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(1)

HTLV

HTLV

HTLV

HTLV-

-

-

-1

1

1

1 母子感染予防対策研修会・検討会

母子感染予防対策研修会・検討会

母子感染予防対策研修会・検討会

母子感染予防対策研修会・検討会

奈良県立医科大学産婦人科

小林

(2)
(3)

HTLV-1 ウイルスに関する報道

∗ 2010年8月8日 熊本日日新聞 「成人T細胞白血病 全国に拡大、九州から人口移 動要因、母子感染防止の徹底急務」 ∗ 2010年9月8日 午後の官房長官記者発表「HTLV(ヒトT細胞白血病ウイルス)関 連患者団体との面談について」で、HTLV-1ウイルスについて官邸に特命チームを 設置し、妊婦検診の検討など国の方針を示した。 ∗ 2010年9月9日 毎日新聞朝刊 「ATL制圧へ特命チーム 首相が方針 妊婦健診 など支援 『私たちの声生かして』」 ∗ 2010年9月16日 NHK「あさイチ」 の番組「母乳で感染する白血病ウイルス」 ∗ 2010年10月22日(金)22時50分~23時 NHK教育「視点・論点」にて、 「HTLV-1について」放送(解説:渡邉俊樹) ∗ 2010年12月20日 毎日新聞 「白血病ウイルス:対策研究費5倍増に 政府」 ∗ 2010年12月20日 官房長官記者発表 「HTLV-1総合対策のとりまとめについ て」 ∗ 2010年12月21日 西日本新聞朝刊 「HTLV1対策 「扉開いた、90点」 患 者評価 医師育成など課題も」

(4)

HTLV-1 特命チーム

平成22年9月13日、菅総理は総理大臣官邸で、 HTLV-1 特命チーム第1回会 合に出席しました。 特命チームは、 HTLV-1 ウイルスの問題について、総合的対策を行うため設置さ れたもので、本日は、 HTLV-1 対策の現状と課題について話し合われました。 菅総理はあいさつで「 HTLV-1ウイルスの問題については、先週、患者さんたち の声を直接お聞きし、また、本日の情報交換により、早急に取り組まなければなら ないことを改めて確信をいたしました。 正しい知識と理解の普及、予防・治療の研究開発、相談・診療体制なども含め、 遅くとも年末までに、総合的対策を取りまとめるよう、精力的な作業をお願いいた します。」と述べました。

(5)

HTLV-1 総合対策のとりまとめ

厚生労働省に専門の対策推進協議会を設置する

HTLV-1 の研究費として、従来の約5倍の10億円を充てる

予防からカウンセリング、医療体制、情報提供、研究開発にわ

たる総合的な対策を盛り込む

(6)
(7)

平成22年度母子保健講習会

メインテーマ「子ども支援日本医師会宣言の実現を目指して-5」

テーマ

「HTLV-1 母子感染予防

対策について」

ATLについて

塚崎邦弘先生(長崎大学医学部原研内科准教授)

母子感染について

増﨑英明先生(長崎大学医学部産婦人科教授)

患者の立場から

安河内眞美(美術商やすこうち代表)

行政の立場から

泉陽子先生(厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長)

(8)

キャリアの多い九州・沖縄地区のみで母子感染予防対策を行えば十

分な成果があがるであろう。

ATLは発病率も5%と低く九州・沖縄以外ではまれな病気

全国で行うと混乱が生じ、またキャリアも少ないため有益ではない

自然にキャリアは減少するであろう

ATLも減少するであろう

平成2年ごろの

HTLV-1 抗体検査に

対する考え方

平成 平成平成 平成2222年ごろの年ごろの年ごろの年ごろの考え方考え方考え方考え方

(9)

キャリアが全国に拡散し、もはや九州・沖縄だけのウイルスではな

くなった

ATL患者は増加

20年前

700人、現在

1100人

キャリアもほとんど変化なし

20年前

120万人、現在

108万人

キャリアの減少とATL、HAM撲滅のためには母乳を介した母児感

染対策が最も効率的

なぜ全国で妊婦の

HTLV-1抗体検査が

行われるようになったか

世界中のキャリ アは3000万人 現在の 現在の現在の 現在の考え方考え方考え方考え方

(10)

項目 項目 項目 項目 実施率実施率実施率実施率 風疹 97.5 B型肝炎 99.5 C型肝炎 99.4 HIV 99.4 HTLV-1 90.7 トキソプラズマ 55.4 サイトメガロウイルス 6.9 麻疹 6.1 水痘 3.9 流行性耳下腺炎 2.1

検査実施率

平成21年度 母子保健部

(11)
(12)

感染者数は、約108万人と推定。ほとんどは無症候性キャリア。

西日本に多いが、最近の調査で地域の拡散があること、減少が緩慢

である。

感染経路は、母子感染が約6割以上を占めるほか、2割程度が性感染

症による。

①母子感染(キャリアの母親から子どもへの感染率:長期母乳(6か

月以上)で約20%、断乳(人工乳)した場合、約3~6%に低下)

②性感染(主にキャリア男性から女性に、結婚後2年で20%程度の確率

で感染するとされる)

③血液感染(1986年から献血時の抗体検査導入、現在はない)

HTLV-1感染症について

これだけ覚 える!

(13)

HTLV-1感染症について

出生数 出生数 出生数 出生数 陽性(キャリア)陽性(キャリア)陽性(キャリア)陽性(キャリア) 率 率 率 率 母子感染率 母子感染率母子感染率 母子感染率 ATL発症発症発症発症 全国 100万人 2000人 (0.2%) 60人 (キャリアの3%) 3人 (母子感染者の5%) 奈良県 1万人 20人 0.6人 0.03人 これだけ覚 える!

(14)

感染者数は約108万人程度と推定

ほとんどは無症候性キャリア

西日本に多い

女性に多い

高齢者に多い

感染経路は、母子感染が約6割以上を占めるほか、2割程度が性感染

によるとの報告がある。

母子感染

(キャリアの母親から子どもへの感染率・長期母乳(6ヵ

月以上)で約20%、断乳(人エ乳)した場合、約3~6%に低下)

性感染

(主にキャリア男性から女性に、結婚後2年で20%程度

の確率で感染するとされる)

血液感染

(1986年から献血時の抗体検査導入・現在はない)

HTLV-1感染症について

(15)

白血病(ATL)をおこす。

年間発症者数(推計)は、約1,100人

化学療法や骨髄移植等の治療法があるが、発症後1年以内に死亡す

る患者が多く、5年生存率は極めて悪い。

神経障害(HAM)をおこす。

患者数は、約1,400人

脊髄が障害され、歩行障害、排尿障害等を引き起こす慢性の進行性

の難治性疾患。

治療は、外来中心の場合は対症療法やリハビリテーションを行う。

神経症状が悪化した場合は、入院によるステロイドパルス療法やイ

ンターフェロンα療法などを行う

HTLV-1(Human T-cell Leukemia Virus Type 1): ヒトT細胞白血病ウイルス1型 ATL(Adult T-cell Leukemia): 成人T細胞白血病

HAM(HTLV-1 associated myelopathy): HTLV-1関連脊髄症

(16)

∗ 平成18年、19年 ∗ 人口千対 HTLV-1 抗体陽性率

年代別キャリア率(平成18年・19年)

16-19歳歳歳歳 20-29歳歳歳歳 30-39歳歳歳歳 40-49歳歳歳歳 50-64歳歳歳歳 男性 1.19 1.86 2.42 6.22 10.89 (50-59歳) 14.77 (60-64歳) 女性 0.97 1.98 2.63 6.14 12.93(50-59 歳) 16.81 (60-64歳) (参考)妊婦のキャリア率 0.2%、母子感染率20%、ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(ATL)生涯発症率 が5%と仮定 ∗ 妊婦50,000人に対して HTLV-1 抗体検査を実施すると100人の HTLV-1 陽性者が発見できる。 ∗ 母子感染予防対策をとらなかった場合、20人の児に感染する ∗ その児のうち生涯に ATL を発生するのは1人 ∗ つまり50,000人に HTLV-1 抗体検査を実施して、対策をとることで1人の ATL が予防できる。 (ただし、対策をとってもHTLV-1に感染する場合がある)

(17)

1.経緯 ∗ 平成22年9月8日。総理大臣がHTLV-1で発症するATL及びHAMの患者の 方々と面会し、要望を受けて同日に特命チームを立ちあげ。 2.趣旨 ∗ HTLV-1ウイルスの効果的な予防方策の検討を、政治主導・官邸主導で進める ため、総理指示に基づき、本特命チームを設け、患者や医師の方々もオブザー バーとして参加していただくことにより、当事者の声もしっかりと受けとめ、 この聞題に強力に取り組んでいくこととする。 3.メンバー ∗ 小川勝也 内閣総理大臣補佐官(リーダー) ∗ 瀧野欣彌 内閣官房副長官 ∗ 岡本充功 厚生労働大臣政務官 ∗ 厚笙労働省健康局長 ∗ 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長 ∗ この他にオブザーバーとして、国会議員、患者団体、専問家が出席。事務局は 厚生労働省が担当。 4.検討項目 ∗ 妊婦を対象とした全国一律の抗体検査やカウンセリングの本年度中の実施 ∗ 正しい知識と理解の普及、予防・治療の研究開発、相談・診療体制整備 5.進め方 ∗ 平成22年末までに、総合対策をとりまとめる予定。

第1回

HTLV-1特命チーム決定

(18)

∗ 平成22年10月6日:妊婦一人当たりの補助単価の改訂 ∗ →63,790年から66,080円へ(2290年増額) ∗ 補助率:国1/2、市町村1/2 ①血液検査 ∗ 妊娠初期に1回、血液型(ABO血液型・Rh型、不規則抗体)、血算、血糖、B型肝炎抗原、C型 肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体の検査を実施。 ∗ 妊娠24週から35週までの間に1回、血算、血糖の検査を実施。 ∗ 妊娠36週以降に1回、血算の検査を実施。 ∗ 妊娠30週頃までにHTLV-1抗体検査を実施。 ②子宮頸がん検診(細胞診) ∗ 妊娠初期に1回実施。 ③超音波検査 ∗ 妊娠23週までの間に2回、妊娠24週がら35週までの間に1回、妊娠23週までの間に2回、妊 娠24週がら35週までの間に1回、36週以降1回実施。 ④B群溶血性レンサ球菌(GBS) ∗ 妊娠24週から35週までの間に1回実施。

第2回

HTLV-1特命チーム決定

(19)

目的 ∗ 妊婦に対し、HTLV-1母子感染に関する正しい知識を普及させるとと もに、妊婦が自身のHTLV-1感染の状況を認識し、必要に応じて事後 の保健指導を受け、 HTLV-1の母乳を介した感染の危険を提言するこ とにより、母子感染の防止を図る。 実施時期 ∗ 妊娠30週頃まで。妊娠30頃を超えて、初めて妊婦健康診査を受診す る等の事情がある場合はこの限りでない。 妊婦健康診査における実施方法 ∗ 粒子凝集法(PA法)又は酵素免疫測定法(EIA法)のどちらが一方で行う。 留意事項 ∗ HTLV-1抗体検査結果が陽性の場合は、その結果のみからHTLV-1に感 染しているとは判断できず、ウエスタンブロット法(WB法)による精 密検査が必要。

妊婦健診における

HTLV-1

抗体検査

(20)

HTLV-1

抗体検査の進め方

妊婦健康診査におけるHTLV-1抗体検査 (PA法またはEIA法) 陰性 陽性 確認検査 (WB法) 陰性 判定保留 陽性 ①: HTLV-1に感染している可能性は低い ②: HTLV-1に感染しているか現在のところは不明 ③: HTLV-1に感染している可能性が高い(HTLV-1キャリアとして対応する)

(21)

HTLV-1

抗体検査の進め方

妊婦健康診査におけるHTLV-1抗体検査 (PA法またはEIA法) 陰性 陽性 確認検査 (WB法) 陰性 判定保留 陽性 ①: HTLV-1に感染している可能性は低い ②: HTLV-1に感染しているか現在のところは不明 ③: HTLV-1に感染している可能性が高い(HTLV-1キャリアとして対応する)

 確認検査結果は、判定保留であり、HTLV-1キャリアと は言えない。  判定保留の中には、一部HTLV-1キャリアもいるが、全 く感染していない人もいる。  判定保留の中で、どの程度HTLV-1キャリアがいるのか 現状では不明である。  判定保留者の中に含まれるHTLV-1キャリアから母乳を 介した母子感染率については、現在のところデータが ない。  PCR法で調べる方法があるが、全額自己負担となる可能 性が高い

(22)

流行地の場合の例

208,463人 陰性 199,959 陽性 8,504(4.1%) 確認検査 (WB法) 陰性 1,239(14.6%) 判定保留 0(0%) 陽性 7,265(85.4%) ①: HTLV-1に感染している可能性は低い ②: HTLV-1に感染しているか現在のところは不明 ③: HTLV-1に感染している可能性が高い(HTLV-1キャリアとして対応する)

真の陽性者 3.49%

(23)

非流行地の場合の例

11,352人 陰性 11,315 陽性 37(0.33%) 確認検査 (WB法) 陰性 20(55.6%) 判定保留 7(19.4%) 陽性 9(25.0%) ①: HTLV-1に感染している可能性は低い ②: HTLV-1に感染しているか現在のところは不明 ③: HTLV-1に感染している可能性が高い(HTLV-1キャリアとして対応する)

真の陽性者 0.079%

(24)

HTLV-1

母子感染率は

”0”

にはならない

保育様式 保育様式 保育様式 保育様式 期間期間期間期間 感染率感染率感染率感染率 母乳保育 4か月以上 17.7% 3か月以下 1.9% 人工保育 3.3% 凍結母乳 3.1%

(25)

HTLV-1 抗体検査陽性例の

(26)

Q:

HTLV-1確認検査で陽性となった

際の対応は?

陽性者については以下の内容につき説明する 1. 妊婦が HTLV-1 キャリアであることを本人に伝える。説明は 妊婦本人にまず行ない、家族に説明するかは妊婦本人が決める。 2. HTLV-1 キャリアは日本で推定108万人存在し、決してまれ ではないこと。 3. ATL(成人T細胞白血病)や HAM (HTLV-1 関連脊髄症)などの 病気を発症していないが、免疫を司るCD4陽性T細胞にウイル スが感染している人をキャリアと呼ぶこと。 4. HTLV-1 ウイルスに感染するとウイルスは体の中にとどまり、 持続感染状態となる。 5. キャリアから ATL や HAM などの病気が将来発病する可能性 があること。 6. ATL の発症率は 40 歳を越えるまではほとんどないが、40歳 をすぎると年間キャリア 1,000 人に1人の割合で発症する。 7. HAM は30~50歳の発症が多く、年間キャリア3万人に1人 の割合で発症する。

(27)

Q:

HTLV-1確認検査で陽性となった

際の対応は?

陽性者については以下の内容につき説明する  HTLV-1 母子感染の予防方法(栄養方法の選択)について • HTLV-1 は主に母乳を介して母子感染をする。その他の経路の感染も低頻度だが存 在する。長期母乳栄養で15~20%の母子感染が生じる。 • 母子感染低減に有効な方法として以下の3法が推奨されている。なお、妊婦が母乳感 染のリスクを承知した上で継続した母乳哺育を行なうという選択肢もある。 ①人工栄養(母子感染率を約1/6(3%)に減少させる) ②3ケ月までの短期母乳栄養(母子感染率を減少させるとの報告がある。)参考値として 3ヶ月以内の母乳栄養で1.9%、3~6ヶ月の母乳哺育で約10%、6ヶ月以上の母乳哺育 で約20%の母子感染が生じるとの報告がある。 ③凍結母乳栄養(母子感染率を減少させるという報告があるが症例数は少ない。)  希望があればカウンセリングを受けることができる。  出産後の具体的な母親、子供への対応について • 母乳分泌抑制を希望した場合、分娩48時間以内に薬剤投与を行なう必要があること • 短期(3ヶ月まで)母乳栄養を希望した場合、具体的な母乳中止時期の目安を説明 • 長期母乳栄養を希望すれば、一般の妊婦と同様の指導

(28)

Q:

夫への説明は?

大変難しい問題です ご夫婦の状況によってかわると思いますが、可能であれば相談した 方がよい。理由として、  HTLV-1 は「親の意志」によって防ぐことが可能な感染症であ り、子どもの将来を決定するためには2人で責任を負う方がよい。  夫が検査を受けるかどうかの問題はあるが、キャリアである自分 を支えてくれる(ほしい)のは夫であり、夫婦ならば支える義務と 責任がある。  自分から夫に感染させる危険性がない。精子を介して感染する。

(29)

Q:

家族の

HTLV-1 抗体検査は?

 妊婦以外は HTLV-1 抗体検査の結果が陽性であるメリットは小 さく、逆に弊害が生じる恐れがある。  もし事情が許せば夫の協力を求め、妊婦を支えていく方がよい場 合もある。このような時、夫が検査を希望した場合には、上記の 注意点を考慮して、検査を受けるかどうかを決めてもらう必要が ある。  その他の家族の検査についても同様の注意が必要である。検査を 行う場合には、陽性である可能性を考えて、常にカウンセリング を考慮しておく必要がある。

(30)

Q:

キャリア妊婦の健康管理は?

 40歳を過ぎてから HTLV-1 キャリアと申し出て内科健診を受 けて下さい。  足のしびれ、不明熱、全身倦怠感等があれば早めに来院して下さ い。  治療法は進歩しており ATL ではミニ移植、CCR4抗体を用いた 新たな治療法が有望です。  ウイルスコピー数をみる検査が保険収載されるように検討中。ウ イルスコピー数が少なければ発病のリスクは極めて低い。ウイル スコピー数が多い場合、免疫を高める方法(緑茶、Lカゼインシロ タ株の飲用等)が有効とのデータも少数例だがあります。またワ クチンについても研究が開始されています。

(31)

Q:

生まれた子供の抗体検査は?

 今までの研究から、人工栄養児については、生後2歳時に検査を すれば HTLV-1 に感染しているかどうかわかるようになった。  母乳栄養児(短期母乳を含む)については不十分なデータしかなく、 2歳児の検査だけで感染の有無を判断できるかどうかは明らかで ないので、3歳まで追跡期間を延していくことが望ましい。

(32)
(33)

HTLV-1

感染予防対策協議会で行うこと

1.

キャリアの方の相談窓口の設定

2.

陽性者のカウセリングを実施する医療機関への紹介システ

ムを整備する

3.

キャリアの方の相談窓口として地域で血液内科医、神経内

科医を指定して、

ATL

HAM

への相談対応を行う

4.

キャリアの母親から産まれた児のフォロ体制、フォロー

アップする医療機関の指定

5.

従事者の研修

6.

協議会のメンバーとしては、産科、小児科、血液内科、神

経内科等医師

これを実施 する!

(34)

3

HTLV-1

特命チーム決定

1.

妊婦に対する

HTLV-1

抗体検査については、平成

22

年度補正

予算により妊婦健康診査支援基金の積み増しを行い、平成

23

年度も妊婦健診の公費負担を行うことにより、継続して

実施する。

2.

母子感染予防のための保健指導・カウンセリングの体制づ

くりについては、まず平成

22

年度補正予算により、年度内

に国による研修会開催、マニユアル、啓発用資料の配布を

行う。

対応

対応

対応

対応

(35)

妊婦健康診査に対する公費助成の継続

等について

妊婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図るため、必要

な回数

(14

回程度

)

の妊婦健診を受けられるよう、地方財政措置

されていなかった残りの

9

回分について、平成

20

年度第二次補

正予算

(790

億円

)

により、都道府県に妊婦健康診査支援基金を

造成し、国庫補助

(1/2)

と地方財政措置

(1/2)

により支援。

(

事業実施期限

:

平成

22

年度末

)

妊婦健康診査支援基金

妊婦健康診査支援基金

妊婦健康診査支援基金

妊婦健康診査支援基金

5回 市町村 9回 個人負担または市町 村の任意負担 平成22年 度補正予 算111億円 積み増し 5回 市町村 国 1/2 市町村 1/2 9回

(36)

HTLV-1抗体検査の進め方

スクリーニング検査 (PA法またはEIA法) 妊婦健康診査における HTLV-1抗体検査 妊娠30週頃まで 確定検査 (WB法) 保険診療で行う 結果の説明、栄養方法 の選択等について説明 妊娠35週頃まで 児の3歳時以降の HTLV-1抗体検査の 受診等について説明 退院時または 1か月健診時 児のHTLV-1抗体検査 3歳時以降 陽性の場合 陽性の場合又は判定保留 児の栄養方法の決定 (判定保留の場合は対策を 希望する場合のみ)

(37)

HTLV-1 総合対策の骨子

1.

感染予防対策

2.

相談支援(カウンセリング)・・・研修・資料配布

3.

医療体制の整備・・・PCR検査方法の研究

4.

普及啓発・情報提供

5.

研究開発の推進…研究費増大

重点施策

重点施策

重点施策

重点施策

(38)

HTLV-1母子感染予防体制

厚生労働省 関係学会・団体 (産婦人科・小児科・助産師等) 都道府県・都道府県 HTLV-1 母子感染対策協議会 保健所 女性健康支援センター 市区町村 (保健センター) 産婦人科・小児科医療機関 出産後 妊娠中 授乳に関する指 導・助言、不安 や悩みのカウン セリング

(39)
(40)

∗ 元々は旧世界ザルが似たようなウイルス「サルT細胞白血病ウイル ス」を持っていて、それが2~5万年前にヒトに入り込んできた。 ∗ 沖縄や長崎、鹿児島、宮崎、熊本、愛媛、高知のほか、紀伊半島で 感染者が多い。 ∗ そのような分布になったのは、このウイルスを持っていた縄文人が、 ウイルスを持たない弥生人に圧迫されたためだろうと考えられてい る。

歴史

(41)
(42)

∗ 1977年、高月らは日本の南西部に多発する T細胞性の白血病が新 しいタイプの病気であることを発見し、成人 T細胞白血病と命名し 報告した。 ∗ 1979年、三好らが樹立した ATL 細胞株(MT-1細胞)を用い、 1981年に日沼らはその原因がC型レトロウイルスであることを確 認し、これをと命名し報告した。 ∗ C型レトロウイルスと ATL との関連性は吉田らによる ATLV の分 離、遺伝子構造の決定などの研究により検証された。 ∗ 一方、米国の Poiesz らは同様のC型レトロウイルスをヒトの皮膚 T細胞リンパ腫から分離していたが、このウイルスがATLVと同一 の遺伝子構造をもつことが明らかにされ、両者は同一種のヒトT細

胞白血病ウイルスとして、human T-cell Ieukemia virus type I

(HTLV-1) とレトロウイルス国際委員会で命名された。

(43)
(44)

ウイルス学

項目 項目 項目 項目 特徴特徴特徴特徴 HTLV-1 レトロウイルス 病態 • ウイルス遺伝子として2コピーのRNA • ウイルス粒子のエンベロープタンパク 質で細胞の受容体に結合 • 細胞内でRNAからDNAに変換 • 宿主細胞の染色体にプロウイルスとし て組み込まれる 一旦感染すると 排除できない

(45)
(46)
(47)

感染細胞率(ウイルスロード)とは?

∗ ヒトのTリンパ球に HTLV-1 ウイルスが感染すると、1細胞あたり1 個のプロウイルスが組み込まれる。つまりプロウイルスの数=感染 細胞数となる。 ∗ 感染者の血液中の全リンパ球数とプロウイルス数を調べると、全リ ンパ球中の HTLV-1 感染細胞の含有率が求められる。 ∗ 無症状の HTLV-1 感染者(キャリア)の末梢血中では、全リンパ球 のうち約 1~3 % 位が感染細胞である。 ∗ この感染細胞の割合(感染細胞率あるいは「ウイルスロード」)に ついては、各 HTLV-1 関連疾患と相関あり。 ∗ 普通の何の症状も無いキャリアの場合では上記のように1~3 % ∗ HTLV-1 キャリアの一部に発症するぶどう膜炎 (HTLV-1 uveitis、HU) を持つ患者は5 %前後 ∗ 慢性の神経麻痺を症状とするHTLV-1 関連脊髄症(

HTLV-1-associated Myelopathy, HAM)の患者の方で10 %以上

∗ 感染細胞率には個人差もあり、感染率がキャリアの範囲を超えてい

(48)

∗ HTLV-1 は授乳(母乳)や性交による自然感染以外に、輸血などでも感 染する。 ∗ HTLV-1 はTリンパ球を主な標的とし、逆転写酵素により宿主細胞の DNAに組み込まれたプロウイルスが宿主細胞の増殖とともに活性化 され再感染を繰り返し、HTLV-1 感染者(キャリア)となる。 ∗ キャリアの血液中にはこれらの感染リンパ球が存在するが、ウイル ス粒子は殆ど認められない。これは、このウイルスが細胞に強く依 存するタイプのものであるからであり、感染の拡大には、感染細胞 と標的細胞とが直接コンタクトすることが必要となる。 ∗ この点は、血清(または血漿)中に大量のウイルス粒子が認められる その他のウイルスの持続感染(例えばB型肝炎ウイルスやHIV)とは大 きく異なる。

HTLV-1感染と生体反応

(49)

∗ HTLV-1は成人T細胞白血病 (ATL) の原因ウイルスとして同定されたが、

その後、ATL 以外の複数の疾患にも関係することが明らかになった。

ATL より発症率は低いが、痙性脊髄麻痺の一病型で HTLV-1関連脊髄

症 (HAM, HTLV-1 associated myelopathy) は典型例である。

∗ その他、気管支肺症、ぶどう膜炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、 リウマチ様関節炎などの一部は HTLV-1 の関与が考えられている。 ∗ これらの疾患に共通していることは自己免疫疾患様の病態であること である。 ∗ 一般に ATL 患者は HTLV-1 に対し免疫不応状態にあるが、その他の疾 患では HTLV-1 に対して高免疫応答反応を示しており、発病の背景に 免疫機序の関与が示唆されている。

HTLV-1感染と特異的疾患

(50)

HTLV-1感染と関連する疾患

分類 分類 分類 分類 疾患疾患疾患疾患 明らかな因果関係 成人T細胞白血病(ATL) HTLV-1関連脊髄症(HAM) HTLV-1ブドウ膜炎(HU) 感染性皮膚炎 証明不十分な関連 関節障害 シェーグレン症候群 関連の可能性 多発性筋炎 肺疾患 リンパ節炎

(51)

∗ HTLV-1 が感染した個体は一定のウインドウ期間を過ぎると HTLV-1 に対する抗体が陽性となる(ただし、母体からの移行抗体が残ってい る乳児期では未感染児でも抗体陽性となるので注意する)。 ∗ キャリアの末梢血液中には HTLV-1 プロウイルス保有リンパ球も循 環しているが、感染細胞外に出てくるウイルス粒子は殆どない。 従って、HTLV-1 感染の診断には、HTLV-1 特異抗体を血清学的に同 定するか、末梢血リンパ球中の HTLV-1 プロウイルスを分離同定す ればよい。 ∗ 前者の血清学的方法には粒子凝集法 (PA法)、酵素免疫測定法 (EIA 法)、蛍光抗体法 (IF法)、ウエスタンブロット法 (WB法)などがあり、 それぞれの長所と短所を生かして使い分けている。なお、EIA 法に ついては、その変法である化学発光酵素免疫測定法 (CLEIA法) が使 用されることが多い。通常は、最初に PA 法や CLEIA 法など簡便な 検査を先行させ、確認試験としてWB法などを用いる。後者のプロ ウイルスの同定には、感度良好な PCR 法がよく用いられる。

HTLV-1感染の診断

(52)

∗ HTLV-1 の自然感染の主流は授乳による母子感染である。HTLV-1 キャリアは無症候性で、治療の必要性は無いが、後年に発症する ATL やHAM、その他の関連疾患のいずれも難治性であるとされてい る。特に ATL は母子感染によってキャリアとなった人の中から発症 するので、母子感染予防対策を講ずる必要がある。 ∗ 母子感染は主に母乳の長期直接授乳でおこるので、HTLV-1 キャリア の母親は母子感染予防のために直接授乳せずに人工栄養のみで育て ること(完全人工栄養)を選択することも考慮される。母乳をどうし てもあげたい場合の次善策として、短期間(満3か月まで)の授乳(短 期母乳栄養)や母乳を搾乳し凍結解凍してから飲ませる方法(凍結母 乳栄養)もあるが、どの程度予防できるか確実なデータはない。 ∗ HTLV-1 感染症の対策は、治療より予防することが有効かつ重要であ り、これらの予防対策が適切に実施されれば、ATL や他の HTLV-1 関連疾患は次世代では減少すると考えられている。

HTLV-1感染の予防

(53)
(54)

成人T細胞白血病

の略で白血病の一種

1980 年に

ATL が

HTLV-1 により引き起こされていることが判明

主な症状は全身のリンパ節腫脹、肝・脾腫大、皮疹、全身倦怠感、意識

障害など多彩な症状

血液中に異常なリンパ球が増加するため、免疫機能が著しく低下し重症

肺炎などの重篤な感染症となることもある

予後は極めて不良

(生存期間中央値

急性型6ヵ月、リンパ腫型10ヵ月、

慢性型10カ月、くすぶり型3年以上)

発症年齢中央値

58歳(30歳未満の発症はまれ)

ATL のほとんどの症例は母子感染例

Q:ATLとはどんな病気ですか?

(55)

∗ HTLV-1 感染リンパ球ではウイルス関連抗原 (env, gag, pol, P40tax, P27rex) が発現し、これらの抗原に対して、キャリアの 生体内ではT細胞性免疫応答が機能し、特異抗体とT細胞の免役応 答が絶えることなく起こっている。 ∗ 一方、HTLV-1 感染Tリンパ球では p40 tax の作用により細胞遺 伝子が活性化されて増殖するが、この増殖反応を繰り返すうちにT リンパ球が、がん化して ATL になる機序が考えられている。 ∗ HTLV-1 の初感染から ATL の発症までには数十年の潜伏期間が 想定されるが、上述の免疫応答が HTLV-1 感染リンパ球を排除し つづけ ATL の発症を遅らせているものと考えられる。 ∗ 実際に、キャリアの体内では HTLV-1 プロウイルスを保有するT リンパ球が経時的に増減しており、特異免疫応答が機能している。

HTLV-1感染と生体反応

(56)

ATLの多段階発がんモデル

多クローン性増殖 プログレッション

無症候性キャリア

無症候性キャリア

無症候性キャリア

無症候性キャリア

ATL患者

患者

患者

患者

HTLV-1感染T細胞 (乳幼児期) Tax不死化細胞 (多クローン性) 遺伝子異常 の蓄積 ATL細胞 Tax非依存性 Tax依存性

(57)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 -2 0 2 1 -2 5 2 6 -3 0 3 1 -3 5 3 6 -4 0 4 1 -4 5 4 6 -5 0 5 1 -5 5 5 6 -6 0 6 1 -6 5 6 6 -7 0 7 1 -7 5 7 6 -8 0 8 1 -8 5 8 6 -9 0 9 1

-患者数

患者数

患者数

患者数

ATL 患者の年齢分布

(58)

ATLの臨床疫学的特徴

項目 項目 項目 項目 特徴特徴特徴特徴 男性優位 男女比 1.2 : 1 成人発症 平均発症年齢 57歳 地域集積性 西南日本 家族集積性 家族内発症 特徴的症状 白血病細胞の臓器浸潤 高カルシウム血症 日和見感染症 予後 不良 生涯発症率 感染者の数%(2-4%) 生存中央値 13か月 2年生存率 31%

(59)

ATLの臨床疫学的特徴

項目 項目項目 項目 特徴特徴特徴特徴 病型 1. 急性型 2. リンパ腫型 3. 慢性型 4. くすぶり型 病態 急性転化 先進国の中で感染率が 高いのは日本のみ

(60)

HTLV-1の感染様式

項目 項目 項目 項目 特徴特徴特徴特徴 母子感染 授乳時に母乳から感染 児の約20% 輸血 日本では日赤の抗体スクリーニング の導入(1986年)で阻止された 性行為 主に男性から女性(10年で60%?)

(61)

HTLV-1関連脊髄症(HAM)

項目 項目 項目 項目 内容内容内容内容 症状 HTLV-1感染者に見られる慢性の痙性対マヒ 膀胱直腸障害 特徴 日本では4分の1で輸血に続発 女性に多い 生命予後は良好 有効な治療法は少ない 病態 胸髄下部を中心とするリンパ球浸潤と脱髄

(62)

HTLV-1関連脊髄症

HTLV-1に感染したリンパ球が脊髄の一部(胸髄)に炎症を起こし、

脊髄の神経細胞を傷害するため、両足麻痺、膀胱・直腸障害を引き

起こし、徐々に進行する難治性の疾患

手足のジンジン感、灼熱感を訴えることもある

HAMは母子感染例のみならず、輸血感染や夫婦間感染例でも発症

Q:HAMとはどんな病気ですか?

(63)

HTLV-1ぶどう膜炎(HU)

項目 項目 項目 項目 内容内容内容内容 症状 無症候性キャリアーに見られる原因不明のぶ どう膜炎 突然,、片眼性あるいは両眼性に発症し 亜急性または慢性の経過をとる 特徴 発症平均年令 46.0±3.1歳 性比 男:女 = 1:2 全身あるいは局所ステロイド治療によく反応 し、視力予後は良好 病態 中間型ぶどう膜炎であり、ときに軽度の網膜 血管炎を伴う

(64)

ATLの総合対策

項目 項目 項目 項目 内容内容内容内容 感染予防 輸血感染 一 献血者のスクリーxング(1986年~) 一 ほぼ完全に阻止している 母子感染 主に母乳感染 一 感染率20数%(断乳で10分の1に減少) 一 防止対策は一部地域のみ ⇒ 全国一律妊婦抗体検査(2010年11月~) 性感染 一 主な水平感染のルート 発症予防 キャリア全員がATLになる訳ではない キヤリア全体の4-5% ATL発症高危険群(高ウイルスロード[血液中の感染細胞 数]・ATL患者の血縁者)・・・3~4人に1人は発症 治療法の開発 JSPFAD:HTLV-1感染者コホート共同研究班 感染には感染リンパ 球の移入が必須 血清では感染しない

(65)
(66)

∗ HTLV-1は、Human T-celI Leukemia Virus type I(ヒトT細胞白 血病ウイルス1型)の略称です。主に血液細胞(Tリンパ球)に感染す るウイルスです。 ∗ 一度感染してしまうとウイルスを持ち続けることになりますが、感 染しても発病する(病気になる)人はごく一部で、しかも発病までに は長い潜伏期があります。 ∗ このようにこのウイルスを無症状で持続的に保有している人を HTLV-1キャリアと呼びます。

Q:

HTLV-1とは?

HTLV-1キャリアとは?

(67)

∗ 現在約108万人、つまり日本の人口の約1%にあたる数のHTLV-1 キャリアがいると推測されています。 ∗ 以前よりキャリアの多い西南日本の地域は減少傾向ですが、東京な どの大都市圏ではキャリアやATL患者の数が増加しています。

Q:

HTLV-1キャリアは全国に何人

くらいいるのですか?

(68)

人から人へは次の3つの経路で感染します。 ∗ ①母子感染(主に母乳を介して)・・・主に母乳中に含まれるHTLV-1感染細胞が原因で、キャリアである母親からその子ども(乳児期) に感染します。 ∗ ②性交渉による感染(主に夫婦間感染)・・・主にキャリアの男性 (夫)から女性(妻)に感染します。 ∗ ③輸血感染・・・キャリアから輸血を受けることで感染します。 1986年以降は献血者に対して赤十字血液センターでの検査が行わ れ、HTLV-1感染血液が除外されるようになったため、輸血感染は なくなったと考えられています。

Q:

HTLV-1はどのようにして感染

するのですか?

(69)

∗ HTLV-1の感染力は極めて弱いです。 ∗ HTLV-1はキャリアの感染リンパ球が生きたままの状態で非キャリ アの体内に入ることにより感染するので、感染経路も限られていま す。 ∗ 母子感染の場合でも感染率は2割程度で、プールや入浴など一般的 な日常生活の中で感染する心配は有りません。

Q:

HTLV-1の感染力はどの程度で

すか?

(70)

∗ HTLV-1感染によって起こる病気をHTLV-1関連疾患と呼んでい ます。 ∗ HTLV-1関連疾患には、成人T細胞白血病(ATL)、HTLV-1関連脊 髄症(HAM:ハム)などがあります。 ∗ HTLV-1関連疾患を予防する方法はまだ分かっていません。しか し、発症するのはキャリアのごく一部であり、多くのキャリアは生 涯発病することなく過ごされています。

Q:

HTLV-1感染でどのような病気

になるのですか?

(71)

∗ 成人T細胞白血病は英語ではadult T cell leukemiaであり、しばし ば略してATLと呼ばれます。 ∗ HTLV-1に感染した血液細胞(Tリンパ球)ががん化して、白血病や 悪性リンパ腫を起こしたものです。

Q:

成人T細胞白血病・リンパ腫

(ATL)とはどのような病気ですか?

(72)

∗ 感染してからATLを発症するまでに40年以上の長い年月を必要と しますので、40歳を越えるまでATLはほとんど発症しません。 ∗ 患者の最低年齢は20歳以上、最高年齢は90歳を超え、平均年令も 70歳に近づいています。 ∗ ATLの年間発症率は、40歳以上のHTLV-1キャリアでおよそ 1,000人に1人、キャリアの方の一生を通じてみるとこの病気にな るのは、男性でおよそ15人に1人、女性はおよそ50人に1人と言 われています。

Q:

HTLV-1のキャリアになった場合、

ATLの発症危険度はどの程度ですか?

(73)

∗ ATLでは以下のような様々な症状がみられます。他に明らかな病気 が無く、これらの症状が出てきた場合にはATLを発症している可能 性があるため、速やかに最寄りの医療機関(血液専門医のいる病院が 望ましい)を受診して下さい。 ∗ ① 強い倦怠感・高熱がなかなか治らない(通常1週間以上) ∗ ② リンパ節が腫れる ∗ ③ 皮膚の赤く盛り上がった発疹 ∗ ④ 意識障害など

Q:

ATLを発症するとどのような症

状が認められますか?

(74)

∗ HTLV-1キャリアのATL発症予防方法は確立されておりません が、一般的ながん予防の考え方と同様に、禁煙・節酒、適度な運 動、バランスの取れた食生活、ストレス緩和など生活習慣を工夫す ることが必要と考えられます。 ∗ 最近ではATLの効果的治療方法も少しずつ確立され始めておりま す。例えば、造血幹細胞移植が効果を示す症例も増え、さらに、最 近ではATL細胞を特異的に攻撃する分子標的治療薬も開発され応用 可能になりつつあります。

Q:

ATLの予防・治療法はどのよう

になっていますか?

(75)

∗ キャリアに対するATL発症の予防方法はまだ確立されておりません が、一般にATLはHTLV-1に感染してから数十年以上の潜伏期間 を経て発症します ∗ 成人になってから水平感染によってキャリアとなった人がATLを発 症したという事例はこれまで知られていません。

Q:

失婦感染や輸血感染によりキャリア

になった場合にはどうすればいいですか?

(76)

∗ HAM(HTLV-1associated myelopathy)はHTLV-1関連脊髄症の 略称です。 ∗ 母乳感染によるキャリアだけでなく輸血や性交渉で感染したキャリ アでも発症することがあります。30~50歳代の発症が多く、年間 にキャリア数万人に1人程度発症すると推定されています。 ∗ 歩行障害(歩行時の足のもつれ、足の脱力感)や排尿障害(尿の回数が 多くなったり、逆に尿の出が悪くなったりなど)、排便障害(便をう まく出せないなど)が特徴です。

Q:

HAM(ハム)とはどのような病気

ですか?

(77)

∗ 血液検査でわかります。 ∗ HTLV-1抗体が陽性であればHTLV-1に感染していることを意味 します。HTLV-抗体の検査を行う場合はまずスクリーニング検査 (PA法又はEIA(CLEIA)法)を行い、陽性の判定が出た場合は確認検 査(WB法)を行います。 ∗ しかし確認検査を行っても陽性かどうか明確に判別できない場合(判 定保留といいます)があります。

Q:

HTLV-1の検査について

(78)

∗ 前回妊娠時のHTLV-1抗体検査が陰性だった人が、今回の検査で陽 性になる可能性があります。妊娠の度に毎回、HTLV-1抗体検査を 受けた方が良いでしょう。

Q:

前回の妊娠時の検査でHTLV-1は心

配ありませんといわれましたが、今回も検

査は必要ですか?

(79)

∗ 上のお子さんは感染している可能性があります。もし、ご心配なら HTLV-1抗体検査を受けることをお勧めします。 ∗ 現在3歳以上で、検査の結果が陰性なら感染していません。 ∗ もし、まだ3歳になっていないようでしたら、感染の有無は3歳以 後に判定できます。

Q:

前回妊娠時には検査を受けなかったのですが、今回

の検査でHTLV-1感染が判明しました。上の子は母乳で育

てましたが心配はないでしょうか?

(80)

∗ 初乳も含めて、一切、母乳を与えず、人工乳のみで哺育する「完全 人工栄養」があります。 ∗ また、母乳をどうしても与えたい場合に行う栄養方法として、「短 期母乳栄養」と「凍結母乳栄養」があります。 ∗ 「短期母乳栄養」は、生後満3か月を越えない期間、母乳を授乳し、 その後、人工乳に切り替える栄養方法で、「凍結母乳栄養」は搾乳 した母乳を凍結し、解凍して与える栄養方法です。この両方の栄養 方法では、母乳が不足した場合人工乳で補っても構いません。

Q:

HTLV-1母子感染を防ぐための授乳

方法として、どのようなものがありますか?

(81)

∗ 現在のところ、一切、母乳を与えず、人工乳のみで哺育しても約 3%の感染率が認められています。 ∗ これは子宮内での感染や出産時の産道での感染を反映しているもの と思われます。

Q:

人工乳にすれば、HTLV-1の母

子感染は確実に防げますか?

(82)

∗ 一般には、全く健康に問題はありません。 ∗ 開発途上国のように、微生物による汚染があるなど安全な水の確保 が困難な環境の下でお子さんを育てる場合には、人工栄養は母乳栄 養より感染症にかかる危険性が高くなりますが、我が国では安全な 水が確保されており、特に心配は不要です。

Q:

人工栄養を選びましたが、子どもの

発育・発達、その他健康に関して問題はな

いでしょうか?

(83)

∗ 満3か月まで母乳をあげた後(短期母乳栄養)で凍結母乳栄養に移行 する場合は、短期母乳栄養または凍結母乳栄養のみの時と比べて感 染のリスクは高くなる可能性があります。 ∗ 従って、母乳から凍結母乳栄養に切り替える場合でも、凍結母乳栄 養は満3か月までに完全人工栄養に切り替えることが望ましいと考 えられます。 ∗ 凍結母乳栄養に切り替えた後も、生後3か月までに完全人工栄養に 移行すると、短期母乳栄養のみの時を超える感染リスクはないと考 えられますので、推奨されます。

Q:

短期母乳栄養を選択した場合、母乳から完

全人工栄養に切り替えるのではなく、母乳から凍

結母乳栄養に切り替えしてもよいですか?

(84)

∗ 母乳を中止する方法は、自然に分泌を少なくしていく方法と薬物を 服用する方法があります。 ∗ 短期母乳後、搾乳した母乳を凍結させて子どもに授乳をする選択も あります。いずれにしても、医師、保健師、助産師にご相談くださ い。

Q:

母乳を中止するのは難しくない

ですか?

(85)

∗ HTLV刊キャリアの女性の家庭状況やその他の状況により様々です ので、本人の意思に任せます。 ∗ 本人がHTLV-1キャリアであることを知られたくないのでしたら、 「母乳出ないのよ」とさらっと答えたり、「分娩後の母体の状況に より授乳が望ましくないと産科医から指導された」と返答するのも 一案でしょう。 ∗ 不安があれば医療機関や保健センターで精神的なサポートを受ける こともできます。

Q:

母乳を飲ませない理由を家族に聞か

れた場合、どのように返答すればよいで

しょうか?

(86)

∗ お子さんが低出生体重児である場合には、細菌感染症や壊死性腸炎 という重篤な病気にかかるのを防ぐために母乳栄養が有効です。 ∗ 母乳を搾乳して新生児集中治療室に届けていただき、いったん冷凍 した後、解凍してから飲ませる方法もあります。 ∗ 低出生体重児に対する母乳のメリットは大きいと思われますので、 主治医と相談の上で個別に授乳方法・期間を定めることが望ましい と考えられます。

Q:

低出生体重児の場合も人工栄養

の方がいいのでしょうか?

(87)

∗ 一般的に、人から人への様々な感染性因子(細菌、ウイルスなど)の 感染を防御するという意味で、もらい乳は望ましくありません。 ∗ やむを得ない事情でどうしても行わなければならない場合には、授 乳者がHTLV-1キャリアでないことを確認してから、行うことが必 要です。

Q:

もらい乳はしても良いですか?

(88)

∗ HTLV-1キャリア妊婦から生まれた子供に、先天奇形や免疫不全症が 多いという報告はない

(89)

∗ はっきりとしたことはわかりません。 ∗ キャリア妊婦から生まれた子供は、この時期には母親からの移行抗 体があるために感染の有無に関係なく抗体陽性です。 ∗ 陽性であったからといって感染していることにはなりません。 ∗ 3歳以降での抗体検査が必要になります。

Q:

新生児期に感染しているかどう

か判りますか?

(90)

∗ 特にありません。

Q:

キャリア妊婦から生まれた子どもについて、

新生児期、乳児期の健康に関して特に気をつける

(91)

∗ 通常どおり接種してかまいません。

Q:

子どもがキャリアですが予防接種は

(92)

∗ これまでの研究において、唾液からの感染の危険性は非常に低いと いう結果が得られています。 ∗ 一般的には、むし歯などの問題があり、避けた方が良いでしょう。

Q:

感染した母親から子どもへ口移しで

離乳食を与えた場合、子どもが感染する可

能性はありますか?

(93)

∗ 感染症については、衛生状況など環境のよい日本においては、特に 心配は要りません。 ∗ ワクチン接種や感染症の流行期の外出を避けるなどの感染症一般の 対応で構いません。 ∗ SIDS予防については、うつ伏せ寝を避ける、子どもの前で喫煙を 避けるなど、普通に行う育児の対応で構いません。

Q:

完全人工栄養の場合、感染症やSIDS

の危険性が高くなるのですか?

(94)

∗ このウイルスの感染にはキャリアの持つ感染リンパ球が生きたまま かなり大量に他の人の体に入ることが必要であり、母子感染以外の 感染経路としては、輸血と性交以外には知られていません。 ∗ 従って、兄弟姉妹間の接触では感染しません。同じ理由で、保育 所、幼稚園、プールなどでも感染することはありません。

Q:

キャリアとなった子どもから兄

弟姉妹への感染はありませんか?

(95)

感染者数は、約108万人と推定。ほとんどは無症候性キャリア。

西日本に多いが、最近の調査で地域の拡散があること、減少が緩慢

である。

感染経路は、母子感染が約6割以上を占めるほか、2割程度が性感染

症による。

①母子感染(キャリアの母親から子どもへの感染率:長期母乳(6か

月以上)で約20%、断乳(人工乳)した場合、約3~6%に低下)

②性感染(主にキャリア男性から女性に、結婚後2年で20%程度の確率

で感染するとされる)

③血液感染(1986年から献血時の抗体検査導入、現在はない)

HTLV-1感染症について

これだけ覚 える!

(96)

HTLV-1感染症について

出生数 出生数 出生数 出生数 陽性(キャリア)陽性(キャリア)陽性(キャリア)陽性(キャリア) 率 率 率 率 母子感染率 母子感染率母子感染率 母子感染率 ATL発症発症発症発症 全国 100万人 2000人 (0.2%) 60人 (キャリアの3%) 3人 (母子感染者の5%) 奈良県 1万人 20人 0.6人 0.03人 これだけ覚 える!

(97)

HTLV-1抗体検査の進め方

スクリーニング検査 (PA法またはEIA法) 妊婦健康診査における HTLV-1抗体検査 妊娠30週頃まで 確定検査 (WB法) 保険診療で行う 結果の説明、栄養方法 の選択等について説明 妊娠35週頃まで 児の3歳時以降の HTLV-1抗体検査の 受診等について説明 退院時または 1か月健診時 児のHTLV-1抗体検査 3歳時以降 陽性の場合 陽性の場合又は判定保留 児の栄養方法の決定 (判定保留の場合は対策を 希望する場合のみ)

(98)

HTLV-1

感染予防対策協議会で行うこと

1.

キャリアの方の相談窓口の設定

2.

陽性者のカウセリングを実施する医療機関への紹介システ

ムを整備する

3.

キャリアの方の相談窓口として地域で血液内科医、神経内

科医を指定して、

ATL

HAM

への相談対応を行う

4.

キャリアの母親から産まれた児のフォロ体制、フォロー

アップする医療機関の指定

5.

従事者の研修

6.

協議会のメンバーとしては、産科、小児科、血液内科、神

経内科等医師

これを実施 する!

(99)

ご清聴ありがとうございました

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/htlv-1_e.pdf#search='HTLV1+%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2+%E5% A4%AB%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%9F%93'

参照

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