ング技術 を開発 した。

また圧力測定原理は材料の弾性率 に影響 されず、かつ高温で も使用で きる平行平板 キヤパシタに よる静電容量式 を選択 した。このキヤパシタ部は高精度の高 さ制御 を必要 としたため、単結晶サフア イアのダイヤフラムと基板を介在物なしに接合する直接接合技術 を開発 し用いた。 さらにキヤパシ タの電極膜 には単結晶サフアイアの線膨張率 に近 く、機械的かつ化学的にも安定性の高い白金 を用 いた。上記の開発 により小型化が困難 となる圧カ レンジである5Kpaの微圧 センサを作成 した。 この

微圧センサのチップサイズは□

7mm、

ダイヤフラムの直径はφ4。

3mm、

ダイヤフラムの厚さは

0。05mm、 キヤパシタの電極間距離はmで ある。センサの直線性誤差と湿度特性、さらにセンサと

‑70‑

(3)

信号処理回路の温度特性等の誤差は、感圧容量 と基準容量の

2つ

のキャパシタを内臓 させ、 レシオ メ トリック信号処理 により除去 した。この

2つ

のキャパシタのベース 0キ ャパシタンスはセンサを 小型化するために共に約10pFと し、感圧容量の圧力感度は定格圧力印加時に約lpFだけ増加するよ

う設計 した。

このセンサチ ップは、耐食性の高いニッケル基合金板 と予め拡散接合により接合 された単結晶サ フアイアの台座 と固液間反応接合技術 を用いて接合 されパ ッケージに収められている。このサファイ アとニ ッケルの拡散接合 とは高温・高圧下においてサファイア側ヘニッケルカYヒ合物反応 により拡散 し接合界面 にNiA1204の 化合物 を形成することにより接合 され、またセンサ と台座の固液間反応接 合技術 とはゾル・グル法による酸化アルミユウムの超微粒子表面に薄い酸化ホウ素膜を形成 し、化合 物反応 により接合する技術であ り、接合界面 には多結晶サファイアとB4A118033が生 じ接合 される。

信号処理回路は印加圧力により生 じたセンサの微小 な容量変化 を高精度に測定するために固定振幅 で固定周波数の正弦波の駆動信号が使用できる電荷増幅器を用いた電流・電圧計法を開発 した。固定 振幅に制御 された駆動信号はセンサの電極間に働 くクーロンカの影響を固定化でき、さらに固定周波 数で単一周波数成分のみの正弦波駆動信号は電極間や電極膜上に吸着 した水分や他の誘電体の影響を 固定化できるためである。また電荷増幅器を用いた電流 0電圧計法は位相の回転を伴わない性質があ

り、 これを利用 しセンサに寄生する抵抗成分 による誤差 を位相検波回路 により分離・除去 した。

センサや回路 に存在する直線性、温度特性、湿度特性等の誤差は

4象

限レシオメ トリック信号処理 を施す ことで除去 した。 レシオメ トリック信号処理はオフセット誤差等の非線型性誤差の存在により 上記に述べた誤差の除去効果を悪化 させる。4象限レシオメ トリック信号処理は感圧容量 と基準容量

2つ

のセンサ・キャパ シタと180° 位相が異なる

2つ

の駆動信号 による

4つ

の組合せ状態 を形成

しオフセ ット誤差等の非線型性誤差 を除去する方法である。

信号処理回路の耐熱性能はセンサ と信号処理回路の配線部分 をケーブルで接続 し確保 した。この ケーブルに混入する磁界ノイズはシール ド部分に迂回させ、かつ電界ノイズは導体シール ドで遮蔽 し た。 さらにケーブルはツイス ト・ペアー構造の2線シール ドケーブルとすることで混入 したノイズ を相殺 した。

これ らの技術 により長 さlmのケーブルを用いた圧力伝送器 としての総合性能は、測定分解能

±0。001%FS(=約±10aF)、 2次関数近似 による補正前の直線性誤差±0。7%FS、 2次関数近似 による補正

後の直線性誤差コ.餌%FS、温度特性±0。003%FS/℃ 、 時間での安定性コ

.002%FS(=約

±20aF)、 耐熱 性200℃ 以上 を得 ることがで きた。また耐ノイズ性能はUHF帯で空中線電力

5W級

の トランシー バー試験 においても出力の変動は認められなかった。

以上の結果から単結晶サファイアを用いた静電容量式圧カセンサ とその信号処理回路は従来の工業 用圧力伝送器で用いられてきた隔膜構造を除 くことができ、これを大幅に小型化 した。さらに従来の 圧力伝送器で不可能 とされた耐食性や耐熱性 を必要 とする微圧領域の測定 も可能にした。

‑71‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

プラン トの圧力監視・制御等に用いられている従来の工業用圧力伝送器は、ダイアフラムを隔膜 と する構造 を採用 している。 この構造は腐食性媒体や爆発性雰囲気への応用 に適 しているが、その反 面、封入液を用いているために温度依存性が大 きく低圧では高い精度が得 られず又、使用温度範囲も 限定 される等の問題 を抱えている。本論文はこれらの問題点を解消するために行われた研究成果をま

とめた ものであ り、全5章 から成る。

1章は序論であ り、圧力測定の重要性 と圧カセンサの歴史を紹介 した後、研究背景及び目的を明 らかにしている。第

2章

は圧カセンサについての記述である。センサ材料 には耐腐食性、耐熱性 に優 れ、マイクロマシエング可能な単結晶サファイアを用いている。サフアイアは弾性率が大 きいため、

ビエゾ抵抗式では高い感度が期待できない。そこで圧力による変位に感応する静電容量式を採用 し、

アルゴンのスパ ッタによってエ ッチングされた基板 とダイアフラムを直接結合 して空洞部を形成 し、

この中に白金を電極 とする感圧容量 と基準容量の2つのキャパシタを設けている。ダイアフラムの厚 さは50μ m、電極間距離 は

m、 電極面積 はいずれ も

3.8mm2で

ぁ り、圧力印加が無い時の容量 は

10pF、 5 kPa印 加時の容量変化は l pFで ある。 このセンサチ ップは、カバーを兼ねる台座 に固液間

反応接合 によって取 り付 けられている。工業用圧力伝送器では0.1%FS(Full ScJe)の 分解能が要求 さ れ、この分解能を満たすにはセンサのlfFの容量変化 を正確 に検出する必要がある。第

3章

はこのよ うな微小容量変化 を検出するためのインターフェイス回路 を述べている。センサの容量 は温度 と湿度 によっても変化する。これらの干渉要因を取 り除 くには感圧容量 と基準容量の相対変化 を比演算する レシオメ トリック信号処理が必須である。更に、信号処理系のオフセットをも取 り除 くためにこの処 理 を4象限に拡張 している。信号処理系 は、電荷増幅器、同期検波回路、アナログ・デイジタル変換 器及びマイクロコンピュータから成 り、20aFの分解能を有 している。第

4章

では上記センサを長い 同軸ケーブルでインターフェイス回路に接続 した工業用圧力伝送器の性能を述べている。重錘式圧力 発生器 を用いた評価 によつて、圧力範囲0〜7.5kPaで の非直泉型誤差は0。05%FS以下、温度依存性 5〜50℃の範囲では0.Oo3%FS以下、200℃ の高温下でも

o.o4%FS以

下の安定性が得 られることを立 証 している。第

5章

は結論であ り、上記の内容 をまとめると共に今後 の展望 を述べている。

サファイアのマイクロマシニング及び4象 限レシオメ トリック信号処理は新 しい技術であ り、これ らの新技術を結集 した圧カセンサは耐腐食性・耐熱性に優れ、圧カセンサの新 しい応用分野を拓 くも のである。 よって、本論文は工学的に極めて有用であ り、博士(工)の学位 を授与するにふさわ しい 内容であると認める。

-72-

参照

関連したドキュメント

整合性 + 繁殖性 モジュラーカット除去 厳密性 + 繁殖性

地盤の破壊の進行性を無視することによる解析結果の誤差は、すべり面の総回転角度が大きいほ

定可能性は大前提とした上で、どの程度の時間で、どの程度のメモリを用いれば計

直流電圧に重畳した交流電圧では、交流電圧のみの実効値を測定する ACV-Ach ファンクショ

一方、4 月 27 日に判明した女性職員の線量限度超え、4 月 30 日に公表した APD による 100mSv 超えに対応した線量評価については

線量は線量限度に対し大きく余裕のある状況である。更に、眼の水晶体の等価線量限度について ICRP の声明 45 を自主的に取り入れ、 2018 年 4 月からの自主管理として

「光」について様々紹介や体験ができる展示物を制作しました。2018

①正式の執行権限を消費者に付与することの適切性