BulletinofFaculty ofEducation,NagasakiUniversity :Curriculum andTeachingNo.39(2002)33‑47
中学校理科教師 に対す る支援活動 の在 り方 につ いて
一支援 ホームペー ジの作 成 ・運用 と教師へ の調査 の結果か ら‑
山 路 裕 昭
I n ‑ S e r vi c eTe a c h e rTr a i n i n gi nS c i e n c ef orS e c o n d a r yEd u c a t i o n
:Pr obl e msa ndI mpl i c a t i ons
Hi r oa kiYA M AJ I
Ⅰ は じめ に
学校 教 育 の成否が教 師 の能 力 に大 き く依存 して いる ことは言 をまたな い。それ故 に教師 の能 力の向上 を絶 えず 図 る ことは重要 な課題 で ある。特 に近年、子 ども達 の理科離れが指 摘 され、 我が 国の科学技 術 の将 来 につ いて さま ざまな不安 が語 られて いる。そ れ らの問題 の解 決 のため に も理科教師 の能 力の向上 ・改 善が強 く求 め られ るで あろ う。 しか し理科教 師 の能 力が 向上 して も、 同時 にそ の能 力を発揮す る ことがで きるよ うに環境 が整備 されな けれ ば、そ の能 力は実 際 には理科授 業の改 善 には効 果的 に結びつかな いで あろ う。
現 在、 中学校 の多 くの理科教師 は、授 業だ けでな く会議、校 務分掌、研修 ・研 究、学校 事務、そ して 生徒 の課外活動 の指 導等 と、 さまざまな仕事 を抱 えて きわ めて 多忙 で ある。
そ の結果、本来 で あれ ばそ の仕事 の 中心 とな らな けれ ばな らな い授業 に十 分 に力 を注 ぎ込 む ことが難 しくな ってお り、授 業 の準備 で ある教材研 究 にか ける時 間 も十 分 に保 障 されて いな いよ うで あ る。そ して また、 多 くの理 科教師がそ の限 られ た時 間の中で準備 を し、授 業 を行 って いるの も事実 で ある。
このよ うな状況 の下 で、理科授 業 の改善 を実際的 に実現 して い くため に、 中学校 理科教 師 の協 力 を得 て、授 業能 力の向上 を図 りつつ授 業実践 を支援す る試み として、平成12年4 月、 中学校理科 教師 のためのホームペー ジ 「ニ ュー ・言 いた い放題」 を計画 し、 試験 的な 作成 ・運 用 を開始 した。 そ して平成13年4月よ り同ホームペ ー ジを一般 に公 開 した。 また、
平成13年12月か ら平成14年2月にか けて支援 に関 して 中学校理科教 師 を対 象 とす る調査 を
行
った。そ こで本 小論で は、 ホー ムペー ジ 「ニ ュー ・言 いた い放題」 の作成 ・運用 の状況、 並び に理科教師 に対す る調査結果 を概括 し、 今後 の理科 教師 に対す る支援活 動 に関わ るい くつ か の課題 を明 らか にす る。
34 長崎大学教 育学部紀 要 教科教 育 No.39
( 2 0 0 2 )
Ⅱ ホームページ 「ニ ュー ・言 いた い放題」の作成 と運用
1 ホームページの 内容構成 と作成
中学校理科 に関す るホームペー ジは決 して少な くな い。例 えば 「理科
」
「中学校」をキー ワー ドに してGoogl e
で 日本語ペー ジを検索す る と、約70000
件 の該 当ペー ジが ある ことを 教 えて くれ る。 さ らにキー ワー ド 「授業」 を加 えて検索す る と約37 000
件、 さ らに 「指導 案」を加える と約1 680
件、「指導案」の代わ りに 「実践記録」を加える と約6 00
件 の該 当ペー ジが ある。 勿論 これ らの検索結果で示 され るペー ジがすべて理科授業の実践 に とって有用 な情報や適切な情報 を含んで いるとい う訳で はな いが、決 して少な くな いことは確かで あ る。 ただ し、 中学校理科 に関す るホームペー ジ全体か ら見れば、授業指導案 あるいは実践 記録 のよ うな内容 はかな り少な いと言 うことができる。そ こで、 ホームペー ジ 「ニ ュー ・言 いたい放題」 の 目的が 中学校理科教師の授 業能 力の 向上 を図 りつつ授業実践 を支援す る ことである ことを考慮 して、そ の内容 の柱 を理科授業 の指導案や実践記録 とす る こととした。 ホームペー ジを見 る理科教師が、他 の理科教師 の 授業指導案や実践記録か ら直接 にさまざまな指導方法等 を知 るだ けでな く、 自 らの授業 と 比較す る ことを通 して 自 らの授業 をみつめ直 し、 自身の授業 の改善に意識的 に取 り組 む こ
とを期待 して の ことである。
さ らに、 ホ‑ムペー ジの作成 に現場 の理科教師の協 力を求める ことと した. ホームペー ジの作成 に協 力す る教師 (以下、協力教師) を求めた理 由は、一つにはホ‑ムペー ジに掲 載す る授業指導案や実践記録 を集 めるためで もあったが、 同時 に、 ホームペー ジを見 るだ けでな く他 人に見せ る指導案や実践記録 を作成す る ことを通 して、協 力教師 自身の授業実 践能 力の向上が期待 され る とともに、協 力教師 自身が さ らによ り意識的 ・積極的 に授業実 践能 力の向上に取 り組む ことを も期待 したか らである。 当初長崎県 内の中学校理科教師
1 0
名の協 力の下でホームペー ジの作成 を開始 し、現在協 力教師は1 8
名である。 また、協 力教 師間での連絡 には、 メー リング リス トを利用 して いる。ホームペー ジの内容構成 は、先 に述べ た指導案や実践記録 の他 に、協 力教師 の意見や希 望 に基づ いて授業 の準備や実践等 に役立つ ものを加 え、平成
1 2
年4
月の段階で以下のよ う な ものを計画 した。 また、 これ らの内容 に関す る資料や情報 は基本的 に協 力教師が提供 し、そのホームペー ジ化 は山路が担 当す る ことと した。
1
)理科授業 の指導案、実践記録 2)観察 ・実験 方法3)理科授業で使 ったプ リン ト、 シー ト類 4)中間 ・期末試験 問題
5)長崎県 内の情報 6)調査 ・研究の報告 7)新教育課程 に関す る情報
実際のホームペー ジの作成は、 これ らの内容 に関 して資料や情 報が提供 された部分か ら 開始 す る とともに、協 力教 師以外 の人 々か ら提供 され た資料や情 報 も使用 した。 また、
ホームペー ジ化 の作業 は、 山路 とともに山路研究室 の学生が担 当 した0
さ らに、協力教師の意見や希望 に基づ いて ア ンケー トコーナーや掲示板等 も設置 した。
lIJ路 :中学校理 科 教師 に対す る支援活 動 の在 り方 につ いて
そ の結 果、 ホームペ ー ジ 「ニ ュー ・言 いた い放題」 は、 平成
1 4
年2
月末 の時点 で、 以下 の よ うな 内容 とな って いる。 なお実 際 のホー ムペー ジは図1
に示す よ うな もので ある。[一般 公 開 の内容] (行 末括弧 内の 日付 は掲 載 日で あ る。)
① 授 業 :授 業指 導案、実践記録
0 01
化学 変化 と原子, 分子( 2 0 0 0. 0 6 . 0 2 ) 0 0 2
地球 と人間( 2 ( ) 01 . 0 2 . 0 3 )
0 0 3
空気 中 に含 まれ る水蒸気( 2 0 01 . 0 5 . 1 8 ) 0 0 4
雲 を作 ろ う !( 2 0 01 . 0 6 . 2 3 )
0 0 5
光 の学 習 〜 ものが 見 える とは〜( 2 0 01 . 1 0 . 1 2 ) 0 0 6
物体 の運 動 「等速直線運 動」( 2 0 01 . 1 2. l l ) 0 0 7
光 の学習 〜 凸 レンズの働 き〜( 2 0 0 2. 0 2 . 1 6 )
② 観察 ・実験 :観察 ・実験 の方 法
0 01
簡 易真空 ポ ンプの製 作 と活用( 2 0 0 0 . 0 6. 1 2 ) 0 0 2
脳 と神経 の観察( 2 0 0 0 . 0 9 . 21 )
0 0 3
簡 易 ミク ロ トーーム の製作 と活 用( 2 0 0 0. 0 9. 2 3 ) 0 0 4 COD
の簡 易測 定法( 2 0 01 . 0 3 . 2 4 )
③ 教 育課程
新 教育課程 につ いて
0 01
学習指導 要額移行措 置 (平成1 2 ‑1 3
年度) 小学校理科( 2 0 0 0 . 0 6 . 1 8 ) 0 0 2
学習指 導要嶺移行措 置 (平成1 2 ‑1 3
年度) 中学校理科( 2 0 0 0 . 0 6. 2
1)0 0 3
中学校理 科 新教育課程 に関す る注 意事項( 2 0 0 0. 0 7 . 1 3 )
総 合的な学習 につ いて0 01
長崎市 内小 ・中学校 「総 合的な学習 の時 間」 の取組状沢( 2 0 0 0 . 0 7 . 1 4 ) 0 0 2
教科横 断的 ・合科 的学習 にお け る環 境学習 の実践( 2 0 0 0 .
ll . 2 9) 0 0 3
長崎市 にお ける総 合的 な学習 の試行 状況( 2 0 01 . 0 3 . 0 9)
0 0 4
上県郡 上県 町立仁 田中学校 (リンク)0 0 5
上県郡峰 町立 東部 中学校 (リンク)④ 資料 :文部科学 省 ホームペ ー ジ内の情 報へ の リンク
0 01
小学校学 習指 導要領 (平成1 0
年1 2
月1 4
日告 示)0 0 2
中学校学 習指 導要街 (平成1 0
年1 2
月1 4
日告 示)0 0 3
高等学校学習指 導要衝 (平成1
1年3
月2 9
日告示)0 0 4
小学校 ・中学校 ・高等学校 等 の生徒指 導 要録 の改善等 につ いて (平成1 3
年4
月 文部科学 省通 知)0 0 5
学校 にお ける情 報教育 の実態等 に関す る調査結果0 0 6
「教材機 能別分類表」0 0 7 0ECD
生徒 の学習 到達度調査⑤ そ の他
0 01
ク ロス ワー ドパ ズル は いかがです か !( 2 0 0 0 . 0 7 . 0 6 ) 0 0 2
学校 事故 の現状( 2 0 01 . 0 4. 1 9 )
0 0 3
知 って います か ?ノーベル賞 日本 人受賞者( 2 0 01 . 0 9. 1 8 )
3 5
36 長 崎大 学 教 育学 普陥己要 教 科 教 育 No.39(2002)
004 危 険です ! 「トラ ッキ ング現 象」 あなた の周 囲 は大 丈夫 です か ? (朝 日)(2001.10.31)(リンク)
005 今年7月 の地球 の表 面温度,観 測 史 上最 高 を記録 (2001.ll.24)(リンク)
⑥掲示板
⑦ 「旧 ・言 いた い放題」
⑧ 他 の理 科 関係 ホー ムペ ー ジ情 報 (リンク集 )
⑨ ア ンケー トコー ナー
⑩ 更新 記 録
[限定 公 開の 内容 (協 力教 師 向 け)]
(丑評価 問題 +評価 問題 の検 索 ペー ジ
② 画像 の倉庫
③ リンク情 報 登録 ペー ジ +登 録 され た リンク情 報 の修 正 と削除
④ メ ンバ ー用掲示板
⑤ メンバ ー一覧
⑥ 作 成 中 の情 報 ・資 料
⑦ そ の他
このrニュー .書いたL救 欝 .恭一ムページ)は,桝 の中学校理科の先生方を中心に,いういうな複葉の経験や知まや●賂事如 )交換を 目的としています○ あなたの棚 こ少 しでもお鞠 こ立てれば幸いです◆
まだまだ不十分な内容ですが,あなたのご施力でもつと葉書暮らしL M ‑ジに していきたいと磨 っています.もしあなたの媒最の珪款や
図 1 「ニュー ・言いたい放題」 メイン ・メニュー ・ページ (一部) (http://133.45.168.26/index2.shtml)
山路 :中学校理科教師に対する支援活動の在 り方について 37
2 ホ ーム ペ ー ジの運 用 とア クセ ス状 況
先 に述 べ た よ うにホー ム ペ ー ジは平成12年
4
月よ り翌年3
月 まで 試験 的 に公 開 し、 そ の 後 平成13年4
月よ り 一般 に公開 して 今 日に至 って いる.るよ うに設 計 した カ ウ ン ター を設 置 して いる。 そ の結 果、 平成12年
4
月25日か ら平成14年 2月末 まで のホー ムペ ー ジ訪 問者 は8903名で あ った. また カ ウ ンター記録 の解 析 か ら、日
毎 並び に累積 の訪 問者数 の推移 はそ れぞ れ 図2、 図 3に示 す通 りで あ る。
試験 公 開期 間 中 はホー ムペ ー ジを不定 期 ・断続 的 に公 開 して お り、 1日あた りの訪 問者 はせ いぜ い数 人程 度 で あ ったが、 平成13年4月の ‑般 公 開後 はお よそ 8月 まで 1日あた り の訪 問 者が増 加 して お り、 最 も多か った の は平成13年
8
月21日の78名で あ る。 試験 的 な 公 開期 間 を含 め て ホー ムペ ー ジの存 花 を宣伝 す る特 別 な 努 力は して いな か ったが、Webサ ー バ ー の通 信 記録 によれ ば平成13年5月頃 よ りいわ ゆ る検 索 ロボ ッ トが来 て い るよ うで あ り、検 索 エ ンジ ンによ る情 報 に基 づ いて ホームペ ー ジを訪 れ る 人が か な り多か った もの と思 わ れ る。 そ の後
9
・10月 に大 き く減 少 し、 平 成13年1
1月か らは再 び漸 増 傾 向 にあ る。 平成13 年8J]前半 に訪 問 者 が 大 き く落 ち込 ん で い るが 、 これ は ウ イ ル ス対 策 の た め のWebサ ー バ ー 停 止が 原 因で あ る。 しか し、 そ の後 の9・10月の減 少 とそ の後 の漸 増 傾 向が何 によ るものか は不 明 で あ る。
次 に、 平成13年5月か ら平成14年2月未 まで にお いて、 「授 業」「観察 ・実験」「新 教 育課 程 につ いて」「総 合的学 習 につ いて」「そ の他 」 の各 内容 が実 際 に閲 覧 され た 回数 並 び に1
「1あた りの平均 閲 覧 回数 を示 した ものが表
1
で あ る。0oo0
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J00図2 ホ一一ムページ訪問者数の推移 (日毎)
38
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長 崎 大 学 教 育学 部紀 要 教科 教 育
N o . 3 9( 2 0 0 2 )
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図3 ホ ーム ペ ー ジ訪 問者数 の推 移 (累積 )
表 1 主な 内容の 閲覧 回数 (平成
1 3
年5
月〜平成1 4
年2
月)内 容 項 目 総 回数 平均 回数(回/日) 授 業
‑ 1 956 8. 3
※0 01 6 0 0 2. 0 0 02 5 97 2. 0 0 03 3 5 4 1 . 2 0 04 1 97 0. 8 0 05 1 2 8 0. 9 0 06 75 0. 9 0 07 5 0
.4 観 察 .実験 ‑1 2 91 4. 2
※0 0
131 0 1 . 0 0 02 1 7 2 0. 6 0 03 1 66 0. 5 0 0 4 6 43 2. 1
内 容 項 目 総 回数 平均 回数(回′日) 新教 育課程
‑ 1 9 3 3 6
.4※001 9 4 8 3. 1 00 2 8 0 6 2. 7 00 3 1 7 9 0. 6
総合 的学習‑ 4 9 9 1 . 6
※001 1 5 6 0. 5 00 2 1 3 3 0
.400 3 21 0 0. 7
そ の 他‑ 11 1 9 4
.4
※001 1 8 2 0. 6 00 2 71 0 2. 3 003 227 1 . 4
(※ 掲 載 日数 を考慮 に入れ た各項 目1日あた りの平均 閲覧 回数 の合 計。)
表1か ら、 1日あた り最 も多 く閲 覧 され て いた 内容 は 「授 業」、す な わ ち授 業指 導案 と 実践記録 で あ る ことがわか る。 ただ し、 各 内容 に含 まれ る項 目数が 異な ってお り、項 目毎 の
1
日平均 閲覧 回数で見 る と、 「新教 育課程」 の「 0 01
学 習指導 要領移行措 置 (平成1 2‑
1 3
年度)小学校 理科」と「 0 0 2
学 習指 導 要衝移行措 置 (平成1 2‑1 3
年度)中学校理科」が 特 に多 く閲覧 されて いた。 これ は、 ち ょうど新 教育課程 へ の移行期 間で あ った ことによ る111路 :中学校理科教師 に対す る支援活動 の在 り方 につ いて 39
ものであろ う。 また 「そ の他」 の
「 00 2
学校事故 の現状」もよ く閲覧されて いた。3 ホームページ作成 ・運用 における課題 (1) 内容構成 における課題
先 に述べ たよ うに、 ホームページ 「ニュー ・言いた い放題」 の内容 の第一の柱 は、理科 授業の指導案や実践記録で あった。 しか し同時 に、基本的に協 力教師の要望 をで きるだけ 実現 す るため に、授 業指導 案や実践 記録以 外 の 内容 の掲 載 を計画 し、 また実際 のホー ム ペー ジ作成段階では協 力教師 の要望 に基づ いて さらに他 の内容 を含めて いった。
それ らの付け加え られて いった内容は、 いずれ も無駄 な ものではな く、多 くは理科授業 の実践 に とって有用な情報 を含む もので あった。 しか し、ホームペー ジに掲載す る内容が さ らに多種類 になれば、実際 に資料や情報 を収集 してホームペー ジを作成す る作業だ けで な く、各内容 につ いて新 しい資料や情報 を加えて更新す る作業 を定期的 に実施す る ことも 困難 にな るであろう。
この ことは、教師の多様な要望の中か らホームペー ジを通 しての教師支援 と して何 を選 択すべ きか とい う規準が明確でなか った ことを示 して いる。 今後ホームペー ジによる支援 活動の成果 を明 らか にす る中で、 このよ うな内容選択 の規準 を明確化す る必要が あろ う。
(2)資料 ・情報収集 における課題
ホームペー ジの内容構成が決 まって も,それ ら内容 に関す る資料や情報が順調 に集 まっ た訳ではない。
ホームペー ジの中で、協 力教師か ら提供 された資料や情報 によ って作成 され 内容 は 「一 般公開の内容」 で
1 7
件、 「限定公開の内容」で1 26
件 あ り、それ らの資料や情報 を提供 した 協 力教師 は 9名である。 また、特 にこのホームぺ‑ ジの中心である 「授 業」 に関す る内容 は7
件で あ り、それ らは4
名の協 力教師が提供 した もので ある。この ことは、 この約
2
年間、特定の協 力教師が提供す る資料や情報 によってホームペ‑ジが作成 されてきた ことを示 してお り、例 えば授業指導案や実践 記録 を作成す るには少な か らざる時間が必要である ことを考えると、今後 とも同 じ協 力教師のみ に資料や情報 を依 存す る ことに限界が あるのは明 らかで ある。 さ らに、現在 の
1 8
名の協 力教師 の中で実際に 資料や情 報 を提供 した教師が 9名であ り、全体 の半数であった ことは、 自らの授業改善 に 比較的意欲的な協 力教師で あって も、 ホームペー ジで公開 され る資料や情報 を提供す る こ とが必ず しも容易でな い ことを意味 して いる。今後 ホームペー ジの内容 を充実 させて い くためには、掲載す る資料や情報 をよ り広範囲 の教師か ら収集 して いくことが必 要で ある。そのためには、協 力教師 を増やす ことや協 力 教師 にホームペー ジ用資料や情報の提供 を一層促す ことを含めて、資料 ・情 報収集 のよ り 適切な方法 を検討す る ことが必要であろう。
(3
)ホームページ作成 における課題先 に述べ たよ うに協力教師が提供 した資料や情報 のホームペー ジ化 は山路が担 当 したが、
その理 由は、協 力教師の大多数がホームペー ジ作成 の方法 にあま り詳 しくなか った こと、
またホームペー ジ作成 可能な協 力教師で あって も作成 にかける時間的余裕が あま りなか っ た こと、そ して実際 にホームペー ジを公開す るためのWebサーバーが大学 内にあった こと 等で ある。
40 長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.39 (2002)
しか し今後 ホームペー ジが一層発展 して い くためには、基本 的にホームペー ジ化作業 を
一 人のみが担 当す るだ けでは限界が ある。単 に資料や情報の提供だ けでな く、ホームペー ジ化作業 にも協 力教師が直接 に携わ って い くことが 目指 され るべきであろ う。 さらに協 力 教師 自身が多様 なホームペー ジを作成 し、それ らのホームペー ジを相互 に リンクさせ る こ とによって授業実践 に有用な情報 をよ り効率的 に提供す る ことも可能 とな ろ う。 これ らの 可能性 も含めて、ホームペー ジ作成作業 を どのよ うに進 めて い くかは、今後検討すべき課 題である。
Ⅲ 理科教師への調査
1 調査の 目的 と方法
中学校理科教師の授業実践 に対す る支援 がよ り効果的な もの とな るため には、授業実践 に関わ る問題 を明 らか に し、教師が必要 として いる支援 を実施 して い くことが必要で あろ う。そ こで, 中学校理科教師が理科授業 の実践 に関 して どのよ うな問題の存在や支援 の必 要性 を感 じて いるか につ いて調査 を行 った。
調査 は、平成
1 3
年1 2
月に長崎県 内の公立 中学校2 01
校 (分校 を含 む) の全理科担 当教 師 (約4 0 0
名) を対 象 として,下記のA・B2
種類 の質問紙 を用 いて実施 した。基本 的に質 問 紙A
は理科授業 の実践 に関す る問題点 を、質問紙B
は支援 の必要性 とその内容 を尋ね るも のであ り、間 6、間 8‑19は、質 問紙 A とBで対応す る内容 につ いて尋ねて いる。なお、質問紙 は各 中学校毎 に無作為 に
A・B
の どち らか一方 のみ とし、質問紙A
は1 0 4
校、質問紙B
は97
校 に送付 した。 回答 は、郵送 またはイ ンターネ ッ ト経 由 (回答用 ホームペー ジ と電 子 メール)で受 け付 けた。質 問紙
「 A」
・‑‑理科授業の実践 に関す る問題点や困難点の調査 1. あなたの現在の年齢 と教職経験年数 をお書き下 さい。2.現在, あなたは第何学年 の理科 を週何時間教 えて いますか。複数学年教えて いる場合 には, 学年別 にお書 き下 さい。
3.現在,理科以外 の教科 を教 えて いますか。教えて いる場合,その教科名 と週 あた り担 当時間 数 をお書き下 さい。
4.現在 あなたが勤務 して いる中学校 には,理科 を教 えて いる教師が何名 いますか ?
5.あなたの出身学部 は どち らですか。学部名のみお書 き下 さい。 (ただ し大学 院 は除 いて下 さ い。)
以下の質問は,過去お よそ1年間 につ いて, あなたが理科授業の実践 に関 して どのよ うな問題 を感 じて こ られたか をお尋ねす る ものです。 各質問 につ いて 回答用紙 の 「は い」 「いいえ」 の該 当す る方 を○で囲み, 「は い」 の場合 には可能な範 囲でその内容 を具体 的に ご記入下 さい。
6.教 える内容 に関す る自然科学的知識 の不足 を感 じる ことが あ りま したか ? 7. 6以外 に教える内容 につ いて困った り,悩んだ ことがあ りま したか ?
8.学習 内容 につ いて生徒が どのよ うに或 いは どの程度理解 して いるか, よ くわか らな いと感 じ る ことがあ りま したか ?
9.学習過程 にお ける生徒 の考え方がよ くわか らな い と感 じる ことが あ りま したか ? 10.適 当な観察 ・実験方法がな くて困る ことが あ りま したか ?
ll.単元全体 の指導計画や授業の展開につ いて困 った り,悩 んだ ことがあ りま したか ?
山路 :中学校理科教師 に対す る支援活 動の在 り方 につ いて
12.評価 の方法で困 った り,悩んだ ことが あ りま したか ?
13.生徒 との接 し方や生徒集 団の指導等 につ いて困 った り,悩 んだ ことが あ りま したか ? 14.理科教 育の 目的や意 味に疑問 を持 った り,悩 んだ ことはあ りま したか ?
15.学習指導 要街やその指導書 (解説)の内容等 につ いて疑問 を持 った り.悩 んだ ことが あ りま したか ?
16.学習指導その他 にお けるコ ンピュー タの使 い方 につ いて困 った り,悩んだ ことが あ りま した か ?
17.理科室等 の管理 につ いて困 った り,悩 んだ ことが あ りま したか ? (観察 ・実験 器具や 薬品等 の管理 を含む)
18.選択理科 の内容や教 え方 につ いて困 った り,悩 んだ ことが あ りま したか ?
19.他 の理科教師 との情 報交換や コ ミュニケー シ ョン等 につ いて困 った り,悩 んだ ことが あ りま したか ?
20.自分 自身の授 業につ いて何か不安 等 を感 じる ことが あ りま したか ?
2
1. その他,理科授 業の実践 に関 して困 った ことや 問題 と感 じられた ことが あ りま したか ? 22.理科授業 の実践 に関す る問題や悩 み は,通常 うま く解決 されて いますか ?解決 される場合,それは どのよ うに して解決 されて います か ? (例 えば.他 の理科教師への相談等)
41
質 問紙
「B」
‑‑ ・理 科 授 業 の 実 践 に お い て 必 要 と され る 支 援 内 容 の 調 査 1.‑ 5.・‑‑質問紙 「A」 と同 じ以下の質問は, あなたが理科授業の実践 に関 して どのよ うな支援 を希望 されて いるか をお尋ね す る もので,過去 およそ 1年間 につ いてお答 え下 さい 。 各質 問 につ いて回答用紙 の 「はい
」
「い いえ」 の該 当す る方 を○で 囲み, 「はい」 の場合 には可能 な範 囲でその 内容 を具体的 に ご記入 下 さい。6.指導 内容 (教材) に関す る 自然 科学的解 説が欲 しい と感 じる ことが あ りま したか ? 7.自然科学 にお ける最新 の成果や 発見等 につ いて知 りた い と思 うことが あ りま したか ? 8.学習過程 にお いて生徒がよ く間違 った りつ まず いた りす る点 につ いて詳 しく知 りた いと思 う
ことが あ りま したか ?
9.生徒 の ものの見方や考 え方 につ いて もっ と詳 しく知 りた いと思 うことがあ りま したか ? 10.いろいろな観察 ・実験方法 につ いて知 りた い と思 うことがあ りま したか ?
ll. いろいろな単元や授業 の展開例 につ いて もっ と知 りた い と思 うことが あ りま したか ? 12.いろいろな評価 の方法 につ いて 知 りた い と思 うことが あ りま したか ?
13.生徒 との接 し方や 生徒集団の指導方法等 につ いて もっ と詳 しく知 りた いと思 うことが あ りま したか ?
14.理科教育の 目的や意義 につ いて詳 しく知 りたい と思 うことが あ りま したか ?
15.学習指導 要街やその指導書 (解 説) の内容等 について詳 しく知 りた い と思 うことが あ りま し たか
16.学習指導その他 におけるコ ンピュー タの使 い方 につ いて詳 しく知 りた いと思 うことが あ りま したか ?
17.理科室等 の管理方法等 につ いて もっ と詳 しく知 りた い と思 うことが あ りま したか ? (観察 ・ 実験器 具や 薬品等の管理 を含 む)
18.選択理科 の内容や教え方 につ いて もっと詳 しく知 りた いと思 うことが あ りま したか ? 19.他の理科教師 ともっ と情報交換や話 し合 いを行 いた い と思 うことがあ りま したか ? 20.他の理科教師が どのよ うな授業 を しているか知 りた い と思 うことがあ りま したか ? 21. その他,理科授業 の実践 に関 して支援 が欲 しい と思 うことが あ りま したか ?
22.理科授 業の実践 に関す る問題や悩み は,通常 うま く解決 されて います か ?解決 され る場 合, それ は どのよ うに して解 決 されて いますか ? (例 えば,他 の理科教師へ の相談等)
4 2
長崎 大学 教 育学 部紀 要 教科 教 育N o . 3 9( 2 0 0 2 )
2
調査結果の概要回答は、郵送 によるものが
、7 4
校 よ りAにつ いて7 4
名、 Bにつ いて48
名、 イ ンターネ ッ ト経 由ではAにつ いて6
名、Bにつ いて1
名で あ り、合計1 29
名の教師か ら得 られた。 回収 率 は学校数では36. 8%
、 回答者数で は約32%
で あった。各質問紙 の問
1‑ 5
は、 回答者 とそ の勤務先 中学校 に関す る もので ある。それ によれば、全 回答者の平均年齢 は
38. 2
歳、 平均勤続年数 は1 4
年9
ケ月、一 人あた りの週 間授業時間数 は最 高23
時間、最低3
時 間、平均1 3. 1
時間、そ の うち理科 の授業時間数 は最高1 9
時 間、最 低3
時間、平均1 1 . 9
時間で あった。 また、回答者 の勤務す る中学校 の理科教師数 は、最 高5
名、最低 1名、平均2. 3
名で あった。(1)理科授業実践 における問題点 につ いて (質 問紙A 間 6‑ 21の結果)
表
2
は、理科授 業実践 にお ける問題点 の有無 を集 計 した もので ある。 多 くの教師が 問題 点 を指摘 した もの、並びに問題点 の指摘 が少なか った ものは以下 の通 りで ある。<問題点 の多 いもの>
問
1 2
:評価 につ いて 問20
:自分 の授業 につ いて<問題点 の少な い もの>
間1 4
:理科教育の 目標や 内容 につ いて 問1 5
:学習指導要領 の内容 につ いて間 6
:自然科学 的知識 につ いて間1 8
:選択理科 につ いて間1 9
:他 の理科教師 との交流 につ いて間11:
指導 計画や授業 の展 開 につ いて 問9 :生徒 の ものの見方や考え方 につ いて問題点が多い と指摘 された ものにつ いて、そ の問題点 の具体 的内容 は表
3‑ 6
に示す よ うな もので ある。表2 理科授業実践 にお ける問題点や困難点 (質 問紙A 間 6‑ 21) (人)
問 6 7 8 9 1 0 ll 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 20 21 計
あ り
55 38 47 30 45 30 5 6 38 1 4 29 33 46 49 1 5 5 2 31 608
な し24 38 33 48 3 4 49 22 41 65 50 46 33 28 63 27 45 646
表3 評価 に関す る問題点
内 容 人
観察 .実験技能の評価 につ いて
1 0
関心 .意欲 .態度 の評価 につ いて9
評価基準 につ いて
8
観点別評価 につ いて
5
科学的思考 力の評価 につ いて
4
絶対評価 .相対評価 につ いて3
自己評価 につ いて
2
表4 自然科 学的知識 に関す る問題点
内 容 人
生物 に関す る内容
20
地学 に関す る内容
1 5
物理 に関す る内容
ll
化学 に関す る内容
1
Lll路 :111学校 理 科 教師 に対す る支援 活 動 の在 り方 につ いて
表
5
自分 の授 業 に関す る問題 点内 容 人
漠 然 と した不安
1 3
授 業 の効 果 につ いて
1 3
知識や指 導 方法 .技 術 につ いて7
授 業 の内容や レベル につ いて4
生徒指導 につ いて
3
実験 時 の安 全 につ いて
2
表
6
選択理科 に関す る問題点4 3
内 容 人
学習 内容 につ いて
1 3
生徒 の実態 につ いて
6
実験 につ いて
6
準備 につ いて
3
個 へ の対応 につ いて
3
(表
3‑ 6
は複 数回答 を含む)(2
)理科授業 実践 に対す る支援 につ いて (質 問紙B 間 6‑21
の結果)表7は、理科授 業実践 に関 して教師が情 報等 を必 要 と して いるか 否か、すなわ ち教師 に 対す る支援 の必 要性 の有無 を集 計 した ものであ る。 多 くの教師が求 めて いた情 報等、 並び にあま り求 め られ なか った情 報等 は以下 の通 りで ある。
<多 く求 め られ た情 報等 >
間1 0
:観察 ・実験 につ いて 問7
:最新 の 自然科学 につ いて 問20
:他教師 の実践 につ いて 問1 2
:評価 につ いて<あ ま り求 め られなか った情 報 等>
間1 3
:生徒 との関係や 生徒集 団の指導 につ いて 問1 4
:理科 教育 の 目標や 内容 につ いて多 くの教師 が求 めて いた情 報等 につ いて、そ の具体 的内容 は表
8‑1
1に示す よ うな もの で ある。表
7
理科 授業実践 に関 して教 師が求め る情報等 (質 問紙B 間 6‑2
1) (人)間
6 7 8 9 1 0 l l 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 2 0 21
計あ り
1 9 35 20 25 4 0 2 8 3 3 1 5 l l 21 23 2 9 31 26 3 4 21 41 1
な し28 1 4 2 8 2 4 8 21 1 6 3 4 38 28 24 2 0 1 8 23 1 5 2 7 36 6
表8 観察 ・実験 に関す る情報 表
9
最新 の 自然科 学 に関す る情報内 容 人
教科 書掲載 の ものだ けでな く、 いろいろな観察 .実験 につ いて 7 個 別 の実験 方法 につ いて
4
興 味 .関心 を引 く実験 につ いて4
わか りやす く効 果的な観察 .実験 3につ いて
生徒 に考 え させ 、 問題解 決 を させ 2 る観察 .実験 につ いて
内 容 人
科学技 術一般 につ いて
5
環 境 につ いて
5
生命科学 .遺伝子 工学 につ いて
4
新 素材や新 エネルギー につ いて4
報道 され た新発 見等 につ いて3
ノーベル賞受賞 につ いて3
地学分野 につ いて
3
44 長崎 大学 教 育学 部紀 要 教科 教 育 N
o . 3 9
(2002)表10 他教 師の実践 に関す る情報
内 容 人
観察 .実験 に関す る実践 につ いて
2
改訂 された内容 に関す る実践 につ 1( 1 8
人の記述があったが、 具体 的な内容 に関わ る ものは上記 のみ。)(表
8‑1
1は複数回答 を含む)表11 評価 に関す る情報
内 容 人
観察 .実験 の評価 につ いて
6
評価規準 につ いて
4
学習過程で の評価 につ いて
3
観点別評価 につ いて
2
関心 .意欲 の評価 につ いて
2
科学的思考 力の評価 につ いて2
(3)理科授業実践 に関す る問題 の解決 につ いて (質 問紙A ・B 間 22の結果)
理科授業実践 に関す る問題や悩み は、全回答者
1 2 9
名 中8 2
名( 63. 6%)
が何 らかの方法で 解 決 されて いる と答 えてお り、43
名( 3 3. 3%)
は解 決 されて いな い と答えて いる。解 決 さ れて いる場合 の解決方法 は、表1 2
に示す よ うな もので ある。表12 理科授業実践 における問題の解 決方法
解 決 方 法 人 解 決 方 法 人
他 の教師へ の相談
46
理科サ ー クルや理科部会で5
雑誌、参考書等 の書籍 を調べ る
1 2
イ ンター ネ ッ トで調べ る4
自力で
8
専門機 関や大学2
(複数回答 を含む)
3
調査結果か ら見た理科授業 実践 における問題点 と支援 との関係 につ いて本調査の質問紙
A
とB
にお いて、間 6
、 問8‑1 9
はそれぞれ 同 じ内容 につ いて問題 の存 在 と支援 の必要性 につ いて尋ねて いる。それ は、一般 的 に理科授業実践 にお いて多 くの教 師が 問題 を感 じて いる点 につ いて支援が また多 く求 め られ るで あろ うとい う予想 の下で質 問紙 を作成 したか らで ある。集計結果か ら見 る と、確 か に 「
間1 2
:評価 につ いて」 で は多 くの教師が問題点 を指摘す る とともにまた多 くの教師が情報 を求 めてお り、逆 に 「間1 4
:理科教育の 目標や 内容 につ いて」 では問題点 の指摘 も情 報 の必要性 の指摘 も少な い。 このほか に、 問1 0
、間1 3
、間1 5
‑1 8
の回答結果 にお いて も同様 の対応 関係が見 られ る。ところが問6、 問8では、過半数 の教師が問題点 を指摘 して いるに もかかわ らずそれ ら に関す る情 報等 を求め る教師は半数以下で あ り、問
9
、 問1
1、 問1 9
で は逆 に、 問題点 を指 摘す る教師が半数以下 に もかかわ らず過半数 の教師がそれ に関す る情報等 を求 めて いる。さ らに これ らの中で問
6
, 問11
、間1 9
につ いて は、統 計的 に も質問紙A
とB
の回答状況 に 明 らか に有意 な差 が あ ったO (問1 0
につ いて も統 計的 には質 問紙A
とB
の回答状況 に有意 差が あった。)すなわ ち、理科教師 は授業実践 に関 して問題 を感 じた もの につ いて必ず しも支援 の必要
山路 :中学校理科教師に対する支援活動の在 り方について 45
性 を感 じて いな い ことが あ り、 また支援 を必 要 と思 って いる もの につ いて も理科 教師 は必 ず しも問題 を感 じて いな い ことが あ る とい うことにな る。
で は、授 業実践 に関 して問題 が あるが支援 は必 要 とされて いな い場 合や、授業実践 に関 して 問題 はな いが 支援 が必 要 とされ て いる場 合 を、 どの よ うに理解すべ きで あ ろ うか。
まず 問
2 2
の 回答結 果 に見 られ るよ うに、約2/ 3
の教 師 が授 業実 践 に関す る問題 は うま く 解 決 され て いる と してお り、 また表1 2
に見 られ るよ うにそ の際他 の教師へ の相談 に依 る こ とが最 も多 い。 したが って、理科教 師が授 業実践 に関す る問題 を感 じて も必ず しもそ れ に 関す る支援 を必 要 と して いな いのは、他 の教師へ相談す る ことによ って 問題 を うま く解 決して いるか らで ある と解 釈す る ことが可能 で あ る。
しか しなが ら注 目すべ きは、質 問紙
A間2 0
の回答結 果か ら、 多 くの教師が 自分の授 業が 生徒 によ く理解 され て いるか どうか、 自分 の指導が 生徒 に とって適 切で あるか どうか等 の 不安 と ともに、 自分 の授 業 に対 して漠 然 と した不安 を抱 いて い る こ とで あ り (表5)、 さ らに質問紙B間20
の回答結 果か ら、他 の理 科教師 が どの よ うな授 業 を して いるか を多 くの 理 科教師が知 りた い と思 って いる ことで ある。つ ま り、授 業実践 に関す る問題 が解 決 され、 したが って 問題 がな い場 合で も、 自分 の授 業 に漠然 と した不安 を感 じ、他 の理 科教師が どのよ うな授 業 を して いるか知 りた い と思 っ て いる理科 教師が少 な くな いので あ る。
この ことは、 多 くの理 科教師が 問題 の有 無 にかかわ らず 自分 の授 業 の一層 の改善 ・向 L を願 ってお り、そ のため の支援 を求 めて いる と理解 す る こともで きるが、 同時 に授 業実践 に関す る問題が常 にすべ て解 決 され て いる訳で はな く、取 り敢 えず授 業 は無事 に行われ て いる と して も依 然 と して疑 問や 問題 が漠 然 と した状態 で残 ってお り、そ れ ら未解 決 の疑 問 や 問題 の中身 につ いて教師 自身 も明確 に意識 して いる訳 で はな い ことを示 して いるよ うに 思わ れ る。
Ⅳ 理科 教 師への支援 の在 り方 につ いて
1 教 師の要求 に対応 した支援
学校教育 の発展 のた め には教師 の能 力を向 上 させ る ことが必 要で あ り、そ のため に教育 公務 員特例 法 にお いて 「教育公務 員 は、そ の職 責 を遂行す るため に、絶 えず研 究 と修 養 に 努めな けれ ばな らな い」 とされ、 教師 に とって研修 が 重要 な責務 とな って いる。そ してそ の研 修 につ いて教育職 員養成審 議 会 による 「養成 と採 用 ・研 修 との連携 の 円滑化 につ いて」
(第 三次 答 申) (平 成
1 1
年1 2
月1 0
日)で は、今後 の研 修 の方 向 と して 「個 々の教 員 の 自発 的 ・主体 的な研 修意欲 に基 づ いた研 修 を奨励 し,そ のため の支援体 制 の整備 を図 る ことが 必 要で あ る」 とされて いる。このよ うな教師 の 自発 的 ・主体 的意欲 に基 づ く研 修 の方 向性 に沿 って考 えれ ば、 まず 単 純 には教師 自身が求 めて いる情 報等 を提供す る ことによ って、教師 の 自発 的 ・主体 的意欲 に基 づ く研 修 を支援 す る ことがで きるで あろ う。
そ こで今 回の調査結 果か ら見 る と、既 に明 らか に した よ うに多 くの理科教師が求 めて い るの は 「観察 ・実験」「最 新 の 自然科 学」「他 教師 の実 践」「評価」 に関す る情 報 で あ り、
これ らの情 報 を理科教師 に提 供 して い くことが必 要で あ る。 さ らに回答者 の過 半数が求 め
46 長崎 大学 教 育学 部 紀 要 教科 教育 No.39(2002)
て いた 「生徒の ものの見方や考え方
」
「指導計画や授業 の展開」
「理科室管理」
「選択理科」等 につ いて も情報提供 の支援 を行 うことが望 まれ るで あろ う。
2 教 師の問題意識 に対応 した支援
しか しさ らに理科教師の能 力をよ り効果的 に向上 させ るためには、単 に理科教師が求め て いるだけでな く、 同時 に理科教師 自身がそれ について問題 を明確 に意識 して いるよ うな 内容 について解決 のための情 報等 を積極的 に提供 して い くことこそが、文字通 り理科教師 の 自発的 ・主体 的意欲 に基づ く研修 につなが るで あろう。
今回の調査結果か ら見る と、多 くの理科教師が問題 を感 じ同時 に情報 を求めて いる 「評 価」が、 このよ うな理科教師の問題意識 に対応 した支援 の対 象 と言 うことがで きるか も し れな い。
ところが、先 に明 らか に したよ うに多 くの理科教師が 自分 の授業 につ いて漠然 とした不 安 を持 ってお り、授業実践 に関す る自分の疑問や 問題 の中身 につ いて必ず しも明確 に意識
して いな い とすれば、理科教師の問題意識 に対応 した支援 を効果的 に行 って い くためには、
理科教師 自身が 自分の授業実践 に関す る問題 を明確 に し、意識す る ことが まず 先 に求め ら れな ければな らな い。
そ して、 これ も今回の調査結果か ら明 らかなよ うに現実 に多 くの理科教師が他 の理科教 師が どのよ うな授業 を して いるか知 りた い と思 ってお り、 さ らにホームペー ジ 「ニ ュー ・ 言 いた い放題」 にお いて最 も多 く閲覧 されて いる内容 も授業指導案 と実践記録である。す なわ ち、理科教師の多 くが他 の教師へ の相談 によって授業実践 に関す る問題 は解決 されて いる と答 えて いる ことを考 える と、多 くの理科教師は、 自分 の授業実践 に関す る問題や疑 問に対す る解答 を直接的 に得 るためでな く、授業実践 に関す る漠然 と した不安 を背景 と し て、 む しろ自分の授業実践 に関す る問題や疑問を見出 し、明確化す るために他の理科教師 の授業実践 を知 りた いと思 い、 また実際 に授業指導案や実践記録 をイ ンターネ ッ ト上で見 て いるのではな いだ ろうか。
したが って、教師 の問題意識 に対応 した支援 を通 じて理科教師 の授業実践能 力の向上 と 理科授業 の改善 を今後一層効果 的に実現 して い くため には、勿論 「評価」等 につ いての情 報提供 も必要な ことではあるが、それ と同時 に理科教師が他 の理科教師 の実際の授業 に関 す る具体 的な情報 をよ り容 易に入手 し、 自身の授業実践 に関す る問題や疑問 を明確化す る
ことを促す よ うな方策 を講ず る ことが理科教師 に対す る支援 の重要な課題 とな ろ う。
3
イ ンターネ ッ トによる支援 と教師間の相互支援今 回の調査で は、郵送 による以外 にイ ンターネ ッ ト経 由で も回答 を送 る ことができるよ うに して いた。それ は,ホームペー ジ 「ニ ュー ・言 いたい放題」 への アクセスが一応順調 に増 えつつあった ことか ら、イ ンターネ ッ ト経 由での回答者 もある程度は見込 まれ るで あ ろ うと予想 して いたか らで ある。 しか し、調査 回答者
1 2 9
名 の中で イ ンター ネ ッ ト経 由の 回答者は僅か7
名で あ り、 当初 の予想 と大 き く異な った。調査の回答 の中で も、授業実践 に関す る問題 の解決 にイ ンターネ ッ トを利用す る と答 え た理科教師 は僅か
4
名で あ り, これ に対 して授 業実践 に関す る問題の解決方法 として最 も 多 く挙げ られて いた ものは、他 の教師へ の相談であった。山路 :中学校理科教師に対する支援活動の在り方について 47
これ らの ことは、理科教師 に対す る情 報提供等 の支援 を具体的 に行 って い くと して も、
現時点で一般 的 にイ ンター ネ ッ ト ・ホー ムペー ジはそ のための最 も有効 な手段 とは言えな い ことを意 味 して いるO む しろ回答 を寄せ た理 科教師 の多 くは、教師間での相 互支援 のjJ‑ を望んで いるので あ る。
勿論、 ホームペー ジ 「ニ ュー ・言いた い放題」へ のア クセ ス状況か ら見て もホー ムペー ジ等 によ るイ ンター ネ ッ トを利用 した理科教師 支援 、特 に理科授 業指導案や実践記録 の提 供等 は今後 とも必 要で あろ う。それだ けに、 今後 イ ンター ネッ トによ る教師 支援 と教師間 の#
L L
II支援 とがそれぞ れ果たすべ き役割 分担 を明 らか に して い くことは、先 に明 らか に し たホームペー ジ 「ニ ュー ・言いた い放題」 の内容構 成 にお ける課題 とも関連 して、 きわめ て 重要な課題 とな ろ う。V おわ Uに
ホームペー ジ 「ニ ュー ・言いた い放題」 は長崎 の 中学校理科教師 を念頭 に置 いて始めた もので あ り、 今回の調査 も長崎県 内の中学校理科教師 を対 象 と した もので あ った。 また調 査回答の回収 率 も決 して高 いもので はな い。 したが って ホームペ‑ ジへのア クセ ス状況や 調査結 果の分析 に基づ く本論 文の結論 は、かな り限定的な もの と言わ ざる を得な い。 しか し理科教師 の能 力向 Lと授 業の改善が いか に強 く求 め られて も、理科教師 自身が 自 らの能 力向 卜と授 業改善 を 目指 さな けれ ば、そ の実現 は きわ めて 表面的な もの にな らざるを得 な いよ うに思わ れ る。 なお今後 は、 ホー ムペ‑ ジによ る支援活動 の成果 を吟味す る とともに、
理 科教師が 白身の授 業実践 に関す る問題や疑 問 を明確化 す る ことを促 す よ うな方策 をさ ら に具体 的 に検 討 して いきた い。
参 考 文 献
l) 渡迫進武著 「こんなことが知りたい,できるようにな りたい」を大切にしたい‑中学校理科教師 が望む大学院カリキュラムについて‑.理科の教育.Vol.49.No.8,2000,pp.16‑19.
2) 上井 T二著,理科教育の課題と教員養成への提言‑中学校教育の立場から‑,理科の教育,Vol.44, N().1.1995,pp.21‑230
附記 :本研究は、iT7・成13年度科学研究費補助金 (基盤研究(B)(1))(研究代表者 :九州保健福祉大学川北 一彦教授)による研究成果の一部である。