九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
含フッ素テトラアリールホウ酸イオンによって疎水 性溶媒中に可溶化されたアルカリ金属イオンの反応 性の研究
苑田, 晃成
九州大学総合理工学研究科分子工学専攻
https://doi.org/10.11501/3065549
出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
含フッ素テトラアリールホウ酸イオン によって疎水性溶媒中に可溶化された
アルカリ金属イオンの反応性の研究
苑 田 晃 成
(1 9 9 3年1月)
目 次
序論
1参考文献
5第1章 かさ高い脂溶性アニオン種の合成
1-1 はじめに 7
1-2 Grign紅d反応段階の条件検討 9
1国3 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの合成 13 1-4 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの化学的安定性 16 1-5 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの溶解度 19
1-6
実験
211-7 まとめ 41
参考文献
42第2章 アゾ化スピロピランの合成
2-1 はじめに 43
2-2 スピロピランとアレーンジアゾニウム塩のカップリング反応 45 2-3 アリールアゾ置換サリチルアルデヒドからスピロピランの合成 47
2 -4 lH_及び13C-NMRスペクトルの帰属決定 49
2-5
実験
562-6 まとめ 74
参考文献
75第3章 アゾ色素の吸収スペクトルに及ぼすアルカリ金属 ホウ酸塩の効果
3-1 はじめに 77
3-2 アルカリ金属ホウ酸塩によるアゾベンゼン色素の
ハロクロミズム 81
3-3 アゾベンゼン色素のクロモトロピズムに対する置換基効果 86 3-4 アゾベンゼン色素のハロクロミズムに及ぼす溶媒効果 91
3-5
実験
943-6 まとめ 98
参考文献
100第4章 疎水性溶媒中におけるベタイン色素の吸収スペクトルに 及ぼすアルカリ金属ホウ酸塩の効果
4 -1 はじめに 101
4-2 ジクロロメタン中でのベタイン色素のハロクロミズム 105
4-3 ベタイン色素のハロクロミズムに及ぼすアルカリ金属イオン
の効果 110
4-4 ベタイン色素のハロクロミズムに及ぼす溶媒効果 113
4-5 実験 115
4-6 まとめ 119
参考文献
120第5章 疎水性溶媒中のスピロピラン型色素の吸収スペクトルに 及ぼすアルカリ金属ホウ酸塩の効果
5-1 はじめに 121
5-2 アルカリ金属イオンによるスピロ環の関裂 124 5-3 スピロピラン体からメロシアニン体への互変異性化反応に
おける溶媒中の水分の効果 130
5-4 トルエン中、 脂溶性テトラアリールホウ酸塩添加による
メロシアニン体からスピロピラン体への熱緩和速度 134
5-5 実験 140
5田6 まとめ 143
参考文献
144第6章 疎水性溶媒中に可溶化されたアルカリ金属イオンによる
トリチノレカチオンの発生
6-1 はじめに 145
6-2 アルカリ金属ホウ酸塩によるトリチルカチオンの発生 146
6-3 実験 149
参考文献
151第7章 アルカリ金属ホウ酸塩を触媒に用いた炭素一炭素結合
形成反応
7-1 はじめに 152
7-2
アセタールとアリルシランの反応
1537-3
触媒サイクル
1557-4
実験
1577-5 ま
と
め 158参考文献
159結論
160謝辞
163序論
有機合成反応において、 イオン性反応試剤を用いる場合が極めて多いが、 一 般に、 これら試剤は溶液状態では溶媒和されている。反応試剤を基質と 反応さ せるためには、 溶媒和している溶媒分子を取り除き、 基質と衝突できる状態に しなければならない。従って、 反応の進行には溶媒和分子を取り除く仕事分だ け余分な活性化エネルギーが必要となる。 このため、 溶媒和能の低い溶媒中に イオン性反応試剤を 溶かすことができれば、 従来起こらなかった反応でも進行 する可能性がある。
イオン性反応試剤を よく溶かす溶媒に、 ジメチルホlレムアミド(DMF)、 ヘ キサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などの非プロトン性極性溶媒がある。
これらの溶媒は、 カチオン種を強く溶媒和することによって、 イオン対を可溶 化している。対アニオン種は溶媒和をほとんど受けないため、 求核試剤として 用いる際には有用である。これらの溶媒の使用に関しては、 当然のことながら、
厳しい乾燥条件が必要である。また、 反応混合物から生成物の分離が煩雑であ り、 溶媒 の回収、 再利用が困難である。さらに、 これらの溶媒 は、 発癌性など 生体に対して有害であり、 また、 反応溶媒として高価であるなど多くの問題点 を 有している。
これらの難点を解決する方法として、 溶媒和能の小さな溶媒に溶けるイオン
対を用いると いう考え方がある。すなわち、 アニオン型求核試剤の場合は非極 性溶媒可溶のカチオン種と、 カチオン型求電子試剤の場合は非極性溶媒可溶の アニオン種と組み合わせることによって反応試剤を可溶化する方法である。こ の可溶性イオン種は反応条件下で安定でなければならない。可溶性安定イオン 種として、 長鎖のアルキル基等の脂溶性置換基を有するアンモニウムイオンや
ー1-
リン酸イオン等のカチオン種は工業的に実用化されているが、 アニオン種とし てはte位法is[3,5-bis-(凶fluorome白yl)phenyl]borate (T F P B )が知られているの みである。1)
TFPBは、 次のような特長を有する有機アニオン種である。
1 . 疎水的なアニオン種である。
2. 化学的に安定である。
3. 対カチオンとの聞に共有結合性が全く無い。
4. イオンの解離性が高い。
5. カチオン種を溶媒和能の小さな疎水性溶媒中に溶かすことができる。
すなわち、 基本骨格のte佐aphenylborate ( T P B)は親水的であるが、 疎水的 な置換基であるーCF3基を導入したTFPBは水にほとんど溶けない。 有機溶媒 と 水とのこ相系にした場合、 TPBは水相に分配するが、 TFPBは有機相に 分配し、 疎水的なアニオン種であることがわかる。
また、 TPBは、 酸性条件にすると直ちに加水分解するが、 TFPBは同じ 条件で酸による分解を全く受けない。 この高い化学的安定性は、 ひとつの芳香 環に対して、 二個導入されたトリフルオロメチル基が電子を求引することによ って、 芳香環の電子密度が低下し、 プロトンの芳香環への求電子攻撃が起こり 難くなったためである。
アニオン中心のホウ素は配位飽和であり、 対カチオンに対し、 配位結合を形 成することはない。 すなわち、 カチオンとの間にはクーロン力による緩いイオ ン結合しか存在しない。
ホウ酸イオンの負電荷はホウ素原子上に局在化している。 アニオン中心は、
四個のかさ高いアリール基によって遮蔽された構造であるため、 カチオン中心 とアニオン中心の距離が離れている。 クーロン力は距離の二乗に反比例するの
で、 イオン間の相互作用が小さくなり、 解離性が高くなっている。
最大の特長は、 カチオン種を溶媒和能の小さな疎水性溶媒中に溶かすことが できることある。溶媒和能の小さな溶媒中に溶かされたカチオン種は、 いわゆ る" 裸の" 状態にあると考えられる。ここで用いた" 裸の" 状態とは、 溶媒和 を受けていない状態で、 かつ、 周りからの相互作用が無視できる孤立した状態 にあることである。
TFPBはアレーンジアゾニウムイオン、 オキソニウムイオン、 メチルビオ ローゲンイオンなどの様々なカチオン種をイオン対の形で水相から疎水性有機 溶媒中に取り込むことができるため、 アゾカップリング反応2)、 Friedel-Cra他ア lレキル化反応3)、 電子移動反応、村)などを相間移動触媒反応条件で行うと、 カチ オン種の求電子反応を促進することが報告されている。
最近では、 イオン選択電極におけるイオン交換体6)、 疎水相互作用の研究η、
メタロセンの対アニオン側、 非配位性有機電解質10)、 トリチルカチオンの対ア ニオン11)、 シリルオキソニウムイオンの対アニオン12) 等、 TFPBを用いた 様々な研究が報告されている。
一方、 TFPBよりも、 更に非極性有機溶媒への溶解度の高い含フッ素テ ト ラアリールホウ酸イオンの合成も検討されている。13) その中のte佐依is[3,5-bis- (1-me白0勾r-2ふ2-凶fluoro-l-(凶fluorome出yl)e出yl)phenylborate ( H F P B )は、 脂 溶性の-CF3基を1 6個導入し、 かさ高い構造を有するTFPB類似体である。
HFPBはTFPBに比べて、 脂溶性は高いものの安定性は低い。
疎水性溶媒中にアルカリ金属イオンを可溶化させる方法として、 クラウンエ ーテルなどのホスト化合物や有機のスルホン酸やカルボン酸の塩及び溶媒和能 の大きな溶媒を用いる方法がこれまでに知られている。 しかしながら、 これら の場合、 それぞれホスト化合物に包みこまれたり、 対アニオンと緊密なイオン
-3-
対を形成したり、 強く溶媒和されているため、 カチオン種が" 裸の" 状態にあ るとは言えない。
" 裸の" 状態でカチオン種を溶かそうとするときには、 TFPBの様な対カ チオンとの聞の相互作用の小さなアニオン種が不可欠となる。
本研究では、 TFP BやHFPBによ って、 疎水性溶媒中に可溶化されたア ルカリ金属イオンの新規な反応性について検討した。
色素とアルカリ金属 イオンを反応させることによって発現する色素の吸収ス ペクトルの変化から、 これらの反応性の定量的評価を試みた。
研究成果は7つの章に分けて論述した。 第1章では、 TFPBよりも脂溶 性 が高く、 HFPBよりも安定な含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの分子設 計、 及び合成について述べ、 脂溶性、 耐酸性の評価も行った。 ω 第2章では、
アリールアゾ‘基を有するスピロピラン型色素の合成について述べた。14) また、
合成原料、 中間体となったベンゾスピ ロピラン型化合物、 新らたに合成した化 合物のNMRを高分解能NMRスペクトル装置を用いることによって、 これま で帰属されていなかった芳香環部の水素、 炭素核のNMRシグナルを完全に帰 属したo m 第3章 から第6章では、 アゾベンゼン色素、 ベタイン色素、 スピ ロピラン型色素、 ト リフェニ ルメタン 型色素を用いて、 色素の吸収波長、 及び 吸収強度の変化より、 疎水性溶媒中に可溶化されたアルカリ金属イオンの求電 子能の定量的評価を試みた。16)第7章では色素とアルカリ金属イオンの相互作 用による吸収スペクトル変化だけ でなく、 アルカリ金属イオンの求電子能を炭 素ー炭素結合形成反応の触媒として応用し、 有機合成化学的な 評価を試みた。
以上の実験結果に基づいて、 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンによっ て 疎水性溶媒中に可溶 化されたアルカリ金属イオンの反応性を考察し、 本研究の 結論として述べた。
-4-
参考文献
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b)岩本英書、 九州大学総合理工学研究科分子工学専攻博士論文(1986);
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J. Am. Chem. Soc., 113,2777 (1991).
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12) a) M. K註a, T. Hino, H. Sakurai, Chem. Lett., 1992,555.
b) M. Kira, T. Hino, H. Sakぽai,J. Am. Chem. Soc., 114,6697 (1992).
13) a)柏木光義、 九州大学総合理工学研究科分子工学専攻修士論文(1988);
b) J. Ichikawa, H. Kobayashi, T. Sonoda, Rep. Inst. Advanced Ma伽ial Sωdy,
1,189 (1988);
c)市川淳士、 園田高明、 小林宏、 有機合成化学協会誌,46,943 (1988);
d)苑田晃成、 九州大学総合理工学研究科分子工学専攻修士論文(1990);
e)宮本秀幸、 九州大学総合理工学研究科分子工学専攻修士論文(1990);
f) K.F吋ild, M. Kashiwagi, H. Miyamoゎ,A Sonoda, J. Ichikawa,
H. Kobayashi, T. Sonoda, J. Fluorine Chem. , 57, 307 (1992).
g) K. Fujiki, A Sonoda, J. Ichikawa, H. Kobayashi, T. Sonoda,
J. Fluorine Chem. ,in preparation.
14) H. Kobayashi, T. Sonoda, A Sonoda, Rep. Inst. Advan句d Materia1 Study,
m p
- m
15) 小林宏、 園田高明、 苑田晃成、 九州大学中央分析センタ一報告、
印刷中.
16) 小林宏、 園田高明、 苑田晃成、 旭硝子財団研究報告、 印刷中.
-6ー
第1章 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの合成
1-1 はじめに
HFPBのーC(CF�20CH3基は、 TFPBの- CF3基に比べて脂溶性は向上さ せるものの化学的安定性を低下させる。1) T F PBの化学的安定性を低下さ せることなく、 脂溶性の高いホウ酸イオンを合成する目的で、 以下に示す含フ
ッ素テトラアリールホウ酸イオンを合成した(Fig.1・1)。る5)
R可 02
R1 = R2 = HσPB) R1 = R2 = CF3 (TFPB)
R1 = R2 = C(CF3)20CH3 (HFPB)
R1 = CF3 , R2 = C(CF3)20CH3σHFPB) R1 = CF3 , R2 = C(CF3)20CH2CF3σNFPB) R1 = R2 = C(CF3)20CH2CF3 (NFPB)
R1 = CF3 , R2 = CF(CF3)2 (TIPPB) R1 = R2 = CF(CF3)2 (lPPB)
R1 = R2 = (CF2)2(CF3) (NPPB) R1 = R2 = (CF2)3(CF3) (NBPB) Fig. 1・1. TP8 Derivatives Having CF3 Groups.
THFPBは、 TFPBの申CF3基とHFPBの- C(CF}2OCH3基を一つずつ ベンゼン環のメタ位に 導入した非対称型ホウ酸イオンである。 TNFPB、 及 びNFPBは、 THFPB、 及びHFPBの化学的安定性を低下させると考え られるメトキシル基を、 より電子求引的なトリフルオロエトキシル基に置換し たホウ酸イオンである。 更に、 酸素官能基を含まないペルフロオロアルキル基 の導入も行った。 TIPPB、 及びIPPBは分岐型ペルフルオロアルキル基、
NPPB、 及びNBPBは、 直鎖型ペルフルオロアルキル基を 導入したホウ酸 イオンである。
これら全ての含フッ素テトラアリールホウ酸イオンは、 TFPBと同様、 対
-7-
応するヨウ化物のGrignard試薬と三フッ化ホウ素との反応から合成した。 しか しながら、 含フッ素置換基をかさ高くした場合、 最終段階のホウ酸イオン生成 反応の収率低下と反応の再現性の欠如が問題となった。
本章では、 ホウ酸イオン生成反応、における収率向上と再現性の確立を目指し て種々検討した結果を中心に、 更にホウ酸イオンの原料であるヨウ化物の合成 法、 各種ホウ酸イオンの化学的安定性、 及び脂溶性について述べた。
-8-
1 - 2 Grignard反応段階の条件検討
Ar-I Mg,cat.
Et20
1) BF3.0Et
[Ar Mgリ v
2) Na2 C03 Na+ B-Ar4
-C一H
M川一門υ A守一州φ、U一H
,,.‘、- pu一 H一c
(CH3)4N+ B-Ar4
Scheme 1-1. Synthesis of Tetraarylborate.
テトラアリールホウ酸イオンは、 ヨウ化アリールから調製したGrignard試薬 と三フッ化ホウ素エーテル錯体との反応で得られる(Scheme1-1) 0 6) この反応、
は炭酸ナトリウム水溶液で停止させ、 マグネシウムイオンを炭酸塩の形で沈殿 させるので、 ホウ酸イオンはナトリウム塩の形で得られる。 ホウ酸塩をテトラ メチルアンモニウム塩化すると、 結晶性が向上し、 精製が容易になると共に、
lH-NMRの積分値から、 そのテトラアリール構造を確認できる。
しかしながら、 テトラアリールホウ酸イオンの合成で、 この段階の制御が最 も難しく、 反応の再現性の欠如と低収率が問題となっていた。
本節では、 HFPBの合成におけるGrignard反応段階の条件検討し、 反応条 件の最適化を行った。 それらの結果はTable1-1にまとめた。
すなわち、 En句r1のように開始剤を加えないでGrignard試薬の調製を行った 場合、 生成物の収率はナトリウム塩として高々22%に過ぎなかった。 しかも、
開始剤なしにGrignard試薬を調製することは非常に困難であった。
En町r2では、 ヨウ化アリールに対して10 mol%過剰量の金属マグネシウム を用い、 別のバッチで調製した同じGrignard試薬を開始剤として3mol%を加
えて行った。
-9-
Table 1・1. Conditions and Yields for Syntheses of HFPB
En甘y Arl Initiator Mg BF3・E�Oω Refluxing Yieldt.V of H FPB
/ mmol (mmol ) / eq. / eq.C) time / d / % (Cou nter cati∞)
3.56 1.1 1/4.8 2 22d)(Na )
2 7.00 ArMgl (3) 1.1 1/4.9 3 ..() (Me4N )
3 12.7 ArMgB,.s) (2) 1.0 1/5.5 1.5 91d)(Na )
4 3.20 OcBr') (10) 1.0 1/4.8 0.7 æ (Me4N )
5 100 OcBr (1ω 1.0 1/52 18 ( Na ), 14 ( M e4N )
6 1æ BuBrW (9) 1.0 1/52 4 'zl ( Na ), � ( M e4N )
7 92.6 BuBr (5) 1.1 1/5.0 6 not isolated
8 1 /4.6tV 0.8 5 (K ), 46 ( Me4N )
9 26.0 BuBr (1) 1.0 1/4.5ゆ 0.8 æ (K)
10 11 5.5 tV 0.8 not isolated
11 88.1 BuBr (1) 1.0 1/4.7 1.5 53 ( Na ), 34 ( M e4N )。
a) BF3・Et20 was added t o the Grignard reagent except for Ent同es 9 and 11, where the G同gnard reagent was added dropwise into ethereal BF3・Et20.
b} Yield after recryst創lization. Product HFPB was isolated as the sodium or potassium salt by p陪cipitation. A po附on remaining in the mother liquor was cation-exchanged to the tetramethylammonium salt for easier isolation by precipitation. The tetramethylammonium salt was also pu同fied by recrystallization.
c) Equivalent based on the aryl iodide used, unless otherwise described.
d) Apparent yield of separated solid of sodium salt before recrystallization.
e) Prepared by metal-halogen exchange reaction of the iodide with equimolar
∞tylmagnesium bromide in ether.
η1・Octyl bromide. g) 1・Butyl bromide.
h) Equivalent based on the arylmagnesium iodide (79 % yield ) determined by iodination of the Grignard reagent.
i) Solid sodium and tetramethylammonium salts were separated before recrystallization in 56 % and 37 % apparent yields, respectively.
開始剤を用いることによってGrignard試薬の調製が容易となり、 HFPBの 収率が約二倍に向上した。 しかしながら、 開始剤に使うGrignard試薬の調製は
再現性に乏しく、 合成反応条件としては確実ではなかった。
開始剤となるアリールGrign紅d試薬を再現性良く調製するため、 アルキlレ Grignard試薬とヨウ化アリールの金属ーハロゲン交換反応を検討した。 ヨウ化
アリールに対して等量の金属マグネシウムを用い、 臭化オクチルから調製した 上述の開始剤を2mol%加えて反応を行ったEn句,3の結果、 ナトリウム塩とし て粗収率90 %以上でHFPBが得られた。 アルキルGrign紅d試薬源、として臭 化オクチルを用いた理由は、 ガスクロマトグラフィによって金属一ハロゲン交 換反応の追跡確認が容易であるためである。
En句,4のように小規模(3.20mmol)の反応では、 等量の金属マグネシウムと 10mol%の開始剤を用いて、 高収率(830る)でHFPBが得られたが、 En句,5 のように大規模(103mmol)にすると、 同様の条件で収率(Na塩と地別塩を 合わせて32 %)が低下した。
開始剤として臭化オクチルの代わりに臭化ブチルを用いたところ、 反応、は良 好な収率(59%)で進行した(En句,6)。 しかし、 En句,6と同程度の規模で 10mol%過剰量の金属マグネシウムを用いたh句,7の場合、 HFPBの単離は 困難であった。
三フッ化ホウ素エーテル錯体とGrign訂d試薬との反応において、 添加方法の 効果を明らかにするために、 En句,8及び9 の実験を行った。 はじめに、
Grignard試薬を調製し、 一部をヨウ素又は水で分解し、 ガスクロマトグラフィ の生成物組成比からGrignard試薬の生成量を定量した。 原料のヨウ化アリール を基準にして79%が活性なGrignard試薬であった。 この結果をもとに、 三フ ッ化ホウ素エーテル錯体の添加量を決定した。 金属マグネシウムを含まない上
-1 1-
澄みからGrignard試薬溶液を一定量ずつ採取し、 一方は三フッ化ホウ素エーテ ル錯体を上述のGrignard試薬中に添加し(En町(8 )、 もう一方は逆に上述の Grignard試薬を三フッ化ホウ素エーテル錯体に添加し(En句(9)、 それぞれ反 応を行った。 反応は炭酸カリウムを用いて停止させた。 同様の後処理を行い、
En句, 9においてはカリウム塩として 59%単離できたのに対して 、 En句,8 では カリウム塩としては5%のみが得られて 、 残り46%はテトラメチルアンモニ
ウム塩の形で得られた。
En句,8及び 9で残 ったGrignard試薬溶液を用い、 残存する金属マグネシウム の効果 を調べたと ころ、 HFPB を単離することはで、きなかった(En句(10)0
h町8及び9における合計収率はほぼ同程度であるが、 単離、 精製 の容易さ の点で Grignard試薬を三フッ化ホウ素エーテル錯体に添加 するEn句,9の方が 優れており、 反応系中における三フッ化ホウ素の滞留時間が副生成物 の生成に 影響することが伺える。 また、 同一バッチで 調製したGrignard試薬が 、 En句,8 及び9において50%以上の収率を与えたのに対し、 En句'10において 生成物が
複雑と なりHFPBが 単離で、きなかったことから 、 反応系に及ぼす金属マグネ シウムの 効果が確認された。
これら の知見を総括し反応条件を最適化したEn句, 11においては 、 金属マグ ネシウムを取り除いたGrignard試薬を三フッ化ホウ素エーテル錯体に添加する 方法により、 大規模(88.1mmol )反応であるにも拘わらず、 HFPBが高収率 (87%)で得られ、 開始剤の量も1mol%まで低減できることが確かめられた。
ー12-
1-3 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの合成
含フッ素テトラアリールホウ酸イオン の原料となるヨウ 化物の一般的合成法 をScheme 1-2に示した。
てY
Mg, (CF3hCOEt20
Cu, R2_ 1 DMF
R1
ひえ
CF3てY
12 fum. H2S04
1) NaH I DMF
CF3 ハM R1... �、x-..
lムJJ
CF32) (CH3)2S04 or CF3CH20S02CF3
12
fum. H2S04
くY
Scheme1・2. General Scheme 01 Aryliodide Synthesis
ーC(CF)2ÛH基 をベンゼン環に一つ導入する反応、は 、 対応する臭化物 の Grign訂d試薬 を調製し、 ヘキサフルオロアセトンと反応させることによって導 入した。
これら水酸基 を有する化合物は直接ヨウ素イ日 を行った後、 水酸基 を変換し、
ホウ酸イオンの原料とした。
ペルフルオロアルキル基は、 ヨウ化ペルフルオロアルキルと臭化アリール を 金属銅 を用いてカップリングさせ ることにより導入し た。 ωこ れらの化合物も 同様の直接ヨウ素化反応でヨウ化物ヘ変換した。
前節Scheme 1-1に示したように、 アルキルGrignard試薬 を開始剤に用いる こ とで、 含フッ素テトラアリールホ ウ酸イオンに対応するヨウ化物のGrignard試
ー13-
薬を低温で調製し、 三フッ化ホウ素エーテル付加体と作用させることにより、
対応するホウ酸イオンを合成した。 以上の結果をTable 1-2及び1-3にまとめた。
Table 1・2. Introductions of Fluoro・substituents i1 Aromatic Ring.
W
R W
R
Substrates Reagents Products
トY'
ieldsR1 R
2
R4
R5 / 0/0CF3
BrMg, (CF3)2CO CF3 C(CF3)20H
69ωCF3
BrCu, (CF3)2CF1 CF3 CF(CF3)2
63a)H
BrCu, (CF3)2CF1 H CF(CF)2
66ωBr Br
Cu, (CF3)2CF1 CF(CF3)2 CF(CF3)2
67a) Br BrCu, CF3(CF2)21 (CF2)2CF3 (CF2)2CF3
50ωBr Br
Cu, CF3(CF2)31 (CF2)3CF3 (CF2)3CF3
70ωCF3 C(CF3)20H
NaH, (Me)2S 04 CF3 C(CF3)20Me
76帥CF3 C(CF3)20H
NaH, TFEOTf) CF3 C(CF3)20TFE
82b)L一一一一一一一一
a) R
3
=H.
b ) R
3
=1.
c)
TFEOTf
=CF3CH20S02CF3・
-14-
Table 1・3. Yields of lodides and Tetraarylborates.
て)" f心ふくY
1) 2) MBFg3, cat. ・OEt2Substituents lodides Yields Borates Yields Abbreviated
R1 R2 / 0/0 / 0/0 Name of Borates
CF3 C(CF3)20H 60 一 一
C(CF3)20H C(CF3)20H 89 一 一
CF3 C(CF3)20Me 一 81 THFPB
CF3 ロ(CF3)20TFE 一 47 TNFPB
C(CF3)20Me C(CF3)20Me 一 87 HFPB
CF3 CF3 70 82 TFPB
H CF(CF3)2 39 62 Borate(1)
Br CF3 一 24a) Borate(ll)
CF3 CF(CF3)2 45 64 TIPPB
CF(CF3)2 CF(CF3)2 60 59 IPPB
(CF2)2CF3 (CF2)2CF3 55 85 NPPB
(CF2)3CF3 (CF2)3CF3 78 62 NBPB
a) Synthesis from arylbromide, R1 = H, R2 = CF3・
-1 5-
1-4 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの化学的安定性
ホウ酸イオンの化学的安定性を評価す る物性値として、 酸による分解速度 の 測定を行った。 TPBは水に可溶であるが、 含フッ素テトラアリールホウ酸イ オンは水相にはほとんど分配しないので、 本酸分解反応は有機相中のみで進行 する。 TPB誘導体の酸分解反応は、 Scheme 1-3のように進行することが知ら れている。9)
H+(slow)
x-
ぴ
fast
+
Ar Ar X
ArrA
?
Lr ArS c h e m e 1 -3. Protolysis of TPB Derivatives.
はじめに、 プロトンがTPB誘導体のベンゼン環のipso位を求電子的に攻撃 してWheland中間体型の付加体が生成する 。 さらに、 炭素ーホウ素結合が切れ ることによってTPB誘導体は分解し、 トリアリールボランとベンゼンタイプ の分解物が生成する。 この時、 トリアリールボランは系中のLewis塩基(X-) を配位してアート錯体の形になってい ると考えられる。 はじめのプロトン付加 反応が律速段階と考えられている。 そのため、 置換基Rに 電子求引性の置換 基 を導入して、 ベンゼン環の電子密度を低下させると、 フロトン付加が起こりに くくなり、 ホウ酸イオンの化学的安定性は増大する。
今回行った含水硫酸ージクロロメタン二相系における酸分解反応の場合、 硫 酸がジクロロメタン相に溶けないため、 酸加水分解のフロトン源はホウ酸イオ
ー16-
ンの対カチオンとしてジクロロメタン相中に取り込まれた オキソニウムイオン のみである。硫酸ーメタノール均一系での反応に比べて オキソニウムイオンの 絶対的な濃度は低いが、 ジクロロメタン中のオキソニウムイオンは脱溶媒和さ れているため非常に反応性が高い。 そのため、 均一系の場合1ヶ月以上要する 酸分解反応が、 二相系の場合1日で進行した。
ホウ酸イオンのナトリウム温またはテトラメチルアンモニウム塩を ジクロロ メタン中に溶解し、 10.8Mの硫酸と二相系で激しく撹持することにより酸分解 反応を行った。ジクロロメタン相の19F-NMRシグナルの積分比よりホウ酸イ オンの減少を測定し、 2次反応速度式で解析した 。 ホウ酸イオンの分解速度定 数(k) と半減期(τ)をTable 1-4に示した。ナトリウム塩に比べてテトラメ チルアンモニウム塩の反応速度が遅くなっているが、 これはテトラメチル アン
モニウムイオンとオキソニウムイオンのイオン交換率が低いためである。
耐酸性は、 HFPBが一番小さく、 IPPB、 TFPB、 NBPBの順とな った。 TNFPBについては、 TFPBと同程度の耐酸性を有していると考え られる。
これらホウ酸イオンの安定性の大小は、 それぞれの置換基の置換基定数σm の値と相関している 。-C(CF) 20CH3基及びーC(CF)20C�CF3基の置換基定数は 不明であるが、 ペルフルオロアルキル基の置換基定数はTable 1-5に示した。 ペ ルフルオロアlレキル基を対称に有する ホウ酸イオンに関する限り、 σmの値の 大きなもの、 つまり、 電子吸引力の大 きな置換基ほど耐酸性が向上しているこ とがわかる。
テトラアリールホウ酸イオンの酸分解 反応が芳香環の電子密度の低下により 起こり難くなることは、 酸分解反応がプロトンの求電子攻撃機構であることを 支持している。
-1 7-
Table 1・4. Stabilities of Tetraarylborate ((3-R1-5・R2-C6H3)4B-) lon under 10.8 M H2S 04 - C H2CI2 Two-phase Conditions.
- d [ArB4- ] / dt =九[ArB4- ] [H+] = k[ ArB4-] 2 ;τ = 1 / k[ ArB4-]。
Borates Substituents [ArB4-] 01 M k τ Counter ion HFPB R' = -C(CF:J20C H3 1.31 X 10-3 144 1 min.M 5.3 min Me4N
R2=ーC(CF:J20C H3
IPPB R' = -CF(CF:J2 1おX 10-3 63.5 1 h.M 12 h Me4N R2 = -CF(CF:J2 1おX 10-3 1� 1 min.M 5.5 min Na TFPB R' = -CF3 1必X 10-3 8.92 1 h.M 77h Me4N
R2 = -CF3 1.7 X 10-3 7791 h.M 45 min Na
NBPB R'=・(CF2hCF3
R2=・(CF2hCF3 1.0 X 10-3 2681 h.M 3.7 h Na TNFPB R' = -CF3 1.37x 10-3 23.8 1 h.M 31h Me4N
R2=・C(CF:J20C H2CF3 1.7 X 10-3 1 0.41 min.M 51 min Na
Table 1・5. Hammett Substituent Constant ω
Substituents σm σ p Substituents σm σ p
-CF3 0.43 0.54 -F 0.34 0.06
-(CF2)2CF3 0.44 0.48 -OH 0.12 -0.37
ー(CF2)3CF3 0.47 0.52 ーOCH3 0.12 ー0.27
ーCF(CF:J2 0.37 0.53 -CH3 -0.07 -0.17
ーC(CF:J20 H 0.29 0.30 -CH2CF3 0.12 O.ω
a) Ref. 10
-18-
1-5 含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの溶解度
これ までに合成した含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの疎水性有機溶媒 中における溶解度を比較し、 導入した含フッ素置換基の溶解度に及ぼす効果に ついて検討した。
含フッ素テトラアリールホウ酸イオン のテトラメチルアンモニウム塩の疎水 性溶媒への溶解度をTable 1-6とFig.1-2 にまとめた。
クロロホルム、 ジク ロロメタン中において、 対称型 のペルフルオロアルキル 化ホウ酸イオンを比較すると、- CF(CFJ2基を8個有するIPPBが - CF3基を 8個有するTFPBに比べて 高い溶解度を示した。 しかし、 直鎖のー(CF)3CF3 基を8個有するNBPBは今回検討したホウ酸イオンの中 で最も低い溶解度を 示した。 このことから、 分岐型含フッ素置換基の方が- CF3基や直鎖型含フッ素 置換基よりもホウ酸極の溶解度を向上させると考えられる。
一方、 1、 2-ジブロモテトラフルオロエタン中における溶解度は、 置換基中の
フッ素原子の数ではなく置換基中のトリフルオロメチル基の数が多いほど高く なる傾向が あり、 IPPBが最も高い溶解度を示した。 この結果から、 1、 2-ジ ブロモテトラフルオロエタ ン中における溶解度は、 導入した置換基中のトリ フ ルオロメチル基の数、 もしくはホウ酸イオンの分子表面にしめるフッ素原子の 割合に関係しており、 分子内部にある フッ素原子は大きく 関与しないことが考 えらる。
-19-
Table 1・6. Solubilities (M) of Tetramethylammonium Salt of T etraarylboratesれLipophilic Organic Solvents.合
Borates Dichloromethane Chloroform CF2BrCF2Br TFPB 2.0 x 10・2 1.4 x 10-4 1.4 x 10・5 NBPB 6.2 x 10-4 1.3 x 10・5 5.8 x 10・5 HFPB 2.2 x 10・1 3.6 x 10-3 4.5 x 10-4 TNFPB 4.0 x 10-3 1.8 x 10-5 1.4 x 10-3 IPPB 1.2 x 10・1 5.0 x 10-4 1.8 x 10-3
* 1 M = 1 mol / dm3
[] CH2CI2 ロCHCI3 ロCF2BrCF2Br
100
10・1
2 10・2
、-
と‘
a コ 10-3
ω 。
10-4
10・5
TFPB NBPB HFPB TNFPB IPPB Tetramethylammonium Salt of Tetraarylborates
Fig. 1・2. Solubilities of Tetramethylammonium Salt of Tetraarylborates れ Lipophilic Organic Solven ts.
-20-
1-6 実験
化合物の同定および物性データの測定には下記の機器を使用した。
核磁気共鳴スペクトル
日立R-24 -B型cw核磁気共鳴装置CH) 目立R-24-F型cw核磁気共鳴装置C9p)
日本電子FX-100型FT核磁気共鳴装置(lH,19F) 日本電子EX-270型FT核磁気共鳴装置eH,13C) 日本電子GSX-270型FT核磁気共鳴装置CH,13C) 日本電子GSX-SOO型FT核磁気共鳴装置CH,13C) マススペクトル
日本電子ÆOL-品1S-0ISG-2型マススペクトルメーター 可視紫外吸収スペクトル
目立U-3200型スペクトル吸光光度計 ガスクロマトグラフ
島津製作所 GC 14-Aガスクロマトグラフ 柳本製作所G6800ガスクロマトグラフ
融点
柳本MP四S3型融点測定器
1-6-1 含フ ッ素テトラアリールホウ酸イオンの合成
本章で合成したホウ酸イオンの合成法については、 一部既に詳細を発表済み である。 4) 本論文では未発表のペルフ ルオロアルキル基を有するホウ酸イオ ンの合成のみを示した。
-21-
1-6-1-1 tetrakis[3-(heptafluorか2-propyl)phenyl]borate (Bora白(1))の合成 活性銅の調製11)
硫酸第二銅五水和物 100 g (0.29 mol)を水(350 m1)に溶解させ、 亜鉛粉末 (35 g, 0.54 mol)を徐々に加え、 水相が無色になるまで激しく撹持した。 上澄み を取り除き、 1M塩酸を加えて過剰の亜鉛粉末を取り除いた。析出した金属銅
粉末は、 空気にさらさないように水、 メタノール、 エタノール、 アセトン、 ジ エチルエーテルです順次洗浄し、 減圧乾燥後、 アルゴン置換し、 活性銅とした。
(heptafluorか乙propyl)benzene
活性銅粉末 11.87 g (186.8 mmol)のジメ チルホルムアミド50 ml 溶液に 、
iodobenzene 14.65 g (71.8 mmol)を加え、 室温撹持下、 2-iodoheptafluoropropane 27.62 g (93.3 mmol)を滴下し、 90'Cにおいて 24時間反応させた。 反応混合物に
水を加え、 反応停止後、 図形物を吸引ろ過により除き、 ろ液をエーテルで抽出 した。 水、 2M塩酸 、 飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸ナトリウム上で乾燥 した 。 溶媒を留去し た後 、 常圧蒸留に よ り、 目的とする(heptafluoro-2- propyl) benzeneを11.61 g (66%yield)の無色油状物としてを得た。
b.p. : 125'C
lH-NMR (1MS/CDCIJ : ð= 7.3 - 7.7 (br, 5H,紅om.)
1ヤ-NMR (C6F6/COCl): ð= ・20.85 (sep, J = 7 Hz, C�(CF九1F) 86.14 (d, J = 7 Hz, CF(C�2' 6F)
Mass(m / z, rel. int.) : 246(M", 43), 227(17), 204(37), 177(89), 127(100), 78(10),
77(52),69(20),51(24),50(15).
High mass: Obsd 246.02795; Ca1cd for CJfSF7 246.02790
-22-
3-(heptafluoro -2-propy 1)ー1-iodobenzene
ヨウ素1.7 g (6.7 mmol)を溶解させた20%発煙硫酸20mlに、O� 撹持下、
(heptafluoro・2-pro pyl)benzene 3.0 g (12.2 mmol)を滴下し、40分間撹持した。 氷に 反応物を少しずつ加え反応停止させた 後、反応生成物をジクロロメタンで抽出 した。 ジクロロメタン相は、 水、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩 水で順次洗浄し、 無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。 溶媒留去後、減圧蒸留 に より精製 し 、 目的 と す るみ(heptafluoro-2-propyl)-1-iodobenze n e を 1.76 g
(39l3るy ield)の無色油状物として得た。
b .p .: 66� / 8.0 To汀.
lH-NMR ('百1:S / CDCl) : ð= 7.0 - 8.0 (m ,4H,arom .)
19p_m侭(C6F6/ CDCl) : ð = -20.65 (sep , J = 7 Hz, CF(CF)2' 1F) 86.22 (d, J = 7Hz, CF(C�九6F) Mass (m / z, r e1. int .) : 373(10), 372(M\ 100), 303(28),253(22), 145(12) High mass: Obsd; 371.92471, Calcd for C�.f�; 371.92473
Borate (I)
金属マグネシウム0.32 g (13.1 mmol)に ジエチルエーテル2mlを加え、さ らに 1四bromo加tane (FW=137.03) 0.15 g (1.1 mmol)を 滴 下し 、開始剤となる
Gr ignar d 試薬を調製した。 ジエチルエーテルを3 m1 加えた後、O�にお いてみ (h epta fluoro-2-propyl)-1-iodobenz ene 4.07 g (10.9 mmol)のジエチルエーテル10m1
溶液をゆっくり滴下し、2.5時間撹狩し、メタルーハロゲン交換反応によって 目的とするGr ign訂d試薬を調製した。 その後、-40�において三フッ化ホウ素ジ
エチルエーテル付加体317 m g (2.2 mmol)のジエチルエーテル5ml 溶液をゆっ くり滴下し、徐々に室温まで戻した後、48時間加熱還流を行った。
-23-
反応混合物に飽和炭酸ナトリウム 水溶液を加え、 生じた沈殿をろ別した後、
ろ液より反応生成物をエーテルで抽出した。 エーテル相は、 飽和食塩水で洗浄 後、 無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。 溶媒を留去した後、 得られた茶褐色 油状物に塩化テトラメチルアンモニウム1.5 gとメタノールを加え、 超音波照 射し、 メタノールを留去した。 残留物に水を加え、 エーテルで抽出し、 溶媒留 去後、 ジクロロメタンーヘキサン混合溶媒 において再結品し、 目的とする tetrakis [3-(heptafluoro・2-propyl)phenyllborateのテトラメチルアンモニウム塩1.48 g (62%yield)を無色結晶として単離した。
m.p.: 158-160'C
lH-Nl\在R ('百,fS/ CD2CIJ : ô= 2.51 (s, 12H, N(CH)), 7.0 - 7.6 (br, 16H, arom.) 苛-NMR(Cλ/ω2C1) : ô= -19.83 (sep, J = 7 Hz, C�(CF)2' 4F)
86.57 (d, J = 7 Hz, CF(C�2' 24F) 13C-NMR (TMS / CD30D) : ô= 55.76 (t, J(C-N) = 4 Hz, N(CH))
元素分析
93.52 (d圃sep,lJ(C-め= 199 Hz,ヲ(C恒F) = 32 Hz,ζF(CF)z) 120.52 (d, 3J(C-F) = 11 Hz, C-4)
122.13 (d-q,う(C-F) = 29 Hz, lJ(C-F) = 286 Hz, CF(ζ;J?)z) 124.61 (d-sep,す(C-F) = 17 Hz, 3J(C-F) = 3 Hz, C・3) 127.02 (d,勺(C-F) = 3 Hz, C-5)
133.71 (d/J(C-F) = 9 Hz, C-2) 139.15 (s, C-6)
163.80 (q, J(C-B) = 50 Hz, C-1) H(%) C(%)
Calcd for C4oH2SBF 28N Obsd
2.65 45.09 2.69 44.86
N(%) 1.31 1.57
-24-
1・6-1・2 te佐akis(3-凶fluorome出ylphenyl)borate (Borate(II ))の合成 Borate (ll)
金属マグネシウム0.52g (2 1.4 mmol)にジエチルエーテル2mlを加え、 さ
らに1・bromo b u伽e 26 mg (0.2 mmol)を滴下し、 開始剤となるGrignar d試薬を調 製し た 。 ジ エ チルエ ー テ ル を 3 ml加 え た後 、 oC に おい て1七romo -3- 甘ifluorome出ylbenzene 4.26g (17.8mmol)のジエチルエーテル15ml溶液をゆっく
り滴下 し、 3時間撹持し 、 金 属ーハロゲン交換反 応に よって目的とする Grig nard試薬を調製した。その後、 oCにおいて三フッ化ホウ素ジエチルエーテ ル付加体537mg (3.8 mmol)のジエチルエーテル5m1溶液をゆっくり滴下し、
徐々に室温まで戻した後、 21時間加熱還流した。
反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水 溶液を加え、 反応を停止し、 生じた沈殿 物をろ別後、 ろ液より反応物をエーテルで抽出した。エーテル相は、 飽和食塩 水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒留去後、 得られた茶褐 色油状物をカラムクロマトグラフィー (展開溶媒:ジクロロメタンー酢酸エチル) により精製した 。酢酸エチル溶出分の溶媒留去後、 塩化テトラメチルアンモ ニ ウム2.2 gとメタノールを加え、 超音波照射後、 メタノールを留去しテトラメ
チル アンモニウム塩化した。残留物に水を加え、 エーテルで抽出し溶媒留去後、
ジクロロ メタン ーヘキサン混合溶媒において再結品を行い、 目的とする tetramethylammoni um tetrakis (3-凶fluorome 出ylphe nyl)borate 6 00 mg (240るyield)を無
色の結晶として単離した。
m . p. : 16 7-16 8C
lH-NMR (百1S/ CD3CN): Ô = 3.02 (8, 12H, N(CH�J 7.0 - 7.6 (br, 16 H, arom . ) 19p_NMR (C 6F6/ω3CN) : Ô =101.8 7 (8, CF3, 12F)
-25-
13C-NMR (TMS / CD3CN) : ó'= 56.14 (t, J= 4 Hz, N(CH九)
元素分析:
120.54 (d, 3J(C-F) = 5 Hz, C-4)
126.59 (q,う(C-F) =271 Hz; CF}
127.49 (q, 'J(C-F) = 3 Hz, C-5) 128.44 (q,う(C-F) = 30 Hz, C-3) 131.91 (s, C・2)
140.14 (s, C-6)
163.30 (q, J(C-B) = 50 Hz, C-1)
H(%) Calcd for C32H28BF12N 4.24
C(%) 57.76 57.85
N(%) 2.11 2.11 Obsd 4.23
-26-
1-6-1-3 te位計cis[3-(heptafluoro-2-propyl)-5-(凶日uorome出yl)phenyl]borate (T 1 PPB)の合成
1・(heptafluoro-2-propyl)ふ(凶fluorome出yl)民nzene
1・bromoふ(出fluωomethyl)民nzene 15.00 g (66.7 mmol)と活性銅粉末13.88 g
(218.4 mmol)のジメチルホルムアミド80 ml溶液に、 室温撹持 下、 1-iodo
heptafluαopropane 27.00 g (91.24 mmol)を滴下し、90'Cにおいて15時 間反応さ せた。 その後、反応混合物に水を加え、反応を停止させた後、 固形物を吸引ろ 過で取り除き、ろ液より反応生成物をエーテルで抽出した。エーテル相は、水、
2M塩酸水、飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸 ナトリウム上で乾燥させた。
溶媒留去後 、 常圧蒸留によ り、 無色油状物 の1-(heptafluαo-2-propyl)ふ (凶fluorome出yl)benzene 13.18 g (630るyield)を得た。
b.p. : 56'C /30 To汀.
lH-m銀行MS/ CDCl) : ô = 7.4 - 7.9 (br, 4H, arom.)
19p_NMR (C�6/ COCl:J : ô= -20.58 (sep, J = 7 Hz, C�(CF九1F) 86.26 (d, J = 7Hz, CF(C�九6F) 98.86 (s, CF3' 3F)
Mぉs (m / z, rel.泊t. ) : 314(�,39), 295(39), 245(89), 195(100).
High mass : Obsd; 314.01535, Calcd for ClOHj\o; 314.01535
1-iodφ3-(heptafluoro-2-propyl)ふ(凶臼uorome血yl)benzene
ヨウ素1.62g (6.4 mmol)を溶解させた300も発煙硫酸 13凶に、室温撹持下、
1-(heptafluoro-乙propyl)-3-(凶fluorome出yl)benzene 3.35 g (10.7 mmol)を滴下し、3 時間反応させた。 氷に 反応物を少しずつ加え、反応を停止させた。 反応生成物 をエーテルでト抽出し、水、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリ
-27-
ウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
溶媒留去後、 減圧蒸留に より、 無色油状物のl-iodoふ(hep tafluoro-2-pro pyl)ふ (住ifluoromethyl)ben zene 2.09 g (45%y ield ) を得た。
b.p. : 50"C / 3.0 Toπ.
lH-NMR (T MS/COCl): (J= 7.6 - 7.9 (br, 1H, H-4)
8.0 - 8.2 (br, 2H, H-2,6)
1干-NMR (C6F6/ COCl) : (J= -20.34 (sep, J = 7 Hz, C�(CF九1F) 86.34 (d, J = 7Hz, CF(CVz, 6F) 98.66 (s, CF3, 3F)
Ma s s (m / z, re1.加t .) : 441(11),440(M", 100),421(21),371(31), 321(41),194(17) Highmぉs : Oood; 439.91195,ωcd for ClOHj\oI; 439.91211
T IPPB
金属マグネシウム0.13g (5 .3 mmol) にジエチルエーテル1mlを加え、 さら
に1-bromo b u伽e 0.06 g (0.4 mmol) を滴下し、 開始剤となるGrignard試薬を調製 した。 エ ーテルを1ml加えた後、0"Cにおいて1-iodo -3-(heptafluoro -2-pro pyl)-5冒 (凶f 1uoromet hyl)ben zene 1.99 g (4.5 mmol)のジエチルエーテル 6ml溶液を ゆっく り滴下 し、 3時 間撹狩し 、 金 属ーハロゲン交換反応によって目的とする
Grignar d試薬を調製した。 その後、-40"C において三フッ化ホウ素ジ エチルエ ーテル付加体137mg (1.0 mmol)のジエチルエーテル5ml 溶液 をゆっくり滴下
し、徐々に室温まで戻した後、60時間加熱還流した。
反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、反応、を停止させた後、生 た沈殿物をろ別した後、 ろ液より反応生成物をエーテルで抽出した。 エーテル 相は、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。 溶媒を留去後、
-28-
得られた茶褐色油状物に塩化テトラメチルアンモ ニウム1.8gとメタノールを 加え、 超音波照射し 、 テトラメチルア ンモニウム塩化した。 メタノールを留去 し、 残留物に水を加え、 エーテルで抽出した。 溶媒留去後、 ジクロロメタン ーヘキサン混合溶媒において再結晶を行い、 TIPPBのテトラメチルアンモ
ニウム塩0.83g (640もyield)を無色結晶として単離した。
m.p. : 146-147"(;
lH-N�銀行MS/ CD30D): (J = 3.20 (s, 12H, N(CH)) 7.4・7.7 (br, 12H, arom.)
19p_N恥m (C/'6/CD30D): (J =ー18.78(sep, J = 7 Hz, C�(CF九4F) 87.75 (d, J = 7Hz, CF(CL)2' 24F) 100.77 (8, CF3' 12F)
13C-NMR σMS / CD30D): (J = 55.92 (t, J = 4 Hz, N(CH))
冗素分析:
93.04 (d-sep,う(C-F) = 202 Hz,う(C-F) = 32 Hz,主.F(CF)J 118.86 (d, 3J(C-F) = 12 Hz, C-4)
122.00 (dq,う(C-F) = 27 Hz, lJ(C-F) = 285 Hz, CF�二r')J 125.88 (q,す(C-F)= 272 Hz,乞;F�
126.62 (d,ヲ(C-F) = 20 Hz, C-3) 130.77 (q,す(C-F)= 32 Hz, C・5) 134.75 (s, C・2)
136.96 (s, C-6)
162.87 (q, lJ(C-F) = 50 Hz, C-1)
Me�TIPPB H(%) C(%) N(%) Additive
Calcd for C44H24BF4oN 1.81 39.52 1.09 Ob8d-1 1.92
Obsι2 1.86 Obsd-3 1.91 Obsd-4 1.89
ー29-
39.96 38.96 39.35 39.29
1.05 1.09 1.52 1.45
H2W04 H2W04 H2W04
1・6-1-4 te汀akis[3,5-bis (heptafluo時2・propyl)phenyllborate ( 1 P P B )の合成 1,3-bis (heptafluoro-2-propyl) benzene
1,3-dibromobenzene 10.17 g (43.1 mmol)と活性銅粉末17.6 g (277.3 mmol)の ジメチルホルムアミド80 ml溶液 に、室温撹持下、2-iodo-heptafluoropropane 33.21 g (112.2 mmol )を滴下し、90'Cにおいて 44時間反応させた。 反応液に水を 加えて、反応を 停止させた後、固形物をろ別した。 ろ液より反応生成物をエ
ーテルで抽出した後、水、2M塩酸水、飽和食糧水で順次洗浄し、無水硫酸ナ トリ ウ ム上で 乾 燥さ せ た 。 溶媒を留去後、減圧蒸留し、 無色油状物の 1,3-bis(heptafluoro-2-propyl)benzene 11.88 g (67%yield)を得た。
b.p. : 56'C /20 Toπ.
lH-NMR 行MS/CDCl): tJ= 7.4・7.9 (br, 4H, arom.)
1乍m在R (Cj' 6/ CDCIJ : tJ = -20.58 (sep, J = 7 Hz, C�(CF九2F) 86.22 (d, J = 7Hz, CF(CV2' 12F)
Mass (m / z, rel.泊t.): 414(�,39), 395(41), 346(11), 345(100), 295(82), 226(16),
69(12).
High mass : Obsd; 414.00891, Calcd for C12H4F14; 414.00888
1-iodか3,5-bis(heptafluoro・2-propyl) benzene
ヨウ素1.69g (6.7 mmol)を溶解させた30%発煙硫酸 20凶に、室温撹持下、
1ふbis(heptafluoro-2-propyl)benzene 5.00 g (12.1 mmol)を加え、65'C で10時間撹 持した。 氷に反応液 を少しずつ加え反応を停止させた。 生成物をエーテルで抽 出した。 エーテル相を水、100る亜硫酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリ ウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
溶媒留去 後 、 減 圧 蒸留に よ り精製し 、 目的とする無色 油状物 の
-30-
1-iodか3,5-bis(heptafluoro-2-propyl)benzene 4.39 g (67%yield)を得た。
b.p. : 56t; /2.0 To汀.
lH-NMR (1MS/CDCl): ð= 7.6 - 7.9 (br, 1 H , H-4) 8.0 - 8.2 (br, 2H, H・2,6)
19p_NMR (C6F6/ CDCl) : ð = -20.34 (sep, J = 7 Hz, C�(CF)2' 2F) 86.34 (d, J = 7Hz, CF(CV2' 12F)
Mass(m/z, rel. int.) : 541(13), 540(M+, 100), 521(22), 471(29), 421(34).
回gh mass : 0凶d; 539.90572, Calcd for C12H:f14I; 539.90571
I PPB
金属マグネシウ ム0.22 g (9.05 mmol) にジエチルエーテル 1.5 mlを加え 、
さらに1-bromobutane 0.03 g (0.22 mmol)を滴下し、 開始剤となるGrign訂d試薬 を 調 製 した。 ジ エ チ ル エ ー テ ルを 1.5 ml 加 え た 後 、 ot; に お い て
1-iodo-3,5-bis(heptafluoro-2-propyl)benzene 4.80 g (8.89 mmol)のジエチルエーテ ル15 ml溶液をゆっくり滴下し、 3時間撹持し、 金属ーハロゲン交換反応 によ って目的とするGrign紅d試薬を調製した。
-40t;において三フッ化ホウ素ジエチルエーテル付加体252 mg (1.78 mmol)の ジエチルエーテル5 ml溶液を ゆっくり滴下し、 徐々に室温まで戻した後、 36 時間加熱還流した。
反応液 に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、 反応を停止させた。 生じた沈 殿物をろ別した後、 ろ液 より生成物ををエーテルで抽出した。 エーテル相は、
飽和食塩水 で洗浄し、 無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を留去した後、
活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン留出後、 メ タノ-}レ)により精製した。メタノール溶出分より得られた茶色油状物 に塩化テ
-31-
トラメチルアンモニウム1.8 gとメタノールを加え、 超音波照射し、 テトラメ チルアンモニウム塩化した。 メタノールを留去し、 残留物に水を加え、 ジクロ ロメタンで抽出した。 溶媒留去後、 ジクロロメタンーヘキサン混合溶媒におい て再結晶を行い、 目的とするIPPBのテトラメチルアンモニウム塩を無色結 晶1.55 g (500るyield)として単離した。
m.p. : 260・263'(;
lH-NMR(百,fS / CD3CN) :δ= 2.14 (s, 12H, N(CH)) 7.3・7.6 (br, 12H, arom.) 8.0 ・ 8.2 (br, 2H, H・2,6)
19p圃NMR(C/'6/CD3CN): ô=・18.86 (sep, J = 6 Hz, CF(CF)2' 8F) 87.43 (d, J = 6 Hz, CF(CV汐48F) 13C-N1v銀行"MS / CD3CN) : ô= 56.25 (t, J(C置N) = 4 Hz, N(CHJ)
92.61 (d-sep,う(C畠F)= 202 Hz,ヲ(C-F) = 33 Hz, CF(CFJJ 119.02 (d,す(C-F) = 14 Hz, C-4)
冗素分析:
121.53 (dq,う(C-F) = 27 Hz, lJ(C-F) = 286 Hz, CF(豆F)2) 126.49 (d-sep,ヲ(C-F) = 20 Hz,う(C-F) = 3 Hz, C-3,5) 135.32 (d,う(C-F) = 8 Hz, C-2,6)
162.32 (q, J(C-B) = 50 Hz, C-1)
Me�IPPB H(%) C(%) N(%) Additive
Calcd for Cs2H24BF S6N 1.39 35.95 0.81
Obsd-1 1.35
Obsd・- 1.42
Obsd-3 1.45 -32-
38.95 34.74 34.86
1.01 3.36 3.03
H2W04 H2W04
1-6-1・5 te住汰is[3,5-bis(heptafluoro-1-propyl)phenyllborate (N P P B)の合成 l,3-bis(heptafluoro-1-propyl)benzene
1,3・dibromobenzene (FW = 235.91) 6.68 g (28.3 mmol)と活性銅粉末14.22 g (223.8 mmol, 7.9 eq. )のジメチルホ ルムアミド 40 ml 溶液に、 室温撹持下、
1・iodo-heptafluoropropane(FW = 295.93) 25.43 g (85.9 mmol, 3.0 eq. )をジメチル ホルムアミド30 mlに溶かして滴下し、90-100 'cにおいて二日間反応させた。
反応、液に水を加えて反応を停止させた後、吸引ろ過により固体を取り除いた。
ろ液 より生成物をエーテルで抽出した 後、常法に従って処理した。 溶媒 留去 後、 残留物( 9.02g)を減圧蒸留で精製し、 目的とする1,3-bis (heptafluoro-1- propyl)benzene (FW = 414.14 ) 5.87 g ( 50 % yield )を得た。
b. p. : 74 'c /25 Toπ.
Mass (m / z, rel.泊1.) : 414(�, 15), 395(18), 296(38), 295(100), 294(25), 207(11),
176(54), 126(17), 69(13).
1-iodφ3,5-bis(heptafluoro-1-propyl)benzene
ヨウ素 (FW = 253.81 ) 2.17 g ( 8.55 mmol, 0.624 eq. )を溶解させた30%発煙 硫酸 25 mlに、室温撹持下、1ふbis(heptafluoro-1-propyl)benzene (FW = 414.14 ) 5.69 g ( 13.7 mmol )を加え、40・80 'cで8時間撹持した。 氷に反応液を少しずつ 加え反応を停止させた。 反応生成物をエーテルで抽出し、水、10%亜硫酸水素 ナトリウム水溶液、 炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。 硫酸ナトリウムをろ別後、溶媒を留去して 得た残 留 物 ( 6.42 g) を 減圧蒸 留 で 精 製 し 、 目 的 と す る1-iodo-3,5- bis(heptafluoro-1-propyl)benzene ( FW = 540.03 ) 4.54 g ( 61 % yield )を得た。
b. p.: 55 'c /1 To町・ m. p. : 39 'c (無色針状品)
-33-
lH-NMR (百,fS/ CDCIJ: (J = 7.76 (s, 1H, H-4), 8.14(s, 2H, H-2,6) 13C-NMR ('百,fS/ CDCIJ: (J = 93.93(s, C-1)
108.47(qt,す(C世F) =38 Hz, lJ(C-F) = 265 Hz, CF2 (β) 113.78(tt, 2J(C-F) =32 Hz, lJ(C-F) = 257 Hz, CF2 (α) 117.81 (tq, 2J(C-F) =34 Hz, lJ(C-F) = 288 Hz, CF3 (γ) 124.74(t,う(C-F)= 6 Hz, C-4)
131.43(t,ヲ(C-F)= 25 Hz, C-3,5) 139.33(t,ヲ(C-F)= 6 Hz, C-2,6) 苛-NMR(Cλ/ CDCl): (J = 35.6 (s, 4F, CF2 (β) )
N PPB
49.6 (q, 4F,ヲ(F-F)= 9.76 Hz, CF2 (α) 81.8 (t, 6F,ヲ(F-F)= 9.76 Hz, CF3 (γ)
金属マグネシウム(FW = 24.305 ) 0.152 g ( 6.25 mmol, 0.946 eq. )にエーテル 2m1を加え、 0'Cに冷却後、 bu血yl bromide (FW = 137.03) 0.06 g, 0.4 mmol, 0.06 eq. )を 滴下 し、 開始剤となる命取lard試薬を 調製 した 。 0'Cにおいて、
1-iodo-3,5-bis(perfluoropropyl)benzene (FW = 540.03 ) 3.57 g ( 6.61 mmol)の エー テル3 m1 溶液を滴下し、 2時間撹枠を続け、 メタルーハロゲン交換反応によっ て目的とするGrignard試薬を調製した。 その後、ー40'Cにおいて三フッ化ホウ 素エーテル錯体0.187 g ( 1.32 mmol, 0.200 eq. )のエーテル15 m1溶液をゆっく
り滴下し、 徐々に室温まで戻した後、 二日半加熱還流を行った。
反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、 生じる沈殿物をろ別した後、
ろ液をエーテルで、抽出した。 エーテル相は、 飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナ トリウムで乾燥させた。 溶媒を留去した後、 残留物を活性アルミナカラムクロ
-34-