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近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題

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近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題

著者 山村 順次

雑誌名 同志社商学

巻 57

号 5

ページ 1‑23

発行年 2006‑03‑10

権利 同志社大学商学会

ドウシシャ ダイガク ショウガッカイ

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000007328

(2)

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題

山 村 順 次

はじめに

温泉をめぐる諸問題 温泉地をめぐる諸問題 むすび

は じ め に

温泉は,日本人の余暇活動において欠かすことのできない存在である。古来,人々は 心身の癒しのために温泉に浸かり,その効験のゆえに温泉に感謝して利用してきた歴史 がある。事実,奈良時代に編纂された『出雲国風土記』には,現在の玉造温泉につい て,「この温泉で老若男女が宴を楽しんでおり,ひとたび濯げばきれいになり,再び浴 すれば万の病がことごとく治るので,人々はこれを神の湯と崇めている。」(「道後温泉」

編集委員会・景浦

1982)とある。近代医学が発達した今日においても,秋田県玉川温

泉のような滞在型の湯治場においては,体験的に生活習慣病の症状が軽減される効果は 明らかであり,高齢化社会における温泉地の療養・保養機能は,今後ともますます重要 性を帯びてくるものと考えられる(山村

1998)

しかし,こうした状況の中で

2002(平成 14)年 7

月,宮崎県日向市の開業間もない 日帰り温泉施設(サンパーク)でレジオネラ属菌感染による

7

名の死亡と

250

名を超え る急性肺炎患者が発生した。この事件は,新設の第

3

セクター施設でありながら,経営 主体である行政当局の温泉循環ろ過装置についての知識不足と管理の不備,多数の高齢 者の入浴などが原因であったが,健康や楽しみのために温泉施設を訪れた入浴客が死に いたるとは,経営優先の観光温泉地の現状が如実に示されたのであった。このことは,

温泉資源の保護・利用と観光施設経営とのアンバランス,および温泉行政のあり方に対 して大きな警鐘を鳴らしたのであった。

さらに,その

2

年後の

2004(平成 16)年,長野県安曇村白骨温泉で温泉偽装が発覚

し,全国的な騒動となった(朝日新聞

2004 a)

。この天然温泉は主にカルシウム含有の 硫黄泉(硫化水素型)で,湯量が豊富な上に

90% が自噴泉であり,温泉資源性に富ん

だ優れた温泉として知られていた。しかも,その成分のために源泉は空気に触れて次第 に乳白色の温泉となり,これが白骨温泉の評価を高めていた。そこで,公共露天風呂の

217)1

(3)

源泉が次第に乳白色にならなくなった際,温泉の管理をしていた旅館組合では,浴槽に 入浴剤を入れて人工的に白濁させ,偽装していたのである。

これを契機に,各地の温泉地でも井戸水や水道水を使って温泉と偽り,行政当局はこ れを黙認して入湯税を客から徴収していたことなども判明した。これこそ,白骨温泉事 件以上に悪質な温泉偽装問題である。これでは,天与の温泉資源を大切に守り,心身の 癒しのために禊をする気持ちで温泉に感謝しつつ入浴をするといった温泉文化を,継承 するどころか放棄してしまったことになろう。

本稿では,長年にわたり温泉と温泉地の実態を研究してきたものとして,近年におけ る温泉と温泉地をめぐる諸問題を整理し,その要因を分析して,世界最高の温泉資源と 温泉文化を有する日本の温泉地を再生するためにも,今後の温泉地のあり方を具体的に 提言することにしたい。

温泉をめぐる諸問題

1.温泉法における温泉の取り扱い

(1)温泉の定義

日本の温泉地をこれほどまでに発展させてきた温泉とは,一体何をもって定義づけら れているのであろうか。1948(昭和

23)年に制定された「温泉法」では,温泉とは

「地中から湧出する温水,鉱水および水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天 然ガスを除く)で,別表に掲げる温度または物質を有するものをいう。」と定義し,別 表には漓温泉源から採取されるときの温度が摂氏

25

度以上,滷含有物質が別表に示す

19

のうちどれかひとつでもあるもの」とあり,温度か含有物質のいずれかひとつを満 足すれば,これを温泉ということにしたのである(日本温泉協会

2004)

群馬県草津温泉には明治初期に始まった「時間湯」という湯治入浴法があり,現在で も地蔵の湯共同浴場では

47℃ もの高温の湯に 3

分間浸かるために療養客が集まってく る。その一方,大分県の九住高原にある寒の地獄温泉では,13℃ の冷水に浸かって湯 治をするのである。この

2

つの対照的な温度の温泉は,温度か含有物質のいずれかの定 義に該当しているので,法律上の正真正銘の温泉である。

地下水は,その土地の平均気温より

1〜4℃ くらい高いので,それ以上であれば地下

に熱源があると考えて,これを地下水とは違う温泉とした(湯原・瀬野

1969)

。日本で は,第

2

次世界大戦前の台湾の平均気温を考慮して

25℃ を設定したと言われ,韓国や

中国も同様の

25℃,ヨーロッパでは 20℃,アメリカ合衆国では 21.1℃(華氏 70

度)が 温泉の定義に際しての基準値となっている。

一般的には,温水と冷水を区別できる温度は

34.5℃ といわれている。40℃ に近い温

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

2(218

(4)

度であれば日本人にはちょうど良い湯加減である。しかし,50℃ の高温泉であれば水 を加えて薄めることもあり,25℃ では加熱を必要とすることになる。

この点についての環境省の見解は,「温泉に希釈・加熱・ろ過等の処理を加えること は,入浴者の健康の保護,公衆衛生の保持等の観点から行われるものであり,その性状 の変更の程度や人為的な処理の程度が小さい場合には,温泉法に規定する温泉に該当す るといえる。」となっている(日本温泉協会

2004)

。しかし,その処理の程度が明確に されていないので,近年問題化している。筆者は,高温の湯を入浴に適した温度に下げ るために,成分の濃い泉質でかつ温泉療養を目的とするのでなければ,ある程度の加水 は必要だと考える。最近では,熱交換装置によって加水せずに温度を下げる工夫もされ るようになっているが,今後その普及が図られる必要がある。

温泉を規定する物質は,水

1 kg(1 l

)中に,溶存物質の総量が

1,000 mg(1 g)以

上,遊離炭酸

250 mg

以上,水素イオン

1 mg

以上,ヨウ素イオン

1 mg

以上,総硫黄

1 mg

以上などと

19

の物質が示されている。この規定は,1911(明治

44)年にドイツの

ナウハイム温泉で決議されたものを参考にして,温泉療養に関係する鉱泉の規定をした ものであり,近代の日本医学がドイツから多くを学んできたことと関係している。

温泉に含まれる化学成分によって,泉質が決められる。しかし,泉質は温泉法で規定 するものではなく,法施行の通知における「鉱泉分析法指針」によって,温泉医学的に 規定した療養泉としての泉質名がつけられるのである(日本温泉科学会

2005)

。日本で 多い泉質は塩化物泉(食塩泉)と単純温泉であり,それぞれ約

25%,両者で 50% を占

めている。次いで,硫黄泉(14%)・炭酸水素塩泉(9%)・放射能泉(8%)・硫酸塩泉

(7%)などと続いている。

ここで注意しなければならないのは,温泉法上は温泉であっても,療養泉は温泉法の 基準以上の成分含有量を決めているので,それ以下であれば泉質名のない温泉が存在す ることである。温泉法では地中から湧出した源泉の温度が

25℃ に満たなくても,例え

ば遊離炭酸が

1 kg

中,250 mg以上,ヨウ素イオンは

1 mg

以上あれば温泉となるが,

療養泉の規定では,遊離炭酸の場合は

4

倍の

1,000 mg

以上,ヨウ素イオンでは

10

倍の

10 mg

以上となっているので,その基準値未満の化学成分のみで温泉となったものは,

泉質名がつかないことになる。

また,メタケイ酸の成分基準のみで温泉となったものは,療養泉の成分として設定さ れていないので泉質名はつかないし,研究者の見解ではこの温泉は地下水に近いともい われていて,再検討が必要とされている。こうして,多くのガイドブックなどでは,間 違った泉質名を掲載しており,その割合は

50% にもなるという状況であり,問題であ

る(古田

2003)

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 219)3

(5)

(2)温泉の禁忌症・適応症

温泉法では,第

14

条に「温泉を公共の浴用又は飲用に供する者は,施設内の見やす い場所に,環境省令で定めるところにより,温泉の成分,禁忌症及び入浴又は飲用上の 注意を掲示しなければならない。」と定めている(日本温泉協会

2004)

。そこで,通知

25

で禁忌症の決定基準として,「温泉の医治効用は,その温度その他の物理的因子,化学 的成分,温泉地の地勢,気候,利用者の生活状態の変化その他諸般の総合作用に対する 生体反応によるもので,温泉の成分のみによって各温泉の効用を確定することは困難で あるが,温泉の禁忌症はおおむね別表

1

一般的禁忌症及び別表

2

泉質別禁忌症によるこ と。」と定めている。別表

1

には浴用の際の禁忌症として,急性疾患・活動性結核・悪 性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・腎不全・出血性不全・高度の貧血・その他一般に病勢 進行中の疾患・妊娠中(特に初期と末期)と記され,別表

2

には皮膚・粘膜の過敏な人 は硫黄泉・酸性泉の浴用を禁じ,下痢の際は多くの泉質の温泉飲用も禁じている。

温泉医学からみた温泉の効果としては,まず温熱や浮力・水圧などの物理的効果と溶 存物質の化学的効果があげられる。温泉法の通知で,温泉の一般的な適応症としてあげ られている疾患のうち,神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・打ち身・冷え性などは物 理的効果が作用し,慢性消化器病には塩化物泉(弱食塩泉)・炭酸水素泉・二酸化炭素 泉・酸性泉などの飲泉によって化学的効果があると考えられてきた。その他,浴用で は,動脈硬化症は硫酸塩泉・二酸化炭素泉・硫黄泉・放射能泉など,慢性皮膚病は塩化 物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・硫黄泉・酸性泉・放射能泉などが良いといわれている

(日本温泉科学会

2005)

2003(平成 15)年の国際温泉科学会で,北海道大学のグループが定山渓温泉の温泉

・入 浴 剤・水 の

3

種 の 水 を 使 っ た 実 験 結 果 を 発 表 し た(渡 部・森 谷・橋 本・阿 岸

2003)

。そこでは,ストレス解消の度合いは,温泉地の環境要素が複合的に影響してい

るものの,温泉・入浴剤・水の順で効果が大きく,かつ持続することが明らかにされ た。このように,温泉の効果は温泉のみによるだけではなく,温泉地の気候・地形など の自然環境や転地による作用,非日常的な運動や食事などの総合的な作用によって生体 変調作用が活発化し,療養・保養効果を高めることが指摘されている。

江戸時代中期の漢方医で,1738(元文

3)年にわが国初の温泉医学書『一本堂薬選続

編』を著した香川修徳(播磨姫路出身,京都で儒学を学ぶ)は,すでに温泉は「気を助 け,体を温め,悪血を除いて血液の循環を良くし,肌のきめを良くし,関節に利く」と 説いている(小笠原・杉山

1987)

。近年では,ヨーロッパでも日本でも,温泉地に滞在 することでストレスから開放されることが明らかにされつつあり,温泉地が人々の

QOL

を高め,予防医学的な健康づくりに寄与できるという「ウエルネス」の考えが広がって きた。

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

4(220

(6)

温泉法の第

1

条には,「この法律は,温泉を保護しその利用の適正を図り,公共の福 祉の増進に寄与することをもって目的とする。」とある。しかし,温泉法は源泉の分析 表と禁忌症の掲示を義務づけているだけで,われわれが実際に入浴をする温泉浴槽での 成分分析を行うことに関してはなんらの規定がない。温泉は地中から地表に出たときか ら成分に変化を起こし,老化する特性がある。特に,放射能泉や二酸化炭素泉などは成 分の放出が著しく,変化した後の分析が必要である。また,多量に加水をしたり,循環 装置を使って塩素殺菌をすると,泉質が変化することは当然である。温泉の医療効果を 期待するのであれば,なおさら浴槽での泉質が何であるかを明らかにする必要がある。

近年,この点が温泉利用者の側から問題視されてきたのであるが,環境省は源泉の保 護に重点を置き,厚生労働省は温泉公衆浴場の浴槽の汚れや換水について規定を設けて はきたが,温泉旅館の浴槽についての規定はないのである。

2.温泉利用と新技術の導入

(1)温泉利用の推移

日本列島は環太平洋火山帯にあって火山列島ともいえ,火山活動に関係して各地で温 泉が湧出している。火山脈に沿って温泉地が発達し,特に北海道・東北・関東・中部・

九州地方には温泉地が数多く分布している。しかし,近年では地下

1,000 m

を超える大 深度掘削などの技術が導入されて,今まで温泉が少なかった非火山地域の近畿・中国・

四国地方などにも温泉地が増えてきた。温泉が少ないといわれてきた千葉県でも,1971

(昭和

46)年の温泉地数 34

ヵ所が,1999(平成

11)年には 76

ヵ所を数えるほどに温

泉開発が進んでいる(山村

2000)

環境省の統計によると,2002(平成

14)年現在,日本には宿泊施設のある温泉地が

3,100

ヵ所ある。高度経済成長が始まった頃の

1950

年代後半には約

1,300

ヵ所であ

ったので,2.4倍の増加である。さらに,1972(昭和

47)年と 2002(平成 14)年の 30

年間の変化をみると,温泉湧出量は毎分

133

l

から

267

l

へと

2

倍,宿泊施設の 収容定員は

88

万人から

138

万人へと

1.6

倍の増加をみたが,宿泊客数は

1

1,800

万人

から

1

3,800

万人へと

1.2

倍のわずかな増加にとどまっている。このように,温泉資

源や宿泊施設面ではかなり伸びたものの,例えば温泉湧出量のうち温泉資源保護の上で 重要な自噴泉率は

47% から 30% へ,42℃ 以上の高温泉率は 58% から 49% へと減少

し,未利用源泉率も

30% を占めるほどである(第 1

表)。そして,日帰り温泉施設の公 衆浴場は

1,700

ヵ所が

6,700

ヵ所へと

3.9

倍の急増を示した反面,宿泊施設の稼働率は

37

%から

27% へと減少していて,温泉資源や宿泊施設経営の両面から問題となっている。

特に近年では,日帰り温泉施設が全国的に増加したことも新しい動きとして指摘さ れ,最近

15

年間で温泉公衆浴場が

2,900

から

6,700

へと急増した。これには,1980年

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 221)5

(7)

代末の「ふるさと創生

1

億円事業」における地方自治体の温泉施設づくりが多分に関係 しているが,安定成長期を迎えて客のニーズが変わり,高価な温泉旅館での宿泊よりも 気軽に安く家族連れで楽しめる日帰り温泉地を求めたことにも起因しているといえよ う。日帰り温泉客数の統計がある栃木・千葉・奈良の大都市近接の

3

県の合計値をみる と,10年前の

240

万人が現在は

1,300

万人となり,反対に宿泊客数が

920

万人から

850

万人へと減少しているのとは対照的である(環境省

2004)

(2)温泉集中管理と循環ろ過装置・大深度掘削の導入

1960

年代以後の高度経済成長期は,まさに日本の温泉地が湯治場・保養温泉地から 観光温泉地へと変質し,飛躍的に経済発展をとげた時期であった。団体温泉旅行が盛ん で設備投資が活発化し,各温泉地の旅館は大浴場を作るために新たな温泉を掘削した。

乱開発的な源泉掘削の結果,枯渇する源泉も多くなり,温泉資源を保護するためや温泉 利用の効率化を図るために,温泉集中管理や循環ろ過などの温泉利用方式が導入される ようになった。

温泉集中管理は,山形県湯田川温泉のように第

2

次世界大戦前から行われてはいた が,高度経済成長期において急速に導入されるようになった。中伊豆の修善寺温泉や伊 豆長岡温泉は,1960年代に乱開発による温泉の枯渇が著しくなってきたので,温泉協 同組合を設立して温泉を集中させ,これを分湯する方式が採用されて温泉資源の安定供 給が保たれてきた。

伊豆長岡温泉の

1

地域を構成する古奈地区の古奈温泉協同組合長の覚書によれば,

「・・・地域的な保護開発を目的として,古奈区民全員が出資者となって

2

ヵ所の共同 湯を維持し且既設業者にして源泉が枯渇にひんしている者等が各自の掘削に走らぬ様,

共存の目的と外部からブローカー的な者の介入を防ぐ故を以って設立された・・・」と あり,その後

9

本の源泉を掘削して古奈地区の

3

分の

1

を占める温泉湯量を確保し,旅

1 全国の温泉資源と宿泊経営の変化(1972・1987・2002年)

指標 年次 1972 1987 2002 2002/1972

温泉地数 源泉総数 利用源泉率(%)

高温泉率(42℃ 以上)(%)

温泉湧出量(万l /m. 自噴率(%)

宿泊施設数 宿泊収容定員(人)

宿泊客数(万人)

稼働率(%)

公衆浴場数

1,845 16,308 78 58 133 47 13,508 875,050 11,792 37 1,749

2,189 21,095 70 52 207 39 15,383 1,120,849 12,551 31 2,884

3,102 27,043 68 49 267 30 15,389 1,384,302 13,794 27 6,738

1.7 1.7

2.0 1.1 1.6 1.2 3.9 注)環境省の資料により作成。稼働率は宿泊客数/収容定員×365で算出。

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

6(222

(8)

13

軒,料理店など

20

軒,個人住宅

2

軒,共同浴場

2

ヵ所へ分湯したのである(山村

1968)

1980

年代後半頃の安定成長期になると,温泉施設の充実が図られ,露天風呂ブーム が引き起こされた。温泉旅館経営者は湯量を増やすために

1,000 m

を超える大深度掘削 などに多額の費用をかけるようになり,温泉開発に拍車がかかった。しかし,温泉資源 は有限であり,旅館の収容力に見合った温泉の確保が困難となってきた。

環境省の調査によると,最近

10

年間で新規に温泉掘削をした源泉数は

4,146

である

が,その

43% が大深度掘削であった(環境省 2004)

。地下

100 m

の掘削によって地温

3℃ ほど上がるといわれるので,1,000 m

では

30℃ となり,地表温度を加えると温

泉法の

25℃ をクリアーできる。しかし,その水源は貯留している水を探査することが

多いので,湯量が限られて枯渇することが懸念される。環境省資料によれば,すでに大 深度掘削による源泉の

13% の自噴が止まり,湯量を増やすために動力によるポンプア

ップに変えており,温泉資源保護の上で問題である。

温泉の適性利用については,温泉工学的には温泉地の宿泊収容定員当たり温泉湧出量 の値が毎分

1 l

であることが,一応の基準値であるといわれている。主な温泉観光地の 値を計算してみると,大規模な著名温泉地では基準値の

5

分の

1

未満という温泉地がか なり存在する(山村

2005)

。このことは,湯量を増やすために加水をしているとの指摘 がなされてきたことを一面では裏付けている。すべての温泉地の全旅館が,第

2

次世界 大戦以前のように源泉かけ流しのままであれば大きな問題にはならないのであろうが,

戦後の開発優先時代の流れに対処してきた結果,今日のような多様な温泉利用形態が存 在することになったのである。

2004(平成 16)年,環境省が全国約 2

万の温泉旅館や温泉施設に対して行ったアン

ケート調査によると,温泉利用の実態は第

2

表と第

3

表のようになる。この調査は回答

率が

57% であったとはいえ 1

1,700

もの回答があり,全国規模で調査されたことの

意義は大きい(環境省

2004)

2

表をみると,源泉かけ流しの浴槽は

59%(複数回答)で最も多いが,循環ろ過

2 全国と宮城県における温泉浴槽の利用形態(2004・2005年)

年次 利用形態

全国(2004年) 宮城県(2005年)

浴槽数 比率 浴槽数 比率

源泉かけ流し 循環ろ過 加水 加温 入浴剤使用

5,881 5,672 3,660 5,777 516

59.0%

53.1 35.3 56.5 4.5

720 139 754 366 46

64.3%

12.4 67.3 32.7 4.1 注)環境省および宮城県の温泉調査資料により作成。複数回答。比率は不明分を除いて算出。

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 223)7

(9)

53% でこれに匹敵するほどに普及している。宮城県の調査では,源泉かけ流しは 64

%で全国平均を上回っているほか,循環ろ過は

12% で少く,温泉資源性が高いことを

示している。また,加水と加温も多くの浴槽で行われており,入浴剤利用はほとんどな いことが明らかになった。

3

表のように,循環ろ過装置を使用している理由は,浴槽の汚染防止が圧倒的に多

くて

60% を占め,湯量不足と温泉資源保護が各 16% 程度となっている。汚染防止が高

率を占めているのは,循環ろ過装置の場合は換水と清掃が

1

週間に

1

度程度で良いこと にも起因している。加水については,源泉温度が高温の場合に温度を下げるためであ り,この点は前述のように認められる行為であろう。問題となっている湯量不足を補う ための加水は

21% であり,かなり多いことが明らかにされた。加温は日本人の高温泉

志向を踏まえると当然のことであり,67% が低温泉を加熱していることからも,泉質 が大きく変わることがなければ問題にはならないと考える。殺菌方法に関しては,30%

が殺菌無しであること,すなわち

3

分の

1

の浴槽では,一応は温泉を絶えず流して清潔

3 全国における温泉浴槽利用形態の理由(2004年)

浴槽数 構成比

循 環 ろ 過

浴槽の汚染防止 湯量不足 温泉資源保護 その他

4,738 1,332 1,245 636

59.6%

16.7 15.7 8.0

7,951 100.0

源泉温度が高い 湯量不足 温泉資源保護 強酸などの泉質 その他

2,638 1,018 414 110 673

54.3%

21.0 8.5 2.3 13.9

4,853 100.0

源泉温度が低い 加水による温度低下 殺菌・消毒 その他

4,534 636 491 1,142

66.7%

9.4 7.2 16.8

6,803 100.0

殺 菌 方 法

殺菌無し 塩素殺菌 加熱殺菌 オゾン殺菌 紫外線殺菌 銀イオン殺菌 その他

3,774 6,758 525 181 172 138 476

29.6%

57.6 4.5 1.5 1.5 1.2 4.1

11,724 100.0

注)環境省調査資料により作成。複数回答

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

8(224

(10)

に保っていることを示している。

次いで,58% が塩素殺菌によるものであり,その他の殺菌方法はごくわずかであ る。塩素剤添加による殺菌は,臭気による温泉の雰囲気の破壊,還元性成分を酸化させ るので硫黄泉・含鉄泉などの泉質変化,アルカリ性温泉の殺菌効果減少などのマイナス 面もある(甘露寺

2005)

3.温泉浴槽の衛生管理

大型化した旅館・ホテルでは,夕方の短時間に大量の宿泊入浴客を受け入れるために 浴槽の温泉は汚染され,その解決策としても循環ろ過や塩素殺菌の方法が導入された。

温泉浴槽の衛生管理については旅館業法と公衆浴場法が関係し,具体的な基準は都道府 県などの条例によっている。

日向市のレジオネラ属菌肺炎事件発生後,厚生労働省はいち早くレジオネラ属菌に関 する浴槽の衛生管理に取り組み,新たな基準を設けて通達を出した。この動きのなか で,多くの都道府県が衛生管理面から温泉の塩素殺菌や換水(基本的には毎日,循環ろ 過方式では

1

週間に

1

回),清掃を義務付けるなど条例を制定しつつある。国指定重要 文化財でもある歴史的な道後温泉本館の温泉に,愛媛県が塩素滅菌を義務付ける条例を 施行したことから,本物の温泉を塩素臭のあるまがい物の温泉にしてしまうとの声が上 がった。これまで,少ない温泉を大切に守り,清掃を十分に行ってレジオネラ問題に関 係なかった温泉に対しても,一律に塩素殺菌を強制する行政のあり方には疑問がある。

47

都道府県で温泉に関する条例が制定されているのは,秋田・岩手・宮城・福島・

群馬・島根・高知・宮崎・沖縄の

9

県に過ぎない(布山

2005)

。特に問題となっている 殺菌については,17道県で規定はなく,循環ろ過のみに消毒を義務づけている都府県 は多いが,源泉かけ流し・循環ろ過を問わず全部の施設に消毒を義務づけている県は,

宮城・愛知・広島・香川・愛媛・長崎の

6

県のみであった。いずれにしても,各都道府 県が足並みを揃えていないのが現状である。

宮城県の場合,湯水の水質基準は漓濁度:5度未満,滷有機物等:25 mg/l,澆大腸菌 群:1個/l,レジオネラ属菌:非検出であり,浴槽水の換水は

1

1

回以上完全換 水,循環ろ過の場合は週

1

回,浴槽の消毒は月

1

回以上,循環ろ過は週

1

回以上,ろ過 器の洗浄・消毒は月

1

回以上となっている(佐々木

2004)

。このように,循環ろ過装置 を使用すれば,換水や消毒などの手間がからないので,経営的に効率の良い温泉利用方 法であるということになるのであろう。

温泉浴槽の汚れは,温泉浴槽面積の広さ,単位当たり温泉注湯量や入浴者数などが関 係する。しかし,最も重要なことは入浴者がかけ湯をし,身体を清潔にして入浴するこ とが最良の汚れ防止策であり,病原菌の繁殖を防ぐことになるのにもかかわらず,この

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 225)9

(11)

当然の入浴マナーが忘れられていることにこそ問題がある。

4.温泉の情報開示

日向市の日帰り温泉施設でのレジオネラ属菌感染事件と白骨温泉の泉質偽装事件の社 会的影響は大きく,温泉に対する国民の不信感が一層強くなっている。特に,白骨温泉 は

30

年ほど前には宿泊客数がわずか

5

万人程度のひなびた山の湯であったが,現在で は

20

万人へと

4

倍にも増え,日帰り客を含めると

50

万人の観光客を集めている。そし て,筆者が

3

年前に発表した全国温泉地のランキングでは,東の大関で全国第

4

位に位 置づけられるほどの著名温泉地へと変容したのである(山村

2002)

白骨温泉の入浴剤混入を週間ポスト誌が発表した直後から,新聞・テレビなどによる マスコミ報道やインターネット上で多くの情報が流され,さらに全国的に温泉偽装の疑 いのある温泉地が報道された(鵜飼

2005)

白骨温泉の泉質はカルシウム分を含む硫黄泉であり,源泉が空気に触れてカルシウム 分が凝固して白濁する。この白濁の湯を求めてくる観光客を満足させるために,白濁し なくなった公共露天風呂に草津温泉ハップという入浴剤を投入したのである。都会の銭 湯や健康ランドなどで使われる入浴剤を,天然温泉

100% の白骨温泉が簡単に使ったこ

と,つまり客の要求に合わせて偽装してまで営業成績を上げようとした組合,そして

4

軒の旅館も同じ誤りを犯していた。特に,安曇村長が経営する旅館が入浴剤を使ってい たこと,さらにある有力旅館は長野県の調査に対して入浴剤を使っていないと答えた後 に使用が判明したことなど,行政当局や旅館経営者のモラルが問われたのである。

筆者は,公共の露天風呂は成分が異なっているので白濁しないことを客に告げ,違っ た温泉を味わってもらうことこそが重要であったと考える。その後,組合はネット上で 各旅館の源泉と浴槽での湯量まで明らかにしており,この情報公開は評価される。しか し,その分析をすると,温泉湧出量が旅館規模に十分対応しているとはいい難い旅館が かなりあった(山村

2005)

白骨温泉問題を契機にして,各地の温泉地において温泉ではない水を温泉と偽って使 用していたことが各地で判明した。2004(平成

16)年 8

20

日付け朝日新聞朝刊に は,作並・磐梯熱海・喜多方・那須・水上・藪塚・伊香保・名栗・石和・箱根・湯河原

・白骨・舘山寺・弁天島・芦原・有馬温泉など,いずれも有力な観光温泉地でこうした 温泉偽装問題が明らかになったことが掲載された(朝日新聞

2004 b)

温泉だからこそ目的税の入湯税を徴収できるのに,温泉を持たない旅館からも入湯税 を納めさせ,町の財政に加えていた温泉町が複数あったことも明らかになった。白骨温 泉と同様に,行政当局が不正を承知でこうした行為を長い間行ってきたのである。温泉 に期待感を持って訪ねてくる客を心からもてなすどころか,個々の旅館や行政当局の経

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

0(226

(12)

済性を高めることに汲々としてきた実態が垣間見える。

公正取引委員会でも,温泉偽装は景品表示法違反に相当するとの指摘がなされてい る。もはや,消費者である我々自身が,温泉の何たるかを見極める目を持つことが,緊 急の課題となってきた。これらの温泉問題が引き起こされた結果,温泉の情報開示が強 くいわれるようになったことは当然のことである。

こうした中で,環境省は温泉小委員会を立ち上げ,温泉法の改正に関して温泉利用の 掲示の義務化を検討した。その結果,2005(平成

17)年 5

24

日から次に掲げる温泉 法施行規則の一部改正にともなう温泉利用上の掲示が施行され,これを怠れば罰則が適 用されることになった。しかし,ここでも温泉浴槽での成分分析を義務づけるまでには 踏み込んではいない。

2005(平成 17)年 2

24

日付けの官報(環境省令第

2

号)には,環境大臣名で次の

ような温泉法施行規則の一部改正が公示された。すなわち,温泉法第

14

条第

1

項の規 定に,次の

4

号を掲示することが新たに加えられた。

温泉法施行規則の一部を改正する省令

温泉法施行規則(昭和

23

年厚生省令第

35

号)の一部を次のように改正する。

6

条第

8

号を同条第

12

号とし,同条第

7

号を同条第

11

号とし,同条第

6

号の 次に次の

4

号を加える。

7

温泉に水を加えて公共の浴用に供する場合は,その旨及びその理由

8

温泉を加温して公共の浴用に供する場合は,その旨及びその理由

9

温泉を循環させて公共の浴用に供する場合は,その旨(ろ過を実施している場 合は,その旨を含む。)及びその理由

10

温泉に入浴剤(着色し,着香し,又は入浴の効果を高める目的で加える物質を いう。ただし,入浴する者が容易に判別することができるものを除く。)を加 え,又は温泉を消毒して公共の浴用に供する場合は,当該入浴剤の名称又は消 毒の方法及びその理由

実際,各県ではこの

4

項目の浴槽での掲示を指導しており,各温泉旅館には掲示がな されている。多くの場合,その内容は簡単なものであり,加水(温度低減のため),加 温(適温にするため),循環ろ過(温泉資源保護のため),入浴剤(使用していません)

などの表示があるのみである。温泉利用者が求めているより詳細な温泉情報開示とは程 遠い。

一方,温泉の情報開示に関しては,2003(平成

15)年度から日本温泉協会が天然温

泉表示看板を発行する事業を推進してきた。これは,日本温泉協会会員の温泉旅館の浴

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 227)1

(13)

槽ごとに温泉情報を開示するもので,画期的である。これまで,日本温泉協会は旧環境 庁と運輸省の名前を入れた天然温泉看板を発行して,各旅館がこれを掲示していた。省 庁再編で新たな看板を作らねばならなくなり,協会は委員会を設置して検討してきた。

そこで,利用者への情報公開を踏まえて,漓浴槽ごとの表示,滷表示内容の充実,澆 審査機関での公正な審査,潺5年間の更新期限などを骨子とした案が出された。当初 は,単に

5

つ星による総合評とする案であったが,これは旅館の格付けとして受け取ら れやすいので再検討され,温泉の自然度・適正利用度を基準にして,漓源泉・引湯の状 況,滷泉質は療養泉かどうか,澆給湯方式のかけ流し,循環ろ過,併用などの別,潺加 水の有無,潸新湯注入率(1時間あたり)を指標に,一応の目安として

3

段階の評価を した。その後,掲示の試行期間を過ぎた

2005

年度からは,新たに項目ごとに

5

段階の 評価を採用している。

温度を下げるための加水と温泉増量を同じ加水としている点は問題であり,看板掲示 申し込みが多くない要因のひとつになっている。2004(平成

16)年 11

月までに,申込 数は

187

温泉地,311施設,看板数は

610

枚であるが,これは会員総数の約

20% に過

ぎず,今後の普及が望まれる。

温泉地をめぐる諸問題

1.温泉地の変容と温泉客の志向性

(1)温泉地の変容

温泉地をその機能によって類型化すれば,漓療養温泉地(湯治場),滷保養温泉地,

澆観光温泉地に大別される(山村

1998)

。そして,日本における温泉地の発展段階をみ ると,明治維新後に大都市周辺において療養温泉地から保養温泉地への変容がみられ,

2

次世界大戦後には,多くの温泉地が観光温泉地へと発展した。特に,高度経済成長 期には観光温泉地の多くが歓楽地化し,地域の歴史・文化や景観を破壊した画一的な温 泉地へと変貌した。

療養温泉地は,その名のように湯治客が温泉に浸かって疾病を治療する温泉地であ り,1〜3週間程度の滞在が必要になる。保養温泉地は心身の癒しや静かに温泉地で過 ごして英気を養うための保養・休養客が訪れる温泉地であり,2〜3日程度の滞在は必 要とされる。さらに,観光温泉地は主として広域観光の宿泊拠点として

1

泊客を受け入 れる温泉地がこれに相当し,高度経済成長期に団体の慰安観光客を多数受け入れるため に,各旅館は大規模化した。いずれの温泉地類型であっても相互の混在が認められ,そ のウエイトの差異が温泉地の特性を反映することになる。

明治中期には,熱海温泉ですら宿泊客は平均

1

週間の滞在をしており,多くの客が保

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

2(228

(14)

養を目的としていたのである。大正期から昭和初期に別荘開発が進展し,都市の中産階 級の人々が滞在する保養温泉地としての機能を強めた(山村

1970)

。そして,昭和初期 の観光発展期においては,それまでの自炊中心から賄い付きの宿泊形態へと旅館経営が 変化し,食事を提供する形態が広まってきた。当時の旅館案内には,自炊式・半自炊式

・伺い式(旅籠・賄い付き)の

3

つの宿泊形態が記されていたが,箱根・湯河原・熱海 を始め,著名温泉地ではすでに伺い式のみになっていた(日本温泉協会

1941)

現在,滞在型の保養温泉地でも,多くの客が賄い付きの旅館に宿泊しており,要は宿 泊費の高低が関係しているのである。自炊・半自炊旅館でも

3,000〜4,000

円程度の宿泊 料を払い,さらに食事は自炊をするとなると負担がかかるので,賄い付きで

6,000〜7,000

円程度の民宿並みの旅館を利用するように変化している。

全国に一般化した大規模な旅館・ホテルは,団体客の減少と温泉客の志向性の多様化 や宿泊料金の低簾化傾向の中で,経営的に苦境に立たされている。各旅館の施設内容の 紹介以上に,各温泉地の個性を強くアピールすることが求められており,まさにより魅 力のある個性的な温泉地域づくりが重要となってきた。

石川県山代温泉は,かつて「北陸へいらっしゃい」のキャッチフレーズのもとに片山 津温泉などとともに,大規模歓楽温泉地を志向して経済的に大きく発展してきた(山村

1981)

。主な旅館は広い土地を求めて温泉場中心部から周辺部へ転出し,経営を拡大し

た。しかし,今日では宿泊客数は大幅に減少し,温泉場中央の歴史的な共同浴場である 温泉浴殿を再び核にすえた温泉広場づくりを推進している。鬼怒川温泉や別府温泉の有 力老舗旅館なども経営交代を余儀なくされたり,新たなニーズに対応すべく

1

泊朝食付 きの低料金システムに経営方針を変更している。

その一方では,小規模な山の湯が秘湯として脚光を浴びたり,ユニークな特色を有す る温泉地が求められるようになっており,温泉地の消長が著しいのである。

(2)温泉客の実態と志向性

日本人の宿泊観光において,温泉浴の地位はますます高まっている。日本観光協会の 経年的な調査によれば,宿泊観光の主な目的として

1980(昭和 55)年には慰安旅行 32

%,自然・名所・行楽

30%,スポーツ・レクリエーション 11%,温泉浴 5% であった

が,2001(平成

13)年ではそれぞれ 16%,24%,17%,20% へと変化し,慰安旅行の

大幅な減少とは対照的に温泉浴の急増が明らかである(日本観光協会

2003)

。また,日 本交通公社の調査では,旅行の動機は日常生活からの開放,旅先での食事や経験,保養 休養などであり,行きたい旅行は年齢・性別に関係なく温泉旅行が特に多いのである

(日本交通公社

2000)

ここで,日本温泉協会が実施した最近のアンケート調査をまとめると,2001年の温 泉観光の実態と志向性は,次のようである(布山

2003)

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 229)1

(15)

漓約

84% が年 1

回以上の温泉宿泊旅行をし,70% が日帰り温泉旅行を経験してい る。

滷宿泊数は

1

泊が

52%,2

泊が

37% であり,相変わらず宿泊数は短い。これには自

由に有給休暇がとりにくい休暇制度の問題や経済的要因が関係している。

澆家族・親戚連れが

67%,友人連れが 21% であり,2〜4

人の小グループが

70% を

超える。

潺観光目的が

41%,保養が 37%,湯治が 11% であり,以前と比べて保養や湯治への

傾斜が強まってきた。

潸利用交通機関は鉄道

42%,自家用車 38%,飛行機 11%,貸切バス 5% であり,家

族連れなどで移動するのに適した自家用車の比率が高くなっている。

澁宿泊料金は

1

5,000

円以下が

61% を占め,最近ではさらにそのウエイトを高め

ている。

澀温泉地選定理由は,20年前も今も年齢に関係なく,「自然環境」「温泉情緒」「温泉 資源そのもの」の

3

大要素が高率を示し,これらが優れた温泉地が求められてい る。印象の良い温泉地の理由も同様である。

潯印象の悪い温泉地の理由としては,旅館のサービスや施設への不満が多く,地域環 境の未整備も指摘されている。

潛温泉地に望む施設は,10数年前も今も露天風呂・遊歩道・安い宿・郷土資料館・

外湯・和風旅館街などである。最近では,期待する主なサービスとしては,観光ガ イド・散策ガイド・入浴指導・健康指導などが求められるようになった。

ここで,温泉客がこれまで行った温泉地で最も印象の良かった温泉と今後最も行きた い温泉地をまとめたのが,第

4

表である。

4 最も印象の良かった温泉地と行きたい温泉地(1995・2002年)

年次 最も良かった温泉地(2000年) 最も行きたい温泉地

(2000年)

最も行きたい温泉地

(1995年)

順位 温泉地 回答数 自然環境 温泉情緒 温泉資源 順位 温泉地 回答数 順位 温泉地 回答数 1

2 3 4 5 6 6 8 9 10 11

草津 193 箱根温泉郷 82

下呂 71

登別 58

別府温泉郷 57 乳頭温泉郷 54

白骨 54

四万 42

那須温泉郷 39

黒川 36

由布院 35

40.4%

59.8 42.3 62.1 35.1 85.2 81.5 64.3 71.8 58.3 60.0

53.4%

34.1 43.7 37.9 50.9 38.9 53.7 45.2 33.3 55.6 51.4

67.9%

58.5 60.6 69.0 63.2 75.9 68.5 66.7 56.4 66.7 48.6

1 2 3 4 5 5 7 8 9 10 11

草津 214 由布院 124 別府温泉郷 108 登別 100 箱根温泉郷 95

黒川 95

乳頭温泉郷 94

白骨 82

四万 75

道後 72

伊東 69

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

下呂 172 登別 152 別府温泉郷 120 草津 106

白骨 86

由布院 65 水上温泉郷 56 伊香保 50 乳頭温泉郷 47

道後 46

奥飛騨温泉郷 45 注)日本温泉協会資料により作成。2000年:布山裕一 1995年:山村順次 %は複数回答

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

4(230

(16)

10

年前には,山峡にあって施設やサービスが充実している岐阜県下呂温泉が,奥飛 騨観光の拠点として温泉客の志向性が高かった。その後,温泉資源が重視されるように なって,質量ともに最右翼の草津温泉がトップの地位を不動のものとしている。由布院 温泉も田園景観を大切にした地域環境の良さが評価されているし,乳頭温泉郷・白骨温 泉・黒川温泉なども閑静な山の湯としての地域性が都会人に強く求められているのであ る。

以上のように,近年における温泉客の温泉旅行の実態と温泉・温泉地に対する志向性 をみると,いわゆる本物の温泉地で心身の癒しをするための環境が整った余暇空間を求 めていることが分かる。すなわち,第

2

次世界大戦後において日本の多くの温泉地が観 光地化・歓楽地化する過程で危機感を感じた当時の厚生省(現環境省)が,1954(昭和

29)年にいち早く国民保養温泉地を制定したことが,いま再評価されつつあるのであ

る。

2.温泉地の活性化

長い平成の不況下にあって観光温泉地の低迷が続いている。とはいえ,温泉地の活性 化へむけての前向きな取り組みの結果,宿泊客を増やして成長している温泉地と旧態依 然としたままで凋落している温泉地とが明瞭になってきた。以下に,温泉地の活性化に おいて高く評価される温泉地の事例を取り上げることにする。

(1)秋田県玉川温泉

田沢湖町玉川温泉は,奥羽山脈の大自然の真っ只中に展開する八幡平温泉郷のひとつ を構成し,今も多くの湯治客が来訪して自炊をしながら長期滞在をする療養温泉地であ る。源泉温度

90℃,温泉湧出量は毎分 9,000 l

におよぶ有力な温泉資源を有しており,

これを

1

軒の旅館が利用している。泉質は強酸性硫化水素臭硫酸塩泉であり,高温泉浴 とオンドル小屋での地熱利用の地蒸しやラジウム放射線を含む岩盤浴などが知られ,そ の療養効果を期待して各種疾病の湯治客が集まってくる。この温泉は,明治中期頃に山 小屋風の温泉浴場があったに過ぎなかったが,1932(昭和

7)年に湯瀬温泉の旅館経営

者がこれを買収し,一帯の国有地を借地して本格的な湯治場経営に乗り出した(山村

1973)

2

次世界大戦後の観光化時代においても交通不便な湯治場として機能し,東北大学 医学部などと連携して湯治相談を行ってきた。1972(昭和

47)年当時,約 6

万人の延 宿泊客数があり,平均

7

泊の長期滞在をしていたが,2000(平成

12)年現在,宿泊収

容定員は自炊部

244

名(宿泊料

4,200

円),旅館部

455

名(8,000円〜1万

3,000

円)の 大規模な旅館となっており,宿泊客延数は自炊部

4

万人(平均滞在数

6.4

泊),旅館部

11

万人(4.5泊)を稼働しているほどの盛況を呈している(第

5

表)。そこで,1999(平成

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 231)1

(17)

11)年には 2 km

ほど離れたブナの原生林中に

570

名収容の新玉川温泉を開湯し,初年 度で

3

万人(2.5泊)の宿泊客を吸収した。

かつては自炊部を利用する湯治客の

50% は秋田県内客であり,岩手県の 31% を加え

ると

81% にもなる。旅館部では 33% へとウエイトを減じ,東京と関東地方が 44% に

達していた。現在では,自炊部利用湯治客については隣接県からの客が大幅に減少し,

湯治市場は東北地方や全国各地へと広域化した。旅館部でも同じ傾向を認めることがで き,ここに玉川温泉が全国的にいかに療養温泉地として高い評価を受けているかがわか る。その背後には,玉川温泉の岩盤浴が末期がんなどにも効果を上げるなどと喧伝さ れ,一部のマスコミにも紹介されたことなどが影響しているものと考えられる。

このような玉川温泉宿泊客の実態を明らかにするために,筆者は

1997

(平成

9)年 10

月に来訪した宿泊客についてアンケート調査を実施した。自炊客

68

名,旅館客

341

名 の回答を得たが,その結果,自炊客のみならず旅館利用客も含めて

46% が療養を目的

としており,保養目的を加えると

85% となり,観光目的は 14% に過ぎなかった。

男女比はほぼ半々であり,年齢構成は

60

代の

40% を中心として 50

以上が

85% にな

り,70代以上が

20% を示す。主婦と無職が 50% にもなり,半数は家族同伴で訪問,40

%が

1

週間以上の滞在をし,その

3

分の

2

がリピーターである。来訪客の病状である が,腰痛・高血圧症・消化器系疾患が各

10% 強を占め,その他では神経痛や呼吸器・

心臓・皮膚疾患や病後回復も各

5% 程度を示した。このように,多様な疾患を治したい

一念の高齢者が,主に口コミによって部屋を予約することが困難なほどの温泉地へやっ てきて湯治をしているのであるが,正規の温泉医が常駐してその対処に当たっていない ことは問題であろう。経験に基づく民間療法であるとはいえ,湯治効果は「大変有り」

24

%,「少し有り」34%,「不明」41% となっており,3分の

2

が湯治の意義を認めている のである(山村

1998)

5 玉川温泉における宿泊形態別宿泊客居住地の変化(1972・2000年)

年次 宿泊 居住地 形態

1972 2002

自炊部 旅館部 自炊部 旅館部 秋田県

岩手県 他の東北地方 東京都 関東地方 その他

49.9%

30.6 8.5 4.3 3.6 3.1

19.6%

13.0 14.0 22.9 21.5 9.0

8.2%

9.3 21.8 11.8 16.9 32.0

3.1%

3.6 31.6 11.8 18.4 31.5

100.0 100.0 100.0 100.0

延宿泊客数 平均滞在数

6万人 7

4.3万人 6.7

10.7万人 4.5 注)玉川温泉の資料により作成

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

6(232

(18)

玉川温泉は環境省指定の国民保養温泉地であり,その指定要件に顧問医を置くことが 定められているので,早急に行政当局を含めた検討が望まれる。

(2)宮城県東鳴子温泉

東鳴子温泉は鳴子温泉郷を構成する温泉地のひとつで,湯治場の機能を色濃く残して いる。江戸時代,仙台伊達藩主の「御殿湯」があった温泉地であり,現在でもその数は 少なくなっているものの,仙台平野の農村部や三陸の漁村と結びついて,自炊旅館や賄 い付き旅籠旅館で長期滞在をする農漁民の湯治形態がみられる。田植え後の「泥落と し」「丑の湯」や収穫後の「骨休み」,冬に風邪を引かないための「寒湯治」などと称し ては,夫婦や友人と連立ってきて

1

週間から

10

日は滞在する。温泉の泉質が多種にわ たり,最近は首都圏からの都市の老齢層が数泊の滞在をするようになっており,新たな ニーズの掘り起こしも進んでいる。1974年には宿泊客

15

万人のうち,自炊湯治客が

70

%を占めていたが,2001年には

23

万人のうち

12% へと減少しているとはいえ,食事

付の旅籠で滞在し て 湯 治 を す る 人 も 多 く,冬 季 間 は 湯 治 客 で 賑 わ う(小 堀・山 村

2004)

。事実,湯治中心の宿の例では平均宿泊数は

1967

(昭和

42)年の 11.5

泊から

2002

(平成

14)年の 4.1

泊へと減少しているが,宮城県内客率はそれぞれ

72%,78% で大き

な変化はなく,ローカル性が維持されている。

旅館

13

軒中,自炊のみが

3

軒に減ってはいるが,自炊と旅籠を兼ねる旅館が

8

軒も あり,各旅館経営者は湯治の重要性を認識していて,地域をあげての活性化策を展開し ている。狭い温泉場であるにもかかわらず,泉質は単純温泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉

・硫黄泉(硫化水素型)など多種にわたるので,各旅館の湯めぐりが行われている。ま た,最近では鳴子町立温泉病院と提携して,湯治客のための「温泉療養プラン」を立ち 上げ,旅館が病院への送迎をしたりして,診察やリハビリを気軽に行えるようにして健 康増進に一役買っている(菊地

2003)

。さらに,2003年

11

月には「現代湯治入門−東 鳴子温泉

3

日間ツアー」を催行して,滞在期間中に地元民と温泉客とが心から触れ合え るイベントを楽しんだり,初夏には田植え体験を取り入れたツアーなども実施している

(大沼

2004)

(3)兵庫県城崎温泉

1,400

年余りの歴史と伝統のある城崎温泉では,観光協会が温泉情緒のある和風旅館

街へ宿泊客を散策に出すように,「外湯七湯めぐり」を始めた。城崎温泉は従来温泉資 源に恵まれず,宿泊客も

7

つの共同浴場を利用する外湯体制が第

2

次世界大戦後まで続 いていた。もちろん,その後の温泉掘削によって旅館の内湯が整備されたのであるが,

旅館経営者自ら宿泊客が温泉街へ出たいと感じるような優れた温泉地景観を保全し,宿 泊客によって町に賑わいを取り戻し,地域の経済発展を図ることに尽力したのである。

旅館のフロントで宿泊客に外湯(共同浴場)の無料入浴券を配った結果,宿泊客の大半

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 233)1

(19)

が外湯を利用するようになったといわれる。2004(平成

16)年では,外湯利用者数 157

万人のうち,宿泊客が

66% を占めた。

城崎温泉は江戸時代の温泉番付で西の関脇にランクされるほどであった。それには,

日本初の科学的温泉治療を行った漢方医・後藤艮山の存在がある。艮山の弟子である香 川修徳は,師の言葉を紹介して城崎の一の湯を「海内第一泉」として宣伝したのであっ た(城崎町史編纂委員会

1988)

城崎温泉を流れる大谿川に沿って和風

2

階・3階建の旅館や商店が建ち並び,柳の並 木と調和して温泉情緒を醸成している。かつて○マーク制度が導入されたときに和風木 造建築の存続が危ぶまれたが,1982(昭和

57)年に地元有志を中心に「城崎温泉の町

並みを守る会」が発足し,以前に制定されていた城崎町環境保全基本条例を踏まえた地 道な運動が展開された。市街地景観指導要綱には,建物などの工作物の高さや外観,ネ オンサインなどの屋外広告物の形状・色彩にも指導基準を定めて景観形成に配慮し,基 準に適合するようにしなければならないとした。

その一方では,文学碑・和風街路灯・総檜づくりの橋・灯籠などの設置,一部電話線 の地下埋設や大谿川への鯉の放流,飲泉場などの公的施設整備を進めてきた。このよう に,地元住民・観光業界・行政とが一体化して実施してきた努力が,宿泊客の増加に繋 がったのである。

(4)熊本県黒川温泉

阿蘇の外輪山の谷間にあるローカルな温泉地が,一躍全国区の温泉地として,脚光を 浴びるようになった。30年前には

14

軒の小旅館が老人会の客などを中心に,年間宿泊 客

5

万人を集めていた交通不便な温泉地であったが,Uターンした経営者たちが主導 性を発揮し,共生の姿勢のもとに地域づくりに邁進して成功した。

黒川温泉は元来温泉が豊富で,しかも

80〜100℃ の高温泉で 11

種類という多種の泉 質を持つ有力な温泉資源に恵まれていた。その活性化の契機は露天風呂ブームであり,

各旅館は小規模ながら特色のある露天風呂を設置し,1986(昭和

61)年にユニークな

入湯手形による露天風呂巡りを開始した。杉の間伐材で作った手形を

1,200

円で購入す ると,3ヵ所の旅館の温泉に入浴できるのである。1ヵ所

400

円のうち,250円は旅 館,150円は旅館組合の収入となる。

こうした新たな集客方法を開発するとともに,それまでのマンネリ化した旅館組合の 組織を再編強化し,年

1

回の総会のほかに全旅館が参加する月

1

回の八日会を始めると ともに,分科会による日常的な意見交換の場を設けた。組合員全員の温泉地域づくりへ の積極的な取り組みが,時代の変化にマッチして次第に評価された結果が今日の成功を 導いたのである。

このシステムが広く紹介されて観光客が急増し,現在の宿泊客数は

35

万人,日帰り

同志社商学 第57巻 第5号(26年3月)

8(234

(20)

客を加えると

100

万人にもなるといわれる。開始前の旅館組合予算

1,600

万円が開始翌

年には

3,000

万円となり,現在では

2

5,000

万円にもなる(黒川温泉観光旅館協同組

2002)

。この予算で,これまで地域景観を乱していた看板の統一や新たな植樹などを

進め,地域環境の保全を図り,山の湯としての雰囲気を大切にしてきたのである。しか し最近,観光シーズンには過度の客が流入して混雑するので,日帰り観光バスでの客に は入湯手形の販売を禁止するなどの措置を講じたりしたが,これまでの共同歩調が崩れ つつあることは問題であろう。

3.温泉地のあり方

ここでは,持続可能な温泉地域社会を構築するための具体案を提示したい。

漓これまでに,過度の温泉掘削は温泉資源の枯渇を招き,温泉の虚偽利用をも招来し

たことを述べた。その解決のためには,温泉資源の質や量に調和した温泉地経営を図る ことが大切である。その際,温泉資源の適正利用とは,温泉地の宿泊定員当たり毎分温 泉湧出量が

1 l

以上であることを基準とすべきである。

各旅館にとって,宿泊収容定員に対して温泉資源が足りない場合は,天然温泉の浴槽 と水利用の浴槽に分け,それを客に提示すべきである。その説明をすることによって,

客の理解は得られるであろう。実際,温泉客は温泉のかけ流しのみに温泉地の魅力を感 じているわけではないことが示された(朝日新聞

2004 c)

温泉の量が少ない場合は,共同浴場を充実させ,城崎温泉のように外湯めぐりによっ て地域の活性化が進んだ事例を参考にすると良い。

滷今後は,健康志向の客に満足されるウエルネス温泉地づくりを推進することが必要

である。人々が健康を保持するために,温泉に浸かって心身を癒すための場をいかに提 供するかが大切となる。従来のように,単に泉質からみた適応症を強調するだけではな く,客がリラクゼーションできるような温泉浴のきめ細かいメニューを準備することが 必要である。若い世代こそ,温泉にストレス解消を期待している現在,850人以上もい る温泉療法医の積極的社会貢献が待たれる。

澆ウエルネス温泉地では数泊の滞在が望まれる。そこで宿泊費がかさむことが問題に

なるが,ウィークデイの宿泊稼働率を上げる努力をし,食泊分離による宿泊費の低廉化 を図る。さらに,客の滞在生活にとって楽しみを増すような各種メニューを考案する。

例えば,郷土色や健康に配慮した食事メニュー,温泉浴における健康運動やエステティ ック,大広間でのスライドやビデオなどを加えた地域の自然や文化の紹介や温泉療法医 による健康講話,地域内観光スポットのガイドなどを展開することである。

潺環境省の国民保養温泉地については,いまこそその意義を強調して,新たな体制の もとに保養温泉地の活性化を推進すべきである。そのためには,現在

91

ヵ所,約

160

近年における温泉と温泉地をめぐる諸問題(山村) 235)1

参照

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兵庫県

※以上、合計331の温泉地を選択肢として設定した

男女別大浴場(露天風呂・サウナ・ 男女別大浴場(露天風呂付帯) ・貸 男女別大浴場(露天風呂付帯) ・貸 26℃ 源泉風呂付帯)