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甘樫丘東麓遺跡の調査 -

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Academic year: 2021

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144 奈文研紀要 2012

調査の概要 甘樫丘東麓遺跡では、小規模なものも含め これまで合計8回の発掘調査をおこなっている。これま での調査により、谷の広い範囲で建物・塀等が検出され ており、7世紀から8世紀初頭にかけ、谷を大規模に造 成し、土地利用をおこなっている様相があきらかとなっ ている。

 今回の調査は、丘陵裾部の平坦部における遺構の展開、

第161次調査(『紀要 2011』)で検出した石敷や硬化面の全 容、谷入口部付近の土地利用の様相の解明を主な目的と している。調査面積は880㎡で、調査は2011年9月22日 から開始し、3月現在も継続中である。詳細は、次年度 の紀要において報告することとし、ここでは概要を報告 したい。

調査の成果 今回の調査区は、北半の丘陵裾部が後世の 耕作によって地山まで大きく削られ、耕作にともなう溝 が残る。調査区西南部は、南東に開く谷の北側斜面に当

たり、南へと下がっていく地形であるが、この斜面を人 工的に削って造成し、上下2段の平坦面を作り出す。こ のうち、上段平坦面では硬化面・被熱面・方形遺構・石 敷等を検出し、下段平坦面では掘立柱建物・炭溜まり等 を検出した。

 これらの遺構の廃絶後、上段平坦面の西半を中心に、

炭片や焼けた壁土が多量に混じった土(炭混土)が、厚 いところで20㎝程度堆積する。さらにその上層には、谷 を一気に埋め立てた土(谷埋立土)が厚さ1.5m程度堆積 する。この炭混土及び谷埋立土からは、飛鳥Ⅰの新しい 段階およびそれ以前の土器が出土しており、特に炭混土 から出土した土器の一部は、第75−2次調査(『藤原概報 25』)で検出した焼土層SX037出土土器と接合関係を持つ。

 今回検出した硬化面・被熱面・方形遺構は、火を用い る何らかの生産に関わる遺構である可能性が考えられ、

この場が一種の工房的な施設の一部であったことをうか がわせる。その具体的な性格については、現在、遺物の 整理作業とともに詳細な検討を進めているところであ

る。 (清野孝之・小田裕樹)

甘樫丘東麓遺跡の調査

-第171次

図166 第171次調査区全景(北西から)

(2)

Ⅱ−3 飛鳥地域等の調査 145

171次

172次

170次

甘樫丘東麓遺跡

檜隈寺

キトラ古墳 0 500m

図167 檜隈寺周辺の地形図 1:15000

参照

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